JPH084589B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

Info

Publication number
JPH084589B2
JPH084589B2 JP1883192A JP1883192A JPH084589B2 JP H084589 B2 JPH084589 B2 JP H084589B2 JP 1883192 A JP1883192 A JP 1883192A JP 1883192 A JP1883192 A JP 1883192A JP H084589 B2 JPH084589 B2 JP H084589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
calculator
signal
velocity
ultrasonic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1883192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05212032A (ja
Inventor
好一 宮坂
烈光 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aloka Co Ltd filed Critical Aloka Co Ltd
Priority to JP1883192A priority Critical patent/JPH084589B2/ja
Publication of JPH05212032A publication Critical patent/JPH05212032A/ja
Publication of JPH084589B2 publication Critical patent/JPH084589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血流等の生体内運動反
射体の速度や速度の分散値等を計測し画像表示する超音
波ドプラ診断装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内に超音波を送波し、血流等の生体
内運動反射体にてドプラシフトを受けた反射波を受波
し、これによって得られた受信信号に含まれるドプラ情
報を解析することにより、前記運動反射体の速度等を求
め画像表示する超音波ドプラ診断装置が知られている。
【0003】従来の基本的な装置としては、特公昭62
−44494号公報に記載されたパルスドプラ式の超音
波ドプラ診断装置が挙げられ、かかる装置によれば、超
音波ビーム上における運動反射体の速度分布を実質的に
実時間で求めることができ、これによりBモード断層画
像に重ねて二次元的に血流速度分布等をリアルタイムで
表示することが可能である。
【0004】この従来の装置において、受信信号は、ま
ず所定の参照信号と混合され複素信号に変換される。そ
して、複素信号の自己相関によって得られるベクトル
(実数部の信号、虚数部の信号)の偏角から運動反射体
の速度及び運動反射体の運動方向が求められる。なお、
運動反射体の速度とともに、前記同様に偏角から速度の
分散値を求める超音波ドプラ診断装置も実用化されてい
る(例えば、特公平2−16139号公報参照)。
【0005】しかし、上記の特公昭62−44494号
公報に記載された超音波ドプラ診断装置において、比較
的高速の血流等を計測する場合には、いわゆる折り返し
現象が生じ、装置の有効速度計測範囲を超える速度につ
いては実際の正確な値を求められないという問題があ
る。ここで、この有効速度計測範囲について述べる。
【0006】一般に、速度の絶対値だけを判別する場合
には、計測可能な最大のドプラ周波数fdmaxと超音波パ
ルスの送信繰り返し周波数fr との間には、fdmax=f
r の関係があり、一方速度の絶対値だけでなくその正負
も判別する場合には、fdmax=fr /2の関係がある。
従って、速度の正負も判別する装置において、最大のド
プラ周波数fdmaxは、 fdmax=f0 ・k・Vmax =fr /2 ・・・(1) ただし、f0 :放射する超音波の周波数、 k:定数 Vmax :最大速度 となるから、測定可能な最大速度Vmax は、 Vmax =fr /(2f0 ・k) ・・・(2) となる。このVmax が上記の有効速度計測範囲の上限で
あり、要求される診断深度及び分解能との関係から、上
記装置において、Vmax を拡大するには限度がある。
【0007】そこで、2周期方式により速度計測範囲を
拡大した超音波ドプラ診断装置が特公平3−23050
号公報で提案されている。この装置においては、同一方
向に向けて、交互に2つのパルス繰り返し周期で、一定
の周波数の超音波が送波され、これによって得られる受
信信号は、まず所定の参照信号と混合されて複素信号に
変換され、その複素信号の自己相関によって自己相関信
号が求められている。そして、先の送波によって得られ
た自己相関信号と後の送波によって得られた自己相関信
号との共役積又は複素積の結果から、上記の偏角の計算
により生体内運動反射体の速度が求められるものであ
る。従って、この改良された従来の超音波ドプラ診断装
置によれば、拡大された一定範囲で折り返し現象を生じ
させずに、例えば心臓内の高速の血流等を計測すること
ができる。
【0008】なお、このほかに速度計測範囲を拡大する
方式として、2周波数法(例えば、日本超音波医学会講
演論文集 1990年5月「2周波数法による高速血流
計測」参照)、擬似2周波数法(例えば、特開昭63−
179275号公報参照)、AM変調法(例えば、特開
平2−147914号公報参照)、2参照周波数法(例
えば、特開平1−190340号公報参照)や、相互相
関法(日本超音波医学会講演論文集 p363〜p36
4 1989年5月「時間領域エコー相互相関法による
流速測定」参照)などが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような速度計測範囲が拡大された超音波ドプラ診断装置
にて、比較的低速の血流等を計測しようとすると、一般
的に計測誤差が大きくなり、精度の良い速度計測が行え
ないという問題があった。例えば、上記特公平3−23
050号公報に記載された装置では、結果として、いわ
ば自己相関のさらに自己相関演算から運動反射体の速度
を求めることになる。各自己相関の偏角が小さいと、そ
の偏角の差は、S/N比が悪くなり計測誤差の増大が生
じてしまう。また、速度の分散値が大きい場合にも、上
記と同様に、誤差の増大が生ずるという傾向もある。
【0010】従って、低速の運動反射体の速度を計測す
る場合には、上記のような速度計測範囲が拡大された超
音波ドプラ診断装置を用いるよりも、上記特公昭62−
44494号公報に記載された装置の方が精度の良い計
測が行える場合がある。また、速度の分散値が大きい場
合にも、これと同様のことが言える場合がある。
【0011】しかし、かかる装置では、上述のように本
質的に、高速の運動反射体の速度を計測できないので、
ここに相反する2つの要請を満たす装置が要望されてい
た。本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、高速の運動反射体に対しては速度計測
範囲が拡大された速度計測方式を適用し、低速の運動反
射体に対しては精度が維持できる速度計測方式を適用
し、運動反射体の速度に応じて適切な速度計測方式を適
用することのできる超音波ドプラ診断装置を提供するこ
とにある。
【0012】また、本発明の目的は、運動反射体の速度
に加えて速度の分散値も考慮して適切な速度計測方式を
選択することのできる超音波ドプラ診断装置を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、超音波パルスを生体内に送波し、生体内
の運動反射体にてドプラシフトを受けた反射波を受波し
て得られた受信信号から前記運動反射体の速度を計測す
る超音波ドプラ診断装置において、同一方向に向けて、
相異なる2つのパルス繰り返し周期を組み合わせた周期
パターンで一定周波数の超音波の送波を行い、反射波を
受波して受信信号を出力する超音波送受信器と、互いに
90度位相の異なる参照信号をそれぞれ別個に前記受信
信号に混合して、受信信号を複素信号に変換する複素信
号変換器と、前記複素信号の自己相関によって前記運動
反射体の速度を演算する演算器であって、有効な速度計
測範囲が第1速度計測範囲である第1速度演算器と、
記相異なる2つのパルス繰り返し周期のうち先の送波に
よる自己相関信号と後の送波による自己相関信号との共
役積又は複素積から前記運動反射体の速度を演算する
算器であって、前記第1速度計測範囲より拡大された第
2速度計測範囲を有する第2速度演算器と、前記運動反
射体の速度が前記第1速度計測範囲外にある場合に前記
第2速度演算器を選択し、前記運動反射体の速度が前記
第1速度計測範囲内にある場合に前記第1速度演算器を
選択する選択回路と、を含み、同じ受信信号に基づいて
前記第1速度演算器と前記第2速度演算器とが並列的に
速度演算を行い、前記選択回路によって前記いずれかの
速度演算器からの出力が選択されることを特徴とする。
また、本発明は、超音波パルスを生体内に送波し、生体
内の運動反射体にてドプラシフトを受けた反射波を受波
して得られた受信信号から前記運動反射体の速度を計測
する超音波ドプラ診断装置において、同一方向に向け
て、一定のパルス繰り返し周期で相異なる2つの周波数
の超音波を所定の順序で送波し、反射波を受波して受信
信号を出力する超音波送受信器と、互いに90度位相の
異なる参照信号をそれぞれ別個に前記受信信号に混合し
て、受信信号を複素信号に変換する複素信号変換器と、
前記複素信号の自己相関によって前記運動反射体の速度
を演算する演算器であって、有効な速度計測範囲が第1
速度計測範囲である第1速度演算器と、前記相異なる2
つの周波数のうちで一方の周波数の超音波の送波による
自己相関信号と他方の周波数の超音波の送波による自己
相関信号との共役積又 は複素積から前記運動反射体の速
度を演算する演算器であって、前記第1速度計測範囲よ
り拡大された第2速度計測範囲を有する第2速度演算器
と、前記運動反射体の速度が前記第1速度計測範囲外に
ある場合に前記第2速度演算器を選択し、前記運動反射
体の速度が前記第1速度計測範囲内にある場合に前記第
1速度演算器を選択する選択回路と、を含み、同じ受信
信号に基づいて前記第1速度演算器と前記第2速度演算
器とが並列的に速度演算を行い、前記選択回路によって
前記いずれかの速度演算器からの出力が選択されること
を特徴とする。
【0014】また、本発明は、上記の超音波ドプラ診断
装置において、前記複素信号の自己相関から前記運動反
射体の速度の分散値を演算する速度分散演算器を設け、
前記選択回路は、前記運動反射体の速度が前記第1速度
計測範囲外にありかつ速度の分散値が所定範囲内にある
場合にのみ前記第2速度演算器を選択し、それ以外の場
合に前記第1速度演算器を選択することを特徴とする。
【0015】
【作用】上記構成によれば、選択回路によって、運動反
射体の速度に応じて速度演算器を選択できるので、第1
速度演算器で計測困難な高速の運動反射体については、
第2速度演算器を選択して、折り返し現象のない速度表
示が可能となる。一方、低速の運動反射体については、
誤差の増大が生じやすくなる第2速度演算器から、第1
速度演算器に選択を切り替えて、精度の良い速度計測を
確保できる。ここで、第2速度演算器としては、2周期
法や2周波数法等に基づいた速度演算器が用いられる
れにより、第1速度演算器と第2速度演算器の双方を
並列的に動作させることが可能となり、実時間性を確保
できる。
【0016】また、速度分散演算器を設け、選択回路に
て速度の分散値を考慮することにより、速度の分散値が
大きくなり第2速度演算器による速度計測誤差が大きく
なると予想される場合には、第1速度演算回路を優先的
に選択して、実効性のある速度計測を確保できる。
【0017】従って、本発明によれば、一定の速度計測
精度を維持しつつ、運動反射体の運動状況に応じた超音
波ドプラ診断装置が実現できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。
【0019】(a)全体構成の説明 図1には、本発明に係る超音波ドプラ診断装置の全体構
成が示されている。図1において、タイミング信号発生
器10は、送信繰り返し周波数を定める送信繰り返し信
号100を送受信器11に与え、その信号に従って送受
信器11は送信駆動信号を発生し、それを超音波探触子
12に供給する。これによって、後述するように、超音
波探触子12に設けられた超音波振動子(図示せず)か
ら所定の周波数の超音波パルスが、所定の送信繰り返し
周期で、生体内に放射される。
【0020】生体内の血流等の運動反射体にてドプラシ
フトを受けた反射波は、超音波探触子12の前記超音波
振動子によって受波され、受信信号は送受信器11で位
相合成や高周波増幅等が行われた後、複素信号変換器1
4及び検波器16に出力されている。
【0021】検波器16は、生体のBモード断層画像を
得るために受信信号の検波を行い、検波後の白黒断層画
像信号は、デジタルスキャンコンバータ(以下、DSC
という)18に出力されている。
【0022】さて、複素信号変換器14は、受信信号を
複素信号に変換するものであり、互いに並列して設けら
れた2つのミキサ20a,20bと、2つの低域フィル
タ22a,22bと、で構成されている。ここで、前記
タイミング信号発生器10から互いに90度位相の異な
る参照信号102a,102bがミキサ20a,20b
にそれぞれ別個に供給されている。これらの参照信号1
02は、前記送信繰り返し周波数の整数倍の周波数を有
する。
【0023】従って、受信信号は、まずミキサ20a,
20bで参照信号102a,102bと混合検波され、
これによって両信号の和と差の周波数成分を持つ信号が
ミキサ20a,20bの出力に現れることになる。そし
て、和の周波数成分を持つ信号は、低域フィルタ22
a,22bによって除去され、差の周波数成分を持つ信
号のみが出力される。以上の作用にて、後に数式で示す
ように、受信信号は、実数部に対応する実数部信号x1
と虚数部に対応する虚数部信号y1 とから成る複素信号
1 に変換される。
【0024】ところで、受信信号には、計測対象となる
血流等の運動反射体のドプラ情報のほかに、本来的に計
測対象にならない心臓壁等の低速運動部あるいは静止部
からの比較的強大で、かつ不要なドプラ情報が含まれて
いる。従って、計測対象となる運動反射体の速度を精度
良く計測するためには、上記の不要なドプラ情報を排除
する必要がある。
【0025】そこで、本実施例においては、複素ディレ
ーラインキャンセラ24が設けられている。この複素デ
ィレーラインキャンセラ24は、それぞれ並列して設け
られた2つのA/D変換器26a,26bと、2つの加
算器28a,28bと、2つのディレーライン30a,
30bと、で構成されている。ここで、ディレーライン
30a,30bは、送信繰り返し周期(T)分だけ受信
信号を遅延させるものである。
【0026】従って、複素信号変換器14からの複素信
号Z1 は、まずA/D変換器26a,26bにてデジタ
ル信号に変換され、位相が反転された1周期前の複素信
号と加算されることになる。これにより、静止部あるい
は低速運動部の現時点での信号は、1周期前の信号とほ
とんど変化がないことから、互いにキャンセルされ、結
果として、1周期間で変動したある程度の速度を持った
運動反射体の信号成分のみが残り、複素ディレーライン
キャンセラ24から不要なドプラ情報が排除された複素
信号Z3 が出力されることになる。
【0027】以下に、ここまでの受信信号処理を数式で
示す。
【0028】参照信号102aは、送信繰り返し周波数
r の整数倍の周波数f0 を有し、その振幅を1とすれ
ば、次の第3式にて表される。 sin(2πf0 t) ・・・(3) 上記同様に、参照信号102bは、次の第4式にて表さ
れる。 cos(2πf0 t) ・・・(4) 一方、超音波探触子12からの受信信号は、ドプラ偏移
周波数をfd として次の第5式にて表される。 sin(2πf0 t+2πfd t) ・・・(5) なお、この受信信号はパルス波であるので、一般に、 sin{2π(f0 ±nfr )t+2πfd (1±nfr /f0 )t} ・・・(6) で示されるスペクトル(ただし、nは0、1、2、・・
・なる整数である)が含まれるが、以下の説明において
は説明簡略化のため、n=0のときの上記第5式で示さ
れる受信信号について説明する。
【0029】ミキサ20aでは、受信信号と一方の参照
信号102aとの積がとられるので、第3式と第5式の
積の2倍である次式が得られる。 cos(2πfd t)−cos(4πf0 t+2πfd t)・・・(7) そして、この信号は、低域フィルタ22aで2f0 +f
d の周波数成分が除去され、その出力信号は、 cos(2πfd t) ・・・(8) となる。一方、上記と同様に、ミキサ20b及び低域フ
ィルタ22bを通過した出力信号は、 sin(2πfd t) ・・・(9) となる。従って、上記第8式を実数部、上記第9式を虚
数部とすれば、複素信号変換器14から出力される複素
信号Z1 は、 Z1 =cos(2πfd t)+i・sin(2πfd t)・・・(10) と表せる。
【0030】そして、この複素信号Z1 は、複素ディレ
ーラインキャンセラ24で1周期Tだけ遅延された信号
2 の位相反転された信号と加算される。ここで、信号
2は、 Z2 =cos{2πfd (t−T)}+i・sin{2πfd (t−T)} ・・・(11) と表され、加算器28の出力Z3 は、 Z3 =Z1 −Z2 =−2sin{2πfd (T/2)}・sin{2πfd (t−T/2)} +i・2sin(2πfd (T/2)}・cos{2πfd (t−T/2)} ・・・(12) となり、この第12式を、 Z3 =x3 +i・y3 ・・・(13) で示せば、x3 及びy3 は、 x3 =−2sin{2πfd (t−T/2)} ・sin{2πfd (t−T/2)} ・・・(14) y3 =2sin(2πfd (T/2)} ・cos{2πfd (t−T/2)} ・・・(15) である。
【0031】次に、複素ディレーラインキャンセラ24
以降の構成について説明する。
【0032】複素ディレーラインキャンセラ24から出
力された複素信号Z3 は、二手に分岐されて第1速度演
算器30及び第2速度演算器32に送出されている。
【0033】第1速度演算器30は、複素信号Z3 の自
己相関により、生体内運動反射体の速度V1 を演算する
ものであり、本実施例においては、速度の分散値σ2
演算している。ここで、この第1速度演算器30におい
て、折り返し現象が生じない速度計測範囲を第1速度計
測範囲と定義する。
【0034】一方、第2速度演算器32は、複素信号の
自己相関によって自己相関信号を求め、さらにその自己
相関信号の共役積又は複素積から運動反射体の速度V2
を演算するものであり、前記第1速度計測範囲より拡大
(拡大率をαとする)された第2速度計測範囲を持つも
のである。
【0035】従って、運動反射体の速度が第1速度計測
範囲を超えて、第1速度演算器30の出力で折り返し現
象が生じていても、第2速度計測範囲内までは、第2速
度演算器32により折り返し現象を生じさせないで運動
反射体の速度を求めることができる。なお、これらの第
1速度演算器30及び第2速度演算器32については、
後に詳述する。
【0036】第1速度演算器30から出力された分散値
信号σ2 及び第2速度演算器32から出力された速度信
号V2 は、判定回路34に出力されている。一方、第1
速度演算器30から出力された分散値信号σ2 は、分散
値の画像表示のためにDSC18に出力され、他方の速
度信号V1 は、係数乗算器36によって1/α倍された
後、速度信号V1 ´として切替器38に出力されてい
る。
【0037】判定器34は、本実施例において、運動反
射体の速度が第1速度計測範囲を超え、かつ、速度の分
散値が所定範囲内にある場合には、V2 を有効と判定
し、それ以外の場合には、V1 を有効と判定する。そし
て、その判定結果は、切替器38へ切替コントロール信
号として与えられ、1/α倍されたV1 、又はV2 のい
ずれか適切な方が選択される。なお、この判定器34の
具体的構成については後に述べる。
【0038】切替器38にて選択された速度信号は、分
散値信号σ2 及び検波器16からのBモード断層画像信
号とともに、画像データとしてDSC18に出力されて
いる。そして、DSC18から出力された画像データ
は、CRT40に送られ、CRT40にてカラー画像表
示が行われる。この画像表示においては、本実施例にお
いて、白黒のBモード断層画像に重ねて血流等の速度及
び分散値がカラーで識別して二次元的に表示される。
【0039】(b)第1速度演算器の説明 図2には、第1速度演算器30の構成が示されている。
このうち、図中300で示す構成は、基本的には、特公
昭62−44494号に示された自己相関器と同じ構成
である。
【0040】複素ディレーラインキャンセラ24から出
力された複素信号Z3 (具体的には、実数部信号x3
虚数部信号y3 )は、まずディレーライン42a,42
bにて送信繰り返し周波数の1周期(T)だけ遅延さ
れ、複素信号Z4 が生成される。この複素信号Z4 は、
次式で表される。 Z4 =x4 +i・y4 ・・・(16) ただし、 x4 =−2sin{2πfd (T/2)} ・sin{2πfd (t−3T/2)} ・・・(17) y4 =2sin{2πfd (T/2)} ・cos{2πfd (t−3T/2)} ・・・(18) そして、この複素信号Z4 と複素共役関係にある信号Z
4 * =x4 −i・y4と、前記複素信号Z3 と、の共役
積を以下のように求めることにより、自己相関が演算さ
れる。 Z3 ・Z4 * =(x3 +i・y3 )(x4 −i・y 4) =x3 ・x4 +y3 ・y4 +i(x4 ・y3 −x3 ・y4 ) ・・・(19) この第19式の演算を行うために、掛算器44a,44
b,44c,44dが設けられ、さらに加算器46a,
46bが設けられている。
【0041】加算器46aの出力をRとすれば、第14
式、第15式、第17式、第18式から、 R=x3 ・x4 +y3 ・y4 =4sin2 {2πfd (T/2)}・cos(2πfd T) ・・・(20) となり、また、加算器46bの出力をIとすれば、 I=x4 ・x3 −x3 ・y4 =4sin2 {2πfd (T/2)}・sin(2πfd T) ・・・(21) となり、これらの2つの加算器46a,46bの出力を
合わせると、 S=R+i・I ・・・(22) が得られる。
【0042】そして、この出力Sに含まれる雑音成分を
除去するために、48,49で構成される加算平均化回
路が設けられている。
【0043】ここでは、48a,48bで複数回の加算
を行い、その加算値を除算器49a,49bで加算回数
で割り、平均化を行う。
【0044】以上の計算式により、運動反射体の速度
は、複素信号Sにおける実数部Rと虚数部Iとの偏角θ
から計算される。偏角θは、 θ=tan-1(I/R) =2πfd T ・・・(23) として求められ、これから、ドプラ偏移周波数fd は、 fd =θ/(2πT) ・・・(24) として、偏角θから求められる。そして、運動反射体の
速度は、ドプラ偏移周波数fd に比例するので、そのf
d から計算される。この時、I及びRは正又は負の値を
とり、偏角θの符号から運動反射体の運動方向が求めら
れる。また、θは±πの間で実際に測定可能であるの
で、その範囲で折り返し現象が生じない第1速度計測範
囲が規定される。
【0045】この複素信号Sから運動反射体の速度を計
算するのが偏角演算器45であり、そして、複素信号S
から速度の分散値σ2 を計算するのが分散演算器47で
ある。なお、この分散演算器47については、特公平2
−16139号でも開示されている。なお、本実施例に
おいては、後述の第2速度演算器に前記2周期法が適用
される場合には、超音波探触子12から図4(B)に示
されるような波形の超音波が送波され、その場合、図2
中の下段説明から明らかなように、第1速度演算器30
ではディレーラインのディレー量がT1又はT2に交互
に切り替えられる。一方、第2速度演算器に前記2周波
法が適用される場合には、超音波探触子12から図4
(C)に示されるような波形の超音波が送波され、その
場合、第1速度演算器30ではディレーラインのディレ
ー量がTとなる。このことから明らかなように、本実施
例では、第1速度演算器と第2速度演算器とを並列動作
させており、また、その並列動作のために超音波探触子
12では、第1速度演算器と第2速度演算器の双方に対
応した送信が行われている。後述するように第2速度演
算器に他の速度計測範囲拡大手法が適用される場合に
は、周知のように図4(B)又は(C)以外の送信波形
となり得る場合があるが、いずれにしても上記の通り、
超音波探触子12では、第1速度演算器での速度演算及
び第2速度演算器での速度演算の双方に対応した波形を
有する超音波の送波が行われる。このことは、受信信号
の処理においても同様であり、例えば図1の下段に示す
ように、第2速度演算器に適用される演算手法に対応し
て複素ディレーキャンセラ30におけるディレー量は、
2周期法の場合にはT1+T2となり、2周波数法の場
合は2Tとなる。もちろん、他の手法が適用される場合
にはその手法に対応して受信信号が処理されるが、いず
れにしても速度演算の前提として第1速度演算器での速
度演算と第2速度演算器での速度演算の双方に対応した
受信信号の共通処理が行われる。
【0046】(c)第2速度演算器の第1実施例の説明 上記の第1速度演算器30で、高速の運動反射体の速度
を計測しようとすると、上述した折り返し現象が生じ、
本来的に速度を求めることができない。そこで、第1速
度計測範囲より拡大された速度計測範囲を持ち、かつ第
1速度演算器30を改良した第2速度演算器32が設け
られている。なお、この第2速度演算器32で、低速の
運動反射体の速度を計測すると、あるいは速度の分散値
が大きいものを計測すると、上述のとおり計測誤差が大
きくなるので、かかる場合に第1速度演算器30の存在
意義がある。すなわち、本発明は、計測対象に応じて、
これら2つの速度演算器の出力を切り替えて、それぞれ
の利点を有意義に活用するものである。
【0047】図3には、第2速度演算器の第1実施例の
構成(32−1)が示されている。なお、この構成は、
基本的に、特公平3−23050号に記載された2周期
法による速度計測演算器と同じである。
【0048】ところで、図4(A)には、生体内に送波
される一般的な超音波の波形が示されている。この
(A)におけるTは、送信繰り返し周期であり、一定の
周波数の超音波がパルス的に周期Tで送波される。
【0049】次に、(B)には、第1実施例の第2速度
演算器32−1を適用した場合の超音波の波形が示され
ている。すなわち、周期T1 と周期T2 とが交互に組み
合わされた周期パターンで、超音波探触子12から超音
波が送波される。なお、超音波の周波数は、一定であ
る。
【0050】図3において、図中302で示される構成
は、図2で示した自己相関を求める構成300と基本的
に同一の構成であり、同一符号を付し、その説明を省略
する。ただし、図3におけるディレーライン42a,4
2bにおいては、2周期法を実現させるため、送信繰り
返し周期T1 ,T2 に対応させて、それらに係る受信信
号の遅延量が交互にT1 又はT2 に切り替わる。また、
平均化回路48a,48bにおけるディレーラインの遅
延量は、T1 +T2 である。
【0051】ここで、構成302で計算される自己相関
値の絶対値を|S|とすると、自己相関信号であるR及
びIは、 R=|S|cosθ ・・・(25) I=|S|sinθ ・・・(26) で表される。
【0052】そして、2つの送信繰り返し周期のうち、
先の送波によって得られた自己相関信号R,Iを第1自
己相関信号とし、後の送波によって得られた自己相関信
号を第2自己相関信号とすれば、本実施例において、第
1自己相関信号のうち、Rは、ディレーライン50aに
てT1 又はT2 だけ遅延され、Iは、ディレーライン5
0bにてT1 又はT2 だけ遅延される。一方、第2自己
相関信号のR,Iは、いずれも遅延されずに次の乗算器
に入力される。
【0053】図3において、本実施例においては、4つ
の乗算器52a,52b,52c,52d及び2つの加
算器54a,54bによって、第1自己相関信号と第2
自己相関信号との共役積が演算されている。ここで、共
役積とは、第1自己相関信号及び第2自己相関信号のい
ずれか一方の複素数と他方の共役複素数との積をいう。
従って、乗算器群52では、次の演算が実行される。 (R1 +i・I1 )(R2 +i・I2 ) =R1 2 +I1 2 +i(I1 2 −R1 2 ) =x7 +i・y7 ・・・(27) ここで、R1 ,I1 は第1自己相関信号の実数部及び虚
数部であり、R2 ,I2 は第2自己相関信号の実数部及
び虚数部であり、整理すると次のように示される。 R1 =|S|cosθ1 ・・・(28a) I1 =|S|sinθ1 ・・・(28b) θ1 =2πfd 1 2 =|S|cosθ2 ・・・(29a) I2 =|S|sinθ2 ・・(29b) θ2 =2πfd 2 従って、この第28式及び第29式を第27式に代入す
ると、 x7 =R1 2 +I1 2 =|S|2 (cosθ1 cosθ2 +sinθ1 sinθ2 ) ・・・(30) y7 =I1 2 −R1 2 =|S|2 (sinθ1 cosθ2 −cosθ1 sinθ2 ) ・・・(31) 以上のようにして求められた共役積の結果であるx7
7 は、偏角演算器56に送られる。なお、反転器58
は各送波ごとにy7 の符号が交互に反転してしまうた
め、これを戻すためのものである。
【0054】そして、この偏角演算器56では、次の計
算が行われる。 θ1 −θ2 =tan-1(x7 /y7 ) =2πfd (T1 −T2 ) =2πfd ΔT ・・・(32) 従って、fd は、ΔT(T1 −T2 )とΔθ(=θ1
θ2 )とから、容易に求めることができ、さらに、その
d から運動反射体の速度V2 を求められる。ここにお
いて、第32式から明らかなように、結果として、送信
繰り返し周期がΔTで超音波を送波したのと同一のドプ
ラ情報を得ている。すなわち、最大計測深度をほとんど
変えることなく、有効な速度計測範囲を拡大できる。
【0055】なお、本実施例では、第1自己相関信号と
第2自己相関信号との共役積を演算したが、複素積を計
算してもよい。
【0056】(d)第2速度演算器の第2実施例の説明 以上説明した2周期法のほか、速度計測範囲を拡大する
ため、例えば、以下のような2周波数法を適用すること
もできる。
【0057】図5には、第2速度演算器の第2実施例3
2−1の全体構成が示されている。この第2実施例で
は、図4(C)に示すように、一定の送信繰り返し周期
Tで、互いに異なる2つの周波数fc1,fc2の超音波が
交互に送波されている。そして、図1に示した複素信号
変換器14に供給される参照信号102a,102bの
周波数は、送信される超音波の周波数に応じて、fc1
はfc2に交互に切り替えられている。なお、本実施例で
は、fc1の超音波とfc2の超音波とを交互に送波した
が、複数回ずつ交互に送波してもよく、あるいは他の送
信パターンでもよい。
【0058】図5における構成306は、図3に示した
構成302と基本的に同一であり、また図5における構
成308は、図3に示した構成304と基本的に同一で
あり、各回路については同一符号を付し、その説明を省
略する。ただし、この第2実施例におけるディレーライ
ン42a,42bは、送信繰り返し周期Tの2倍の遅延
を行う。また、平均化回路48a,48bに含まれるデ
ィレーラインも上記同様に2Tの遅延を行う。
【0059】この第2実施例の動作を上記第16式から
上記第31式までの計算に当てはめると、fc1に対する
ドプラ周波数をfd1とし、fc2に対するドプラ周波数を
d2とすれば、上記第32式と同様に、 θ1 −θ2 =2π(2fd1−2fd2)T =2π・2・Δfd ・T ・・・(33) と表され、これから運動反射体の速度が容易に求められ
る。なお、第33式において、fd1とfd2とが2倍され
ているのは、図5に示したディレーライン42a,42
bで2Tの遅延量が設定されているからである。
【0060】なお、この第2実施例においても、第1実
施例同様に、複素積を計算してもよい。
【0061】(e)判定器の説明 図6には、判定器34の具体的構成が示されている。こ
の判定器34は、上述したように、運動反射体の速度及
び速度の分散値に応じて、第1速度演算器の出力又は第
2速度演算器の出力のうち、いずれの出力を選択する方
がより適切であるかを判定するものである。
【0062】図6において、第2速度演算器32から出
力された速度信号V2 は、ROM等からなる絶対値演算
器60に入力され、速度の絶対値が求められている。そ
して、絶対値演算器60からの絶対値信号は、比較器6
2に入力され、所定の速度比較信号Vthと比較されてい
る。ここで、この速度比較信号Vthは、上記第1速度計
測範囲の一方の上限を示すものである。そして、速度の
絶対値が、0〜Vthの間にある場合には、比較器62か
ら“1”が出力され、0〜Vth以外にある場合には、
“0”が出力される。
【0063】一方、第1速度演算器30から出力された
分散値信号σ2 は、比較器66に入力され、所定の分散
比較信号σ2 thと比較されている。上述したように、第
2速度演算器32は速度の分散値がある程度以上大きく
なると、計測誤差が増大する傾向がある。そこで、実際
の分散値が、第2速度演算器32で許容できる範囲内で
あるか否かを判断するのが比較器66である。すなわ
ち、この分散比較信号σ2 thは、許容できる分散値の範
囲の上限を示すものである。
【0064】そして、比較器66は、分散値信号σ
2 が、0〜σ2 thの間にある場合には、“0”を出力
し、0〜σ2 th以外にある場合には、“1”を出力す
る。
【0065】比較器62及び比較器66の出力信号は、
OR回路64に入力され、両信号のORがとられてい
る。従って、運動反射体の速度が、第1速度計測範囲外
で、かつ速度の分散値が上記の所定範囲内にある場合に
は、OR回路から“0”が出力され、それ以外の場合に
は、“1”が出力される。
【0066】このOR回路からの出力信号は、図1に示
した切替器38に切替えコントロール信号として送ら
れ、その出力信号が“0”の場合には、第2速度演算器
32の速度出力信号V2 が選択され、“1”の場合には
係数乗算器36を通った第1速度演算器30の速度出力
信号V1 が選択される。これによって、一定の速度計測
精度を維持しつつ、出来るだけ折り返し現象を回避でき
る。
【0067】なお、本実施例では、速度の分散値を考慮
したが、折り返し現象防止を優先させる時には、速度の
みを判定パラメータとしてもよい。また、第2速度演算
器で速度の分散値を求め、判定器34に供給してもよ
い。
【0068】(f)速度表示の説明 運動反射体の速度表示には、各種の表示方式を適用でき
るが、図7には本実施例の装置での表示例が示されてい
る。図7において、(A)には、第1速度計測範囲と拡
大された第2速度計測範囲が示されている。また、
(B)には、運動反射体の速度とその表示色との関係が
示されている。ここで、例えば、第1速度計測範囲の上
限は、±50cm/sであり、第2速度計測範囲の上限
は、±150cm/sである。
【0069】(B)に示すように、第1速度計測範囲の
うち、方向の速度は従来同様に赤の明暗で表示され、負
方向の速度は青の明暗で表示される。そして、第一速度
計測範囲を正方向に超える速度は、赤からうすピンクへ
の色変化で示され、一方、負方向に超える速度は、青か
らうす紫への色変化で示される。なお、図8には、上記
の速度表示を実際に表示器40で形成する場合の輝度値
R,G,Bが速度に対応付けて示されている。
【0070】本実施例の速度表示によれば、表示画像に
おいて、第1速度演算器30が適用されたかあるいは第
2速度演算器が適用されたかを表示色によって判断でき
る。以上のように、本実施例の超音波ドプラ診断装置に
よれば、運動反射体の速度及び速度の分散値に応じて適
切な速度演算を実現できる。なお、第2速度演算器とし
ては、上記実施例のほか、従来例で挙げた各種の速度演
算を適応でき、また第1速度演算器と第2速度演算器と
で重複する構成部分を共用して、構成を簡易化しても好
適である。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速の運動反射体に対しては第2速度演算器を適用して
折り返し現象を回避でき、その第2速度演算器で計測誤
差の増大が生じてしまう低速の運動反射体に対しては、
第1速度演算器を適用して計測を行うことができる。従
って、本発明によれば、2つの速度演算器の両者の利点
を有効に活用することができる。
【0072】また、演算器の選択基準として、運動反射
体の速度のほか、速度の分散値も考慮することにより、
より適切な選択が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波ドプラ診断装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】第1速度演算器の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】第2速度演算器の第1実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】送波される超音波の周期概念を示す説明図であ
る。
【図5】第2速度演算器の第2実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】判定器の構成を示すブロック図である。
【図7】速度計測範囲と表示色との関係を示す説明図で
ある。
【図8】速度表示における輝度値R,G,Bを示す説明
図である。
【符号の説明】
11 送受信器 14 複素信号変換器 24 複素ディレーラインキャンセラ 30 第1速度演算器 32 第2速度演算器 34 判定器 38 切替器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波パルスを生体内に送波し、生体内
    の運動反射体にてドプラシフトを受けた反射波を受波し
    て得られた受信信号から前記運動反射体の速度を計測す
    る超音波ドプラ診断装置において、同一方向に向けて、相異なる2つのパルス繰り返し周期
    を組み合わせた周期パターンで一定周波数の超音波の送
    波を行い、反射波を受波して受信信号を出力する超音波
    送受信器と、 互いに90度位相の異なる参照信号をそれぞれ別個に前
    記受信信号に混合して、受信信号を複素信号に変換する
    複素信号変換器と、 前記複素信号の自己相関によって前記運動反射体の速度
    を演算する演算器であって、有効な速度計測範囲が第1
    速度計測範囲である第1速度演算器と、前記相異なる2つのパルス繰り返し周期のうち先の送波
    による自己相関信号と後の送波による自己相関信号との
    共役積又は複素積から前記運動反射体の速度を演算する
    演算器であって、前記第1速度計測範囲より拡大された
    第2速度計測範囲を有する第2速度演算器と、 前記運動反射体の速度が前記第1速度計測範囲外にある
    場合に前記第2速度演算器を選択し、前記運動反射体の
    速度が前記第1速度計測範囲内にある場合に前記第1速
    度演算器を選択する選択回路と、 を含み じ受信信号に基づいて前記第1速度演算器と前記第2
    速度演算器とが並列的に速度演算を行い、 前記選択回路によって前記いずれかの速度演算器からの
    出力が選択されることを特徴とする超音波ドプラ診断装
    置。
  2. 【請求項2】 超音波パルスを生体内に送波し、生体内
    の運動反射体にてドプラシフトを受けた反射波を受波し
    て得られた受信信号から前記運動反射体の速度を計測す
    る超音波ドプラ診断装置において、 同一方向に向けて、一定のパルス繰り返し周期で相異な
    る2つの周波数の超音波を所定の順序で送波し、反射波
    を受波して受信信号を出力する超音波送受信器と、 互いに90度位相の異なる参照信号をそれぞれ別個に前
    記受信信号に混合して、受信信号を複素信号に変換する
    複素信号変換器と、 前記複素信号の自己相関によって前記運動反射体の速度
    を演算する演算器であって、有効な速度計測範囲が第1
    速度計測範囲である第1速度演算器と、 前記相異なる2つの周波数のうちで一方の周波数の超音
    波の送波による自己相関信号と他方の周波数の超音波の
    送波による自己相関信号との共役積又は複素積から前記
    運動反射体の速度を演算する演算器であって、前記第1
    速度計測範囲より拡大された第2速度計測範囲を有する
    第2速度演算器と、 前記運動反射体の速度が前記第1速度計測範囲外にある
    場合に前記第2速度演算器を選択し、前記運動反射体の
    速度が前記第1速度計測範囲内にある場合に前記第1速
    度演算器を選択する選択回路と、 を含み、 同じ受信信号に基づいて前記第1速度演算器と前記第2
    速度演算器とが並列的に速度演算を行い、 前記選択回路によって前記いずれかの速度演算器からの
    出力が選択されることを特徴とする超音波ドプラ診断装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の超音波ドプラ診断
    装置において、 前記複素信号の自己相関から前記運動反射体の速度の分
    散値を演算する速度分散演算器を有し、 前記選択回路は、前記運動反射体の速度が前記第1速度
    計測範囲外にありかつ速度の分散値が所定範囲内にある
    場合にのみ前記第2速度演算器を選択し、それ以外の場
    合に前記第1速度演算器を選択することを特徴とする超
    音波ドプラ診断装置。
JP1883192A 1992-02-04 1992-02-04 超音波ドプラ診断装置 Expired - Fee Related JPH084589B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1883192A JPH084589B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 超音波ドプラ診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1883192A JPH084589B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 超音波ドプラ診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05212032A JPH05212032A (ja) 1993-08-24
JPH084589B2 true JPH084589B2 (ja) 1996-01-24

Family

ID=11982512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1883192A Expired - Fee Related JPH084589B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 超音波ドプラ診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH084589B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004105614A1 (ja) * 2003-05-29 2004-12-09 Olympus Corporation 超音波診断装置および超音波診断装置のデータ処理方法
WO2005037104A1 (ja) * 2003-10-17 2005-04-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 超音波ドプラ血流測定装置
JP2009261539A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Aloka Co Ltd 超音波診断装置
JP4983787B2 (ja) * 2008-12-24 2012-07-25 横河電機株式会社 超音波計測器
JP6231354B2 (ja) * 2013-10-31 2017-11-15 フクダ電子株式会社 超音波診断装置およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05212032A (ja) 1993-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0144968B1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
US20110015526A1 (en) Methods and apparatus for ultrasound imaging
JPH01110351A (ja) 超音波ドプラ診断装置
US4799490A (en) Doppler ultrasonic diagnostic apparatus
US4771789A (en) Ultrasonic device for measuring acceleration of moving reflective member
JPH03162837A (ja) 医用超音波装置
JPH084589B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH02193650A (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH0254738B2 (ja)
JPH0319510B2 (ja)
JPH0218097B2 (ja)
JPS62204734A (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH08110B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JP2690000B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH0418859B2 (ja)
JPH0728865B2 (ja) 超音波診断装置
JPH0431264B2 (ja)
JP2878163B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JPH0679604B2 (ja) 超音波診断装置
JP2003052694A (ja) 超音波撮像装置
JPH0222658B2 (ja)
JPH0224141B2 (ja)
JPS62142537A (ja) 超音波診断装置
JPH0679602B2 (ja) 超音波診断装置
JPH0199537A (ja) 超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees