JPH0670810B2 - 硬貨搬送機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、硬貨搬送機構に関し、特に硬貨機能付自動取
引装置等において、混在する硬貨をスタツク部から上方
に１枚ずつ運ぶ硬貨搬送機構に関するものである。

〔発明の背景〕

銀行等に設置されている自動取引装置では、上方から受
取つた金銭の種類と枚数をチエツクして釣銭を計算し、
下方に取出した硬貨を再び上方に搬送して顧客に渡す必
要がある。従来、硬貨を上方に１枚ずつ確実に運ぶ機構
として、硬貨還流機構がある。これは、棧を設けたベル
トを斜めに配置し、その棧に硬貨を乗せて運んでいる
が、硬貨が棧に確実に乗らないで、途中で落下したり、
あるいはジヤムが生じる等の支障をきたしている。

第１図は、従来の硬貨搬送機構の断面図であり、第２図
は第１図の搬送ベルトの構造図である。

第１図において、５は硬貨一時スタツク部、６は搬送
路、７は硬貨カウンタ、8b,8c,8dは異なる種類の硬貨、
９は硬貨受箱、10,11はシヤフト、12はベルト、12a,12b
は棧、13は分離部である。

硬貨一時スタツク部５から棧付ベルト12により硬貨カウ
ンタ７に硬貨を１個ずつ搬送する場合、硬貨の大きさや
重量が異なることから、硬貨分離部13で１個ずつ硬貨を
分離することができず、そのためにジヤムが生じたり、
硬貨一時スタツク部５に硬貨が滞留したり、あるいは棧
12a,12bとの間に２個の硬貨8dが入り、硬貨カウンタ７
に２個の硬貨が同時に投入されて、ミスカウントが生じ
たりしている。また、ベルト12上の棧の上に２個の硬貨
が乗つて搬送されると、顧客に渡す釣銭の金額が誤つて
しまう。

従来の搬送ベルト12の詳細構造は、第２図に示すよう
に、ベルト12上の棧12a,12bの形状や寸法および棧12aと
次の棧12bとの間隔が２個の硬貨8dが乗れるような構造
を備えているため、上記のような不都合が生じている。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、このような従来の欠点を改善し、金種
が混在する硬貨を下方の一時スタツク部から上方に１枚
ずつ確実に搬送することができる硬貨搬送機構を提供す
ることにある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するため、本発明では、複数の棧を設け
たエンドレスベルトを斜めに配置し、該棧の間に硬貨を
乗せて搬送する硬貨搬送機構において、前記棧の進行方
向前方の高さを硬貨の厚さよりやや小さな高さとし、進
行方向後方の高さを前方の高さより高く、２枚重なった
硬貨のバランスをくずして１枚を落下させる高さとし
て、棧の形状を傾斜をつけた形状とし、上記棧の間に１
枚の硬貨のみを乗せて搬送するようにしたことを特徴と
している。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を、図面により説明する。

第３図は、実施例の硬貨搬送機構の機能ブロック図であ
る。

第３図において、1a、1b、1cはそれぞれ金種の異なる硬
貨収納ボックス、２は搬送路、３は金種鑑別部、４は搬
送路、５は硬貨一時スタツク部、６は搬送路、７は硬貨
カウンタ部、8a、8bは硬貨、９は硬貨受箱である。

硬貨収納ボックスから所定の硬貨を硬貨受箱９に硬貨を
運ぶ場合、図示省略の制御部からの指令により硬貨収納
ボックス1a、1b、1cから所定の数の硬貨が順次搬送路２
を通って金種鑑別部３に入る。ここでは、硬貨の大き
さ、重量、数などによって真偽判定をし、かつ金額をチ
ェックする。

その後、搬送路４を通って硬貨一時スタツク部５に放出
される。硬貨一時スタツク部５は略箱形状となってい
て、底部は硬貨を搬送する第４図および第５図に示すベ
ルト12が走行している。ベルト12は前記金種鑑別部３か
ら硬貨が放出される直前に、図示省略の制御部の指令に
よって図示省略のモータが回転し、第１図に示すシャフ
ト11と同様のシャフト（図示省略）が回転してエンドレ
スのベルト12は第１図に示す矢印の方向と同様の方向に
搬送する。放出された硬貨は硬貨分離部13（第５図参
照）でベルトの棧と棧の間に入るようになっている。

第４図は、本発明の一実施例を示す搬送ベルトの詳細断
面図であり、第５図は同じく硬貨分離部と硬貨搬送ベル
トの断面図であり、第６図は同じく一時スタツク部の斜
視図である。

本発明の搬送機構においては、ベルトの幅を最小硬貨径
の２倍より小さくし、かつベルトの棧の高さを最小硬貨
厚さよりやや低くし、さらに棧上に突起を設けて硬貨が
棧の上に２個乗らないようにしている。

第５図に示すように、硬貨分離部13とベルト12の棧の間
隔Ａは最小硬貨厚より小さく、かつベルト12の底部の深
さＢは最小硬貨厚の２倍より小さくなっているので、第
４図に示すように硬貨8dはベルトの棧12aと12bとの間に
入り、搬送路６に搬送される。エンドレスのベルト12が
シャフト10に添って回動すると、棧と棧の間にあった硬
貨8dは図示省略の硬貨ガイドで案内され、第３図に示さ
れるように硬貨カウンタ部７に入りカウントされ、硬貨
8a、8bは硬貨受箱９に収納される。

ここで、硬貨カウンタ部７と前記金種鑑別部３との数が
不一致のときは、所定の金額が硬貨収納箱９に収納され
ていないことにより、不足している場合、硬貨一時スタ
ツク部５あるいは搬送路６の途中で止まっているか、あ
るいは硬貨が重なって硬貨カウンタ部７に入りミスカウ
ントする場合などである。

不一致の場合の処理については、図示していない制御部
において、不足の分だけ再度搬送するか、もう一度最初
からやり直しするか判断する。この場合については、本
発明と直接関係がないため、詳しい説明は省略する。

前述したように、金種鑑別部３から放出された硬貨は、
硬貨一時スタツク部５でフリーとなる。硬貨一時スタツ
ク部５内に滞留する硬貨の数や種類によっては第６図に
示すように、硬貨８は硬貨一時スタツク部５の側壁5aに
添って回転して前進する。硬貨一時スタツク部５内に特
に仕掛けがないと回転し続ける場合があり、前記金額不
一致となってしまう。

実施例においては、２枚重なりの搬送を防止するため
に、搬送ベルト12による硬貨の搬送は、第４図および第
５図に示すように、棧12a、12b上に突起を設けて、すな
わち棧12a、12bの形状を傾斜をつけた形にして、２枚重
なって搬送されないようにしている。すなわち、硬貨8d
を搬送する棧の前方の高さｘは、硬貨8dの厚さよりやや
小さくし、棧の後方の高さｙは、２枚重なった硬貨のバ
ランスをくずして１枚を落下させる高さにしている。こ
れにより、２枚重なりの搬送を防止し、確実に１枚ずつ
硬貨を搬送することができる。

また、硬貨一時スタツク部５内での硬貨８の滞留をなく
すためには、第６図に示すように、円錐状の障害物14を
設け、硬貨８のバランスをくずし、倒れさせるようにし
ている。さらに、この硬貨を著しく向上させるために、
硬貨分離部13の曲率を楕円形状とし、その底部13aと前
記円錐状障害物14との間隔ｃを最小硬貨直径と略同じと
してあるので、回転しながら滞留する硬貨は硬貨一時ス
タツク部５の側壁5a側に寄り、円錐状障害物14でバラン
スをくずして倒れることになる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、ベルト上に設け
られた棧の形状を傾斜をつけた形とすることにより、硬
貨のバランスをくずし、２枚以上の硬貨の搬送を防止す
ることができる。これにより、確実に１枚ずつ硬貨を搬
送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の硬貨搬送機構の断面図、第２図は第１図
の搬送ベルトの構造図、第３図は本発明の硬貨搬送機構
の機能ブロツク図、第４図は本発明の一実施例を示す搬
送ベルトの詳細断面図、第５図は同じく硬貨分離部と硬
貨搬送ベルトの断面図、第６図は同じく一時スタツク部
の斜視図である。 5:一時スタツク部、5a:側壁、8,8a〜8d:硬貨、12:ベル
ト、12a,12b:棧、13:分離部、14:円錐状障害物。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の棧を設けたエンドレスベルトを斜め
   に配置し、該棧の間に硬貨を乗せて搬送する硬貨搬送機
   構において、 前記棧の進行方向前方の高さを硬貨の厚さよりやや小さ
   な高さとし、進行方向後方の高さを前方の高さより高
   く、２枚重なった硬貨のバランスをくずして１枚を落下
   させる高さとして、棧の形状を傾斜をつけた形状とし、
   上記棧の間に１枚の硬貨のみを乗せて搬送するようにし
   たことを特徴とする硬貨搬送機構。