JPH0669480U - 液体封入式ブッシュ - Google Patents

液体封入式ブッシュ

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JPH0669480U
JPH0669480U JP1157793U JP1157793U JPH0669480U JP H0669480 U JPH0669480 U JP H0669480U JP 1157793 U JP1157793 U JP 1157793U JP 1157793 U JP1157793 U JP 1157793U JP H0669480 U JPH0669480 U JP H0669480U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車両の前後方向の荷重に対して良好な減衰特性
を発揮するとともに上下方向の荷重に対しても軟らかい
ばね特性を有し、しかも耐久性を損なうことなく有効に
ハーシュネス対策を講じることのできる液体封入式ブッ
シュを提供する。 【構成】 本体ゴム部4は、軸方向両端側に設けられた
一対の環状側壁部41と、内筒2の外周面のストッパ7
と略90°角度をずらした軸対称位置に軸方向に延在し
てその両端が各環状側壁部41の内面に一体的に連結さ
れ、液室3aを分離する一対の腕状隔壁部42とを有し
ている。各環状側壁部41の軸方向外側面には、各腕状
隔壁部42と対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方
に向かって抉れるとともにその先端が狭小凹部41bと
なった凹部41aが設けられている。各腕状隔壁部42
の軸方向両端にはそれぞれ端に近づくほど幅広となった
幅広部が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば自動車の懸架装置に用いる液体封入式ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車体に対して車輪やディファレンシャル装置等を懸架す るために、各種のアーム、ロットリングなどの懸架部材が各種方向に揺動可能に 取り付けられている。そして、この懸架部材の両端の枢着部には、一般に揺動の 緩和などを目的としてサスペンションブッシュが組み込まれている。
【0003】 このようなサスペンションブッシュ等の防振支持体として用いられる液体封入 式ブッシュとして、従来より例えば図8及び図9に示すようなものが知られてい る。この液体封入式ブッシュは、外筒81と、外筒81の内側に配置された内筒 82と、外筒81と内筒82との間に介在して両者を一体的に連結し、内筒82 を挟んで軸直角方向両側に形成された一対の液室83、83、並びに各液室83 、83を連通するオリフィス通路84をもつ本体ゴム部85と、各液室83、8 3及びオリフィス通路84内に封入された液体86と、各液室83、83にそれ ぞれ収容され、その基端が内筒82に固定されるとともにその先端が外筒81と クリアランスをもって配置されたストッパゴム部87とを備えている。なおスト ッパゴム部87には、ストッパ内部金具88が内蔵されている。また本体ゴム部 85は、軸方向両端側に設けられた一対の環状側壁部85a、85aと、軸方向 に延在してその軸方向両端が各該環状側壁部85aの内面に一体的に連結され、 各液室83、83を軸直角方向に区画する一対の腕状隔壁部85b、85bとを 有している。さらに、外筒81と本体ゴム部85との間には、上記液室83、8 3に対応する位置に2つの開口部が設けられた円筒状金具89が配設されており 、一対の腕状隔壁部85bの外周に位置する円筒状金具89の外側と外筒81と の間にオリフィス通路84が形成されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記構成を有する従来の液体封入式ブッシュは、例えば車両の懸架部材の両端 の枢着部に組み込まれ、このとき車両の前後方向の減衰機能を高めるために、一 方の液室83から他方の液室83への方向を車両の前後方向に合致させ、一方の 腕状隔壁部85bから他方の腕状隔壁部85bへの方向を車両の上下方向に合致 させて用いられる。
【0005】 この使用時に、本体ゴム部85の弾性作用やオリフィス通路84を介して各液 室83、83間を流動する液体86の流体作用により、車両の前後方向(図8の P矢印方向)荷重に対して良好な減衰作用を果たす。 一方、車両の上下方向(図8のQ矢印方向)荷重に対して、各腕状隔壁部85 bには圧縮、引張り荷重のみが作用する。このため、一方の腕状隔壁部85bか ら他方の腕状隔壁部85bへの方向、つまり車両の上下方向には高いばね定数が 作用し、上下方向の振動を充分に吸収することができないという欠点がある。
【0006】 そこで、上記欠点を補填する手段として、実公平2−36986号公報に開示 されているように、各腕状隔壁部85bに軸方向に貫通する空洞を設けることに より、一方の腕状隔壁部85bから他方の腕状隔壁部85bへの方向のばね定数 を低減させることが考えられる。しかし、この場合腕状隔壁部85bに空洞を設 ける関係上、腕状隔壁部85bは周方向にある程度幅をもたせて耐久性を確保す ることが必要となる。
【0007】 ここで、ハーシュネス(車両が道路の段差等を通過したときに生じる衝撃的な 振動)対策を考慮した場合、車両の前後方向のみならず、車両の前後方向から上 下方向にある角度ずれた方向にも大きなストローク量を確保した方が有利となる 。しかし、上記腕状隔壁部85bに空洞を設けた液体封入式ブッシュは、周方向 にある程度の幅を有するので、車両の前後方向から上下方向に所定角度ずれた方 向の荷重に対して、腕状隔壁部85bのばね特性が圧縮ばね特性に近づく。この ため、該前後方向から上下方向に所定角度ずれた方向のストローク量を充分に確 保することができなくなり、ハーシュネス対策の点で不利となる。
【0008】 本考案は上記実情に鑑みてなされたものであり、車両の前後方向の荷重に対し て良好な減衰特性を発揮するとともに、車両の上下方向の荷重に対しても軟らか いばね特性を有し、しかも耐久性を損なうことなく有効にハーシュネス対策を講 じることのできる液体封入式ブッシュの提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案の液体封入式ブッシュは、外筒と、 該外筒の内側に配置された内筒と、 該外筒と該内筒との間に介在して両者を連結し、該内筒を挟んで軸直角方向両 側に設けられた一対の液室と、各該液室を連通するオリフィス通路とをもつ本体 ゴム部と、 各該液室及び該オリフィス通路内に封入された液体と、 該内筒の外周面の軸対称位置から各該液室内にそれぞれ突出し、その先端が該 外筒の内周面と所定間隔を隔てて設けられた一対のストッパとを備えた液体封入 式ブッシュにおいて、 前記本体ゴム部は、軸方向両端側に設けられた一対の環状側壁部と、前記内筒 の外周面の各前記ストッパと略90°角度をずらした軸対称位置に軸方向に延在 してその両端が各該環状側壁部の内面に一体的に連結され、前記液室を分離する 一対の腕状隔壁部とを有し、 各該環状側壁部の軸方向外側面には、各該腕状隔壁部と対応する軸対称位置に それぞれ軸方向内方に向かって抉れるとともにその先端が狭小凹部となった凹部 が設けられ、かつ、各該腕状隔壁部の軸方向両端にはそれぞれ端に近づくほど幅 広となった幅広部が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
本考案の液体封入式ブッシュは、一方の液室から他方の液室への方向(車両の 前後方向)の荷重に対しては、一方の液室から他方の液室にオリフィス通路を介 して流動する液体の流体作用により良好な減衰作用が得られる。 また、本考案の液体封入式ブッシュにおいては、各環状側壁部の軸方向外側面 には、各腕状隔壁部と対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かって抉れ るとともに、その先端が狭小凹部となった凹部が設けられている。このため、一 方の腕状隔壁部から他方の腕状隔壁部への方向(車両の上下方向)の荷重に対し て、上記先端が狭小凹部となった凹部が設けられている分だけばね定数が低減し 、車両の上下方向の高周波振動を良好に吸収することができる。
【0011】 しかも本考案の液体封入式ブッシュは、環状側壁部の内面に連結された腕状隔 壁部の両端に、それぞれ端に近づくほど幅広となった幅広部が設けられている。 このため、上記したように環状側壁部の軸方向外側面に軸方向内方に向かって抉 れ、しかもその先端が狭小凹部となった凹部が設けられていても、これに対応す る腕状隔壁部の端部に幅広部が設けられているので、環状側壁部及び腕状隔壁部 における肉厚を稼ぐことができ、耐久性や液圧の低下の観点から要求される最小 肉厚を確保することができる。このため、上記狭小凹部を軸方向内方により深く 形成することが可能となり、上記上下方向の荷重に対するばね定数をより低減す ることができる。
【0012】 さらに、耐久性や液圧の低下の観点から要求される環状側壁部及び腕状隔壁部 における最小肉厚を確保することができることから、ハーシュネス対策の面でも 有利となる。 つまり、上下方向のばね定数を低減させるために腕状隔壁部の空洞を設けた従 来の液体封入式ブッシュでは、耐久性を確保するために、腕状隔壁部を周方向に 幅をもたせる必要があり、ハーシュネス対策の面で不利となっていた。しかし、 本考案の液体封入式ブッシュでは、上述したように腕状隔壁部に空洞を設けるこ となく、しかも腕状隔壁部の幅広部で耐久性等に必要な最小肉厚を確保しつつ、 上下方向のばね定数を低減させることができるので、腕状隔壁部を周方向に幅を もたせる必要がない。したがって、車両の前後方向から上下方向に所定角度ずれ た方向に対しても、各腕状隔壁部は良好にせん断ばね特性を示すので、該方向の ストローク量を充分に確保することができ、ハーシュネス対策の面でも有利とな る。
【0013】
【実施例】
以下、本考案の具体的な実施例を図面に基づき説明する。 (実施例1) 図1〜図5に示す本実施例1の液体封入式ブッシュは、金属製の外筒1と、外 筒1の内側に配置された金属製の内筒2と、内筒2の外周面に加硫接着され、内 筒2を挟んで軸直角方向両側に設けられた一対の液室3a、3a及び両室を連通 するオリフィス通路3bをもつ本体ゴム部4と、その内周面に同本体ゴム部4が 加硫接着され上記外筒1の内周側に配設された円筒状金具5と、各液室3a、3 a及びオリフィス通路3b内に封入された液体(水やアルキレングリコール、シ リコンオイル等の非圧縮性流体)6と、内筒2の外周面の軸対称位置から各液室 3a、3a内にそれぞれ突出し、その先端が外筒1の内周面と所定間隔を隔てて 設けられた一対のストッパ7、7とを備えている。
【0014】 外筒1の内周面には薄肉状のシールゴム部11が加硫接着されており、外筒1 の軸方向両端部には径方向内方に屈曲されたかしめ部12が設けられている。 内筒2の外周面には、軸方向の中央に軸方向に所定長さにわたって延在し、径 方向外方に突出する膨出部21が一体的に形成されている。この膨出部21が内 筒2の外周面の軸対称位置から各液室3a、3a内にそれぞれ突出している部分 の先端は、外筒1の内周面と所定間隔を隔てて設けられ、かつ、該外筒1の内周 面とほぼ同心円状の円弧外周面21aとなっている。そして、この円弧外周面2 1aには、本体ゴム部4、詳しくは本体ゴム部4の一対の腕状隔壁部(後述する )42と一体的に形成された所定肉厚のストッパゴム部71が加硫接着によりそ れぞれ形成されている。
【0015】 本体ゴム部4は、軸方向両端側に設けられた一対の環状側壁部41、41と、 内筒2の外周面に設けられた各ストッパ7、7と略90°角度をずらした軸対称 位置に軸方向に延在してその両端が各環状側壁部41、41の内面に一体的に連 結され、液室3a、3aを軸直角方向に分離する一対の腕状隔壁部42、42と を有している。なお、各腕状隔壁部42の周方向幅は、内筒2の内径とほぼ同等 に設定されている。
【0016】 各環状側壁部41の軸方向外側面には、各腕状隔壁部42と対応する軸対称位 置で外筒1に近い側にそれぞれ軸方向内方に向かって抉れた凹部41aが設けら れている。各凹部41aは、腕状隔壁部42の周方向幅の4倍程度の周方向幅に わたって抉られている。そして、各凹部41aの周方向の中心には、直径が腕状 隔壁部42の幅より若干小さく断面略半円状の狭小凹部41bが極部的に設けら れている。この狭小凹部41bの最深部は、環状側壁部41の軸方向の内側端面 まで到達しており、少なくとも円筒状金具5の環状部(後述する)51の軸方向 の内側端面よりは軸方向の内側まで達している。なお、狭小凹部41b以外の凹 部41a部分の深さは、環状側壁部41の軸方向の中央部程度まで達している。
【0017】 また、各腕状隔壁部42の軸方向両端、つまり環状側壁部41の軸方向の内側 端面との境界部には、図4に示すように、それぞれ端に近づくほど幅広となった 幅広部42aが設けられている。これにより、環状側壁部41と腕状隔壁部42 との境界部分は、軸方向の断面形状において略Y字形状となっている。 円筒状金具5は、本体ゴム部4の外周面全体を覆うとともに、液室3a、3a に対応する位置に2つの開口部が形成されている。つまり円筒状金具5は、本体 ゴム部4の環状側壁部41の外周面に加硫接着された一対の環状部51と、本体 ゴム部4の各腕状隔壁部42、42の外周面に加硫接着された一対の縮径連結部 52、52とから構成されている。さらに、この縮径連結部52の外周面には、 腕状隔壁部42と一体的に形成された厚肉ゴム部53が加硫接着されている。そ して、一方側(図2の上側)の腕状隔壁部42の外周面を覆う縮径連結部52の 外周面に形成された厚肉ゴム部53の軸方向中央には、周方向に連続し、かつ軸 方向に所定長さにわたってゴム非形成部が設けられており、このゴム非形成部に よりオリフィス通路3bが形成されている。なお、円筒状金具5の軸方向両端は 、外筒1のかしめ部12により規制さている。
【0018】 本実施例の液体封入式ブッシュを製造するには、内筒2及び円筒状金具5と、 本体ゴム部4との一体物を予め所定の加硫成形操作より形成する。この一体物を 、液体6が収容された槽中で外筒1内に挿嵌して、液室3a及びオリフィス通路 3bを形成するとともにこれらの中に液体6を封入した後、外筒1の外周を絞り 加工するとともに、軸方向両端を径方向内方に屈曲することにより、液体封入式 ブッシュを完成する。
【0019】 上記構成を有する本実施例の液体封入式ブッシュは、例えば車両の懸架部材の 両端の枢着部に組み込まれ、このとき車両の前後方向の減衰機能を高めるために 、一方の液室3aから他方の液室3aへの方向(図2のP矢印方向)を車両の前 後方向に合致させ、一方の腕状隔壁部42から他方の腕状隔壁部42への方向( 図2のQ矢印方向)を車両の上下方向に合致させて用いられる。
【0020】 この使用時に、本体ゴム部4の弾性作用やオリフィス通路3bを介して各液室 3a、3a間を流動する液体6の流体作用により、車両の前後方向(P矢印方向 )荷重に対して良好な減衰作用を果たす。 一方、車両の上下方向(Q矢印方向)荷重に対して、各環状側壁部41の軸方 向外側面には、各腕状隔壁部42と対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に 向かって抉れるとともに、その先端が狭小凹部41bとなった凹部41aが設け られている。このため、一方の腕状隔壁部42から他方の腕状隔壁部42への方 向(車両の上下方向)の荷重に対して、上記先端が狭小凹部41bとなった凹部 41aが設けられている分だけばね定数が低減し、車両の上下方向の高周波振動 を良好に吸収することができる。
【0021】 さらに、本実施例の液体封入式ブッシュでは、上記狭小凹部41bの最深部が 円筒状金具5の環状部51の軸方向の内側端面よりも若干軸方向の内側まで達し ている。このため、上下方向の荷重に対して、凹部41aが形成された部分の環 状側壁部41の静ばね定数を極端に低減させることができ、上下方向の荷重に対 する静ばね定数を前後方向の荷重に対する静ばね定数とほぼ同等になるまで低減 させることができる。なお、円筒状金具5の環状部51の軸方向の内側にも本体 ゴム部4の環状側壁部41が若干形成されているが、この部分の環状側壁部41 の外周面は非接着でありフリーの状態となっており、このゴム部分は圧縮荷重を ほとんど受けない。
【0022】 具体的には、凹部41aを形成していない従来のブッシュにおいては、上下方 向の荷重に対する静ばね定数は50kgf/mmであり、これに狭小凹部41b を有しない凹部41aを形成した場合の上下方向の荷重に対する静ばね定数は4 8kgf/mmであり、狭小凹部41bを有する凹部41aを形成した本実施例 の場合の上下方向の荷重に対する静ばね定数は30kgf/mmとなる。このよ うに上下方向の荷重に対する静ばね定数が低減するのは、上下方向の荷重に対す る静ばね定数のうち、環状側壁部41の静ばね定数が凹部41a、狭小凹部41 bを形成することにより低減するからである(狭小凹部41bを有しない凹部4 1aを形成した場合の環状側壁部41の上下方向の荷重に対する静ばね定数は2 3kgf/mmであり、狭小凹部41bを有する凹部41aを形成した場合の環 状側壁部41の上下方向の荷重に対する静ばね定数は5kgf/mmである)。
【0023】 さらに、本実施例の液体封入式ブッシュにおいては、環状側壁部41の内面に 連結された腕状隔壁部42の両端には、それぞれ端に近づくほど幅広となった幅 広部42aが設けられている。このため、上記したように環状側壁部41の軸方 向外側面に軸方向内方に向かって抉れ、しかもその先端が狭小凹部41bとなっ た凹部41aが設けられていても、これに対応する腕状隔壁部42の端部に幅広 部42aが設けられているので、環状側壁部41及び腕状隔壁部42における肉 厚を稼ぐことができ、耐久性や液圧の低下の観点から要求される最小肉厚を確保 することができる。このため本実施例では、腕状隔壁部42の周方向幅を内筒2 の内径とほぼ同程度と小さくすることができ、したがって、車両の前後方向から 上下方向に所定角度ずれた方向に対しても、各腕状隔壁部42は良好にせん断ば ね特性を示すので、該方向のストローク量を充分に確保することができ、ハーシ ュネス対策の面でも有利となる。 (実施例2) 図7に示す本実施例2の液体封入式ブッシュは、環状側壁部41に形成する狭 小凹部41bの形状を変更したもので、他の構成は上記実施例と同様である。
【0024】 上記実施例1の狭小凹部41bは、軸方向の断面形状が略半円状で極部的に深 さが深くなるように設けたものであるが、本実施例2の狭小凹部41bは、軸方 向の断面形状が略三角形状で凹部41aから深さが徐々に深くなるように設けた ものである。 本実施例2に係る液体封入式ブッシュも上記実施例1と同様の作用、効果を奏 する。
【0025】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案の液体封入式ブッシュは、車両の前後方向の荷重 に対して液室間を流動する流体作用により良好な減衰特性を発揮するとともに、 車両の上下方向の荷重に対しても、本体ゴム部の腕状隔壁部に形成した幅広部に より最小肉厚を確保しつつ環状側壁部に所定形状の凹部を形成することにより、 充分に軟らかいばね特性を発揮することができる。
【0026】 また、従来のように腕状隔壁部に空洞を設けることなく、しかも腕状隔壁部の 幅広部で耐久性等に必要な最小肉厚を確保しつつ、上下方向のばね定数を低減さ せることができるので、腕状隔壁部を周方向に幅をもたせる必要がない。したが って、車両の前後方向から上下方向に所定角度ずれた方向に対しても、各腕状隔 壁部は良好にせん断ばね特性を示すので、該方向のストローク量を充分に確保す ることができ、ハーシュネス対策の面でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液体封入式ブッシュの軸方向の断面
図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
【図2】実施例1の液体封入式ブッシュの軸直角方向の
断面図である。
【図3】実施例1の液体封入式ブッシュの側面図であ
る。
【図4】実施例1の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物における凹部41a
及び狭小凹部41bの状態を示す底面図である。
【図5】実施例1の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物の平面図である。
【図6】実施例1の液体封入式ブッシュに対して、狭小
凹部41bを有しない比較例の液体封入式ブッシュに係
る内筒、本体ゴム部及び円筒状金具の一体物の状態を示
す底面図である。
【図7】実施例2の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物における凹部41a
及び狭小凹部41bの状態を示す底面図である。
【図8】従来の液体封入式ブッシュの軸方向の断面図で
ある。
【図9】従来の液体封入式ブッシュの図8のB−B線で
切った軸直角方向の断面図である。
【符号の説明】
1は外筒、2は内筒、3aは液室、3bはオリフィス通
路、4は本体ゴム部、41は環状側壁部、41aは凹
部、41bは狭小凹部、42は腕状隔壁部、42aは幅
広部、6は液体、7はストッパである。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒と、 該外筒の内側に配置された内筒と、 該外筒と該内筒との間に介在して両者を連結し、該内筒
    を挟んで軸直角方向両側に設けられた一対の液室と、各
    該液室を連通するオリフィス通路とをもつ本体ゴム部
    と、 各該液室及び該オリフィス通路内に封入された液体と、 該内筒の外周面の軸対称位置から各該液室内にそれぞれ
    突出し、その先端が該外筒の内周面と所定間隔を隔てて
    設けられた一対のストッパとを備えた液体封入式ブッシ
    ュにおいて、 前記本体ゴム部は、軸方向両端側に設けられた一対の環
    状側壁部と、前記内筒の外周面の各前記ストッパと略9
    0°角度をずらした軸対称位置に軸方向に延在してその
    両端が各該環状側壁部の内面に一体的に連結され、前記
    液室を分離する一対の腕状隔壁部とを有し、 各該環状側壁部の軸方向外側面には、各該腕状隔壁部と
    対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かって抉
    れるとともにその先端が狭小凹部となった凹部が設けら
    れ、かつ、各該腕状隔壁部の軸方向両端にはそれぞれ端
    に近づくほど幅広となった幅広部が設けられていること
    を特徴とする液体封入式ブッシュ。
JP1157793U 1993-03-16 1993-03-16 液体封入式ブッシュ Expired - Lifetime JP2571085Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015172422A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 山下ゴム株式会社 液封式防振装置

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