JPH07102145B2 - マルトース転移糖混合物の製造方法 - Google Patents

マルトース転移糖混合物の製造方法

Info

Publication number
JPH07102145B2
JPH07102145B2 JP15570490A JP15570490A JPH07102145B2 JP H07102145 B2 JPH07102145 B2 JP H07102145B2 JP 15570490 A JP15570490 A JP 15570490A JP 15570490 A JP15570490 A JP 15570490A JP H07102145 B2 JPH07102145 B2 JP H07102145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
immobilized
sugar
maltose
immobilization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15570490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0451899A (ja
Inventor
周一 末武
善市 吉野
利章 小巻
安子 吉田
明夫 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Sanwa Starch Co Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Sanwa Starch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd, Sanwa Starch Co Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP15570490A priority Critical patent/JPH07102145B2/ja
Publication of JPH0451899A publication Critical patent/JPH0451899A/ja
Publication of JPH07102145B2 publication Critical patent/JPH07102145B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、我々が日常食している澱粉糖を原料として、
新規で特長のある甘味料を経済的にかつ連続的にしかも
安定して製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
最近、転移又は縮合作用を有する酵素を用いて、種々の
いわゆる“機能性糖質”が食品素材として注目を集めて
いる。マルトース転移糖を生成するα−グルコシダーゼ
(トランスグルコシダーゼとも言う)の基本的転移作用
については、辻坂ら(農化、第37巻、第12号、第747〜7
52頁、1963)の報告等のように古くから研究されてい
る。又、マルトース転移糖の製造方法に関しては、特公
昭40−27319号に記されている酸性白土に吸着させた
(固定化)酵素を用いた方法や、低温放射線重合法によ
りアクリルアミドにα−グルコシダーゼを固定化し、多
量の少糖類を合成する試み等(農化、第53巻、第12号、
第385〜390頁、1979、千葉ら)、多数の方法が報告され
ている。さらに、糖転移反応を利用して糖転移物を主体
とするイソマルトース、分岐オリゴ糖シラップ糖を製造
する方法は、例えば特公昭62−51584号、特開昭60−306
95号、特開昭61−124389号、特開昭61−212296号、特開
昭61−219345号、特開昭62−171693号、特開昭63−1097
90号などに記載されている。しかしながら、これらの方
法によって得られた糖転移物は、各々特質を有してはい
るが、概して2等類が主体となっているものが多い。ま
た、製造法的にも、充分効率的であるとはいい難い。こ
のような実情から、食品素材として、安価にかつ多量に
しかも安定的に3糖類以上の転移糖が主成分となるマル
トース転移糖混合物を製造する方法が求められているが
未だに確立されていない。
尚、本発明で言うマルトース転移糖混合物とは、トラン
スグルコシダーゼが澱粉糖に作用して生成する、1分子
中に、α−1,4結合以外の結合をもつイソマルトースや
パノース、イソマルトトリオース、コージビオース、ニ
ゲロース、イソマルトテトラオース等の2糖類以上のオ
リゴ糖を総称して言う。
又、この種の糖類の製造技術においては、製造コストを
下げる為に固定化酵素を用いることが提案され、その固
定化も種々の方法が報告され、まとめられている。
(「固定化酵素」1975、「固定化生体触媒」1986、いず
れも千畑、〈講談社〉)。
固定化の方法としての物理的吸着法やイオン結合法は、
簡単で、しかも酵素の変性が少ないが、吸着した酵素が
担体から離脱し易いため、長期間の安定した工業的製造
方法には適さない。
担体に酵素を化学的に共有結合させる方法は、酵素の離
脱は少ないが、固定化時の酵素の変性が著しく、その活
性が元の酵素の10〜30%程度となって、酵素の利用面か
ら見ると効率的でない。
グルタルアルデハイド等による架橋剤を用いた酵素の固
定化も、その活性部位が修飾を受ける等の酵素蛋白質の
変性を受けるため、活性の低下を起こし、活性が元の酵
素の10〜30%程度となり、酵素の利用面から見ると効率
的でない。
また酵素固定化のためのアクリルアミド等による包括法
やマイクロカプセル法は、基質との親和性が低下した
り、担体自身の強度が弱い等の問題が生じ、汎用性の点
で問題がある。
又、上記した固定化方法の種々の組み合わせによって、
固定化を行う方法も公開されている。例えば、網状構造
を有する粘土鉱物を焼成した多孔性で表面積の十分に大
きいセラミックに酵素を吸着固定化する方法において
は、予めセラミックをシラン化し、さらにこのシラン化
セラミックをグルタルアルデハイドで処理した、アルデ
ヒド基導入セラミックのごとき官能基を有する多孔性セ
ラミックを固定化担体とし、インベルターゼを固定化し
た例(特開昭63−91083号、特開昭63−190637号)や、
同方法でプルラナーゼを固定化する方法(特開平1−17
9697号)などが知られている。
このように、酵素の固定化の方法としては、種々の方法
が知られているが、汎用性のある確立された方法がない
為、それぞれ目的とする酵素により、又使用する条件に
応じ、その酵素に最も適した固定化の方法を慎重に、か
つ厳密に規定しなくてはならないのが常識となってい
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、利用面において種々の有利な特質を有す
るマルトース転移糖混合物を効率的かつ工業的に安価に
製造する方法について鋭意研究し、検討を重ねて来た結
果、本発明を完成させるに至った。
即ち、換言すると、本発明はSiO2とMgOを主成分とし、
多孔性で、その平均細孔径が200Å以上で、かつ比表面
積が70m2/g以上であるセラミック粒子と、適当量のグル
タルアルデハイドと、固定化しようとするα−グルコシ
ダーゼ酵素溶液と同時に混合することにより、セラミッ
ク粒子へ酵素を固定化し、この固定化酵素を充填したリ
アクターに、重合度2及び重合度3の糖質の含量の合計
が80%以上である澱粉糖を、連続的に通液させることに
より、転移糖を60%以上含有するマルトース転移糖混合
物を、経済的かつ効率的に製造することを特徴とする、
固定化酵素を用いたマルトース転移糖混合物の効率的製
造方法に関するものである。
特に、本発明者らは種々の特質を有するマルトース転移
糖混合物を製造するためには、基質として何を出発物質
にするかという点と、どの種の酵素をどのような条件で
用いるかという点を検討した結果、本発明の特定の条件
が必要であることを見いだしたのである。
まず、基質としては入手可能な澱粉糖の中から種々選定
して比較した。一般に、この種の技術では、澱粉をα−
アミラーゼ、β−アミラーゼ、さらに枝切り酵素(プル
ラナーゼ、イソアミラーゼ)等を組み合わせて用いるこ
とにより処理して得られた、マルトースを多く含む基質
を高濃度にして用いるのが当業界での常識となっている
(特公昭36−23698号、特公昭46−24060号)。
本発明者らは、マルトースを生成する目的で糖化した糖
化物を基質として用いるという従来の概念の外に、さら
にマルトースの生成目的の為に糖化した糖化物から、マ
ルトースを分離した残部のマルトトリオースを、好まし
くは少なくとも30%以上含んだ糖化物を用いることで、
3糖類以上の4,5,6糖の比較的高分子主体の転移糖生成
物を多く含むマルトース転移オリゴ糖を製造出来ること
を見いだし、このマルトース転移オリゴ糖が従来から知
られているこの種の糖質と、味質やその他の物理的性質
において異なる特長を有するものであることを見いだし
た。本発明は、一面ではこの知見に基礎をおくものであ
る。
次に、酵素としてはアスペルギルス・ニガー(Asp.nige
r)起源のα−グルコシダーゼ、例えば市販の酵素製剤
ではトランスグルコシダーゼL「アマノ」(天野製薬
製)を利用し得ることを見いだした。
さらに、経済的、工業生産的立場からこの酵素剤を固定
化して用いる点に関し、種々の固定化法について検討を
加えた。
まず、固定化法としては、食品衛生上安全なものである
こと、固定化及び工業的生産面の操作が簡単で、固定化
操作中の酵素の失活ができるだけ少ないこと、さらに固
定化酵素が安定で、しかも長時間の通液使用に耐え得る
強度、圧損失などの物理的特性に優れた物である事を目
標にした。
この点について種々検討の結果、上述したように、基質
を高濃度にして酵素反応を行う必要性から、固定化担体
としてセラミックを用いる方法が、物理的特性のうえで
有利であることが明らかになった。しかし、従来から知
られているセラミックを用いた固定化方法では、固定化
は可能であるが、安定性において問題があり、短時間の
うちに酵素が離脱し、活性が低下することが認められ
た。また、アルデヒド基を導入したセラミックでは、固
定化し得る酵素量に限界があり、固定化酵素の単位重量
当たりの酵素活性が低くなり、リアクターとしての効率
が維持できないという欠点が生じた。
本発明者らは、以上の点に鑑みさらに研究を重ねた結
果、特定の酵素固定化法を用いる必要があることを見い
だした。以下かかる本発明の固定化方法について詳述す
る。
すなわち、本発明が解決しようとする固定化技術に用い
る固定化担体のセラミックは、SiO2とMgOを主成分と
し、多孔性で、かつその平均細孔径がアスペルギルス・
ニガー(Asp.niger)起源のα−グルコシダーゼ(分子
量60,000)の分子を吸着するに充分な200Å以上で、か
つ比表面積が70m2/g以上であるセラミック粒子である事
が必要条件である。次に、アスペルギルス・ニガー起源
のα−グルコシダーゼを上記セラミック粒子に固定化す
る際に、α−グルコシダーゼ酵素溶液と上記セラミック
粒子との混合物中に、グルタルアルデハイドの適当量を
添加することで、長期間安定でかつ高活性を有する固定
化酵素を製造し得ることを見いだした。
例えば、第1図は固定化酵素をリアクター形式で用い、
これに、糖液を連続的に通液した時間と得られた生成物
中のマルトース転移糖含量の関係を示したグラフである
が、同図より明らかなように、固定化反応時に、グルタ
ルアルデハイドを添加しなくても酵素の吸着固定化は認
められた。しかし、この固定化酵素はリアクター形式に
して反応を行うと、酵素の離脱が容易に起き、マルトー
ス転移糖の生成が急速に減少し、酵素活性が失われたこ
とが明らかであった。これに対し、グルタルアルデハイ
ドを添加して固定化を行った固定化酵素では、長時間に
わたり安定化したマルトース転移糖の生成が認められ
た。
更に詳しく述べると、セラミック粒子にα−グルコシダ
ーゼを吸着固定化する際に、グルタルアルデハイドを同
時に添加することで、酵素分子同志の架橋反応と、重合
反応と、担体への吸着固定化反応を同時進行させること
により、担体への酵素の吸着量も高く、しかも酵素の離
脱が殆ど無い、固定化酵素の比活性の高い、長期間安定
な固定化酵素を得る事ができ、これにより連続的に、か
つ効率的に、工業的に安価なマルトース転移糖混合物を
製造する方法を確立することができた。
本発明方法の実施にあたり、酵素の固定化のための担体
として用いるセラミック粒子としては、公知の網状構造
を有する粘土鉱物原石を粉砕、篩分けして一定粒度とし
たうえで、高温で焼成したSiO2とMgOを主成分とした多
孔性セラミックを用いる(特開昭63−91083号、特開昭6
3−190637号)。また、固定化させるα−グルコシダー
ゼは、粗酵素品でも差し支えないが、固定化の前に精製
を行い、酵素蛋白質の単位当たりの比活性を高くしたも
のを用いることが好ましく、かくすることにより固定化
酵素の単位重量当たりの活性を上げて、酵素反応が効率
的なリアクターにすることができる。このセラミック粒
子乾燥重量1g当たりに固定化させるα−グルコシダーゼ
の量は、通常酵素蛋白質として5〜60mg(酵素力価とし
て1000〜12000U)、好ましくは15〜40mg(酵素力価とし
て3000〜8000U)の範囲である。5mg以下の場合は、固定
化担体1g当たりの比活性が低く、逆に60mg以上の場合は
固定化した酵素の活性が十分発現せず、酵素の利用率か
ら見て不経済である。
グルタルアルデハイドの固定化反応時の溶液濃度は、通
常0.1〜1.0%、好ましくは0.2〜0.5%の範囲である。0.
1%以下の場合は反応に長時間を費やし、1.0%以上にな
ると酵素の不可逆的失活、酵素分子同志の非効率的架橋
及び重合反応をまねく。又、この固定化反応の温度は通
常室温で良く、回転又は攪拌をして担体と酵素を接触さ
せることにより固定化反応を行い、特に冷却する必要は
ない。尚、固定化反応の際に、反応液中に、マルトー
ス、水飴等のような酵素の基質となる糖質を添加するこ
とは、酵素の失活防止、及び安定化に寄与するので好ま
しい。又、固定化終了後には、過剰のグルタルアルデハ
イドを除去するために、充分な水洗を行うことが必要で
ある。
尚、α−グルコシダーゼの活性は、10mM 4−ニトロフ
ェノール−α−D−グルコピラノシドを基質として、pH
5.0、40℃、10分間反応を行い、反応終了液中に、1分
間に、1μmolのグルコースを生成する酵素力価を1単
位(1U)として表示する。
上記のように固定化した酵素を充填したリアクターに、
澱粉糖を通液して、連続的にマルトース転移糖混合物を
製造するのであるが、この糖液基質としては、前記した
ごとく、重合度2及び重合度3の含量の合計が80%以上
であることを要し、目的によっては重合度2及び重合度
3の含量の合計が80%以上で、かつ重合度3の糖質の含
量が30%以上の澱粉糖を用いることが好ましい。更に、
基質濃度は、その基質濃度が高ければ高いほど転移又は
縮合反応が起こり易いので、10〜65%にすることが好ま
しく、30〜60%の範囲であることが特に好ましい。しか
し、この基質となる糖質や、固定化反応の際に安定剤と
して用いる糖質の製造方法は、従来から用いられている
方法や、分画によって得た糖質で良く、特に限定するも
のではない。転移反応を行う際の、温度及びpHは、本固
定化酵素の反応の最適値を用いれば良い。具体的には、
反応温度は50〜70℃、pHはpH4.0〜6.0の範囲にすること
が好ましい。
なお、上記の特定条件下に製造した固定化酵素は、担体
の単位重量当たりの比活性が非常に高く、しかも担体の
物理的強度も極めて強い。従って、このようにして製造
した固定化酵素を用いることによって、初めて、高濃度
の基質を高流量で、換言すれば、短時間で多量に、しか
も連続的、効率的、かつ工業的に安価なマルトース転移
糖混合物を製造する方法が可能になるのである。
以下、本発明を実施例により説明する。
〔実施例〕
実施例 1 SiO2とMgOを主成分とし、多孔性で、その平均細孔径が2
00Å以上、比表面積が70m2/g以上のセラミック粒子40g
と、pH6.0に調整した100mMリン酸緩衝液10mlと、10%マ
ルトース液(商品名サンマルトーSを溶解した糖液 三
和澱粉工業株式会社製)182.5mlと、1%グルタルアル
デハイド溶液100mlと、酵素液(商品名:トランスグル
コシダーゼL“アマノ”天野製薬製)7.5mlを同時に混
合し、室温で120回/min、4cm幅で2時間、室温で往復振
盪を行い、酵素の固定化を行った。固定化後、過剰のグ
ルタルアルデハイドを除去するために、2の純水を数
回に分けて十分に洗浄した。
固定化に供した酵素の全活性は約118100U、酵素液中の
蛋白質は617.3mgであった。
固定化されなかった酵素の全活性は約7090U(回収率6
%)、蛋白質は314.8mg(回収率51%)、固定化された
酵素の全活性は約136500U(回収率123%)、蛋白質は30
2.5mg(回収率49%)であった。
従来の知見では、固定化反応の際に、グルタルアルデハ
イド等の架橋剤を用いた場合、酵素蛋白質の変性によ
り、酵素活性は10〜30%まで低下することが知られてい
た。
しかしながら、本発明の特定条件下による固定化方法に
よれば、酵素活性は非常に高いレベルで保持され、しか
も酵素活性のほとんどが固定化されていることが明らか
になった。
しかも、酵素活性を有しない蛋白質は、担体に固定化さ
れないという特徴を有している。
この固定化酵素と、固定化に供した酵素源液の酵素工学
的な諸性質を、第1表にまとめた。
このようにして得た固定化酵素を、φ20×200mmの温水
ジャケット付きのガラス製カラムに53ml(乾燥担体30g
に相当)充填してリアクターとして用いた。
酵素反応の基質としては、pH5.5に調整した40%マルト
ース溶液(商品名サンマルトーSを溶解した糖液 三和
澱粉工業株式会社製 糖組成:グルコース0.4% マル
トース94.6% マルトトリオース3.0%)を用い、温水
ジャケットで50℃に加温した上記カラムに通液して反応
を行った。
通液の速度は、固定化酵素の活性によって定まるが、本
実施例の場合は、酵素活性が高いため、SV≒1〜2で通
液する条件では、単位基質当たりの酵素活性が高すぎ、
生成したマルトース転移糖が、再び加水分解を受け、マ
ルトース転移糖の合計が減少する事が発明した。比較検
討の結果から、SV≒4で通液できるのが適当であること
が明らかになった。
SV≒4のように高いSVで通液できることは、設備投資及
び施設の面で優位であるばかりでなく、安価に、しかも
連続的にかつ大量にかつ安定にマルトース転移糖混合物
を製造することができる事を意味する。
この様にして製造されたマルトース転移糖混合物は、非
常に穏やかで上品な味質を持つ糖質甘味料であった。
このマルトース転移糖混合物の糖組成の1例を、第2表
に示した。
マルトース転移糖の合計は、61.1%であった。
上記条件下でのマルトース転移糖生産の長期安定性を、
第2図に示した。本固定化酵素の転移酵素活性の半減期
は、800時間以上であった。
実施例 2 実施例1に示したリアクターに、酵素反応の基質とし
て、マルトース製造目的で製造された糖化液(マルトー
ス76%、マルトトリオース17%が主体)をカチオン型イ
オン交換樹脂クロマトグラフィにより、マルトース分画
操作を行った残部の糖液で製造された市販オリゴトース
のpH5.2、40%溶液(三和澱粉工業株式会社製 糖組
成:グルコース1.1% マルトース37.1% マルトトリ
オース44.2%)を用い、温水ジャケットで50℃に加温し
て、通液、反応を行った。通液速度はSV≒3.5で行っ
た。
このようにして製造されたマルトース転移糖混合物の糖
組成の1例を第3表に示した。
この様にして製造された転移糖混合物は、転移4糖類、
転移5糖類及び転移6糖類を多く含む、非常に穏やかで
上品な味質を持つ糖質甘味料であった。
この場合、生成したマルトース転移糖の合計は、68.9%
であった。
実施例 3 実施例1と同様の固定化操作を行って、酵素を固定化し
た。本固定化酵素の活性は、6220U/gで、実施例1よ
り、若干低かった。
この固定化酵素を持い、実施例2で用いた基質を、SV=
3.8で通液した。
このようにして製造されたマルトース転移糖混合物の糖
組成の1例を第4表に示した。
この場合、生成したマルトース転移糖の合計は、74.2%
に達した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、以上の説明から明らかなように、特定
の条件下に固定化された特定の酵素を用い、特定組成の
澱粉糖を特定の条件下に処理することにより新規な特徴
を有する甘味料を経済的に、連続的にしかも安定して製
造することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は酵素固定化反応時にグルタルアルデハイド添加
及び無添加で調製した固定化酵素の使用時間対生成マル
トース転移糖含量の関係を示すグラフ、第2図は本発明
で使用する固定化酵素のマルトース転移糖生産の長期安
定性を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 明夫 愛知県名古屋市中川区二女子町7丁目113 番地

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2とMgOを主成分とし、多孔性で、その
    平均細孔径が200Å以上で、かつ比表面積が70m2/g以上
    であるセラミック粒子と、適当量のグルタルアルデハイ
    ドと、固定化しようとするα−グルコシダーゼ酵素溶液
    とを同時に混合することにより、セラミック粒子へ酵素
    を固定化し、この固定化酵素を充填したリアクターに、
    重合度2及び重合度3の糖質の含量の合計が80%以上で
    ある澱粉糖を、連続的に通液させることにより転移糖を
    60%以上含有するマルトース転移糖混合物を製造するこ
    とを特徴とする固定化酵素を用いたマルトース転移糖混
    合物の製造方法。
  2. 【請求項2】酵素の固定化の際に使用するグルタルアル
    デハイドの濃度が、酵素の固定化反応時の溶液濃度で、
    0.1〜1.0%であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】固定化される酵素が、アスペルギルス・ニ
    ガー起源のα−グルコシダーゼである請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】重合度2及び重合度3の糖質の含量の合計
    が80%以上でかつ重合度3の糖質含量が30%以上である
    澱粉糖を基質として用いる請求項1記載の方法。
JP15570490A 1990-06-14 1990-06-14 マルトース転移糖混合物の製造方法 Expired - Fee Related JPH07102145B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15570490A JPH07102145B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 マルトース転移糖混合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15570490A JPH07102145B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 マルトース転移糖混合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0451899A JPH0451899A (ja) 1992-02-20
JPH07102145B2 true JPH07102145B2 (ja) 1995-11-08

Family

ID=15611694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15570490A Expired - Fee Related JPH07102145B2 (ja) 1990-06-14 1990-06-14 マルトース転移糖混合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07102145B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0867828A (ja) * 1994-08-29 1996-03-12 Sanei Gen F F I Inc 青色着色組成物の製造方法
GB9708893D0 (en) * 1997-05-02 1997-06-25 Cerestar Holding Bv Method for the production of isomalto-oligosaccharide rich syrups

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0451899A (ja) 1992-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5840474B2 (ja) 酵素反応により有機物質を少くとも1種類の他の有機物質に変換する酵素利用法
JPH0338B2 (ja)
JPH114700A (ja) イソマルト− オリゴサッカライドに富んだシロップを生成する方法
Caldwell et al. Immobilization of enzymes based on hydrophobic interaction. II. Preparation and properties of an amyloglucosidase adsorbate
JPS5819276B2 (ja) 末端にフラクト−スを結合したオリゴ糖類の製造方法
JPH07102145B2 (ja) マルトース転移糖混合物の製造方法
US4116771A (en) Immobilized saccharifying enzyme product and process for preparation thereof
Kimura et al. Immobilization of exo-maltotetraohydrolase and pullulanase
Ivanova et al. Catalytic properties of immobilized purified thermostable α-amylase from Bacillus licheniformis 44MB82-A
JPS632595B2 (ja)
JP2933960B2 (ja) 分岐オリゴ糖の製造方法
JP2000189161A (ja) 固定化マルトジェニックα―アミラ―ゼ及びマルト―スが豊富なシロップの製造におけるその使用
CN1164745C (zh) 青霉素酰化酶与含青霉素酰化酶细胞的固定化方法
JPS643480B2 (ja)
JPH0685716B2 (ja) 固定化酵素
JP2659086B2 (ja) 高純度糖質関連酵素および固定化糖質関連酵素の製造方法
CA1203187A (en) Immobilization of invertase on polyethylenimine- coated cotton cloth
EP0200095A1 (en) Immobilized maltooligosaccharide-forming amylase and process for the production of maltooligosaccharide using said enzyme
JPH057999B2 (ja)
Su et al. A novel method for continuous production of cyclodextrins using an immobilized enzyme system
JPS62171693A (ja) 分岐オリゴ糖の製造方法
JPH0427818B2 (ja)
JP2798920B2 (ja) イソマルトオリゴ糖含有シラップの製造方法
JP2868835B2 (ja) イソマルトオリゴ糖含有シラップおよびイソマルトオリゴ糖の製造方法
JPH0528115B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees