JPH0670170B2 - 芳香族ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリエステル樹脂組成物

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JPH0670170B2
JPH0670170B2 JP17343987A JP17343987A JPH0670170B2 JP H0670170 B2 JPH0670170 B2 JP H0670170B2 JP 17343987 A JP17343987 A JP 17343987A JP 17343987 A JP17343987 A JP 17343987A JP H0670170 B2 JPH0670170 B2 JP H0670170B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、耐衝撃性などの機械的性質、成形時の滞溜安
定性・成形流動性、成形品の耐加水分解性・耐ヒートサ
イクル性に優れ、さらには樹脂再生使用時の機械的性質
の低下が極めて少ないことを特徴とする芳香族ポリエス
テル樹脂に関する。
<従来の技術> ポリブチレンテレフタレートや、ポリエチレンテレフタ
レートに代表される芳香族ポリエステル樹脂は、その優
れた化学的性質や、物理的、機械的性質を利用して、自
動車部品、機械機構部品、電気・電子部品等、幅広い分
野に使用されている。また、最近になつて芳香族ポリエ
ステルの欠点とされてきた耐衝撃性が改良され、さらに
その用途がひろがつた。
<発明が解決しようとする問題点> このような耐衝撃性改良技術の中で、特開昭55−2130号
公報、特開昭61−163956号公報などに示されるエチレン
系共重合体に無水マレイン酸等をグラフト共重合した柔
軟成分を芳香族ポリエステルにブレンドする方法は、耐
衝撃性を改良するという面では優れたものではあるが、
成形時の滞溜安定性や、成形品の耐加水分解性に乏しい
という問題があつた。そこで、さらに特開昭60−28446
号公報などに提案されているような、エポキシ化合物を
同時添加する方法が開発されたが、この方法によつて
は、成形流動性が低下するという問題があるなど機械的
性質、成形時の滞溜安定性および流動性、耐加水分解性
の全てを満足する方法はいまだ得られていなかつた。
<問題点を解決するための手段> そこで本発明者らは、耐衝撃性などの機械的性質、成形
時の滞溜安定性・成形流動性、成形品の耐加水分解性に
すぐれた芳香族ポリエステル樹脂組成物を得るべく鋭意
検討した結果、不飽和カルボン酸またはその誘導体をグ
ラフト共重合した変性エチレン系共重合体と特定のエポ
キシ化合物とを併用した場合には、上記の目的が達成さ
れるばかりでなく、驚くべきことに、樹脂を再生使用し
た場合にも耐衝撃性をはじめとする機械物性の低下が極
めて少ない樹脂組成物が得られること、更に本組成物か
ら得られる成形品は急激な温度変化や、低温から高温に
わたる周期的な温度変化にも極めて良好な耐性を示し、
耐ヒートサイクル性が高いことを発見し、本発明に到達
した。
すなわち、本発明は、 (A) 芳香族ポリエステル100重量部に対して (B) 不飽和カルボン酸またはその誘導体0.01〜10重
量%をグラフト共重合した変性エチレン系共重合体1〜
70重量部および (C) 下記一般式(I)で示されるエポキシ化合物0.
01〜10重量部 (ただし、式中Arは、炭素数6〜20の芳香族基または脂
環基を、nは0または1〜20の整数を示す。) を含有せしめてなる芳香族ポリエステル樹脂組成物を提
供するものである。
本発明で用いる芳香族ポリエステル(A)とは、芳香環
を重合体の連鎖単位に有するポリエステルで、芳香族ジ
カルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)と、
ジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主
成分とする重縮合反応により得られる重合体ないし共重
合体である。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレン
ジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、2,2′−ビフエニルジカルボン
酸、3,3′−ビフエニルジカルボン酸、4,4′−ビフエニ
ルジカルボン酸、4,4′−ジフエニルエーテルジカルボ
ン酸、4,4′−ジフエニルメタンジカルボン酸、4,4′−
ジフエニルスルフオンジカルボン酸、4,4′−ジフエニ
ルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フエノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、2,5−アントラセ
ンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,
4″−p−ターフエニレンジカルボン酸、2,5−ピリジン
ジカルボン酸などであり、テレフタル酸が好ましく使用
できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用
してもよい。なお、少量であれば、これらの芳香族ジカ
ルボン酸とともに、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカ
ンジオン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を
一種以上混合して使用することができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペン
タンジオール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコールなどの脂肪
族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環族ジオールなど、およびそれらの混合物などが挙げ
られる。なお少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジ
オール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,
3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどを一種以上共重合せしめてもよい。
具体的な芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス
(フエノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレートな
どのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート
などの共重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち
機械的性質、成形性などのバランスのとれたポリブチレ
ンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートが
好ましく使用できる。
本発明において使用する芳香族ポリエステルは、0.5%
のo−クロルフエノール溶液を25℃で測定した相対粘度
が1.15〜2.0、特に1.3〜1.85のものが好ましい。
本発明で用いられる変性エチレン系共重合体(B)は、
エチレン系共重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導
体0.01〜10重量%をグラフト共重合して得られるもので
ある。
幹ポリマーとして用いられるエチレン系共重合体として
は、ガラス転移温度が30℃以下であれば特に限定される
ものではないが、好ましくは、エチレンとプロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1な
どのα−オレフインとの共重合体、α−オレフインとさ
らにエチリデンノルボーネン、ジシクロペンタジエンな
どの非共役ジエンを含有する共重合体、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート
との共重合体、酢酸ビニルとの共重合体、さらにはスチ
レン−イソプレン−スチレン共重合体や、スチレン−ブ
タジエン−スチレン共重合体などに含まれる脂肪族二重
結合の一部またはすべてを水素添加した重合体などであ
って、具体的には、エチレン/プロピレン共重合体、エ
チレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ペンテン−1
共重合体、エチレン/4−メチルペンテン−1共重合体、
エチレン/プロピレン/エチリデンノルボーネン共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重
合体、エチレン/ブテン−1/エチリデンノルボーネン共
重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチ
レン/ブチルアクリレート共重合体、水添スチレン−イ
ソプレン−スチレン三元ブロツク共重合体(水添スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体)などが挙
げられる。
また用いられる幹ポリマーは、ガラス転移温度が30℃以
下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−30℃以下で
あることが望ましい。また幹ポリマーのメルトフローレ
ート(MFR)は190℃で測定した値で0.1〜100のものが好
ましい。
特に好ましい幹ポリマーの例としては、エチレン/プロ
ピレン共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合
体が挙げられる。
また、上記エチレン系共重合体にグラフト共重合する不
飽和カルボン酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、5−ノ
ルボーネン−2,3−ジカルボン酸、テトラヒドロフタル
酸、ダイマー酸などが例として挙げられ、その誘導体と
しては上記の酸の無水物、エステル、アミド、イミド、
塩などが挙げられる。具体的には、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、5−ノルボーネン−2,3−ジカルボン酸
無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリ
シジル、クロトン酸エチル、クロトン酸ブチル、クロト
ン酸グリシジル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブ
チル、マレイン酸ジグリシジル、フマール酸ジエチル、
フマール酸ジブチル、フマール酸ジグリシジル、イタコ
ン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジグリ
シジル、5−ノルボーネン−2,3−ジカルボン酸ジエチ
ル、5−ノルボーネン−2,3−ジカルボン酸ジブチル、
5−ノルボーネン−2,3−ジカルボン酸ジグリシジル、
テトラヒドロフタル酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸
ジブチル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル、ダイマ
ー酸ジエチル、タイマー酸ジブチル、ダイマー酸ジグリ
シジル、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン
アミド、マレインアミド、フマールアミド、イタコンア
ミド、5−ノルボーネン−2,3−カルボンアミド、テト
ラヒドロフタルアミド、ダイマーアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルクロトンアミド、N,N,N′,N′−テトラメ
チルマレインアミド、N,N,N′,N′−テトラメチルフマ
ールアミド、N,N,N′,N′−テトラメチルイタコンアミ
ド、N,N,N′,N′−テトラメチル−5−ノルボーネン−
2,3−カルボンアミド、N,N,N′,N′−テトラメチルテト
ラヒドロフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラメチルダ
イマーアミド、マレインイミド、フマールイミド、イタ
コンイミド、5−ノルボーネン−2,3−カルボンイミ
ド、テトラヒドロフタルイミド、N−フエニルマレイン
イミド、N−フエニルフマールイミド、N−フエルイタ
コンイミド、N−フエニル−5−ノルボーネン−2,3−
カルボンイミド、N−フエニルテトラヒドロフタルイミ
ドなどが挙げられ、なかでも、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロフ
タル酸無水物、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、マレイン酸ジグリシジル、テトラヒドロフタ
ル酸ジグリシジル、ダイマー酸ジグリシジル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、マレインイミド、N−フエ
ニルマレインイミドなどが好ましく挙げられる。
エチレン系共重合体に不飽和カルボン酸、またはその誘
導体をグラフト共重合する方法はかならずしも限定され
るものではないが、エチレン系共重合体をベンゼン、ト
ルエン等の溶媒に加熱溶解せしめ、これに不飽和カルボ
ン酸および/または不飽和カルボン酸誘導体、およびラ
ジカル発生剤を添加反応させる方法、エチレン系共重合
体、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸
誘導体およびラジカル発生剤を押出機、ニーダー等を用
いて、溶融混練反応させる方法などが挙げられる。
グラフト共重合する不飽和カルボン酸または不飽和カル
ボン酸誘導体の量は、変性エチレン共重合体中0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。グラフト量
が0.01重量%未満では、芳香族ポリエステルの耐衝撃性
改良効果が充分でなく、また10重量%を越えると、ポリ
エステル樹脂組成物の成形流動性が低下する問題があり
いずれも好ましくない。
また少量であれば、そのほかのモノマー、例えばスチレ
ン、アクリロニトリル、ブタジエン等をグラフト成分モ
ノマーとして同時に用いてもよい。
本発明における(B)不飽和カルボン酸またはその誘導
体0.01〜10重量%をグラフト共重合した変性エチレン系
共重合体の添加量は、芳香族ポリエステル100重量部に
対して1〜70重量部、好ましくは2〜50重量部、より好
ましくは3〜40重量部である。添加量が1重量部未満で
は、芳香族ポリエステルの耐衝撃性の改良効果が充分で
なく、70重量部を越えると、かえつて芳香族ポリエステ
ルの機械的特性を損なう傾向にありいずれも好ましくな
い。
本発明で使用するエポキシ化合物(C)とは、前記一般
式(I)で示されるものである。
(I)式におけるArの具体例としては、1,4−フエニレ
ン、1,3−フエニレン、1,2−フエニレン、2−メチル−
1,4−フエニレン、4,4′−ビフエニレン、3,3′−ビフ
エニレン、2,2′−ビフエニレン、3,4′−ビフエニレ
ン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチ
レン、2,7−ナフチレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3
−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキシレン、4,4′−
ビシクロヘキシレン、2,6−デカヒドロナフチレンなど
が好ましく挙げられ、なかでも1,4−フエニレン、1,3−
フエニレンおよび2,6−ナフチレンが特に好ましい。
(I)式の化合物の重合度nの値は、0または1〜20の
整数であり、0または1〜10の整数が好ましく、また、
各種の重合度を有する化合物の混合物であつてもよい。
特に好ましいのは平均重合度が0〜2の範囲にあり、重
量平均分子量(Mw)と、数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn
が1.0〜3.0の範囲にあるものである。(I)式で示され
るエポキシ化合物の製造方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば、ヒドロキシカルボン酸と、エピハロヒ
ドリンとを4級アンモニウム塩、3級アミン、3級ホス
フインなどの触媒存在下、40〜150℃で反応させて、ハ
ロヒドリンエステルエーテル化をおこない、次いでアル
カリ金属塩を添加して脱ハロゲン化水素して製造する方
法が挙げられる。重合度の高いものについては、さら
に、ヒドロキシカルボン酸を触媒の存在下比率を変え反
応させることにより得ることができる。
本発明における(I)式で示されるエポキシ化合物の添
加量は、ポリエステル100重量部に対して0.01〜10重量
部、好ましくは、0.05〜5重量部、より好ましくは、0.
2〜3重量部が望ましい。添加量が0.01重量部未満の場
合は、芳香族ポリエステル樹脂の耐加水分解性改良効果
が充分でなく、一方、10重量部を越える場合には、芳香
族ポリエステル樹脂の機械物性を損ねるためいずれも好
ましくない。
本発明の特徴は、不飽和カルボン酸または不飽和カルボ
ン酸誘導体をグラフト共重合した変性エチレン系共重合
体と、(I)式であらわされるエポキシ化合物を同時に
併用したときに限つて、耐衝撃性などの機械的性質、成
形時の滞溜安定性・成形流動性、成形品の耐加水分解性
・耐ヒートサイクル性の全てに優れ、樹脂再生使用時の
耐衝撃性をはじめとする機械的性質の低下の極めて少な
いことを特徴とする芳香族ポリエステル樹脂を与えるこ
とにある。特に(I)のエポキシ化合物を用いたときに
限つて、樹脂再生使用時の耐衝撃性などの機械的性質の
低下の極めて少ない芳香族ポリエステル樹脂を与えるこ
とは注目に値する。
なお、特に必須ではないが本発明組成物に対してさらに
繊維状および/または粒状の充填剤を添加することによ
り、他の物性を損なうことなく剛性を大幅に向上させる
ことができる。このような充填剤としては、ガラス繊維
(シラン系カツプリング剤等で表面処理されているもの
を含む)、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベ
スト、チタン酸カリウムウイスカ、ワラステナイト、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレ
ー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化
アルミニウムなどが挙げられ、中でもチヨツプドストラ
ンドタイプのガラス繊維が好ましく用いられる。これら
の添加量は通常は芳香族ポリエステル100重量部に対し
て120重量部以下で用いるのが好ましい。
さらに本発明組成物に対して、本発明の目的を損なわな
い範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、染料、顔料を含む着色剤、核剤などの通常
の添加剤を1種以上添加することができる。
また少量の熱可塑性樹脂(例えば、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリフエニレンオキサイド、ポリプロピレ
ンなど)を添加することもできる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されるものではな
いが、好ましくは芳香族ポリエステル、変性エチレン系
共重合体、エポキシ化合物の3者を押出機を使用して溶
融混合する方法や、芳香族ポリエステルの重合最終時に
3者を添加する方法などが挙げられる。
なお、本発明の特徴として、繊維状および/または粒状
の充填剤を添加する場合、(A)芳香族ポリエステルお
よび(C)前記一般式(I)で示されるエポキシ化合物
および繊維状および/または粒状の充填剤を溶融混練
後、(B)変性エチレン系共重合体を溶融混練すると、
極めて高い性能を発揮するという特徴がある。この場合
の製造方法も必ずしも限定されるものではないが、例え
ば、芳香族ポリエステル、エポキシ化合物、繊維状およ
び/または粒状の充填剤の3者を押出機を使用して、溶
融混合・ペレツト化し、このペレツトを変性エチレン系
共重合体と共に再び押出機を使用して溶融混合する方法
や、押出機の吐出口から最も遠いホツパーより芳香族ポ
リエステル、エポキシ化合物、繊維状および/または粒
状の充填剤の3者を投入し、吐出口に近いホツパーより
変性エチレン系共重合体を加える方法などが挙げられ
る。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、押出成形などの通常
の方法で容易に成形することが可能であり、得られた成
形品は優れた性能を発揮する。
<実施例> 以下実施例・比較例を挙げて本発明の効果をさらに詳述
する。
参考例1〜6 表−1に示す幹ポリマー100重量部に対し、各種の不飽
和カルボン酸誘導体1.5重量部および1.3−ビス(t−ブ
チルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン0.1〜0.3重量
部をV−ブレンダーでドライブレンドし、30mmφ2軸押
出機を用いて、180〜220℃で溶融混練後ペレツト化し変
性エチレン共重合体を得た。得られたペレツトをソツク
スレー押出機を用いてアセトンにより12時間抽出後、IR
スペクトルによつてグラフト成分の定量を行つた。結果
を表−1に示す。
実施例1〜6,比較例1〜5 相対粘度1.75のポリブチレンテレフタレート100重量部
に対して、参考例にて製造した変性エチレン系共重合体
(A)〜(F)および/またはエポキシ化合物(G)〜
(K)の表−1記載量をVブレンダーにて混合後、30mm
φ2軸押出機を用いて、250℃で溶融混練後ペレツト化
した。
このペレツトを130℃で5時間乾燥後、250℃に設定した
5オンスのスクリユウインライン型射出成形機を用いて
金型温度80℃、成形サイクル(射出時間/冷却時間/中
間時間)15秒/20秒/10秒(これを成形サイクル(イ)と
する。)で成形し、ASTM1号ダンベル、1/8″幅アイゾツ
ト衝撃試験片を各々得るとともに、金型内に樹脂を充填
するのに必要な最小圧力である成形下限圧(ゲージ圧)
を測定した。
引続き、成形滞溜時間の影響を調べるために、成形サイ
クル(射出時間/冷却時間/中間時間)15秒/20秒/900
秒(これを成形サイクル(ロ)とする。)に変えたのみ
で、他の条件は同じにして上記と同様にして試験片を得
た。
成形サイクル(イ)および(ロ)で得られたASTM1号ダ
ンベルについて、100℃熱水中15日間熱水試験を行つ
た。さらに、成形サイクル(イ)により得られた試験片
を粉砕機にて粉砕し、再び130℃5時間乾燥後、成形サ
イクル(イ)により成形し、再生使用時の性能評価用試
験片とした。
それぞれの得られた試験片について、ASTM D−638に
したがい引張り試験を、ASTM D−256にしたがいアイ
ゾツト試験を行つた。
以上の結果を合わせて表−2に示す。
表−2の結果から明らかなように、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体をグラフト共重合した変性エチレン系共
重合体と特定のエポキシ化合物とを併用した場合には、
耐衝撃性や引張り強度などの機械的性質に加え、成形時
の滞溜安定性・成形流動性、成形品の耐加水分解性に優
れると共に、樹脂を再生使用した場合にも耐衝撃性や、
引張り強度の低下の極めて少ない樹脂組成物が得られる
ことがわかる。
これに対し、本発明の特定エポキシ化合物を添加しない
場合(比較例1)は、未処理品の耐衝撃性は優れるもの
の、熱水処理時の機械物性に問題があり、また本発明の
柔軟成分を添加しない場合(比較例2)には、耐衝撃性
が著しく劣る。
一方、本発明の柔軟成分を添加した場合でも、本発明の
特定のエポキシ以外のエポキシ化合物を添加した場合
(比較例3,4)には、耐加水分解性および/または成形
滞溜安定性、成形流動性に問題がある。さらに、不飽和
カルボン酸などで変性していないエチレン系共重合体を
用いた場合(比較例6)には、引張り物性、耐衝撃性な
どが劣る。
実施例7〜10,比較例6〜8 相対粘度1.45のポリブチレンテレフタレート100重量部
に対して、ガラス繊維(3mm長、チヨツプドストランド
タイプ)20重量部、参考例にて製造した変性エチレン系
共重合体(A)〜(F)10重量部および/またはエポキ
シ化合物(G)〜(K)の表−2記載量を用いて、実施
例1と同様にして溶融混練、成形、物性評価を行つた。
表−3の結果から、ガラス繊維を添加した際も、本発明
組成物は、耐衝撃性などの機械的性質に加え、成形時の
滞溜安定性・成形流動性、成形品の耐加水分解性に優れ
ると共に、樹脂再生使用時の耐衝撃性をはじめとする機
械的性質の低下の極めて少ないことは明らかである。
実施例11 相対粘度1.45のポリブチレンテレフタレート100重量部
に対して、ガラス繊維(3mm長、チヨツプドストランド
タイプ)20重量部およびエポキシ化合物(G)1重量部
をVブレンダーにて混合後、30mmφ2軸押出機を用い
て、250℃で溶融混練後ペレツト化した。
このペレツト121重量部を130℃、5時間乾燥後、参考例
1にて製造した柔軟成分(E)をドライブレンドし、再
び、30mmφ2軸押出機を用いて、250℃で溶融混練後ペ
レツト化した。得られたペレツトを実施例1と同様にし
て溶融混練、成形、物性評価を行つた。結果を表−3に
合わせて示す。
この場合には、実施例との比較でわかるように、耐衝撃
性などの機械的性質、成形時の滞溜安定性・成形流動
性、成形品の耐加水分解性および、樹脂再生使用性の全
てが一層良好となる。
<発明の効果> 本発明のポリエステル樹脂組成物は、成形時の流動性、
滞溜安定性が良好で、得られた成形品は、耐衝撃性、引
張り強度などの機械物性が優れ、耐加水分解性も優秀で
ある。また、リサイクル時にも、機械物性などの低下も
ないことから、経済性も高く、自動車部品、機械機構部
品をはじめ多くの用途に利用できる。また、耐ヒートサ
イクル性が極めて良好であることから自動車エンジンフ
ード内部の電装部品にも好適に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 芳香族ポリエステル100重量部に
    対して (B) 不飽和カルボン酸またはその誘導体0.01〜10重
    量%をグラフト共重合した変性エチレン系共重合体1〜
    70重量部および (C) 下記一般式(I)で示されるエポキシ化合物0.
    01〜10重量部 (ただし、式中Arは、炭素数6〜20の芳香族基または脂
    環基を、nは0または1〜20の整数を示す。) を含有せしめてなる芳香族ポリエステル樹脂組成物。
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