JPH0671007U - 工作物把持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工作物のねじ部の損傷およびスリップの発生
を防止し、自動的駆動を可能にすること。 【構成】 主軸本体１０内に配設され端部にねじ部Ｎを
有する工作物Ｗの軸端を支持するセンタ１と、伝達機構
としてベルト２Ｂを介してモータにより回転駆動される
プーリ２と、センタ１と同軸的に配設され、プーリ２に
一体的に固着された円形の回転面板３と、回転面板３に
ピン４１を介して係止され、内周壁に工作物Ｗの端部の
ねじ部Ｎに螺合するねじ部４２を有するチャックナット
４と、主軸本体１０に固着されチャックナット４に対向
して配設され、チャックナットの右端の軸方向の位置を
検出する近接スイッチ５と、工作物Ｗに当接してチャッ
クナットが工作物と螺合し回転する際のつれ廻りを防止
するブレーキ６とから成る工作物把持機構。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、端部にねじ部を有する工作物をねじ部を介して回転駆動することを 可能にする工作物把持機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

第１の従来機構においては、図２に示すように内周壁にねじ部Ｎを形成したナ ット式ケレＫを工作物Ｗのねじ部Ｎに螺合させ、手動でねじ込んでいた。

【０００３】 第２の従来機構は、図３に示すように外周壁にテーパ部Ｔを形成するとともに 内周壁Ｉ内に工作物Ｗのねじ部Ｎが介挿されるコレットチャックＣまたはダイヤ フラムチャック他に対して外筒部材Ｇが軸方向に相対的に動くことにより内周壁 に形成したテーパ部ＯＴがコレットチャックＣのテーパ部Ｔと係合して、半径方 向内方に押圧することにより工作物Ｗのねじ部Ｎに対して内周壁Ｉを押付け把持 して自動的に駆動するものであった。

【０００４】 第３の従来機構は、図４に示すように回転面板Ｒに複数の揺動するカム式オー トマチックチャックＭを配設して、カム式オートマチックチャックの揺動により 中心部分ＣＭが工作物Ｗのねじ部Ｎを把持して自動的に駆動するものであった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

第１の従来機構は、ナット式ケレＫを工作物Ｗのねじ部Ｎに螺合させ、手動で ねじ込まなければならず、自動的にねじ込むことができないという問題が有った 。

【０００６】 第２および第３の従来機構は、工作物Ｗのねじ部ＮをコレットチャックＣの平 坦な内周壁Ｉもしくはカム式オートマチックチャックＭの平坦な中心部分ＣＭが 押圧把持するものであるため、工作物Ｗのねじ部Ｎのねじ山に傷がつき製品上問 題が有るとともに、接触面積が小さく、摩擦力を充分確保できないので、スリッ プが生じ所定の回転数に達せず加工精度が悪くなるという問題が有った。

【０００７】 そこで本考案者は、回転面板に係止され内周部に工作物のねじ部に螺合するね じ部を形成したフローティングナットにより自動的にねじ込むという本考案の構 造に関する技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、工作物のねじ部の 損傷およびスリップが発生すること無く、自動的駆動を可能にするという目的を 達成する本考案に到達した。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案（請求項１に記載の第１考案）の工作物把持機構は、 主軸本体内に配設され端部にねじ部を有する工作物の軸端を支持するセンタと 、 センタと同軸的に配設され、伝達機構を介してモータにより回転駆動されるプ ーリと、 センタと同軸的に配設され、プーリに一体的に固着された回転面板と、 回転面板に係止され、内周壁に工作物の端部のねじ部に螺合するねじ部を有す るチャックナットと、 主軸本体に固着され、チャックナットの軸方向の位置を検出する位置検出装置 と、 工作物に当接してチャックナットが工作物と螺合し回転する際のつれ廻りを防 止するブレーキと から成るものである。

【０００９】

【作用】

上記構成より成る本考案の工作物把持機構は、工作物をセンタにより軸端を支 持し、ブレーキを前進させて工作物に当接させ、モータにより伝達機構を介して プーリが回転され、プーリに一体的に固着された回転面板に係止されたチャック ナットのねじ部が工作物のねじ部に螺合し、位置検出装置によりチャックナット が設定された位置に到達したことが検知されると、チャックナットの回転が停止 されるとともに、ブレーキを後退させるものである。

【００１０】

【考案の効果】

上記作用を奏する本考案の工作物把持機構は、回転面板とともに回転するチャ ックナットのねじ部が工作物のねじ部に螺合して自動的駆動を可能にするととも に、工作物のねじ部を損傷させること無く、且つおよびスリップが発生すること も無いという効果を奏する。

【００１１】

【実施例】

第１実施例の工作物把持機構は、図１に示すように主軸本体１０内に配設され 端部にねじ部Ｎを有する工作物Ｗの軸端を支持するセンタ１と、伝達機構として ベルト２Ｂを介してモータにより回転駆動されるプーリ２と、センタ１と同軸的 に配設され、プーリ２に一体的に固着された円形の回転面板３と、回転面板３に ピン４１を介して係止され、内周壁に工作物Ｗの端部のねじ部Ｎに螺合するねじ 部４２を有するチャックナット４と、主軸本体１０に固着されチャックナット４ に対向して配設され、チャックナットの右端の軸方向の位置を検出する近接スイ ッチ５と、工作物Ｗに当接してチャックナットが工作物と螺合し回転する際のつ れ廻りを防止するブレーキ６とから成る。

【００１２】 センタ１は、フランジ部１２をボルトにより主軸本体１０に固着した環状部材 １１の内周壁１３に固着されている。

【００１３】 プーリ２は、センタ１を包囲する環状部材１１上に配設されたベアリング２１ 上に配設された環状部材２０により構成され、複数のＶ溝２３を形成した外周部 ２２がモータＣ（図示せず）によってベルト２Ｂを介して回転駆動される構成よ り成る。

【００１４】 回転面板３は、環状円板部材３０で構成され、複数箇所においてボルト３１に よりプーリ２に一体的に固着されることにより、環状部材１１のまわりを回転す る構成より成る。

【００１５】 チャックナット４は、後述するピン４１が挿入される貫通穴４４を有する略Ｔ 字状の環状部材４０で構成され、回転面板３に一端を固着したピン４１をコイル スプリング４３を介挿した後、前記貫通穴４４に介挿し、ピン４１の他端にナッ ト４５を固着することにより、回転面板４１に係止され、コイルスプリング４３ により図１中軸方向右方への付勢力が常時作用する構成より成る。チャックナッ ト４が回転面板３に係止された後、チャックナット４を包囲する様にカバー４６ の底部が回転面板３に固着される。

【００１６】 近接スイッチ５は、主軸本体１０もしくはフレームに一端が固着されたＬ字状 のアーム５１の他端にスイッチ本体５０が配設され、チャックナット４の右端に 固着され、カバー４６に形成した開口４６Ｏより突出した突出片５２がスイッチ 本体５０に対し一定距離以内に近づいた時に信号を出力する構成より成る。

【００１７】 ブレーキ６は、フレームに固着されたブレーキアクチュエータ６０から突出し たピストンロッド６１の先端に配設した当接部６２が前進することにより、工作 物Ｗの側壁に当接して押付力が付与され、チャックナット４が回転駆動されると きの工作物Ｗのつれ廻りを防止する構成より成る。

【００１８】 上記構成より成る第１実施例の工作物把持機構は、ブレーキ６のピストンロッ ド６１を前進させ当接部６２がセンタ１により軸端を支持された工作物Ｗに当接 して押付力を付与した状態において、モータの回転によりベルト２Ｂを介してプ ーリ２が回転され、プーリ２に一体的に固着された回転面板３に対してピン４１ によって係止されたチャックナット４が回転し、コイルスプリング４３の付勢力 により工作物Ｗのねじ部Ｎとチャックナット４のねじ部４２が螺合して工作物Ｗ のまわりを回転しながら図１中軸方向右方へ移動し、チャックナット４の右端に 固着した突出片５２がスイッチ本体５０の一定距離以内に近づくと、近接スイッ チ５が信号を出力し、モータの回転駆動が停止され、チャックナット４の回転が 停止されるとともに、ブレーキ６のピストンロッド６１が後退して当接部６２が 工作物Ｗの側壁から隔離する。

【００１９】 上記作用を奏する第１実施例の工作物の把持構成は、モータの回転駆動により ベルトを介して回転するプーリ２とともに一体的に回転する回転面板３およびコ イルスプリング４３の付勢力によってチャックナット４は、工作物Ｗのねじ部Ｎ に自動的にねじ込まれ、自動化対応を可能にするという効果を奏する。

【００２０】 また第１実施例の工作物把持機構は、チャックナット４のねじ部４２が工作物 Ｗのねじ部Ｎに螺合して回転するので、第２および第３の従来機構の様にねじ部 Ｎのねじ山を損傷させること無く、且つチャックナット４と工作物Ｗとでスリッ プが生じることも無いという効果を奏する。

【００２１】 さらに第１実施例の工作物把持機構は、近接スイッチ５によりチャックナット ４の右端の位置を監視して位置決めすることが出来るとともに、ブレーキ６の作 動により工作物Ｗのつれ廻りを防止するという効果を奏する。

【００２２】 上述の実施例は、説明のために例示したもので、本考案としてはそれらに限定 されるものでは無く、実用新案登録請求の範囲、考案の詳細な説明および図面の 記載から当業者が認識することができる構造に関する技術思想に反しない限り変 更および付加が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の工作物把持機構を示す縦
断面図である。

【図２】第１の従来機構を示す縦断面図である。

【図３】第２の従来機構を示す縦断面図である。

【図４】第３の従来機構を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ センタ ２ プーリ ３ 回転面板 ４ チャックナット ５ 近接スイッチ ６ ブレーキ １０ 主軸本体 １１、２０ 環状部材 ２１ ベアリング ２Ｂ ベルト ３０ 環状円板部材 ３１ ボルト ４０ Ｔ字状環状部材 ４１ ピン ４２ ねじ部 ４３ コイルスプリング ４４ 貫通穴 ４５ ナット ４６ カバー ５０ スイッチ本体 ５１ Ｌ字状アーム ５２ 突出片 ６０ ブレーキアクチュエータ ６１ ピストンロッド ６２ 当接部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主軸本体内に配設され端部にねじ部を有
   する工作物の軸端を支持するセンタと、 センタと同軸的に配設され、伝達機構を介してモータに
   より回転駆動されるプーリと、 センタと同軸的に配設され、プーリに一体的に固着され
   た回転面板と、 回転面板に係止され、内周壁に工作物の端部のねじ部に
   螺合するねじ部を有するチャックナットと、 主軸本体に固着され、チャックナットの軸方向の位置を
   検出する位置検出装置と、 工作物に当接してチャックナットが工作物と螺合し回転
   する際のつれ廻りを防止するブレーキとから成ることを
   特徴とする工作物把持機構。