JPH0670849B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
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- JPH0670849B2 JPH0670849B2 JP60074079A JP7407985A JPH0670849B2 JP H0670849 B2 JPH0670849 B2 JP H0670849B2 JP 60074079 A JP60074079 A JP 60074079A JP 7407985 A JP7407985 A JP 7407985A JP H0670849 B2 JPH0670849 B2 JP H0670849B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体、特に水平即ち面内記録に使用さ
れるリジッド磁気記録ディスクに関する。
れるリジッド磁気記録ディスクに関する。
リジッドディスクの磁気記録媒体としてはγ−ヘマタイ
ト(γ−Fe2O3)粉末,Co−Pt膜,Co−Ni−Pt膜あるいはC
o−Ni−P膜が使用されている。ヘマタイト塗布媒体は
アルミニウムあるいはアルミニウム合金基板上に樹脂と
ともに薄膜状に形成される。このヘマタイト塗布媒体は
長期にわたり広い用途に使われていた。しかし、最近に
なって高記録密度ディスクの高い需要が起って来たが、
ヘマタイト塗布媒体では高記録密度に対応出来ない。そ
こでヘマタイト塗布媒体に代って、薄膜媒体が高記録密
度の用途に提案されている。この薄膜媒体としてはメッ
キ及び蒸着媒体がある。
ト(γ−Fe2O3)粉末,Co−Pt膜,Co−Ni−Pt膜あるいはC
o−Ni−P膜が使用されている。ヘマタイト塗布媒体は
アルミニウムあるいはアルミニウム合金基板上に樹脂と
ともに薄膜状に形成される。このヘマタイト塗布媒体は
長期にわたり広い用途に使われていた。しかし、最近に
なって高記録密度ディスクの高い需要が起って来たが、
ヘマタイト塗布媒体では高記録密度に対応出来ない。そ
こでヘマタイト塗布媒体に代って、薄膜媒体が高記録密
度の用途に提案されている。この薄膜媒体としてはメッ
キ及び蒸着媒体がある。
Co−Ni−Pのようなメッキ媒体には残留した化学物質に
よる腐食が起るなどの欠点がある。また、この腐食のた
めにデータの書き込み、読み出しする際のエラーが起る
ので、極めて高い記録密度を達成することが出来ない。
メッキ薄膜媒体は本質的に高い欠陥密度を有し、耐食性
に劣るものである。
よる腐食が起るなどの欠点がある。また、この腐食のた
めにデータの書き込み、読み出しする際のエラーが起る
ので、極めて高い記録密度を達成することが出来ない。
メッキ薄膜媒体は本質的に高い欠陥密度を有し、耐食性
に劣るものである。
これに比して、スパッタリングや蒸着で作った薄膜媒体
は、電磁変換特性、浮上性、耐久性、損傷、摩耗、欠陥
密度、耐食性、再生特性のすべての面で優れていると考
えられて来た。蒸着薄膜媒体として、例えばCo−Ni−Pt
やCo−Niなどのコバルト基合金が高い水平記録密度の磁
気記録媒体に適しているとして提案されている。Co−Ni
−Ptスパッタ膜も水平記録に適したものであることが公
知である。
は、電磁変換特性、浮上性、耐久性、損傷、摩耗、欠陥
密度、耐食性、再生特性のすべての面で優れていると考
えられて来た。蒸着薄膜媒体として、例えばCo−Ni−Pt
やCo−Niなどのコバルト基合金が高い水平記録密度の磁
気記録媒体に適しているとして提案されている。Co−Ni
−Ptスパッタ膜も水平記録に適したものであることが公
知である。
他方、直接にスパッターしたCo−NiやCo−Cr膜はC軸が
スパッター膜面に垂直になる傾向があるので、水平記録
に適さない。
スパッター膜面に垂直になる傾向があるので、水平記録
に適さない。
水平記録媒体用としてスパッター薄膜磁気記録媒体が文
献で報告されている。前田のJ.Appl.Phys.53(5)May
1982 P.3735“High coercivity Co and Co−Ni alloy f
ilms"及びJ.Appl.Phys.53(10)Oct.1982 P.6941“Effe
ct of nitrogen on the high coercivity and microstr
uctures of Co−Ni alloy films"及び特許出願特開昭57
−72307号によれば、金属コバルトあるいはCo−Ni合金
を窒素を含む雰囲気中でスパッターを行い窒素を含む薄
膜を形成し、その上で真空あるいは不活性ガス中で熱処
理して、良好な磁気特性をもっタ薄膜磁気記録媒体を得
ている。これらの文献では、スパッタリングはスパッタ
ー膜中に十分に窒素を含ませるための液体窒素で冷した
基板に対して行う必要がある。
献で報告されている。前田のJ.Appl.Phys.53(5)May
1982 P.3735“High coercivity Co and Co−Ni alloy f
ilms"及びJ.Appl.Phys.53(10)Oct.1982 P.6941“Effe
ct of nitrogen on the high coercivity and microstr
uctures of Co−Ni alloy films"及び特許出願特開昭57
−72307号によれば、金属コバルトあるいはCo−Ni合金
を窒素を含む雰囲気中でスパッターを行い窒素を含む薄
膜を形成し、その上で真空あるいは不活性ガス中で熱処
理して、良好な磁気特性をもっタ薄膜磁気記録媒体を得
ている。これらの文献では、スパッタリングはスパッタ
ー膜中に十分に窒素を含ませるための液体窒素で冷した
基板に対して行う必要がある。
このような液体窒素で基板を冷却するので、液体窒素を
消費する上に複雑なスパッタリング装置となり、基板の
両面同時スパッターが出来ないなどのためにディスクの
製造原価が高くなる。
消費する上に複雑なスパッタリング装置となり、基板の
両面同時スパッターが出来ないなどのためにディスクの
製造原価が高くなる。
また、Co−Crは通常の場合垂直磁気記録用の媒体として
用いられるものであるがCo−Cr−基金属合金が面内磁化
用の媒体としても優れた特性を示すことを、本発明者ら
は認識して本発明にいたったものである。
用いられるものであるがCo−Cr−基金属合金が面内磁化
用の媒体としても優れた特性を示すことを、本発明者ら
は認識して本発明にいたったものである。
本発明は優れた磁気特性を有し、耐食性の良い水平記録
用の磁気記録媒体及びそれの製造方法を提案することを
目的とする。
用の磁気記録媒体及びそれの製造方法を提案することを
目的とする。
本発明の他の目的は、室温以上の温度の基板にスパッタ
ーして水平磁気記録媒体を作ることのできる製造方法を
提案することである。
ーして水平磁気記録媒体を作ることのできる製造方法を
提案することである。
本発明の磁気記録媒体は、ディスク形基体上に下地層及
び磁性層が形成されており、必要によって磁性層の表面
に保護膜(スパッターされたアモルファス状,グラファ
イト状あるいはダイヤモンド状のカーボン膜や液体潤滑
剤の塗布など)が形成されて、 磁性膜は、 (イ)Cr含有量が3〜20原子%(at%)、Pt,Rh,Ru,Re,
Pd,Irの内、1種又は2種以上の貴金属含有量が3〜15
原子%であるCo−Cr−貴金属合金であり、 (ロ)100〜500Åの粒径の結晶粒を主体とし、 (ハ)そのC軸が実質的に面内にあるh.c.p.結晶であ
る、 ことを特徴とするものである。
び磁性層が形成されており、必要によって磁性層の表面
に保護膜(スパッターされたアモルファス状,グラファ
イト状あるいはダイヤモンド状のカーボン膜や液体潤滑
剤の塗布など)が形成されて、 磁性膜は、 (イ)Cr含有量が3〜20原子%(at%)、Pt,Rh,Ru,Re,
Pd,Irの内、1種又は2種以上の貴金属含有量が3〜15
原子%であるCo−Cr−貴金属合金であり、 (ロ)100〜500Åの粒径の結晶粒を主体とし、 (ハ)そのC軸が実質的に面内にあるh.c.p.結晶であ
る、 ことを特徴とするものである。
この磁性膜は残留するCoNやCoOの双方がX線的に検出さ
れないことが望ましいが、化学分析によって窒素や酸素
が5at%以下検出されることもある。またCo含有量が75a
t%以上であればSi,Al,Mn,Cu,V,Ti,Mo,W等が単独または
複合で5%以下含まれてもよい。
れないことが望ましいが、化学分析によって窒素や酸素
が5at%以下検出されることもある。またCo含有量が75a
t%以上であればSi,Al,Mn,Cu,V,Ti,Mo,W等が単独または
複合で5%以下含まれてもよい。
なお、本明細書において「主体」とは、50%以上の数の
粒子がその粒径範囲に含まれることをいい、この粒径の
測定は電子顕微鏡によって観察することにより行われ
る。
粒子がその粒径範囲に含まれることをいい、この粒径の
測定は電子顕微鏡によって観察することにより行われ
る。
使用される基板としては、セラミックス(例えばAl2O3
系)やガラスも用いることが出来るが、アルミニウム基
体やアルミニウム合金基板(例えば3.9重量%のMgを含
み残部実質的にAlの合金)が望ましい。アルミニウム基
体やアルミニウム合金基板の場合、アルマイト処理膜、
Ni−Pメッキ膜、Crスパッター膜を下地として用いるこ
とが出来るが、6〜15μmの厚さに付けたアルマイト処
理膜は適切なものである。磁気ディスクの外径が3.5″
φのように小さな場合は、3600r.p.mで回転しても周速
度が小さいので、1〜5μm程度の薄いアルマイト処理
膜でもよいことがある。磁気ヘッドと磁気ディスクとの
接触、衝突による衝撃に耐え、ディスク面の変形を防ぐ
ためにはこのアルマイト処理膜は十分な硬度、望ましく
はビッカーズ硬度Hvで300以上をもっていることが必要
である。Ni−Pの無電解メッキ膜は十分な硬度をもって
いるが、本発明のディスクのように後で熱処理を行うも
のである場合は、この熱処理時の加熱によってNi−P膜
が帯磁することもあるので、この帯磁の起らない温度で
熱処理を行わなければならない。Crのスパッターをした
膜も利用することが出来るが、耐CSS性を上げるには数1
000Åの厚さに付ける必要があり、スパッター時間が長
く掛る。
系)やガラスも用いることが出来るが、アルミニウム基
体やアルミニウム合金基板(例えば3.9重量%のMgを含
み残部実質的にAlの合金)が望ましい。アルミニウム基
体やアルミニウム合金基板の場合、アルマイト処理膜、
Ni−Pメッキ膜、Crスパッター膜を下地として用いるこ
とが出来るが、6〜15μmの厚さに付けたアルマイト処
理膜は適切なものである。磁気ディスクの外径が3.5″
φのように小さな場合は、3600r.p.mで回転しても周速
度が小さいので、1〜5μm程度の薄いアルマイト処理
膜でもよいことがある。磁気ヘッドと磁気ディスクとの
接触、衝突による衝撃に耐え、ディスク面の変形を防ぐ
ためにはこのアルマイト処理膜は十分な硬度、望ましく
はビッカーズ硬度Hvで300以上をもっていることが必要
である。Ni−Pの無電解メッキ膜は十分な硬度をもって
いるが、本発明のディスクのように後で熱処理を行うも
のである場合は、この熱処理時の加熱によってNi−P膜
が帯磁することもあるので、この帯磁の起らない温度で
熱処理を行わなければならない。Crのスパッターをした
膜も利用することが出来るが、耐CSS性を上げるには数1
000Åの厚さに付ける必要があり、スパッター時間が長
く掛る。
スパッター媒体の厚さは400〜1000Åであることが望ま
しい。媒体の厚さが薄すぎる場合、十分な磁力が得られ
ないので、電磁変換特性が劣化する。媒体の厚さが厚く
なると保磁力が低下する傾向がある上に、スパッターリ
ング時間が長く掛って生産効率の点からよくない。
しい。媒体の厚さが薄すぎる場合、十分な磁力が得られ
ないので、電磁変換特性が劣化する。媒体の厚さが厚く
なると保磁力が低下する傾向がある上に、スパッターリ
ング時間が長く掛って生産効率の点からよくない。
他の本発明の製造方法は、下地層の形成されたディスク
形基板を室温から300℃の温度に保持し、最終製品の成
分とほぼ同じ成分の合金ターゲットを使用して、窒素を
含む薄膜を形成した後、この薄膜を加熱して薄膜に含有
されていた窒素を放出し、Crを3〜20at%、上記貴金属
を3〜15原子%含み、残部が実質的に75at%以上のCoか
らなる成分を持ち、100〜500Åの粒径の結晶粒を主体と
し、そのC軸が主として面内にある実質的に六方最密構
造結晶の磁性薄膜とすることを特徴とするものである。
形基板を室温から300℃の温度に保持し、最終製品の成
分とほぼ同じ成分の合金ターゲットを使用して、窒素を
含む薄膜を形成した後、この薄膜を加熱して薄膜に含有
されていた窒素を放出し、Crを3〜20at%、上記貴金属
を3〜15原子%含み、残部が実質的に75at%以上のCoか
らなる成分を持ち、100〜500Åの粒径の結晶粒を主体と
し、そのC軸が主として面内にある実質的に六方最密構
造結晶の磁性薄膜とすることを特徴とするものである。
スパッタリング時の基板温度は、室温から300℃の間で
あってもよいが、生産性や窒素の吸収の容易さの点から
100℃以下であることが望ましい。
あってもよいが、生産性や窒素の吸収の容易さの点から
100℃以下であることが望ましい。
また、スパッタリング後の熱処理は、スパッター膜に吸
着されている窒素を放出する温度で行う。低い温度で熱
処理を行った場合、十分に窒素を放出するためには長い
加熱時間が必要で、高い温度の場合は短時間でよい。望
ましい温度範囲は310〜500℃である。310℃未満で熱処
理を行うと数10時間の熱処理が必要で実際的でない。
着されている窒素を放出する温度で行う。低い温度で熱
処理を行った場合、十分に窒素を放出するためには長い
加熱時間が必要で、高い温度の場合は短時間でよい。望
ましい温度範囲は310〜500℃である。310℃未満で熱処
理を行うと数10時間の熱処理が必要で実際的でない。
500℃以上にすると脱ガスは急速に行うことができる
が、Co−Cr−貴金属結晶の粒成長によって、S/N比が
低下するおそれがある。
が、Co−Cr−貴金属結晶の粒成長によって、S/N比が
低下するおそれがある。
本発明の磁気記録媒体の磁性薄膜は成分から云えば、Cr
を3〜20at%、上記貴金属を3〜15at%含み、75at%以
上のCoからなるものである。Crを3at%未満にした場
合、磁気特性はCrを多く含むものよりも良いが、耐触性
に劣り、環境試験によって磁化4πMs及び角形比S
*(保持力角形比で、減磁曲線のHc点での接線と、Br点
でH軸と平行に引いた直線の交点におけるHの値とHcの
値との比をいう。)が劣化する。20at%よりも多くCrを
含む場合、4πMsが極めて低くなり、媒体として使用出
来ない。また、Coを75at%以上とする範囲は75at%未満
のCo量となると磁化4πMsが低くなる媒体としての有効
性を失うためである。貴金属Pt,Rh,Ru,Re,Pd,Irの内、
1種又は2種以上を3〜15原子%加える理由は、Cr添加
による磁化4πMsの減少効果をうすめると共に耐食性を
向上させるためである。貴金属原子が3at%未満では上
記効果が薄く、15at%を超えると耐食性に対する効果は
大きいが、やはり磁化4πMsあるいは保磁力角形比S*
の値を減少させ、磁性膜が媒体として適さなくなる。
を3〜20at%、上記貴金属を3〜15at%含み、75at%以
上のCoからなるものである。Crを3at%未満にした場
合、磁気特性はCrを多く含むものよりも良いが、耐触性
に劣り、環境試験によって磁化4πMs及び角形比S
*(保持力角形比で、減磁曲線のHc点での接線と、Br点
でH軸と平行に引いた直線の交点におけるHの値とHcの
値との比をいう。)が劣化する。20at%よりも多くCrを
含む場合、4πMsが極めて低くなり、媒体として使用出
来ない。また、Coを75at%以上とする範囲は75at%未満
のCo量となると磁化4πMsが低くなる媒体としての有効
性を失うためである。貴金属Pt,Rh,Ru,Re,Pd,Irの内、
1種又は2種以上を3〜15原子%加える理由は、Cr添加
による磁化4πMsの減少効果をうすめると共に耐食性を
向上させるためである。貴金属原子が3at%未満では上
記効果が薄く、15at%を超えると耐食性に対する効果は
大きいが、やはり磁化4πMsあるいは保磁力角形比S*
の値を減少させ、磁性膜が媒体として適さなくなる。
本発明においては、窒素を含む不活性雰囲気中でスパッ
タリングした窒素を含むCo−Cr−貴金属合金膜は水平方
向(面内)で極めて低い磁化(4πMs)しか示さず、ほ
とんど非磁性であるが、これを熱処理して脱窒素を行う
と100〜500Åの結晶粒に成長し、そのC軸が実質的に面
内にある六方最密構造結晶となって、面内で優れた磁気
特性を有する膜となるので磁気記録媒体として優れたも
のとなる。
タリングした窒素を含むCo−Cr−貴金属合金膜は水平方
向(面内)で極めて低い磁化(4πMs)しか示さず、ほ
とんど非磁性であるが、これを熱処理して脱窒素を行う
と100〜500Åの結晶粒に成長し、そのC軸が実質的に面
内にある六方最密構造結晶となって、面内で優れた磁気
特性を有する膜となるので磁気記録媒体として優れたも
のとなる。
窒素等を含もないArのみの雰囲気でスパッタリングした
Co−Cr膜は保磁力が400Oe前後と低い上に、垂直方向に
配向していて面内磁気記録に適していない点と、本発明
を比較するとその間の相違は明らかである。
Co−Cr膜は保磁力が400Oe前後と低い上に、垂直方向に
配向していて面内磁気記録に適していない点と、本発明
を比較するとその間の相違は明らかである。
以下、本発明を具体的実施例によって詳細に説明する。
なお以下に述べる実施例はマグネトロンr.f.スパッタ装
置によったが、イオン工学的に同様のことが言えるイオ
ンビームスパッタリング等によって本発明の効果を得る
ことが可能であることは勿論である。
なお以下に述べる実施例はマグネトロンr.f.スパッタ装
置によったが、イオン工学的に同様のことが言えるイオ
ンビームスパッタリング等によって本発明の効果を得る
ことが可能であることは勿論である。
マグネシウムを4%含むアルミニウム合金基板(大き
さ:外径130mm,内径40mm,厚さ1.9mm)をクロム酸を含む
酸浴中で電解処理し、その表面に12μmのアルマイト層
の下地層を形成し、かつその表面を2μm研磨し平坦に
した。この下地層のビッカーズ硬度Hvは350であった。
さ:外径130mm,内径40mm,厚さ1.9mm)をクロム酸を含む
酸浴中で電解処理し、その表面に12μmのアルマイト層
の下地層を形成し、かつその表面を2μm研磨し平坦に
した。この下地層のビッカーズ硬度Hvは350であった。
次に、平板マグネトロンr.f.スパッタリング装置を用
い、下記条件にて下地層上にNを含むCo−Cr−貴金属合
金薄膜を形成した。
い、下記条件にて下地層上にNを含むCo−Cr−貴金属合
金薄膜を形成した。
初期排気 1〜2×10-6Torr 全雰囲気(Ar+N2) 10〜15mTorr 雰囲気中N2ガス濃度 (全圧に対するN2分圧の%) 0〜70% 投入電力 1kW ターゲット組成 Co−Cr−貴金属 (目標とする薄膜の組成に一致させる。
例えば、Co/Cr/Pt=80/10(at%)の薄膜を形成する
場合には、Co80%,Cr10at%、Pt10at%のターゲットを
用いる。) 極間隔 108mm 薄膜形成速度 100〜300Å/min. 膜 厚 700Å 基板温度 70℃ この膜形成処理後、真空中にて320〜350℃で1〜3時間
熱処理を行い、窒素を放出させた。この磁性膜からは、
CoN,CoOがX線的には検出されなかった。その後、カー
ボン保護膜を500Å厚さとなるようスパッタリングして
形成し、磁気記録媒体とした。
場合には、Co80%,Cr10at%、Pt10at%のターゲットを
用いる。) 極間隔 108mm 薄膜形成速度 100〜300Å/min. 膜 厚 700Å 基板温度 70℃ この膜形成処理後、真空中にて320〜350℃で1〜3時間
熱処理を行い、窒素を放出させた。この磁性膜からは、
CoN,CoOがX線的には検出されなかった。その後、カー
ボン保護膜を500Å厚さとなるようスパッタリングして
形成し、磁気記録媒体とした。
この磁気記録媒体の磁気特性を上記以外の条件と共に第
1表に示す。
1表に示す。
この磁気記録媒体を60℃の温度で80〜90%の相対湿度の
雰囲気中に2週間暴露した後の磁気特性も第1表に示
す。
雰囲気中に2週間暴露した後の磁気特性も第1表に示
す。
第1表でサンプルNo.1〜18は本発明の実施例で、サンプ
ルNo.19〜25は比較例である。No.1〜18はいずれも環境
試験の前後で磁気特性にほとんど差がなく、耐食性が向
上していることがわ かる。第1表に(002)面のX線回折強度と(100)面の
X線回折強度との比、即ちI(002)/I(100)で定義
されるR値も示してあるが、本発明のものはいずれも3
以下で、ほぼ面内にC軸が配向していることが明らか
で、比較例のNo.25,26は各々4.1,4.9とRが大で、ほぼ
垂直に配向している。比較例のNo.19,21,22,24は上記の
環境試験で特性が劣化した。また、Coが75at%未満であ
るNo.20,23は4πMsあるいは保磁力角形比S*が低い。
ルNo.19〜25は比較例である。No.1〜18はいずれも環境
試験の前後で磁気特性にほとんど差がなく、耐食性が向
上していることがわ かる。第1表に(002)面のX線回折強度と(100)面の
X線回折強度との比、即ちI(002)/I(100)で定義
されるR値も示してあるが、本発明のものはいずれも3
以下で、ほぼ面内にC軸が配向していることが明らか
で、比較例のNo.25,26は各々4.1,4.9とRが大で、ほぼ
垂直に配向している。比較例のNo.19,21,22,24は上記の
環境試験で特性が劣化した。また、Coが75at%未満であ
るNo.20,23は4πMsあるいは保磁力角形比S*が低い。
以上詳述の通り、本発明によれば優れた磁気特性および
耐食性をもつ面内記録に適した磁気記録媒体が得られ
る。
耐食性をもつ面内記録に適した磁気記録媒体が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 重男 埼玉県熊谷市大字三ケ尻5200番 日立金属 株式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 市川 耕司 埼玉県熊谷市大字三ケ尻5200番 日立金属 株式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 遠藤 重郎 埼玉県熊谷市大字三ケ尻5200番 日立金属 株式会社磁性材料研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】ディスク形基板の板面上に、下地層及び磁
性膜層が形成された磁気記録媒体において、 磁性膜は、 (イ)Cr含有量が3〜20原子%、Pt,Rh,Ru,Re,Pd,Irの
内1種又は2種以上の貴金属含有量が3〜15原子%か
つ、Co含有量が75原子%以上であるCo−Cr−貴金属基合
金であり、 (ロ)100〜500Åの粒径の結晶粒を主体とし、 (ハ)そのC軸が実質的に面内にある六方最密構造結晶
である、 ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】磁性膜はCoNとCoOの双方がX線的に検出さ
れないことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項3】基板はアルミニウム基体又はアルミニウム
基合金基板であり、その上にアルマイト膜が形成されて
いることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】下地層の形成されたディスク形基板を室温
から300℃の温度に保持し、最終製品の成分とほぼ同じ
成分の合金ターゲットを使用して、窒素を含む不活性気
体雰囲気中で上記基板上にスパッタリングあるいは蒸着
をして窒素を含む薄膜を形成した後、この薄膜を加熱し
て薄膜に含有されていた窒素を放出し、Crを3〜20原子
%、貴金属原子Pt,Rh,Ru,Re,Pd,Irを単独又は複合で3
〜15原子%含み、Coを75原子%以上含有し、100〜500Å
の粒径の結晶粒を主体とし、そのC軸が主として面内に
ある実質的に六万最密構造結晶を有する磁性薄膜とする
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】上記薄膜がアルマイト処理したアルミニウ
ム基体又はアルミニウム基合金基板上に形成することを
特徴とする特許請求の範囲第4項記載の製造方法。 - 【請求項6】上記薄膜が400〜1000Åの厚さであること
を特徴とする特許請求の範囲第5項記載の製造方法。 - 【請求項7】上記基板をスパッタリングあるいは蒸着時
に室温から100℃の温度に保持することを特徴とする特
許請求の範囲第4項記載の製造方法。 - 【請求項8】上記加熱処理を真空雰囲気中で310〜500℃
の温度で行うことを特徴とする特許請求の範囲第4項乃
至第7項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60074079A JPH0670849B2 (ja) | 1985-04-08 | 1985-04-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60074079A JPH0670849B2 (ja) | 1985-04-08 | 1985-04-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61253622A JPS61253622A (ja) | 1986-11-11 |
JPH0670849B2 true JPH0670849B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=13536800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60074079A Expired - Lifetime JPH0670849B2 (ja) | 1985-04-08 | 1985-04-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
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1985
- 1985-04-08 JP JP60074079A patent/JPH0670849B2/ja not_active Expired - Lifetime
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