JP2017137025A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤサイド部に装飾を施すにあたって、この装飾の視認性を高めると共に、外傷を目立ち難くすることを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】サイドウォール部2に装飾部10を設け、この装飾部10は格子状模様10Aを備え、格子状模様10Aは平面視で三角形の基調を有する複数の凸部11と平面視で三角形の基調を有する複数の凹部12とを含んでこれら凸部11と凹部12とが交互に配置された構造を有し、隣り合う一対の凸部11と凹部12との境界部に凸部11から凹部12へ突き出した突出部11aと凹部12から凸部11へ突き出した窪み部12aとを有し、これら突出部11aと窪み部12aとが平面視において点対称の関係にあるようにする。【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤサイド部に装飾が施された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、該装飾の視認性を高めると共に、外傷を目立ち難くすることを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのサイドウォール部の外表面には、メーカー名やブランド名などを表示するために、文字、図形、記号等からなる標章等の装飾を施すことが一般的に行われている。このような装飾は、例えば、サイドウォール部の外表面の基面から突出する凸部や、基面に対して窪んだ凹部として形成される。その場合、装飾(標章等)と周囲のサイドウォール部の外表面とが基本的に同色(黒色)であるため、このような凹凸のみでは充分な視認性を得ることが難しいという問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1では、標章の周囲にサイドウォール部の外表面から隆起した縁取りを設け、更に、この縁取りに囲まれた領域内(標章の内側)にメッシュ模様を形成することを提案している。しかしながら、メッシュ模様は多数の交差した細溝で構成された単純な模様であるためそれ自体に充分な視認性はなく、この提案では縁取りを白色ゴムで構成することが前提となっていた。また、メッシュ模様は多数の細溝の集まりに過ぎないため、走行中にサイドウォール部が縁石等と接触して外傷が生じた場合、この外傷が目立ち易いという問題があった(尚、この提案のように白色ゴムを用いる場合、サイドウォール部に埋設した白色ゴム層を表層の黒色ゴムを削り取って露出させることで白色ゴムからなる縁取りを形成することになるため、外傷が生じた場合、黒色であることが意図された部分においても表層が削れて白色ゴムが露出することも懸念される)。
また、特許文献2では、タイヤサイドウォール部に多数の矩形形状要素と枠要素とからなる格子模様を設け、この格子模様の中に標章を配することを提案している。しかしながら、この提案における格子模様は枠要素で縁取られた四角形の繰り返しという単純な構造であるため、この模様自体に充分な視認性はなく、また、上述のように外傷が生じた場合には、規則的な四角形の繰り返しが損なわれるため、外傷が目立ち易いという問題があった。
特許第3072921号公報 特開2013‐233854号公報
本発明の目的は、タイヤサイド部に装飾を施すにあたって、この装飾の視認性を高めると共に、外傷を目立ち難くすることを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤサイド部に装飾部を備えた空気入りタイヤであって、該装飾部は格子状模様を備え、該格子状模様は平面視で三角形の基調を有する複数の凸部と平面視で三角形の基調を有する複数の凹部とを含んで前記凸部と前記凹部とが交互に配置された構造を有し、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部に凸部から凹部へ突き出した突出部と凹部から凸部へ突き出した窪み部とを有し、これら突出部と窪み部とが平面視において点対称の関係にあることを特徴とする。
本発明では、平面視で三角形の基調を有する複数の凸部と平面視で三角形の基調を有する複数の凹部とを含んでこれら凸部と凹部とが交互に配置された構造を有し、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部に凹部から凸部へ突き出した突出部と凹部から凸部へ突き出した窪み部とを有し、これら突出部と窪み部とが平面視において点対称の関係にあるという複雑な構造の格子状模様を備えた装飾部を採用しているので、凹部および窪み部と凸部および突出部の光の当たり方の違いによって格子状模様の各構成単位(隣り合う凸部および凹部の対)内に明暗が生じ、この繰り返しによって装飾部全体の色調が周囲と対比されて浮き立ち、装飾部の視認性を高めることができる。このとき、前述の突出部と窪み部とが設けられているため、凸部および凹部の平面視形状(即ち、光の当たり方の違いによって明暗に差が生じる最小単位の形状)が複雑化するので、単純な三角形状の凹凸の繰り返しよりも格子状模様を印象付けることができ、効果的に視認性を高めることができる。また、平面視で三角形を基調とする細かい凹凸が繰り返されており、更に前述の突出部と窪み部とが設けられて凹部と凸部との境界が入り組んでいるため、走行中にタイヤサイド部に外傷が生じたとしても、その外傷を目立たなくすることができる。
本発明では、突出部の凹部側への最大突き出し長さが境界部において凸部の突出部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.2倍であり、窪み部の凸部側への最大突き出し長さが境界部において凹部の窪み部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.2倍であることが好ましい。このように突出部および窪み部の突き出し長さを凸部または凹部の辺に対して適度な大きさに設定することで、格子状模様の各構成単位の形状を最適化することができ、視認性を高めるには有利になる。
本発明では、突出部の境界部における幅が境界部において凸部の突出部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.25倍であり、窪み部の境界部における幅が境界部において凹部の窪み部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.25倍であることが好ましい。このように突出部および窪み部の幅を凸部または凹部の辺に対して適度な大きさに設定することで、格子状模様の各構成単位の形状を最適化することができ、視認性を高めるには有利になる。
本発明では、平面視において点対称の関係にある前記突出部と前記窪み部とが対称点において接しており、この対称点がこれら突出部および窪み部を備えた辺の中点からこの辺の長さの0.15倍以内の範囲に位置することが好ましい。このように突出部および窪み部を配置することで、格子状模様の各構成単位の形状を良好にすることができ、視認性を高めるには有利になる。
本発明では、突出部および窪み部が凹部側または凸部側に最も突き出した点を頂点とする角部を備えた仕様にすることが好ましい。このような仕様にすることで、凸部と凹部との境界が直線の組み合わせになるので、一般的に直線状であることが多い外傷を格子状模様中に紛れさせて目立たなくするには有利になる。
本発明では、凹部の底面と凸部の頂面との高低差が0.5mm〜2.0mmであることが好ましい。これにより、光の当たり方の違いによる凸部および凹部の明暗の差の程度を良好にすることができ、視認性を高めるには有利になる。
本発明では、凹部の底面にリッジを設けることが好ましい。このようにリッジを設けることで、凸部に対して凹部をより暗く見せることができ、視認性を高めるには有利になる。
本発明では、装飾部内にタイヤサイド部の表面から突き出した突条によって縁取られた標章を備え、突条によって囲まれた標章内の領域が格子状模様を有さない平坦面で構成されている仕様にすることもできる。或いは、本発明では、装飾部が標章を構成し、この標章の周縁にタイヤサイド部の表面から突き出して標章を縁取る突条を備えた仕様にすることもできる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの要部を示す斜視断面図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤの要部を示す斜視断面図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の一例を示す正面図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の一例を示す斜視図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の別の例を示す正面図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の別の例を示す斜視図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の別の例を示す斜視図である。 本発明の装飾部を構成する格子状模様の別の例を示す斜視図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1,2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
左右一対のビード部3間には1層のカーカス層4が装架されている。このカーカス層4の端部は各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。ビードコア5の外周側にはゴムからなる断面三角形状のビードフィラー6が配置されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層(図示の例では2層)のベルト層7がタイヤ全周に亘って配置されている。これらベルト層7は、例えばスチールコードからなる補強コードを含み、この補強コードがタイヤ周方向に対して例えば10°〜40°の角度で傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な空気入りタイヤに適用されるが、その具体的な構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
本発明では、このような空気入りタイヤにおいて、図1,2に示すように、サイドウォール部2の一部(図1,2の斜線部の位置)に後述の格子状模様10Aを備えた装飾部10が形成されている。この装飾部10は、例えばメーカー名やブランド名などを表示することを意図した、文字、図形、記号等からなる標章Sを表示するためのものである。図1の実施形態では、装飾部10内に格子状模様10Aを備えない標章Sが配され、図2の実施形態では、装飾部10自体が標章Sを構成することで、標章Sが周囲と区別されて視認されるようになっている。尚、図1,2の例では、装飾部10と標章Sとの関係について説明するために、装飾部10の詳細な形状については省略して、装飾部10を斜線部で示している。
図1,2のいずれの場合も、装飾部10は、図3,4に示すような格子状模様10Aを備える。この格子状模様10Aは、平面視で三角形の基調を有する複数の凸部11と、平面視で三角形の基調を有する複数の凹部12とを含み、これら凸部11と凹部12とが交互に配置された構造を有している。特に、図示の例では、凸部11および凹部12が共に直角二等辺三角形を基調とし、その長辺どうしが接するように配置されている。また、隣り合う一対の凸部11と凹部12との境界部には、凸部11から凹部12へ突き出した突出部11aと凹部12から凸部11へ突き出した窪み部12aとが形成されており、これら突出部11aと窪み部12aとが平面視において点対称の関係にある。特に、図示の例では、長辺を境界として隣り合う凸部11および凹部12の対を格子状模様の構成単位と見たとき、隣り合う構成単位どうしの境界部に前述の突出部11aと窪み部12aとが設けられており、構成単位内に含まれる境界(構成単位の対角線に相当する前述の長辺)には突出部11aおよび窪み部12aは設けられていない。
このような複雑な構造の格子状模様10Aを備えた装飾部10を採用しているので、凹部12および窪み部12aと凸部11および突出部11aとの光の当たり方の違いによって格子状模様10Aの各構成単位(隣り合う凸部11および凹部12の対)内に明暗が生じ、この繰り返しによって装飾部10全体の色調が周囲と対比されて浮き立ち、装飾部10を他の部分から明瞭に区別させることができる。そのため、図1のように装飾部10内に標章Sが設けられた場合には、装飾部10内の標章Sを際立たせてその視認性を高めることができ、図2のように装飾部10自体が標章Sをなす場合も、標章S(装飾部10)を周囲から際立たせてその視認性を高めることができる。このとき、前述の突出部11aと窪み部12aとが設けられているため、凸部11および凹部12の平面視形状(即ち、光の当たり方の違いによって明暗に差が生じる最小単位の形状)が複雑化するので、単純な三角形状の凹凸の繰り返しよりも格子状模様10Aを印象付けることができ、効果的に視認性を高めることができる。また、平面視で三角形を基調とする細かい凹凸が繰り返されており、更に前述の突出部11aと窪み部12aとが設けられて凸部11と凹部12との境界線が入り組んでいるため、走行中にタイヤサイド部に外傷が生じたとしても、その境界線中に外傷を紛れさせて、外傷を目立たなくすることができる。
このとき、格子状模様10Aの各構成単位(隣り合う凸部11および凹部12の対)の一辺の長さは、標章S群(標章Sが文字の場合は文字列)に含まれる最小の構成要素(最小の文字)に外接する長方形の短辺の長さの例えば0.1倍〜0.2倍にするとよい。即ち、例えば標章Sとしてアルファベットのような文字を採用すると、アルファベットの大文字と小文字とではフォントサイズが同じであっても文字自体の大きさには差が生じるが、標章S群(文字列)に含まれる最小の構成要素(最小の文字)を基準として格子状模様10Aの各構成単位の一辺の長さを設定することで、標章S群(文字列)に含まれる全ての構成要素(文字)に対して格子状模様10Aによる視認性向上の効果を発揮することが可能になる。
突出部11aおよび窪み部12aは、前述のように平面視において点対称の関係にあれば、その平面視形状は特に限定されないが、図3,4に示すような半円形状の他、図5,6に例示するように、突出部11aおよび窪み部12aが凹部12側または凸部11側に最も突き出した点を頂点とする角部を備えた仕様にすることもできる。特に、図5,6の例では、突出部11aおよび窪み部12aがそれぞれ略三角形状をなしている。このような仕様にして、凸部11および突出部11aと凹部12および窪み部12aとの境界が直線の組み合わせとした場合、走行中にサイドウォール部2に生じる外傷は直線状のものが多いため、外傷が生じたとしても直線的な境界で構成された格子状模様10Aの中に外傷を紛れさせることができ、効果的に外傷を目立ち難くすることができる。
図3〜6のいずれの場合も、突出部11aの凹部10側への最大突き出し長さL1は境界部において凸部11の突出部11aを備えた辺の長さAの0.1倍〜0.2倍であることが好ましく、窪み部12aの凸部11側への最大突き出し長さL2は境界部において凹部12の窪み部12aを備えた辺の長さAの0.1倍〜0.2倍であることが好ましい。このように突出部11aおよび窪み部12aの突き出し長さL1,L2を凸部11または凹部12の辺の長さAに対して適度な大きさに設定することで、格子状模様10Aの各構成単位の形状を最適化することができ、視認性を高めるには有利になる。このとき、最大突き出し長さL1,L2が対応する辺の長さAの0.1倍よりも小さいと、突出部11aおよび窪み部12aが小さ過ぎるため、突出部11aおよび窪み部12aを設けることによる視認性や外傷に対する効果が充分に得られなくなる。最大突き出し長さL1,L2が対応する辺の長さAの0.2倍よりも大きいと、凸部11中に占める窪み部12aの割合、または凹部12中に占める突出部11aの割合が大きくなり過ぎて、格子状模様10Aの各構成単位の形状が複雑になり過ぎるため効果的に光の当たり方を変えて色調を変化させることが難しくなり、充分に視認性を高めることが難しくなる。また、窪み部12aによって凸部11が大きく抉れた形状になるため、特に凸部11の耐久性を保つことが難しくなる。
また、突出部11の境界部における幅W1は境界部において凸部11の突出部11aを備えた辺の長さAの0.1倍〜0.25倍であることが好ましく、窪み部12aの境界部における幅W2は境界部において凹部12の窪み部12aを備えた辺の長さAの0.1倍〜0.25倍であることが好ましい。このように突出部11aおよび窪み部12aの幅W1,W2を対応する辺の長さAに対して適度な大きさに設定することで、格子状模様10Aの各構成単位の形状を最適化することができ、視認性を高めるには有利になる。このとき、幅W1,W2が対応する辺の長さAの0.1倍よりも小さいと、突出部11aおよび窪み部12aが小さ過ぎるため、突出部11aおよび窪み部12aを設けることによる視認性や外傷に対する効果が充分に得られなくなる。幅W1,W2が対応する辺の長さAの0.25倍よりも大きいと、突出部11aおよび窪み部12aが設けられる辺における突出部11aおよび窪み部12aの両側の直線部分が充分に確保できず、この辺が実質的に突出部11aと窪み部12aとが交互に並んだジグザグ形状または波形状を成すことになり、本来意図した格子状模様10Aの形状から外れてしまい、効果的に視認性を高めることが難しくなる。
突出部11aおよび窪み部12aは、境界部の中でもその中央付近に配置されることが好ましい。特に、図示のように、平面視において点対称の関係にある突出部11aと窪み部12aとが対称点Pにおいて接しており、この対称点Pがこれら突出部11aおよび窪み部12aを備えた辺の中点からこの辺の長さAの0.15倍以内の範囲に位置することが好ましい。言い換えれば、突出部11aおよび窪み部12aを備えた辺の中点から、その辺に設けられた突出部11aおよび窪み部12aの対称点Pまでの距離dが、この辺の長さAの0.15倍以内であることが好ましい。このように突出部11aおよび窪み部12aを配置することで、格子状模様10Aの各構成単位の形状を良好にすることができ、視認性を高めるには有利になる。特に、このような配置にすることで、突出部11aおよび/または窪み部12aを備えた辺の端部に突出部11aおよび窪み部12aが形成されない直線部分を存在させることが好ましく、この直線部分の長さが少なくともこの辺の長さAの0.25倍であることが好ましい。
格子状模様10Aを構成する凸部11と凹部12とは、光の当たり方の違いによる凸部11および凹部12の明暗の差の程度を良好にするために、凹部12の底面と凸部11の頂面との高低差H1が0.5mm〜2.0mmになるように構成するとよい。このとき、この高低差H1が0.5mmよりも小さいと、凸部11と凹部12との高低差が殆ど無いため、光の当たり方に大きな差が出ず、凸部11と凹部12とに明暗の差が充分に生じないため、格子状模様10Aによって視認性を高めることが難しくなる。この高低差H1が2.0mmよりも大きいと、サイドウォール部2のゴムゲージが凸部11において厚くなり過ぎるか、或いは、凹部12において薄くなり過ぎるため、タイヤ本来の性能に悪影響が出る虞がある。
サイドウォール部2に凸部11および凹部12を形成する際、凹部12の底面をサイドウォール部2の基面に対して窪ませて凹部12を形成することもできるが、凹部12においてサイドウォール部2のゴムゲージが薄くなることが懸念されるので、サイドウォール部2の基面と凹部12の底面とが同じ高さであることが好ましい。また、装飾部10全体をサイドウォール部2の基面よりも隆起させて、凹部12の底面がサイドウォール部2の基面よりも突き出た態様にすることもできるが、この態様ではサイドウォール部2の装飾部10を設けた部分のゴムゲージが厚くなることが懸念されるので、この観点からもサイドウォール部2の基面と凹部12の底面とが同じ高さであることが好ましい。
本発明では、前述のように装飾部10内に標章Sを形成するか(図1の態様)、或いは装飾部10自体が標章Sをなすようにしている(図2の態様)が、いずれの場合も標章Sがサイドウォール部2の表面から突き出した突条13によって縁取られていることが好ましい。具体的には、図1の態様の場合、装飾部10内にサイドウォール部2の表面から突き出した突条13によって縁取られた標章Sを備え、突条13によって囲まれた標章S内の領域が格子状模様10Aを有さない平坦面で構成されているようにするとよい。或いは、図2の態様の場合、装飾部10で標章Sを構成するにあたって、この標章Sの周縁にサイドウォール部2の表面から突き出して標章Sを縁取る突条13を備えるようにするとよい。このように標章Sを突条13によって縁取ることで、格子状模様10Aを備えた部分と格子状模様10Aを備えない部分との境界が明確になり、視認性を高めるには有利になる。このとき、いずれの場合も、縁取りを構成する突条13の高さは凸部11よりも高いことが好ましく、凹部12の底面からの突出高さH3が例えば0.3mm〜2.0mmであるとよい。
尚、図1の態様の場合、図3〜6における装飾部10は標章Sの外側であって、図3〜6における突条13の左側の部分は標章S内の平坦面である。逆に、図2の態様の場合、図3〜6における装飾部10は標章S自体(標章Sを縁取る突条13の内側)であって、図3〜6における突条13の左側の部分は標章Sの周囲のサイドウォール部2の基面である。
本発明では、上述の格子状模様10Aによって充分に視認性を高めることができるが、更に、図7,8に示すように、凹部12の底面にリッジ14を設けてもよい。このようにリッジ14を設けることで、凸部11に対して凹部12をより暗く見せることができ、光の当たり方の違いによる凸部11と凹部12との明暗の差が明瞭になり、視認性を高めるには有利になる。
タイヤサイズ205/65R16である空気入りタイヤにおいて、図1のようにサイドウォール部に凸部および凹部の組み合わせからなる格子状模様を備えた装飾部を設け、この装飾部内に格子状模様を備えない標章を配し、格子状模様を構成する凸部および凹部の基調となる形状、凸部と凹部との高低差H1、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部において凸部から凹部へ突き出した突出部の有無、この突出部の形状、最大突き出し長さL1、幅W1、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部において凹部から凸部へ突き出した窪み部の有無、この窪み部の形状、最大突き出し長さL2、幅W2、突出部および窪み部が形成された辺の中点から突出部と窪み部との対称点までの距離d、標章を縁取る突条の有無(縁取りの有無)、凹部底面のリッジの有無をそれぞれ表1に記載のように異ならせた比較例1〜2、実施例1〜12の14種類のタイヤを製作した。
また、タイヤサイズ205/65R16である空気入りタイヤにおいて、図2のようにサイドウォール部に凸部および凹部の組み合わせからなる格子状模様を備えた装飾部で構成された標章を設け、格子状模様を構成する凸部および凹部の基調となる形状、凸部と凹部との高低差H1、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部において凸部から凹部へ突き出した突出部の有無、この突出部の形状、最大突き出し長さL1、幅W1、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部において凹部から凸部へ突き出した窪み部の有無、この窪み部の形状、最大突き出し長さL2、幅W2、突出部および窪み部が形成された辺の中点から突出部と窪み部との対称点までの距離d、標章を縁取る突条の有無(縁取りの有無)、凹部底面のリッジの有無をそれぞれ表2に記載のように異ならせた比較例3〜4、実施例13〜24の14種類のタイヤを製作した。
尚、比較例1,3は、格子状模様を四角形状の凹部と凸部とを交互に配置して構成した例である。比較例2,4は、格子状模様を四角形状の凹部と凸部とを交互に配置して構成した例であり、それぞれ例えば実施例1,13において突出部および窪み部を取り除いた構造を有する例である。実施例1〜24において、1つの境界部(辺)に形成された突出部と窪み部とは、図3〜6等に示されるように対称点において接するように形成した。
表1,2において、突出部および窪み部の形状について、それぞれ対応する図面が存在する場合は、その図番を表中に付記した。長さL1,L2、幅W1,W2、距離dは、いずれも対象となる突出部および/または窪み部が形成された辺の長さに対して何倍であるかを示している。尚、実施例1〜24において、この辺の長さは前述の格子状模様の各構成単位の一辺の長さと一致する。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、視認性および外傷の目立ち難さを評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
視認性
各試験タイヤの図柄(標章)の視認性について、10名のパネラーの目視により、以下の基準で判定した。評価結果は、以下の基準に基づく評価値の総和を求め、表1については比較例1を100とする指数、表2については比較例3を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど視認性が優れることを意味する。
[判定基準]
4:標章の構成単位(文字)のそれぞれについて明確に認識できた。
3:標章の構成単位(文字)の一部が不明瞭であったが、標章全体(文字列全体)とし ては明瞭な印象を受けた。
2:標章の構成単位(文字)を個別に判別することは難しかったが、標章全体(文字列 全体)は認識できた。
1:標章全体が周囲に対して不明瞭な印象を受けた。
外傷の目立ち難さ
各試験タイヤの装飾部に同じ大きさの外傷を付け、10名のパネラーの目視により、この外傷の目立ち難さを以下の基準で評価した。評価結果は、以下の基準に基づく評価値の総和を求め、表1については比較例1を100とする指数、表2については比較例3を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど外傷を発見し難く、外傷が目立ち難いことを意味する。
[判定基準]
3:外傷を認識できなかった。
2:外傷があることは把握できたが、この外傷によってタイヤ外観が大きく損なわれた 印象は受けなかった。
1:外傷を明確に認識できた。
Figure 2017137025
Figure 2017137025
表1,2から判るように、実施例1〜12および実施例13〜24の空気入りタイヤは、それぞれ比較例1,3との対比において、視認性と外傷の目立ち難さを良好にすることができた。一方、比較例2,4は、格子状模様を構成する凸部および凹部が三角形状であっても、突出部および窪み部を備えないため、視認性を充分に高めることができず、また外傷の目立ち難さを改善することはできなかった。尚、表には示していないが、実施例3〜12において突出部および窪み部の形状を図6のような三角形状にした場合、実施例1の指数値に対する実施例2の指数値の増加分が、実施例3〜12に加算された結果になった。同様に、実施例15〜24において突出部および窪み部の形状を図6のような三角形状にした場合も、実施例13の指数値に対する実施例14の指数値の増加分が、実施例15〜24に加算された結果になった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 装飾部
10A 格子状模様
11 凸部
11a 突出部
12 凹部
12a 窪み部
13 突条
14 リッジ
S 標章
P 対称点

Claims (9)

  1. タイヤサイド部に装飾部を備えた空気入りタイヤであって、該装飾部は格子状模様を備え、該格子状模様は平面視で三角形の基調を有する複数の凸部と平面視で三角形の基調を有する複数の凹部とを含んで前記凸部と前記凹部とが交互に配置された構造を有し、隣り合う一対の凸部と凹部との境界部に凸部から凹部へ突き出した突出部と凹部から凸部へ突き出した窪み部とを有し、これら突出部と窪み部とが平面視において点対称の関係にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突出部の凹部側への最大突き出し長さが前記境界部において前記凸部の前記突出部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.2倍であり、前記窪み部の凸部側への最大突き出し長さが前記境界部において前記凹部の前記窪み部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.2倍であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記突出部の前記境界部における幅が前記境界部において前記凸部の前記突出部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.25倍であり、前記窪み部の前記境界部における幅が前記境界部において前記凹部の前記窪み部を備えた辺の長さの0.1倍〜0.25倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 平面視において点対称の関係にある前記突出部と前記窪み部とが対称点において接しており、この対称点がこれら突出部および窪み部を備えた辺の中点からこの辺の長さの0.15倍以内の範囲に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突出部および前記窪み部が前記凹部側または前記凸部側に最も突き出した点を頂点とする角部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記凹部の底面と前記凸部の頂面との高低差が0.5mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記凹部の底面にリッジを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記装飾部内に前記タイヤサイド部の表面から突き出した突条によって縁取られた標章を備え、前記突条によって囲まれた前記標章内の領域が前記格子状模様を有さない平坦面で構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記装飾部が標章を構成し、該標章の周縁にタイヤサイド部の表面から突き出して前記標章を縁取る突条を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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