JPH067096Y2 - 吐水具の位置可変支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、洗面台，洗髪台，流し台，浴室ユニット等に
設けられる吐水装置における吐水具の吐水位置を必要に
応じて可変できる吐水具の位置可変支持装置に関するも
のである。

［従来の技術］ シャワーヘッド等の吐水具の支持高さを所望に調節でき
る装置は従来実公昭６２−１９７３４号公報によって知
られている。それは上端にシャワーヘッドを設けた直状
管を洗面台等に垂直に設けられている外筒中に摺動自在
に貫挿し、該外筒にはロックナットによって緊締または
弛緩できる締め環を設け、該締め環が前記直状管の外周
面に係合または離脱することでシャワーヘッドの高さを
調節可能としたものであった。

［従来技術の問題点］ しかるに上記従来の高さ調節装置では、シャワーヘッド
からの吐水の方向や高さ調節をする都度、片手でその直
状管を支え、他方の手でロックナットを操作しなければ
ならないため両手がふさがってしまい、洗髪等洗浄作業
をしながら、或いは洗浄物，容器等を持ったままで吐水
高さを調節することができない欠点がある。また、ロッ
クナットによる締付，弛めの程度が中途半端であると吐
水の方向とか高さが変わってしまったり、或いは無理に
移動させて直状管の外周に傷を付けるおそれがあり、そ
の傷は外部に露呈して美感を損ねると同時に管壁を腐食
させることにもなりかねないなど使い勝手も悪い欠点が
あった。

［考案の目的］ そこで本考案は、片手操作により吐水高さ、吐水方向の
保持と可変を容易かつ確実に、しかも直状管を傷付ける
おそれのない吐水具の位置可変支持装置を提供し、その
使い勝手を改善しようとするものである。

［目的を達成するための手段］ この目的を達成するため本考案に係る吐水具の位置可変
支持装置は、洗面台，流し台等の取付面にガイド筒を固
設し、先端に吐水具が設けられる直状管を前記ガイド筒
中に進退自在かつ回転自在に挿通し、該直状管の下端お
よび／またはガイド筒の下端に互いに吸着し合う磁石片
を固設したことを特徴とするものである。

［実施例］ 次に本考案の実施例を洗面台について説明する。

第１図において、１は壁面に固定された洗面台、２はそ
の排水管、３は給湯栓、４は給水栓である。５は洗面台
１の取付面１ａ上に固定された公知のシングルレバー操
作型の湯水混合栓である。該混合栓５には給湯栓３，給
水栓４より配管６，７がなされており、該レバー８を回
転操作或いは上下操作することにより湯水の混合比率お
よび総吐水量が調節できるようにしている。９はその吐
水用可撓性ホースである。

しかして洗面台１の取付面１ａには第２図にも示したよ
うにガイド筒10が垂直に固設される。即ち、取付面１ａ
に開設した円形透孔の上下面に夫々パッキン11,11を介
在させ該取付面１ａの上方よりガイド筒10を貫挿し下方
よりナット12を該ガイド筒10に螺合することにより該ガ
イド筒10を取付面１ａに固定する。13はガイド筒10の上
部内周に配置したパッキン、14は該ガイド筒10の取付面
１ａ上突出部分を被うキャップ、15はガイド筒10の下部
内周に収容した弾性締付環で、該弾性締付環15は第３図
にも示したように一部切欠環状の弾性体16の外周にコイ
ルバネ17を巻着してなる。18は該弾性体16の下端に嵌着
固定した環状の磁石片である。

20は先端に吐水具21を支持する直状管で、該直状管は前
記ガイド筒10中に進退自在および回転自在に挿通され
る。この場合直状管20は中空ステンレス管よりなり内部
に前記ホース９が挿通されている。そしてホース９の先
端にシャワー吐水および集中吐水を切換可能とした吐水
具21が第４図に示した回転自在管継手27を介して連結さ
れている。該吐水具21は集中吐水口22とその周囲にシャ
ワー吐水口23を有する回転ノブ24が設けられ、該回転ノ
ブ24には一体に流路切換用ゴム被覆弁部25が設けられて
いて該弁部25が回転ノブ24を操作することで進退動し、
吐水流路26が集中吐水口22またはシャワー吐水口23に連
通するようにしている。なお直状管20の上端部には湾曲
筒状の支持部材28が環状止環29によって止着固定されて
いる。30は該環状止環29の下面に合着することにより嵌
着した環状の吸音用クッション材である。また、管継手
27の外周にはスプライン溝35が形成され、支持部材28の
上端開口縁内周には該スプライン溝に噛合するスプライ
ン溝36が形成されている。そして吐水具21の管継手27部
分をこの支持部材28に嵌合したときこの両スプライン溝
の噛合により吐水具21が無用に回転しないようにしてい
る。

また、直状管20の下端部外周に前記磁石片18と互いに吸
着し得る環状の磁石片31が嵌着固定されている。32は該
磁石片31の上面に重着された合成ゴム製の吸音用環状ク
ッション材である。

このように構成した吐水具の位置可変支持装置では支持
部材28を手で握って直状管20を上昇させれば第２図に示
したように磁石片18と磁石片31とが吸着することで所要
の高さに吐水具21を支持できると共に、その高さで吐水
具21からの吐水方向を任意に変えることができ、またそ
の吐水方向をその両磁石片18，磁石片31の吸着力により
保持できる。なおこのような操作は片方の手で行なえる
ので洗髪中にも必要に応じて高さ調節および吐水方向調
節が簡単にできる。また直状管20を押し下げると磁石片
18と磁石片31は離脱し第５図に示したようにキャップ14
上にクッション材30が当接して該吐水具21が低くに支持
される。直状管20が上下動するとき前記弾性締付環15は
その上下動に適度な接触抵抗を及ぼし該直状管20が磁着
保持力をなくしたとき急落下するのを防いでいる。ま
た、この実施例の場合、吐水具21を第１図中一点鎖線で
示したように支持部材28から引き出すことで後頭部を水
洗するとき等のために便利に使用できる。

なお、第６図に示したように、キャップ14にて該ガイド
筒10上に環状の磁石片37を止着固定すると共に、前記環
状止環29の下側に該磁石片37と吸着し得る環状の磁石片
38を止着固定し、該磁石片38の下面に環状のクッション
材39を貼着し、直状管20を下降させたとき該磁石片37と
磁石片38とが吸着し合うようにしその吸着力で吐水具21
の吐水方向を保持させるようにしてもよい。

またこの実施例では、直状管20中にホース９を挿通して
なるが、直状管20の下端にホース９の先端を固着し、直
状管20自体を給水路として利用し吐水具（図示せず）を
直状管20の上端に固設して構成した場合にも該吐水具の
高さおよびその吐水方向が同様に所要に可変できる。

さらに、図示しないが、直状管20の上端に図示しない吐
水具が着脱自在に乗せられる支持部材を設けて、混合栓
５から引出したホースを直状管20中に通すことなく取付
面１ａ上にて直接該支持部材に支持させるようにしても
この装置にてその高さおよび方向を可変できる。

［考案の効果］ 以上実施例について説明したように本考案に係る吐水具
の位置可変支持装置は、磁力により保持するものである
ので直状管を締め付けることなく直状管を傷付けるおそ
れがない。そして片手操作により吐水具の高さが変えら
れその位置を保持することができるので、洗髪用の洗面
台等に適用してその使い勝手を大幅に改善できる有益な
ものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示したもので、第１図は全体の
斜視図、第２図は要部の縦断面図、第３図は弾性締付環
の斜視図、第４図は吐水具の拡大縦断面図、第５図は第
２図の作動状態を示した縦断面図、第６図はガイド筒の
他の実施例を示した縦断面図である。 １…洗面台、１ａ…取付面、10…ガイド筒、18…磁石
片、20…直状管、21…吐水具、31…磁石片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面台，流し台等の取付面にガイド筒を固
   設し、先端に吐水具が設けられる直状管を前記ガイド筒
   中に進退自在かつ回転自在に挿通し、該直状管の下端お
   よび／またはガイド筒の下端に互いに吸着し合う磁石片
   を固設したことを特徴とする吐水具の位置可変支持位
   置。