JPH0671146A - キレート樹脂溶離廃液からの溶離剤の回収方法 - Google Patents

キレート樹脂溶離廃液からの溶離剤の回収方法

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JPH0671146A
JPH0671146A JP25054092A JP25054092A JPH0671146A JP H0671146 A JPH0671146 A JP H0671146A JP 25054092 A JP25054092 A JP 25054092A JP 25054092 A JP25054092 A JP 25054092A JP H0671146 A JPH0671146 A JP H0671146A
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recovering
resin
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Yoshio Sugaya
良雄 菅家
Misaki Kanazawa
美咲 金澤
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
Hirofumi Horie
浩文 堀江
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キレート樹脂の溶離廃液から性能低下を起さず
に高純度の溶離剤である酸を回収、再利用できる方法を
提供する。 【構成】溶離剤と接触する側に0.5〜4.0ミリ当量
/g乾燥樹脂の強酸性陽イオン交換体層を有する陰イオ
ン交換体層からなる拡散透析膜を用いて溶離剤を回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、拡散透析により、キレ
ート樹脂溶離廃液からの溶離剤を効率良く選択的に回収
または除去するための方法に関し、特に溶離剤が酸であ
る溶離酸廃液から溶離用酸を効率良く選択的に回収また
は除去するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰イオン交換膜を使用して、酸と金属を
含有する溶液から濃度差を駆動力として酸を回収し、金
属イオンを分離する、いわゆる拡散透析は、既に多くの
分野で使用されている。かかる酸の拡散透析用膜として
は、数多くの文献、特許が報告されているが、最も実用
的な有益なものとして、クロルメチルスチレン(または
ビニルピリジン)−ジビニルベンゼン共重合体の4級ア
ミノ化(または4級ピリジニウム化)陰イオン交換膜が
ある。しかし、これらの陰イオン交換膜を使用して、キ
レート樹脂溶離廃液から溶離剤の回収を行っても、酸の
透過性や選択分離性が著しく低下する欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の欠点
を解消して、キレート樹脂溶離廃液から溶離剤を回収で
きる拡散透析方法を提供することを目的とし、更には、
従来では回収メリットがないとされていた製造工程液ま
たは廃液処理に適用することにより環境保護と省資源に
役立つ拡散透析によるキレート樹脂溶離廃液からの溶離
剤の回収方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、拡散透析膜の
片面に、キレート樹脂に付着された金属イオンを脱着せ
しめたキレート樹脂の溶離排液を接触せしめ、もう一方
の面に水を接触せしめ、上記金属イオンを脱着せしめた
キレート樹脂の溶離廃液から溶離剤を選択的に透過せし
めることを特徴とするキレート樹脂溶離廃液からの溶離
剤の回収方法である。
【0005】本発明で使用される拡散透析膜は、基本的
には、表面に反対電荷を有する陰イオン交換膜からな
り、これを金属イオンを脱着せしめたキレート樹脂の溶
離廃液から溶離剤を回収するプロセスに使用することに
より、キレート樹脂の溶離廃液からの溶離剤の選択透過
性の安定化が達成されるものであるが、これは、従来に
ない発想と新しい知見に基づくものである。
【0006】本発明における分離回収すべき、キレート
樹脂に吸着された金属イオンを脱着せしめたキレート樹
脂の溶離廃液としては、銅、ニッケルまたは亜鉛メッキ
における各メッキ水洗液、溶融亜鉛メッキ工程における
廃液、カドミウムメッキ剥離液、ニッケルメッキ浴廃
液、亜鉛メッキ浴廃液、銀電解液、使用済み脱硫酸触
媒、放射性廃液、導電解液、バイヤー法アルミン酸廃
液、廃触媒、電子部品の王水浸出液、ビニロン、レーヨ
ン排水などで発生する溶離廃液が挙げられる。また、溶
離剤としては塩酸や硫酸、または塩酸と硫酸の混酸など
の酸が挙げられる。
【0007】本発明者は、選択性、透過性の優れた拡散
透析膜について鋭意検討したところ、金属イオンを脱着
せしめたキレート樹脂の溶離廃液から溶離剤を回収する
プロセスにおいて、水素イオン/陽イオンの選択透過性
が優れた陰イオン交換膜ほど透過性や選択性が著しく低
下する現象を認めた。
【0008】この現象が認められる理由は明らかではな
いが、キレート樹脂の溶離廃液中には、キレート樹脂に
選択的に吸着された後、塩酸や硫酸中で脱着された金属
イオンが含まれているため、かかる溶離廃液中に含まれ
る金属イオンは溶離剤中でも錯アニオンを形成しやすい
ためと思われる。
【0009】かくして本発明者は、不純物が、陽イオン
の系、イソポリ酸や金属錯アニオンの如く質量の大きな
陰イオンの系、または陽イオンと質量の大きな陰イオン
が共存する系のいずれにおいても、選択性、透過性、性
能安定性の優れた酸拡散透析膜について検討した結果、
陽イオン交換体層の薄膜を陰イオン交換膜の表面に設け
ることにより達成できることを見出し本発明を完成せし
めた。
【0010】以下に本発明を更に詳しく説明すると、強
酸性陽イオン交換体層を陰イオン交換体層の表面に設け
る方法としては、陰イオン交換膜表面に陽イオン交換基
を有する化合物を付着または吸着する方法、または陰イ
オン交換膜の表面をスルホン化等の化学反応により陽イ
オン交換基に変換する方法なども使用できる。しかし、
耐久性に優れ、上記溶離剤の回収において、酸の透過性
が低下し難いことから好ましくは、薄膜成形性に優れた
陽イオン交換体フィルムを形成し、これを陰イオン交換
体の主体層に積層する方法が使用される。
【0011】かかる陽イオン交換体層としては、CF2
=CF(OCF2 CFCF3m O(CF2n SO2
F(化学式におけるmは0〜2、nは0〜4、ただし
m,nが同時に0をとることはない。)と四フッ化エチ
レンとの共重合体からなり、SO2 F基がSO3 H基に
変換された陽イオン交換体からなり、イオン交換容量が
0.6〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、好ましくは、
0.9〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂、厚みが0.01
〜25μm、好ましくは0.1〜10μmのものが、採
用される。
【0012】別の好ましい強酸性陽イオン交換体層とし
ては、実質的に芳香族環と連結基から構成された重合体
であって、繰り返し単位内に、一般式(1)−X−Ar
−Y−(ただし、式中X、Yは、−O−、−S−、炭素
数1〜13のアルキレン基または単結合である。Ar
は、
【0013】
【化3】
【0014】を有する。ここでR1 〜R5 は、互いに同
一または異なるハメットの置換基定数が負の置換基。a
は0〜3、b+cおよびd+eは0〜5である。)を含
有する重合体からなり、その芳香族環にスルホン酸基が
導入された陽イオン交換体が使用される。かかる陽イオ
ン交換体は、主鎖に芳香環を有しているため機械的性
質、耐熱性、耐薬品性、薄膜成型性に優れている。上記
一般式(1)を有する好ましい具体例としては、
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】等の重合体で、好ましくは、スルホン酸基
を0.5〜4.0ミリ当量/g乾燥樹脂、好ましくは
1.0〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂だけ導入した陽イ
オン交換体層が例示される。
【0019】本発明では、更に好ましくは、芳香族系重
合体が、少なくとも2種の繰り返し単位からなる共重合
体であって、一方の繰り返し単位の芳香族環にスルホン
酸基がブロック的に導入された陽イオン交換体層を使用
することが、透過性、選択性が高く、かつ機械的性質に
優れている点で好ましい。
【0020】かかる陽イオン交換体層としては、ポリフ
ェニレンオキシド/ポリエーテルスルホン共重合体、ポ
リフェニレンスルフィド/ポリエーテルスルホン共重合
体、ポリアリールエーテルスルホン/ポリエーテルスル
ホン共重合体、ポリアリールエーテルアリレート/ポリ
アリレート共重合体またはポリアリールエーテルスルホ
ン/ポリチオエーテルスルホン共重合体であり、例え
ば、
【0021】
【化7】
【0022】等のスルホン化膜が例示される。ただし、
p,qは、2〜200で、p/qは、100/1〜1/
10である。これらの重合体は、本出願人による特開平
1−215348、特開平2−245035および特開
平2−248434に記載されている方法によって得る
ことができる。
【0023】本発明に使用する陰イオン交換体の主体層
(以下陰イオン交換体層という)としては、上記陽イオ
ン交換体層と同種の重合体でも、スチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体等の異なる重合体でも使用される。
【0024】好ましくは、膜の選択透過性や機械的性質
が優れることから、実質的に芳香族環と連結基から構成
された重合体において、繰り返し単位内に一般式(1)
−X−Ar−Y−(ただし、式中X、Yは、−O−、−
S−、炭素数1〜13のアルキレン基または単結合であ
る。Arは化3を有する。ここでR1 〜R5 は、互いに
同一または異なるハメットの置換基定数が負の置換基。
aは0〜3、b+cおよびd+eはいずれも0〜5。)
を含有する重合体からなり、その芳香族環に、陰イオン
交換基が導入された陰イオン交換体が使用される。
【0025】かかる陰イオン交換体としては、化4、化
5、化6等の重合体に陰イオン交換基を0.5〜4.5
ミリ当量/g乾燥樹脂、好ましくは1.0〜3.5ミリ
当量/g乾燥樹脂になるように導入した陰イオン交換体
が例示される。
【0026】本発明では、なかでも繰り返し単位内に、
上記一般式(1)をブロック的に含有する重合体からな
る。例えば、ポリフェニレンオキシド/ポリエーテルス
ルホン共重合体、ポリフェニレンスルフィド/ポリエー
テルスルホン共重合体、ポリアリールエーテルスルホン
/ポリエーテルスルホン共重合体、ポリアリールエーテ
ルアリレート/ポリアリレート共重合体またはポリアリ
ールエーテルスルホン/ポリチオエーテルスルホン共重
合体である。例えば、化7の重合体に陰イオン交換基が
導入された陰イオン交換膜が例示される。
【0027】上記重合体に陰イオン交換基を導入する方
法としては、(a)アミノアルキル基を導入、必要によ
りハロゲン化アルキルで4級化する。(b)ハロアルキ
ル基を導入後、NH3 、1〜2級アミンまたは3級アミ
ンにより1〜3級アミンの弱塩基性陰イオン交換基また
は4級アンモニウム塩の強塩基イオン交換基を導入する
方法が使用できる。なかでも反応が容易で、イオン交換
容量の制御が容易であること、イオン強度の異なる陰イ
オン交換基の導入性が優れていること、ハロアルキル基
の反応性を利用して架橋を導入できる点で、(b)のハ
ロアルキル化−アミノ化反応が好ましく使用される。
【0028】ハロアルキル基の導入方法としては、芳香
族環にアルキル基が置換されている重合体を原料とする
場合には、塩素化、臭素化等の反応も使用できるが、一
般的には、クロルメチルメチルエーテル、1,4−ビス
(クロルメトキシ)ブタン、1−クロルメトキシ−4ク
ロロブタンやホルマリン−塩化水素、パラホルムアルデ
ヒド−塩化水素等の親電子反応性のクロルメチル化反応
によりブロック共重合体の−X−Ar−Y−繰り返し単
位の芳香族環に選択的に導入することができる。
【0029】かくて得られたクロルメチル化重合体は、
好ましくは以下の方法にて膜状の陰イオン交換体とする
ことができる。(1)クロルメチル化重合体を溶液化せ
しめ、アミンを添加、陰イオン交換樹脂溶液とした後、
流延し、膜状に成形せしめる。(2)クロルメチル化重
合体を溶液化せしめ、流延し、膜状に成形せしめた後、
アンモニアまたは1〜3級アミンと接触させ、残余のク
ロルメチル基を陰イオン交換基に変換する。(3)クロ
ルメチル化重合体を溶液化せしめ、クロルメチル基の0
〜80モル%の3級アミンを添加し、陰イオン交換樹脂
溶液とした後、残余のクロルメチル基を加熱処理、ルイ
ス酸との接触、またはポリアミンと反応し架橋構造を導
入する。
【0030】本発明に使用される陰イオン交換基導入用
のアミノ化剤としては、アンモニアの他、1級アミンと
しては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、エタノールアミンが、2級アミンと
しては、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のジアルキ
ルアミン、ジエタノールアミンが例示される。
【0031】強塩基性イオン交換基導入用の3級アミン
としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のト
リアルキルアミン、トリエタノールアミンが例示され
る。またイオン交換基と架橋が導入されるポリアミンと
しては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、ヘキシレンジアミン等の一般式R67
N−(CH2k −NR89 (R6 ,R7 ,R8 ,R
9 は、互いに同一または異なる水素または炭素数1〜6
の炭化水素基。kは、1〜10である。)で示されるア
ルキレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリエチ
レンイミン化合物、フェニレンジアミン等の芳香族ポリ
アミンなどが例示される。
【0032】かくして本発明の陰イオン交換体層は、全
イオン交換容量が、0.5〜4.5ミリ当量/g乾燥樹
脂、好ましくは、1.0〜3.5ミリ当量/g乾燥樹
脂、特には1.6〜3.0ミリ当量/g乾燥樹脂を有
し、かかる場合に固定イオン濃度4ミリ当量/g水、好
ましくは6ミリ当量/g水、特には10ミリ当量/g水
を有し、選択性と透過性が大きい特徴を有する。
【0033】かくして得た陰イオン交換体層を本発明の
酸拡散透析膜とするため、その表面に陽イオン交換体層
を設ける。かかる形成方法としては、個別に製膜した
後、加熱、加圧等により接合する方法、適宜の接着剤、
例えばイオン交換樹脂溶液により接合する方法、離型性
フイルムに、陽イオン交換樹脂溶液をキャスト製膜せし
めた後、陰イオン交換樹脂溶液を陽イオン交換体層上に
キャストし複層化せしめる方法、または、陽イオン交換
樹脂溶液を既製の陰イオン交換膜に塗布、造膜せしめる
方法が使用される。
【0034】かくして得られる拡散透析膜は、陽イオン
交換体層の膜厚が、0.01〜25μm、好ましくは、
0.1〜10μmで、陰イオン交換層の厚みは、1〜3
00μm、好ましくは、10〜100μmか選ばれ、全
膜厚は1〜325μm、好ましくは、10〜125μm
にせしめられる。
【0035】本発明の拡散透析膜は、寸法安定性、取扱
性等の強度を大きくするために、多孔性基材により、補
強することができる。かかる多孔性基材は、イオン交換
体層に埋め込んで、補強された複合イオン交換膜として
使用できる他、透過性を損なうことを防止する目的で、
イオン交換体の薄膜層と多孔性基材層との複層イオン交
換膜とすることができる。膜の形状は、一般的な平面状
だけではなく、袋状、スパイラル状、中空糸、中空管な
どとして使用される。
【0036】かくして、本発明による拡散透析膜が有す
る陽イオン交換体層側に、キレート樹脂に吸着された金
属イオンを脱着せしめたキレート溶離廃液を接触させ、
もう一方の側に水を接触せしめることにより、既知の拡
散透析技術によって溶離剤を選択的に透過せしめること
ができる。拡散透析は、例えば液温30〜50℃にて通
常の装置を用い、装置上方から下方に向けて水を90〜
120ml/時、装置下方から上方に向けてキレート樹
脂の溶離廃液を80〜140ml/時と向流的に流して
実施し得る。
【0037】
【作用】本発明の拡散透析膜は、スルホン酸基等の強酸
性の陽イオン交換体層を表面に有しており、溶離剤であ
る酸溶液中にて解離できるため、陰イオンの透過を阻止
する作用を有するが、その作用は陰イオンの大きさに依
存すると考えられる。厚みが小さい陽イオン交換体層
は、水素イオンの透過性が優れているため、水素イオン
の透過とともに、小さい陰イオンも電気的バランスを保
つため透過できるが、大きな陰イオンは陽イオン交換体
層を透過できない。
【0038】一方、陽イオン交換体層を透過した水素イ
オン以外の陽イオンは、陰イオン交換体層を透過でき
ず、その結果、小さい陰イオンを成分とする酸が選択的
に透過分離されると説明される。しかしながらかかる説
明は本発明の理解のために述べたものであり、かかる説
明により本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明は、かかる実施例に限定されるものではない。
【0040】実施例1 特開昭61−168629に記載された合成法と同様に
して、4,4’−ジフェノールとジクロロジフェニルス
ルホンとを反応せしめ、芳香族ポリスルホンのユニット
からなる固有粘度0.22のプリカーサーを合成し、つ
いで該プリカーサーとジクロロジフェニルスルホンと硫
化ナトリウムとを反応し、芳香族ポリスルホンとポリチ
オエーテルスルホンが等モルからなる固有粘度0.65
のブロック共重合体Aを得た。
【0041】次に、該共重合体Aを、無水硫酸/トリエ
チルホスフェート錯体と反応せしめ、スルホン化共重合
体Bを得た。共重合体Bは、NMR測定により、ジフェ
ノールの芳香環に選択的にスルホン酸基が導入されてお
り、イオン交換容量が1.9ミリ当量/g乾燥樹脂であ
ることがわかった。得られた共重合体BをN−メチルピ
ロリドンに溶解し溶液Cを得た。
【0042】一方、共重合体Aをクロルメチル化し、次
いでトリメチルアミンと反応させることにより、イオン
交換容量2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、膜厚25μmの
陰イオン交換膜Dを得た。この陰イオン交換膜Dの片面
に、陽イオン交換樹脂溶液Cを流延した後、50℃で2
時間加熱乾燥せしめることにより、膜厚30μmの複層
イオン交換膜Eを作成した。
【0043】かくして得られた複層イオン交換膜Eによ
り2室に区画された透析槽の陽イオン交換層に面する室
に、4.5Nの塩酸とアンチモン0.025モル、ビス
マス0.0020モルを含有する銅メッキの溶離廃液を
満たし、もう一方の室に純水を満たし、純水側に透過す
る酸と主にアンチモンとビスマスの透過速度を求めた。
表1に酸の透過速度と、アンチモンとビスマスの透過速
度/酸の透過速度比を示した。比較例1および比較例2
と比べ、透過性、選択性とも優れていることがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】比較例1 実施例1における膜厚25μmの陰イオン交換膜Dを使
用して実施例1と同様にして、拡散透析を行い、その結
果を表1に示した。
【0046】比較例2 市販のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる陰
イオン交換膜(膜厚120μm,イオン交換容量2.0
ミリ当量/g乾燥樹脂)を用い、実施例1と同様にし
て、拡散透析を行い、その結果を表1に示した。
【0047】
【発明の効果】従来の陰イオン交換膜または陽イオン交
換膜による酸の拡散透析において、キレート樹脂溶離廃
液の如く不純物としてキレート樹脂に捕捉された金属イ
オンが共存し、透過性および/または選択性が低下し、
酸の回収が、実質的に不可能であった回収系において
も、本発明によれば酸の実用的な回収プロセスが提供で
き、環境保全や資源の有効利用がはかれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀江 浩文 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社千葉工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】拡散透析膜の片面に、キレート樹脂に吸着
    された金属イオンを脱着せしめたキレート樹脂の溶離廃
    液を接触し、もう一方の面に水を接触せしめ、前記金属
    イオンを脱着せしめたキレート樹脂の溶離廃液から溶離
    剤を選択的に透過せしめることを特徴とするキレート樹
    脂溶離廃液からの溶離剤の回収方法。
  2. 【請求項2】拡散透析膜が、陰イオン交換体の主体層か
    らなり、該陰イオン交換体は、キレート樹脂の溶離廃液
    と接触する側に強酸性陽イオン交換体層を有する請求項
    1のキレート樹脂溶離廃液からの溶離剤の回収方法。
  3. 【請求項3】強酸性陽イオン交換体層が、イオン交換容
    量0.5〜4.0ミリ当量/g乾燥樹脂、厚さが0.0
    1〜25μmのスルホン酸基を有する陽イオン交換体層
    である請求項2のキレート樹脂溶離廃液からの溶離剤の
    回収方法。
  4. 【請求項4】強酸性陽イオン交換体層が、実質的に芳香
    族環と連結基から構成された重合体であって、繰り返し
    単位内に一般式(1)−X−Ar−Y−(ただし、式中
    X、Yは、−O−、−S−、炭素数1〜13のアルキレ
    ン基または単結合である。Arは、 【化1】 を有する。ここで、R1 〜R5 は、互いに同一または異
    なるハメットの置換基定数が負の置換基。aは0〜3、
    b+cおよびd+eはいずれも0〜5。)を含有する重
    合体からなり、その芳香族環にスルホン酸基が導入され
    た陽イオン交換体層である請求項2または3のキレート
    樹脂溶離廃液からの溶離剤の回収方法。
  5. 【請求項5】強酸性陽イオン交換体層が、CF2 =CF
    (OCF2 CFCF3m O(CF2n SO2 F(m
    は0〜2、nは0〜4であり、mとnは同時に0になら
    ない)と四フッ化エチレンとの共重合体からなり、SO
    2 F基がSO3 H基に変換された陽イオン交換体層であ
    る請求項2または3のキレート樹脂溶離廃液からの溶離
    剤の回収方法。
  6. 【請求項6】陰イオン交換体の主体層が、繰り返し単位
    内に、一般式(1)−X−Ar−Y−(ただし、式中X
    またはYは、−O−、−S−、炭素数1〜13のアルキ
    レン基または単結合である。Arは、 【化2】 を有する。R1 〜R5 は、互いに同一または異なるハメ
    ットの置換基定数が負の置換基。aは0〜3、b+cお
    よびd+eはいずれも0〜5。)を含有する重合体から
    なり、その芳香族環に陰イオン交換基が導入されたイオ
    ン交換容量0.5〜4.5ミリ当量/g乾燥樹脂の陰イ
    オン交換体層である請求項2のキレート樹脂溶離廃液か
    らの溶離剤の回収方法。
  7. 【請求項7】陰イオン交換体の主体層の厚みが、1〜1
    00μmであり、拡散透析膜の全膜厚が1〜125μm
    である請求項2または6のキレート樹脂溶離廃液からの
    溶離剤の回収方法。
  8. 【請求項8】溶離剤が酸である請求項1のキレート樹脂
    溶離廃液からの溶離剤の回収方法。
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