JPH0669384B2 - 固定化枝切り酵素による分岐サイクロデキストリンの製造方法 - Google Patents

固定化枝切り酵素による分岐サイクロデキストリンの製造方法

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JPH0669384B2
JPH0669384B2 JP25637987A JP25637987A JPH0669384B2 JP H0669384 B2 JPH0669384 B2 JP H0669384B2 JP 25637987 A JP25637987 A JP 25637987A JP 25637987 A JP25637987 A JP 25637987A JP H0669384 B2 JPH0669384 B2 JP H0669384B2
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靖夫 小暮
ルー スサンヌ
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鍛 中川
博脩 坂口
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固定化枝切り酵素を用いて分岐サイクロデキ
ストリンを製造する方法に関し、更に詳しくは、グルタ
ルアルデヒドで架橋した固定化枝切り酵素にサイクロデ
キストリンとオリゴ糖とを含む糖液を接触させて反応さ
せることにより分岐サイクロデキストリンを連続的に製
造する方法に関する。
〔従来の技術〕
サイクロデキストリンはグルコース残基がα−1,4−結
合により環状に結合したオリゴ糖であって、グルコース
残基6個からなるα−サイクロデキストリン、7個から
なるβ−サイクロデキストリン、8個からなるγ−サイ
クロデキストリンなどが一般に知られている。
また、最近になってサイクロデキストリンにマルトー
ス、マルトトリオース等のオリゴ糖が1〜2個結合(脱
水縮合)した分岐サイクロデキストリンが製造されるよ
うになった。これら分岐サイクロデキストリンは従来の
サイクロデキストリンと同様にその構造から、環内部に
空隙があり、この空隙内部は親油性領域となっているの
で各種の油性物質を取り込むことができる。また、環の
外側には親水性の高いマルトシル基等が結合しているた
め、従来のサイクロデキストリンに比べて水への溶解性
が著しく高いという特長を有する。そのため、分岐サイ
クロデキストリンは、このような性質を利用して、
熱、光、空気中などで不安定な物質を安定化したり、
揮散しやすい物質を保持したり(異臭のマスキン
グ)、 難溶性又は不溶性物質を可溶化したり、
潮解性や粘着性の物質を粉末化したりするなどの種
種の用途が考えられている。
従来、分岐サイクロデキストリンを製造するには、サイ
クロデキストリンとマルトース等のオリゴ等を基質濃度
40〜85%溶液に液状(固定化していない未処理)プルラ
ナーゼ等を加えて1〜6日間反応を行うバッチ法が用い
られている(例えば特開昭61−70996号、同61−92592
号、同61−197602号、同61−236801号、同61−236802
号、同61−287901号、同61−287902号、同61−293395号
などの公報参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、液状プルラナーゼを用いて分岐サイクロ
デキストリンを製造する従来法は、酵素の再使用ができ
ないため製造費に占める酵素のコストが高くなったり、
酵素由来の蛋白質や色素等が生成物中に混入したりする
等の欠点を有し、製造コスト上及び精製上の点から実用
上必ずしも満足できるものではなかった。
〔問題点を解決する手段〕
本発明者等は、更に効率の良い分岐サイクロデキストリ
ンの製造方法を見出すべく種々研究を行った結果、枝切
り酵素どうしをグルタルアルデヒドで架橋結合した固定
化枝切り酵素を用いた場合には、酵素の安定性が極めて
高いため、回文法(バッチ法)では繰り返し、また連続
法では長期間にわたって、分岐サイクロデキストリンを
効率良く製造することができることを見出した。
本発明に従えば、サイクロデキストリンとオリゴ糖を含
む糖液、好ましくは基質濃度40〜85%の糖液を、枝切り
酵素どうしをグルタルアルデヒドで架橋し固定化した固
定化枝切り酵素に接触させて反応せしめることにより、
サイクロデキストリンを分岐サイクロデキストリンに変
換せしめる固定化枝切り酵素による分岐サイクロデキス
トリンの製造方法が提供される。
〔発明の具体的説明〕
本発明において使用するサイクロデキストリンは、α−
サイクロデキストリ、β−サイクロデキストリン及びγ
−サイクロデキストリンのいずれでもよく、これらは単
独でも、混合物としても使用することができる。
一方、本発明において使用するオリゴ糖としては、マル
トース、マルトトルオース、マルトテトラオースなどの
グルコース2〜6個がα−1,4結合で結合したものを使
用することができる。また、イソマルトース、イソマル
トトリオース、コージビオース、パノースなどのイソマ
ルトオリゴ等も使用することができる。これらの中で、
本発明では、マルトース又はマルトトリオースを用いる
のが好ましい。また、これらのオリゴ等は混合物として
使用することもできる。
本発明においては、上記サイクロデキストリンとオリゴ
糖を通常1:2〜1:6、好ましくは1:3〜1:5の割合(重量
比)で含有する基質濃度40〜85重量%、好ましくは60〜
75重量%の糖液が用いられる。
枝切り酵素とは、アミロペクチン、プルラン等のα−1,
6−グリコシド結合を加水分解する能力を有する酵素を
さし、一般にプルラナーゼ又はイソアミラーゼとして市
販されている。本発明においてはプルラナーゼを用いる
方が好ましい。中でも、バチルス アシドプルリティカ
ス(Bacillusacidopullulyticus)又はその変種若しく
は突然変異株より生成されるプルラナーゼ型の枝切り酵
素(特開昭61−43994号、同61−43995号、同57−174089
号、同58−183092号などの公報参照)を使用するのが好
ましい。
これらの枝切り酵素はグルタルアルデヒドと反応させる
ことによって、枝切り酵素どうしがグルタルアルデヒド
を介し架橋結合した固定化枝切り酵素として使用され
る。好ましくは、枝切り酵素溶液を第一アミンの有義な
含有量を持つポリアミン、例えばポリエチレンレミン等
のポリアルキレンイミンの存在下にグルタルアルデヒド
と反応させることによって得られる固定化枝切り酵素と
して使用される。更に好ましくは、枝切り酵素溶液を前
記ポリアミンとアルブミン、好ましくは卵アルブミンの
存在下にグルタルアルデヒドと反応させることによって
得られる固定化枝切り酵素として使用される。
反応は、前記糖液を、通常pH2〜7、好ましくはpH3〜6
に保ち、40〜75℃、好ましくは60〜70℃の温度で固定化
枝切り酵素と接触させることにより行われる。この際の
反応は、回分式でも行うことができるが、本発明では、
固定化枝切り酵素を充填したカラムに前記糖液を通して
行う、連続式で行う方がより効率的である。
本発明では、分岐サイクロデキストリンの生成収率は、
反応系のpH、温度に左右されることはもちろんである
が、更に、基質濃度及びサイクロデキストリン及びオリ
ゴ糖を含む糖液が固定化枝切り酵素に接触する時間に大
きく影響を受ける。例えば、α−サイクロデキストリン
とマルトースを1:3で含む糖液を用いた場合、通常、基
質濃度50重量%では25〜40%、60重量%では30〜45%、
70重量%では35〜55%の生成率(原料サイクロデキスト
リンに対する収率)で分岐サイクロデキストリンが得ら
れる。このように、分岐サイクロデキストリンの収率を
上げる為には、糖液の濃度が高ければ高い程よいのであ
るが、使用する糖液の濃度が高くなりすぎると原料糖液
より結晶の析出が起こり、反応がうまく行えなくなる。
従って、本発明において、分岐サイクロデキストリンの
生成率を上げるためには、装置的に結晶析出の抑制を考
慮するとともに、結晶の析出が起こらない範囲内で出来
るだけ高濃度の糖液が使用できるように反応条件を選ぶ
ことが好ましい。
生成された分岐サイクロデキストリンは、有機溶媒、イ
オン交換樹脂、合成吸着樹脂、化学修飾シリカ担体(OD
S)等を用いることにより、分離、精製して使用するこ
とができる。また、分岐サイクロデキストリンを含む反
応生成物をそのまま用いることも、反応生成物からオリ
ゴ糖のみを分離して用いることもできる。
〔実施例〕
次に比較例、参考例、実施例を示し、本発明を更に詳細
に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に
限定するものでないことはいうまでもない。
比較例1 バチルス アシドプルティカスより生成される枝切り酵
素「プロモザイム 200L」(ノボインダストリ社製、プ
ルラナーゼ)を透析した後、タンパク質固定化用オキシ
ラン−アクリルビーズ「Eupergit C」(フナコシ薬品
(株)製)に固定化することにより固定化枝切り酵素
(3.0単位/100mg(wet))を製造した。
次に、得られた固定化枝切り酵素を用い本発明と同様の
方法で分岐サイクロデキストリンを製造した。即ち、マ
ルトース0.5gとβ−サイクロデキストリン0.1gにpH5.
0、50mM酢酸ナトリウム緩衝液0.21mlを加え沸騰浴中で
加熱溶解し、冷却後、これに前記固定化枝切り酵素250m
g加え、60℃70時間反応させた。その結果、マルトシル
−β−サイクロデキストリンは8.5%の収率でしか得ら
れなかった。
参考例1 (固定化枝切り酵素「1PUL−5」の調製) 3000プルラナーゼ単位(PUN)/mlを含有するBacillus
acidopullulyticus菌株NCIB11647の発酵ブロス100ml
に、3.9gの卵アルブミンを含む20ml溶液と30%ポリエチ
レンイミン(Sedipur 3128、BASF)4.5gを攪拌しなが
ら加え、続いて5分後に50%グルタルアルデヒドを7.5g
加える。更に60分間、pHを6.0に保持しながら室温で撹
はんを続け、次いで固定化した酵素をロ別し、粒状化
し、空気乾燥した。180から1000μの粒径を持つ12.5gの
乾燥した固定化枝切り酵素「1PUL−5」が得られた。
参考例2 (固定化枝切り酵素(IPUL−E」の調製) 3000プルラナーゼ単位(PUN)/mlを含有するBacillus
acidopullulyticus菌株NCIB11647の発酵ブロス100ml
に、30%ポリエチレンイミン(Sedipur 3128、BASF)
3.5gを攪拌しながら加え、続いて5分後に50%グルタル
アルデヒドを6.0g加える。更に60分間、pHを6.0に保持
しながら室温で撹拌を続け、次いで固定化した酵素をロ
別し、粒状化し、空気乾燥した。180から1000μの粒径
を持つ9.8gの乾燥した固定化枝切り酵素「IPUL−E」が
得られた。
参考例3 (固定化枝切り酵素「IPUL−C」の調製) 3000プルラナーゼ単位(PUN)/mlを含有するBacillus
acidopullulyticus株菌NCIB11647の発酵ブロス100ml
に、50%グルタルアルデヒド5.2gを攪拌しながら加え
る。更に60分間、pHを6.0に保持しながら室温で撹はん
を続け、次いで固定化した酵素をロ別し、粒状化し、空
気乾燥した。180から1000μの粒径を持つ7.8gの乾燥し
た固定化枝切り酵素「IPUL−C」が得られた。
実施例1 固定化枝切り酵素「IPUL−5」(ノボ・インダストリー
社製)4.7gをカラム(内径1.5cm、高さ45cm)に充填
し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4)で洗浄した。
次に、α−サイクロデキストリンとマルトースを1:3で
含む基質濃度60重量%の糖液を、pH4.0、反応温度60
℃、平均流速3.5g/hrの条件でカラムに通液し、40日間
にわたって連続して反応させた。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の組成より
なる分岐サイクロデキストリン含有糖液(マルトシル−
α−サイクロデキストリンの生成率34.2%、ジマルトシ
ル−α−サイクロデキストリンの生成率3.9%)が得ら
れるようになり、分岐サイクロデキストリンの生成率
は、40日後において殆ど低下しなかった(40日後の生成
率:マルトシル−α−サイクロデキストリン33.1%:ジ
マルトシル−α−サイクロデキストリン3.7%)。結果
は第1図に示す通りであった。
実施例2 固定化枝切り酵素「IPUL−5」6.0gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)
で洗浄した。
次に、α−サイクロデキストリンとマルトースを1:3で
含む基質濃度60重量%の等液を、pH5.0、反応温度60
℃、平均流速3.3g/hrの条件でカラムに通液し、13日間
にわたって連続して反応させた。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の組成より
なる分岐サイクロデキストリン含有糖液(マルトシル−
α−サイクロデキストリンの生成率33.4%、ジマルトシ
ル−α−サイクロデキストリンの生成率3.6%)が得ら
れるようになり、分岐サイクロデキストリンの生成率
は、13日後においても殆ど低下しなかった(13日後の生
成率:マルトシル−α−サイクロデキストリン32.2%:
ジマルトシル−α−サイクロデキストリン3.4%)。
実施例3 固定化枝切り酵素「IPUL−5」6.0gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)
で洗浄した。
次に、α−サイクロデキストリンとマルトースを1:3で
含む基質濃度65重量%の糖液を、pH5.0、反応温度60
℃、平均流速3.7g/hrの条件でカラムに通液し、28日間
にわたって連続して反応を行った。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の組成より
なる分岐サイクロデキストリン含有糖液(マルトシル−
α−サイクロデキストリン生成率34.6%、ジマルトシル
−α−サイクロデキストリンの生成率4.1%)が得られ
るようになり、分岐サイクロデキストリンの生成率は、
28日後においても余り低下しなかった(28日後の生成
率:マルトシル−α−サイクロデキストリン30.0%、ジ
マルトシル−α−サイクロデキストリン3.1%)。
実施例4 固定化枝切り酵素「IPUL−5」6.0gを3本のカラム(内
径1.5cm、高さ45cm)にそれぞれ充填し、酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH5)で洗浄した。
次に、α−サイクロデキストリンとマルトースを1:3で
含む糖液を、それぞれ、基質濃度50重量%、pH5.0、
反応温度60℃、平均流速1.65g/hr、基質濃度60重量
%、pH5.0、反応温度60℃、平均流速2.9g/hr、基質
濃度70重量%、pH5.0、反応温度60℃、平均流速3.4g/h
rの条件でカラムに通液し、約100時間にわたって連続し
て反応を行った。
結果(マルトシル−α−サイクロデキストリンの生成
率)を第2図に示す。
実施例5 固定化枝切り酵素「IPUL−5」4.7gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4)
で洗浄した。
次に、γ−サイクロデキストリンとマルトースを1:3で
含む基質濃度60重量%の糖液を、pH4.0、反応温度60
℃、平均流速3.5g/hrの条件でカラムに通液し、38日間
にわたって連続して反応を行った。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の組成より
なる分岐サイクロデキストリン含有糖液(マルトシル−
γ−サイクロデキストリンの生成率31.1%、ジマルトシ
ル−γ−サイクロデキストリンの生成率7.8%)が得ら
れるようになり、分岐サイクロデキストリンの生成率
は、38日後においても殆ど低下しなかった(38日後の生
成率:マルトシル−γ−サイクロデキストリン30.1%、
ジマルトシル‐γ‐サイクロデキストリン5.2%)。
実施例6 マルトース2.0gとβ‐サイクロデキストリン0.40gにpH
4.0、50mM酢酸ナトリウム緩衝液0.63mlを加え沸騰浴中
で加熱溶解した。冷却後、これに固定化枝切り酵素「IP
UL−5」を100mg加え、60℃で2日間反応させた。
その結果、使用したβ−サイクロデキストリンに対して
マルトシル−β−サイクロデキストリンは40.2%、ジマ
ルトシル−β−サイクロデキストリンは13.1%の収率で
あった。
実施例7 マルトース4.8gとα−サイクロデキストリン1.2gを5.8m
lの温水に溶解し、酢酸によりpH4.5とした。これに固定
化枝切り酵素「IPUL−5」を300mg加え、60℃で4日間
反応させた。
その結果、使用したα−サイクロデキストリンに対して
分岐サイクロデキストリンであるマルトシル−α−サイ
クロデキストリンは46.7%の収率であった。
実施例8 マルトース2.0gとγ−サイクロデキストリン0.40gにpH
5.0、50mM酢酸ナトリウム緩衝液0.83mlを加え沸騰浴中
で加熱溶解した。冷却後、これに固定化枝切り酵素「IP
U−5」を100mg加え、65℃で50時間反応させた。
その結果、使用したγ−サイクロデキストリンに対して
マルトシル−γ−サイクロデキストリンは42.5%、ジマ
ルトシル−γ−サイクロデキストリンは19.6%の収率で
あった。
実施例9 固定化枝切り酵素「IPUL−5」4.7gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4)
で洗浄した。
次に、α−サイクロデキストリンとマルトトリオース
(日本食品化工(株)製、純度99%)を1:3で含む基質
濃度60重量%の糖液を、pH4.0、反応温度60℃、平均粒
速3.5g/hrの条件でカラムに通液し、24日間にわたって
連続して反応を行った。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の生成率で
分岐サイクロデキストリンが得られるようになり(マル
トトリオシル−α−サイクロデキストリンの生成率29.1
%)、分岐サイクロデキストリンの生成率は、120時間
後においても殆ど低下しなかった(120時間後の生成
率:マルトトリオシル−α−サイクロデキストリン28.5
%)。
実施例10 固定化枝切り酵素「IPUL−5」6.0gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH5)
で洗浄した。
次に、β−サイクロデキストリンとマルトース1:5で含
む基質濃度60重量%の糖液を、pH5.0、反応温度60℃、
平均流速3.3g/hrの条件でカラムに通液し、20日間にわ
たって連続して反応を行った。
その結果、反応開始約1日後より、ほぼ一定の生成率で
分岐サイクロデキストリンが得られるようになり(マル
トシル−β−サイクロデキストリンの生成率29.4%、ジ
マルトシル−β−サイクロデキストリンの生成率5.2
%)、分岐サイクロデキストリンの生成率は、20日後に
おいても殆ど低下しなかった(20日後の生成率:マルト
シル−β−サイクロデキストリン28.0%、ジマルトシル
−β−サイクロデキストリン5.0%)。
実施例11 固定化枝切り酵素「IPUL−5」5.0gをカラム(内径1.5c
m、高さ45cm)に充填し、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4)
で洗浄した。
次に、サイクロデキストリン混合物(α−サイクロデキ
ストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデ
キストリンを70.5:26.6:2.9の重量比で含む)とマルト
ース1:5で含む基質濃度70重量%の糖液を、pH4.0、反応
温度60℃、平均流速5.3g/hrの条件でカラムに通液し、
36日間にわたって連続して反応を行った。
その結果、反応開始約2日後より、ほぼ一定の組成より
なる分岐サイクロデキストリン含有糖液が得られるよう
になり、分岐サイクロデキストリンの生成率は、14日後
においても殆ど低下しなかった。処理前、反応開始2日
後及び開始36日後における全サイクルデキストリン中に
占める各サイクロデキストリンの比率(%)を第1表に
示す。
実施例12 マルトース1.2gとα−サイクロデキストリン0.40gにpH
4.0、50mM酢酸ナトリウム緩衝液0.49mlを加え沸騰浴中
で加熱溶解した。冷却後、これに固定化枝切り酵素「IP
UL−E」を100mg加え、60℃で48時間反応させた。
その結果、使用したα−サイクロデキストリンに対して
マルトシル−α−サイクロデキストリンは31.5%、ジマ
ルトシル−α−サイクロデキストリンは4.4%の収率で
あった。
実施例13 固定化枝切り酵素「IPUL−E」の代わりに固定化枝切り
酵素「IPUL−C」を使用し、実施例12と同様に処理し分
岐サイクロデキストリンを製造した。
その結果、使用したα−サイクロデキストリンに対して
マルトシル−α−サイクロデキストリンは27.9%、ジマ
ルトシル−α−サイクロデキストリンは3.7%の収率で
あった。
〔発明の効果〕
本発明では、使用する固定化枝切り酵素が非常に熱安全
性に優れ、また、長期間使用しても安定であるため、連
続式の場合は極めて長期間にわたって、また、回分式で
は繰り返し反応を行うことができる。例えば、実施例1
におけるごとく、原料の基質濃度60%、pH4.0、反応温
度60℃の条件で糖液をカラムに通した場合、分岐サイク
ロデキストリンの生成率はマルトシル−α−サイクロデ
キストリンで40日後に約1%しか低下しない。このこと
より、分岐サイクロデキストリンの生成収率が40日間で
1%ずつ低下すると仮定すると、固定化枝切り酵素の活
性が半減するまでに約2年近くかかる計算になる。従っ
て、本発明では分岐サイクロデキストリンを製造する際
の酸素代を大巾に削減することができる。また、固定化
酵素を使用するため、酵素由来の蛋白質、色素等の混入
がなく精製の容易な分岐サイクロデキストリンを製造す
ることができる等、経済的メリットが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における分岐サイクロデキストリンの
生成率を示すグラフ図である。 第2図は実施例4における分岐サイクロデキストリンの
生成率を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 俊哉 埼玉県浦和市元町1―27―10 元町サンハ イツ106 (72)発明者 小暮 靖夫 埼玉県児玉郡上里町神保原419―7 (72)発明者 スサンヌ ルー デンマーク国,2880 バウスヴェアー バ ンドカルセバイ 9 (72)発明者 ベリー エドムンド ノーマン デンマーク国,3520 ファルム キエルシ ョイ 118 (72)発明者 中川 鍛 東京都田無市谷戸町1―15―31 (72)発明者 坂口 博脩 東京都足立区中央本町4―16―2―720

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枝切り酵素どうしをグルタルアルデヒドで
    架橋し固定化した固定化枝切り酵素に、サイクロデキス
    トリン及びオリゴ糖を含む糖液を接触せしめて反応させ
    ることによってサイクロデキストリンを分岐サイクロデ
    キストリンに変換せしめることを特徴とする固定化枝切
    り酵素による分岐サイクロデキストリンの製造方法。
  2. 【請求項2】サイクロデキストリンとオリゴ糖を含む前
    記糖液中のサイクロデキストリンとオリゴ糖との割合が
    重量比で1:2〜1:6で、基質濃度(糖液の濃度)が40〜85
    %(w/w)であり、そして前記反応を温度40〜75℃及
    びpH2〜7で行う特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記固定化枝切り酵素が、枝切り酵素溶液
    をポリアルキレンイミンの存在下にグルタルアルデヒド
    と反応させることによって得られる固定化枝切り酵素で
    ある特許請求の範囲第1項又は第2項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ポリアルキレンイミンがポリエチレン
    イミンである特許請求の範囲第3項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記固定化枝切り酵素が、枝切り酵素溶液
    をポリアルキレンイミンとアルブミンの存在下にグルタ
    ルアルデヒドと反応させることによって得られる固定化
    枝切り酵素である特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記ポリアルキレンイミンがポリエチレン
    イミンであり、アルブミンが卵アルブミンである特許請
    求の範囲第5項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記枝切り酵素がプルラナーゼである特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の製造方法。
  8. 【請求項8】前記枝切り酵素がバチルス アシドプルリ
    ティカス(Bacillus acidopullulyticus)又はその変
    種若しくは突然変異株より生成される枝切り酵素である
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記反応を固定化枝切り酵素を充填したカ
    ラムを用いて連続して行う特許請求の範囲第1項又は第
    2項記載の製造方法。
  10. 【請求項10】前記オリゴ糖がグルコース2〜6個がα
    −1,4結合で結合したものである特許請求の範囲の範囲
    第1項又は第2項記載の製造方法。
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