JPH067029U - 温度センサー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工工程や組付工程等に手間がかからず、小
型化および軽量化ができ、低コストにすることができる
ことを目的とする。 【構成】 サーミスターによりエンジンの冷却水温度を
検出する温度センサーＡにおいて、エンジン系統の制御
装置に接続されるＥＣＵ用のサーミスター３と、エンジ
ンの冷却水温度の水温計に接続される水温計用のサーミ
スター４とを組み合わせてセンサーケース１に設けたこ
とを特徴とし、また、前記センサーケース１の先端側に
ＥＣＵ用のサーミスター３を位置させると共に、その基
端側に水温計用のサーミスター４を位置させ、前記ＥＣ
Ｕ用のサーミスター３と水温計用のサーミスター４の間
に断熱材６を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用エンジン冷却システムの水温検出に使用される温度センサ ーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車用エンジン冷却システムの水温検出に使用される温度センサー には、図２に示すようにエンジン系統の制御装置（ファンモーターおよび燃料噴 射，点火時期，アイドル回転数等の制御）に使用されるＥＣＵ（エレクトロニッ クコントロールユニット）用の温度センサー５１と、エンジンの冷却水温度を表 示する温度計に使用される水温計用の温度センサー５２がある。この温度センサ ー５１，５２は異なる特性のサーミスターを内蔵し、そのサーミスターより水温 を検出するもので、エンジンの冷却水回路５３に別々に取付けていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の技術によると、次のような問題点がある。ＥＣＵ用 の温度センサーと水温計用の温度センサーを別々に設けているので、冷却水回路 に夫々の取付け孔を形成して取付けることになり、加工工程や組付工程に手間が かかる。また、二つの温度センサーを取付けるので、小型化および軽量化がはか り難い。そして、二種類の温度センサーとなることから保管管理にも手間がかか る。よって、コスト高となる。

【０００４】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、加工工程や組付工程等に手間が かからず、小型化および軽量化ができ、低コストな温度センサーを提供すること にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するため、サーミスターによりエンジンの冷却水温度 を検出する温度センサーにおいて、エンジン系統の制御装置に接続されるＥＣＵ 用のサーミスターと、エンジンの冷却水温度の水温計に接続される水温計用のサ ーミスターとを組み合わせてセンサーケースに設けた温度センサーとした。

【０００６】 また、前記センサーケースの先端側にＥＣＵ用のサーミスターを位置させると 共に、その基端側に水温計用のサーミスターを位置させ、前記ＥＣＵ用のサーミ スターと水温計用のサーミスターの間に断熱材を設けるのがよい。

【０００７】

【作 用】

本考案によれば、次のように作用する。ＥＣＵ用のサーミスターと水温計用の サーミスターを組み合わせてセンサーケースに設けているので、エンジン系統の 制御装置に使用されるＥＣＵ用の温度センサーと、エンジン冷却水温度の温度計 に使用される水温計用の温度センサーとを一つにすることができる。

【０００８】 また、ＥＣＵ用のサーミスターと水温計用のサーミスターを隔離し、その間に 断熱材を設けたものにおいては、互いのサーミスターから発生する熱を遮断す ることができ、熱干渉によっての性能および精度の低下が少ない。

【０００９】

【実施例】

本考案の第一実施例を図面に基づいて説明する。図１に示すように温度センサ ーＡは、エンジンの冷却水温度を検出するもので、センサーケース１と、センサ ーケース１の基端側に設けたコネクター部２とからなり、センサーケース１をエ ンジンの冷却水路Ｗ内に入れるようにして冷却水路Ｗに取付けている。

【００１０】 センサーケース１は略円筒形状で、内部にエンジン系統の制御装置に接続され るＥＣＵ用のサーミスター３と、エンジンの冷却水温度の水温計に接続される水 温計用のサーミスター４とを組み合わせて設けてあり、先端側にＥＣＵ用のサー ミスター３，基端側に水温計用のサーミスター４を配設している。

【００１１】 ＥＣＵ用のサーミスター３はビート型サーミスターで、センサーケース１の先 端から少し突出するように位置させてあり、その周囲をハンダあるいはゴム等の シールド材５により被覆した状態で取付けている。また、ＥＣＵ用のサーミスタ ー３のコード３ａはコネクター部２内の電極に連結されている。

【００１２】 水温計用のサーミスター４はディスク型サーミスターで、ＥＣＵ用のサーミス ター３との間にはセンサーケース１の内径を小さくした段差を設けてあり、これ により接近しないようになっている。また、水温計用のサーミスター４とＥＣＵ 用のサーミスター３との間には断熱材６、センサーケース１内にはシリコン等の 伝熱材７を充填してある。そして、水温計用のサーミスター４のコード４ａはコ ネクター部２内の電極に連結されている。

【００１３】 このように構成したことにより、互いのサーミスター３，４から発生する熱が 断熱材６およびシールド材５により遮断されるので、熱干渉を防止でき、性能低 下を防止できる。また、精密度を要求されるＥＣＵ用のサーミスター３をセンサ ーケース１の先端より突出して設けたことにより、エンジンの冷却水温度を感知 し易くなり、精度を向上させることができる。

【００１４】 次に、本考案の第二実施例を説明する。尚、第一実施例と異なる部分について 説明する。図２に示すように温度センサーＢは、センサーケース１の先端中央を 突出した凸部１ａ内にＥＣＵ用のサーミスター３を設け、センサーケース１内に 水温計用のサーミスター４を設けてある。ＥＣＵ用のサーミスター３と水温計用 のサーミスター４との間の凸部１ａ側には断熱材６を設けており、凸部１ａ内に は伝熱材７を充填してある。また、センサーケース１の内周面には絶縁体１ｂを 設けてある。

【００１５】 水温計用のサーミスター４はその上下に配設した接触板８，９に挟持された状 態で基端側のスプリング１０により先端側へ押圧してあり、水温計用のサーミス ター４が一極であることから、車体側に取付けることによって、センサーケース １，接触板９，水温計用のサーミスター４，接触板８，スプリング，コネクター 部２の電極の順に電流が流れるようになっている。

【００１６】 断熱材６，接触板８，９および水温計用のサーミスター４の中央には孔が形成 されており、この孔にＥＣＵ用のサーミスター３のコード（ハーネス）３ａが通 るようになっている。

【００１７】 その次に、本考案の第三実施例を説明する。尚、第一および二実施例と異なる 部分について説明する。図３に示すように温度センサーＣは、センサーケース１ の先端中央を突出した凸部１ａ内にＥＣＵ用のサーミスター３を設け、センサー ケース１内に水温計用のサーミスター４を設けてある。ＥＣＵ用のサーミスター ３と水温計用のサーミスター４との間のセンサーケース１側には断熱材６を設け ており、凸部１ａおよびセンサーケース１内には伝熱材７を充填してある。

【００１８】 ＥＣＵ用のサーミスター３のコード（ハーネス）３ａは断熱材６の孔を介して コネクター部２の電極に接続してあり、水温計用のサーミスター４のコード（ハ ーネス）４ａもコネクター部２の電極に接続してある。

【００１９】 本考案は上記実施例に限るものではなく、センサーケース内でＥＣＵ用のサー ミスターと水温計用のサーミスターを分離あるいは隔離した状態にして熱干渉が ないようにすればよく、例えば、センサーケース内を断熱材で縦あるいは横に仕 切り、ＥＣＵ用のサーミスターと水温計用のサーミスターを離した状態で配設す ればよい。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成したので、次のような効果がある。ＥＣＵ用の温度 センサーと水温計用の温度センサーを一つにしたので、冷却水回路に夫々の取付 け孔を形成して取付けることがなく、加工工程や組付工程に手間がかからない。 また、小型化および軽量化がはかれる。一種類の温度センサーとなるので保管管 理にも手間がかからない。よって、低コストにすることができる。

【００２１】 また、ＥＣＵ用のサーミスターと水温計用のサーミスターを隔離し、その間に 断熱材を設けたものにおいては、互いのサーミスターの熱干渉を防止でき、性能 および精度の低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例にかかる温度センサーの断
面図である。

【図２】本考案の第二実施例にかかる温度センサーの断
面図である。

【図３】本考案の第三実施例にかかる温度センサーの断
面図である。

【図４】従来例を示す温度センサーの側面図である。

【符号の説明】

Ａ：温度センサー Ｗ：冷却水路 １：センサーケース ２：コネクター部 ３：ＥＣＵ用のサーミスター ４：水温計用のサーミスター ５：シールド材 ６：断熱材 ７：伝熱材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 サーミスターによりエンジンの冷却水温
   度を検出する温度センサーにおいて、 エンジン系統の制御装置に接続されるＥＣＵ用のサーミ
   スターと、エンジンの冷却水温度の水温計に接続される
   水温計用のサーミスターとを組み合わせてセンサーケー
   スに設けたことを特徴とする温度センサー。
2. 【請求項２】 前記センサーケースの先端側にＥＣＵ用
   のサーミスターを位置させると共に、その基端側に水温
   計用のサーミスターを位置させ、前記ＥＣＵ用のサーミ
   スターと水温計用のサーミスターの間に断熱材を設けた
   ことを特徴とする請求項１の温度センサー。