JPH0671413B2 - 単細胞化植物含有食品の製造方法 - Google Patents
単細胞化植物含有食品の製造方法Info
- Publication number
- JPH0671413B2 JPH0671413B2 JP2025113A JP2511390A JPH0671413B2 JP H0671413 B2 JPH0671413 B2 JP H0671413B2 JP 2025113 A JP2025113 A JP 2025113A JP 2511390 A JP2511390 A JP 2511390A JP H0671413 B2 JPH0671413 B2 JP H0671413B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plant
- single cell
- cell
- enzyme
- food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L11/00—Pulses, i.e. fruits of leguminous plants, for production of food; Products from legumes; Preparation or treatment thereof
- A23L11/40—Pulse curds
- A23L11/45—Soy bean curds, e.g. tofu
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y302/00—Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
- C12Y302/01—Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
- C12Y302/01015—Polygalacturonase (3.2.1.15)
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L19/00—Products from fruits or vegetables; Preparation or treatment thereof
- A23L19/01—Instant products; Powders; Flakes; Granules
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L19/00—Products from fruits or vegetables; Preparation or treatment thereof
- A23L19/09—Mashed or comminuted products, e.g. pulp, purée, sauce, or products made therefrom, e.g. snacks
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L21/00—Marmalades, jams, jellies or the like; Products from apiculture; Preparation or treatment thereof
- A23L21/10—Marmalades; Jams; Jellies; Other similar fruit or vegetable compositions; Simulated fruit products
- A23L21/11—Marmalades; Jams; Jellies; Other similar fruit or vegetable compositions; Simulated fruit products obtained by enzymatic digestion of fruit or vegetable compositions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L7/00—Cereal-derived products; Malt products; Preparation or treatment thereof
- A23L7/10—Cereal-derived products
- A23L7/109—Types of pasta, e.g. macaroni or noodles
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y402/00—Carbon-oxygen lyases (4.2)
- C12Y402/02—Carbon-oxygen lyases (4.2) acting on polysaccharides (4.2.2)
- C12Y402/02002—Pectate lyase (4.2.2.2)
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Agronomy & Crop Science (AREA)
- Botany (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、植物の単細胞化粥化体を含有する品質良好の
食品を容易に製造する方法に関する。
食品を容易に製造する方法に関する。
農産物は2〜3か月から1年に亘る長期間栽培された後
収穫利用される生育期間の長い作物であるが、過剰生産
されると生鮮物であるため鮮度が短かく、変質、腐敗等
により商品価値を失ない、投棄させることが多い。また
缶詰工場、果汁工場、漬物工場等の如く、大量加工場で
は、果実、野菜を大量に集荷し前処理するが、この時外
皮、搾汁粕、屑果、屑野菜等が大量に排出されている。
然し過剰生産された農産物も、加工廃棄残渣も共に有効
な利用方法は未だ解明されていない。以上の様に過剰農
産物や加工残滓、更に薬草等の有効な利用法開発のため
には、有用部分のみを選択的に回収する必要がある。
収穫利用される生育期間の長い作物であるが、過剰生産
されると生鮮物であるため鮮度が短かく、変質、腐敗等
により商品価値を失ない、投棄させることが多い。また
缶詰工場、果汁工場、漬物工場等の如く、大量加工場で
は、果実、野菜を大量に集荷し前処理するが、この時外
皮、搾汁粕、屑果、屑野菜等が大量に排出されている。
然し過剰生産された農産物も、加工廃棄残渣も共に有効
な利用方法は未だ解明されていない。以上の様に過剰農
産物や加工残滓、更に薬草等の有効な利用法開発のため
には、有用部分のみを選択的に回収する必要がある。
この有用部分を回収する場合、ミキサー等を用いて機械
的に磨砕する方法を用いると、農産物の細胞壁が破壊さ
れて細胞内に含まれた有用成分が失われたり変化したり
する。とくに細胞内の香気成分、色素成分、栄養成分等
が細胞壁の破壊によって失われたり劣化してしまう。
的に磨砕する方法を用いると、農産物の細胞壁が破壊さ
れて細胞内に含まれた有用成分が失われたり変化したり
する。とくに細胞内の香気成分、色素成分、栄養成分等
が細胞壁の破壊によって失われたり劣化してしまう。
上記したように、従来のような機械的磨砕方法等を用い
ると有用成分を効率よく回収することができない。
ると有用成分を効率よく回収することができない。
本発明はこのような従来の問題点を除去し、これら有用
成分のみを選択的にかつ効率よく回収する方法を用い
て、単細胞化植物含有食品を容易に製造する方法を提供
することを目的とするものであって、本発明の方法によ
り過剰農産物、加工残滓、薬草等の有効な利用を開発す
ることを可能とするものである。
成分のみを選択的にかつ効率よく回収する方法を用い
て、単細胞化植物含有食品を容易に製造する方法を提供
することを目的とするものであって、本発明の方法によ
り過剰農産物、加工残滓、薬草等の有効な利用を開発す
ることを可能とするものである。
本発明の製造方法は、上記目的を達成するためになされ
たものであって、植物に適性pHの下、植物組織単細胞化
酵素を作用させて植物の細胞間物質を分解して植物組織
を粥化単細胞化させ、さらに未分解物質を除去して得ら
れた粥化単細胞懸濁液を食品に添加することを特徴とす
る。
たものであって、植物に適性pHの下、植物組織単細胞化
酵素を作用させて植物の細胞間物質を分解して植物組織
を粥化単細胞化させ、さらに未分解物質を除去して得ら
れた粥化単細胞懸濁液を食品に添加することを特徴とす
る。
また、本発明の製造方法は、上記の粥化単細胞懸濁液の
代りに、該懸濁液をさらに脱水して得られた単細胞ペー
ストまたはその乾燥標品を添加することをも特徴とす
る。
代りに、該懸濁液をさらに脱水して得られた単細胞ペー
ストまたはその乾燥標品を添加することをも特徴とす
る。
本発明の方法は、原料農産物の有効成分を分解逸脱する
ことなく、特定部分にのみ作用する基質特異性の高い植
物組織単細胞化(粥化)酵素によって植物体を単細胞化
することを利用するものであり、かかる酵素については
後述する。
ことなく、特定部分にのみ作用する基質特異性の高い植
物組織単細胞化(粥化)酵素によって植物体を単細胞化
することを利用するものであり、かかる酵素については
後述する。
本発明方法において用いられる植物としては、野菜、果
実、海藻、薬草等が用いられる。植物には予め、洗滌、
殺菌等の予備処理を施す。植物組織単細胞化酵素を植物
に作用させるには適性のpHの下でおこなうが、通常pHが
4〜5、温度が30〜40℃の温和な条件で作用させること
が好ましい。また、上記の酵素を作用させるには、酵素
の稀薄溶液の最少量を用いて撹拌下に作用させることが
好ましい。
実、海藻、薬草等が用いられる。植物には予め、洗滌、
殺菌等の予備処理を施す。植物組織単細胞化酵素を植物
に作用させるには適性のpHの下でおこなうが、通常pHが
4〜5、温度が30〜40℃の温和な条件で作用させること
が好ましい。また、上記の酵素を作用させるには、酵素
の稀薄溶液の最少量を用いて撹拌下に作用させることが
好ましい。
上記の酵素を作用させて植物の単細胞化させて得られた
懸濁液中には未分解の植物の外皮、繊維質、芯、種子等
を含有するので、例えば20メッシュの篩を用いてこれら
の外皮、繊維質、芯、種子等を篩別除去することにより
食品に添加する粥化単細胞懸濁液とすることができる。
懸濁液中には未分解の植物の外皮、繊維質、芯、種子等
を含有するので、例えば20メッシュの篩を用いてこれら
の外皮、繊維質、芯、種子等を篩別除去することにより
食品に添加する粥化単細胞懸濁液とすることができる。
なお、本発明の方法においては、上記の粥化単細胞懸濁
液の代りに、該懸濁液を遠心分離等の方法により脱水し
て得られた単細胞ペーストまたはその乾燥標品を用いる
こともでき、この単細胞ペーストまたはその乾燥標品を
食品に添加して単細胞化植物含有食品を製造することが
できる。
液の代りに、該懸濁液を遠心分離等の方法により脱水し
て得られた単細胞ペーストまたはその乾燥標品を用いる
こともでき、この単細胞ペーストまたはその乾燥標品を
食品に添加して単細胞化植物含有食品を製造することが
できる。
以下に本発明の方法につき、さらに詳細に説明する。
本発明者は原料農産物として過剰生産された野菜および
果物並びに加工残渣、薬草等を選び、植物細胞を膠着し
て組織や形態を保持しているプロトペクチンやヘミセル
ローズ等を特異的に分解して細胞の膠着を解いて単細胞
を遊離する酵素、即ち、植物組織単細胞化酵素液の最少
量を用いてpH4〜5、30〜40℃の温和な条件で作用せし
めて植物柔組織を粥化単細胞化し、酵素作用をうけない
長さ繊維質、硬い外皮、芯、種子等を20メッシュ篩で篩
別除去し、粥化単細胞懸濁液を作り、絹ごし豆腐、充填
豆腐等の製造時、やや濃厚目の豆乳に少量(5%前後)
添加混合して凝固せしめて、野菜、果物等の粥化単細胞
懸濁液入り豆腐を製造することに成功した。また粥化単
細胞懸濁液を和生菓子製造時に、生地の小麦粉及び米を
用いた粉類の混練時に水の代りに適当量添加して、生地
を作り、以下通常通り和生菓子を製造した。更に粥化単
細胞懸濁液の遠心分離を1500G以上で10分程度行ない、
単細胞ペーストを作り、手芒豆等の白色生餡に適当量混
和して、野菜、果物の独特の色素を含んだ単細胞入り練
餡として風味と色調を異にした練餡となし、それを用い
た和生菓子を各種製造する方法を開発した。
果物並びに加工残渣、薬草等を選び、植物細胞を膠着し
て組織や形態を保持しているプロトペクチンやヘミセル
ローズ等を特異的に分解して細胞の膠着を解いて単細胞
を遊離する酵素、即ち、植物組織単細胞化酵素液の最少
量を用いてpH4〜5、30〜40℃の温和な条件で作用せし
めて植物柔組織を粥化単細胞化し、酵素作用をうけない
長さ繊維質、硬い外皮、芯、種子等を20メッシュ篩で篩
別除去し、粥化単細胞懸濁液を作り、絹ごし豆腐、充填
豆腐等の製造時、やや濃厚目の豆乳に少量(5%前後)
添加混合して凝固せしめて、野菜、果物等の粥化単細胞
懸濁液入り豆腐を製造することに成功した。また粥化単
細胞懸濁液を和生菓子製造時に、生地の小麦粉及び米を
用いた粉類の混練時に水の代りに適当量添加して、生地
を作り、以下通常通り和生菓子を製造した。更に粥化単
細胞懸濁液の遠心分離を1500G以上で10分程度行ない、
単細胞ペーストを作り、手芒豆等の白色生餡に適当量混
和して、野菜、果物の独特の色素を含んだ単細胞入り練
餡として風味と色調を異にした練餡となし、それを用い
た和生菓子を各種製造する方法を開発した。
本発明を開発した発送は、野菜、果物、薬草等の柔組織
において細胞壁と細胞壁の間の中葉(ミドルラメラ)は
ペクチン質が主成分で、マトリックス成分として細胞壁
の内部にも存在し、セルロース、ヘミセルローズ、蛋白
質等と共に細胞壁の機能を分担している。細胞壁間の中
葉ではペクチン質(プロトペクチン)が細胞同士を接着
する役割をもち組織に適当な硬さ、弾性、可塑性などの
力学的性質を与えている。
において細胞壁と細胞壁の間の中葉(ミドルラメラ)は
ペクチン質が主成分で、マトリックス成分として細胞壁
の内部にも存在し、セルロース、ヘミセルローズ、蛋白
質等と共に細胞壁の機能を分担している。細胞壁間の中
葉ではペクチン質(プロトペクチン)が細胞同士を接着
する役割をもち組織に適当な硬さ、弾性、可塑性などの
力学的性質を与えている。
一方植物組織中には栄養成分として吸収されたCa,Mg,K
を初めとする無機塩類が含有されるが、一般にはCaは、
細胞間接着物質(中葉)中に存在するペクチンの遊離の
COOHやペクチン酸のCOOHと分子内や分子間反応を起こし
組織全体が緊密になり硬くなっている。この様にペクチ
ン物質は細胞の膠着物質を構成するが、この様な不溶性
のペクチンは複雑多岐な構造からなり、側鎖や主鎖の中
には中性糖も含まれている様で、またヘミセルローズと
の結合も推定されている。したがって植物体中の主要成
分を含む細胞同士を解離(macerating)するには機械的
方法では不可能で、或種のendo-polygalacturonaseとpe
ctin-trans-eliminaseが主体であり、更にセルラーゼを
全く含まないで植物細胞を解離する細胞間物質溶解酵素
(細胞分離酵素)が認められ、これは野菜、果実等の柔
組織を容易に解離して単細胞化するのでCell separatin
g enzymeと命名されている。これらの酵素は何れも植物
柔組織を分解解離して単細胞化することが明らかであ
る。
を初めとする無機塩類が含有されるが、一般にはCaは、
細胞間接着物質(中葉)中に存在するペクチンの遊離の
COOHやペクチン酸のCOOHと分子内や分子間反応を起こし
組織全体が緊密になり硬くなっている。この様にペクチ
ン物質は細胞の膠着物質を構成するが、この様な不溶性
のペクチンは複雑多岐な構造からなり、側鎖や主鎖の中
には中性糖も含まれている様で、またヘミセルローズと
の結合も推定されている。したがって植物体中の主要成
分を含む細胞同士を解離(macerating)するには機械的
方法では不可能で、或種のendo-polygalacturonaseとpe
ctin-trans-eliminaseが主体であり、更にセルラーゼを
全く含まないで植物細胞を解離する細胞間物質溶解酵素
(細胞分離酵素)が認められ、これは野菜、果実等の柔
組織を容易に解離して単細胞化するのでCell separatin
g enzymeと命名されている。これらの酵素は何れも植物
柔組織を分解解離して単細胞化することが明らかであ
る。
本発明者はRhizopus属糸状菌の一株から同様な作用をも
つ細胞分離酵素を選択分離し、各種植物柔組織の粥化と
単細胞の回収について検討した。小麦麩6kgに鋸屑1kgを
混合して、1%HCl 30mlを含む水道水5を散布し混合
後、100℃で1時間蒸気殺菌後34〜35℃で本菌胞子を散
布後30℃で相対湿度(RH)85%において48〜50時間培養
して乾燥し、麩麹とした。麩麹1に40℃の温湯3の割合
で加え抽出した液を0℃に冷却し、0℃に冷却したア
セトンを加え、40〜60%飽和沈澱区分を遠心分離で集
め、乾燥して植物組織単細胞化(粥化)酵素(細胞分離
酵素)とした。本酵素の1%水溶液2に温州ミカンイ
ンライン搾汁粕1kgを加え、pH3.0〜6.0にわたって40℃
において撹拌下に粥化し、20メッシュ篩で繊維素を篩別
し、単細胞標品の収率を求めたところ、pH4.0〜5.0で最
高の56〜61%を得ることが出来た。作用の最適温度は30
〜40℃の間であった。次に野菜の種類による粥化(単細
胞化)完了所要時間を求めると第1表の様であった。
つ細胞分離酵素を選択分離し、各種植物柔組織の粥化と
単細胞の回収について検討した。小麦麩6kgに鋸屑1kgを
混合して、1%HCl 30mlを含む水道水5を散布し混合
後、100℃で1時間蒸気殺菌後34〜35℃で本菌胞子を散
布後30℃で相対湿度(RH)85%において48〜50時間培養
して乾燥し、麩麹とした。麩麹1に40℃の温湯3の割合
で加え抽出した液を0℃に冷却し、0℃に冷却したア
セトンを加え、40〜60%飽和沈澱区分を遠心分離で集
め、乾燥して植物組織単細胞化(粥化)酵素(細胞分離
酵素)とした。本酵素の1%水溶液2に温州ミカンイ
ンライン搾汁粕1kgを加え、pH3.0〜6.0にわたって40℃
において撹拌下に粥化し、20メッシュ篩で繊維素を篩別
し、単細胞標品の収率を求めたところ、pH4.0〜5.0で最
高の56〜61%を得ることが出来た。作用の最適温度は30
〜40℃の間であった。次に野菜の種類による粥化(単細
胞化)完了所要時間を求めると第1表の様であった。
野菜の種類によっては未熟の若い葉の組織が軟弱で完全
粥化時間が短かく、適熟、過熟と古くなるにつれて組織
を硬化し、粥化所要時間が長くなる。勿論野菜は種類に
より、粥化完了時間が異なる。
粥化時間が短かく、適熟、過熟と古くなるにつれて組織
を硬化し、粥化所要時間が長くなる。勿論野菜は種類に
より、粥化完了時間が異なる。
次に野菜の種類による粥化単細胞の収率と、20メッシュ
篩別残渣との関係を測定した結果を第2表に示す。
篩別残渣との関係を測定した結果を第2表に示す。
野菜は熟度が進み硬化したものは単細胞化困難で一定時
間粥化せしめた場合は粥化率低く、単細胞収量も少なく
従って残渣が多くなる。
間粥化せしめた場合は粥化率低く、単細胞収量も少なく
従って残渣が多くなる。
次に夏蜜柑果皮を1cm角に切断し、pH、3.0〜6.0にわた
るpHと単細胞収率との関係を示すと第3表の様になる。
るpHと単細胞収率との関係を示すと第3表の様になる。
結局粥化最適pHは5.0で4.5〜5.5で余り差がない。
夏蜜柑の完熟果皮の様に硬化したものは、予じめ加熱煮
沸が、蒸きよう等により組織を軟化することによる粥化
時間の短縮について検討した。結果を第4表に示す。
沸が、蒸きよう等により組織を軟化することによる粥化
時間の短縮について検討した。結果を第4表に示す。
組織の加熱により細胞間物質であるプロトペクチン等を
ペクチンに変えると酵素作用が容易となり、単細胞化率
が向上し単細胞収率が高くなる。但し単細胞中のペクチ
ン含量には殆んど差がない。
ペクチンに変えると酵素作用が容易となり、単細胞化率
が向上し単細胞収率が高くなる。但し単細胞中のペクチ
ン含量には殆んど差がない。
次に、南瓜、人参、甘藷、りんご等を、同一酵素の1%
液の2倍量を用いてpH4.5で40℃で撹拌下に粥化した場
合の単細胞化所要時間を第5表に表す。
液の2倍量を用いてpH4.5で40℃で撹拌下に粥化した場
合の単細胞化所要時間を第5表に表す。
結局塊茎野菜や果物の粥化による単細胞化は組織の硬さ
により異なり、軟かいりんごは60分で完全粥化され、人
参、甘藷は120分で完全粥化され、南瓜、柚子果皮は最
外部の硬い皮は粥化困難であって、単細胞化に当っては
除去する必要がある。この様に、野菜や果実の植物柔組
織は、細胞分離酵素により容易にほぼ完全に粥化し単細
胞化されるが此等単細胞中には植物体の種類により、葉
緑体にクロロフィルを、また色素体にカロチノイドや各
種の色素化合物を含有し、植物の天然色素としての利用
が考えられる。また粥化液は、野菜、果物、細胞中に含
まれる全部の栄養成分と細胞膜、細胞壁および細胞間物
質中の食物繊維を含み、従って粥化液や単細胞のみを回
収して食品に添加利用することは新しい野菜、果物の食
品化法となる。
により異なり、軟かいりんごは60分で完全粥化され、人
参、甘藷は120分で完全粥化され、南瓜、柚子果皮は最
外部の硬い皮は粥化困難であって、単細胞化に当っては
除去する必要がある。この様に、野菜や果実の植物柔組
織は、細胞分離酵素により容易にほぼ完全に粥化し単細
胞化されるが此等単細胞中には植物体の種類により、葉
緑体にクロロフィルを、また色素体にカロチノイドや各
種の色素化合物を含有し、植物の天然色素としての利用
が考えられる。また粥化液は、野菜、果物、細胞中に含
まれる全部の栄養成分と細胞膜、細胞壁および細胞間物
質中の食物繊維を含み、従って粥化液や単細胞のみを回
収して食品に添加利用することは新しい野菜、果物の食
品化法となる。
本発明者は野菜、果物等を植物組織単細胞化酵素(細胞
分離酵素)で撹拌条件で粥化食品化する工業的方法を開
発した。酵素反応を促進させるため、撹拌と保温を新し
い機械装置を設置せず、従来からある製パン用のニーダ
ーや製菓用ケーキミキサー(プラネタリータイプ)を使
用して高速撹拌下に、pH4.3前後で細菌の汚染を防止
し、40℃の保温下に粥化を行った。粥化単細胞懸濁液を
食品化するためには、原料野菜や果物を予じめ反復して
十分洗滌、除菌し、更に次亜塩素酸ソーダで殺菌後更に
十分水洗し、フードスライサーで切断後酵素作業で粥化
する。粥化後20メッシュ篩で未分解の繊維や皮等を除去
して、粥化単細胞懸濁液を調製する。
分離酵素)で撹拌条件で粥化食品化する工業的方法を開
発した。酵素反応を促進させるため、撹拌と保温を新し
い機械装置を設置せず、従来からある製パン用のニーダ
ーや製菓用ケーキミキサー(プラネタリータイプ)を使
用して高速撹拌下に、pH4.3前後で細菌の汚染を防止
し、40℃の保温下に粥化を行った。粥化単細胞懸濁液を
食品化するためには、原料野菜や果物を予じめ反復して
十分洗滌、除菌し、更に次亜塩素酸ソーダで殺菌後更に
十分水洗し、フードスライサーで切断後酵素作業で粥化
する。粥化後20メッシュ篩で未分解の繊維や皮等を除去
して、粥化単細胞懸濁液を調製する。
以下に具体的な植物例を用いた場合につき記述する。
除菌洗滌した人参8kgをフードスライサーにて3mm角に細
切し、殺菌冷却水2kgを加え20%クエン酸液にてpH4.3に
調整したのち、人参に対して0.5%の前記の細胞分離酵
素を加え、製菓用ケーキミキサーを使用し、外とう管の
水温を調節して40℃の品温となし、高速回転下に1時間
粥化した。終了後20メッシュステンレス篩で未分解繊維
質を除き、人参粥化単細胞懸濁液を9.5kg得た。この懸
濁液は顕微鏡観察により、赤色の人参単細胞、細胞間物
質の不定形物質および繊維等からなる懸濁液であること
が判明した。
切し、殺菌冷却水2kgを加え20%クエン酸液にてpH4.3に
調整したのち、人参に対して0.5%の前記の細胞分離酵
素を加え、製菓用ケーキミキサーを使用し、外とう管の
水温を調節して40℃の品温となし、高速回転下に1時間
粥化した。終了後20メッシュステンレス篩で未分解繊維
質を除き、人参粥化単細胞懸濁液を9.5kg得た。この懸
濁液は顕微鏡観察により、赤色の人参単細胞、細胞間物
質の不定形物質および繊維等からなる懸濁液であること
が判明した。
同様に、肉質が厚く濃厚な黄色を示す南瓜8kgをフード
スライサーで1cm角に切断し、殺菌冷却水2kgを加え、20
%クエン酸液でpH4.3に調整後南瓜に対して0.5%量の前
記の細胞分離酵素を加え、40℃の品温で製パン用ニーダ
ーで高速回転下に1時間粥化した。その後20メッシュ篩
で未分解の濃緑色の硬い表皮を除去して濃黄色の南瓜の
粥化単細胞懸濁液9kgを得た。
スライサーで1cm角に切断し、殺菌冷却水2kgを加え、20
%クエン酸液でpH4.3に調整後南瓜に対して0.5%量の前
記の細胞分離酵素を加え、40℃の品温で製パン用ニーダ
ーで高速回転下に1時間粥化した。その後20メッシュ篩
で未分解の濃緑色の硬い表皮を除去して濃黄色の南瓜の
粥化単細胞懸濁液9kgを得た。
また、水、次亜塩素酸ソーダで殺菌、洗滌済みのホーレ
ン草8kgをフードスライサーで切断後、5kgの殺菌水を加
え、20%クエン酸でpH4.3に調節後、ホーレン草の0.5%
相当量の前記の細胞分離酵素を加えて、ケーキミキサー
にて40℃に保温して1時間高速撹拌下で粥化し単細胞化
した。その後20メッシュ篩で篩別し、繊維素を除去し9k
gの粥化単細胞懸濁液を得た。
ン草8kgをフードスライサーで切断後、5kgの殺菌水を加
え、20%クエン酸でpH4.3に調節後、ホーレン草の0.5%
相当量の前記の細胞分離酵素を加えて、ケーキミキサー
にて40℃に保温して1時間高速撹拌下で粥化し単細胞化
した。その後20メッシュ篩で篩別し、繊維素を除去し9k
gの粥化単細胞懸濁液を得た。
以上の人参、南瓜、ホーレン草等の単細胞懸濁液は1500
G以上で10分間遠心分離すると、それぞれ赤橙色の人参
単細胞ペースト約580g、黄橙色の南瓜単細胞ペースト約
650g、濃緑色のホーレン草単細胞ペースト約500gが得ら
れた。また、これら単細胞ペーストを凍結乾燥または噴
霧乾燥すると110gの単細胞乾燥標品が得られた。
G以上で10分間遠心分離すると、それぞれ赤橙色の人参
単細胞ペースト約580g、黄橙色の南瓜単細胞ペースト約
650g、濃緑色のホーレン草単細胞ペースト約500gが得ら
れた。また、これら単細胞ペーストを凍結乾燥または噴
霧乾燥すると110gの単細胞乾燥標品が得られた。
本発明者は此等単細胞懸濁液を食品製造上利用するに当
り、先ず絹ごし豆腐製造に当り、豆乳濃度を通常の絹ご
し豆腐製造時より1゜高いボーメ13度とし予じめ調整し
た使用せんとする野菜の単細胞懸濁液を大豆の5%量上
記の豆乳に混合し、以上常法の様に凝固剤を混合し凝固
させると野菜の微細な単細胞が均一に混入し極淡緑色に
染色された絹ごし豆腐や極淡黄色に染色された絹ごし豆
腐、更に極淡赤色に染色された絹ごし豆腐が得られた。
り、先ず絹ごし豆腐製造に当り、豆乳濃度を通常の絹ご
し豆腐製造時より1゜高いボーメ13度とし予じめ調整し
た使用せんとする野菜の単細胞懸濁液を大豆の5%量上
記の豆乳に混合し、以上常法の様に凝固剤を混合し凝固
させると野菜の微細な単細胞が均一に混入し極淡緑色に
染色された絹ごし豆腐や極淡黄色に染色された絹ごし豆
腐、更に極淡赤色に染色された絹ごし豆腐が得られた。
和菓子の生地に混合する場合には、生地調製時に各種の
米粉や小麦粉にその粒度と同様の大きさの微粒子である
野菜、果物等の粥化単細胞懸濁液を加えれば、夫々単細
胞内に含有される独特の色素により夫々特色ある色調と
香味を有する生地を調製することが出来る。また、単細
胞乾燥標品を混合する場合は予め粉に混合するとよい。
米粉や小麦粉にその粒度と同様の大きさの微粒子である
野菜、果物等の粥化単細胞懸濁液を加えれば、夫々単細
胞内に含有される独特の色素により夫々特色ある色調と
香味を有する生地を調製することが出来る。また、単細
胞乾燥標品を混合する場合は予め粉に混合するとよい。
また菓子の練餡に利用するには、手芒豆等の白色豆から
調製した無色の生餡に、野菜、果物の単細胞ペーストを
生餡の何%か量添加して練餡を調製すれば、夫々の野
菜、果物単細胞ペーストの細胞内に含有される葉緑体や
色素体の天然色素成分により、独特の色調と風味を有す
る練餡を容易に製造することが可能である。
調製した無色の生餡に、野菜、果物の単細胞ペーストを
生餡の何%か量添加して練餡を調製すれば、夫々の野
菜、果物単細胞ペーストの細胞内に含有される葉緑体や
色素体の天然色素成分により、独特の色調と風味を有す
る練餡を容易に製造することが可能である。
更に3色又は5色の素麺、きし麺、ラーメン生地を調整
するに当り、小麦粉の5%前後の単細胞懸濁液を混合し
て生地を混練し、麺帯とし製麺すると、単細胞独特の含
有色素により、夫々淡黄色、淡緑色、淡赤色の天然色素
を含む単細胞微粒に染色された3色の麺類を製造し得
る。また、単細胞乾燥標品を使用する場合は、粉に直接
混合すればよい。色調の異なる野菜、果物の単細胞を使
用すれば更に5色、7色の麺類を製造し得る。
するに当り、小麦粉の5%前後の単細胞懸濁液を混合し
て生地を混練し、麺帯とし製麺すると、単細胞独特の含
有色素により、夫々淡黄色、淡緑色、淡赤色の天然色素
を含む単細胞微粒に染色された3色の麺類を製造し得
る。また、単細胞乾燥標品を使用する場合は、粉に直接
混合すればよい。色調の異なる野菜、果物の単細胞を使
用すれば更に5色、7色の麺類を製造し得る。
本発明の方法は、水や溶剤により、植物体、昆虫、黴等
より抽出し複雑な工程で製造された従来の天然色素とは
異なり、生鮮な植物体より、温和な条件で取出し、しか
も二重の細胞壁と細胞膜に包まれた単細胞で色素体や葉
緑体のまま使用するために、酸化による変色等は起り難
いものである。
より抽出し複雑な工程で製造された従来の天然色素とは
異なり、生鮮な植物体より、温和な条件で取出し、しか
も二重の細胞壁と細胞膜に包まれた単細胞で色素体や葉
緑体のまま使用するために、酸化による変色等は起り難
いものである。
アイスクリーム製造時には単細胞ペーストを使用すれば
好みの色調と風味をもつアイスクリームを製造すること
が出来る。
好みの色調と風味をもつアイスクリームを製造すること
が出来る。
こんにゃく製造では精粉の希釈調整時に粥化単細胞懸濁
液を精粉の30〜50%量混合して好みの色調とし、こんに
ゃくを製造すれば石灰水の強いアルカリのため多少の変
色は起るが、単細胞独特の色調を有するこんにゃくを製
造することが出来る。また、単細胞乾燥標品を使用する
時は、精粉に直接混合すればよい。
液を精粉の30〜50%量混合して好みの色調とし、こんに
ゃくを製造すれば石灰水の強いアルカリのため多少の変
色は起るが、単細胞独特の色調を有するこんにゃくを製
造することが出来る。また、単細胞乾燥標品を使用する
時は、精粉に直接混合すればよい。
野菜、果物、薬草等の植物体は、多くの細胞が細胞接着
物質によって膠着されて植物体を構成しているが、本発
明の方法では、膠着物質の主体をなすペクチン質(プロ
トペクチン)を分解して水溶化する細胞分離酵素の必要
量を使用して、洗滌除菌し細断した野菜、果物、薬草等
の柔組織をケーキミキサーまたは製パン用ニーダー等で
pH4〜5、30〜40℃の保温下に短時間撹拌作用させて単
細胞化し、解離した繊維を例えば20メッシュ篩で篩別し
て粥化し単細胞懸濁液としたもの、またはこれを遠心分
離等により脱水して単細胞ペーストとしたもの、さらに
このペーストを凍結乾燥、噴霧乾燥した乾燥標品を用い
る。すなわちこの懸濁液やエキス、または乾燥標品を食
品製造工程において必要量添加して独特の風味と色調を
もった食品を製造することが可能で、植物体の主要成分
を含む細胞そのものの添加で、加工食品の栄養バランス
を向上させることが出来、また細胞中に含まれる植物体
独特の色素を天然色素として使用することが出来る上に
細胞壁や膜に包含されているために、色素の酸化変色が
少ない。また加工食品によってはそれ自体の風味を失い
たくない場合が多いが、単細胞を使用するのであるか
ら、添加する植物体独特の風味も細胞壁や膜のため僅か
にあらわれるのみで、加工食品の特色を失なうことがな
い。
物質によって膠着されて植物体を構成しているが、本発
明の方法では、膠着物質の主体をなすペクチン質(プロ
トペクチン)を分解して水溶化する細胞分離酵素の必要
量を使用して、洗滌除菌し細断した野菜、果物、薬草等
の柔組織をケーキミキサーまたは製パン用ニーダー等で
pH4〜5、30〜40℃の保温下に短時間撹拌作用させて単
細胞化し、解離した繊維を例えば20メッシュ篩で篩別し
て粥化し単細胞懸濁液としたもの、またはこれを遠心分
離等により脱水して単細胞ペーストとしたもの、さらに
このペーストを凍結乾燥、噴霧乾燥した乾燥標品を用い
る。すなわちこの懸濁液やエキス、または乾燥標品を食
品製造工程において必要量添加して独特の風味と色調を
もった食品を製造することが可能で、植物体の主要成分
を含む細胞そのものの添加で、加工食品の栄養バランス
を向上させることが出来、また細胞中に含まれる植物体
独特の色素を天然色素として使用することが出来る上に
細胞壁や膜に包含されているために、色素の酸化変色が
少ない。また加工食品によってはそれ自体の風味を失い
たくない場合が多いが、単細胞を使用するのであるか
ら、添加する植物体独特の風味も細胞壁や膜のため僅か
にあらわれるのみで、加工食品の特色を失なうことがな
い。
実施例1 肉厚で果肉が濃黄色の南瓜8kgを十分洗滌後、250ppmの
次亜塩素酸ソーダを含む液に20分浸漬殺菌後、再度水洗
して次亜塩素酸ソーダを完全除去したのち、フードスラ
イサーにて3mm角に細断した後、殺菌したケーキミキサ
ーに入れて加熱殺菌後50℃まで冷却した。水2kgおよび
前記した植物組織単細胞化酵素(細胞分離酵素)40gを
加え高速回転でpH4.3にて40℃に保温しながら、1時間
撹拌して完全粥化し単細胞化した。外皮の濃緑色の硬い
部分は粥化しないので、粥化後、20メッシュ篩で篩別除
去し、単細胞懸濁液を9.58kg得た。糖用屈折計の示度13
度(5倍加水)で80℃の豆乳10に、この単細胞懸濁液
を50ml(5%)混合した。これは南瓜の42gに相当す
る。これに凝固剤を水に溶解懸濁した液を常法に従って
加え、混合し、型框に流しこんで凝固させ、絹ごし豆腐
を得た。得られた豆腐は均一な淡黄色を示し粘り気や甘
味のある豆腐が得られた。南瓜自体の香気も細胞内に多
く含まれているため、凝固した豆腐も南瓜の香気は殆ど
なく、豆乳本来の香気を失わない粘り気と色調と甘味の
ある嗜好性の高い豆腐が得られた。
次亜塩素酸ソーダを含む液に20分浸漬殺菌後、再度水洗
して次亜塩素酸ソーダを完全除去したのち、フードスラ
イサーにて3mm角に細断した後、殺菌したケーキミキサ
ーに入れて加熱殺菌後50℃まで冷却した。水2kgおよび
前記した植物組織単細胞化酵素(細胞分離酵素)40gを
加え高速回転でpH4.3にて40℃に保温しながら、1時間
撹拌して完全粥化し単細胞化した。外皮の濃緑色の硬い
部分は粥化しないので、粥化後、20メッシュ篩で篩別除
去し、単細胞懸濁液を9.58kg得た。糖用屈折計の示度13
度(5倍加水)で80℃の豆乳10に、この単細胞懸濁液
を50ml(5%)混合した。これは南瓜の42gに相当す
る。これに凝固剤を水に溶解懸濁した液を常法に従って
加え、混合し、型框に流しこんで凝固させ、絹ごし豆腐
を得た。得られた豆腐は均一な淡黄色を示し粘り気や甘
味のある豆腐が得られた。南瓜自体の香気も細胞内に多
く含まれているため、凝固した豆腐も南瓜の香気は殆ど
なく、豆乳本来の香気を失わない粘り気と色調と甘味の
ある嗜好性の高い豆腐が得られた。
実施例2 濃紅色、または濃橙色の人参を実施例1と同様に洗滌、
殺菌、洗滌してフードスライサーにて細切し、その8kg
をケーキミキサーに入れ、加熱殺菌後50℃まで放冷し
た。温水を2kg加え、10%クエン酸にてpH4.3に調整し、
前記した細胞分離酵素80gを加え40℃に保温しながら1.5
時間高速撹拌して完全粥化し単細胞化した。その後繊維
除去のため、20メッシュ篩にて篩別後、1500Gの遠心分
離機で10分遠心分離して脱水し、単細胞ペースト標品を
得た。収量は5.6kgであった。饅頭製造に際し、饅頭皮
となる超薄力粉または米粉類の5%相当量の上記の単細
胞ペースト標品を水または湯と共に粉に加え混練し、人
参細胞入りの微紅色または微橙色の生地を作り、常法に
従って練餡を包んで饅頭を作り、蒸きようして蒸饅頭を
製造した。得られた饅頭は微赤色の鮮やかな光沢のある
饅頭皮となり嗜好性の高い饅頭となった。なお、単細胞
乾燥標品を添加する場合はペーストの5分の1量を加え
ればよい。
殺菌、洗滌してフードスライサーにて細切し、その8kg
をケーキミキサーに入れ、加熱殺菌後50℃まで放冷し
た。温水を2kg加え、10%クエン酸にてpH4.3に調整し、
前記した細胞分離酵素80gを加え40℃に保温しながら1.5
時間高速撹拌して完全粥化し単細胞化した。その後繊維
除去のため、20メッシュ篩にて篩別後、1500Gの遠心分
離機で10分遠心分離して脱水し、単細胞ペースト標品を
得た。収量は5.6kgであった。饅頭製造に際し、饅頭皮
となる超薄力粉または米粉類の5%相当量の上記の単細
胞ペースト標品を水または湯と共に粉に加え混練し、人
参細胞入りの微紅色または微橙色の生地を作り、常法に
従って練餡を包んで饅頭を作り、蒸きようして蒸饅頭を
製造した。得られた饅頭は微赤色の鮮やかな光沢のある
饅頭皮となり嗜好性の高い饅頭となった。なお、単細胞
乾燥標品を添加する場合はペーストの5分の1量を加え
ればよい。
実施例3 葉肉の多い濃緑色のホーレン草を実施例1と同様、洗
滌、殺菌、洗滌を完全に行いフードスライサーにて細切
し、その8kgをケーキミキサーに入れ、加熱殺菌後、50
℃に冷却した温水8kgを加えて20%クエン酸でpH4.3に調
整し、さらに前記の細胞分離酵素40gを加えて、40℃に
保温後1時間高速撹拌下に完全粥化し単細胞化した。終
了後20メッシュ篩で繊維を篩別除去し、12kgの粥化単細
胞懸濁液を得た。水洗いした白米1kgを電気炊飯器に入
れ、単細胞懸濁液を100ml加え、常法に従い水を加えて
炊飯した。得られた御飯は淡緑色の御飯となった。また
素麺製造時に強力小麦粉10kgに対し、ボーメ12度の食塩
水3.5および単細胞懸濁液500mlを加えてミキサーにて
混捏し、素麺生地を作り常法により製麺した。得られた
素麺は淡緑色の鮮やかな色調のものとなった。本素麺は
抽出した天然色素クロロフィルよりも、細胞膜に入った
色素体そのままを使用しているため、酸化変色等少なく
かつ色調の安定性が高く、品質良好で高い嗜好性を示し
た。
滌、殺菌、洗滌を完全に行いフードスライサーにて細切
し、その8kgをケーキミキサーに入れ、加熱殺菌後、50
℃に冷却した温水8kgを加えて20%クエン酸でpH4.3に調
整し、さらに前記の細胞分離酵素40gを加えて、40℃に
保温後1時間高速撹拌下に完全粥化し単細胞化した。終
了後20メッシュ篩で繊維を篩別除去し、12kgの粥化単細
胞懸濁液を得た。水洗いした白米1kgを電気炊飯器に入
れ、単細胞懸濁液を100ml加え、常法に従い水を加えて
炊飯した。得られた御飯は淡緑色の御飯となった。また
素麺製造時に強力小麦粉10kgに対し、ボーメ12度の食塩
水3.5および単細胞懸濁液500mlを加えてミキサーにて
混捏し、素麺生地を作り常法により製麺した。得られた
素麺は淡緑色の鮮やかな色調のものとなった。本素麺は
抽出した天然色素クロロフィルよりも、細胞膜に入った
色素体そのままを使用しているため、酸化変色等少なく
かつ色調の安定性が高く、品質良好で高い嗜好性を示し
た。
本発明の方法によると、植物体の有用成分を含む細胞そ
のものを含有する食品を得ることができるので栄養バラ
ンスのすぐれた加工食品を製造することができる。また
天然色素を含有する植物体を用いると、これらの植物体
の単細胞中に含まれる天然色素によって食品を着色する
ことができて色調の異なる種々の食品とすることができ
る。さらに、天然色素、有用成分は細胞壁や膜に包まれ
ているので酸化による変色や変性が少く、また加工食品
自体の独特の風味を失なわせることもない。
のものを含有する食品を得ることができるので栄養バラ
ンスのすぐれた加工食品を製造することができる。また
天然色素を含有する植物体を用いると、これらの植物体
の単細胞中に含まれる天然色素によって食品を着色する
ことができて色調の異なる種々の食品とすることができ
る。さらに、天然色素、有用成分は細胞壁や膜に包まれ
ているので酸化による変色や変性が少く、また加工食品
自体の独特の風味を失なわせることもない。
本発明の方法によると、過剰農産物、加工残滓等を有効
に利用し、その有用成分のみを選択的にかつ効率よく回
収できるので、本発明の方法の産業上意義は極めて深
い。
に利用し、その有用成分のみを選択的にかつ効率よく回
収できるので、本発明の方法の産業上意義は極めて深
い。
Claims (2)
- 【請求項1】植物に、Rhizopus属糸状菌から分離される
酵素で、endo-polygalacturonaseとpectin-trans-elimi
naseが主体でかつセルラーゼを含まない植物組織単細胞
酵素をpH4〜5で作用させて植物の細胞間物質を分解し
て植物組織を粥化単細胞化させ、さらに未分解物質を除
去して得られた粥化単細胞懸濁液を食品に添加すること
を特徴とする単細胞化植物含有食品の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法において、粥化単
細胞懸濁液の代りに該懸濁液をさらに脱水して得られた
単細胞ペーストまたはその乾燥標品を食品に添加する請
求項1記載の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2025113A JPH0671413B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 単細胞化植物含有食品の製造方法 |
KR1019910001914A KR930003064B1 (ko) | 1990-02-06 | 1991-02-04 | 단세포화 식물 함유식품의 제조방법 |
EP19910101524 EP0444439A3 (en) | 1990-02-06 | 1991-02-05 | Method for preparing food containing single cell plant |
BR919100494A BR9100494A (pt) | 1990-02-06 | 1991-02-06 | Processo para a preparacao de alimento contendo planta de celula unica |
CN91100639A CN1053883A (zh) | 1990-02-06 | 1991-02-06 | 含单细胞化植物的食品的制造方法 |
AU79458/91A AU635431B2 (en) | 1990-02-06 | 1991-06-26 | Method for preparing food containing single cell plant |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2025113A JPH0671413B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 単細胞化植物含有食品の製造方法 |
AU79458/91A AU635431B2 (en) | 1990-02-06 | 1991-06-26 | Method for preparing food containing single cell plant |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03232474A JPH03232474A (ja) | 1991-10-16 |
JPH0671413B2 true JPH0671413B2 (ja) | 1994-09-14 |
Family
ID=25639287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2025113A Expired - Lifetime JPH0671413B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 単細胞化植物含有食品の製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0444439A3 (ja) |
JP (1) | JPH0671413B2 (ja) |
CN (1) | CN1053883A (ja) |
AU (1) | AU635431B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1044773C (zh) * | 1992-11-28 | 1999-08-25 | 中国科学院昆明植物研究所 | 一种去草酸的植物汁制备方法及其制成的食品 |
DE4310283C1 (de) * | 1993-03-30 | 1994-07-14 | Chemosol Ag Basel | Verfahren zur Herstellung von Lebensmitteln |
BE1013278A6 (fr) * | 2000-02-10 | 2001-11-06 | Sweijd Frank | Pate de carottes a haute teneur en fibre transformee en produit nutritionnel de qualite. |
WO2004084652A1 (en) * | 2003-03-26 | 2004-10-07 | Novozymes A/S | Method of producing vegetable puree |
WO2005099481A1 (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Yugengaisha Chima | 加工大豆およびその製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3615721A (en) * | 1967-12-26 | 1971-10-26 | Philip Morris Inc | Method for the manufacture of food from plant material |
US3666487A (en) * | 1969-12-08 | 1972-05-30 | Kikkoman Shoyu Co Ltd | Method for treating pectin containing fruit juices using pectin transeliminase |
DE2061419A1 (de) * | 1969-12-29 | 1972-05-25 | Forschungsinstitut für Obst- und Gemüseverarbeitung, χ 3018 Magdeburg | Verfahren zur Herstellung von Pflanzenmazeraten |
US3780183A (en) * | 1971-01-25 | 1973-12-18 | Edwards G Wheeler | Plant protein product and process |
JPS52110877A (en) * | 1976-03-15 | 1977-09-17 | Shiyouhei Nakano | Production of nutritious liquid by enzyme of citrus fruits |
-
1990
- 1990-02-06 JP JP2025113A patent/JPH0671413B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1991
- 1991-02-05 EP EP19910101524 patent/EP0444439A3/en not_active Withdrawn
- 1991-02-06 CN CN91100639A patent/CN1053883A/zh active Pending
- 1991-06-26 AU AU79458/91A patent/AU635431B2/en not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN1053883A (zh) | 1991-08-21 |
JPH03232474A (ja) | 1991-10-16 |
AU7945891A (en) | 1993-01-07 |
EP0444439A2 (en) | 1991-09-04 |
EP0444439A3 (en) | 1992-01-22 |
AU635431B2 (en) | 1993-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4521447B2 (ja) | 酵素含有の健康食品の製造方法及び健康食品 | |
CN105995348A (zh) | 秋葵膳食纤维饮料及其制备方法 | |
US4925693A (en) | Production of a food powder and of food products containing the powder | |
CN111134296A (zh) | 一种利用整颗红枣生产低糖发酵脆枣的方法 | |
JP3469408B2 (ja) | 果実類ペーストの製造法 | |
CN105265945A (zh) | 一种苦荞果汁饮料及其生产工艺 | |
JPH0671413B2 (ja) | 単細胞化植物含有食品の製造方法 | |
KR101933148B1 (ko) | 피자의 제조방법 및 이에 의해 제조된 피자 | |
JP2005073503A (ja) | アムラの風味改良方法 | |
KR100238457B1 (ko) | 생대추를 이용한 음료의 제조방법 | |
CN100438770C (zh) | 一种低糖桔味南瓜果脯及其制备方法 | |
CN101558894A (zh) | 一种龙眼原浆及其生产方法 | |
JP3004193B2 (ja) | 植物の緑色色素物質 | |
CN111066937B (zh) | 一种低糖柠檬果脯及加工工艺 | |
KR930003885B1 (ko) | 감을 주원료로하는 감케찹 및 그 제조방법 | |
JP2023550574A (ja) | タケノコ及び分離大豆タンパクを含む植物性プロテイン組成物及びそれを用いた餅の製造方法 | |
JPH0356424A (ja) | カリウム補給用剤、その製法及びこれを含む飲食・医薬品 | |
RU2457687C2 (ru) | Способ получения продукта из сои | |
KR101111288B1 (ko) | 기능성 고추장 및 그 제조방법 | |
KR930003064B1 (ko) | 단세포화 식물 함유식품의 제조방법 | |
CN108771179A (zh) | 一种火锅菌汤生产方法 | |
CN108913489A (zh) | 一种百香果调配酒的制备方法 | |
KR102611783B1 (ko) | 식용가능한 다공질화된 모과 껍질 및 과육을 포함하는 모과 가공식품 및 그의 제조방법 | |
KR100913066B1 (ko) | 물엿을 이용한 딸기 고추장의 제조방법 | |
KR20080095933A (ko) | 한라봉 고추장의 제조방법 |