JPS6262286A - 沸騰水型原子炉炉心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は使用済み燃料から回収されるプルトニウムを有
効に利用しうる高転換型の沸騰水型原子炉炉心に関する
。

［発明の技術的背景とその問題点］ 原子力発電では、近年、軽水炉の使用済み燃料から回収
されるプルトニウムの有効利用を目的として高転換型軽
水炉の設計が行なわれている。

かかる原子炉では、炉心における燃料棒配列を従来のも
のより稠密にすることによって転換比を高め、燃料利用
率の向上を図っている。ところが、このような設計にす
ることによって中性子の共鳴吸収が増すので中性子スペ
クトルが硬くなり、制御棒の中性子吸収能率の低下がお
こる。これを改善するためには制御棒の中性子吸収体の
表面積もしくは体積を増加する必要があるが、従来沸騰
水型原子炉で使用されている十字型制御棒では限度があ
り、これ以上中性子吸収能力を高めることは不可能であ
る。したがって、十字型制御棒のように中性子吸収体が
燃料集合体周辺部に遍在するものでなく、たとえばクラ
スタ型制御棒のように中性子吸収体が燃料集合体内に分
散配置する型の制御棒の方が好ましい。

ところが沸騰水型原子炉においてクラスタ型制御棒を用
いると種々の問題を生ずる。すなわら、沸騰水型原子炉
では炉心上部に気水分離器や蒸気乾燥器が配設されてお
り、そのため制御棒駆動機構は炉心下部に設置されて制
御棒は炉心下部から挿入する構造となっている。沸騰水
型原子炉にクラスタ型制御棒を使用した場合、このよう
に制御棒の駆動機構が炉心下部に設置されて炉心下部か
ら制御棒の挿入、引き抜きが行なわれるようになると、
次のような問題が生ずる。

■クラスタ型制御棒が制御棒自身の重みによって曲りを
生じ、駆動時にトラブルをおこす可能性がある。特に緊
急停止（スクラム）時に高速で挿入された場合にトラブ
ルが生じやすい。

■燃料交換時には未臨界性を保つために燃料と制御棒ク
ラスタを一体とする必要があり、したがってクラスタを
駆動機構から取り外す必要があるが、炉心下部ではその
着脱が困難である。

またクラスタ型制御棒に限らず一般に制御棒が下方から
挿入される沸騰水型原子炉においてもっている問題とし
て、 ■起動時における制御棒引き抜き動作の際に制御棒本体
と駆動機構が誤って切り離されて制御棒本体が炉内に固
着した状態となった場合、その後制御棒本体が自然落下
して炉心に急激に大きな反応度が加わり燃料破損を生ず
るという事故の可能性が考えられる。そしてこれに対応
した設計をした場合には構造が複雑化する。

［発明の目的］ 本発明は上記状況に対処してなされたもので、現在の炉
心周辺の設計を変更せずに制御棒の操作性および信頼性
を高めた高転換型の沸騰水型原子炉炉心を提供すること
を目的とづるものである。

［発明の概要］ すなわち本発明は多数の燃料集合体が配置され、該燃料
集合体の配置位置に制御棒が出入している沸騰水型原子
炉炉心において、制御棒はクラスタ型制御棒であり、か
つ該制御棒の駆動機構が燃料集合体下方に設置されてお
り、該駆動機構の一部である駆動軸と該制御棒の中性子
吸収棒とが燃料集合体の上方において接続されていて該
駆動機構を作動することにより該中性子吸収棒が燃料集
合体上方から燃料集合体内に出入するようになっている
ことを特徴とする沸騰水型原子炉炉心に関する。

［発明の実施例］ 本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本発明に使用される制御棒の一実施例を説明す
る平面図である。図面に示すように、制御棒は中心にあ
る駆動軸１から接続部２を介して放射状に中性子吸収棒
３が配置されている構成を有しており、チャネルボック
ス４内に図示するように配置されている。第２図は第１
図のＡ−Ａ’線に沿う一部縦断面説明図であって、中性
子吸収棒３が燃料集合体Ｆ内に設置された案内管５に挿
入された状態を示すものである。これらの図に示される
ように、制御棒の中性子吸収棒３は制御棒駆動機構の一
部である駆動軸１と燃料集合体Ｆの上方において接続さ
れていて、駆動機構が作動して駆動軸１を動かすことに
より中性子吸収棒３が上方から燃料集合体に挿入され、
かつ上方へ引抜かれるようになっている。

上記駆動軸１と中性子吸収棒３は燃料取替え時には切り
離され、駆動軸１は下方に引き抜かれる。

したがって、燃料取替え時には中性子吸収棒３は燃料集
合体４内に残り、これらは一体となって炉心から取出さ
れ、もしくは炉心に装荷される。

第３図は本発明の一実施例を示す燃料集合体断面図であ
る。燃料集合体はチャネルボックス４内において燃料棒
６が１６行１６列の正方格子状に配列しており、中央に
駆動軸１が配置されている。駆動軸１は３〜５ｃｍ程度
の外径の管で、管の内外は水の出入が可能となっており
、水ロッドの役割も兼ねている。駆動軸１は炉心に滞在
するものなので、中性子吸収性の小さい物質たとえばジ
ルコニウム合金やステンレス合金などにより構成される
。

中性子吸収棒３は外径１ｃｍ内外で１６本配置されてい
る。駆動軸１および中性子吸収棒３はいずれも案内管５
内を移動するようになっている。

第４図は本発明の伯の実施例を示す燃料集合体の断面図
である。図面に示すように、この燃料集合体は一辺に１
１本の燃料棒を配列した六角格子状配列のもので、駆動
軸１は上記実施例と同様中心部に位置しており、その周
囲に６本の中性子吸収棒３が配置されている。

以上の実施例において、制御棒の中性子吸収棒３を引き
抜いた場合、案内管５内には水が流れて水ロッドの役割
を兼ねる。しかし、水ロッドとなった場合、中性子減速
効果が大きくなってこの周辺の燃料棒の出力が増大する
可能性があるので、その場合には中性子吸収棒３の先端
に中性子吸収性の小さい物質よりなる棒（フォロワー）
を設置して案内管内の水を排除し、出力増大を抑えるこ
とができる。

本発明の炉心において制御棒を炉心に全挿入した時、中
途挿入した時、全引き抜きの時のそれぞれの炉心断面を
説明する説明図を第５図に示す。

第５図において、（ａ）は全挿入、（ｂ）は中途挿入、
（Ｃ）は全引き抜きのそれぞれを示し、点線は前記フォ
ロワーを付けた場合の７オロワー７を示す。図面に示す
ように全挿入（ａ　）では中性子吸収棒３は炉心の燃料
有効部りの全域に挿入されているが、中途挿入（ｂ）で
は中性子吸収棒３の一部は燃料有効部りの上方に出て中
性子吸収棒３の一部またはそれとフォロワー７が燃料有
効部りに残り、全引き抜き（Ｃ）では中性子吸収棒３の
全部が上方に出て燃料有効部しには何もない状態かもし
くはフォロワーだけが残る状態となる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の沸騰水型原子炉炉心は制
御棒としてクラスタ型制御棒を使用しているので高転換
型の原子炉に適し、かつクラスタ型制御棒の中性子吸収
棒が駆動軸と燃料集合体の上方で接続しているため、中
性子吸収棒が上方から吊るされた状態で燃料集合体に挿
入されるようになり、その結果法のような効果を奏する
。

■中性子吸収棒自身の荷重による曲りが生じない。

■挿入が重力方向であるので通常の炉停止および緊急停
止（スクラム）の際の信頼性が高まる。

■起動時の制御棒引き抜き中に制御棒本体と駆動軸の連
結がはずれる事故がおきても、従来のように一気に制御
棒が炉心から抜ける、いわゆる制御棒落下による反応度
事故は発生しない。

また駆動軸と中性子吸収棒との着脱が容易であるので燃
料交換時には燃料集合体と中性子吸収棒とが容易に一体
となり、未臨界性が保証される。

さらに、制御棒駆動機構が炉心下部に設置されるため、
炉心の上部に設置された気水分離器や蒸気乾燥器の設計
を変更する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を説明する制御棒の平面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ’線に沿う一部縦断面説明図、
第３図は本発明の一実施例を説明する燃料集合体の断面
図、第４図は本発明の他の実施例を説明する燃料集合体
の断面図、第５図は本発明の炉心における制御棒の燃料
集合体への挿入状態を示す説明図である。 １・・・駆動軸 ２・・・接続部 ３・・・中性子吸収棒 ４・・・チャネルボックス ５・・・案内管 ６・・・燃料棒 ７・・・フォロワー （８７３３）代理人　弁理士　猪　股　祥　晃（ばか１
名） 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 多数の燃料集合体が配置され、該燃料集合体の配置位置
   に制御棒が出入している沸騰水型原子炉炉心において、
   制御棒はクラスタ型制御棒であり、かつ該制御棒の駆動
   機構が燃料集合体下方に設置されており、該駆動機構の
   一部である駆動軸と該制御棒の中性子吸収棒とが燃料集
   合体の上方において接続されていて該駆動機構を作動す
   ることにより該中性子吸収棒が燃料集合体上方から燃料
   集合体内に出入するようになっていることを特徴とする
   沸騰水型原子炉炉心。