JPH08110B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

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JPH08110B2
JPH08110B2 JP1014860A JP1486089A JPH08110B2 JP H08110 B2 JPH08110 B2 JP H08110B2 JP 1014860 A JP1014860 A JP 1014860A JP 1486089 A JP1486089 A JP 1486089A JP H08110 B2 JPH08110 B2 JP H08110B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超音波ドプラ診断装置、特に超音波を被検体
内に放射してドプラ効果による速度情報を受信し、被検
体内の運動反射体の運動状態を画面上に正確に表示する
超音波ドプラ診断装置に関する。
[従来の技術] 生体などの被検体内に超音波パルスビーム等を放射して
運動する反射体、例えば心臓内血流の状態を画像表示す
る超音波ドプラ診断装置が周知であり、これは、被検体
内からの血流の反射エコーを受信し、反射エコーが受け
たドプラ効果を超音波キャリア周波数の周波数偏移とし
て検出することにより、血流の速度分布状態を求めるも
のである。
[発明が解決しようとする課題] ところで、このような従来装置では、単一ビームで得
られる速度は超音波ビーム方向(セクタ走査にあっては
動径方向)に動く速度成分のみで、実際の運動方向によ
る正確な速度を表示することは困難であるという問題が
ある。
従って、従来では、ある程度離れた異なる位置から複
数の超音波パルスビームを被検体の同一位置に放射し、
得られた複数の速度信号を合成することにより、運動反
射体の運動方向を含んだ速度を求めることが行われる。
しかし、この方法では装置が複雑となるばかりでな
く、特に心臓等のように超音波パルスビームを挿入する
位置や角度が限定される部位に用いる場合には適用し難
いという欠点がある。
また、セクタ走査での超音波送受信方向において、微
小の偏向角差を有する2つの超音波パルスビームを放射
して得られた速度信号を比較演算してベクトル速度を求
めることが特開昭62−152437号公報にて提案されてい
る。
これによれば、まず所定の方向に超音波パルスビーム
を複数回放射し、その後に所定方向と微小偏向角ずれた
方向に超音波パルスビームを放射し、この微小の偏向角
差を有する動径方向の2つの速度信号から直角方向速度
を実時間で演算して、最終的にベクトル速度を求めるこ
とができる。
しかしながら、上記特開昭62−152437号に記載された
装置では、各超音波ビーム方向が微小偏向角異なるセク
タ走査が行われており、本来的に各超音波ビーム方向が
並行であるリニア走査は実現されていなかった。
そこで、リニア走査を適用しつつベクトル速度を求め
たい要望があった。
本発明は、前記従来の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、リニア走査を適用しつつベクトル速度
を演算することにある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本発明は、第1方向に向
く超音波ビームを並行走査する第1走査と前記第1方向
に対して微小偏向角ずれた第2方向に向く超音波ビーム
を並行走査する第2走査とを1走査毎に交互に行う送受
信回路と、前記第1走査における各超音波ビームの受信
信号から、運動反射体の前記第1方向の速度を示す第1
方向速度信号を求め、また前記第2走査における各超音
波ビームの受信信号から、前記運動反射体の前記第2方
向の速度を示す第2方向速度信号を求める超音波ビーム
方向速度演算部と、前記第1方向速度信号をフレーム毎
に格納する第1のフレームメモリと、前記第2方向速度
信号をフレーム毎に格納する第2のフレームメモリと、
前記第1のフレームメモリ及び前記第2のフレームメモ
リから、前記第1方向速度信号と前記第2方向速度信号
を読み出して、前記運動反射体について前記第1方向と
直角方向の速度を演算し、それを示す直角方向速度信号
を出力する直角方向速度演算部と、前記第1方向速度信
号と前記直角方向速度信号から、前記運動反射体の走査
面内のベクトル速度を演算し、それを示すベクトル速度
信号を出力するベクトル速度演算部と、を含み、前記第
1走査と前記第2走査のフレーム間で直角方向速度を演
算することを特徴とする。
[作用] 上記構成によれば、リニア走査及び偏向リニア走査で
ある第1走査及び第2走査が1走査毎に交互に行われ
る。すなわち、第1走査が完了した後、微小偏向角ずれ
た方向についての第2走査が行われ、それらが交互に繰
り返される。
そして、各走査の受信信号から超音波ビーム方向に沿
う被検体内の運動反射体の速度成分を示す第1方向速度
信号と第2方向速度信号が演算され、第1方向速度信号
は第1のフレームメモリに格納され、第2方向速度信号
は第2のフレームメモリに格納される。ここで、第1走
査及び第2走査は交互に行われるため、各フレームメモ
リには、各走査毎に、つまりフレーム毎に情報が格納さ
れる。
そして、各フレームメモリから読み出された第1方向
速度信号及び第2方向速度信号により直角方向速度が演
算され、そしてベクトル速度が演算される。
本発明では、フレーム間で直角方向速度の演算が行わ
れているため、ラインメモリを用いつつ第1方向への送
受波と第2方向への送受波とを順次繰り返しながら走査
を行って超音波ビームのライン間で運動反射体の直角方
向速度を演算していく場合(比較例)に比べて、フレー
ムレートを向上できる利点がある。
つまり、本発明によれば、第1走査と第2走査の各走
査において1フレーム分のデータをその都度取得するこ
とができるので、通常のドプラ画像の表示を行う場合に
は、各走査により従来同様のフレームレートを実現でき
る。よって、ベクトル速度表示が可能になると共に、従
来同様のドプラ画像の表示をフレームレートを低下させ
ることなく行うことができる。
なお、上記特開昭62−152437号で示されたように、セ
クタ走査においては、走査面内において隣接する超音波
ビームはそれらの方向がそもそも微小角度異なるので、
ベクトル速度をフレーム間で演算する必要性は本来な
い。一方、リニア走査を前提としてベクトル速度を演算
するためには、微小偏向角異なる超音波ビームが別途必
要であり、その場合、上述の比較例のように送受波方向
を交互に微小角変えながら走査を行ってベクトル速度を
演算するとフレームレートが低下してしまうので、それ
を防止できる本発明に係るフレーム間のベクトル速度演
算の意義はきわめて大きい。
周知のように、セクタ走査では扇状の端部に近付くほ
ど超音波ビーム間の距離が増大して分解能が低下する性
質があり、その一方、リニア走査では分解能は深さにか
かわらず均一であるため、本発明によればフレームレー
トの低下を防止しつつも、走査面の全面にわたって均一
な密度でベクトル速度を演算できる利点もある。
以下に、直角方向速度の演算原理を説明する。
第2図(a)において、実際の速度(ベクトル速度)
をυとすると、例えばリニア走査におけるm番目のO→
A方向(200A)のビーム方向速度Vr1と、前記O→A方
向と微小の偏向角度Δφだけ離れた偏向走査のm番目の
O→B方向(200B)のビーム方向速度Vr2とから直角方
向速度Vtを演算する。この演算は、差演算や複素信号演
算などにより行うことができる。
すなわち、例えば差演算を行う場合には、まずリニア
走査による速度Vr1と偏向走査による速度Vr2との差ΔV
は、 (|υ|;ベクトル速度の絶対値、φ;実際の速度方向と
超音波ビーム方向との成す角) …(1) ここで、Δφ《1とすると、前記(1)式は、 ΔV=−|υ|sinφ・Δφ となる。従って、このΔVに係数−1/Δφを乗算するこ
とにより、第2図(b)に示される超音波ビーム方向に
直交する直角方向速度Vtが求められる。
Vt=ΔV・(−1/Δφ) =|υ|sinφ …(2) このようにして求められた直角方向速度は、ビーム方
向速度とともにベクトル演算に供される。すなわち、第
2図(b)に示される実際の速度方向を示す角度φと、
ベクトル速度の絶対値|υ|は、次式にて求められる。
このようにして、実際の速度を示すベクトル速度が求
められ、運動反射体の絶対速度や運動方向を正確に画像
表示することが可能となる。
そして、この場合のベクトル速度演算は、フレーム間
で行われており、交互に行われる第1走査及び第2走査
の個々の走査で1フレーム分のデータを取得できるの
で、フレームレートの低下を防止できる。なお、例え
ば、各フレームメモリに複数フレーム分のデータを格納
すれば、任意位置での過去のベクトル速度を求めること
もできる。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明す
る。
第1図には、本発明の第1実施例に係る超音波ドプラ
診断装置の主要構成の回路ブロック図が示されており、
超音波パルスビームはプローブ10から被検体11に向けて
放射される。この超音波パルスビームを放射するため
に、送受信部12,走査制御部13,タイミング発生部14が設
けられており、前記タイミング発生部14は超音波送信周
波数を発生させるとともに、超音波送受信のためのタイ
ミング信号を発生させる。また、走査制御部13は前記タ
イミング信号に基づいて超音波パルスビームをリニア走
査及び偏向走査するための制御を行っており、送受信部
は前記走査制御部13の制御に基づいて超音波パルスビー
ムの出力制御を行っている。
本発明では、リニア走査と所定の微小偏向角ずれた方
向に行う偏向走査を前記送受信部12及び走査制御部13に
より行っており、偏向走査はフォーカス制御するために
複数の振動子へ与える遅延時間を変えることにより行う
ことができる。
また、送受信部12には速度演算部16が接続されてお
り、この速度演算部16にて反射エコー信号のドプラ偏移
周波数からビーム方向速度が演算されるが、これは例え
ば特開昭60−119929号公報に示される方法にて行うこと
ができる。
すなわち、ドプラ偏移周波数をfd,流速の絶対値を|
υ|,流体の流れの方向と超音波ビーム方向の成す角を
φ,音速をc,超音波の送信周波数をfoとすると、ビーム
方向速度Vrは、 Vr=|υ|cosφ=(fd/2fo)c …(5) で示されるものとなり、この(5)式にてビーム方向速
度が演算される。
本発明において特徴的なことは、複数のフレームメモ
リ間でリニア走査及び偏向走査による情報の交換を行っ
てベクトル速度を求めるようにしたことであり、このた
めに、実施例ではリニア走査による超音波ビーム方向速
度を記憶する第1のフレームメモリ18aと、偏向走査に
よる超音波ビーム方向速度を記憶する第2のフレームメ
モリ18bが設けられている。これらフレームメモリ18
は、それぞれ64枚分あるいは32枚分のフレーム情報を記
憶できるものを用いており、記憶する情報の番地はアド
レス発生部20により出力される。なお、この場合の速度
情報は速度値として演算される前の周波数偏移情報とし
てもよい。
そして、前記フレームメモリ18には直角方向速度演算
器22が接続されており、この直角方向速度演算器22は前
記第1のフレームメモリ18a及び第2のフレームメモリ1
8b内の出力から、前記(1)式により、ΔV=Vr1−Vr2
の演算を行い、前記(2)式により、直角方向速度Vt
求める。
すなわち、直角方向速度演算器22の内部回路が第3図
に示されており、これは符号変換器30及び加算器31と、
(−1/Δφ)を乗算する乗算器32とから構成される。そ
して、前記符号変換器30は、ビーム方向速度Vr2の符号
を反転し−Vr2として加算器31に出力しており、加算器3
1でビーム方向速度Vr1と加算することにより、リニア走
査によるビーム方向速度Vr1とこれと微小偏向角ずれた
方向の偏向走査によるビーム方向速度Vr2との差を演算
する。
また、この直角方向速度に基づいてベクトル速度を求
めるベクトル速度演算器24が設けられており、このベク
トル速度演算器24の内部回路は第4図に示されるものと
なっている。すなわち、ベクトル速度演算器24は、ビー
ム方向速度Vr1と直角方向速度Vtから前記(4)式の を演算する絶対値演算器34と前記(3)式のtan-1(Vt/
Vr1)を演算する角度演算器36から構成される。そし
て、この絶対値とベクトル角度は第3のフレームメモリ
26に記憶される。
この絶対値は、第2図(b)に示されるように、実際
の速度であるベクトル速度υの絶対値であり、前記ベク
トル角度はリニア走査による超音波ビーム方向に対する
ベクトル速度υの角度φであり、この両者の情報によっ
て正確な実際の速度の表示が可能となる。
更に、演算されたベクトル速度を断層像に重ねて表示
するためのCRT表示器を用いた表示装置28が設けられて
いる。
第1実施例は以上の構成からなり、以下にその作用を
説明する。
まず、送受信部12は走査制御部13のリニア走査制御に
より超音波パルスビームをプローブ10に対して直角方向
に放射し、被検体内からの反射エコーを受信することと
なり、この送受信により速度演算部16はリニア走査によ
るビーム方向速度を演算し、この速度情報は第1のフレ
ームメモリ18aに記憶される。
次に、走査制御部13は偏向走査を行うとともに、メモ
リ切換器17を第2のフレームメモリ18bに切り換える。
従って、送受信部12は前記リニア走査の超音波パルスビ
ームと微小偏向角ずれた方向に超音波パルスビームを送
受波することになり、速度演算部16で演算された偏向走
査によるビーム方向の速度情報が第2のフレームメモリ
18bに記憶される。
そして、ベクトル速度を求める場合には、過去又は現
在におけるある時期の第1のフレームメモリ18a及び第
2のフレームメモリ18bが選択されることになり、まず
直角方向の速度が直角方向速度演算器22により求められ
る。
例えば、第2図に示されるように、第1のフレームメ
モリ18aにおける走査線m番目(ビーム200A)の深さC
点のビーム方向速度Vr1と、第2のフレームメモリ18bに
おける走査線m番目(ビーム200Aと微小の偏向角Δφだ
け離れた方向のビーム200B)の深さD点のビーム方向速
度Vr2が直角方向速度演算器22に供給される。従って、
ビーム方向速度Vr1,Vr2に基づいて、符号変換器30及び
加算器31により前記(1)式の差演算が行われ、その後
に乗算器32により前記(2)式の演算が行われて直角方
向速度Vtが演算されることになる。
そして、この直角方向速度はベクトル速度演算器24に
供給され、このベクトル速度演算器24では、前記ビーム
方向速度Vr1と直角方向速度Vtから前記(4)式により
絶対値が演算されるとともに、前記(3)式によりベク
トル角度が演算されることになる。この場合には、前記
直角方向速度及びビーム方向速度のそれぞれの平均値を
求めこの平均値により前記演算をすることもできる。
このようにして演算された絶対値とベクトル角度は、
第3のフレームメモリ26内に記憶され、順次演算された
1フレーム分のベクトル速度が記憶される。そして、こ
のベクトル速度データは表示装置28に供給され、CRT表
示器により断層像に重ねて表示することができる。な
お、この絶対値とベクトル角度も、平均化回路を用いて
平均化して画像表示してもよい。
このような第1実施例によれば、所定時間前のベクト
ル速度情報を読み出すことができ、被検体内の過去の状
態を画像表示することが可能となる。また、腹部側から
の心臓描出に適用する場合には、心拍の1周期中の所望
の時期の速度状態を抽出することができ、前記演算処理
を2回行うことにより、時期の異なる複数の速度情報を
画面上で同時に比較することができるという利点があ
る。
次に、第5図には本発明の第2実施例が示されてお
り、この第2実施例は、直角方向速度演算器22を複素演
算による回路構成としたことを特徴とする。
すなわち、第2実施例は、ミキサ40a及び42aから成る
複素信号変換器44aと、ミキサ40b及び42bから成る複素
信号変換器44bとを有し、ミキサ40ではビーム方向速度
信号をcos信号に変換し、ミキサ42ではビーム方向速度
信号の位相を90度ずらせてsin信号に変換する。この複
素信号変換器44には4個の掛算器46a,46b,46c,46d、符
号変換器48及び2個の加算器50a,50bが設けられ、これ
らにより後述する複素乗算が行われる。
また、複素信号の虚数部Iの実数部Rに対する比の逆
正接を演算する逆正接演算器52と、(−1/kΔφ)を乗
算する乗算器54とを有しており、これらの構成により複
素演算が行われ、正確な直角方向の速度を求めることが
できる。
次に、第5図の作用を演算式にて説明する。
第2図(a)に示されるように、リニア走査による方
向O→A方向のビーム方向速度Vr1、微小の偏向角Δφ
だけ離れた偏向走査によるO→B方向のビーム方向速度
Vr2は、それぞれ次式にて表される。
Vr1=|υ|cosφ …(6) Vr2=|υ|cos(φ+Δφ) …(7) ここで、(6)、(7)式のVr1、Vr2(あるいは周波
数偏移)は、ドプラ信号を複素数で表した場合には複素
ドプラ信号の位相の偏角分に比例している値であるか
ら、ドプラ信号をこの位相の偏角分をもった大きさ1の
複素数と考えると、それぞれの複素ドプラ信号Z1,Z2
次の(8)、(9)式となる。
Z1=cos(k Vr1)+i sin(k Vr1) =cos(k V cosφ)+i sin(k V cosφ) …(8) Z2=cos(k Vr2)+i sin(k Vr2) =cos{(k V cos(φ+Δφ)} +i sin{(k V cos(φ+Δφ)} …(9) ただし、kは比例定数: k=(4πfc/cfr) ここで、fc:超音波送信周波数 fr:超音波繰返し周波数 c:生体中の音速 次に、第2図のC点における超音波ビームと直角方向
の速度Vt(=υsinφ)を求める。
すなわち、Z1、Z2の複素共役積を求めると、その実数
部Realと虚数部Imaの値を、次の(11)、(13)式から
得ることができる。
Real[Z1・Z2 ] =Real[(cos k Vr1+i sin k Vr1) (cos k Vr2−i sin k Vr2)] =cos k(Vr1−Vr2) …(10) cos(k VΔφsinφ)≡R …(11) Ima[Z1・Z2 ] =Ima[(cos k Vr1+i sin k Vr1) (cos k Vr2−i sin k Vr2)] =sin k(Vr1−Vr2) …(12) sin(k VΔφsinφ)≡I …(13) そして、(11)、(13)式を次の(14)式に代入する
と直角方向速度Vtを演算することができる。
Vt=(1/kΔφ)tan-1(I/R) =|υ|sinφ …(14) このような第2実施例によれば、前述のように、第2
図のC点におけるVtとφを求めるには、まず、第1のフ
レームメモリ18aにより、m本目の走査ビーム上のC点
の速度データVr1を呼び出す。次に、第2のフレームメ
モリ18bにより、m本目の走査ビーム上のD点の速度デ
ータVr2を呼び出す。
そして、この2つの速度データは複素変換器44にて複
素信号に変換され、複素信号の実数部Rと虚数部Iによ
り、前記(14)式の演算を行えば、直角方向速度Vtを求
めることができる。
そして、この直角方向速度Vtとビーム方向速度Vr1
ら、ベクトル速度演算器24によりベクトル角度及び絶対
値が求められており、このベクトル角度φ,絶対値|υ
|は前記(3)式のφ=tan-1(Vt/Vr1)及び(4)式
から求められる。
この処理は他の各点についても同様に行われ、1フレ
ームの全ての点について順次行われるが、これを任意領
域に限定してもよく、カーソル等で領域指定することに
より、所望の領域のベクトル速度を抽出することができ
る。
この第2実施例によれば、複素共役積を演算すること
により接線速度を正確に求めることができることにな
り、従ってベクトル速度の精度も向上することになる。
以上のようにして求められたベクトル速度は、断層像
に重ねて画像表示されており、例えば角度を4分割し、
0度,90度,180度,270度のそれぞれに所定の色を設定し
て、これらの間にある角度は挾まれる色の混合比を変え
て表示することも好適である。この場合の、ベクトル速
度の絶対値は輝度の大きさにて表示し、これによれば速
度が大きいほど明るく輝いた色で表示されることにな
る。
なお、ベクトル速度の角度を矢印で表示することもで
きる。
すなわち、断層画像上の任意の1点におけるベクトル
速度を表示するには、第3のフレームメモリ26からその
データを読み出し、第6図(a)に示されるように、運
動方向を矢印300で示し、ベクトル速度の絶対値はその
矢印の長さで示す。
また、第6図(b)に示されるように、ベクトル速度
の絶対値のみを矢印の長さで表さずに、矢印近傍に数値
表示301で示してもよい。
更に、ベクトル速度の絶対値は、第6図(c)に示さ
れるように、断層像画面の横に棒グラフ化し棒線の長さ
で表示してもよく、この場合には、第6図(d)に示さ
れるように、ビーム方向速度Vrや直角方向速度Vtを棒グ
ラフ化したものを付け加えてもよい。
また更に、前記第6図の(a)〜(d)を組み合せて
もよい。
このような矢印表示は、断層像全体で行うことが好ま
しいが、任意の複数点を選んで行うこともでき、あるい
は任意の2点間を結ぶ直線上の各点の全ての点について
行うことも可能である。しかし、絶対値の棒グラフ表示
は選択された点についてのみ行うことになる。
これらの矢印表示をカラーで行う場合には、所定の一
色を選択して同じ長さの矢印で表示し、絶対値は前記色
の輝度で表し、絶対値が大きい場合には明るく輝くよう
に表示する。また、ベクトル速度の絶対値を段階的に分
けて各段階毎に異なる色相を設定し、各点での絶対値表
示を異なる色相で行うことも可能である。なお、運動方
向を示す矢印が多すぎる場合は、矢印の数を間引いて表
示するようにする。
このような表示によれば、ベクトル速度の方向と絶対
値が明確に表示され、診断に適確な情報を提供可能とな
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、リニア走査及
び偏向リニア走査を交互に行って、すなわち第1方向に
向く超音波ビームを並行走査する第1走査と前記第1方
向に対して微小偏向角ずれた第2方向に向く超音波ビー
ムを並行走査する第2走査とを交互に行って、ベクトル
速度を演算できる。その場合、フレームメモリを用いつ
つフレーム間で直角方向速度を演算できるので、ライン
間で直角方向速度を演算する場合に比べてフレームレー
トを向上できる。また、本発明によれば、上述したよう
に、リニア走査の利点を効果的に発揮させつつベクトル
速度を演算できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る超音波ドプラ診断装
置の概略構成を示す回路ブロック図、 第2図はリニア走査と偏向走査による超音波送受波の状
態(図(a))及び実際の速度(ベクトル速度)とビー
ム方向速度と直角方向速度の関係(図(b))を示す説
明図、 第3図は直角方向速度演算器の内部回路を示すブロック
図、 第4図はベクトル速度演算器の内部回路を示すブロック
図、 第5図は直角方向速度演算器の他の内部回路に関する第
2実施例を示すブロック図、 第6図はベクトル速度を矢印表示する場合の説明図であ
る。 10……プローブ 12……送受信部 13……走査制御部 16……速度演算器 18a……第1のフレームメモリ 18b……第2のフレームメモリ 22……直角方向速度演算器 24……ベクトル速度演算器 26……第3のフレームメモリ 28……表示装置 30……符号変換器 31……加算器 32……乗算器 34……絶対値演算器 36……角度演算器。
フロントページの続き (72)発明者 河西 千広 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−152436(JP,A) 特開 昭62−152437(JP,A) 特開 昭62−34537(JP,A) 特開 昭60−58131(JP,A) 特開 昭63−234954(JP,A) 特開 昭63−255045(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1方向に向く超音波ビームを並行走査す
    る第1走査と前記第1方向に対して微小偏向角ずれた第
    2方向に向く超音波ビームを並行走査する第2走査とを
    1走査毎に交互に行う送受信回路と、 前記第1走査における各超音波ビームの受信信号から、
    運動反射体の前記第1方向の速度を示す第1方向速度信
    号を求め、また前記第2走査における各超音波ビームの
    受信信号から、前記運動反射体の前記第2方向の速度を
    示す第2方向速度信号を求める超音波ビーム方向速度演
    算部と、 前記第1方向速度信号をフレーム毎に格納する第1のフ
    レームメモリと、 前記第2方向速度信号をフレーム毎に格納する第2のフ
    レームメモリと、 前記第1のフレームメモリ及び前記第2のフレームメモ
    リから、前記第1方向速度信号と前記第2方向速度信号
    を読み出して、前記運動反射体について前記第1方向と
    直角方向の速度を演算し、それを示す直角方向速度信号
    を出力する直角方向速度演算部と、 前記第1方向速度信号と前記直角方向速度信号から、前
    記運動反射体の走査面内のベクトル速度を演算し、それ
    を示すベクトル速度信号を出力するベクトル速度演算部
    と、 を含み、 前記第1走査と前記第2走査のフレーム間で直角方向速
    度を演算することを特徴とする超音波ドプラ診断装置。
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