JPH0323050B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0323050B2
JPH0323050B2 JP61045292A JP4529286A JPH0323050B2 JP H0323050 B2 JPH0323050 B2 JP H0323050B2 JP 61045292 A JP61045292 A JP 61045292A JP 4529286 A JP4529286 A JP 4529286A JP H0323050 B2 JPH0323050 B2 JP H0323050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
complex
autocorrelation
velocity
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61045292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62204734A (ja
Inventor
Koroku Namekawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aloka Co Ltd filed Critical Aloka Co Ltd
Priority to JP4529286A priority Critical patent/JPS62204734A/ja
Priority to US07/020,439 priority patent/US4799490A/en
Priority to CA000530977A priority patent/CA1262961A/en
Publication of JPS62204734A publication Critical patent/JPS62204734A/ja
Publication of JPH0323050B2 publication Critical patent/JPH0323050B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超音波ドプラ心診断装置、特に反射体
の運動速度を検出又は測定し被検体内の動きを正
確に表示することのできる超音波ドプラ診断装置
に関する。
[従来の技術] 一定の繰返し周波数でパルス波を放射して反射
体からの反射波を受信し、送信時間と受信時間と
を比較して反射体までの距離を測定するととも
に、受信信号の周波数変化を検出して運動する反
射体の速度を検出又は測定するパルスドプラ装置
が広く用いられている。
一般に、パルス波を放射する繰返し周波数は反
射体までの距離に応じて選定されている。しかし
ながら、被検体内の遠距離の反射体を測定する場
合、反射体までの距離に対応して定まる繰返し周
波数に比較して高い周波数を選定すると、周知の
ごとく、実際の距離より近い距離に折返しエコー
が現出し、距離の判別が困難となる。
また、運動反射体の速度を測定する場合にも上
記と類似の現象が現れ、運動反射体の速度による
ドプラ周波数に比較して低い繰返し周波数を選定
すると、折返し現象によつて低い周波数として現
れ、速度の判別が困難となる。
これら距離、速度ともに折返し現象を生じさせ
ないで測定するためには、最大のドプラ周波数fd
と繰返し周波数frとの間に、速度の絶対値だけで
なくその正負をも判別できる装置の場合には、fd
=fr/2なる関係、速度の絶対値のみを検出測定
する装置の場合には、fd=frなる関係を満たす必
要があることが知られている。
ここで、速度の正負を判別できる装置におい
て、 fd=fo・k・V=fr/2 (fo:放射する超音波周波数、k:定数、V:最
大速度) から、測定可能な最大速度Vは V=fr/(2fo・k) となる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来技術の問題点 しかしながら、前記式から理解されるように、
最大速度Vを大きくするために繰返し周波数frを
高くするとすれば、折返し現象を生じないで測定
できる反射体の最大距離が小さくなるので、高速
度の反射体を測定する場合に遠距離での速度測定
ができないという欠点が生じる。
また、放射する超音波周波数を低く選定すると
すれば、パルス幅の狭い送信波を形成することが
困難なばかりでなく、鋭い放射ビームを形成する
ことができず、距離分解能、方位分解能が低下す
るという欠点が生じ、遠距離にあつてかつ高速度
で運動する反射体の距離と速度を同時に確定でき
ないという問題があつた。
発明の目的 本発明は前記従来の問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的は、低速度から高速
度に至るまでの広範囲の速度、特に遠距離にあつ
てかつ高速度で運動する反射体の速度を精度よく
求めることができる超音波ドプラ診断装置を提供
することにある。
[問題点を解決するための手段及び作用] 前記目的を達成するために、本発明の超音波ド
プラ診断装置は、同一方向に向けて2個の異なる
繰返し周期の超音波を発生させこの超音波を切り
替えて出力する送信回路部と、被検体内から得ら
れたドプラ信号と複素参照波とを混合検波して複
素信号に交換する複素信号変換器と、送信繰返し
周期の整数倍の遅れ時間を設けて前記複素信号の
自己相関を演算する自己相関器と、同一方向に向
けて先に放射された超音波に基づいて前記自己相
関器から得られた第1の自己相関信号を記憶する
メモリと、同一方向に向けて後に放射された超音
波に基づいて前記自己相関器から得られた第2の
自己相関信号と前記第1の自己相関信号との共役
積又は複素積を演算する複素演算器及び算出され
た共役積又は複素積の偏角を算出する偏角演算器
から成り運動反射体の速度を求める速度演算器
と、を備え、運動反射体の速度を正確に求めるこ
とを特徴とする。
以上の構成によれば、まず異なる繰返し周期の
2個の超音波が出力され、この2個の超音波が被
検体内の同一方向に順次送受波される。そして、
被検体内から得られた反射エコーのドプラ受信信
号は複素信号変換器にて複素信号に変換され、そ
の後に自己相関器に供給されており、この自己相
関器にて2個の自己相関信号が得られる。ここ
で、異なる繰返し周期の2個の超音波のうち、先
に放射された超音波にて得られたものが第1の自
己相関信号となり、後に放射された超音波にて得
られたものが第2の自己相関信号となる。
次に、本発明ではこの自己相関信号に基づい
て、実質的に繰返し周期の小さい又は大きい超音
波にて得られるドプラ信号に変換する。すなわ
ち、前記第1の自己相関信号はメモリに記憶され
ており、この第1の自己相関信号は第2の自己相
関信号が出力されたときに、速度演算器によりそ
の共役積又は複素積が求められ、速度が演算され
る。
前記共役積の偏角は、実質的に繰返し周期の小
さい(繰返し周波数frが高い)超音波を被検体内
に放射した場合に得られるドプラ信号の周波数偏
移であり、また複素積は繰返し周期の大きい(繰
返し周波数frが低い)超音波を放射した場合に得
られるドプラ信号の周波数偏移である。従つて、
前記式の最大速度V=fr/(2fo・k)から明ら
かなように、共役積からは高速の運動反射体の速
度、また複素積からは低速の運動反射体の速度を
正確に求めることができる。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を
説明する。
第1図、第2図には、超音波ドプラ診断装置の
回路構成が示されており、まず第2図に基づいて
自己相関信号の演算を説明する。
自己相関信号演算 第2図において、安定な高周波信号を発生する
水晶発振器10のの出力は分周同期回路12に供
給され、この分周同期回路12によつて所望周波
数の各種出力信号が得られる。
本発明において特徴的なことは、同一方向に異
なる繰返し周期の2個の超音波を放射することで
あり、このために送信周期切替器13が設けら
れ、前記送信回路部は水晶発振器10、分周同期
回路12、送信周期切替器13、駆動回路14、
送受切替回路16及び探触子18から構成され
る。そして、前記分周同期回路12の出力信号は
超音波パルス送信用の2個の送信繰返し周波数信
号100,101を出力し、その他に複素変換の
ための複素基準信号102,104、超音波診断
結果の表示を行うための掃引同期信号106及び
装置各部の同期作用を行うクロツク信号108を
出力する。
本発明において、前記複素基準信号102,1
04は送信繰返し周波数信号100,101の整
数倍の周波数を有しかつ互いに複素関係となるよ
うにしており、実施例においては90゜の位相差を
有する。
前記送信信号100,101は、駆動回路14
及び送受切替回路16を介して探触子18に供給
され、この探触子18を励振することにより繰返
し周期の異なる2個の超音波パルスビームが被検
体20内に送信される。
そして、被検体20からの反射エコーは探触子
18によつて電気信号に変換され、送受切替回路
16から高周波増幅器22へ送られて所望の増幅
作用が施された後、その一方の出力が通常のBモ
ードあるいはMモード表示信号として表示部に供
給される。
通常のBモードあるいはMモード表示を行うた
めの出力信号は検波器24及びビデオ増幅器26
から切替器28を介してCRT表示器30に供給
され、CRT表示器30の表示面を輝度変調する。
前記探触子18は、超音波パルスビームを機械
的あるいは電気的な角度偏向などによつて走査
し、超音波パルスビームが被検体20に周期的に
走査され、そして所望の偏向角にて走査を停止す
るために走査制御器32が設けられており、この
走査制御器32の走査位置信号及び前記分周同期
回路12から得られる掃引同期信号106は掃引
トリガ発生器34に供給され、CRT表示器30
の掃引制御が行われる。
前記高周波増幅器22の他方の出力は、本発明
において自己相関演算に供され、まず高周波増幅
器22から出力されるドプラ受信信号は複素信号
交換器36に供給され複素信号に変換される。
すなわち、実施例においては、複素信号変換器
36は位相検成器を含む一組のミキサ38a,3
8bを有し、各ミキサ38において前記受信信号
は、それぞれ前記複素基準信号102,104と
混合され、複素基準信号102,104は前述し
たように互いに90゜位相の異なる複素関係にある
ため、ミキサ38から高周波信号に対応した複素
信号を出力することができる。従つて、各ミキサ
38は混合検波によつて入力された受信信号と複
素基準信号との両周波数の和と差の周波数の信号
を出力し、これら両信号が低減フイルタ40a,
40bに供給され、差の周波数成分のみが取り出
される。
前記ミキサ38の混合検波作用において、複素
基準信号102,104は単一周波数の連続波で
あるが、他方の入力信号である受信信号はドプラ
情報を含むパルス波であるので、前記低域フイル
タ40の出力には多数のスペクトル成分が現れる
こととなる。以下にこの複素変換を演算式によつ
て説明する。
一方の複素基準信号102は送信用の繰返し周
波数frの整数倍の周波数foを有し、その振幅を1
とすれば、 sin2πfo t ……(1) なる正弦波電圧信号にて示される。一方、探触子
18で受信される受信信号は送信周波数をfoとす
れば、 sin(2πfo t+2πfd t) ……(2) にて示される、ただし、fdはドプラ偏移周波数で
ある。
なお、この受信信号には、一般に sin{2π(fo±n fr)t+2πfd ・(1±nfr/fo)t} のスペクトル(frは送信繰返し周波数、nは0、
1、2…なる自然数である)が含まれるが、以下
に説明を簡略化するために、n=0のときの(2)式
に示されるスペクトルについてのみ説明する。
ミキサ38aでは一方の複素基準信号102と
受信信号との積がとられるので、(1)式と(2)式の積
の2倍である次式が得られる。
cos2πfd t−cos(4πfo t+2πfd t) そして、この出力は低域フイルタ40aで2fo
+fdの周波数が除去されているので、その出力信
号は、 cos2πfd t ……(3) となる。
一方、他方の複素基準信号104は前記信号1
02と90゜位相が異なるので、 cos2πfo t ……(4) なる余弦波電圧信号で示され、ミキサ38bの混
合検波及び低域フイルタ40bのフイルタ作用に
よつて、 sin2πfd t ……(5) なる信号に変換され、前記(3)式を実数部、そして
(5)式を虚数部とする複素信号に変換されたことと
なり、これら両信号は次の複素式によつて示すこ
とができる。
Z1=cos2πfd t+i sin2πfd t ……(6) 以上のようにして複素変換された信号Z1はAD
変換器42a,42bによつてデジタル信号に変
換され、次段の複素デイレーラインキヤンセラ4
4に入力される。そして、前記AD変換器42に
はクロツク信号108が供給されこのクロツク信
号によるサンプリングが行われている。
実施例において、前述した複素デイレーライン
キヤンセラ44が設けられているので、生体内の
静止部あるいは低速運動部からの受信信号を除去
して運動部のみの速度信号を取り出すことがで
き、画像信号の品質を著しく向上させることがで
きる。
この複素デイレーラインキヤンセラ44は繰返
し信号の1周期(T)に一致する遅延時間を有す
るデイレーライン46a,46bを有し、このデ
イレーラインは例えば1周期中に含まれるクロツ
クパルスの数に等しい記憶素子から成るメモリ又
はシフトレジスタから形成することができる。そ
して、これらデイレーライン46には、それぞれ
差演算器48a,48bが接続されており、差演
算器48によつてデイレーライン46の入力すな
わち現時刻の信号と1周期前の信号とを同一深度
において逐次比較して信号の1周期間の差を演算
する。従つて、静止あるいは低速度の生体組織か
らの反射信号は現時刻の信号と1周期前の信号と
の間に変化がなく、あるいは変化が小さいため差
演算器48の差出力は零に近くなり、一方速度の
速い例えば血流信号の差出力は大きな値として検
出され、これによつて静止あるいは低速度の生体
組織からの反射信号、つまりクラツタを抑制する
ことができる。
前記複素デイレーラインキヤンセラ44の作用
を以下に演算式で説明する。なお、第2図におい
ては、複素デイレーラインキヤンセラ44への入
力はデジタル信号であるが、演算式では説明を簡
単にするために、(6)式のアナログ信号にて説明を
行う。デイレーライン46の入力Z1を(6)式で示す
と、1周期遅延された出力Z2は Z2=cos2πfd(t−T) +j sin2πfd(t−T) ……(7) で示され、この結果、差演算器48の差出力は Z3=Z1−Z2=−2 sin2πfd(T/2) ・sin2πfd{t−(T/2)} +j2 sin2πfd(T/2) ・cos2πfd{t−(T/2)} となり、ここで差出力Z3を Z3=x3+j y3 にて示せば、各x3、y3は次式となる。
x3=−2 sin2πfd(T/2) ・sin2πfd{t−(T/2)} ……(8) y3=2 sin2πfd(T/2) ・cos2πfd{t−(T/2)} ……(9) このようにして、各差演算器48a,48bに
は、それぞれx3、y3なる信号が出力されることと
なる。
以上のようにして低速度信号が除去された複素
信号は、次に自己相関器50によつて演算処理さ
れ、遅延量をTとするZ3の自己相関が求められ
る。
まず、入力信号Z3はデイレーライン52a,5
2bにより1周期分遅延されてZ4が得られる。こ
の出力Z4は以下の式で表される。
Z4=x4+j y4、 x4=−2 sin2πfd(T/2) ・sin2πfd{t−(3T/2)} ……(10) y4=2 sin2πfd(T/2) ・cos2πfd{t−(3T/2)} ……(11) そして、信号Z4の共役信号はZ4 *=x4−i y4
であり、Z3とZ4 *との共役積を、以下の式によつ
て求めることにより自己相関が演算される。
Z3Z4 *=(x3+i y3)(x4−j y4) =x3x4+y3y4 +j(x4y3−x3y4) そして、この相関を求めるため、自己相関器5
0には4個の掛算器54a,54b,56a,5
6b、そして、加減算器58a,58bが設けら
れ、これにより前記相関演算が行われる。
加減算器58aの出力をRとすれば、前記(8)、
(9)、(10)、(11)の各関係式から、 R=x3x4+y3y4=4 sin2 2πfd ・(T/2)cos2πfdT ……(12) が得られ、また加減算器58bの出力をとすれ
ば、同様に、 =x4y3−x3y4=4 sin2 2πfd ・(T/2)sin2πfdT ……(13) が得られ、両加減算器58の出力を合わせて自己
相関信号は次式にて示される。
S=R+j ……(14) そして、この出力Sは信号の変動成分や装置か
ら発生する雑音成分を含むので、これら雑音成分
を除去するために平均回路によつて平均が求めら
れ、この平均は=+jで表され、自己相関
が演算される。
前記平均回路はデイレーライン60a,60b
にて1周期遅延した出力を現時刻の入力信号に加
算器62a,62bにて加算し、再びこの出力を
デイレーライン60に供給する操作を繰り返し、
この加算を、例えばデジタル回路で構成する場合
には、その加算出力の上位ビツトを出力すれば、
平均値を得ることができる。しかし、単にこの操
作を繰り返し行つていると、加算回数の増加に伴
い、出力値が逐次増大し、ついには飽和する。そ
こで、実施例においては、重み付け回路64a,
64bが設けられ、出力を減衰させて入力と加算
している。すなわち、減衰量をαとすれば、現時
刻の信号より例えば10周期前の信号はα10だけ減
衰して現時刻の信号と加算されるので、出力に与
える影響度が小さくなり、低域フイルタや移動平
均回路と同様の平均機能を果たすことが可能とな
る。また、重み付け回路64の重み付け量を変え
ることにより、平均化の度合いを変更することが
可能となる。
以上のようにして、本実施例においては、複素
信号の共役積を求めることによつて自己相関が得
られ、この自己相関出力の偏角θを求めること
により速度が演算される。すなわち、偏角θは
(12)、(13)式から、 θ=tan-1(/)=2πT ……(15) として求められ、この結果、ドプラ偏移周波数
は =θ/2πT ……(16) として前記偏角θから極めて容易に求められるこ
ととなる。
なお、前記自己相関は複素信号の共役積にて求
めているが、複素信号の複素積にて求めることも
でき、この複素積によれば、近距離にある運動反
射体の速度を精度良く求めることができる。
速度の演算 前述したように、本発明において特徴的なこと
は、繰返し周期の異なる2個の超音波を被検体内
の同一方向に放射し、これにより得られたドプラ
受信信号の自己相関信号の共役積又は複素積から
正確な速度を求めることである。従つて、第1図
に示されるように、前述した自己相関器50等の
構成に加えて、放射された超音波にて得られた自
己相関信号を記憶するラインメモリ72a,72
bと、後に放射された超音波にて得られた第2の
自己相関信号と前記第1の自己相関信号とから運
動反射体の速度を演算する速度演算器76とが設
けられている。
そして、速度演算器76は掛算器78,80及
び加減算器82から成る複素乗算器84と偏角演
算器86とから構成される。また、前記ラインメ
モリ72は第2の自己相関信号と第1の自己相関
信号とを同時に比較するために第1の自己相関信
号を所定時間遅らせるものであり、このような働
きをするものであれば、ラインメモリに限らず各
種の遅延線を用いることができる。
本発明は以上の構成から成り、以下に自己相関
信号の共役積及び複素積による速度演算を説明す
る。
前記自己相関器50の出力である、は、自
己相関値の絶対値を|S|とすると次式で表さ
れ、それぞれラインメモリ72a,72bに供給
される。
=|S|cosθ ……(17) =|S|sinθ ……(18) この、は自己相関器50の最終値であり任
意方向で数回の超音波パルスを放射して得られた
信号の平均値である。また、偏角θは異なる周期
の超音波にて得られる個々の速度情報を示す信号
である。
そして、繰返し周期の異なる2個の超音波にて
得られた2個の自己相関信号に基づいて運動反射
体の速度が求められるが、まず繰返し周期の異な
りかつ先に放射された超音波にて得られた第1の
自己相関信号がラインメモリ72に記憶されてお
り、第1の自己相関信号のうち信号はラインメ
モリ72aに、信号はラインメモリ72bに記
憶され、クロツクパルス、走査アドレス信号を受
けたメモリ制御器74にてメモリの書込み・読出
しが行われている。
また、後に放射された超音波にて得られた第2
の自己相関信号はラインメモリ72を経ずに速度
演算器76内の複素乗算器84に供給される。こ
の複素乗算器84では加減算器82aを加算器、
加減算器82bを減算器として動作させると、第
1と第2の自己相関信号の共役積が演算される。
ここで、共役積とは2個の自己相関信号におい
ていずれか一方の共役複素数と他方の複素数との
積をいう。従つて、複素乗算器84では次式が演
算される。
1+j1)(2−j2) =1 21 2 +j(1 21 2) =x7+jy7 ……(19) ここで、11は第1の自己相関信号成分、
22は第2の自己相関信号成分であり、次式
にて表される。
1=|S|cosθ11=|S|sinθ1、 θ1=2πfdT1 ……(20) 2=|S|cosθ22=|S|sinθ2、 θ2=2πfdT2 ……(21) 従つて、この(20)、(21)式を(19)式に代入
すると、下式となる。
x71 21 2 =|S|2{(cosθ1 cosθ2 +sinθ1 sinθ2)} =|S|2cos(θ1−θ2) ……(22) y71 21 2 =|S|2{(sinθ1 cosθ2 −cosθ1 sinθ2)} =|S|2sin(θ1−θ2) ……(23) このようにして求められた共役積の複素信号
は、偏角演算器86に供給されたその偏角が次式
にて求められる。
θ1−θ2=tan−1(x7/y7) =2πfd(T1−T2) =2πfdΔT ……(24) この偏角演算器86において、複素乗算器84
と偏角演算器86との間に、前記デイレーライン
60、加算器62、重み付け回路64とから成る
積分器88a,88bを挿入することにより、雑
音信号を除去して精度の良い測定を行うことがで
きる。
このようにして得られた最終的な偏角は、繰返
し周期の異なる2個のドプラ信号から得られた第
3のドプラ信号に相当するものであり、この偏角
にて運動反射体の速度を求めることができる。
すなわち、前記(24)式において、繰返し周期
ΔTはT1−T2となつており、結果的にこの繰返し
周期ΔTの超音波を被検体内に放射したときに得
られるドプラ信号と同一の信号となる。
従つて、例えば繰返し周期をT1=250μs(繰返
し周波数fr1=4kHz)、T2=200μs(繰返し周波数
fr2=5kHz)とすれば、ΔT=50μs(繰返し周波数
fr=20kHz)となる。この結果、この場合の測定
可能な最大ドプラ周波数は20kHz÷2=10kHzと
なつて繰返し周期T2のときの最大ドプラ周波数
2.5kHz(=5kHz÷2)に比べて4倍の速度を求め
ることができることになる。
このように、自己相関信号の共役積により高速
度の測定が可能となり、繰返し周期T1、T2を適
当な値に選定することによつて、最大測定深度を
ほとんど変えることなくドプラ信号を所望の信号
に変更することができる。
次に、自己相関信号の複素積の演算について説
明する。
この複素積は複素乗算器84内の加減算器82
a,82bを共役積の場合と逆にして、82aを
減算器、82bを加算器として動作させることに
より求められる。
すなわち、複素積は次式にて示されるものとな
る。
1+j1)(2+j2) =1 21 2 +j(1 21 2) =x7+jy7 ……(25) そして、このときに得られる自己相関信号の最
終的な偏角は、 θ1+θ2=2πfd(T1+T2) ……(26) となり、偏角(θ1+θ2)は繰返し周期の大きい、
つまり繰返し周波数の小さい超音波を用いた場合
に相当し、前述したように、ドプラ周波数fdが小
さいときは所定速度範囲での速度値を拡大する働
きがあるため、低速度が検出しやすくなる。
このような本発明の超音波ドプラ診断装置はM
モードの場合、2次元にステツプ走査するBモー
ドの場合あるいは移動目的検出装置(MTI)な
どに適用でき、またBモードの場合は被検体内の
断層像に重ねて表示することができる。
以上のようにして得られた速度信号はDA変換
器68によつてアナログ電圧信号に変換され、切
替器70を介してCRT表示器30に供給され、
CRT表示器30上に輝度変調信号としてBモー
ドあるいはMモードの運動速度分布画像が表示さ
れる。
実施例によれば、CRT表示器30はビデオ増
幅器26からの通常の画像信号と前述したドプラ
信号との両者を選択的に、あるいは同時に表示可
能であり、いずれか任意の画像、あるいはこれら
両画像を重ね合わせた表示を行うことができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、同一方
向に向けて繰返し同期の異なる2個の超音波を被
検体内に放射し、これにより得られた2個の自己
相関信号からその共役積又は複素積を求めるよう
にしたので、運動反射体の正確な速度を容易に得
ることができる。
この結果、従来の超音波エコー法による超音波
診断装置からの診断情報に加えて、血流速度、血
流速度分布を同時に画像表示することができ、実
用上極めて多くの診断情報を提供できる超音波診
断装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る超音波ドプラ診断装置の
実施例を示す回路ブロツク図、第2図は自己相関
信号を得るまでの回路構成を示すブロツク図であ
る。 10……水晶発振器、12……分周同期回路、
13……送信周期切替器、30……CRT表示器、
32……走査制御器、36……複素信号交換器、
38a,38b……ミキサ、40a,40b……
低域フイルタ、44……複素デイレーラインキヤ
ンセラ、50……自己相関器、52a,52b…
…デイレーライン、54a,54b,56a,5
6b……掛算器、58a,58b……加減算器、
72a,72b……ラインメモリ、76……速度
演算器、78a,78b,80a,80b……掛
算器、82a,82b……加減算器、84……複
素乗算器、86……偏角演算器、100,101
……送信繰返し周波数信号、102,104……
複素基準信号、106……掃引同期信号、108
……クロツク信号。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 一定の繰返し周期の超音波を被検体内に放射
    し送信信号と受信信号とを比較して運動反射体の
    距離及び速度を検出する超音波ドプラ診断装置に
    おいて、同一方向に向けて2個の異なる繰返し周
    期の超音波を発生させこの超音波を切り替えて出
    力する送信回路部と、被検体内から得られたドプ
    ラ信号と複素参照波とを混合検波して複素信号に
    変換する複素信号変換器と、送信繰返し周期の整
    数倍の遅れ時間を設けて前記複素信号の自己相関
    を演算する自己相関器と、同一方向に向けて先に
    放射された超音波に基づいて前記自己相関器から
    得らえた第1の自己相関信号を記憶するメモリ
    と、同一方向に向けて後に放射された超音波に基
    づいて前記自己相関器から得られた第2の自己相
    関信号と前記第1の自己相関信号との共役積又は
    複素積を演算する複素演算器及び算出された共役
    積又は複素積の偏角を算出する偏角演算器から成
    り運動反応体の速度を求める速度演算器と、を備
    え、運動反射体の速度を正確に求めることを特徴
    とする超音波ドプラ診断装置。
JP4529286A 1986-03-04 1986-03-04 超音波ドプラ診断装置 Granted JPS62204734A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4529286A JPS62204734A (ja) 1986-03-04 1986-03-04 超音波ドプラ診断装置
US07/020,439 US4799490A (en) 1986-03-04 1987-03-02 Doppler ultrasonic diagnostic apparatus
CA000530977A CA1262961A (en) 1986-03-04 1987-03-03 Doppler ultrasonic diagnostic apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4529286A JPS62204734A (ja) 1986-03-04 1986-03-04 超音波ドプラ診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62204734A JPS62204734A (ja) 1987-09-09
JPH0323050B2 true JPH0323050B2 (ja) 1991-03-28

Family

ID=12715236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4529286A Granted JPS62204734A (ja) 1986-03-04 1986-03-04 超音波ドプラ診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62204734A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2797327B2 (ja) * 1988-08-04 1998-09-17 株式会社日立メディコ パルスドプラ計測装置
EP0573431B1 (en) * 1990-09-26 1997-05-07 Rowe, Deines Instruments Incorporated Acoustic doppler current profiler

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58188433A (ja) * 1982-04-28 1983-11-02 アロカ株式会社 超音波診断装置
JPS59171866A (ja) * 1983-03-18 1984-09-28 Fujitsu Ltd 超音波流速検出方式
JPS60139239A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 アロカ株式会社 超音波診断装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58188433A (ja) * 1982-04-28 1983-11-02 アロカ株式会社 超音波診断装置
JPS59171866A (ja) * 1983-03-18 1984-09-28 Fujitsu Ltd 超音波流速検出方式
JPS60139239A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 アロカ株式会社 超音波診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62204734A (ja) 1987-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0144968B1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
US4573477A (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
US4759375A (en) Ultrasonic doppler diagnostic apparatus
US4799490A (en) Doppler ultrasonic diagnostic apparatus
US4961427A (en) Ultrasonic doppler diagnostic apparatus
US4780837A (en) Doppler signal frequency converter
JPH0246908B2 (ja)
EP0166392A2 (en) Doppler signal frequency converter
JP2553635B2 (ja) 超音波ドップラ血流計
JP3281435B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
US4766905A (en) Ultrasonic transmitter/receiver
JPH0254738B2 (ja)
JPH0323050B2 (ja)
JPH0218094B2 (ja)
JPH0319510B2 (ja)
JPH084589B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH0479590B2 (ja)
JPH0254737B2 (ja)
JPH0216138B2 (ja)
Katakura New research fields in ultrasonic blood flow measurement
JPH0324861B2 (ja)
JPH0431264B2 (ja)
JPS61265591A (ja) ドプラ信号の周波数変換装置
JPH0222658B2 (ja)
JPH0224141B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term