JP4415336B2 - 吐水具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本各発明は、湯や水(以下、単に湯水という)を吐水させるために湯水混合栓等の給水栓に設けられる吐水具に関し、詳しくは、吐水口と、該吐水口への流量を調節する流量調節弁装置と、該流量調節弁装置を操作する操作部と、を備えた吐水具に関する。
【0002】
【従来の技術】
吐水具としては、浴室の給水栓にホースを介して接続されたシャワーヘッド、キッチンや洗面台の給水栓にホースを介して接続されると共に水栓本体に引き出し自在に保持されたシャワーヘッド、給水栓の吐水管先端に一体的に固設されて吐水口を構成するもの等、種々のものがある。これらの吐水具の中には、弁装置とこの弁装置を操作する操作部とを備えたものがある。例えば、浴室のシャワーヘッド等の吐水具で、弁装置として止水弁を採用し、吐水具側の操作部により吐止水操作を行うことができるようにしたものや、キッチンや洗面台の給水栓に設けられた吐水具で、弁装置として流路の切換弁を採用し、内部の流路を切り換えることで形態の異なる吐水口から吐水を行わせて吐水形態をストレート吐水又はシャワー吐水に切り換えることができるようにしたもの等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の吐水具にあっては、それ自体に設けられた操作部により吐止水を行ったり、流路の切り換えを行うことができるものの、吐水量の調節を行うことを前提としたものではなく、一般に、吐水量の調節を行うことができるものではなかった。よって、吐水量を的確に調節するためには、水栓本体側の操作部による操作を余儀なくされ、利便性に劣るものであった。
【0004】
尚、止水弁を備えた吐水具としては、コック等の流量調節可能な弁装置を採用したものがあり、この吐水具では、吐水量の調節も可能である。しかしながら、このような止水弁を備えた吐水具は、そもそも、吐止水の操作、即ち、完全吐水又は完全止水の何れかの操作、を行うことを前提としたものであるため、その中間の操作形態である吐水量の調節操作がし難く、吐水量の調節については使用勝手に劣るものであった。しかも、止水がなされるものであるため、吐水具本体や弁装置として、止水時の高水圧に耐え得るように、複雑で堅固な構造とせざるを得ず、構造の簡略化を図ることが困難であった。また、構成部材の材質としては、耐圧性、耐腐食性に優れる銅合金等の金属を採用せざるを得ず、安価で量産性に優れる樹脂等への材質の転換を図ることも困難であった。
【0005】
一方、切換弁を備えた吐水具は、異なる吐水口からの吐水を行うものであるため、吐水口の変更に伴って吐水量を実質的に変更することができると考えられる。しかしながら、このような吐水具は、そもそも、用途によって、吐水がなされる吐水口を切り換えて吐水形態をストレート吐水やシャワー吐水等に変更するものであり、吐水量の調節のために吐水形態を変更してしまうと、当然、用途に応じた吐水形態を得ることができなくなり、使用に不便を来す。よって、このような切換弁を備えた吐水具は、吐水口を変更することで吐水量の調節が可能であると考えられても、吐水量の調節に関して現実的な使用に適するものではなかった。
【0006】
本各発明は、上記した従来技術の課題を解決するものであり、その目的とするところは、利便性に優れ、しかも、構造の簡略化及び樹脂等への材質の転換を容易に図ることができる吐水具を提供することである。特に、上記目的に加え、請求項3の発明では、水跳ねの防止や、対象物に応じた吐水量調節が要望されるキッチンや洗面台の吐水具として、上記要望を十分に満足させることを目的とし、請求項4の発明では、吐水量調節の操作の簡便性及び確実性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために本各発明の採った手段を、各発明ごとに以下に説明する。
【0008】
請求項1の発明は、「吐水口と、該吐水口への流量を調節する流量調節弁装置と、該流量調節弁装置を操作する操作部と、を備えるとともに、ホースを介して接続される水栓本体の操作ハンドルの操作によって吐止水が可能な吐水具において、前記流量調節弁装置には、弁体が嵌合可能な複数以上の嵌合穴が具備され、該嵌合穴の2つ以上にそれぞれ穿設された透孔、または、該嵌合穴の2つ以上にまたがって穿設された透孔が備えられ、前記流量調節弁装置が、該透孔の一部が常時開口されていることにより止水機能を有さないものとして構成されていることを特徴とする吐水具」である。
【0009】
ここで「吐水具」とは、湯水を吐水させるためのものであり、吐水口を有し、吐止水を制御する弁装置よりも2次側に配設されたものをいうが、浴室のシャワーヘッドやキッチンの給水栓に引き出し自在に保持されるシャワーヘッド等のような水栓本体とは別体的なものに限らず、水栓本体に固設された吐水管の先端部分に吐水口を形成するもの等のような水栓本体と一体的なものであってもよい。
【0010】
また、「止水機能を有さないものとして構成する」ためには、例えば、流量調節弁装置として、弁口が弁体により完全には閉止されない構造のものを採用すればよい。他にも、弁口が閉止された状態でも流量調節弁機構の一次側から二次側へと通水がなされるように逃がし流路を設けてもよい。この場合の「流量調節弁装置」は、上記逃がし流路を含む構造となる。
【0011】
請求項1の発明に係る吐水具では、吐水具自体に設けられた操作部の操作により吐水量の調節が可能であり、利便性に優れる。また、吐水口への流量を調節することで吐水量が調節されるため、同一の吐水口からの同一の吐水形態のままで、その吐水量を調節することができ、使用に際して支障を来すことはない。
【0012】
一方、流量調節弁装置を止水機能を有さないものとして構成することで、吐水具自体を止水時の高水圧に抗することが可能な耐圧構造とする必要がないので、その構造を複雑なものとする必要がなく、金属製とするのみならず樹脂などの材質から形成することもできる。さらに、操作部の下限の操作によっても止水はなされないことになるから、最少の吐水量としたい場合には、操作部を下限いっぱいに操作するといった簡単な操作により最少の吐水量に調節できるため、この点でも、利便性に優れる。また、請求項2の発明は、「前記嵌合穴の2つ以上にそれぞれ穿設された前記透孔のそれぞれの開口面積が異なることを特徴とする請求項1に記載の吐水具」である
【0015】
請求項1の発明に係る吐水具を手持ち式のものとすると、吐水具自体を水栓本体とは別体のものとして取り扱うことができ、利便性が向上する。しかも、吐水具を手持ち式とすると、水栓本体から遠く離して吐水具を使用することも考えられる。このような場合に、水栓本体側の操作部によらず、吐水具側にて適宜、吐水量の調節が可能であれば、非常に便利であり、手持ち式の吐水具としての用途も広がる。さらに、吐水具自体の構造を簡略し、材質として樹脂等を採用できることから、吐水具としてのコンパクト化、軽量化を図ることができる。このように吐水具自体をコンパクト化、軽量化することで、取り回しをし易くし、手持ち式の吐水具としての利便性を、より一層向上させることも容易である。
【0016】
尚、このように手持ち式の吐水具とした場合には、吐水具を持った手で操作可能な部位に操作部を設けると、片側の手で吐水具の保持及び吐水量調節の操作が可能となり、利便性のより一層の向上を図ることができる。また、吐水口の近傍に操作部を設ければ、目視による吐水状態の確認と操作部の確認とを、大きな視線の移動を伴わずに成し得るため、実際の吐水量を確認しつつ吐水量を調節することが容易となる。
【0017】
請求項3の発明は、「キッチンや洗面台に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吐水具」である。
【0018】
例えば、浴室のシャワーヘッド等の吐水具にあっては、そもそも、湯水を浴びるために使用するものであることから、水跳ねを気にする必要はないが、キッチンや洗面台の吐水具にあっては、シンクや洗面ボウル外への水跳ねを防止する必要がある。また、キッチンや洗面台では、食器等の種々の機器(以下、対象物という)の洗浄を予定しているため、対象物に応じて吐水量を設定する必要もある。
【0019】
そこで、請求項1又は請求項2の発明に係る吐水具を、キッチンや洗面台の吐水具として適用すると、水跳ねを防止したり、対象物に応じた吐水量とするために、水栓本体側の操作部によらず、吐水具側の操作部により頻繁に吐水量を調節することが可能となり、上記要望を満足させることができる。手持ち式の吐水具である場合には、特に有効である。即ち、対象物の洗浄に際して、一方の手で対象物を保持しつつ他方の手で吐水具を保持したり、洗髪等に際して、一方の手で髪を洗いつつ他方の手で吐水具を保持する場合には、水栓本体側の操作部にて吐水量の調節を行おうとすると、何れか一方の手を開放しなければならないが、吐水具側の操作部にて吐水量の調節が可能であれば、吐水具を保持した側の手でこの操作を行うことができるからである。
【0020】
請求項4の発明は、「流量の調節が段階的に行われることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吐水具」である。
【0021】
流量の調節を連続的に行うこととすると、操作部を緻密に操作してより細かく流量を調節することが可能ではあるが、一方で適正な流量に迅速に調節することが困難である。特に、吐水具が手持ち式である場合に、吐水具を手で保持して使用しながら、その手で操作部を迅速にしかも緻密に操作するには困難が伴う。そこで、流量の調節が段階的に行われることとすると、操作部を乱雑に操作しても所望の流量に調節し易くなる。
【0022】
尚、「流量の調節を段階的に行う」ための構造は、特に限定されるものではないが、流量調節弁装置の弁機構の構造として、弁口の開口度合いが段階的に変更されるような構造を採用することが例示できる。また、他にも、弁口の開口度合いを連続的に変更可能とする一方で、操作部の構造として、連続的ではなく段階的な操作がなされる構造とし、操作部の段階的な操作により流量の調節が段階的に行われるようにすることも例示できる。
【0026】
一定の給水圧力下での湯水の流量は、流路の形態や湯水自体の粘性等による圧力損失を無視すると、流路の面積に比例して増減する。よって、吐水具からの吐水量は、流量調節弁装置により調節された流路の開口面積に比例して増減すると考えられる。しかしながら、吐水具は、流路の端末に吐水口を有するものであるから、この吐水口の開口面積以上に流路の開口面積を大きくした場合には、吐水量は、流路の開口面積に拘わらず増加しなくなる。図11のグラフに示すように、流路の開口面積が吐水口の開口面積S0よりも小さい範囲では、吐水量は、流路の開口面積の増加に伴って、図示直線aのように比例的に増加するが、流路の開口面積が吐水口の開口面積S0以上となると、吐水量は吐水口の開口面積S0により決定されてしまい、図示直線bのように一定となってしまうからである。
【0027】
ここで、図11のグラフのように、最少流量調節時における流路の開口面積S1を吐水口の開口面積S0よりも大きく設定すると、最多流量調節時における流路の開口面積S2まで流路の開口度合いを調節したとしても、吐水量は吐水口の開口面積S0により決定された吐水量Q0のまま一定であり、吐水量の調節ができなくなる。
【0028】
そこで、図12のグラフのように、最少流量調節時の流路の開口面積S1を、吐水口の開口面積S0よりも小さく設定すると、最少流量調節時の流路の開口面積S1での吐水量Q1から吐水口の開口面積S0での吐水量Q0の間において、吐水量の調節が可能となり、効果的に吐水量の調節を行うことができる。尚、最多流量調節時の開口面積S2を、図12に示すように吐水口の開口面積S0と略等しくするか、若しくは吐水口の開口面積S0以下とすると、最少流量調節時の流路の開口面積S1から最多流量調節時の流路の開口面積S2の範囲、即ち、吐水量Q1から吐水量Q2の範囲、で吐水量の調節が可能となり、より効果的に吐水量の調節を行うことができ、好適である。また、実際には、湯水が吐水口まで到達する間に圧力損失等があるため、最多流量調節時の流路の開口面積S2を、吐水口の開口面積S0の1.5倍程度大きくしたとしても、最少流量調節時の流路の開口面積S1から最多流量調節時の流路の開口面積S2までの範囲での吐水量の調節は可能であるが、好ましくは、最多流量調節時の流路の開口面積S2を、吐水口の開口面積S0の1.2倍程度までとするのがよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本各発明に係る吐水具の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1に、請求項1から請求項4の各発明を適用した吐水具10を示す。吐水具10は、請求項3の発明の如く、キッチンや洗面台の天板に設置された給水栓4に設けられており、水栓本体3に取り付けられた操作ハンドル5により温度・水量を調節された湯水をその吐水口12から吐水するものである。また、吐水具10は、ホース11を介して水栓本体3に接続されており、給水栓4の収容部6に引き出し自在に保持されている。この吐水具10は、保持された状態では、給水栓4の吐水管先端に吐水口12を形成する一方、引き出された状態では、手持ち式の吐水具10としての機能を果たす。尚、吐水具10の本体を構成する部材や内部の機器を構成する部材等の材質として、ABS樹脂やPOM樹脂等の樹脂が採用されている。
【0031】
吐水具10の先端部分の下部には、散水板16が取着されており、この散水板16には、吐水口12を構成する多数の散水孔14が穿設されている。また、吐水具10の先端には、操作部18が設けられており、この操作部18により、吐水具10に内蔵された流量調節弁装置20が操作されて吐水量が調節される。この操作部18は、図2に示すように、揺動する押し釦式のものであり、釦部19の揺動(図2の矢印a)により後述する流量調節弁装置20の弁体としてのボール弁22を移動(図2の矢印b)させる公知のものである。
【0032】
流量調節弁装置20は、請求項4の発明の如く、流量の調節を段階的に行うものであり、本例では、3段階にて行うものを採用している。この流量調節弁装置20を図3及び図4に示す。流量調節弁装置20は、ボール弁22と弁座24とを備えている。そして、ボール弁22は、コイルスプリング(図示省略)などの付勢手段により弁座24に付勢され、前述した操作部18により弁座24上を移動可能に設けられている。
【0033】
一方、弁座24は、略長円筒形状に形成され、その長手方向に沿って3つの嵌合穴26,27,28を具備している。そして、このうち一側の嵌合穴26には大径の透孔29が、中央の嵌合穴27には小径の透孔30が、それぞれ穿設されているのであるが、他側の嵌合穴28には何らの透孔も穿設されていない。上記透孔29,30は、いずれも上述した散水孔14に連通し、湯水を散水孔14より吐水させる流路を構成する。また、各嵌合穴26,27,28は、透孔29,30が形成された部分を除いて同形状に形成されており、ボール弁22の嵌合状態をそれぞれの嵌合穴26,27,28の位置において均一にして、操作部18の操作感を均一にすると共に、一定以上の操作力を加えなければボール弁22が各位置から他の位置に無用に移動しないものとなっている。
【0034】
図3(a)乃至(c)に示すように、ボール弁22が弁座24の図示上側の嵌合穴28に位置するときは、透孔29,30が開口され、ボール弁22が図示中央の嵌合穴27に位置するときは、透孔29のみが開口され、ボール弁22が図示下側の嵌合孔26に位置するときは、透孔30のみが開口される。この際に、透孔29よりも透孔30の方が開口面積が小さいので、吐水量は順次減少することになる。
【0035】
ここで、上述した散水板16に穿設された散水孔14の開口面積の総和は、約40mm2とされ、一方、透孔29の開口面積は約28mm2とされ、透孔30の開口面積は約12mm2とされている。上述したようにボール弁22が弁座24の各嵌合穴28,27,26に位置する際に開口する透孔29,30の開口面積の総和は、順に約40mm2、約28mm2、約12mm2であり、最少流量調節時の開口面積である透孔30の開口面積は、散水孔14の開口面積の総和よりも小さくされている。したがって、最少流量調節時には、最少の吐水量に確実に減ずることができる。また、本例においては、最多流量調節時の開口面積が散水孔14の開口面積の総和と略同一とされている。よって、ボール弁22が嵌合穴28から、嵌合穴27,26の順に移動する際に、各散水孔14から吐出される湯水の吐水量を確実に減ずることができる。
【0036】
本各発明に係る吐水具10は、上記した実施の形態に限られるものではなく、例えば流量調節弁装置として他の構造のものを適用することができる。これを以下に例示する。
【0037】
図5及び図6に示す流量調節弁装置31は、弁座32に一つの透孔34を穿設したものである。弁座32には、ボール弁22が嵌合する同径の4つの嵌合穴35,36,37,38が連設されており、透孔34は、嵌合穴35内にほぼ収まるように形成された略円形の円孔部39と、この円孔部39に連設されると共に嵌合穴36乃至38にかけて徐々に幅が狭く形成されたテーパ孔部40とから構成されている。図5(a)及び(b)に示すように、この流量調節弁装置31においては、ボール弁22を一側の嵌合穴38から他側の嵌合穴35に向けて移動させていくと、透孔34におけるボール弁22により閉止されずに開口している部位の面積が4段階に小さくなり、湯水の吐水量を4段階に調節する。
【0038】
本例においては、4段階に吐水量を調節できるので、より細かく調節が可能である。また、穿設される透孔34は一つだけなので、製造が簡単である。さらに、単一の透孔34を流路として利用しつつ吐水量を調節しているので、複数の透孔を利用して吐水量を調節する場合よりも整水された吐水に与える影響が少ない。
【0039】
尚、請求項4の発明の如く、流量の調節を段階的に行うことが望ましいのであるが、5段階以上の多数段階とすると、連続的に行うことと大差がなくなるばかりか、多段階的に行う機構を備える分だけ構造が複雑化する。よって、2〜4段階に流量の調節を行うことができるようにするのが好ましい。特に緻密な吐水量調節が必要でない場合には、大吐水と小吐水の2段階とするのが好適である。
【0040】
また、流量調節弁装置としては、ボール弁22を用いたものに限られない。例えば、図7及び図8に、連通孔42を備えた遮へい板41をスライドさせ、弁座44に開口された透孔46,47を閉止・開口して、湯水の吐水量を調節する流量調節弁装置43を示す。
【0041】
遮へい板41は、平面視略扇形状に形成されており、その一側寄りには、連通孔42が穿設されている。一方、弁座44は、平面視略長円形状に形成されており、その長手方向の両側付近には、吐水口12に連通する透孔46,47がそれぞれ穿設されている。図7(a)に示すように、弁座44の図示右半分側を覆うように遮へい板41を位置させると、透孔46が開口し、透孔47が連通孔42と連通して、両透孔46,47ともに開口状態となる。一方、図7(b)に示すように、弁座44の略全体を覆うように遮へい板41を図示左側にスライドさせると、透孔46は連通孔42と連通して開口状態となるが、透孔47は遮へい板41に遮られて閉止状態となり、透孔46のみが開口状態となる。この結果、吐水量は減少する。
【0042】
次に、連続的な流量調節を行う吐水具の流量調節弁装置50について図9及び図10を参照して説明する。
【0043】
流量調節弁装置50は、吐水口51を有し、吐水具に対して回転可能な散水板52と、この散水板52と連動して回転する回転板54と、吐水具に固定された固定板56とを備え、回転板54と固定板56とにそれぞれ設けられた連通孔55,57の連通度合いを変更することによって、散水板52に設けられた吐水口51への流量を調節するものである。回転板54には、その周方向に沿って円周の約4分の1に渡って連通孔55が穿設されている。一方、固定板57にも連通孔55と同様の連通孔57が穿設されている。そして、回転板54の回転に従って、図9(a)に示すように両連通孔55,57の連通度合いが最小になる位置から、図9(b)に示すように連通度合いが最大に至るまで、流量を連続的に調節することができる。また、図示は省略するが、回転板54には突起が設けられるとともに固定板56には段部が設けられており、この突起が段部に係止可能に設けられている。このように構成することにより、固定板56に対する回転板54の一定以上の回転を規制し、両連通孔が完全に閉止状態となることを防止して、最少流量調節時における確実な通水状態を確保している。本例の吐水具では、散水板52の回転操作により流量調節が行われるものであり、この散水板52が操作部を構成する。
【0044】
尚、上記例において、回転板54側又は固定板56側の一方に、板バネ、プランジャー等の弾性突起を設け、他方に係合部を設けて、散水板52の回転操作の一定間隔ごとに弾性突起と係合部とが係合して使用者に節度感が与えられるようにしてもよい。このようにすると、操作部が段階的に操作されることになるため、これにより、請求項4の発明の如く、流量調節を段階的に行う構造とすることができる。
【0045】
一方、請求項1から請求項4の各発明は、手持ち式の吐水具に限られず、水栓本体に一体形成されたものや別体に形成されて固設されたもの、或いは、昇降自在のスタンドに固設されて吐水高さを自由に設定できるようにしたもの等にも適用可能である。特に、昇降自在のスタンドに固設された吐水具のように、水栓本体からの距離が可変とされる吐水具では、吐水具を水栓本体から離した場合に水栓本体側の操作部を操作し難くなる。そこでこのような吐水具に上記各発明を適用すると、吐水具側の操作部にて吐水量の調節が可能となるため、利便性を向上させることができる。
【0046】
以上、本各発明に係る吐水具の実施形態の一例を説明したが、他にも、吐水口として、シャワー吐水ではない通常のストレート吐水が可能な形態としたり、止水を行わないようにするために、流量調節弁装置の一次側と二次側との間に漏れが生じるようにしたり、流量調節弁装置の二次側にさらに流路切換弁を設け、流路を切り換えることで吐水口の形態を変更可能として、ストレート吐水やシャワー吐水等の異なる吐水形態に切り換えを行えるようにし、各吐水形態において吐水量の調節も可能とする等、本各発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜の変更を行ってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本各発明は上記のように構成されているので、利便性に優れ、しかも、構造の簡略化及び樹脂等への材質の転換を容易に図ることができる吐水具を提供することができる。
【0048】
特に、上記効果に加え、請求項3の発明によれば、水跳ねの防止や、対象物に応じた吐水量調節が要望されるキッチンや洗面台の吐水具として、上記要望を十分に満足させることができ、請求項4の発明によれば、吐水量調節の操作の簡便性及び確実性を向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本各発明に係る吐水具を用いた給水栓の斜視図である。
【図2】吐水具の内部を示す断面平面図である。
【図3】流量調節弁装置の作動状態を示す平面図である。
【図4】図3の流量調節弁装置の分解斜視図である。
【図5】別の流量調節弁装置の作動状態を示す平面図である。
【図6】図5の流量調節弁装置の分解斜視図である。
【図7】さらに別の流量調節弁装置の作動状態を示す平面図である。
【図8】図7の流量調節弁装置の分解斜視図である。
【図9】さらにまた別の流量調節弁装置の作動状態を示す平面図である。
【図10】図9の流量調節弁装置の及び散水板の分解斜視図である。
【図11】流路開口面積と吐水量との関係を示すグラフである。
【図12】流路開口面積と吐水量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3;水栓本体、4;給水栓、5;操作ハンドル、6;収容部、10;吐水具、11;ホース、12;吐水口、14;散水孔、16;散水板、18;操作部、19;押し釦、20;流量調節弁装置、22;ボール弁、24;弁座、26,27,28;嵌合穴、29;透孔、30;透孔、31;流量調節弁装置、32;弁座、34;透孔、35,36,37,38;嵌合穴、39;円孔部、40;テーパ孔部、41;遮へい板、42;連通孔、43;流量調節弁装置、44;弁座、46,47;透孔、50;流量調節弁装置、51;吐水口、52;散水板、54;回転板、55;連通孔、56;固定板、57;連通孔。

Claims (4)

  1. 吐水口と、該吐水口への流量を調節する流量調節弁装置と、該流量調節弁装置を操作する操作部と、を備えるとともに、ホースを介して接続される水栓本体の操作ハンドルの操作によって吐止水が可能な吐水具において、
    前記流量調節弁装置には、
    弁体が嵌合可能な複数以上の嵌合穴が具備され、該嵌合穴の2つ以上にそれぞれ穿設された透孔、または、該嵌合穴の2つ以上にまたがって穿設された透孔が備えられ、
    前記流量調節弁装置が、該透孔の一部が常時開口されていることにより止水機能を有さないものとして構成されていることを特徴とする吐水具。
  2. 前記嵌合穴の2つ以上にそれぞれ穿設された前記透孔のそれぞれの開口面積が異なることを特徴とする請求項1に記載の吐水具。
  3. キッチンや洗面台に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吐水具。
  4. 流量の調節が段階的に行われることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の吐水具。
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