JPH0671203U - 自動車用ホイールカバーの取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホイールカバー１をその中央寄りの位置でデ
ィスクホイール２に固定するタイプの取付装置におい
て、ホイールカバー１の周縁部を安定させ、走行時等に
おけるホイールカバー１の振動を防止する。 【構成】 ホイールカバー１の裏面の周縁端部に、その
径方向内方へ向かって延出する複数の係止爪１aを形成
する。ディスクホイール２の周縁端部の、係止爪１aと
対応した位置に、ホイールカバー１をディスクホイール
２側へ押し付けながら回したときに係止爪１aが進入可
能な係止溝８aを有する係止部材７を固定する。そし
て、係止爪１aを係止溝８aの内側面の一方８bに押圧す
るバネ１０を係止溝８a内に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用ホイールカバーをディスクホイールに取付けるための取付 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、自動車用ホイールカバーの取付装置として、ホイールカバーの裏面 の中央寄りの位置に第１の係止手段を設け、ディスクホイール表面の対応する位 置に第２の係止手段を設けて、両者を係止することによりディスクホイールにホ イールカバーを取り付けるようにした取付装置が提案されている(特開平４−３ ８２０１号公報参照)。

【０００３】 この取付装置では、一方の係止手段を、ホイールカバーの裏面に立設した棒状 の脚と、その先端部から横へ突出したピン状の係止突起により構成し、ディスク ホイール側に設けられる他方の係止手段を、鈎状の係止部と、係止突起を鈎状係 止部の内面へ押圧するスプリングとから構成している。そして、両係止手段を、 ホイールカバー並びにディスクホイールの取付中心の回りの円周上で、互いに対 応する円周上の位置に各４個ずつ配置している。

【０００４】 この取付装置を用いる場合、ホイールカバーをディスクホイールの方へ押しな がら回して係止突起が鈎状係止部と当たったところで手を離すだけで、各脚の先 端の係止突起を鈎状係止部に引っ掛けてホイールカバーをディスクホイールに取 り付けることができるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この取付装置では、ディスクホイールに固定されるのがホイールカバ ーの中央寄りの部分だけであるから、ホイールカバーの周縁部が安定性に乏しく 、自動車の走行時等に振動が発生する虞があった。

【０００６】 したがって、本考案の解決すべき技術的課題は、ホイールカバーをその中央寄 りの位置でディスクホイールに固定するタイプの取付装置において、ホイールカ バーの周縁部を安定させ、走行時等におけるホイールカバーの振動を防止するこ とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び作用・効果】

本考案に係る自動車用ホイールカバーの取付装置は、ホイールカバーの裏面の 中央寄り位置に固定された第１係止手段と、ディスクホイールの表面に第１係止 手段と対応して固定された第２係止手段とを備え、両係止手段が、ホイールカバ ーをディスクホイール側へ押さえつつその中心の回りで回転させることにより互 いに係止するように構成された取付装置であって、上述の技術的課題を解決する ために、以下のように構成されたことを特徴としている。

【０００８】 すなわち、この取付装置では、ホイールカバーの裏面の周縁端部に、ホイール カバーの径方向内方へ向かって延出する複数の係止爪を形成し、ディスクホイー ルの表面側における係止爪と対応する位置に、第１係止手段と第２係止手段との 係止時におけるホイールカバーの回転の際に係止爪が進入可能な係止溝を有する 係止部材を固定し、第１係止手段と第２係止手段の係止完了後に係止爪を係止溝 の内側面の一方に押圧する付勢手段を係止溝内に設けたことを特徴としている。

【０００９】 上記構成によれば、ホイールカバーをディスクホイール側に押さえ付けながら 回して第１係止手段と第２係止手段とを互いに係止させることにより、ディスク ホイールに対するホイールカバーの取付を行う。この構成においては、ホイール カバーを回すとき、ホイールカバーの係止爪がディスクホイール側に固定した係 止部材の係止溝の中に進入する。そして、第１係止手段と第２係止手段とが係止 して、ホイールカバーの取付を終えたとき、係止爪が付勢手段によって係止溝の 内側面の一方に押圧される。

【００１０】 したがって、上記構成によれば、第１、第２係止手段の係止完了後は係止爪が 係止溝に対して位置決めされるから、ホイールカバーの周縁端部が安定する。そ のため、自動車の走行時であっても、ホイールカバーの周縁端部が振動するのを 防止することができる。

【００１１】 また、上記構成においては、係止溝に対する係止爪の進入を案内する案内面を 付勢手段に設けることが好ましい。このように構成すれば、第１、第２係止手段 を係止させるときに、係止爪を係止溝に対して位置合わせしなくても係止溝の中 に導くことができるから、ホイールカバーの取付作業を極めて容易に行うことが できる。

【００１２】

【実施例】

以下に、図１〜図４に示した本考案の一実施例に係る自動車用ホイールカバー の取付装置について詳細に説明する。

【００１３】 図１は、この取付装置によりホイールカバー１をディスクホイール２に取り付 けた状態を示す半断面図である。この取付装置では、ホイールカバー１をディス クホイール２で確実に保持するための手段として、ホイールカバー１の裏面の中 央寄りの位置に第１係止手段３を形成するとともに、ディスクホイール２の表面 に、第１係止手段３と対応して第２係止手段６を固定している。両係止手段３, ６は、ホイールカバー１並びにディスクホイール２の取付中心を中心とする円周 上で、互いに対応する位置に各４個ずつ配置されている。

【００１４】 両係止手段３,６の係止前の状態を示す斜視図である図２に示すように、第１ 係止手段３は、ホイールカバー１の裏面に一体的に形成した棒状の脚３aと、そ の先端部に突設したピン状の係止突起３bにより構成されている。また、ディス クホイール２側に固定される第２係止手段６は、側壁にＣ字状の切欠き４aを形 成して鈎状係止部４bを設けた四角い箱状のハウジング４と、このハウジング４ に内蔵したスプリング５とから構成されている。そして、両係止手段３,６の位 置を合わせた状態でホイールカバー１をディスクホイール２の方へ押し付けなが ら回すことにより、係止突起３bを鈎状係止部４bに引っ掛けて留めることができ るようになっている。また、このとき、係止突起３bが鈎状係止部４bの内面にス プリング５で押し付けられるので、ディスクホイール２からホイールカバー１が 脱落するのが防止されるようになっている。

【００１５】 本実施例の装置では、ホイールカバー１の中央寄り部分だけでなく、周縁部も ディスクホイール２に固定されるようになっている。このため、ホイールカバー １を裏面側から見た部分破断斜視図である図３に示しているように、ホイールカ バー１の裏面の周縁端部に、その径方向内方へ向かって延出する複数の係止爪１ aが周方向に四等分した位置に形成されている。また、ディスクホイール２の周 端部分には、図１に示すように、第１係止手段３と第２係止手段６とを係止させ た状態で係止爪１aと対応する位置に係止部材７が固定されている。この係止部 材７は、断面が略コの字状であって内部に係止溝８aを有する本体部８と、取付 金具９とから構成されている。取付金具９は、ホイールバランスを取るためのバ ランスウェイトの取付金具を取り付ける通常の方法と同様に、ディスクホイール ２の周縁端部に挟み付けて固定するようになっている。

【００１６】 また、係止部材７の本体部８の係止溝８aの中には、図１に示した係止部材７ の左側面図である図４に示しているように、係止爪１aを係止溝８aの内側面の一 方の面、すなわちホイールカバー１側の面８bに押圧するため、付勢手段として 板バネ１０が設けられている。この板バネ１０は、大略Ｕ字状ないしはＶ字状に 折り曲げ形成されたものであって、折り曲げ部分１０aを溝８aの一方の端に向け た状態で配置されている。そして、係止爪１aを係止溝８aの一方の端から入れる ときに、板バネの傾斜面１０b(案内面)でその進入をガイドするようになってい る。

【００１７】 本実施例の取付装置では、まず、各脚３aを各ハウジング４に対して位置合わ せしたうえでホイールカバー１をディスクホイール２側へ押し付け、さらに回転 させて係止突起３bを鈎状係止部４bに掛けるように動かせる。このとき、ホイー ルカバー１の周縁端部の係止爪１aが板バネ１０の傾斜面１０bで案内されながら 係止溝８aの中に進入し、係止溝８aの一方の面８bに押されて行く。そして、ホ イールカバー１の回転が止まったところで手を離せば、係止突起３bが鈎状係止 部４bの内面に押圧され、同時に係止爪１aが係止溝８の一方の内面８bに圧接し た状態となる。したがって、ホイールカバー１の中央部がディスクホイール２に 保持されるのと同時に、その周縁部もディスクホイール２にしっかりと保持され ることになる。

【００１８】 このようにして係止突起３bと鈎状係止部４bとの係止完了後は係止爪１aが係 止溝８aに対して位置決めされるから、ホイールカバー１aの周縁端部が安定して 保持される。そのため、自動車の走行時であっても、ホイールカバー１の周縁端 部が振動するのを防止することができる。また、係止突起３bを鈎状係止部４bに 引っ掛けるときに、係止爪１aが自然に係止溝８a内に進入して係止溝８aの内面 ８bに圧接するようにしているので、取付作業が繁雑となることもなく、ホイー ルカバー１の取付作業を極めて容易に行うことができる。

【００１９】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の態様で実 施することができる。例えば、上記構成においては、係止爪１aを係止溝８aの内 側面の一方８bに付勢するため、Ｕ字状ないしはＶ字状の板バネ１０を用いてい るが、その代わりに、同様に傾斜した案内面を有する案内部材と、圧縮コイルバ ネとを組み合わせて用いてもよい。また、ディスクホイール２に対する係止部材 ７の取付方式に関しても、上述したバランスウェィトと同一の取付方式だけでな く、その他の種々の方式を任意に選定できる。さらに、上記実施例ではディスク ホイール２とホイールカバー１との取付を４箇所で行うようになっているが、取 付箇所の数を３箇所、５箇所その他に変更して取付を行うようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る取付装置によりホイ
ールカバーをディスクホイールに取り付けた状態の半断
面図である。

【図２】 第１係止手段と第２係止手段との係止前の状
態を示す斜視図である。

【図３】 ホイールカバーを裏面側から見た部分破断斜
視図である。

【図４】 係止部材の本体部を示す側面図である。

【符号の説明】

１ ホイールカバー １a 係止爪 ２ ディスクホイール ３ 第１係止手段 ３a 脚 ３b 係止突起 ４ ハウジング ４a 切欠き ４b 鈎状係止部 ５ スプリング ６ 第２係止手段 ７ 係止部材 ８ 本体部 ８a 係止溝 ８b 内面 ９ 取付金具 １０ 板バネ １０a 折り曲げ部 １０b 案内面

フロントページの続き (72)考案者 岩月 正和 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田１番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)考案者 浅越 一浩 愛知県愛知郡東郷町大字春木字蛭池１番地 株式会社東郷製作所内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホイールカバー(1)の裏面の中央寄り位
   置に固定された第１係止手段(3)と、ディスクホイール
   (2)の表面に該第１係止手段(3)と対応して固定された第
   ２係止手段(6)とを備え、両係止手段(3,6)が、該ホイー
   ルカバー(1)をディスクホイール(2)側へ押さえつつその
   中心の回りで回転させることにより互いに係止するよう
   に構成された自動車用ホイールカバーの取付装置におい
   て、 上記ホイールカバー(1)の裏面の周縁端部に、該ホイー
   ルカバー(1)の径方向内方へ向かって延出する複数の係
   止爪(1a)が形成され、 上記ディスクホイール(2)の表面側における上記係止爪
   (1a)と対応する位置に、上記第１係止手段(3)と第２係
   止手段(6)との係止時における上記ホイールカバー(1)の
   回転の際に該係止爪(1a)が進入可能な係止溝(8a)を有す
   る係止部材(7)が固定され、該第１係止手段(3)と第２係
   止手段(6)の係止完了後に該係止爪(1a)を該係止溝(8a)
   の内側面の一方(8b)に押圧する付勢手段(10)が該係止溝
   (8a)内に設けられたことを特徴とする自動車用ホイール
   カバーの取付装置。
2. 【請求項２】 上記付勢手段(10)は、上記係止溝(8a)に
   対する上記係止爪(1a)の進入を案内する案内面(10b)を
   有することを特徴とする請求項１記載の自動車用ホイー
   ルカバーの取付装置。