JPH0669456B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

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JPH0669456B2
JPH0669456B2 JP4172790A JP4172790A JPH0669456B2 JP H0669456 B2 JPH0669456 B2 JP H0669456B2 JP 4172790 A JP4172790 A JP 4172790A JP 4172790 A JP4172790 A JP 4172790A JP H0669456 B2 JPH0669456 B2 JP H0669456B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は医用超音波ドプラ診断装置、特に生体内部の例
えば、心臓内血流或いは冠動脈血流などの運動する反射
体の血流検出、血流速度、血流量などを良好に測定する
超音波ドプラ診断装置に関する。
[従来の技術] 医療分野において、被検体内の運動反射体、例えば心臓
等の臓器、循環器及び血管内の血流、体液流又は心筋な
どの運動反射体の速度を測定する超音波パルスドプラ法
が実用化されており、この種の超音波ドプラ診断装置
は、従来より被検体内の運動反射体からの反射エコーの
周波数偏移に基づいて運動反射体の運動速度を電気的に
検出している。
すなわち、一定の繰返し周期の超音波パルス波を被検体
内に放射して運動する反射体からの反射波を受信し、超
音波パルス波の往復伝搬時間より運動反射体までの距離
を測定すると共に、受信周波数のドプラ効果による偏移
を演算して運動反射体の速度を測定することができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の超音波ドプラ診断装置
では、受信エコーには運動反射体として血流などの動き
を示すドプラ信号(ドプラ偏移周波数を含む信号)の他
に、これに比して信号の振幅レベルの大きい組織や血管
等によるクラッタ信号が混入されるという問題があっ
た。
すなわち、低速度で運動する血管壁、心臓壁、筋肉など
(固定反射体エコー)からのクラッタ成分の信号が反射
エコーに混入し、このクラッタ信号が運動反射体の運動
速度の検出,測定の妨害になっていた。
この結果、従来では、真の反射エコーだけを高精度に測
定することが困難であった。
特に、例えば心臓に血液を供給している冠動脈のような
心臓の拍動により運動する血管などでは、クラッタ成分
を完全に取り除くことが非常に困難であった。
そこで、従来においては、このクラッタ信号だけの低周
波成分を取り除くためにフィルタによって減衰させるこ
とが行われている。
これは、例えばクラッタ信号を除去するためにウォール
フィルタと呼ばれるハイパスフィルタを用いている。こ
れによって、信号振幅の大きいクラッタ信号としての固
定反射エコーのみを除去していた。
しかしながら、心臓壁が動くような場合では、振幅レベ
ルの大きいクラッタ周波数が変動して、例えばドプラ周
波数に近くなり(周波数が高くなる)、これによって、
ウォールフィルタでは十分にクラッタ成分を取り除くこ
とができなかった。
このために、血管からのドプラ信号を検出する場合、こ
の心臓壁の運動速度表示される血管内の血流のみの検出
が非常に困難であり、全体の心臓壁の動きが良く表示さ
れてしまい、カラー表示される血流の動きが正確に表示
されず、測定者は十分に見定めることができないという
問題があった。
また、特に、運動反射体の速度分布をリアルタイム(実
時間)でBモード表示する場合には、ディレーラインキ
ャンセラなどのくし形周波数特性をフィルタが用いられ
ているが、クラッタ信号成分だけを効果的に除去するた
めには、更に遮断特性が急峻なフィルタを用いなければ
ならず、この様なフィルタを用いることは装置自体の構
造が非常に複雑になるという問題があった。
そして、このような遮断特性が急峻なフィルタを適用す
ると、遅延線を何段にも重ねなければならないことから
応答時間が長くなるということが知られており、これに
より、検出画像のリアルタイム性低下をきたしていた。
一方、従来において、周知の応答時間の短いフィルタを
用いた場合では、クラッタ信号を十分に抑制することが
できず、このため、測定精度が低下するという問題を解
決することができなかった。
また、真のエコーである血流信号の振幅に比べ、クラッ
タ信号は、振幅が大きい信号成分であるので、これをフ
ィルタによりある程度除去したとしても、クラッタ信号
により検出されない運動反射体が存在するという問題が
生じる場合がある。
すなわち、例えば心臓壁には、冠動脈が走っているが、
この冠動脈自体は心臓の動きに合わせて動いているた
め、この冠動脈中の血流信号が心臓壁の動きを示すクラ
ッタ信号中に隠れてしまう。
このことは、心臓壁に近接する心臓内血流成分について
も同様にいえ、このために、従来の診断装置ではこれら
の心臓壁に近接する血流速度を良好に測定することが困
難であった。
発明の目的 本発明は上記従来の課題に鑑み成されたものであり、そ
の目的は、低速度で運動する運動反射体の固定反射体エ
コーからのクラッタ成分を除去し、血管壁に対する血流
の相対速度を検出してこれを表示する超音波ドプラ診断
装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明によれば、一定の送信
繰り返し周期の超音波パルス波を被検体に送受波して、
被検部位からの反射エコーを受信し、この受信信号を入
力してその受信信号を送信繰り返し周期の整数倍で設定
された互いに位相が90度異なる2種類の参照信号により
直交検波し、実数部と虚数部とからなる複素信号に変換
する複素変換手段と、前記複素信号を入力し該実数部と
虚数部とのそれぞれを2乗演算した後両者を加算して演
算信号を出力する演算部と、前記演算信号を入力して前
記送信繰り返し周期だけ遅延させた遅延信号を出力する
遅延部と、前記演算信号を前記遅延信号で減算して減算
信号を出力する減算部とからなり、前記反射エコーの受
信信号に含まれたクラッタ信号が除去された減算結果を
求めるクラッタ除去手段とを有することを特徴とする。
また、前記クラッタ除去手段の出力する減算信号を入力
しその減算信号の位相を90度シフトさせた信号に変換し
て出力するフェイズシフタを備えたことを特徴とする。
[作用] 以上のような構成としたので本発明によれば、被検部位
からの反射エコーの受信信号を入力し、この受信信号を
送信繰り返し周期の整数倍で設定された互いに位相が90
度異なる2種類の参照信号により直交検波して複素信号
に変換する。
そして、この複素信号は、実数部と虚数部とからなり、
それぞれを2乗演算した後加算して演算信号として出力
する。
ここで、前記演算信号を送信繰り返し周期分だけ遅延さ
せた遅延信号で減算して減算結果を出力する。これによ
り、反射エコーの受信信号に含まれたクラッタ信号が除
去された減算結果を求めることが可能となる。
これにより、前記クラッタ除去手段の減算結果からクラ
ッタに対するドプラ周波数偏移を検出してクラッタ成分
が除かれたドプラ情報のみが得られ、運動反射体の相対
速度表示が可能となる。
また、前記減算結果を90度位相シフトさせることによ
り、動いている被検部位、例えば心臓や血管内を流れる
真の速度を検出、表示することができると共に、前記ド
プラ周波数の正負の符号を求め、方向性を判定すること
が可能となる。
[実施例] 以下、図面に基いて本発明の好適な実施例を説明する。
第1図は、本発明に係る超音波ドプラ診断装置の概略構
成を示すブロック図であり、また第2図は、第1図に示
されているクラッタキャンセラーの内部の回路構成図で
ある。
本発明において特徴的なことは、受信エコー信号の直行
検波信号を2乗し、この信号と送信繰り返し周期だけ遅
延した信号とを減算してクラッターを除去し、更にフェ
イズシフタで複素信号に変換してクラッターに対する血
流の相対速度を検出、表示することにある。
<本発明に係る実施令の基本原理の説明> 以下、第2図に示されている本実施令に基づいてクラッ
タキャンセラーの基本原理を数式的に説明する。
直交検波信号をI、Qで表し、この中のドプラ成分を
(x,y)、クラッタ成分を(X,Y)として表せば、以下の
ようになる。
すなわち、直行検波信号は、 I=X+x・・・(1) Q=Y+y・・・(2) と表され、またクラッタ成分は、 X=Ccos(ωct+φc)・・・(3) Y=Csin(ωct+φc)・・・(4) で表される。
一方、ドプラ成分は、 x=Dcos(ωdt+φd)・・・(5) y=Dsin(ωdt+φd)・・・(6) で表される。
ここで、前記C、Dは、それぞれクラッタ成分、ドプラ
成分の振幅で通常はC>>Dであり、また、前記ωc、
ωdは、それぞれクラッタ成分、ドプラ成分の角周波数
である。
次に、直交検波信号I、Qをそれぞれ2乗演算し、この
和をP(t)とすれば、上式(1)(2)は、各式
(3),(4),(5),(6)を代入して P(t)=I2+Q2 =C2+D2+2CDcos {(ωd−ωc)t+φd−φc} =C2+D2+2CDcos (ωDt+φ′)・・・・・(7) で表される。
ここで、ωD=ωd−ωc、φ′=φd−φc(一定)
であり、式(7)の第1項、第2項は直流的な信号であ
り、また、第3項のドプラ角周波数ωDは、クラッタに
対する血流の相対速度Vに対応しており次式で表され
る。すなわち、 ωD=2Vωs/c・・・(8) ここで、ωsは、超音波送信角周波数であり、cは音速
である。
次に、式(7)の信号P(t)と、これを送信パルス繰
り返し周期Tだけ遅延した信号P(t−T)とを減算す
ると次式のようになる。
f(t)=P(t)−P(t−T) =2CD{cos(ωDt+φ′) −cos(ωD(t−T)+φ′)} =−2CDsin(ωDT/2) ×sin{ωD(t−T/2)+φ′} ・・・(9) f(t)=Asin{ωD(t−T/2)+φ′} ・・・(9′) ここで、A=−2CDsin{ωDT/2)は一定の初期位相で
あり、これにより、前記P(t)の(7)式の直流成分
が除かれた(9′)式に示すように一定振幅のドプラ角
周波数ωD(ωDの関数)だけが検出できることにな
る。
しかし、前記(7)式に示すように直交検波信号I、Q
を2乗してその和P(t)を取っているので、この
(9′)式に示す信号のみでは、角周波数ωDの正負の
符号(位相成分)、すなわち、方向性を判定することが
できない。
そこで、前記ωDの正負の符号を判定するためには、こ
の信号をフェイズシフタ(位相器)に入力し、この
(9′)式の信号の位相を90度(Δφ=π/2)だけシ
フトさせる。
そして、このようにして得た一組の信号を複素数Zの実
数部Reと虚数部Imとに対応させると、Z(t)=A{co
s(ωDt+φ) +jsin(ωDt−φ)} =Aexp{j(ωDt+φ)} ・・・・(10) と表すことができる。
すなわち、複素信号Z(t)は(10)式から、実数部Re
=cos(ωDt+φ)・・(11) 虚数部Im=sin(ωDt+φ)・・(12) で表される。
従って、これら(11)、(12)式からsin成分とcos成分
との信号を求め、この両成分から角周波数ωDの正負の
符号が判定できる。
そして、この(11),(12)式の各信号を従来のドプラ
装置の速度演算器や周波数解析装置に入力することによ
り、動いている心臓や血管内を流れる真の速度を検出し
表示することができる。
<本実施例の具体的な回路構成、動作の説明> 次に、前述した本実施例の基本原理に基づいて具体的な
回路構成及びその動作を第1図及び第2図を用いて詳細
に説明する。
第1図において、安定した高周波信号を発生するタイミ
ング信号発生器10は、走査制御器12に該高周波信号を出
力すると共に、送信用超音波パルス波の送信周波数信号
(3MHz)100、複素変換のための複素参照信号cosω0t11
0及びsinω0t120、更に超音波診断結果の表示を行うた
めの掃引同期信号、装置各部の同期作用を行うクロック
信号などの各種出力信号を出力している。
ここで、前記複素参照信号cosω0t110とsinω0t120と
は、送信用超音波パルス波の送信周波数信号100、すな
わち、送信繰り返し周期の整数倍で設定された互いに位
相の90度異なる2種類の信号に設定されている。
そして、前記タイミング信号発生器10の出力する送信周
波数信号100は、走査制御器12及び送受信器14を会して
探触子16に供給され、この探触子16は、前記走査制御器
12により該送信周波数信号100を所定の機械的又は電気
的な角度偏向等の走査で励振駆動される。これにより、
一定の送信繰り返し周期の超音波パルス波が被検体内に
放射され送受波が行われる。
この結果、周知のドプラ効果による所望被検部位からの
反射エコーが前記探触子16を介して電気信号に変換され
前記送受信器14で受信できる。
しかし、この被検部位からの反射エコー、すなわち、前
記受信信号100′には、組織などの反射波成分のほか、
血流等の運動状態を表す微弱な速度情報の信号をも含ま
れており、前記送受信器14から該受信信号100′は、例
えば高周波用の増幅器16へ供給されて所望の増幅作用が
行われた後、検波器18及びA/D変換器20を介して、例
えば通常のBモード表示信号がDSC22に供給される。
このDSC(デジタルスキャンコンバータ)22では、Bモ
ード画像表示するためのエコー信号が書き込まれ、A/
D変換器24を介し表示器26の例えば、CRT表示装置等の
掃引周期で前記エコー信号が読み出される。
これにより、該CRT表示装置には、輝度変調されたBモ
ード表示が断層像として二次元で画像表示される。
直交検波回路の説明 また一方、前記送受信器14の出力する前記受信信号10
0′は、所定の参照信号で直交検波を行い複素信号に変
換する複素変換手段としての直交検波器30に供給され
る。
すなわち、この直交検波器30は、第1図の如く一組の乗
算器30a,30′a及びLPF30b,30′bから構成される。
そして、一方の前記乗算器30aでは、前述したように前
記タイミング信号発生器10からの複素参照信号sinω0t1
20が供給され、これにより入力される受信信号100′が
直交検波され、さらに低域通過フィルタである前記LPF3
0bを介して該受信信号100′の高調波成分が取り除かれ
る。この結果、前記LPF30bを介して直交検波信号Qが出
力される((2)式)。
また、他方の前記乗算器30′aでは上記と同様にして前
記複素参照信号cosω0t110が供給され、これにより入力
される受信信号100′が直交検波され、さらに低域通過
フィルタである前記LPF30′bを介して直交検波信号I
が出力される((1)式)。
このようにして、前記受信信号100′は、前記直交検波
器30により2種類の複素参照信号で直交検波され、実数
部と虚数部とからなる複素信号としての直交検波信号I,
Qに変換される。
すなわち、直交検波信号I,Qは、前記(1)〜(6)式
に示すように前記複素参照信号cosω0t,sinω0tで直交
検波され、それぞれドプラ成分ωc、クラッタ成分ωd
の実数部と虚数部とからなる複素信号として変換されて
いる。
クラッタキャンセラーの説明 そして、前記直交検波器30から出力された直交検波信号
I,Q、すなわち、複素信号は、第1図に示すように前記
クラッタキャンセラー32に入力され、ここにおいて、前
記受信信号100′に含まれているクラッタ成分を除去し
た演算結果が算出される。
すなわち、第2図に示す如く、クラッタ除去手段として
の前記クラッタキャンセラー32は、前記複素信号を2乗
する2つの2乗演算器34,34′及びその2つの2乗結果
を加算する加算器36からなる演算部38と、その加算結果
を送信繰り返し周波数1周期分遅延する遅延部40と、そ
の加算結果を遅延結果で減算する減算器42とから構成さ
れる。そして更に、該減算器42の減算結果を90度位相シ
フトさせるフエイズシフタ44とから構成されている。
以下、第2図を用いて本発明の特徴的なクラッタ除去手
段としてのクラッタキャンセラー32の動作原理を数式を
用いながら詳細に説明する。
図において、まず、複素信号として(2)式で示される
直交検波信号Qは、A/D変換器33によりデジタル信号
に変換され、2乗演算器34に入力されて2乗演算され、
これにより、演算結果としてQ2が出力される。
一方、直交検波信号Iは、上記と同様にしてA/D変換
器33′を介して2乗演算器34′に入力されて2乗演算さ
れ、これにより、演算結果としてI2が出力される。
そして、複素信号の上記I2とQ2とは、前記加算器36で加
算され、(7)式に示すようにP(t)=I2+Q2が算出
される。これにより、直流的な信号が得られ、この加算
処理により(8)式のようにドプラ角周波数ωD成分が
現れる。
そして次に、その加算出力信号P(t)、前記遅延部40
で前記送信用超音波パルス波の送信周波数信号100の1
周期分(T)だけ遅延されて、P(t−T)が出力され
る。
これにより、前記減算器42は、Σ演算を行ない(9)式
に示すように、f(t)=P(t)−P(t−T)の演
算処理が成される。
ここで、減算結果のf(t)の信号は、(9′)式に示
すようにsin成分の信号(但し、Aは一定の初期位相を
示す)であり、かつ一定振幅のドプラ角周波数ωD成分
だけが取り出せることになる。
従って、前記減算器42の出力において、クラッタ成分ω
cが完全に除去され、ドプラ成分のみからなる反射エコ
ー信号が得られることになる。これにより、そのドプラ
周波数偏移を検出すれば、運動反射体の速度を求めるこ
とが可能である。
ところが、このままでは前記(9′)式に示すf(t)
の信号では、ドプラ角周波数ωDの正負の符号判定、す
なわち、位相の判定ができないことが理解される。
そこで、本発明の実施例では、第2図に示すように、前
記フェイズシフタ44を用い、ドプラ角周波数ωDの方向
性を判定することが行われている。
すなわち、前記フェイズシフタ44は、(9′)式に示す
減算結果のf(t)の信号を入力して位相Δφ=π/
2、すなわち、90度だけシフトさせる。これにより、前
記減算器42の出力するf(t)のsinωt成分の信号
は、cosωt=sin(ωt+π/2)成分の信号に変換さ
れて出力される。
従って、このクラッタキャンセラー32の出力としては、
第2図に示すように、前記減算器42の出力するsin成分
の信号と前記フェイズシフタ44の出力する変換されたco
s成分の信号とが得られ、この2つの成分によってドプ
ラ周波数の正負の符号を判定でき、ドプラ角周波数ωD
の方向性を知ることが可能となる。
そして、この両成分の信号を複素数Z(t)して実数部
と虚数部とに対応させて表した信号が前記(10)〜(1
2)式に示されている。
以上のようにして、前記複素信号Z(t)を速度演算器
や周波数解析器で信号処理することにより、クラッター
成分に対する血流の相対速度を検出、表示することが可
能となる。
速度演算部の説明 本実施例の超音波ドプラ診断装置では、速度情報である
ドプラ偏移周波数を検出するためには、前記(10)式で
表される信号を更に複素演算する必要がある。
このため、第1図の如く速度演算部48が前記クラッター
キャンセラー32の出力側に設けられ、(10)式に示す複
素信号Z(t)を入力している。これにより、運動反射
体の例えば、動いている心臓や血管内を流れる血液等の
血流の真の速度を演算算出して画像表示することができ
る。
すなわち、具体的にはこの速度演算では、例えば第3図
に示すように前記速度演算器48が用いられ、この速度演
算器48は、入力信号を所定周期だけ達らせるディレイラ
イン50a,50bと、複素演算を行うための掛け算器51,52,5
3,54、加算器55及び減算器56と、信号を平均化するため
の加算器57、ディレイライン58及び重み付け回路59と、
偏角演算器60とから構成されている。
これにより、入力される前記複素信号Z(t)は、前記
ディレイライン50a,50bにより、例えば1周期分遅延さ
れた信号とされ、その1周期分の差のある複素信号に基
づいて、4つの前記掛け算器51,52,53,54と、前記加算
器55と、前記減算器56とを用いて自己相関演算が行われ
る。
この結果、前記加算器55と前記減算器56とからは、複素
信号である自己相関信号S、すなわち、S=Rs+iIsが
出力される。
この自己相関信号Sは、信号を変動成分や装置自体から
発生する雑音成分を含むのでこれらの雑音成分を除去す
るために平均化される。
すなわち、平均化回路は、前記加算器57a,57bと前記デ
ィレイライン58a,58bと前記重み付け回路59a,59bとから
なり、該ディレイライン58にて1周期遅延した出力を現
時刻の入力信号に前記加算器57にて加算し、再びこの出
力を前記ディレイライン58に供給する操作を繰り返す。
しかし、単に、この操作を繰り返して行っても、加算回
数の増加に伴い、出力値が逐次増大してついには飽和す
るので前記重み付け回路59を設けている。この重み付け
回路59により、出力を任意に減衰させて入力と加算する
ことができ、最適な平均化が行える。
そして、自己相関信号Sは、偏角演算器60にてその偏
角、すなわち、tan-1(Is/Rs)が求められる。この自
己相関信号の偏角は、ドプラ効果を受けたドプラ信号の
ドプラ周波数偏移に相当し、これが速度信号となる。
従って、速度分布情報が演算され得られた速度信号は、
前述した第1図に示す前記DSC22及び前記A/D変換器2
4を介して前記表示器26等に出力され、これにより、速
度情報は、例えばBモード断層像などに重ねて画像表示
される。
尚、このような速度演算については、例えば関連する複
素自己相関法を用いて演算する方法が特公昭62−44494
号公報に詳細に記載されている。
以上のようにして、本発明に係る実施例によれば、反射
エコーに含まれるクラッタ信号のみが良好に除去される
ので、このクラッタ信号除去用フィルタを用いること無
く、簡単な回路構成で成るクラッタキャンセラー32を用
いることにより、精度の良い測定がが可能となる。
[発明の効果] 以上のようにして、本発明に係る超音波ドプラ診断装置
によれば、被検部位からの反射エコーの受信信号を複素
変換手段を介してクラッタ除去手段に入力することによ
り、該受信信号に含まれる不要なクラッタ信号だけを良
好に除去することが可能となる。これにより、ドプラ周
波数偏移を検出でき、運動反射体の速度を容易に求める
ことが可能となる。
従って、例えば血管などが比較的低速度で運動する心臓
壁に近接する場合であっても、心臓内血流速度や冠状動
脈の血流速度を何の妨害もなく画像上に正確に描出させ
ることが可能となる。
また、本発明によれば、従来のようにウォールフィルタ
や遮断特性の急峻なフィルタを用いる必要がないので回
路構成を簡略化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る超音波ドプラ診断装置の概略構
成を示すブロック図、 第2図は、クラッタキャンセラーの信号処理の回路の構
成を示すブロック図、 第3図は、速度演算器の回路構成の一例を示すブロック
図である。 30……直交検波器 30a,30′a……乗算器 30b,30′b……LPF 32……クラッタキャンセラー 34,34′……2乗演算器 36……加算器 38……演算部 40……遅延部 42……減算器 44……フェイズシフタ 48……速度演算器 100……送信周波数信号 110,120……複素参照信号。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定の送信繰り返し周期の超音波パルス波
    を被検体に送受波して被検部位からの反射エコーを受信
    し、所定の参照信号でその受信信号を検波して複素信号
    に変換し被検部位内の運動反射体の位置及び速度を検出
    する超音波ドプラ診断装置において、 前記受信信号を入力し、この受信信号を前記送信繰り返
    し周期の整数倍で設定された互いに位相が90度異なる2
    種類の参照信号により直交検波して、実数部と虚数部と
    からなる複素信号に変換する複素変換手段と、 前記複素信号を入力し、該実数部と虚数部とのそれぞれ
    を2乗演算した後両者を加算して演算信号を出力する演
    算部と、前記演算信号を入力して送信繰り返し周期だけ
    遅延させた遅延信号を出力する遅延部と、前記演算信号
    を前記遅延信号で減算して減算結果を出力する減算部と
    からなり、前記反射エコーの受信信号に含まれるクラッ
    タ信号が除去された減算結果を求めるクラッタ除去手段
    と、を有し、 前記クラッタ除去手段の減算結果からドプラ周波数偏移
    を検出して運動反射体の速度を求めることを特徴とする
    超音波ドプラ診断装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)記載の装置におい
    て、前記クラッタ除去手段の出力する減算信号を入力
    し、減算信号の位相を90度シフトさせた信号に変換して
    出力するフェイズシフタを備え、前記ドプラ周波数の正
    負の符号を求めて方向性の判定をすることを特徴とする
    超音波ドプラ診断装置。
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