JPH0669854B2 - のし瓦結束品積込方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、のし瓦の結束品を積込む場合、パレット上に
のし瓦を隙間なく積込み、運送時の破損を生ずることの
ないのし瓦結束品の積込方法および装置を製瓦業界に提
供するものである。

（従来技術） 従来、桟瓦結束品の搬送は、第５図（ハ）および（ニ）
に示す桟瓦結束品Ｓの様に対角の切り込みK,Kにクラン
プＣの爪T,Tを挿入して挟んで持ち上げてから移動して
いたが、のし瓦結束品Ｎは切り込みK,Kがないため、の
し瓦結束品Ｎの上部両側にクランプＣ、Ｃを当てがうこ
とにより挟持して持ち上げ、先に積んだのし瓦結束品Ｎ
の側面に近接するまで移動して降ろしていたが、のし瓦
は切り込みＫがないため、第５図（イ）に示すように、
クランプＣが邪魔になり、隣接同志ののし瓦結束品N,N
の側面は密着できず、クランプＣの厚み程の間隙Ｄをあ
けねばならなかった。この間隙Ｄをなくすためには、積
み上げが終わってから側方から押す以外になく、それに
は大きな労力を要することとなる。これをフォークリフ
ト等で強引に横押しすると製品が破損することが多いた
め、結局第３図に示すように、間隙Ｄはそのままにして
パレットＰ上に積んで搬送していた。これでは間隙Ｄの
分だけスペースの損失があり、多く積むことができない
ばかりか、間隙Ｄがあるため、運搬の途中で動揺する
と、のし瓦結束品Ｎ同志が揺れて接触し、または荷崩れ
により破損することも多かった。

（発明が解決しようとする問題点） そこで出来るだけ多くののし瓦結束品を隙間なくパレッ
ト上に積み込み、運搬の途中で揺れることによるのし瓦
結束品同志の接触によるまたは荷崩れによる破損を防止
する方法と装置の開発が要望されていた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上述の問題点を解決するために、のし瓦結束品
を両側から挟持し、さきに整置させたのし瓦結束品に近
接させてのし瓦結束品の重心をさきに整置させたのし瓦
結束品側に位置させるように後傾させて移動させるとと
もに、のし瓦結束品の前方下縁をさきに整置したのし瓦
結束品の側面に近接させ、のし瓦結束品の後方下縁をさ
きののし瓦結束品又は搬送用パレットの上面に当接した
とき又はその直前に挟持を解除することによりのし瓦結
束品を自重によってさきののし瓦結束品の側面又は搬送
用パレット上に直立させて整置させることを特徴とする
のし瓦結束品積込方法の発明と、 のし瓦結束品搬送コンベアとパレット搬送コンベアとが
配設され、のし瓦結束品搬送コンベアの終端とパレット
搬送コンベアの起点とを跨いで架台が架設され、この架
台上のレール上に往復走行自在に設けられた走行フレー
ムの枠体に昇降フレームが昇降自在に取り付けられ、こ
の枠体ののし瓦結束品搬送コンベア側の端部に支点軸を
有するクランプフレームが上下回動自在に取り付けら
れ、このクランプフレームの支点軸側の下面にクランプ
板が突設され、前記クランプフレームの上面中間に支点
軸を有するクランプアームが前後回動自在に設けられた
ことを特徴とするのし瓦結束品積込装置の発明である。

（発明の構成） 本発明の構成を実施例の図に基づいて説明する。

第１図および第２図に示すように、のし瓦結束品積込装
置１は主柱2,2により水平に架設された架台３上にレー
ル4,4を敷設し、この架台３上の下方の床Ｆ上に長手方
向にパレット搬送コンベヤ５を水平に設置し、このパレ
ット搬送コンベヤ５に連設して基部６が架台３の下方に
なるように、のし瓦結束品搬送コンベヤ７を長手方向に
配設する。

前記架台３上に敷設された前記レール4,4上に車輪8,8を
有する走行フレーム９を往復走行自在に載設し、この走
行フレーム９の上梁10より下方へ枠体11を固設し、上梁
10上に設置した正逆転自在の走行駆動モーター12の駆動
鎖車13と前記車輪８の一つと同心に設けた被動鎖車14と
の間にチェーン15を掛装する。

前記走行フレーム９の上梁10と前記枠体11の下梁16との
間に垂直にラックギヤ17を固設し、このラックギヤ17に
噛合させたピニオンギヤ18を内装した昇降筺体19のピニ
オンギヤ軸20に嵌装した被動鎖車21とこの昇降筺体19の
側部に設けた昇降駆動モーター22との間にチェーン23を
掛装し、この昇降筺体19と一体に固定された昇降フレー
ム24の前記のし瓦結束品搬送コンベヤ７と対向する側の
下面に軸受25を取り付け、反対側の側面に取り付けたブ
ラケット26に傾斜用エアーシリンダー27を回動自在に取
り付け、前記軸受25に支点軸28を有する上下方向回動自
在のクランプフレーム29の他端上部と前記傾斜用エアー
シリンダー27のロッド30の先端とを軸着し、前記クラン
プフレーム29の基方下部に表面にクランプラバー31,31
を貼着したクランプ板32を一体に形成し、クランプフレ
ーム29の上面の中間に取り付けた軸受33に支点軸34を有
するクランプアーム35の下端と、クランプフレーム29の
先端下部に基部36を軸着したクランプ用エアーシリンダ
ー37のロッド38の先端とを軸着し、クランプアーム35の
下端に別のクランプラバー39を取り付ける。

図中、40はのし瓦結束品、41は結束バンド、42はストッ
パー、43はのし瓦結束品搬送コンベア７の駆動モーター
を示す。

（発明の作用） 本発明の作用を実施例の図に基づいて説明する。

第１図および第２図に示すように、のし瓦結束品搬送コ
ンベヤ７上を矢印方向に搬送されてきたのし瓦結束品40
は先端のストッパー42にあたって停止すると、架台３の
右端（第１図で右端）で停止している走行フレーム９の
枠体11に取り付けられたクランプフレーム29が傾斜用エ
アーシリンダー27のロッド30が伸長して水平となってお
り、昇降筐体19内のピニオンギヤ18が回転して枠体11内
に垂設されたラックギヤ17と噛合っているので、昇降フ
レーム24は最下位にあって水平のクランプフレーム29の
右端（第１図で右端）の下方に突設されたクランプ板32
は垂直となって前記のし瓦結束品40の後側面に近接した
位置にある。このときクランプ用エアーシリンダー37が
作動してロッド38が延びるとクランプアーム35が回動し
てのし瓦結束品40の前面上部にクランプラバー39を介し
て当接し、ロッド38がさらに延びて前記クランプ板32と
の間にクランプラバー31,31を介して挟持すると、ピニ
オンギヤ18がさきとは逆に回転し昇降フレーム24はラッ
クギヤ17に噛合しながらのし瓦結束品40を挟持したまま
上昇し、走行フレーム９の走行駆動モーター12が作動し
てパレット搬送コンベヤ５上で待機中のパレットＰ上に
さきに積込まれたのし瓦結束品40の方向に移動をはじめ
るが、その前に傾斜用エアーシリンダー27が作動してク
ランプフレーム29の先端を引き上げて後傾させる。この
後傾したのし瓦結束品40はそのままの姿勢で第５図
（ロ）に示すように、矢印の方向にさきに積込んで整置
したのし瓦結束品40の側面に近接しながら移動し、後方
下縁がさきに整置されたのし瓦結束品40の上面に触れ、
又はその直前に、前面上部を挟んでいたクランプアーム
35がクランプ用エアーシリンダー37が作動して開き、傾
斜したのし瓦結束品40を解放した自重により直立させ
る。これと同時に昇降駆動モーター22が作動して昇降フ
レーム24が上昇し、傾斜用エアーシリンダー27が作動し
てクランプフレーム29が水平位置に復元し、クランプ板
32が垂直位置に復元しながら、走行フレーム９はのし瓦
結束品搬送コンベヤ７の先端部上方へ戻る。

その間に、のし瓦結束品搬送コンベア７の先端部にはつ
ぎののし瓦結束品40が到着し、前述の作用が自動的に繰
り返されて次々と積込みが行われる。

上記はパレットの２段目より上の段への積込みについて
説明したが、最下段への積込みも同じ要領で行えること
は言うまでもない。なお、各段の先頭に積込むときは、
後傾させず、直立姿勢のまま移動させて積込むようにし
てもよい。

（発明の効果） 本発明は上述のように、のし瓦結束品の後面と前面上部
とを挟持し、後傾させて移動させ、前に整置されたのし
瓦結束品又は搬送用パレットの上面に下縁が当接又は当
接する直前に挟持を解いて直立姿勢で積込むようにした
ので、従来技術の積込み方法による場合のように、各列
の間にクランプ板ほどの隙間ができることがないため、
輸送の際に荷崩れによるキズやカケが発生し、商品価値
を落とすばかりでなく、破損し使用ができなくなるとい
うような不具合が皆無となった。またパレット上に積ん
でから、隙間を無くすために、手押しするような従来の
重労働から解放された。

また大量に扱う工場等においては、少ないスペースで連
続的に積み込むことができ、作業能率も著しく向上した
効率も極めて大きい。

更にのこの発明の利点について敷衍すると、この発明
は、のし瓦結束品を後傾させつつ一定の傾斜角度を保持
して重心を制御し、のし瓦結束品の挟持状態を解除する
ことにより、のし瓦結束品がさきののし瓦結束品側に自
重により、後傾されたのし瓦結束品がさきののし瓦結束
品側に起立することにより整置されるという構成を採用
している。この場合、のし瓦結束品の後傾角度の設定と
一定角度の傾斜状態において確実にのし瓦結束品の解除
を行うことは本来的に必ずしも容易ではないものの、こ
の発明では、予め算出された後傾角度に基づきクランプ
フレームの一側を単に引き上げるだけで所望の後傾斜角
度が得られ、また、クランプ板およびクランプアームか
らなる解除手段を操作するだけで確実にのし瓦結束品を
自重作用により、さきののし瓦結束品側に間隙を生ずる
ことなく整置させ、積込を実施することができる。

したがって、これらの機能を得るための構成は簡単であ
り、複雑化しないし、その制御時間を短縮することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の略線正面図、第２図は同、主
要部の作用説明略線正面図、第３図は従来技術による積
込み状態を示す斜視図、第４図は本発明による積込み状
態を示す斜視図、第５図（イ）は従来技術の作用説明略
線図、同（ロ）は本発明の作用説明略線図、同（ハ）は
従来の桟瓦結束品積込みの作用説明略線図、同（ニ）は
桟瓦の平面図、同（ホ）はのし瓦の平面図である。 （主要部分の符号の説明） 1:のし瓦結束品積込装置、3:架台 5:パレット搬送用コンベヤ 7:のし瓦結束品搬送コンベヤ 9:走行フレレーム、10:上梁 11:枠体、12:走行駆動モーター 16:下梁、17:ラックギヤ 18:ピニオンギヤ、19:昇降筺体 22:昇降駆動モーター 24:昇降フレーム 27:傾斜用エアーシリンダー 29:クランプフレーム 32:クランプ板 35:クランプアーム 37:クランプ用エアーシリンダー 40:のし瓦結束品、42:ストッパー P:パレット、D:間隙

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】のし瓦結束品を両側から挟持し、さきに整
   置させたのし瓦結束品に近接させてのし瓦結束品の重心
   をさきに整置させたのし瓦結束品側に位置させるように
   後傾させて移動させるとともに、のし瓦結束品の前方下
   縁をさきに整置したのし瓦結束品の側面に近接させ、の
   し瓦結束品の後方下縁をさきののし瓦結束品又は搬送用
   パレットの上面に当接したとき又はその直前に挟持を解
   除することによりのし瓦結束品を自重によってさきのの
   し瓦結束品の側面又は搬送用パレット上に直立させて整
   置させることを特徴とするのし瓦結束品積込方法。
2. 【請求項２】のし瓦結束品搬送コンベアとパレット搬送
   コンベアとが配設され、のし瓦結束品搬送コンベアの終
   端とパレット搬送コンベアの起点とを跨いで架台が架設
   され、この架台上のレール上に往復走行自在に設けられ
   た走行フレームの枠体に昇降フレームが昇降自在に取り
   付けられ、この枠体ののし瓦結束品搬送コンベア側の端
   部に支点軸を有するクランプフレームが上下回動自在に
   取り付けられ、このクランプフレームの支点軸側の下面
   にクランプ板が突設され、前記クランプフレームの上面
   中間に支点軸を有するクランプアームが前後回動自在に
   設けられたことを特徴とするのし瓦結束品積込装置。