JPH066967Y2 - タイヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタイヤサイド部に刻印される文字、配号もしく
は図形（本明細書において、合わせて文字等という）が
周囲のタイヤ表面から浮き上がって見えるように構成し
たタイヤに関する。

一般にタイヤの側面には商標、商号として文字等を刻印
したものが広く採用されている。そして文字等の刻印は
金型でタイヤを加硫する際金型で予め形成された形状に
したがって形成されることになり、通常刻印された文字
等はその周囲の表面と同様に黒地で表出されることとな
る。したがって、刻印された文字等の識別が一般に不明
瞭で一般ユーザーに注意を喚起する機能に欠けるという
問題がある。そこでこれまで第１図に示す如く文字等の
周囲のタイヤ表面に細い切りこみ溝を設ける、いわゆる
ローレット加工することにより、文字等を浮かびあげる
方法が提案されているが、この方法ではサイド部にあた
る光線の方向によっては全体が黒く文字の読みとりが困
難となる。

本考案はこのような従来の欠点を解決し明瞭な文字が表
出しうるタイヤを提案するものである。

以下本考案の一実施例を図面にしたがって詳細に説明す
る。

第２図は本考案のタイヤのサイド部の部分正面図であ
る。図において本考案のタイヤのサイド部１には、ロー
マ字Ｄ、Ｕである文字等２、３が形成され、又この文字
等２、３の表面には、等間隔かつ平行な直線状の凹溝４
が形成される。又その周囲の表面には、文字等２、３を
囲みかつ文字等２、３の凹溝４とは異なった方向の平行
な凹溝５が形成されている。

前記凹溝４は、第２図におけるＢ−Ｂ断面図として第３
図に示す如く断面がＶ字状に形成されており、その側壁
４ａ、４ｂが垂直線Ｅとなす角度θ１、θ２は３０°〜
６５°の範囲である。なお凹溝の断面形状をＶ字状とす
るのは光線が乱反射するのを防止し、反射光に方向性を
持つことにより文字が一層鮮明に表出されるためである
が、凹溝の形状は必ずしもＶ字状に限定されるものでは
なく、Ｕ字状等各種の変形例も採用可能である。また凹
溝の側壁の前記角度θ１、θ２は必ずしも同じである必
要はないが凹溝の各右側の側壁および各左側の側壁はそ
れぞれ同様な角度で設定することが好ましい。なお前記
側壁の角度θ１、θ２が３０°〜６５°の範囲を外れる
と光の反射効果が少なく文字の浮き出しが効果的でな
い。更に光の反射効果をより有効なものとするには凹溝
の溝幅Ｐ２が１．０〜１．８mmで溝深さＤ２が０．４〜
１．０mmの範囲とする。

次に文字等２、３の周囲のタイヤサイド部には前記凹溝
４とは異なった方向の平行な凹溝５が形成される。該凹
溝５は通常タイヤ周方向に形成されそして凹溝５の側壁
５ａ、５ｂはその垂直線Ｆとなす角度θ３、θ４は３０
°〜６５°の範囲にしかも凹溝５の溝幅Ｐ１は１．０〜
１．８mmの範囲に設定されており、これは文字表面の凹
溝に関して説明したことと同じ理由に基づく。ここで凹
溝５が文字表面の凹溝４の方向に対する角度は１５°〜
９０°の範囲である。なお溝深さＤ１は前記文字表面の
凹溝の深さＤ２よりも若干浅くすることが好ましく０．
３〜０．７mmの範囲である。これはサイド部は変形の激
しい領域であり、この領域に深い溝を設けることは歪を
増大せしめ亀裂損傷を増大することとなるからでありさ
らにこの亀裂損傷を緩和するために凹溝の底部を円弧状
に形成することが好ましい。

なお文字等の表示部分は第２図のＣ−Ｃ断面を示す第５
図から明らかな如く文字表面２ａはタイヤサイド部表面
から突出するように形成することが好ましい。

このように本考案は文字表面とその周囲のサイド部表面
に異なった方向の凹溝を形成したためそれぞれの表面が
異なった方向に光を反射し文字表面が鮮明に浮き上がる
こととなり、商品の外観を一層向上させることができ、
例えば前述の実施例においてはタイヤサイド部は光の方
向によってはレヨード盤と同様な輝きを表出したり、暗
く沈んだ状態に変化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来タイヤのサイド部の一部正面図、第２図は
本考案の実施例のタイヤのサイド部の一部正面図、第３
図は第２図におけるＢ−Ｂ断面図、第４図は第２図にお
けるＡ−Ａ断面図、第５図は第２図におけるＣ−Ｃ断面
図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】サイド部に、文字等を設けかつ文字等の表
   面に等間隔かつ平行な直線状の凹溝を形成するととも
   に、前記文字等の周囲の表面に、該文字等の表面の前記
   凹溝とは異なった方向の直線状の凹溝を形成してなるタ
   イヤ。