JP2571085Y2 - 液体封入式ブッシュ - Google Patents

液体封入式ブッシュ

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JP2571085Y2
JP2571085Y2 JP1157793U JP1157793U JP2571085Y2 JP 2571085 Y2 JP2571085 Y2 JP 2571085Y2 JP 1157793 U JP1157793 U JP 1157793U JP 1157793 U JP1157793 U JP 1157793U JP 2571085 Y2 JP2571085 Y2 JP 2571085Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば自動車の懸架装
置に用いる液体封入式ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車体に対して車輪
やディファレンシャル装置等を懸架するために、各種の
アーム、ロットリングなどの懸架部材が各種方向に揺動
可能に取り付けられている。そして、この懸架部材の両
端の枢着部には、一般に揺動の緩和などを目的としてサ
スペンションブッシュが組み込まれている。
【0003】このようなサスペンションブッシュ等の防
振支持体として用いられる液体封入式ブッシュとして、
従来より例えば図8及び図9に示すようなものが知られ
ている。この液体封入式ブッシュは、外筒81と、外筒
81の内側に配置された内筒82と、外筒81と内筒8
2との間に介在して両者を一体的に連結し、内筒82を
挟んで軸直角方向両側に形成された一対の液室83、8
3、並びに各液室83、83を連通するオリフィス通路
84をもつ本体ゴム部85と、各液室83、83及びオ
リフィス通路84内に封入された液体86と、各液室8
3、83にそれぞれ収容され、その基端が内筒82に固
定されるとともにその先端が外筒81とクリアランスを
もって配置されたストッパゴム部87とを備えている。
なおストッパゴム部87には、ストッパ内部金具88が
内蔵されている。また本体ゴム部85は、軸方向両端側
に設けられた一対の環状側壁部85a、85aと、軸方
向に延在してその軸方向両端が各該環状側壁部85aの
内面に一体的に連結され、各液室83、83を軸直角方
向に区画する一対の腕状隔壁部85b、85bとを有し
ている。さらに、外筒81と本体ゴム部85との間に
は、上記液室83、83に対応する位置に2つの開口部
が設けられた円筒状金具89が配設されており、一対の
腕状隔壁部85bの外周に位置する円筒状金具89の外
側と外筒81との間にオリフィス通路84が形成されて
いる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記構成を有する従来
の液体封入式ブッシュは、例えば車両の懸架部材の両端
の枢着部に組み込まれ、このとき車両の前後方向の減衰
機能を高めるために、一方の液室83から他方の液室8
3への方向を車両の前後方向に合致させ、一方の腕状隔
壁部85bから他方の腕状隔壁部85bへの方向を車両
の上下方向に合致させて用いられる。
【0005】この使用時に、本体ゴム部85の弾性作用
やオリフィス通路84を介して各液室83、83間を流
動する液体86の流体作用により、車両の前後方向(図
8のP矢印方向)荷重に対して良好な減衰作用を果た
す。一方、車両の上下方向(図8のQ矢印方向)荷重に
対して、各腕状隔壁部85bには圧縮、引張り荷重のみ
が作用する。このため、一方の腕状隔壁部85bから他
方の腕状隔壁部85bへの方向、つまり車両の上下方向
には高いばね定数が作用し、上下方向の振動を充分に吸
収することができないという欠点がある。
【0006】そこで、上記欠点を補填する手段として、
実公平2−36986号公報に開示されているように、
各腕状隔壁部85bに軸方向に貫通する空洞を設けるこ
とにより、一方の腕状隔壁部85bから他方の腕状隔壁
部85bへの方向のばね定数を低減させることが考えら
れる。しかし、この場合腕状隔壁部85bに空洞を設け
る関係上、腕状隔壁部85bは周方向にある程度幅をも
たせて耐久性を確保することが必要となる。
【0007】ここで、ハーシュネス(車両が道路の段差
等を通過したときに生じる衝撃的な振動)対策を考慮し
た場合、車両の前後方向のみならず、車両の前後方向か
ら上下方向にある角度ずれた方向にも大きなストローク
量を確保した方が有利となる。しかし、上記腕状隔壁部
85bに空洞を設けた液体封入式ブッシュは、周方向に
ある程度の幅を有するので、車両の前後方向から上下方
向に所定角度ずれた方向の荷重に対して、腕状隔壁部8
5bのばね特性が圧縮ばね特性に近づく。このため、該
前後方向から上下方向に所定角度ずれた方向のストロー
ク量を充分に確保することができなくなり、ハーシュネ
ス対策の点で不利となる。
【0008】本考案は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、車両の前後方向の荷重に対して良好な減衰特性を
発揮するとともに、車両の上下方向の荷重に対しても軟
らかいばね特性を有し、しかも耐久性を損なうことなく
有効にハーシュネス対策を講じることのできる液体封入
式ブッシュの提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案の液体封入式ブッ
シュは、外筒と、該外筒の内側に配置された内筒と、該
外筒と該内筒との間に介在して両者を連結し、該内筒を
挟んで軸直角方向両側に設けられた一対の液室と、各該
液室を連通するオリフィス通路とをもつ本体ゴム部と、
各該液室及び該オリフィス通路内に封入された液体と、
該内筒の外周面の軸対称位置から各該液室内にそれぞれ
突出し、その先端が該外筒の内周面と所定間隔を隔てて
設けられた一対のストッパとを備えた液体封入式ブッシ
ュにおいて、前記本体ゴム部は、軸方向両端側に設けら
れた一対の環状側壁部と、前記内筒の外周面の各前記ス
トッパと略90°角度をずらした軸対称位置に軸方向に
延在してその両端が各該環状側壁部の内面に一体的に連
結され、前記液室を分離する一対の腕状隔壁部とを有
し、各該環状側壁部の軸方向外側面には、各該腕状隔壁
部と対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かっ
て抉れるとともにその先端が狭小凹部となった凹部が設
けられ、かつ、各該腕状隔壁部の軸方向両端にはそれぞ
れ端に近づくほど幅広となった幅広部が設けられている
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本考案の液体封入式ブッシュは、一方の液室か
ら他方の液室への方向(車両の前後方向)の荷重に対し
ては、一方の液室から他方の液室にオリフィス通路を介
して流動する液体の流体作用により良好な減衰作用が得
られる。また、本考案の液体封入式ブッシュにおいて
は、各環状側壁部の軸方向外側面には、各腕状隔壁部と
対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かって抉
れるとともに、その先端が狭小凹部となった凹部が設け
られている。このため、一方の腕状隔壁部から他方の腕
状隔壁部への方向(車両の上下方向)の荷重に対して、
上記先端が狭小凹部となった凹部が設けられている分だ
けばね定数が低減し、車両の上下方向の高周波振動を良
好に吸収することができる。
【0011】しかも本考案の液体封入式ブッシュは、環
状側壁部の内面に連結された腕状隔壁部の両端に、それ
ぞれ端に近づくほど幅広となった幅広部が設けられてい
る。このため、上記したように環状側壁部の軸方向外側
面に軸方向内方に向かって抉れ、しかもその先端が狭小
凹部となった凹部が設けられていても、これに対応する
腕状隔壁部の端部に幅広部が設けられているので、環状
側壁部及び腕状隔壁部における肉厚を稼ぐことができ、
耐久性や液圧の低下の観点から要求される最小肉厚を確
保することができる。このため、上記狭小凹部を軸方向
内方により深く形成することが可能となり、上記上下方
向の荷重に対するばね定数をより低減することができ
る。
【0012】さらに、耐久性や液圧の低下の観点から要
求される環状側壁部及び腕状隔壁部における最小肉厚を
確保することができることから、ハーシュネス対策の面
でも有利となる。つまり、上下方向のばね定数を低減さ
せるために腕状隔壁部の空洞を設けた従来の液体封入式
ブッシュでは、耐久性を確保するために、腕状隔壁部を
周方向に幅をもたせる必要があり、ハーシュネス対策の
面で不利となっていた。しかし、本考案の液体封入式ブ
ッシュでは、上述したように腕状隔壁部に空洞を設ける
ことなく、しかも腕状隔壁部の幅広部で耐久性等に必要
な最小肉厚を確保しつつ、上下方向のばね定数を低減さ
せることができるので、腕状隔壁部を周方向に幅をもた
せる必要がない。したがって、車両の前後方向から上下
方向に所定角度ずれた方向に対しても、各腕状隔壁部は
良好にせん断ばね特性を示すので、該方向のストローク
量を充分に確保することができ、ハーシュネス対策の面
でも有利となる。
【0013】
【実施例】以下、本考案の具体的な実施例を図面に基づ
き説明する。 (実施例1) 図1〜図5に示す本実施例1の液体封入式ブッシュは、
金属製の外筒1と、外筒1の内側に配置された金属製の
内筒2と、内筒2の外周面に加硫接着され、内筒2を挟
んで軸直角方向両側に設けられた一対の液室3a、3a
及び両室を連通するオリフィス通路3bをもつ本体ゴム
部4と、その内周面に同本体ゴム部4が加硫接着され上
記外筒1の内周側に配設された円筒状金具5と、各液室
3a、3a及びオリフィス通路3b内に封入された液体
(水やアルキレングリコール、シリコンオイル等の非圧
縮性流体)6と、内筒2の外周面の軸対称位置から各液
室3a、3a内にそれぞれ突出し、その先端が外筒1の
内周面と所定間隔を隔てて設けられた一対のストッパ
7、7とを備えている。
【0014】外筒1の内周面には薄肉状のシールゴム部
11が加硫接着されており、外筒1の軸方向両端部には
径方向内方に屈曲されたかしめ部12が設けられてい
る。内筒2の外周面には、軸方向の中央に軸方向に所定
長さにわたって延在し、径方向外方に突出する膨出部2
1が一体的に形成されている。この膨出部21が内筒2
の外周面の軸対称位置から各液室3a、3a内にそれぞ
れ突出している部分の先端は、外筒1の内周面と所定間
隔を隔てて設けられ、かつ、該外筒1の内周面とほぼ同
心円状の円弧外周面21aとなっている。そして、この
円弧外周面21aには、本体ゴム部4、詳しくは本体ゴ
ム部4の一対の腕状隔壁部(後述する)42と一体的に
形成された所定肉厚のストッパゴム部71が加硫接着に
よりそれぞれ形成されている。
【0015】本体ゴム部4は、軸方向両端側に設けられ
た一対の環状側壁部41、41と、内筒2の外周面に設
けられた各ストッパ7、7と略90°角度をずらした軸
対称位置に軸方向に延在してその両端が各環状側壁部4
1、41の内面に一体的に連結され、液室3a、3aを
軸直角方向に分離する一対の腕状隔壁部42、42とを
有している。なお、各腕状隔壁部42の周方向幅は、内
筒2の内径とほぼ同等に設定されている。
【0016】各環状側壁部41の軸方向外側面には、各
腕状隔壁部42と対応する軸対称位置で外筒1に近い側
にそれぞれ軸方向内方に向かって抉れた凹部41aが設
けられている。各凹部41aは、腕状隔壁部42の周方
向幅の4倍程度の周方向幅にわたって抉られている。そ
して、各凹部41aの周方向の中心には、直径が腕状隔
壁部42の幅より若干小さく断面略半円状の狭小凹部4
1bが極部的に設けられている。この狭小凹部41bの
最深部は、環状側壁部41の軸方向の内側端面まで到達
しており、少なくとも円筒状金具5の環状部(後述す
る)51の軸方向の内側端面よりは軸方向の内側まで達
している。なお、狭小凹部41b以外の凹部41a部分
の深さは、環状側壁部41の軸方向の中央部程度まで達
している。
【0017】また、各腕状隔壁部42の軸方向両端、つ
まり環状側壁部41の軸方向の内側端面との境界部に
は、図4に示すように、それぞれ端に近づくほど幅広と
なった幅広部42aが設けられている。これにより、環
状側壁部41と腕状隔壁部42との境界部分は、軸方向
の断面形状において略Y字形状となっている。円筒状金
具5は、本体ゴム部4の外周面全体を覆うとともに、液
室3a、3aに対応する位置に2つの開口部が形成され
ている。つまり円筒状金具5は、本体ゴム部4の環状側
壁部41の外周面に加硫接着された一対の環状部51
と、本体ゴム部4の各腕状隔壁部42、42の外周面に
加硫接着された一対の縮径連結部52、52とから構成
されている。さらに、この縮径連結部52の外周面に
は、腕状隔壁部42と一体的に形成された厚肉ゴム部5
3が加硫接着されている。そして、一方側(図2の上
側)の腕状隔壁部42の外周面を覆う縮径連結部52の
外周面に形成された厚肉ゴム部53の軸方向中央には、
周方向に連続し、かつ軸方向に所定長さにわたってゴム
非形成部が設けられており、このゴム非形成部によりオ
リフィス通路3bが形成されている。なお、円筒状金具
5の軸方向両端は、外筒1のかしめ部12により規制さ
ている。
【0018】本実施例の液体封入式ブッシュを製造する
には、内筒2及び円筒状金具5と、本体ゴム部4との一
体物を予め所定の加硫成形操作より形成する。この一体
物を、液体6が収容された槽中で外筒1内に挿嵌して、
液室3a及びオリフィス通路3bを形成するとともにこ
れらの中に液体6を封入した後、外筒1の外周を絞り加
工するとともに、軸方向両端を径方向内方に屈曲するこ
とにより、液体封入式ブッシュを完成する。
【0019】上記構成を有する本実施例の液体封入式ブ
ッシュは、例えば車両の懸架部材の両端の枢着部に組み
込まれ、このとき車両の前後方向の減衰機能を高めるた
めに、一方の液室3aから他方の液室3aへの方向(図
2のP矢印方向)を車両の前後方向に合致させ、一方の
腕状隔壁部42から他方の腕状隔壁部42への方向(図
2のQ矢印方向)を車両の上下方向に合致させて用いら
れる。
【0020】この使用時に、本体ゴム部4の弾性作用や
オリフィス通路3bを介して各液室3a、3a間を流動
する液体6の流体作用により、車両の前後方向(P矢印
方向)荷重に対して良好な減衰作用を果たす。一方、車
両の上下方向(Q矢印方向)荷重に対して、各環状側壁
部41の軸方向外側面には、各腕状隔壁部42と対応す
る軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かって抉れると
ともに、その先端が狭小凹部41bとなった凹部41a
が設けられている。このため、一方の腕状隔壁部42か
ら他方の腕状隔壁部42への方向(車両の上下方向)の
荷重に対して、上記先端が狭小凹部41bとなった凹部
41aが設けられている分だけばね定数が低減し、車両
の上下方向の高周波振動を良好に吸収することができ
る。
【0021】さらに、本実施例の液体封入式ブッシュで
は、上記狭小凹部41bの最深部が円筒状金具5の環状
部51の軸方向の内側端面よりも若干軸方向の内側まで
達している。このため、上下方向の荷重に対して、凹部
41aが形成された部分の環状側壁部41の静ばね定数
を極端に低減させることができ、上下方向の荷重に対す
る静ばね定数を前後方向の荷重に対する静ばね定数とほ
ぼ同等になるまで低減させることができる。なお、円筒
状金具5の環状部51の軸方向の内側にも本体ゴム部4
の環状側壁部41が若干形成されているが、この部分の
環状側壁部41の外周面は非接着でありフリーの状態と
なっており、このゴム部分は圧縮荷重をほとんど受けな
い。
【0022】具体的には、凹部41aを形成していない
従来のブッシュにおいては、上下方向の荷重に対する静
ばね定数は50kgf/mmであり、これに狭小凹部4
1bを有しない凹部41aを形成した場合の上下方向の
荷重に対する静ばね定数は48kgf/mmであり、狭
小凹部41bを有する凹部41aを形成した本実施例の
場合の上下方向の荷重に対する静ばね定数は30kgf
/mmとなる。このように上下方向の荷重に対する静ば
ね定数が低減するのは、上下方向の荷重に対する静ばね
定数のうち、環状側壁部41の静ばね定数が凹部41
a、狭小凹部41bを形成することにより低減するから
である(狭小凹部41bを有しない凹部41aを形成し
た場合の環状側壁部41の上下方向の荷重に対する静ば
ね定数は23kgf/mmであり、狭小凹部41bを有
する凹部41aを形成した場合の環状側壁部41の上下
方向の荷重に対する静ばね定数は5kgf/mmであ
る)。
【0023】さらに、本実施例の液体封入式ブッシュに
おいては、環状側壁部41の内面に連結された腕状隔壁
部42の両端には、それぞれ端に近づくほど幅広となっ
た幅広部42aが設けられている。このため、上記した
ように環状側壁部41の軸方向外側面に軸方向内方に向
かって抉れ、しかもその先端が狭小凹部41bとなった
凹部41aが設けられていても、これに対応する腕状隔
壁部42の端部に幅広部42aが設けられているので、
環状側壁部41及び腕状隔壁部42における肉厚を稼ぐ
ことができ、耐久性や液圧の低下の観点から要求される
最小肉厚を確保することができる。このため本実施例で
は、腕状隔壁部42の周方向幅を内筒2の内径とほぼ同
程度と小さくすることができ、したがって、車両の前後
方向から上下方向に所定角度ずれた方向に対しても、各
腕状隔壁部42は良好にせん断ばね特性を示すので、該
方向のストローク量を充分に確保することができ、ハー
シュネス対策の面でも有利となる。 (実施例2) 図7に示す本実施例2の液体封入式ブッシュは、環状側
壁部41に形成する狭小凹部41bの形状を変更したも
ので、他の構成は上記実施例と同様である。
【0024】上記実施例1の狭小凹部41bは、軸方向
の断面形状が略半円状で極部的に深さが深くなるように
設けたものであるが、本実施例2の狭小凹部41bは、
軸方向の断面形状が略三角形状で凹部41aから深さが
徐々に深くなるように設けたものである。本実施例2に
係る液体封入式ブッシュも上記実施例1と同様の作用、
効果を奏する。
【0025】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の液体封入
式ブッシュは、車両の前後方向の荷重に対して液室間を
流動する流体作用により良好な減衰特性を発揮するとと
もに、車両の上下方向の荷重に対しても、本体ゴム部の
腕状隔壁部に形成した幅広部により最小肉厚を確保しつ
つ環状側壁部に所定形状の凹部を形成することにより、
充分に軟らかいばね特性を発揮することができる。
【0026】また、従来のように腕状隔壁部に空洞を設
けることなく、しかも腕状隔壁部の幅広部で耐久性等に
必要な最小肉厚を確保しつつ、上下方向のばね定数を低
減させることができるので、腕状隔壁部を周方向に幅を
もたせる必要がない。したがって、車両の前後方向から
上下方向に所定角度ずれた方向に対しても、各腕状隔壁
部は良好にせん断ばね特性を示すので、該方向のストロ
ーク量を充分に確保することができ、ハーシュネス対策
の面でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液体封入式ブッシュの軸方向の断面
図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
【図2】実施例1の液体封入式ブッシュの軸直角方向の
断面図である。
【図3】実施例1の液体封入式ブッシュの側面図であ
る。
【図4】実施例1の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物における凹部41a
及び狭小凹部41bの状態を示す底面図である。
【図5】実施例1の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物の平面図である。
【図6】実施例1の液体封入式ブッシュに対して、狭小
凹部41bを有しない比較例の液体封入式ブッシュに係
る内筒、本体ゴム部及び円筒状金具の一体物の状態を示
す底面図である。
【図7】実施例2の液体封入式ブッシュに係り、内筒、
本体ゴム部及び円筒状金具の一体物における凹部41a
及び狭小凹部41bの状態を示す底面図である。
【図8】従来の液体封入式ブッシュの軸方向の断面図で
ある。
【図9】従来の液体封入式ブッシュの図8のB−B線で
切った軸直角方向の断面図である。
【符号の説明】
1は外筒、2は内筒、3aは液室、3bはオリフィス通
路、4は本体ゴム部、41は環状側壁部、41aは凹
部、41bは狭小凹部、42は腕状隔壁部、42aは幅
広部、6は液体、7はストッパである。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒と、 該外筒の内側に配置された内筒と、 該外筒と該内筒との間に介在して両者を連結し、該内筒
    を挟んで軸直角方向両側に設けられた一対の液室と、各
    該液室を連通するオリフィス通路とをもつ本体ゴム部
    と、 各該液室及び該オリフィス通路内に封入された液体と、 該内筒の外周面の軸対称位置から各該液室内にそれぞれ
    突出し、その先端が該外筒の内周面と所定間隔を隔てて
    設けられた一対のストッパとを備えた液体封入式ブッシ
    ュにおいて、 前記本体ゴム部は、軸方向両端側に設けられた一対の環
    状側壁部と、前記内筒の外周面の各前記ストッパと略9
    0°角度をずらした軸対称位置に軸方向に延在してその
    両端が各該環状側壁部の内面に一体的に連結され、前記
    液室を分離する一対の腕状隔壁部とを有し、 各該環状側壁部の軸方向外側面には、各該腕状隔壁部と
    対応する軸対称位置にそれぞれ軸方向内方に向かって抉
    れるとともにその先端が狭小凹部となった凹部が設けら
    れ、かつ、各該腕状隔壁部の軸方向両端にはそれぞれ端
    に近づくほど幅広となった幅広部が設けられていること
    を特徴とする液体封入式ブッシュ。
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