JPH067140U - ガス絶縁開閉装置用断路器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属容器１に取り付けられる２個の絶縁スペ
ーサ２、３にそれぞれ可動側部品と固定側部品を取り付
けたガス絶縁開閉装置用断路器において、可動側部品
の、断路時に該可動接触子９の一部が入り込む可動部ケ
ース１２を、絶縁スペーサ２に直接埋め込む。 【効果】 従来必要とされてきた絶縁スペーサの埋込導
体を可動部ケースが兼用することとなり、断路器の寸法
を小さくすることができ、ガス絶縁開閉装置の縮小化が
可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガス絶縁開閉装置に用いる断路器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電力用開閉装置として普及が進んでいるガス絶縁開閉装置（ＧＩＳ）は 、従来の気中の開閉装置に比べて、その設置面積が大幅に縮小されるという長所 がある。しかしながら、特に都市近郊の用地入手困難等から、更なる縮小化が求 められている。本考案者は、ガス絶縁開閉装置の構成要素の１つである断路器の 小型化に着目をした。

【０００３】 図３に、従来のガス絶縁開閉装置用断路器の断路状態を示す。図３の断路器に おいては、断路器の容器１の両端に絶縁スペーサ２、３を固定する。絶縁スペー サ２、３には、埋込導体１５、１６が設けられ、この埋込導体１５、１６に夫々 断路器の可動側部品および固定側部品が取り付けられる。

【０００４】 可動側部品の構成は、可動部ケース１２がボルト１３により絶縁スペーサ２の 埋込導体１５に固定され、可動部ケース１２には、摺動接触子１０およびシール ド１１が固定されている。可動部ケース１２内には、可動接触子９が摺動接触子 １０に常時接触しながら、図の左右方向に運動可能に収納されている。可動接触 子９を駆動する手段は、可動接触子９に固定されたラック８に噛み合ったピニオ ン７の回転による。ピニオン７は絶縁操作棒６により回転気密軸受部５を介して 気密に断路器容器１外の操作装置４に連結されている。

【０００５】 固定側部品の構成は、シールド１１と固定接触子１４が埋込導体１６に取り付 けられている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 この構造の断路器は、断路時に耐電圧性能を確保するため、可動接触子９をシ ールド１１の内側に引込める必要がある。このため、可動部ケース１２は可動接 触子９を完全に収納するだけの長さが必要となり、断路器全体の長さｌ₁を小さ くできないという欠点があった。更に、可動部ケース１２を絶縁スペーサ２の埋 込導体１５にボルト締めするという作業も煩雑であった。

【０００７】 本考案は、コンパクトなガス絶縁開閉装置用断路器を提供することを目的とす るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため、ガス絶縁開閉装置用断路器の可動側部品 の、断路時に該可動接触子の一部が入り込む可動部ケースを、絶縁スペーサに直 接埋め込むものである。

【０００９】

【作用】

上記した手段によれば、従来必要とされてきた絶縁スペーサの埋込導体を可動 部ケースが兼用することとなり、断路器の寸法を小さくすることができ、ガス絶 縁開閉装置の縮小化が可能となる。

【００１０】

【実施例】

本考案を３相一括型ガス絶縁開閉装置に適用した実施例について図１および図 ２を用いて説明する。

【００１１】 図２に、絶縁スペーサ２に３相分の可動部ケース１２が埋め込まれている状態 を示す。固定側の絶縁スペーサ３には、図示しないが、同様に３相分の埋込導体 １６が埋め込まれる。

【００１２】 図１は断路器の断面図である。この断路器は、直線切断路器と呼ばれるもので 、図は断路状態を示している。断路器の容器１の両端に夫々絶縁スペーサ２、３ を固定する。可動側の絶縁スペーサ２には、埋込導体が設けられず、直接断路器 の可動側部品の可動部ケース１２が取り付けられる。

【００１３】 可動側部品の構成は、可動部ケース１２に、摺動接触子１０およびシールド１ １が固定されている。可動部ケース１２内には、可動接触子９が摺動接触子１０ に常時接触しながら、図の左右方向に運動可能に収納されている。可動接触子９ を駆動する手段は、可動接触子９に固定されたラック８に噛み合ったピニオン７ の回転による。ピニオン７は絶縁操作棒６により回転気密軸受部５を介して気密 に断路器容器１外の操作装置４に連結されている。

【００１４】 固定側の絶縁スペーサ３には、従来と同様に埋込導体１６が設けられ、この埋 込導体１６に断路器の固定側部品のシールド１１と固定接触子１４が取り付けら れる。

【００１５】 本例の断路器も、断路時に耐電圧性能を確保するため、可動接触子９をシール ド１１の内側に引込める必要があり、可動部ケース１２は可動接触子９を完全に 収納するだけの長さが必要である。しかしながら、本例の断路器は、可動側の絶 縁スペーサ２に埋込導体を設けずに、直接埋込導体に可動部ケース１２を埋め込 んでいるため、断路器全体の長さｌ₂を従来の埋込導体の長さ分だけ短くするこ とができる。

【００１６】 したがって、本例によれば、断路器の寸法を小さくすることができ、ガス絶縁 開閉装置の縮小化に大いに貢献する。また、断路器に必要な機能を確保しながら 埋込導体を省略しているから、部品点数を低減しコストダウンとなる。更に、埋 込導体と可動部ケースをボルト締めする必要がなくなり組立作業が省略できるか ら、コストダウンとなる上に、通電部の信頼性が向上する。

【００１７】 なお、上記実施例では、３相一括型ガス絶縁開閉装置に適用した例を示してい るが、本考案は、３相一括型ガス絶縁開閉装置に限って適用できるものではなく 、当然相分離型ガス絶縁開閉装置あるいはキュービクル型ガス絶縁開閉装置に適 用しても同等の効果が得られるものである。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、断路器の寸法を小さくすることができ、ガス絶縁開閉装置の 縮小化に大いに貢献する。また、断路器に必要な機能を確保しながら埋込導体を 省略しているから、部品点数を低減しコストダウンとなる。更に、埋込導体と可 動部ケースをボルト締めする必要がなくなり組立作業が省略できるから、コスト ダウンとなる上に、通電部の信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の断路器の断面図。

【図２】 図１の絶縁スペーサの斜視図。

【図３】 従来例の断路器の断面図。

【符号の説明】

１…容器、２，３…絶縁スペーサ、４…操作装置、５…
回転気密軸受部、６…絶縁操作棒、７…ピニオン、８…
ラック、９…可動接触子、１０…摺動接触子、１１…シ
ールド、１２…可動部ケース、１３…ボルト、１４…固
定接触子、１５，１６…埋込導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属容器に取り付けられる２個の絶縁ス
   ペーサにそれぞれ可動側部品と固定側部品を取り付けた
   ガス絶縁開閉装置用断路器において、前記可動側部品
   は、可動接触子と、断路時に該可動接触子の一部が入り
   込む可動部ケースとを備え、該可動部ケースは、断路器
   の可動側部品を取り付ける前記絶縁スペーサに、直接埋
   め込んで設けられたことを特徴とするガス絶縁開閉装置
   用断路器。