JPH0669371B2 - ヒトーレニンに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマセルライン及びその製造方法 - Google Patents
ヒトーレニンに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマセルライン及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0669371B2 JPH0669371B2 JP63153660A JP15366088A JPH0669371B2 JP H0669371 B2 JPH0669371 B2 JP H0669371B2 JP 63153660 A JP63153660 A JP 63153660A JP 15366088 A JP15366088 A JP 15366088A JP H0669371 B2 JPH0669371 B2 JP H0669371B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- renin
- human
- monoclonal antibody
- antibody
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K16/00—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
- C07K16/40—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against enzymes
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/12—Antihypertensives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S435/00—Chemistry: molecular biology and microbiology
- Y10S435/81—Packaged device or kit
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S435/00—Chemistry: molecular biology and microbiology
- Y10S435/975—Kit
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S436/00—Chemistry: analytical and immunological testing
- Y10S436/807—Apparatus included in process claim, e.g. physical support structures
- Y10S436/808—Automated or kit
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S436/00—Chemistry: analytical and immunological testing
- Y10S436/815—Test for named compound or class of compounds
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S530/00—Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
- Y10S530/808—Materials and products related to genetic engineering or hybrid or fused cell technology, e.g. hybridoma, monoclonal products
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S530/00—Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
- Y10S530/86—Renin inhibitors
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Public Health (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕 この発明は、5×10-11M(mol/)の濃度においてヒ
ト−レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナ
ル抗体を生産することを特徴とするハイブリドーマセル
ライン、及びその製造方法に関する。 〔発明の背景〕 レニンは、アンジオテンシンによる血圧の調節において
役割を演ずる蛋白質分解酵素である。ヒト−レニンは約
40,000の分子量を有するグリコシル化蛋白質である。ヒ
ト−レニンの幾つかの構造的特徴が知られている。例え
ば、ポリペプチドのアミノ酸配列は、レニンをコードす
る相補的デオキシリボ核酸(cDNA)の決定により解明さ
れている。レニンは腎臓から不活性な形で、すなわちプ
ロレニンとして放出され、そして次に血流に入り、ここ
では20〜100pg/mlの濃度で存在することが見出されて
いる。ここで、レニンはアンジオテンシノーゲン(レニ
ンの基質)を開裂せしめてデカペプチドであるアンジオ
テンシンIを生成せしめ、このアンジオテンシンIは今
度は肺、腎臓及び他の器官でいわゆるアンジオテンシン
転換酵素(ACE)により開裂されてオクタペプチドであ
るアンジオテンシンIIを生成する。アンジオテンシンII
は、心筋の収縮により直接的に、そして副腎からナトリ
ウム−保持を惹起するホルモンであるアドロステロン
(これは細胞外液容積と関連する)を放出せしめること
によって間接的に血圧を上昇せしめる。アンジオテンシ
ンIIはアンジオテンシナーゼによって分解されてヘプタ
ペプチドであるアンジオテンシンIII(このアンジオテ
ンシンIIIはアンジオテンシンIIと類似の作用を示す)
となり、そして一層小さい不活性断片となる。 レニン−アンジオテンシン系に影響を与えることによっ
て幾つかのタイプの高血圧及び心臓機能不全を治療する
ことが可能である。血圧の低下は、(a)アンジオテン
シンII(又はIII)のリセプターに対するその作用を阻
害することにより、(b)アンジオテンシン転換酵素を
阻害することにより、又は(c)アンジオテンシノーゲ
ンに対するレニンの作用を阻害することにより達成する
ことができる。レニン−阻害剤は、例えばペプシン及び
ペプシン類似体、アンジオテンシノーゲン類似体、及び
レニン抗体である。これらのレニン−阻害剤はアンジオ
テンシノーゲンからのアンジオテンシンIの放出を減少
せしめ、そしてこれによって活性ペプチドホルモンであ
るアンジオテンシンIIを減少せしめる。既知のレニン−
阻害剤と比べて、この発明のレニン抗体は非常に低い濃
度においても非常に特異的にレニンの作用を阻害すると
いう利点を有する。 診断及び治療における抗体の使用は、最近までその適用
範囲が非常に限定されていた。抗体は、種々の蛋白質の
複雑な混合物の形で動物血清から非常に少量得られてい
た。免疫された各個体動物、及び1つの動物でさえ、繰
り返し免疫された場合には各場合において異る組成を有
する抗体を含有する血清を生成するため、抗体の標準化
は不可能であった。Khler及びMilstein〔1〕によっ
て開発された新しい技法を用いることにより、今や、細
胞培養物から均一な形で理論的に限りない量の抗体、い
わゆるモノクローナル抗体を再現可能に得ることができ
るようになった。適当な骨髄腫細胞と、抗原によって免
疫された供与体からの抗体産生リンパ球との融合によ
り、イン−ビトロでの無限の細胞分裂及び無限の増殖と
均一な抗体の産生とを合わせ持つハイブリドーマ細胞が
生ずる。従って、生物の免疫反応を特定の抗原から独立
のものとし、そしてハイブリド細胞の連続的培養により
モノクローナル抗体を製造することが可能となる。 ハイブリドーマ技法による特異的なモノクローナル抗体
の製造の例が多く知られており、そして一般的方法が原
理的に記載されているが、各新しい例においては前記の
技法を特定のケースに適合させるための特有の問題が生
ずる。このような適合なくしては、所望のハイブリドー
マ細胞を形成し、これらが遺伝的に安定であり、そして
所望のモノクローナル抗体を産生し、そしてこうして調
製されたモノクローナル抗体が所望の特異性を有するこ
とが保証されない。成功の程度は、原理的には、リンパ
球供与体の免疫に使用される抗原のタイプ及び純度、免
疫化方法、細胞融合の技法、適当なハイブリドーマセル
ラインの選択方法、並びにモノクローナル抗体を単離し
そして精製する方法により影響される。 ヒト−レニンに結合するモノクローナル抗体は知られて
いる。Simon等〔2〕はヒト−レニンに対する低い親和
性を有するモノクローナル抗体を記載している。Dzau等
〔3〕はヒト−レニンに結合し、そして同時にその酵素
作用を阻害するモノクローナル抗体を記載している。血
液中のヒト−レニンを測定するために、基本的に、2つ
の異る方法が使用される〔4〕。その1つにおいては、
血漿中のヒト−レニンの酵素活性が、アンジオテンシノ
ーゲンから放出されるアンジオテンシンIの量を決定す
ることにより測定される。次に、不活性な血漿レニンを
例えばpH3〜4において酸で処理することにより活性化
した後に酵素活性を決定することによりレニンの合計量
の測定値が得られる。この間接的方法は低濃度のレニン
の測定を可能にするが、大きな不正確さを有する。他の
方法においては、既知のモノクローナル抗体又は血漿か
らのポリクローナル抗体を用いるイムノアッセイにより
ヒト−レニンが測定される。しかしながら、この直接法
は、血漿中のヒト−レニンの非常に低い濃度の信頼性あ
る測定のために十分な感度を有していなかった。従っ
て、既知の抗体に比べて相当に強くヒト−レニンに結合
し、その結果ヒト−血漿中のレニンの正確な測定をもた
らすイムノアッセイにおいて使用することができるモノ
クローナル抗体の必要性が存在する。さらに、高血圧の
治療のために使用することができる程効果的に酵素レニ
ンの作用を阻害するモノクローナル抗体の必要性が存在
する。この発明は、ヒト−レニンに強く結合し、そして
同時にその酵素活性を効果的に阻害するモノクローナル
抗体を提供することによりこの問題に解決を与えるもの
である。 〔発明の記載〕 この発明は、ヒト−レニンに対するモノクローナル抗体
を生産するハイブリドーマ、及びその製造方法に関す
る。 ヒト−レニンに対するモノクローナル抗体は、表面に結
合したヒト−レニン又は溶解したヒト−レニンに対する
結合定数、ヒト−レニンの酵素活性を阻害する濃度、関
連抗原例えば他の種のレニンに対する交差反応性、免疫
グロブリンクラス又はサブクラス、及びポリペプチド鎖
のN−末端アミノ酸配列により特徴付けることができ
る。 この発明は特に、3×10-10M(mol/)以下の濃度に
おいて表面結合ヒト−レニンに有意に結合するモノクロ
ーナル抗体及びその誘導体、3×10-10Mの濃度において
限定された量で加えられた溶解したヒト−レニンの50%
以上と結合するモノクローナル抗体及びその誘導体、並
びに2×10-8Mの濃度においてヒト−レニンの酵素活性
を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその誘導体
に関する。2×10-9Mの濃度においてヒト−レニンの酵
素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその
誘導体が好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト−レ
ニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体
及びその誘導体が最も好ましい。最も好ましいモノクロ
ーナル抗体の例はセルラインR3−36−16から産生される
R3−36−16と称する抗体である。モノクローナル抗体R3
−36−16は、ガンマ−1カッパ−免疫グロブリンであっ
て、このものはライトポリペプチド鎖の第1超可変領域
中N−端の28−38位にアミノ酸28セリン−29バリン、31
セリン−32チロシン−33グリシン−34リジン、及び36フ
ェニルアラニン−37メチオニンを含有する。 この発明のモノクローナル抗体の誘導体は、例えば、ヒ
ト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保持している
断片、例えばFab断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断
片;例えば放射性ヨウ素(125I、131I)、炭素
(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)もしくはこれ
らに類するものによりラベルされた放射性ラベルモノク
ローナル抗体;又は酵素、例えばホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−
ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコア
ミラーゼ、カーボニックアンヒドラーゼ、アセチルコリ
ンエステラーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナー
ゼ、又はグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼと接合したモノクローナル抗体である。好ましい誘導
体は、125ヨウ素でラベルされたモノクローナル抗体、
及びアルカリ性ホスファターゼとのモノクローナル抗体
接合体である。 この発明のモノクローナル抗体及びその誘導体は、それ
自体公知の方法によって次のようにして得られる。すな
わち、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を、 a)イン−ビトロ培養し、そして培養上清液からモノク
ローナル抗体を単離し、又は、 b)適当な哺乳動物中でイン−ビボ増幅し、そして該哺
乳動物の体液からモノクローナル抗体を単離し、そして
所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る。 変法a)のイン−ビボ培養のために適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば、ウシ胎児血清を補充されたドゥ
ルベコ変形イーグル培地(Dolbecco′s Modified Eagle
Medium)又はRPMI 1640培地である。モノクローナル抗
体の単離のために、培養上清液中の蛋白質を硫酸アンモ
ニウム又はこれに類似するものにより沈澱せしめ、そし
て常用クロマトグラフィー法、例えばゲル過、イオン
交換クロマトグラフィー、DEAE−セルロースクロマトグ
ラフィー、又はイムノアフィニティークロマトグラフィ
ーにより精製する。 変法b)によりハイブリドーマ細胞をイン−ビボ増幅す
ることにより所望のモノクローナル抗体を大量に得るこ
とができる。この目的のために、細胞クローンを同系
(syngeneic)哺乳動物に注射し、そして1〜3週間
後、これらの動物の体液から抗体を単離する。例えば、
Balb/cマウス由来のハイブリドーマ細胞を、炭化水
素、例えばプリスタンによりあらかじめ前処理しておい
たBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして8〜10日間の
後、これらの動物から腹水を採取する。目的とするモノ
クローナル抗体を体液から、それ自体公知の方法に従っ
て、例えば硫酸アンモニウム又はこれに類似するものに
より沈澱せしめ、そしてクロマトグラフィー、例えばDE
AE−セルロース又はイオン交換樹脂上でのクロマトグラ
フィーにより、あるいはゲル過又はイムノアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより単離する。 ヒト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保持してい
る、この発明のモノクローナル抗体の断片、例えばFab
断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片は、それ自体
公知の方法により、例えば変法a)又はb)に従って調
製されたモノクローナル抗体をペプシンもしくはパパイ
ンのごとき酵素により処理することによって、そして/
又は化学還元によってジスルフィド結合を開裂せしめる
ことによって製造される。 ヨウ素(125I,131I)により放射性ラベルされたモノク
ローナル抗体は、この発明のモノクローナル抗体から、
それ自体公知のヨウ素化法によって、例えば放射性ヨウ
化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び化学酸化剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等により、又は
酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ及びグルコースにより得られる。この
発明の放射性ラベルされたモノクローナル抗体はまた、
イン−ビトロ培養のための培地に、公知の方法により、
放射性炭素(14C)、トリチウム(3H)、硫黄(35S)等
を含有する放射性ラベルされた栄養素、例えばL−(14
C)−ロイシン、L−(3H)−ロイシン又はL−(35S)
−メチオニンを加え、そして変法a)に従ってモノクロ
ーナル抗体を得ることによっても調製される。 この発明の酵素ラベルモノクローナル抗体は、それ自体
公知の方法に従って、変法a)又はb)に従って調製さ
れたモノクローナル抗体及び所望の酵素を、カップリン
グ剤、例えばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,
N′−o−フェニレンジマレイミド、N−(m−マレイ
ミドベンゾイルオキシ)−サクシンイミド、N−(3−
(2′−ピリジルジチオ)−プロピオンオキシ)−サク
シンイミド等と共に反応せしめることにより得られる。 この発明はさらに、ハイブリドーマセルラインに関し、
このセルラインはヒト−レニンに対して高い親和性を有
するモノクローナル抗体を産生することを特徴とする。
この発明は特に3×10-10M(mol/)の濃度におい
て、限定された量で加えられたヒト−レニンの50%以上
と結合し、そして/又は2×10-8Mの濃度においてヒト
−レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル
抗体を産生するセルラインに関する。3×10-10Mの濃度
においてヒト−レニンの50%以上と結合し、そして/又
は2×10-9Mの濃度においてヒト−レニンの酵素活性を5
0%以上阻害するモノクローナル抗体を産生するセルラ
インが好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト−レニ
ンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体を
産生するセルラインが特に好ましい。 高親和性のモノクローナル抗体を産生する最も好ましい
ハイブリドーマセルラインの例として、パリのパスツー
ル研究所の“Collection Nationale de Cultures de Mi
croorganismes"に、No.I−253として、1983年11月7日
に寄託されたR3−36−16と称するセルラインを挙げるこ
とができる。ハイブリドーマセルラインR3−36−16はマ
ウス骨髄腫セルラインSp2/0−Ag14とBalb/cマウス
の脾臓のB−リンパ球とのハイブリドである。R3−36−
16は、一定の特異性のモノクローナル抗体を分泌し、そ
して解凍及び再クローニングによって深冷凍結培養物か
ら活性化することができる安定なセルラインである。 この発明はさらに、ヒト−レニンに対して高い親和性を
有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞の製造方法に関し、この方法は適当な哺乳動物を精製
されたヒト−レニンによって免疫し、該哺乳動物から採
取した抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、得られ
たハイブリドーマ細胞をクローン化し、そしてヒト−レ
ニンに対する高い親和性を有する所望のモノクローナル
抗体を産生する細胞クローンを選択することを特徴とす
る。 高純度ヒト−レニンを用いて免疫するのが好ましい。こ
のようなヒト−レニンは、例えばそれ自体公知の方法に
より、ヒト−腎臓の抽出物から、イムノアフィニティー
クロマトグラフィーを用いて得られる。 免疫化のために好ましい哺乳動物は、マウス、特にBalb
/cマウスであるが、他の系統のマウスを使用すること
もできる。免疫処理は、それ自体公知の方法により、例
えば、1μg〜20μgずつの精製されたヒト−レニンを
含む3〜6回の注射を1〜6週間の間隔で、好ましくは
リンパ球の生成を刺激する添加物、例えば完全又は不完
全フロインドアジュバンドと共に、非経腸的に、例えば
腹腔内に、静脈内に及び/又は皮下に行うことにより実
施される。 最後の(追加)免疫処理の2〜6日間後、動物から免疫
された動物の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を採取
し、そして融合促進剤の存在下で適当なセルラインの骨
髄腫細胞と融合せしめる。幾つかの異る骨髄腫セルライ
ン及びそれらから誘導されたセルラインが適切な融合の
パートナーとして知られている。酵素ヒポキサンチン−
グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)又は酵素チミジンキナーゼ(TK)を欠いており、そ
してそのためにヒポキサンチン、アミノプテリン及びチ
ミジンを含有する選択培地(HAT培地)中で生存しない
腫瘍細胞が好ましい。HAT培地中で生存せず、そして免
疫グロブリン又はその部分を分泌しない骨髄腫細胞及び
それから調製されたセルライン、例えばセルラインX63
−Ag8.653、及びSp2/0−Ag14が特に好ましい。融合促
進剤として、場合によってはUV−不活性化された形のセ
ンダイウイルス又は他のパラミクソウイルス、カルシウ
ムイオン、界面活性リピド、例えばリソレシチン、又は
ポリエチレングリコールが考慮される。骨髄腫細胞を、
好ましくは、1000〜4000の分子量を有する30〜50%のポ
リエチレングリコールを含有する溶液中で、免疫された
動物からの脾臓組胞の3〜20倍過剰量と融合せしめる。 融合後、細胞を分配しそして選択HAT培地中で培養す
る。この場合、ハイブリドーマは骨髄腫細胞に由来する
イン−ビトロ増殖能力と、免疫された動物の抗体産生細
胞に由来するHGPRT又はTK遺伝子の欠失及びそれに伴うH
ATでの生存能力を合わせ持つために、ハイブリドーマの
みが生存する。 ハイブリドーマ細胞の増殖のための適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば10〜15%のウシ胎児血清が補充さ
れたドゥルベコ変形培地又はRPMI 1640培地である。細
胞増殖の初期において、好ましくは、いわゆるフィーダ
ー細胞、例えば正常マウス腹腔浸出細胞、脾臓細胞、骨
髄マクロファージ等を加える。一定の間隔で前記培地に
選択HAT培地を補充することにより、正常な骨髄腫細胞
によってハイブリドーマ細胞が覆われるのを回避する。 ハイブリドーマ細胞の細胞培養上清液を試験してこれが
所望のモノクローナル抗体を含有するか否かを見る。好
ましくは、細胞上清液を、表面結合ヒト−レニンへのモ
ノクローナル抗体の結合のみならず、これと同時に、さ
らに、溶解したヒト−レニンへの結合及びヒト−レニン
の酵素活性の阻害をも決定するイムノアッセイにおいて
試験するのが好ましい。驚くべきことに、表面結合レニ
ンによく結合するモノクローナル抗体がレニンの酵素活
性をわずかにのみ阻害することが見出された。異る種類
の試験方法を組み合わせることによって、ヒト−レニン
に対する高い結合親和性及び強い酵素阻害作用の両方を
有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細
胞を同定することが可能である。これらのハイブリドー
マ細胞は、その均一性を保証するために、限界希釈法を
用いてそれ自体公知の方法でクローン化する。 この発明はさらに、特に生物学的液体中のヒト−レニン
及び構造的に類似するレニンの定量的及び定性的測定の
ための、ヒト−レニンに対する高い親和性を有するモノ
クローナル抗体及びその誘導体の使用に関する。例え
ば、この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘導体は、
抗原(ヒト−レニン)とモノクローナル抗体との間の結
合相互作用を用いるそれ自体公知のいずれのイムノアッ
セイにおいても使用することができる。このような測定
法の例として、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザ
イムイムノアッセイ、免疫−螢光試験、ラテックス凝集
試験、又は血球凝集法が挙げられる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で又は
放射性ラベル誘導体の形で、単独で又は組み合わせて、
ラジオイムノアッセイ(RIA)において使用することが
できる。RIAの任意の公知の変法を用いることができ、
例えば均一相でのRIA、固相RIA又は不均一RIA、又はシ
ングルRIA又はダブル(サンドイッチ)RIAを用いてヒト
−レニンの直接又は間接(競争的)測定を行うことがで
きる。シングルRIAが好ましく、この方法においては、
担体、例えばポリスチレン、ポリプロピレンもしくはポ
リビニルクロリド製のタイタープレートもしくは試験管
のプラスチック表面、ガラス製もしくはプラスチック製
ビーズ、紙、又はデキストラン、酢酸セルロースもし
くはニトロセルロースのシート、あるいはこれらに類似
するものに1種類のモノクローナル抗体、又は異るエピ
トープを認識する2種類のモノクローナル抗体の混合物
を単純吸着により、又は例えばグルタルアルデヒドもし
くはシアノゲンブロミドにより担体を活性化した後に被
覆し、そして試験溶液及び125Iにより放射性ラベルされ
た既知量のヒト−レニンの溶液と共にインキュベート
し、そして前記担体に結合した放射能を測定する。 サンドイッチラジオイムノアッセイが特に好ましく、こ
の方法においては、1種類又は2種類のモノクローナル
抗体により被覆された担体を試験溶液、及び125Iで放射
性ラベルされたモノクローナル抗体の溶液(この溶解し
たモノクローナル抗体は担体に結合しているモノクロー
ナル抗体が認識するヒト−レニンのエピトープとは異る
エピトープを認識する)とインキュベートし、そして担
体に結合した放射能を測定することにより試験溶液中の
レニンの量を決定する。第1図は、試験溶液中のヒト−
レニンの量に対する担体に結合した放射能の測定値を示
しており、これは例8.4に詳細に記載されているサンド
イッチRIAにより測定することができる。この試験の感
度は、4時間以内に、50μの試験溶液中のわずかに1p
gから100pg以上のヒト−レニンの信頼性の高い定量的測
定を可能にする。従って、レニンに対する高い親和性を
有するこの発明のモノクローナル抗体を使用することに
より、生物学的液体、特に血液中に通常存在する濃度に
おけるヒト−レニンの定量的測定が可能となり、そして
このために、レニンにより誘導される高血圧の迅速且つ
信頼性の高い診断が可能となる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で、又
は酵素に接合した誘導体の形で、単独で又は組み合わせ
て、エンザイムイムノアッセイにおいて使用することが
できる。このようなイムノアッセイには、この発明の酵
素ラベルモノクローナル抗体誘導体、この発明の抗ヒト
−レニン抗体もしくは他の抗ヒト−レニン抗体のエピト
ープを認識しそしてそれと結合するそれ自体公知の酵素
ラベル抗体、又は酵素ラベルヒト−レニンを使用する試
験方法が含まれる。 ELISA(エンザイムリンクドイムノアドゾルベントアッ
セイ)が好ましく、この方法においては、シングルRIA
試験について前記した担体にこの発明の1種類又は2種
類のモノクローナル抗体を被覆し、ヒト−レニンを含有
する試験溶液と共にインキュベートし、そして次にヒト
−レニンに対するポリクロナール血清、例えばラビット
血清、とインキュベートし、そして最後にポリクローナ
ル血清の結合した抗体を、これを認識しそしてこれに結
合する酵素ラベル抗体により検出し、そして結合したヒ
ト−レニンの量を酵素−基質反応により決定する。この
ような酵素ラベル抗体は、例えばホスファターゼにより
ラベルされたヤギ−抗−ラビット免疫グロブリンであ
る。 最も好ましいELISAにおいては、この発明の1種類又は
2種類のモノクローナル抗体により被覆された担体を、
ヒト−レニンを含有する試験溶液と、及び酵素と接合し
たこの発明のモノクローナル抗体の溶液(この溶解した
モノクローナル抗体は、担体に結合したモノクローナル
抗体が認識するヒト−レニンのエピトープとは異るエピ
トープを認識する)とインキュベートする。例えば色の
変化をもたらしそして肉眼により又は光学測定装置によ
り観察することができる酵素−基質反応により、酵素の
量(これは試験溶液中のヒト−レニンの量に比例する)
を測定する。 第2図は、放出された発色した酵素基質の最大吸光にお
ける測定された光学濃度と試験溶液中のヒト−レニンの
量との関係を示しており、これは例9.3において詳細に
記載するELISAにより測定することができる。ELISAの感
度は、5時間以内に、50μの試験溶液中1pg未満から1
00pgまでのヒト−レニンの信頼性の高い定量的測定を可
能にする。上記の好ましいサンドイッチRIAに比べて、
このELISAは、同等又はわずかに高い感度を有し、そし
て、放射能を測定する場合のような複雑な測定装置を必
要とせず、そして放射性物質を取り扱う場合に比べて厳
重でない安全規準を満たせばよいという利点を有する。 この発明のエンザイムイムノアッセイにおける好ましい
酵素は、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(この酵
素は、例えば酵素基質5−アミノサリチル酸、o−フェ
ニレンジアミン、3,3′−ジメトキシベンズイミド、2,
2′−アジノ−ビス−(3−エチルベンゾチアゾリン−
6−スルホン酸等により発色させることができる)、及
び特にアルカリ性ホスファターゼ(この酵素は、例えば
酵素基質p−ニトロフェニルホスフェートからp−ニト
ロフェノールを放出する)である。 ヒト−レニンの定性的及び定量的測定のための、ヒト−
レニンに対して高い親和性を有するモノクローナル抗体
のこの発明の使用はまた、それ自体公知の他のイムノア
ッセイ、例えば螢光物質との抗体接合体又は抗原接合体
を用いるイムノフルオレッセンス試験、抗体で被覆され
たラテックス粒子もしくは抗原で被覆されたラテックス
粒子を用いるラテックス凝集法、又は抗体で被覆された
赤血球もしくは抗原で被覆された赤血球を使用する血球
凝集法、等が含まれる。 以上記載したイムノアッセイは、生物学的液体、特に血
液中のヒト−レニンの量を決定するため、そして従って
レニンにより誘導される高血圧の診断のために使用する
ことができる。これらのイムノアッセイにおいては、活
性酵素としてアンジオテンシノーゲン(レニン基質)を
アンジオテンシンIに転換するヒト−レニンの量のみな
らず、抗体によって認識される同じ抗原決定基を有する
すべての他の形のヒト−レニンの量を測定することがで
きる。特に、記載されたイムノアッセイは、活性酵素、
不活性ヒト−レニン又はヒト−プロレニンを包含するヒ
ト−レニンの全量を決定する。イムノアッセイはさら
に、霊長類レニン、特にマルモセット(marmoset)カリ
スリクス・ジャクス(Callithrix jacchus)のレニン、
又は同一もしくは類似の抗原決定基を有する他の動物の
レニンの測定に応用することができる。 この発明はさらに、ヒト−レニン及び構造的に類似する
レニンの測定のための試験キットに関し、このキットは
ヒト−レニンに対して高い親和性を有するモノクローナ
ル抗体及び/又はその誘導体、並びに場合によっては付
属物を含んで成る。 ラジオイムノアッセイのためのこの発明の試験キット
は、例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
又は濃縮されている溶液、この発明の放射性ラベルされ
たモノクローナル抗体の溶液又は放射性ラベルされたヒ
ト−レニンの溶液、ヒト−レニンの標準溶液、緩衝液、
並びに場合によっては、非特異的な吸着及び凝集の形成
を防止するための洗剤、ピペット、反応器、換算曲線等
を含む。 エンザイムイムノアッセイのためのこの発明の試験キッ
トは例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
た又は濃縮された溶液、この発明の酵素ラベルされたモ
ノクローナル抗体の、酵素ラベルされたヒト−レニン
の、ポリクローナル抗−ヒト−レニン血清の、及び/又
はこの発明の抗−ヒト−レニン抗体もしくは他の抗−ヒ
ト−レニン抗体を認識しそしてそれと結合する酵素ラベ
ルされたモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗
体の、場合によっては凍結乾燥された又は濃縮された溶
液、固体の又は溶解した形の酵素基質、ヒト−レニンの
標準溶液、緩衝液、洗剤、ピペット、反応器、換算曲
線、色彩比較表等を含んで成る。 この発明はさらに、ヒト−レニン及び構造的に類似する
レニンの精製のための、モノクローナル抗体及びその誘
導体の使用に関する。例えば、ヒト−レニン及び構造的
に類似するレニンは、分離作用がモノクローナル抗体と
レニンとの間の相互作用に基くそれ自体公知の分離法を
用いて精製することができる。好ましい分離法はイムノ
アフィニティークロマトグラフィーである。無機又は有
機性の適当な担体材料、例えば適当に官能化された形の
架橋されたアガロース、デキストラン又はポリアクリル
アミドに、それ自体公知の方法により、この担体を場合
によっては活性化した後に、この発明のモノクローナル
抗体又は抗体誘導体を負荷する。この目的のために、例
えば、活性化されたエステル官能基を含有する担体材料
を水性緩衝液中に懸濁し、モノクローナル抗体の溶液と
混合し、次に未結合モノクローナル抗体を洗浄除去し、
そして担体材料の未結合反応性部位をブロックする。 この発明はさらに、ヒト−レニンに対する高い親和性を
有するモノクローナル抗体又はその誘導体、及び場合に
よっては医薬助剤を含んで成る医薬に関する。適当な誘
導体は、ヒト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保
持しているモノクローナル抗体の断片、例えばFab断
片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片である。医薬は
例えば、有効量のモノクローナル抗体又はその断片を、
有機又は無機の固体又は液体の医薬として許容される担
体と一緒に又は混合されて含んで成る。 非経腸投与、例えば筋肉内投与、又は特に静脈内投与の
ための医薬が好ましい。このような製剤は等張水溶液又
は懸濁液であり、これらは所望により凍結乾燥製剤又は
濃厚製剤であって使用直前に調製される。医薬は無菌化
することができそして/又は補助剤、例えば防腐剤、安
定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整
塩及び/又は緩衝剤を含有することができ、そしてそれ
自体公知の方法により、例えば常用の溶解法又は凍結乾
燥法により製造される。溶液又は懸濁液は、粘度増強
剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、デ
キストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含有
することができる。 注射薬は常法に従って抗微生物条件下で調製し、アンプ
ル又はバイアルに充填しそして容器を密封する。 この発明はさらに、高血圧又は心臓機能不全の治療のた
めの、ヒト−レニンに対する高い親和性を有するモノク
ローナル抗体又はその誘導体の使用に関する。 この発明のモノクローナル抗体の血圧低下作用を検出す
るために、マルモセット(カリスリクス・ジャカス)を
用いるイン−ビボ試験が使用される。この発明のモノク
ローナル抗体はマルモセット−レニンをヒト−レニンと
ほぼ同程度に阻害する。すなわち、マルモセット−レニ
ン及びヒト−レニン中の同一の又は類似の抗原決定基を
認識し、そしてそれと結合する。 常用の試験方法において、約300gの体重を有する雄性及
び雌性の正常血圧マルモセット(カリスリクス・ジャカ
ス)に、果物を補充した正常塩餌(NAFAG、Na+:100mmol
/kg、K+:250mmol/kg)を供与する。レニンの内因性放
出をフロセミドの静脈肉射(5mg/kg)により刺激す
る。45分間後にモノクローナル抗体をカテーテルを介し
て側尾静脈に注入し、そして血圧及び心搏数に及ぼすそ
の効果を大腿静脈中のカテーテルにより測定する。モノ
クローナル抗体を注射した2時間後、アンジオテンシン
転換酵素(ACE)を阻害するテプロチド(teprotide)を
注射(1mg/kg)し、そして血圧に及ぼすその効果を観
察する。対照実験において、この発明のモノクローナル
抗ヒト−レニン抗体の代りに1ml/kgの生理的食塩水、
又は非特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21(0.1mg
/kg)を注射する。 これらの実験条件下で、モノクローナル抗体R3−36−16
を0.01mg/kgの投与量で1回静脈内投与することによ
り、心搏数の変化を伴わないで、血圧が18±5mmHg(n
=4)、2時間にわたって低下する。30分間にわたり血
漿レニン活性が完全に阻害される。抗体を投与した後の
テプロチドの注射は血圧の追加の低下をなんら生じさせ
ない。モノクローナル抗体R3−36−16の一層高い投与量
(0.1mg/kg i.v.)は心搏数に影響を与えることなく同
様の血圧低下作用を示し、そして一層低い投与量(0.00
1mg/kg i.v.)は効果を有しない。 次に例によりこの発明をさらに具体的に説明する。但し
これによりこの発明の範囲を限定するものではない。 例において使用する略号は次の意味を有する。 SBA:ウシ血清アルブミン; ELISA:エンザイムアッセイ(エンザイムリンクドイムノ
アドゾルベントアッセイ); HAT:ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン; IC50:50%の阻害が観察される濃度; PBS:燐酸緩衝化生理的塩溶液; RIA:ラジオイムノアッセイ; SDS:ドデシル硫酸ナトリウム; tris:トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン; 単 位 M:mol/; GU:ゴールドブラット(Goldblatt)単位; cpm:カウント/分(放射性崩壊)。 例1. ヒト−レニンの精製 ヒト−レニンをヒト腎臓から得、そして免疫吸着法を用
いるそれ自体公知の方法により精製する。 1kgの機械的に細断した腎臓を水で抽出し、そして硫酸
によりpH2.8に酸性化する。NaCl濃度を0.8Mに調整し、
そしてレニンを硫酸アンモニウム(最終濃度2.3M)によ
り沈澱せしめる。この沈澱を0.1M燐酸緩衝液(pH7.4)
に対して透析する。蛋白質mg当り0.13GUのレニン濃度を
有する。サンプルをアンジオテンシノーゲンの給源とし
てのレニン不含血漿(NEN,ニューイングランド・ニュー
クレア・アンジオテンシンIラジオイムノアッセイ・キ
ット)と共にインキュベートした後アンジオテンシンI
を測定することによってレニン含量を測定し、そしてレ
ニンの標準(MRL,国際参考標準68/356〔5〕)と比較
することによってゴールドブラット単位(GU)で表現す
る。蛋白質濃度は、クマーシーブルーを用いて着色し、
そして標準としてのウシ血清アルブミン(BSA)と比較
することにより決定する。 透析された腎臓抽出物を、6mlのアフィーゲル(Affi-Ge
l)10(商標)(ビオラド)に結合した38mgのモノクロ
ーナル抗−ヒト−レニン抗体F15(クリン−ミディー,
モントペリア)〔6〕を含むイムノアフィニティーカラ
ムに導入する。血漿の未結合成分を0.1M燐酸緩衝液で洗
浄除去し、そして結合したレニンを0.1Mクエン酸/燐酸
緩衝液(pH4.5)で溶出する。溶出液をアミコン−PM−1
0(商標)膜上で濃縮し、PBS(燐酸緩衝化塩溶液)で稀
釈し、凍結し、そして−80℃にて保持する。こうして、
粗腎臓抽出物中に存在するレニンの約70%を得る。この
ものは400GU/mgの比活性を有し、これは3000倍濃縮に
相当する。標品の純度はSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動及び高圧液体クロマトグラフィーにより分析す
る。純度は80%より高いと算定される。 例2. ハイブリドーマ細胞の調製 2.1 ヒト−レニンによるマウスの免疫 Balb/cマウスを、下記のようにして、例1からの精製
ヒト−レニンにより免疫する。 マウス1及び2に、完全フロインドアジュバント(CF
A)中10GU(および10μgに相当する)のレニンを、後
足に2回及び皮下に2回分散して注射する。その後28日
目にさらにPBS中2GUのレニンを静脈内注射し、そして46
日目にPBS中5GUのレニンを静脈内注射する。50日目に脾
臓を取り出し融合のために使用する。 マウス3及び4に、CFA中20GUのレニンをマウス1及び
2の場合のようにして分散して注射し、35日目に不完全
フロインドアジュバント(IFA)中2GUのレニンを皮下投
与し、60日目にPBS中2GUのレニンを腹腔内投与し、そし
て78日目にPBS中5GUのレニンを静脈内投与する。82日目
に、イン−ビトロレニン活性に対抗する高い血清力価を
有するマウス(マウス3)の脾臓を取り出して融合のた
めに使用する。 2.2 細胞融合 すべての融合実験は、実質上Kler及びMilstein
〔1〕の方法に従って、Sp2/0−Ag14セルライン
〔7〕を用いて行う。例2.1からの108個の脾細胞を、50
%濃度のポリエチレングリコール(PEG 1500,セルバ)
1mlの存在下で、107個の骨髄腫細胞と混合する。洗浄
後、細胞を48mlの標準ドゥルベコ最少必須培地(ギブコ
No.0422501)に再懸濁する。フィーダー細胞として融合
ごとに15%ウシ胎児血清及び3×106常マウス腹腔浸出
細胞を加える。細胞を、1mlずつ48枚のカスタープレー
トに分配する。培養物に、3〜6週間にわたって1日2
回、標準HAT選択培地(1)を供与する。ハイブリド細
胞が増殖した後、培養上清液をレニンへの結合について
(例4)、及びレニン活性の阻害について(例5)試験
する。ミクロタイタープレート中での限界稀釈によりハ
イブリドーマのクローニングを行う。すべてのセルライ
ンを少なくとも2回続けてクローニングする。 10個の異る母培養物からのクローンを選択し、そして増
殖せしめる。R1、R2、及びR3はそれぞれ、マウス1、
2、及び3ほ脾細胞の融合に由来するハイブリドーマ細
胞及びこれらの細胞から得られる抗体を示す。クローン
番号及び幾つかのサブクローン番号をハイホンの後に示
す(第1表)。 例3. モノクローナル抗体の分離及び精製 8〜10週齢のBalb/cマウス(シセルンアニマルファー
ム)を、0.3mlのプリスタン(アルドリッチ)により前
処理(i.p.)する。2〜3週間後、2〜5×106個のク
ローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2mlのプリスタンを
各マウスに注射(i.p.)する。8〜10日間の後、マウス
から繰り返して液を採取し、そしてこうして得られた腹
水を800×gにて遠心分離し、そしてこうして得られた
透明な上清液を−20℃にて集める。 凍結した腹水溶液を50,000×gにて60分間遠心分離し、
浮上した脂肪を除去し、そしてml当り10〜12mgの蛋白質
濃度を確立する。蛋白質濃度は、280nmにおける光学濃
度(OD280)を測定することにより決定する。標準とし
て、OD280=12(層の厚さ1cm)のネズミ免疫グロブリン
の1%濃度の溶液(W/V)を使用する。0℃にて撹拌
しながら0.9容量の飽和硫酸アンモニウム溶液をゆっく
り滴加することにより粗免疫グロブリン画分を沈澱せし
め、これを20mmolのtris-HCl/50mmolのNaCl(pH7.9)
に溶解し、そして透析する。次に、20mmolのtris-HCl
(pH7.9)により2倍に稀釈し、そして全体をDEAE-D52
セルロースカラム(ワットマン)に導入する。免疫グロ
ウリンG画分を20mmolのtris-HCl/80mmolのNaCl(pH7.
9)の緩衝液を用いてカラムから溶出し、そして硫酸ア
ンモニウムにより再度沈澱を行った後(上記参照)、PB
Sを用いて蛋白質濃度を10mg/mlに調整する。モノクロ
ーナル抗体沈澱物の純度をSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を用いて試験する。95%以上である。 例4. ヒト‐レニンへのモノクローナル抗体の結合 4.1 エンザイムイムノアッセイ(ELISA) 細胞ハイブリダイゼーション(例2.2)後の目的モノク
ローナル抗体生産ハイブリドーマ細胞の選択のため、及
び精製されたモノクローナル抗体の場合にレニンへの結
合の定量測定のために、それ自体公知のELISA法〔8〕
において、表面結合レニンへの反応性を用いる。50μ
の0.05M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)中100ngの
精製レニン(例1)をプラスチックミクロタイタープレ
ート中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。PBSで洗浄した後、プラスチック表面上にな
お存在する蛋白質反応性部位を、150μのPBS−トウィ
ーン(商標)緩衝液(0.2%NaN3を有するPBS中0.05%ト
ウィーン,pH7.4)と共に37℃にて2時間インキュベート
することにより飽和し、そしてこのプトをPBSで洗浄す
る。モノクローナル抗−レニン抗体について測定すべき
溶液(細胞培養上清液又は精製されたモノクローナル抗
体溶液)及びその対応稀釈物100μを37℃にて2時間
インキュベートし、そしてプレートを洗浄した後、結合
したモノクローナルマウス抗体を、ホスファターゼでラ
ベルされたラビットIgG抗‐マウス免疫グロブリンの標
品の対応してあらかじめ定められた稀釈を行ったもの10
0μと共にインキュベートすることにより検出する。
酵素基質p−ニトロフェニルホスフェートの溶液(0.5m
molのMgCl2を含有する10%ジエタノールアミン緩衝液中
1mg/ml,pH9.8)100μと共にインキュベートし(30分
間,37℃)、そして反応生成物の405nmにおける光学濃度
(OD405)をマルチスキャンフォトメーター(フローイ
ルビン,スコットランド)を用いて測定することによ
り、取り上げられた酵素の量を決定する。対照として、
モノクローナル抗−レニン抗体を含有する溶液の代り
に、非‐特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21の標品
(ビオネティクスラブス,ケンシントン,米国)、及び
ホスホリルコリンに対して特異的なモノクローナルハイ
ブリドーマ抗体の標品を使用する。 表面結合ヒト−レニンを用いるこの測定において0.1のO
D405をもたらす精製モノクローナル抗体の濃度を第1表
に示す。見だされた濃度は5.8×10-7〜7.5×10-11Mの範
囲内にあり、この測定においてもモノクローナル対照抗
体は10-7Mのオーダーの値をもたらすから10-7Mより高い
濃度は特異的結合を示さない。固定されたレニンへの時
に効果的な結合(ELISA)がモノクローナル抗体R3−17
−7及びR3−17−8の場合に認められたが、モノクロー
ナル抗体R3−48、R3−21、及びR3−27も5×10-10Mより
低い濃度において結合した。 4.2 125I−ラベル−レニンを用いるラジオイムノアッ
セイ(RIA) 溶解レニンに対する反応性を決定するために、50μの
RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中モノク
ローナル抗体サンプルの種々の稀釈物に、同じ緩衝液中
125I−ラベル−レニン(2.5ngの蛋白質に相当する80000
cpm,例8.1)50μを加え、そしてポリビニルクロリド
ミクロタイタープレート中で37℃にて2時間、及び4℃
にて15時間インキュベーションを行なう。3%ポリエチ
レングリコール6000中対応する稀釈のラビット−抗−マ
ウス免疫グロブリン血清50μを添加し、そして37℃に
て30分間及び4℃にて30分間インキュベートすることに
より、モノクローナル抗体を免疫複合体の形で沈澱せし
せめて、抗体結合125I−レニンの量を求める。沈澱物を
懸濁及び遠心分離により数回洗浄し、そしてタイタープ
レートを切断した後ガンマーカウンター中で放射能を測
定する。125I−レニン含有溶液から最大沈澱可能放射能
の50%を沈澱せしめる精製モノクローナル抗体の濃度
(IC50)が溶解レニンへの結合の測定値であり、これを
第1表に示す。モノクローナル抗体R3−36−16、及びR3
−47は、ELISA(例4.1)においては表面結合レニンに対
してわずかな親和性を示すのみであるが、溶解したレニ
ンに対しては特に強く結合する。 例5. レニン活性のイン−ビトロ阻害 5.1 ヒト−レニン活性の阻害の測定 アンジオテンシノーゲンを含有するレニン不含正常ヒト
血漿に精製ヒト−レニン(例1)を補充してレニン濃度
を250pg/mlとする。それぞれの場合に50μずつこの
前処理された血漿を、4℃にて2時間及び37℃にて1時
間にわたり、50μの0.1M tris−酢酸緩衝液(pH7.4)
中種種の稀釈の分析されるべきモノクローナル抗体サン
プルと共に、アンジオテンシンIのアンジオテンシンII
への転換をブロックする2,3−ジメルカプト−1−プロ
パノール及び8−ヒドロキシキノリンの存在下で、イン
キュベートする。4℃に冷却することにより酵素反応を
停止する。生成したアンジオテンシンIの量をRIA(NE
N,ニューイングランドニュークレアアンジオテンシンI
ラジオイムノアッセイキット)を用いて決定する。この
目的のために、サンプルに125I−ラベル−アンジオテン
シンI−トレーサー及びアンジオテンシンIに対する抗
血清の対応量を加え、そして4℃にて15時間インキュベ
ートした後、未結合アンジオテンシンIを活性炭素上に
吸着し、そして上清中の抗体結合125I−ラベル−アンジ
オテンシンIをガンマーカウンターで測定する。この系
において、陽性対照(モノクローナル抗体を伴わないサ
ンプル)は10ng/ml時のインジオテンシンIをもたら
す。 ヒト−レニン活性の最大阻害の50%が観察される精製モ
ノクローナル抗体濃度(IC50)を第1表に示す。この値
は10-6M以上から1.3×10-11Mの範囲である。モノクロー
ナル抗体R3−17−7及びR3−48は、ELISA(例4.1)にお
いてレニンに強く結合するが、レニン活性を有意に阻害
しない。モノクローナル抗体R1−19、R1−20、R3−17−
8、R2−12、及びR3−21は、レニン活性の有意であるが
弱い阻害を示す。モノクローナル抗体R3-27、R2−1、
並びに特にR3−47、及びR3−36−16の場合にレニン活性
の顕著な阻害が認められる。 モノクローナル担体R3−21及びR2−1は試験した全濃度
範囲(10-6Mまで)にわたって60%以下のみのレニン阻
害を示し、他方R3−27はわずかに35%の最大阻害を示
す。これらのモノクローナル抗体は、おそらくレニンの
活性中心の近傍に存在するであろう抗原決定基(エピト
ープ)を認識しそしてこれに結合する。これらの結合に
より、これらは立体的影響の結果として酵素活性を低下
せしめ、又は一層小さい基質交換数をなお許容するレニ
ン分子のアロステリック配置を促進する。強く阻害する
モノクローナル抗体R1−19及びR1−20は、他方におい
て、高濃度においては最大の親和性を有するモノクロー
ナル抗体R3−47及びR3−36−16と全く同様に、レニンを
完全に阻害する。 5.2 ヒト−レニンに対する結合及びヒト−レニン活性
の阻害の比較 上記のモノクローナル抗体はその結合性及び阻害性に関
して4つの異なるグループに分けることができる。原理
的に、レニンに結合するだけのモノクローナル抗体、及
びレニンに結合しそして同時にその酵素活性を低下せし
めるモノクローナル抗体が予想される。グループ1(第
1表)は、レニンと結合するがその触媒活性を阻害しな
いか非常に弱く阻害するにすぎないモノクローナル抗体
から成る。これらのモノクローナル抗体はさらに、溶液
中レニンに対するこれらの親和性(RIA)に比べて、表
面結合レニンに対する20倍以上高い親和性(ELISA)を
示す。他のすべてのグループのモノクローナル抗体は表
面結合レニンに対する好みを示さない。グループ2のモ
ノクローナル抗体は低い濃度においてもレニン活性を阻
害するがその阻害は部分的にすぎない。すなわち、モノ
クローナル抗体に特徴的なあるパーセントでのみ阻害す
る。グループ3は、非常に低い濃度においてさえレニン
活性を完全に阻害するモノクローナル抗体から成る。こ
れらの抗体は同時に、1〜3×1010の低濃度において溶
解したレニンに結合する。興味あることには、これらの
抗体は表面結合レニンとわずかに結合するに過ぎない。
従って、これらのモノクローナル抗体はELISA法に基礎
を置く常用の一次スクリーニングにおいては検出されな
いだろう。グループ4は、レニン活性を完全に阻害する
がグループ3のモノクローナル抗体よりも約1000倍弱い
モノクローナル抗体からなる。さらに、これらは表面結
合レニン(ELISA)及び溶解レニン(RIA)におよそ同等
に結合する。しかしながら、ELISAにおける結合(約10
-7M)は非特異的モノクローナル抗体のそれと有意に異
らない。 5.3 ラット及びマルモセット−レニン活性の阻害の測
定 例5.1に記載したのと同様の方法で、分析されるべきモ
ノクローナル抗体サンプルをラット−レニン及びマルモ
セット−レニンの活性の阻害について試験した。しかし
ながら、この目的のために、処理されたヒト血漿の代り
に、未処理ラット及びマルモセット血漿、すなわち正常
量のアンジオテンシノーゲン及びレニンを含有するラッ
ト血漿及びマルモセット血漿を用いる。 第1表に挙げたモノクローナル抗体はいずれもラット−
レニンを阻害しない。 モノクローナル抗体R3−27、R3−36−16、R3−47、及び
R1−20は、ヒト−レニンと同程度にマルモセット−レニ
ンを阻害する(同じIC50値)。従って、対応するモノク
ローナル抗体により認識される決定基は、ヒト−レニン
及びマルモセット−レニンにおいて同一であるか、又は
少なくとも非常に類似している。モノクローナル抗体R3
−36−16、及びR3−47はヒト−レニンを非常に効果的に
阻害する(第1表)から、酵素ヒト−レニンとマルモセ
ット−レニンの触媒部位の類似性が示される。 モノクローナル抗体R1−19は、ヒト−レニンの活性を阻
害するのよりも3倍低い濃度(IC50)においてマルモセ
ット−レニンの活性を阻害する。従って、このモノクロ
ーナル抗体は、免疫処理(例2.1)のために使用されな
かった分子と一層よく反応する。 モノクローナル抗体R2−1は、ヒト−レニンの活性を阻
害するのよりも15倍高い濃度(IC50)においてのみマル
モセット−レニンの活性を阻害する。従って、このモノ
クローナル抗体は、マルモセット−レニン及びヒト−レ
ニンにおいて類似ではあるが同一ではない決定基を認識
する。 モノクローナル抗体R3−21、R2−1、及びR3−27の場合
に高濃度においてさえ観察されるヒト−レニンの明らか
に部分的な阻害(第1表最高欄)は、マルモセット−レ
ニンについても同様に認められる。 例6. モノクローナル抗体の特徴付け 6.1 抗体クラスの決定 クローン化ハイブリドーマ細胞により産生されたモノク
ローナル抗体のクラス又はサブクラスをELISAにおいて
決定する。ミクロタイタープレートをそれぞれ、50μ
のPBS中クラス特異的又はサブクラス特異的血清のラビ
ット免疫グロブリン標品1μgにより被覆し、プレート
の遊離結合部位をRIA緩衝液(PBS中1%BSA、0.2%Na
N3、pH7.4)によって飽和し、そして分析すべきサンプ
ルをウエル中で37℃にて1時間インキュベートする。プ
レートを洗浄した後、結合したモノクローナルマウス抗
体を、プレートの被覆に使用した血清標品のホスファク
ターゼ−ラベル−ラビット免疫グロブリンの標品と共に
37℃にて1時間インキュベートし、そして取り上げられ
た酵素の量を例4.1に記載したようにして決定する。こ
の結果を第1表に示す。 6.2 アミノ酸配列の分析 モノクローナル抗体を4−ジメチルアミノ−4′−イオ
ドアセタミド−アゾベンゼンを用いて誘導体化し、そし
てセファロースG−100カラムを用いるクロマトグラフ
ィーによりヘビー鎖とライト鎖を分離する。電気透析に
より画分をゲルから溶出し、そして公知の方法
ト−レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナ
ル抗体を生産することを特徴とするハイブリドーマセル
ライン、及びその製造方法に関する。 〔発明の背景〕 レニンは、アンジオテンシンによる血圧の調節において
役割を演ずる蛋白質分解酵素である。ヒト−レニンは約
40,000の分子量を有するグリコシル化蛋白質である。ヒ
ト−レニンの幾つかの構造的特徴が知られている。例え
ば、ポリペプチドのアミノ酸配列は、レニンをコードす
る相補的デオキシリボ核酸(cDNA)の決定により解明さ
れている。レニンは腎臓から不活性な形で、すなわちプ
ロレニンとして放出され、そして次に血流に入り、ここ
では20〜100pg/mlの濃度で存在することが見出されて
いる。ここで、レニンはアンジオテンシノーゲン(レニ
ンの基質)を開裂せしめてデカペプチドであるアンジオ
テンシンIを生成せしめ、このアンジオテンシンIは今
度は肺、腎臓及び他の器官でいわゆるアンジオテンシン
転換酵素(ACE)により開裂されてオクタペプチドであ
るアンジオテンシンIIを生成する。アンジオテンシンII
は、心筋の収縮により直接的に、そして副腎からナトリ
ウム−保持を惹起するホルモンであるアドロステロン
(これは細胞外液容積と関連する)を放出せしめること
によって間接的に血圧を上昇せしめる。アンジオテンシ
ンIIはアンジオテンシナーゼによって分解されてヘプタ
ペプチドであるアンジオテンシンIII(このアンジオテ
ンシンIIIはアンジオテンシンIIと類似の作用を示す)
となり、そして一層小さい不活性断片となる。 レニン−アンジオテンシン系に影響を与えることによっ
て幾つかのタイプの高血圧及び心臓機能不全を治療する
ことが可能である。血圧の低下は、(a)アンジオテン
シンII(又はIII)のリセプターに対するその作用を阻
害することにより、(b)アンジオテンシン転換酵素を
阻害することにより、又は(c)アンジオテンシノーゲ
ンに対するレニンの作用を阻害することにより達成する
ことができる。レニン−阻害剤は、例えばペプシン及び
ペプシン類似体、アンジオテンシノーゲン類似体、及び
レニン抗体である。これらのレニン−阻害剤はアンジオ
テンシノーゲンからのアンジオテンシンIの放出を減少
せしめ、そしてこれによって活性ペプチドホルモンであ
るアンジオテンシンIIを減少せしめる。既知のレニン−
阻害剤と比べて、この発明のレニン抗体は非常に低い濃
度においても非常に特異的にレニンの作用を阻害すると
いう利点を有する。 診断及び治療における抗体の使用は、最近までその適用
範囲が非常に限定されていた。抗体は、種々の蛋白質の
複雑な混合物の形で動物血清から非常に少量得られてい
た。免疫された各個体動物、及び1つの動物でさえ、繰
り返し免疫された場合には各場合において異る組成を有
する抗体を含有する血清を生成するため、抗体の標準化
は不可能であった。Khler及びMilstein〔1〕によっ
て開発された新しい技法を用いることにより、今や、細
胞培養物から均一な形で理論的に限りない量の抗体、い
わゆるモノクローナル抗体を再現可能に得ることができ
るようになった。適当な骨髄腫細胞と、抗原によって免
疫された供与体からの抗体産生リンパ球との融合によ
り、イン−ビトロでの無限の細胞分裂及び無限の増殖と
均一な抗体の産生とを合わせ持つハイブリドーマ細胞が
生ずる。従って、生物の免疫反応を特定の抗原から独立
のものとし、そしてハイブリド細胞の連続的培養により
モノクローナル抗体を製造することが可能となる。 ハイブリドーマ技法による特異的なモノクローナル抗体
の製造の例が多く知られており、そして一般的方法が原
理的に記載されているが、各新しい例においては前記の
技法を特定のケースに適合させるための特有の問題が生
ずる。このような適合なくしては、所望のハイブリドー
マ細胞を形成し、これらが遺伝的に安定であり、そして
所望のモノクローナル抗体を産生し、そしてこうして調
製されたモノクローナル抗体が所望の特異性を有するこ
とが保証されない。成功の程度は、原理的には、リンパ
球供与体の免疫に使用される抗原のタイプ及び純度、免
疫化方法、細胞融合の技法、適当なハイブリドーマセル
ラインの選択方法、並びにモノクローナル抗体を単離し
そして精製する方法により影響される。 ヒト−レニンに結合するモノクローナル抗体は知られて
いる。Simon等〔2〕はヒト−レニンに対する低い親和
性を有するモノクローナル抗体を記載している。Dzau等
〔3〕はヒト−レニンに結合し、そして同時にその酵素
作用を阻害するモノクローナル抗体を記載している。血
液中のヒト−レニンを測定するために、基本的に、2つ
の異る方法が使用される〔4〕。その1つにおいては、
血漿中のヒト−レニンの酵素活性が、アンジオテンシノ
ーゲンから放出されるアンジオテンシンIの量を決定す
ることにより測定される。次に、不活性な血漿レニンを
例えばpH3〜4において酸で処理することにより活性化
した後に酵素活性を決定することによりレニンの合計量
の測定値が得られる。この間接的方法は低濃度のレニン
の測定を可能にするが、大きな不正確さを有する。他の
方法においては、既知のモノクローナル抗体又は血漿か
らのポリクローナル抗体を用いるイムノアッセイにより
ヒト−レニンが測定される。しかしながら、この直接法
は、血漿中のヒト−レニンの非常に低い濃度の信頼性あ
る測定のために十分な感度を有していなかった。従っ
て、既知の抗体に比べて相当に強くヒト−レニンに結合
し、その結果ヒト−血漿中のレニンの正確な測定をもた
らすイムノアッセイにおいて使用することができるモノ
クローナル抗体の必要性が存在する。さらに、高血圧の
治療のために使用することができる程効果的に酵素レニ
ンの作用を阻害するモノクローナル抗体の必要性が存在
する。この発明は、ヒト−レニンに強く結合し、そして
同時にその酵素活性を効果的に阻害するモノクローナル
抗体を提供することによりこの問題に解決を与えるもの
である。 〔発明の記載〕 この発明は、ヒト−レニンに対するモノクローナル抗体
を生産するハイブリドーマ、及びその製造方法に関す
る。 ヒト−レニンに対するモノクローナル抗体は、表面に結
合したヒト−レニン又は溶解したヒト−レニンに対する
結合定数、ヒト−レニンの酵素活性を阻害する濃度、関
連抗原例えば他の種のレニンに対する交差反応性、免疫
グロブリンクラス又はサブクラス、及びポリペプチド鎖
のN−末端アミノ酸配列により特徴付けることができ
る。 この発明は特に、3×10-10M(mol/)以下の濃度に
おいて表面結合ヒト−レニンに有意に結合するモノクロ
ーナル抗体及びその誘導体、3×10-10Mの濃度において
限定された量で加えられた溶解したヒト−レニンの50%
以上と結合するモノクローナル抗体及びその誘導体、並
びに2×10-8Mの濃度においてヒト−レニンの酵素活性
を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその誘導体
に関する。2×10-9Mの濃度においてヒト−レニンの酵
素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体及びその
誘導体が好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト−レ
ニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体
及びその誘導体が最も好ましい。最も好ましいモノクロ
ーナル抗体の例はセルラインR3−36−16から産生される
R3−36−16と称する抗体である。モノクローナル抗体R3
−36−16は、ガンマ−1カッパ−免疫グロブリンであっ
て、このものはライトポリペプチド鎖の第1超可変領域
中N−端の28−38位にアミノ酸28セリン−29バリン、31
セリン−32チロシン−33グリシン−34リジン、及び36フ
ェニルアラニン−37メチオニンを含有する。 この発明のモノクローナル抗体の誘導体は、例えば、ヒ
ト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保持している
断片、例えばFab断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断
片;例えば放射性ヨウ素(125I、131I)、炭素
(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)もしくはこれ
らに類するものによりラベルされた放射性ラベルモノク
ローナル抗体;又は酵素、例えばホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−
ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコア
ミラーゼ、カーボニックアンヒドラーゼ、アセチルコリ
ンエステラーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナー
ゼ、又はグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼと接合したモノクローナル抗体である。好ましい誘導
体は、125ヨウ素でラベルされたモノクローナル抗体、
及びアルカリ性ホスファターゼとのモノクローナル抗体
接合体である。 この発明のモノクローナル抗体及びその誘導体は、それ
自体公知の方法によって次のようにして得られる。すな
わち、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞を、 a)イン−ビトロ培養し、そして培養上清液からモノク
ローナル抗体を単離し、又は、 b)適当な哺乳動物中でイン−ビボ増幅し、そして該哺
乳動物の体液からモノクローナル抗体を単離し、そして
所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る。 変法a)のイン−ビボ培養のために適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば、ウシ胎児血清を補充されたドゥ
ルベコ変形イーグル培地(Dolbecco′s Modified Eagle
Medium)又はRPMI 1640培地である。モノクローナル抗
体の単離のために、培養上清液中の蛋白質を硫酸アンモ
ニウム又はこれに類似するものにより沈澱せしめ、そし
て常用クロマトグラフィー法、例えばゲル過、イオン
交換クロマトグラフィー、DEAE−セルロースクロマトグ
ラフィー、又はイムノアフィニティークロマトグラフィ
ーにより精製する。 変法b)によりハイブリドーマ細胞をイン−ビボ増幅す
ることにより所望のモノクローナル抗体を大量に得るこ
とができる。この目的のために、細胞クローンを同系
(syngeneic)哺乳動物に注射し、そして1〜3週間
後、これらの動物の体液から抗体を単離する。例えば、
Balb/cマウス由来のハイブリドーマ細胞を、炭化水
素、例えばプリスタンによりあらかじめ前処理しておい
たBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして8〜10日間の
後、これらの動物から腹水を採取する。目的とするモノ
クローナル抗体を体液から、それ自体公知の方法に従っ
て、例えば硫酸アンモニウム又はこれに類似するものに
より沈澱せしめ、そしてクロマトグラフィー、例えばDE
AE−セルロース又はイオン交換樹脂上でのクロマトグラ
フィーにより、あるいはゲル過又はイムノアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより単離する。 ヒト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保持してい
る、この発明のモノクローナル抗体の断片、例えばFab
断片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片は、それ自体
公知の方法により、例えば変法a)又はb)に従って調
製されたモノクローナル抗体をペプシンもしくはパパイ
ンのごとき酵素により処理することによって、そして/
又は化学還元によってジスルフィド結合を開裂せしめる
ことによって製造される。 ヨウ素(125I,131I)により放射性ラベルされたモノク
ローナル抗体は、この発明のモノクローナル抗体から、
それ自体公知のヨウ素化法によって、例えば放射性ヨウ
化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び化学酸化剤、例え
ば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等により、又は
酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ及びグルコースにより得られる。この
発明の放射性ラベルされたモノクローナル抗体はまた、
イン−ビトロ培養のための培地に、公知の方法により、
放射性炭素(14C)、トリチウム(3H)、硫黄(35S)等
を含有する放射性ラベルされた栄養素、例えばL−(14
C)−ロイシン、L−(3H)−ロイシン又はL−(35S)
−メチオニンを加え、そして変法a)に従ってモノクロ
ーナル抗体を得ることによっても調製される。 この発明の酵素ラベルモノクローナル抗体は、それ自体
公知の方法に従って、変法a)又はb)に従って調製さ
れたモノクローナル抗体及び所望の酵素を、カップリン
グ剤、例えばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,
N′−o−フェニレンジマレイミド、N−(m−マレイ
ミドベンゾイルオキシ)−サクシンイミド、N−(3−
(2′−ピリジルジチオ)−プロピオンオキシ)−サク
シンイミド等と共に反応せしめることにより得られる。 この発明はさらに、ハイブリドーマセルラインに関し、
このセルラインはヒト−レニンに対して高い親和性を有
するモノクローナル抗体を産生することを特徴とする。
この発明は特に3×10-10M(mol/)の濃度におい
て、限定された量で加えられたヒト−レニンの50%以上
と結合し、そして/又は2×10-8Mの濃度においてヒト
−レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル
抗体を産生するセルラインに関する。3×10-10Mの濃度
においてヒト−レニンの50%以上と結合し、そして/又
は2×10-9Mの濃度においてヒト−レニンの酵素活性を5
0%以上阻害するモノクローナル抗体を産生するセルラ
インが好ましい。5×10-11Mの濃度においてヒト−レニ
ンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体を
産生するセルラインが特に好ましい。 高親和性のモノクローナル抗体を産生する最も好ましい
ハイブリドーマセルラインの例として、パリのパスツー
ル研究所の“Collection Nationale de Cultures de Mi
croorganismes"に、No.I−253として、1983年11月7日
に寄託されたR3−36−16と称するセルラインを挙げるこ
とができる。ハイブリドーマセルラインR3−36−16はマ
ウス骨髄腫セルラインSp2/0−Ag14とBalb/cマウス
の脾臓のB−リンパ球とのハイブリドである。R3−36−
16は、一定の特異性のモノクローナル抗体を分泌し、そ
して解凍及び再クローニングによって深冷凍結培養物か
ら活性化することができる安定なセルラインである。 この発明はさらに、ヒト−レニンに対して高い親和性を
有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細
胞の製造方法に関し、この方法は適当な哺乳動物を精製
されたヒト−レニンによって免疫し、該哺乳動物から採
取した抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、得られ
たハイブリドーマ細胞をクローン化し、そしてヒト−レ
ニンに対する高い親和性を有する所望のモノクローナル
抗体を産生する細胞クローンを選択することを特徴とす
る。 高純度ヒト−レニンを用いて免疫するのが好ましい。こ
のようなヒト−レニンは、例えばそれ自体公知の方法に
より、ヒト−腎臓の抽出物から、イムノアフィニティー
クロマトグラフィーを用いて得られる。 免疫化のために好ましい哺乳動物は、マウス、特にBalb
/cマウスであるが、他の系統のマウスを使用すること
もできる。免疫処理は、それ自体公知の方法により、例
えば、1μg〜20μgずつの精製されたヒト−レニンを
含む3〜6回の注射を1〜6週間の間隔で、好ましくは
リンパ球の生成を刺激する添加物、例えば完全又は不完
全フロインドアジュバンドと共に、非経腸的に、例えば
腹腔内に、静脈内に及び/又は皮下に行うことにより実
施される。 最後の(追加)免疫処理の2〜6日間後、動物から免疫
された動物の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を採取
し、そして融合促進剤の存在下で適当なセルラインの骨
髄腫細胞と融合せしめる。幾つかの異る骨髄腫セルライ
ン及びそれらから誘導されたセルラインが適切な融合の
パートナーとして知られている。酵素ヒポキサンチン−
グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
T)又は酵素チミジンキナーゼ(TK)を欠いており、そ
してそのためにヒポキサンチン、アミノプテリン及びチ
ミジンを含有する選択培地(HAT培地)中で生存しない
腫瘍細胞が好ましい。HAT培地中で生存せず、そして免
疫グロブリン又はその部分を分泌しない骨髄腫細胞及び
それから調製されたセルライン、例えばセルラインX63
−Ag8.653、及びSp2/0−Ag14が特に好ましい。融合促
進剤として、場合によってはUV−不活性化された形のセ
ンダイウイルス又は他のパラミクソウイルス、カルシウ
ムイオン、界面活性リピド、例えばリソレシチン、又は
ポリエチレングリコールが考慮される。骨髄腫細胞を、
好ましくは、1000〜4000の分子量を有する30〜50%のポ
リエチレングリコールを含有する溶液中で、免疫された
動物からの脾臓組胞の3〜20倍過剰量と融合せしめる。 融合後、細胞を分配しそして選択HAT培地中で培養す
る。この場合、ハイブリドーマは骨髄腫細胞に由来する
イン−ビトロ増殖能力と、免疫された動物の抗体産生細
胞に由来するHGPRT又はTK遺伝子の欠失及びそれに伴うH
ATでの生存能力を合わせ持つために、ハイブリドーマの
みが生存する。 ハイブリドーマ細胞の増殖のための適当な培地は、常用
の標準的培地、例えば10〜15%のウシ胎児血清が補充さ
れたドゥルベコ変形培地又はRPMI 1640培地である。細
胞増殖の初期において、好ましくは、いわゆるフィーダ
ー細胞、例えば正常マウス腹腔浸出細胞、脾臓細胞、骨
髄マクロファージ等を加える。一定の間隔で前記培地に
選択HAT培地を補充することにより、正常な骨髄腫細胞
によってハイブリドーマ細胞が覆われるのを回避する。 ハイブリドーマ細胞の細胞培養上清液を試験してこれが
所望のモノクローナル抗体を含有するか否かを見る。好
ましくは、細胞上清液を、表面結合ヒト−レニンへのモ
ノクローナル抗体の結合のみならず、これと同時に、さ
らに、溶解したヒト−レニンへの結合及びヒト−レニン
の酵素活性の阻害をも決定するイムノアッセイにおいて
試験するのが好ましい。驚くべきことに、表面結合レニ
ンによく結合するモノクローナル抗体がレニンの酵素活
性をわずかにのみ阻害することが見出された。異る種類
の試験方法を組み合わせることによって、ヒト−レニン
に対する高い結合親和性及び強い酵素阻害作用の両方を
有するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細
胞を同定することが可能である。これらのハイブリドー
マ細胞は、その均一性を保証するために、限界希釈法を
用いてそれ自体公知の方法でクローン化する。 この発明はさらに、特に生物学的液体中のヒト−レニン
及び構造的に類似するレニンの定量的及び定性的測定の
ための、ヒト−レニンに対する高い親和性を有するモノ
クローナル抗体及びその誘導体の使用に関する。例え
ば、この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘導体は、
抗原(ヒト−レニン)とモノクローナル抗体との間の結
合相互作用を用いるそれ自体公知のいずれのイムノアッ
セイにおいても使用することができる。このような測定
法の例として、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザ
イムイムノアッセイ、免疫−螢光試験、ラテックス凝集
試験、又は血球凝集法が挙げられる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で又は
放射性ラベル誘導体の形で、単独で又は組み合わせて、
ラジオイムノアッセイ(RIA)において使用することが
できる。RIAの任意の公知の変法を用いることができ、
例えば均一相でのRIA、固相RIA又は不均一RIA、又はシ
ングルRIA又はダブル(サンドイッチ)RIAを用いてヒト
−レニンの直接又は間接(競争的)測定を行うことがで
きる。シングルRIAが好ましく、この方法においては、
担体、例えばポリスチレン、ポリプロピレンもしくはポ
リビニルクロリド製のタイタープレートもしくは試験管
のプラスチック表面、ガラス製もしくはプラスチック製
ビーズ、紙、又はデキストラン、酢酸セルロースもし
くはニトロセルロースのシート、あるいはこれらに類似
するものに1種類のモノクローナル抗体、又は異るエピ
トープを認識する2種類のモノクローナル抗体の混合物
を単純吸着により、又は例えばグルタルアルデヒドもし
くはシアノゲンブロミドにより担体を活性化した後に被
覆し、そして試験溶液及び125Iにより放射性ラベルされ
た既知量のヒト−レニンの溶液と共にインキュベート
し、そして前記担体に結合した放射能を測定する。 サンドイッチラジオイムノアッセイが特に好ましく、こ
の方法においては、1種類又は2種類のモノクローナル
抗体により被覆された担体を試験溶液、及び125Iで放射
性ラベルされたモノクローナル抗体の溶液(この溶解し
たモノクローナル抗体は担体に結合しているモノクロー
ナル抗体が認識するヒト−レニンのエピトープとは異る
エピトープを認識する)とインキュベートし、そして担
体に結合した放射能を測定することにより試験溶液中の
レニンの量を決定する。第1図は、試験溶液中のヒト−
レニンの量に対する担体に結合した放射能の測定値を示
しており、これは例8.4に詳細に記載されているサンド
イッチRIAにより測定することができる。この試験の感
度は、4時間以内に、50μの試験溶液中のわずかに1p
gから100pg以上のヒト−レニンの信頼性の高い定量的測
定を可能にする。従って、レニンに対する高い親和性を
有するこの発明のモノクローナル抗体を使用することに
より、生物学的液体、特に血液中に通常存在する濃度に
おけるヒト−レニンの定量的測定が可能となり、そして
このために、レニンにより誘導される高血圧の迅速且つ
信頼性の高い診断が可能となる。 この発明のモノクローナル抗体は、そのままの形で、又
は酵素に接合した誘導体の形で、単独で又は組み合わせ
て、エンザイムイムノアッセイにおいて使用することが
できる。このようなイムノアッセイには、この発明の酵
素ラベルモノクローナル抗体誘導体、この発明の抗ヒト
−レニン抗体もしくは他の抗ヒト−レニン抗体のエピト
ープを認識しそしてそれと結合するそれ自体公知の酵素
ラベル抗体、又は酵素ラベルヒト−レニンを使用する試
験方法が含まれる。 ELISA(エンザイムリンクドイムノアドゾルベントアッ
セイ)が好ましく、この方法においては、シングルRIA
試験について前記した担体にこの発明の1種類又は2種
類のモノクローナル抗体を被覆し、ヒト−レニンを含有
する試験溶液と共にインキュベートし、そして次にヒト
−レニンに対するポリクロナール血清、例えばラビット
血清、とインキュベートし、そして最後にポリクローナ
ル血清の結合した抗体を、これを認識しそしてこれに結
合する酵素ラベル抗体により検出し、そして結合したヒ
ト−レニンの量を酵素−基質反応により決定する。この
ような酵素ラベル抗体は、例えばホスファターゼにより
ラベルされたヤギ−抗−ラビット免疫グロブリンであ
る。 最も好ましいELISAにおいては、この発明の1種類又は
2種類のモノクローナル抗体により被覆された担体を、
ヒト−レニンを含有する試験溶液と、及び酵素と接合し
たこの発明のモノクローナル抗体の溶液(この溶解した
モノクローナル抗体は、担体に結合したモノクローナル
抗体が認識するヒト−レニンのエピトープとは異るエピ
トープを認識する)とインキュベートする。例えば色の
変化をもたらしそして肉眼により又は光学測定装置によ
り観察することができる酵素−基質反応により、酵素の
量(これは試験溶液中のヒト−レニンの量に比例する)
を測定する。 第2図は、放出された発色した酵素基質の最大吸光にお
ける測定された光学濃度と試験溶液中のヒト−レニンの
量との関係を示しており、これは例9.3において詳細に
記載するELISAにより測定することができる。ELISAの感
度は、5時間以内に、50μの試験溶液中1pg未満から1
00pgまでのヒト−レニンの信頼性の高い定量的測定を可
能にする。上記の好ましいサンドイッチRIAに比べて、
このELISAは、同等又はわずかに高い感度を有し、そし
て、放射能を測定する場合のような複雑な測定装置を必
要とせず、そして放射性物質を取り扱う場合に比べて厳
重でない安全規準を満たせばよいという利点を有する。 この発明のエンザイムイムノアッセイにおける好ましい
酵素は、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(この酵
素は、例えば酵素基質5−アミノサリチル酸、o−フェ
ニレンジアミン、3,3′−ジメトキシベンズイミド、2,
2′−アジノ−ビス−(3−エチルベンゾチアゾリン−
6−スルホン酸等により発色させることができる)、及
び特にアルカリ性ホスファターゼ(この酵素は、例えば
酵素基質p−ニトロフェニルホスフェートからp−ニト
ロフェノールを放出する)である。 ヒト−レニンの定性的及び定量的測定のための、ヒト−
レニンに対して高い親和性を有するモノクローナル抗体
のこの発明の使用はまた、それ自体公知の他のイムノア
ッセイ、例えば螢光物質との抗体接合体又は抗原接合体
を用いるイムノフルオレッセンス試験、抗体で被覆され
たラテックス粒子もしくは抗原で被覆されたラテックス
粒子を用いるラテックス凝集法、又は抗体で被覆された
赤血球もしくは抗原で被覆された赤血球を使用する血球
凝集法、等が含まれる。 以上記載したイムノアッセイは、生物学的液体、特に血
液中のヒト−レニンの量を決定するため、そして従って
レニンにより誘導される高血圧の診断のために使用する
ことができる。これらのイムノアッセイにおいては、活
性酵素としてアンジオテンシノーゲン(レニン基質)を
アンジオテンシンIに転換するヒト−レニンの量のみな
らず、抗体によって認識される同じ抗原決定基を有する
すべての他の形のヒト−レニンの量を測定することがで
きる。特に、記載されたイムノアッセイは、活性酵素、
不活性ヒト−レニン又はヒト−プロレニンを包含するヒ
ト−レニンの全量を決定する。イムノアッセイはさら
に、霊長類レニン、特にマルモセット(marmoset)カリ
スリクス・ジャクス(Callithrix jacchus)のレニン、
又は同一もしくは類似の抗原決定基を有する他の動物の
レニンの測定に応用することができる。 この発明はさらに、ヒト−レニン及び構造的に類似する
レニンの測定のための試験キットに関し、このキットは
ヒト−レニンに対して高い親和性を有するモノクローナ
ル抗体及び/又はその誘導体、並びに場合によっては付
属物を含んで成る。 ラジオイムノアッセイのためのこの発明の試験キット
は、例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
又は濃縮されている溶液、この発明の放射性ラベルされ
たモノクローナル抗体の溶液又は放射性ラベルされたヒ
ト−レニンの溶液、ヒト−レニンの標準溶液、緩衝液、
並びに場合によっては、非特異的な吸着及び凝集の形成
を防止するための洗剤、ピペット、反応器、換算曲線等
を含む。 エンザイムイムノアッセイのためのこの発明の試験キッ
トは例えば、適当な担体、この発明の1種類又は複数種
類のモノクローナル抗体の場合によっては凍結乾燥され
た又は濃縮された溶液、この発明の酵素ラベルされたモ
ノクローナル抗体の、酵素ラベルされたヒト−レニン
の、ポリクローナル抗−ヒト−レニン血清の、及び/又
はこの発明の抗−ヒト−レニン抗体もしくは他の抗−ヒ
ト−レニン抗体を認識しそしてそれと結合する酵素ラベ
ルされたモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗
体の、場合によっては凍結乾燥された又は濃縮された溶
液、固体の又は溶解した形の酵素基質、ヒト−レニンの
標準溶液、緩衝液、洗剤、ピペット、反応器、換算曲
線、色彩比較表等を含んで成る。 この発明はさらに、ヒト−レニン及び構造的に類似する
レニンの精製のための、モノクローナル抗体及びその誘
導体の使用に関する。例えば、ヒト−レニン及び構造的
に類似するレニンは、分離作用がモノクローナル抗体と
レニンとの間の相互作用に基くそれ自体公知の分離法を
用いて精製することができる。好ましい分離法はイムノ
アフィニティークロマトグラフィーである。無機又は有
機性の適当な担体材料、例えば適当に官能化された形の
架橋されたアガロース、デキストラン又はポリアクリル
アミドに、それ自体公知の方法により、この担体を場合
によっては活性化した後に、この発明のモノクローナル
抗体又は抗体誘導体を負荷する。この目的のために、例
えば、活性化されたエステル官能基を含有する担体材料
を水性緩衝液中に懸濁し、モノクローナル抗体の溶液と
混合し、次に未結合モノクローナル抗体を洗浄除去し、
そして担体材料の未結合反応性部位をブロックする。 この発明はさらに、ヒト−レニンに対する高い親和性を
有するモノクローナル抗体又はその誘導体、及び場合に
よっては医薬助剤を含んで成る医薬に関する。適当な誘
導体は、ヒト−レニンの抗原決定基に対する特異性を保
持しているモノクローナル抗体の断片、例えばFab断
片、Fab′断片、又はF(ab′)2断片である。医薬は
例えば、有効量のモノクローナル抗体又はその断片を、
有機又は無機の固体又は液体の医薬として許容される担
体と一緒に又は混合されて含んで成る。 非経腸投与、例えば筋肉内投与、又は特に静脈内投与の
ための医薬が好ましい。このような製剤は等張水溶液又
は懸濁液であり、これらは所望により凍結乾燥製剤又は
濃厚製剤であって使用直前に調製される。医薬は無菌化
することができそして/又は補助剤、例えば防腐剤、安
定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整
塩及び/又は緩衝剤を含有することができ、そしてそれ
自体公知の方法により、例えば常用の溶解法又は凍結乾
燥法により製造される。溶液又は懸濁液は、粘度増強
剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、デ
キストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含有
することができる。 注射薬は常法に従って抗微生物条件下で調製し、アンプ
ル又はバイアルに充填しそして容器を密封する。 この発明はさらに、高血圧又は心臓機能不全の治療のた
めの、ヒト−レニンに対する高い親和性を有するモノク
ローナル抗体又はその誘導体の使用に関する。 この発明のモノクローナル抗体の血圧低下作用を検出す
るために、マルモセット(カリスリクス・ジャカス)を
用いるイン−ビボ試験が使用される。この発明のモノク
ローナル抗体はマルモセット−レニンをヒト−レニンと
ほぼ同程度に阻害する。すなわち、マルモセット−レニ
ン及びヒト−レニン中の同一の又は類似の抗原決定基を
認識し、そしてそれと結合する。 常用の試験方法において、約300gの体重を有する雄性及
び雌性の正常血圧マルモセット(カリスリクス・ジャカ
ス)に、果物を補充した正常塩餌(NAFAG、Na+:100mmol
/kg、K+:250mmol/kg)を供与する。レニンの内因性放
出をフロセミドの静脈肉射(5mg/kg)により刺激す
る。45分間後にモノクローナル抗体をカテーテルを介し
て側尾静脈に注入し、そして血圧及び心搏数に及ぼすそ
の効果を大腿静脈中のカテーテルにより測定する。モノ
クローナル抗体を注射した2時間後、アンジオテンシン
転換酵素(ACE)を阻害するテプロチド(teprotide)を
注射(1mg/kg)し、そして血圧に及ぼすその効果を観
察する。対照実験において、この発明のモノクローナル
抗ヒト−レニン抗体の代りに1ml/kgの生理的食塩水、
又は非特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21(0.1mg
/kg)を注射する。 これらの実験条件下で、モノクローナル抗体R3−36−16
を0.01mg/kgの投与量で1回静脈内投与することによ
り、心搏数の変化を伴わないで、血圧が18±5mmHg(n
=4)、2時間にわたって低下する。30分間にわたり血
漿レニン活性が完全に阻害される。抗体を投与した後の
テプロチドの注射は血圧の追加の低下をなんら生じさせ
ない。モノクローナル抗体R3−36−16の一層高い投与量
(0.1mg/kg i.v.)は心搏数に影響を与えることなく同
様の血圧低下作用を示し、そして一層低い投与量(0.00
1mg/kg i.v.)は効果を有しない。 次に例によりこの発明をさらに具体的に説明する。但し
これによりこの発明の範囲を限定するものではない。 例において使用する略号は次の意味を有する。 SBA:ウシ血清アルブミン; ELISA:エンザイムアッセイ(エンザイムリンクドイムノ
アドゾルベントアッセイ); HAT:ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン; IC50:50%の阻害が観察される濃度; PBS:燐酸緩衝化生理的塩溶液; RIA:ラジオイムノアッセイ; SDS:ドデシル硫酸ナトリウム; tris:トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン; 単 位 M:mol/; GU:ゴールドブラット(Goldblatt)単位; cpm:カウント/分(放射性崩壊)。 例1. ヒト−レニンの精製 ヒト−レニンをヒト腎臓から得、そして免疫吸着法を用
いるそれ自体公知の方法により精製する。 1kgの機械的に細断した腎臓を水で抽出し、そして硫酸
によりpH2.8に酸性化する。NaCl濃度を0.8Mに調整し、
そしてレニンを硫酸アンモニウム(最終濃度2.3M)によ
り沈澱せしめる。この沈澱を0.1M燐酸緩衝液(pH7.4)
に対して透析する。蛋白質mg当り0.13GUのレニン濃度を
有する。サンプルをアンジオテンシノーゲンの給源とし
てのレニン不含血漿(NEN,ニューイングランド・ニュー
クレア・アンジオテンシンIラジオイムノアッセイ・キ
ット)と共にインキュベートした後アンジオテンシンI
を測定することによってレニン含量を測定し、そしてレ
ニンの標準(MRL,国際参考標準68/356〔5〕)と比較
することによってゴールドブラット単位(GU)で表現す
る。蛋白質濃度は、クマーシーブルーを用いて着色し、
そして標準としてのウシ血清アルブミン(BSA)と比較
することにより決定する。 透析された腎臓抽出物を、6mlのアフィーゲル(Affi-Ge
l)10(商標)(ビオラド)に結合した38mgのモノクロ
ーナル抗−ヒト−レニン抗体F15(クリン−ミディー,
モントペリア)〔6〕を含むイムノアフィニティーカラ
ムに導入する。血漿の未結合成分を0.1M燐酸緩衝液で洗
浄除去し、そして結合したレニンを0.1Mクエン酸/燐酸
緩衝液(pH4.5)で溶出する。溶出液をアミコン−PM−1
0(商標)膜上で濃縮し、PBS(燐酸緩衝化塩溶液)で稀
釈し、凍結し、そして−80℃にて保持する。こうして、
粗腎臓抽出物中に存在するレニンの約70%を得る。この
ものは400GU/mgの比活性を有し、これは3000倍濃縮に
相当する。標品の純度はSDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動及び高圧液体クロマトグラフィーにより分析す
る。純度は80%より高いと算定される。 例2. ハイブリドーマ細胞の調製 2.1 ヒト−レニンによるマウスの免疫 Balb/cマウスを、下記のようにして、例1からの精製
ヒト−レニンにより免疫する。 マウス1及び2に、完全フロインドアジュバント(CF
A)中10GU(および10μgに相当する)のレニンを、後
足に2回及び皮下に2回分散して注射する。その後28日
目にさらにPBS中2GUのレニンを静脈内注射し、そして46
日目にPBS中5GUのレニンを静脈内注射する。50日目に脾
臓を取り出し融合のために使用する。 マウス3及び4に、CFA中20GUのレニンをマウス1及び
2の場合のようにして分散して注射し、35日目に不完全
フロインドアジュバント(IFA)中2GUのレニンを皮下投
与し、60日目にPBS中2GUのレニンを腹腔内投与し、そし
て78日目にPBS中5GUのレニンを静脈内投与する。82日目
に、イン−ビトロレニン活性に対抗する高い血清力価を
有するマウス(マウス3)の脾臓を取り出して融合のた
めに使用する。 2.2 細胞融合 すべての融合実験は、実質上Kler及びMilstein
〔1〕の方法に従って、Sp2/0−Ag14セルライン
〔7〕を用いて行う。例2.1からの108個の脾細胞を、50
%濃度のポリエチレングリコール(PEG 1500,セルバ)
1mlの存在下で、107個の骨髄腫細胞と混合する。洗浄
後、細胞を48mlの標準ドゥルベコ最少必須培地(ギブコ
No.0422501)に再懸濁する。フィーダー細胞として融合
ごとに15%ウシ胎児血清及び3×106常マウス腹腔浸出
細胞を加える。細胞を、1mlずつ48枚のカスタープレー
トに分配する。培養物に、3〜6週間にわたって1日2
回、標準HAT選択培地(1)を供与する。ハイブリド細
胞が増殖した後、培養上清液をレニンへの結合について
(例4)、及びレニン活性の阻害について(例5)試験
する。ミクロタイタープレート中での限界稀釈によりハ
イブリドーマのクローニングを行う。すべてのセルライ
ンを少なくとも2回続けてクローニングする。 10個の異る母培養物からのクローンを選択し、そして増
殖せしめる。R1、R2、及びR3はそれぞれ、マウス1、
2、及び3ほ脾細胞の融合に由来するハイブリドーマ細
胞及びこれらの細胞から得られる抗体を示す。クローン
番号及び幾つかのサブクローン番号をハイホンの後に示
す(第1表)。 例3. モノクローナル抗体の分離及び精製 8〜10週齢のBalb/cマウス(シセルンアニマルファー
ム)を、0.3mlのプリスタン(アルドリッチ)により前
処理(i.p.)する。2〜3週間後、2〜5×106個のク
ローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2mlのプリスタンを
各マウスに注射(i.p.)する。8〜10日間の後、マウス
から繰り返して液を採取し、そしてこうして得られた腹
水を800×gにて遠心分離し、そしてこうして得られた
透明な上清液を−20℃にて集める。 凍結した腹水溶液を50,000×gにて60分間遠心分離し、
浮上した脂肪を除去し、そしてml当り10〜12mgの蛋白質
濃度を確立する。蛋白質濃度は、280nmにおける光学濃
度(OD280)を測定することにより決定する。標準とし
て、OD280=12(層の厚さ1cm)のネズミ免疫グロブリン
の1%濃度の溶液(W/V)を使用する。0℃にて撹拌
しながら0.9容量の飽和硫酸アンモニウム溶液をゆっく
り滴加することにより粗免疫グロブリン画分を沈澱せし
め、これを20mmolのtris-HCl/50mmolのNaCl(pH7.9)
に溶解し、そして透析する。次に、20mmolのtris-HCl
(pH7.9)により2倍に稀釈し、そして全体をDEAE-D52
セルロースカラム(ワットマン)に導入する。免疫グロ
ウリンG画分を20mmolのtris-HCl/80mmolのNaCl(pH7.
9)の緩衝液を用いてカラムから溶出し、そして硫酸ア
ンモニウムにより再度沈澱を行った後(上記参照)、PB
Sを用いて蛋白質濃度を10mg/mlに調整する。モノクロ
ーナル抗体沈澱物の純度をSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を用いて試験する。95%以上である。 例4. ヒト‐レニンへのモノクローナル抗体の結合 4.1 エンザイムイムノアッセイ(ELISA) 細胞ハイブリダイゼーション(例2.2)後の目的モノク
ローナル抗体生産ハイブリドーマ細胞の選択のため、及
び精製されたモノクローナル抗体の場合にレニンへの結
合の定量測定のために、それ自体公知のELISA法〔8〕
において、表面結合レニンへの反応性を用いる。50μ
の0.05M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)中100ngの
精製レニン(例1)をプラスチックミクロタイタープレ
ート中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。PBSで洗浄した後、プラスチック表面上にな
お存在する蛋白質反応性部位を、150μのPBS−トウィ
ーン(商標)緩衝液(0.2%NaN3を有するPBS中0.05%ト
ウィーン,pH7.4)と共に37℃にて2時間インキュベート
することにより飽和し、そしてこのプトをPBSで洗浄す
る。モノクローナル抗−レニン抗体について測定すべき
溶液(細胞培養上清液又は精製されたモノクローナル抗
体溶液)及びその対応稀釈物100μを37℃にて2時間
インキュベートし、そしてプレートを洗浄した後、結合
したモノクローナルマウス抗体を、ホスファターゼでラ
ベルされたラビットIgG抗‐マウス免疫グロブリンの標
品の対応してあらかじめ定められた稀釈を行ったもの10
0μと共にインキュベートすることにより検出する。
酵素基質p−ニトロフェニルホスフェートの溶液(0.5m
molのMgCl2を含有する10%ジエタノールアミン緩衝液中
1mg/ml,pH9.8)100μと共にインキュベートし(30分
間,37℃)、そして反応生成物の405nmにおける光学濃度
(OD405)をマルチスキャンフォトメーター(フローイ
ルビン,スコットランド)を用いて測定することによ
り、取り上げられた酵素の量を決定する。対照として、
モノクローナル抗−レニン抗体を含有する溶液の代り
に、非‐特異的モノクローナル骨髄腫抗体MOPC21の標品
(ビオネティクスラブス,ケンシントン,米国)、及び
ホスホリルコリンに対して特異的なモノクローナルハイ
ブリドーマ抗体の標品を使用する。 表面結合ヒト−レニンを用いるこの測定において0.1のO
D405をもたらす精製モノクローナル抗体の濃度を第1表
に示す。見だされた濃度は5.8×10-7〜7.5×10-11Mの範
囲内にあり、この測定においてもモノクローナル対照抗
体は10-7Mのオーダーの値をもたらすから10-7Mより高い
濃度は特異的結合を示さない。固定されたレニンへの時
に効果的な結合(ELISA)がモノクローナル抗体R3−17
−7及びR3−17−8の場合に認められたが、モノクロー
ナル抗体R3−48、R3−21、及びR3−27も5×10-10Mより
低い濃度において結合した。 4.2 125I−ラベル−レニンを用いるラジオイムノアッ
セイ(RIA) 溶解レニンに対する反応性を決定するために、50μの
RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中モノク
ローナル抗体サンプルの種々の稀釈物に、同じ緩衝液中
125I−ラベル−レニン(2.5ngの蛋白質に相当する80000
cpm,例8.1)50μを加え、そしてポリビニルクロリド
ミクロタイタープレート中で37℃にて2時間、及び4℃
にて15時間インキュベーションを行なう。3%ポリエチ
レングリコール6000中対応する稀釈のラビット−抗−マ
ウス免疫グロブリン血清50μを添加し、そして37℃に
て30分間及び4℃にて30分間インキュベートすることに
より、モノクローナル抗体を免疫複合体の形で沈澱せし
せめて、抗体結合125I−レニンの量を求める。沈澱物を
懸濁及び遠心分離により数回洗浄し、そしてタイタープ
レートを切断した後ガンマーカウンター中で放射能を測
定する。125I−レニン含有溶液から最大沈澱可能放射能
の50%を沈澱せしめる精製モノクローナル抗体の濃度
(IC50)が溶解レニンへの結合の測定値であり、これを
第1表に示す。モノクローナル抗体R3−36−16、及びR3
−47は、ELISA(例4.1)においては表面結合レニンに対
してわずかな親和性を示すのみであるが、溶解したレニ
ンに対しては特に強く結合する。 例5. レニン活性のイン−ビトロ阻害 5.1 ヒト−レニン活性の阻害の測定 アンジオテンシノーゲンを含有するレニン不含正常ヒト
血漿に精製ヒト−レニン(例1)を補充してレニン濃度
を250pg/mlとする。それぞれの場合に50μずつこの
前処理された血漿を、4℃にて2時間及び37℃にて1時
間にわたり、50μの0.1M tris−酢酸緩衝液(pH7.4)
中種種の稀釈の分析されるべきモノクローナル抗体サン
プルと共に、アンジオテンシンIのアンジオテンシンII
への転換をブロックする2,3−ジメルカプト−1−プロ
パノール及び8−ヒドロキシキノリンの存在下で、イン
キュベートする。4℃に冷却することにより酵素反応を
停止する。生成したアンジオテンシンIの量をRIA(NE
N,ニューイングランドニュークレアアンジオテンシンI
ラジオイムノアッセイキット)を用いて決定する。この
目的のために、サンプルに125I−ラベル−アンジオテン
シンI−トレーサー及びアンジオテンシンIに対する抗
血清の対応量を加え、そして4℃にて15時間インキュベ
ートした後、未結合アンジオテンシンIを活性炭素上に
吸着し、そして上清中の抗体結合125I−ラベル−アンジ
オテンシンIをガンマーカウンターで測定する。この系
において、陽性対照(モノクローナル抗体を伴わないサ
ンプル)は10ng/ml時のインジオテンシンIをもたら
す。 ヒト−レニン活性の最大阻害の50%が観察される精製モ
ノクローナル抗体濃度(IC50)を第1表に示す。この値
は10-6M以上から1.3×10-11Mの範囲である。モノクロー
ナル抗体R3−17−7及びR3−48は、ELISA(例4.1)にお
いてレニンに強く結合するが、レニン活性を有意に阻害
しない。モノクローナル抗体R1−19、R1−20、R3−17−
8、R2−12、及びR3−21は、レニン活性の有意であるが
弱い阻害を示す。モノクローナル抗体R3-27、R2−1、
並びに特にR3−47、及びR3−36−16の場合にレニン活性
の顕著な阻害が認められる。 モノクローナル担体R3−21及びR2−1は試験した全濃度
範囲(10-6Mまで)にわたって60%以下のみのレニン阻
害を示し、他方R3−27はわずかに35%の最大阻害を示
す。これらのモノクローナル抗体は、おそらくレニンの
活性中心の近傍に存在するであろう抗原決定基(エピト
ープ)を認識しそしてこれに結合する。これらの結合に
より、これらは立体的影響の結果として酵素活性を低下
せしめ、又は一層小さい基質交換数をなお許容するレニ
ン分子のアロステリック配置を促進する。強く阻害する
モノクローナル抗体R1−19及びR1−20は、他方におい
て、高濃度においては最大の親和性を有するモノクロー
ナル抗体R3−47及びR3−36−16と全く同様に、レニンを
完全に阻害する。 5.2 ヒト−レニンに対する結合及びヒト−レニン活性
の阻害の比較 上記のモノクローナル抗体はその結合性及び阻害性に関
して4つの異なるグループに分けることができる。原理
的に、レニンに結合するだけのモノクローナル抗体、及
びレニンに結合しそして同時にその酵素活性を低下せし
めるモノクローナル抗体が予想される。グループ1(第
1表)は、レニンと結合するがその触媒活性を阻害しな
いか非常に弱く阻害するにすぎないモノクローナル抗体
から成る。これらのモノクローナル抗体はさらに、溶液
中レニンに対するこれらの親和性(RIA)に比べて、表
面結合レニンに対する20倍以上高い親和性(ELISA)を
示す。他のすべてのグループのモノクローナル抗体は表
面結合レニンに対する好みを示さない。グループ2のモ
ノクローナル抗体は低い濃度においてもレニン活性を阻
害するがその阻害は部分的にすぎない。すなわち、モノ
クローナル抗体に特徴的なあるパーセントでのみ阻害す
る。グループ3は、非常に低い濃度においてさえレニン
活性を完全に阻害するモノクローナル抗体から成る。こ
れらの抗体は同時に、1〜3×1010の低濃度において溶
解したレニンに結合する。興味あることには、これらの
抗体は表面結合レニンとわずかに結合するに過ぎない。
従って、これらのモノクローナル抗体はELISA法に基礎
を置く常用の一次スクリーニングにおいては検出されな
いだろう。グループ4は、レニン活性を完全に阻害する
がグループ3のモノクローナル抗体よりも約1000倍弱い
モノクローナル抗体からなる。さらに、これらは表面結
合レニン(ELISA)及び溶解レニン(RIA)におよそ同等
に結合する。しかしながら、ELISAにおける結合(約10
-7M)は非特異的モノクローナル抗体のそれと有意に異
らない。 5.3 ラット及びマルモセット−レニン活性の阻害の測
定 例5.1に記載したのと同様の方法で、分析されるべきモ
ノクローナル抗体サンプルをラット−レニン及びマルモ
セット−レニンの活性の阻害について試験した。しかし
ながら、この目的のために、処理されたヒト血漿の代り
に、未処理ラット及びマルモセット血漿、すなわち正常
量のアンジオテンシノーゲン及びレニンを含有するラッ
ト血漿及びマルモセット血漿を用いる。 第1表に挙げたモノクローナル抗体はいずれもラット−
レニンを阻害しない。 モノクローナル抗体R3−27、R3−36−16、R3−47、及び
R1−20は、ヒト−レニンと同程度にマルモセット−レニ
ンを阻害する(同じIC50値)。従って、対応するモノク
ローナル抗体により認識される決定基は、ヒト−レニン
及びマルモセット−レニンにおいて同一であるか、又は
少なくとも非常に類似している。モノクローナル抗体R3
−36−16、及びR3−47はヒト−レニンを非常に効果的に
阻害する(第1表)から、酵素ヒト−レニンとマルモセ
ット−レニンの触媒部位の類似性が示される。 モノクローナル抗体R1−19は、ヒト−レニンの活性を阻
害するのよりも3倍低い濃度(IC50)においてマルモセ
ット−レニンの活性を阻害する。従って、このモノクロ
ーナル抗体は、免疫処理(例2.1)のために使用されな
かった分子と一層よく反応する。 モノクローナル抗体R2−1は、ヒト−レニンの活性を阻
害するのよりも15倍高い濃度(IC50)においてのみマル
モセット−レニンの活性を阻害する。従って、このモノ
クローナル抗体は、マルモセット−レニン及びヒト−レ
ニンにおいて類似ではあるが同一ではない決定基を認識
する。 モノクローナル抗体R3−21、R2−1、及びR3−27の場合
に高濃度においてさえ観察されるヒト−レニンの明らか
に部分的な阻害(第1表最高欄)は、マルモセット−レ
ニンについても同様に認められる。 例6. モノクローナル抗体の特徴付け 6.1 抗体クラスの決定 クローン化ハイブリドーマ細胞により産生されたモノク
ローナル抗体のクラス又はサブクラスをELISAにおいて
決定する。ミクロタイタープレートをそれぞれ、50μ
のPBS中クラス特異的又はサブクラス特異的血清のラビ
ット免疫グロブリン標品1μgにより被覆し、プレート
の遊離結合部位をRIA緩衝液(PBS中1%BSA、0.2%Na
N3、pH7.4)によって飽和し、そして分析すべきサンプ
ルをウエル中で37℃にて1時間インキュベートする。プ
レートを洗浄した後、結合したモノクローナルマウス抗
体を、プレートの被覆に使用した血清標品のホスファク
ターゼ−ラベル−ラビット免疫グロブリンの標品と共に
37℃にて1時間インキュベートし、そして取り上げられ
た酵素の量を例4.1に記載したようにして決定する。こ
の結果を第1表に示す。 6.2 アミノ酸配列の分析 モノクローナル抗体を4−ジメチルアミノ−4′−イオ
ドアセタミド−アゾベンゼンを用いて誘導体化し、そし
てセファロースG−100カラムを用いるクロマトグラフ
ィーによりヘビー鎖とライト鎖を分離する。電気透析に
より画分をゲルから溶出し、そして公知の方法
〔9〕に
より、ベックマン8906シーケンサーでのアミノ酸配列分
析にかける。 モノクローナル抗体R3−36−16のライト鎖のN−端アミ
ノ酸配列(28〜38位の第1超可変領域を含む)は次の通
りである。 カッコ内のアミノ酸は明確には知られていない。X及び
Yは特定されていないアミノ酸である。 例7. モノクローナル抗体の交差阻害の決定 ミクロタイタープレートを、例4.1と同様にして、ウエ
ル当り150ngのモノクローナル抗体が結合するように、
グループ1〜3のモノクローナル抗体(第1表)により
被覆する。グループ1〜3からの同じモノクローナル抗
体又は異るモノクローナル抗体の3μg(20倍過剰)を
10μの溶液中5ngの125I−ラベル−レニン(例8.1)と
4℃にて15時間又は37℃にて4時間前インキュベート
し、そして次に被覆されたミクロタイタープレートのウ
エル中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。次にプレートを洗浄し、そして放射能を測定
することにより結合したレニンを決定する。 この交差阻害実験の結果を第2表に示す。表面結合モノ
クローナル抗体へのレニンの結合が、溶液中同じモノク
ローナル抗体との前インキュベーションにより完全に
(95%以上)阻害される(第2表対角線)。モノクロー
ナル担体R3−36−16及びR3−47は相互に完全に阻害し、
従ってレニン分子上の同一のエピトープを認識する。R3
−27と交差反応するモノクローナル抗体R3−21は同様に
モノクローナル抗体R3−17−7により交差反応される
が、R3−27とR3−17−7とは相互になんらの効果も有し
ない。従ってこれら3種類のモノクローナル抗体はレニ
ン分子上の部分的にオーバーラップする続く複数のエピ
トープを認識する。他のすべての抗体の対は相互効果を
示さない。従ってこれらのモノクローナル抗体はレニン
分子上の空間に離れたエピトープと結合する。 例8. 血漿中のヒト−レニンの測定のためのラジオイム
ノアッセイ(RIA) 8.1 125Iによるヒト−レニンのラベル化 例1からの10μgのヒト−レニンを、Greenwood及びHun
ter〔10〕の標準法に従って、125I−ヨウ化ナトリウム
(0.3mC)及びクロラミンTを用いてヨウ素化する。反
応生成物をイオン交換カラムビオラドAG(商標)1×8
上で精製し、そしてTBSにより活性16×106cpm/mlに調
整する。 8.2 シングルンRIAによるヒト−レニンの測定 ポリビニルクロリドミクロタイタープレート(ダイナテ
ク・ラブス社)を、10μg/mlずつのモノクローナル抗
体R2−1及びモノクローナル抗体R3−27を含有するPBS
中溶液100μと共に37℃にて2時間及び4℃にて15時
間インキュベートすることにより被覆する。このプレー
トをPBSで洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部
位を、225μのRIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,p
H7.4)と共に37℃にて2時間インキュベートすることに
より飽和する。 レニン不含ヒト血漿10%を含有するRIA緩衝液中試験溶
液の1連の稀釈物及びレニン標準溶液それぞれ場合に50
μずつをミクロタイタープレートのウエル中に導入
し、例8.1からの125I−ラベル−レニンの溶液50μ
(2.5ngに相当する80,000cpm)を加え、そして37℃にて
2時間及び4℃にて15時間インキュベーションを行う。
プレートをPBSで洗浄し、そして放射能を測定する。試
験溶液中のヒト−レニンの濃度を、標準溶液を用いて作
成した換算曲線により決定する。 同様にして、ミクロタイタープレートを1種類のモノク
ローナル抗体により、又は異るエピトープ(第2表)を
認識2種類のモノクローナル抗体により被覆し、そして
シングルRIAのために使用する。 8.3 125Iによるモノクローナル抗体R3−36−16のラベ
ル化 例8.1と同様にして、30μgのモノクローナル抗体R3−3
6−16を125I(1mC)によりヨウ素化し、そして精製す
る。 モノクローナル抗体R3−27を同様にしてレベルする。 8.4 サンドイッチRIAによるヒト−レニンの測定 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートをモノク
ローナル抗体R3−27の溶液(10μg/ml)150μによ
り被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。レニン
含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者からの血漿)の1
連の稀釈物又はレニン標準溶液50μ、50μのRIA緩
衝液、及び例8.3からの125I−ラベル−抗体R3−36−16
の溶液50μ(6ngに相当する120,000cpm)を、ミクロ
タイタープレートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃
にて15分間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄
し、そして放射能を測定する。試験溶液中のヒト−レニ
ンの濃度を、標準溶液を用いて作成した換算曲線(第1
図)により決定する。 この試験の感度は、50μの試験溶液中1pgのヒト−レ
ニン(20pg/ml)の測定を可能にする。レニン1〜100p
g(50μのサンプル中)の全範囲にわたって直線関連
が存在する。 同様にして、モノクローナル抗体R2−1又はR2−1とR3
−27との混合物がミクロタイタープレートの被覆に使用
される場合、あるいは抗体が相互に交換される場合、す
なわちモノクローナル抗体R3−36−16が被覆のために使
用され、そして例えば125I−ラベル−モノクローナル抗
体R3−27が検出のために使用される場合にも、ヒト−レ
ニンを測定することができる。 8.5 シングルRIAのための試験キット 例8.2に記載したシングルRIAのための試験キットは次の
ものを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R2−1及びR3−
27の溶液(それぞれ10μg/ml)2ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性1.6×106cpm/mlの125I−ラベル−ヒト−レニン
の溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml;○換算曲線。 8.6 サンドイッチRIA用試験キット 例8.4に記載したサンドイッチRIA用試験キットは次のも
のを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R3−27の溶液
(10μg/ml)6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性2.4×106cpm/mlの125I−ラベル−モノクローナ
ル抗−ヒト−レニン抗体R3−36−16(例8.3)の溶液2m
l; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml;○換算曲線(第1図)。 例9. 血漿中ヒト−レニンを測定するためのエンザイム
イムノアッセイ(ELISA) 9.1 ポリクローナル抗−ヒト−レニン血清を用いるELI
SA 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートを、10μ
g/mlのレニン抗体R3−36−16を含有する溶液100μ
により被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。こ
のプレートを、10%のレニン不含ヒト血漿を含有するRI
A緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中試験溶液
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μと共
に37℃にて2時間インキューベートし、そして洗浄し、
そして次に1:500の比率で前稀釈しておいたポリクロー
ナルラビット抗−ヒト−レニン血清〔11〕50μと共に
37℃にて1時間インキュベートする。プレートを洗浄し
た後、結合したラビット抗体を、1:1000の比率で前稀釈
しておいたホスファカーゼ−ラベル−ヤギ抗−ラビット
免疫グロブリンの標品と共にインキュベート(37℃にて
1時間)することにより検出する。p−ニトロフェニル
ホスフェートの溶液(0.5mmolのMgCl2を含有する10%ジ
エタノールアミン緩衝液中1mg/ml,pH9.8)100μと共
にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合した
酵素がp−ニトロフェノールを放出せしめる。405nmに
おける光学濃度を測定することにより放出されたp−ニ
トロフェノールの量を決定する。この量は結合した酵素
ホスファターゼの量に比例し、そして従って試験溶液中
のヒト−レニンの量に比例する。 モノクローナル抗体R2−1もしくはR3−27、又は2種類
のモノクローナル抗体の混合物をミクロタイタープレー
トの被覆のために使用する場合、同様にしてヒト−レニ
ンを測定することができる。 9.2 アルカリ性ホスファターゼによるモノクローナル
抗体R3−36−16のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体R3−36−16
を、グルタルアルデヒド(0.2v/v%)を用いてVoller
等〔12〕の標準的方法に従って、5mgのアルカリ性ホス
ファターゼ(SIGMA-P6774,タイプVII-T)を含有する溶
液と、2時間にわたりカップリングせしめ、そして1mmo
lのMgCl2,1%のBSA及び0.02%のNaN3を含有するtris緩
衝液(0.05M,pH8.0)5mlに導入する。この溶液を暗中4
℃にて保持する。 9.3 2種類の異るモノクローナル抗体を用いるELISA ポリエチレン性ミクロタイタープレート(ダイナテク・
ラズス社)を、緩衝液(pH8.6)(0.02%のナトリウム
アジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%食塩溶液)中モノ
クローナル抗体R3−27(10μg/ml)の溶液150μに
より37℃にて3時間被覆する。このプレートをPBSによ
り5回洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位を
250μのPIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)
と共に37℃にて1時間インキュベートすることにより飽
和する。 レニン不含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者の血漿)
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μ、50
μのRIA緩衝液、及びRIA緩衝液により1:100に希釈し
ておいたホスファターゼ−ラベル−抗体R3−36−16(例
9.2)の溶液50μを混合し、そしてミクロタイタープ
レートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて30分間
インキュベートする。このプレートをPBSで5回洗浄
し、そしてp−ニトロフェニルホスフェートの溶液150
μと共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、
結合した酵素を例9.1に記載したようにして測定する。
試験溶液中のヒト−レニンの濃度を、標準溶液を用いて
作成した換算曲線(第2図)により計算する。 このELISAの感度は、50μの試験溶液中1pg(20pg/m
l)未満のヒト−レニンの測定を可能にする。レニン1
〜100pg(50μのサンプル)の範囲において直線関係
が存在する。 9.4 ELISA用試験キット 例9.3に記載したELISA用試験キットは次のものを含む。 ○ポリプロピレン製ミクロタイタープレート; ○0.02%のNaN3を含有する炭酸塩緩衝化(0.072g/の
Na2CO3及び4.2g/のNaHCO3)0.9%塩溶液中モノクロ
ーナル抗−ヒト−レニン抗体R3−27(10μg/ml)の溶
液6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3)100ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○tris緩衝液(0.05M,pH8.0,1mmolのMgCl2,1%のBSA,0.
02%のNaN3)中アルカリ性ホスファターゼ−ラベル−モ
ノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R3−36−16の溶液
(抗体濃度0.3mg/ml)0.2ml; ○ジエタノールアミン緩衝液(10%のジエタノールアミ
ン,0.5mmolのMgCl2,0.02%のNaN3,HClによりpH8.9に調
整)中p−ニトロフェニルホスフィートの溶液(1mg/m
l)10ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第2図); ○放出されたp−ニトロフェノールの量を肉眼的に決定
するための色度スケール。 例10. レニンを精製するためのイムノアフィニティー
クロマトグラフィー 10.1 イムノアフィニティーゲルの調製 アフィ−ゲル(商標)10(ビオラド)を製造者の指示に
従って冷蒸留水及びカップリング緩衝液pH8.0(0.1M N
aHCO3溶液)で洗浄する。カップリング緩衝液(1ml)中
ゲルの50%濃度の懸濁液をプラスチックチューブに導入
し、そして10mgの蛋白質を含有する精製モノクローナル
抗体溶液の同容量と混合し、そして混合物を室温にて4
時間回転せしめる。次にゲルをカップリング溶液で洗浄
する。なお遊離している活性部位をブロックするため
に、ゲルを1mlのゲル当り0.1mlの1Mエタノールアミン−
HCl(pH8.0)により室温にて2時間処理し、次にPBS(1
0mmolのナトリウムアジドを含有する)で洗浄し、そし
てその中に4℃にて保持する。カップリングの程度を、
280nmにおける光学濃度を測定することによって決定す
る。1mlのゲル当り約8mgのモノクローナル抗体である。 10.2 マルモセット又はヒト−レニンの精製 モノクローナル抗体R2−1を用いて例10.1に従って調製
したアミノアフィニティーゲル100μを、5mlのファル
コンチューブ中で、マルモセット(カリスリクス・ジャ
カス)からの腎臓抽出物1mlと共に、定期的な振とうを
伴って室温にて30分間インキュベートする。上清を除去
し、そしてゲルをPBSで洗浄し、そして1mlのグリシン塩
酸緩衝液pH3.0により抽出する。抽出物をtris緩衝液pH
8.5により中和する。こうして、粗抽出物中に存在する
レニンの70%(5〜6ng)を純粋な形で得る。 同様にして、ヒト−レニンを精製することができる。 ヒト又はマルモセット−レニンを精製するために、同様
にしてモノクローナル抗体R3−21、R1−19、又はR1−20
を含有するイムノアフィニティーゲルを使用することが
できる。 例11. 非経腸投与のための医薬 例3に従って調製した7.0mgのモノクローナル抗体R3−3
6−16を20mlの生理的塩溶液に溶解する。この溶液を細
菌フィルターに通し、そして液を分けて無菌条件下で
10本のアンプルに導入する。これらのアンプルは、非経
腸投与に適当なモノクローナル抗体0.7mgを含有してい
る。このアンプルは、好ましくは低温、例えば−20℃に
おいて貯蔵する。 文 献 〔1〕 G.Khler及びC.Milsteinネイチュアー(Natur
e)256,495(1975)。 〔2〕 D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,F.Soubrier,B.Pa
u,J.Mnard及びP.Corvol,ジャーナル・オブ・クリニカ
ル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Cl
in.Endocr.Met.)53,453(1981)。 〔3〕 V.J.Dzau,D.Devine,M.Mudgett−Hunter,R.I.Ko
pelman,A.C.Barger及びE.Haber,クリニカル・アンド・
エクスペリメンタル・ハイパーテション(Clinical an
d Experimental Hypertension)A5,1207(1983)。 〔4〕 F.Soubrier,T.T.Guyenne,M.F.Gonzales,P.Corv
ol及びJ.Mnard,in“ヘテロゲナイティー・オブ・レニ
ン・アンド・レニンスブストレート(Heterogeneity o
f Renin and Renin−Substrate)”(M.P.Sambhi
編),エルセビールノースホランド社1981,237頁。 〔5〕 D.R.Bangkan,I.Robertson,J.I.S.Robertson,C.
J.Robinson及びM.Iree,クリニカル・サイエンス・アン
ド・モノキュラー・メディシン(Clin.Sci.Mol.Med.)4
8,135(1975)。 〔6〕 B.Pau,D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,FSoubrie
r,J.Mnard及びP.Corvol,クリニカル・サイエンス(Cl
in.Sci.)61,239(1981)。 〔7〕 M.Shulman,C.D.Wilde及びG.Khler,ネイチャ
アー(Nature)276,269(1978)。 〔8〕 E.Engvall及びP.Perlmann,ジャーナル・オブ・
イムノロジー(J.Immunol.)109,129(1972)。 〔8〕 J.−Y.Chang.H.Herbst,R.Aebersold及びD.G.Br
aun,ビオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)211,173
(1983)。 〔10〕 F.C.Greenwood,W.M.Hunter及びJ.S.Glover,ビ
オケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)89,114(196
3)。 〔11〕 F.X.Galen,T.T.Guyenne,C.Devaux,C.Auzan,P.C
orvol及びJ.Mnard,ジャーナル・オブ・クリニカル・
エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Clin.E
ndocr.Met.)48,1041(1979)。 〔12〕 A.Voller,D.E.Bidwell及びA.Bartlett,ブレン
チ・オブ・ザ・ワールド・レルス・オーガナイゼーショ
ン(Bull.World Health Organ.)53,55(1976)。
より、ベックマン8906シーケンサーでのアミノ酸配列分
析にかける。 モノクローナル抗体R3−36−16のライト鎖のN−端アミ
ノ酸配列(28〜38位の第1超可変領域を含む)は次の通
りである。 カッコ内のアミノ酸は明確には知られていない。X及び
Yは特定されていないアミノ酸である。 例7. モノクローナル抗体の交差阻害の決定 ミクロタイタープレートを、例4.1と同様にして、ウエ
ル当り150ngのモノクローナル抗体が結合するように、
グループ1〜3のモノクローナル抗体(第1表)により
被覆する。グループ1〜3からの同じモノクローナル抗
体又は異るモノクローナル抗体の3μg(20倍過剰)を
10μの溶液中5ngの125I−ラベル−レニン(例8.1)と
4℃にて15時間又は37℃にて4時間前インキュベート
し、そして次に被覆されたミクロタイタープレートのウ
エル中で37℃にて2時間及び4℃にて15時間インキュベ
ートする。次にプレートを洗浄し、そして放射能を測定
することにより結合したレニンを決定する。 この交差阻害実験の結果を第2表に示す。表面結合モノ
クローナル抗体へのレニンの結合が、溶液中同じモノク
ローナル抗体との前インキュベーションにより完全に
(95%以上)阻害される(第2表対角線)。モノクロー
ナル担体R3−36−16及びR3−47は相互に完全に阻害し、
従ってレニン分子上の同一のエピトープを認識する。R3
−27と交差反応するモノクローナル抗体R3−21は同様に
モノクローナル抗体R3−17−7により交差反応される
が、R3−27とR3−17−7とは相互になんらの効果も有し
ない。従ってこれら3種類のモノクローナル抗体はレニ
ン分子上の部分的にオーバーラップする続く複数のエピ
トープを認識する。他のすべての抗体の対は相互効果を
示さない。従ってこれらのモノクローナル抗体はレニン
分子上の空間に離れたエピトープと結合する。 例8. 血漿中のヒト−レニンの測定のためのラジオイム
ノアッセイ(RIA) 8.1 125Iによるヒト−レニンのラベル化 例1からの10μgのヒト−レニンを、Greenwood及びHun
ter〔10〕の標準法に従って、125I−ヨウ化ナトリウム
(0.3mC)及びクロラミンTを用いてヨウ素化する。反
応生成物をイオン交換カラムビオラドAG(商標)1×8
上で精製し、そしてTBSにより活性16×106cpm/mlに調
整する。 8.2 シングルンRIAによるヒト−レニンの測定 ポリビニルクロリドミクロタイタープレート(ダイナテ
ク・ラブス社)を、10μg/mlずつのモノクローナル抗
体R2−1及びモノクローナル抗体R3−27を含有するPBS
中溶液100μと共に37℃にて2時間及び4℃にて15時
間インキュベートすることにより被覆する。このプレー
トをPBSで洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部
位を、225μのRIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,p
H7.4)と共に37℃にて2時間インキュベートすることに
より飽和する。 レニン不含ヒト血漿10%を含有するRIA緩衝液中試験溶
液の1連の稀釈物及びレニン標準溶液それぞれ場合に50
μずつをミクロタイタープレートのウエル中に導入
し、例8.1からの125I−ラベル−レニンの溶液50μ
(2.5ngに相当する80,000cpm)を加え、そして37℃にて
2時間及び4℃にて15時間インキュベーションを行う。
プレートをPBSで洗浄し、そして放射能を測定する。試
験溶液中のヒト−レニンの濃度を、標準溶液を用いて作
成した換算曲線により決定する。 同様にして、ミクロタイタープレートを1種類のモノク
ローナル抗体により、又は異るエピトープ(第2表)を
認識2種類のモノクローナル抗体により被覆し、そして
シングルRIAのために使用する。 8.3 125Iによるモノクローナル抗体R3−36−16のラベ
ル化 例8.1と同様にして、30μgのモノクローナル抗体R3−3
6−16を125I(1mC)によりヨウ素化し、そして精製す
る。 モノクローナル抗体R3−27を同様にしてレベルする。 8.4 サンドイッチRIAによるヒト−レニンの測定 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートをモノク
ローナル抗体R3−27の溶液(10μg/ml)150μによ
り被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。レニン
含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者からの血漿)の1
連の稀釈物又はレニン標準溶液50μ、50μのRIA緩
衝液、及び例8.3からの125I−ラベル−抗体R3−36−16
の溶液50μ(6ngに相当する120,000cpm)を、ミクロ
タイタープレートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃
にて15分間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄
し、そして放射能を測定する。試験溶液中のヒト−レニ
ンの濃度を、標準溶液を用いて作成した換算曲線(第1
図)により決定する。 この試験の感度は、50μの試験溶液中1pgのヒト−レ
ニン(20pg/ml)の測定を可能にする。レニン1〜100p
g(50μのサンプル中)の全範囲にわたって直線関連
が存在する。 同様にして、モノクローナル抗体R2−1又はR2−1とR3
−27との混合物がミクロタイタープレートの被覆に使用
される場合、あるいは抗体が相互に交換される場合、す
なわちモノクローナル抗体R3−36−16が被覆のために使
用され、そして例えば125I−ラベル−モノクローナル抗
体R3−27が検出のために使用される場合にも、ヒト−レ
ニンを測定することができる。 8.5 シングルRIAのための試験キット 例8.2に記載したシングルRIAのための試験キットは次の
ものを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R2−1及びR3−
27の溶液(それぞれ10μg/ml)2ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性1.6×106cpm/mlの125I−ラベル−ヒト−レニン
の溶液2ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml;○換算曲線。 8.6 サンドイッチRIA用試験キット 例8.4に記載したサンドイッチRIA用試験キットは次のも
のを含む。 ○ポリビニルクロリドのミクロタイタープレート; ○モノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R3−27の溶液
(10μg/ml)6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%ナトリウムアジド)1
00ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○活性2.4×106cpm/mlの125I−ラベル−モノクローナ
ル抗−ヒト−レニン抗体R3−36−16(例8.3)の溶液2m
l; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml;○換算曲線(第1図)。 例9. 血漿中ヒト−レニンを測定するためのエンザイム
イムノアッセイ(ELISA) 9.1 ポリクローナル抗−ヒト−レニン血清を用いるELI
SA 例8.2と同様にして、ミクロタイタープレートを、10μ
g/mlのレニン抗体R3−36−16を含有する溶液100μ
により被覆し、そして蛋白質反応性部位を飽和する。こ
のプレートを、10%のレニン不含ヒト血漿を含有するRI
A緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)中試験溶液
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μと共
に37℃にて2時間インキューベートし、そして洗浄し、
そして次に1:500の比率で前稀釈しておいたポリクロー
ナルラビット抗−ヒト−レニン血清〔11〕50μと共に
37℃にて1時間インキュベートする。プレートを洗浄し
た後、結合したラビット抗体を、1:1000の比率で前稀釈
しておいたホスファカーゼ−ラベル−ヤギ抗−ラビット
免疫グロブリンの標品と共にインキュベート(37℃にて
1時間)することにより検出する。p−ニトロフェニル
ホスフェートの溶液(0.5mmolのMgCl2を含有する10%ジ
エタノールアミン緩衝液中1mg/ml,pH9.8)100μと共
にインキュベート(37℃にて30分間)した後、結合した
酵素がp−ニトロフェノールを放出せしめる。405nmに
おける光学濃度を測定することにより放出されたp−ニ
トロフェノールの量を決定する。この量は結合した酵素
ホスファターゼの量に比例し、そして従って試験溶液中
のヒト−レニンの量に比例する。 モノクローナル抗体R2−1もしくはR3−27、又は2種類
のモノクローナル抗体の混合物をミクロタイタープレー
トの被覆のために使用する場合、同様にしてヒト−レニ
ンを測定することができる。 9.2 アルカリ性ホスファターゼによるモノクローナル
抗体R3−36−16のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体R3−36−16
を、グルタルアルデヒド(0.2v/v%)を用いてVoller
等〔12〕の標準的方法に従って、5mgのアルカリ性ホス
ファターゼ(SIGMA-P6774,タイプVII-T)を含有する溶
液と、2時間にわたりカップリングせしめ、そして1mmo
lのMgCl2,1%のBSA及び0.02%のNaN3を含有するtris緩
衝液(0.05M,pH8.0)5mlに導入する。この溶液を暗中4
℃にて保持する。 9.3 2種類の異るモノクローナル抗体を用いるELISA ポリエチレン性ミクロタイタープレート(ダイナテク・
ラズス社)を、緩衝液(pH8.6)(0.02%のナトリウム
アジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%食塩溶液)中モノ
クローナル抗体R3−27(10μg/ml)の溶液150μに
より37℃にて3時間被覆する。このプレートをPBSによ
り5回洗浄し、そしてなお存在する蛋白質反応性部位を
250μのPIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3,pH7.4)
と共に37℃にて1時間インキュベートすることにより飽
和する。 レニン不含ヒト血漿中試験溶液(例えば、患者の血漿)
の一連の稀釈物又はレニン標準溶液いずれも50μ、50
μのRIA緩衝液、及びRIA緩衝液により1:100に希釈し
ておいたホスファターゼ−ラベル−抗体R3−36−16(例
9.2)の溶液50μを混合し、そしてミクロタイタープ
レートのウエル中で37℃にて2時間及び4℃にて30分間
インキュベートする。このプレートをPBSで5回洗浄
し、そしてp−ニトロフェニルホスフェートの溶液150
μと共にインキュベート(37℃にて30分間)した後、
結合した酵素を例9.1に記載したようにして測定する。
試験溶液中のヒト−レニンの濃度を、標準溶液を用いて
作成した換算曲線(第2図)により計算する。 このELISAの感度は、50μの試験溶液中1pg(20pg/m
l)未満のヒト−レニンの測定を可能にする。レニン1
〜100pg(50μのサンプル)の範囲において直線関係
が存在する。 9.4 ELISA用試験キット 例9.3に記載したELISA用試験キットは次のものを含む。 ○ポリプロピレン製ミクロタイタープレート; ○0.02%のNaN3を含有する炭酸塩緩衝化(0.072g/の
Na2CO3及び4.2g/のNaHCO3)0.9%塩溶液中モノクロ
ーナル抗−ヒト−レニン抗体R3−27(10μg/ml)の溶
液6ml; ○燐酸緩衝化生理的塩溶液(PBS)100ml; ○RIA緩衝液(PBS中1%BSA,0.2%NaN3)100ml; ○レニン不含ヒト血漿2ml; ○tris緩衝液(0.05M,pH8.0,1mmolのMgCl2,1%のBSA,0.
02%のNaN3)中アルカリ性ホスファターゼ−ラベル−モ
ノクローナル抗−ヒト−レニン抗体R3−36−16の溶液
(抗体濃度0.3mg/ml)0.2ml; ○ジエタノールアミン緩衝液(10%のジエタノールアミ
ン,0.5mmolのMgCl2,0.02%のNaN3,HClによりpH8.9に調
整)中p−ニトロフェニルホスフィートの溶液(1mg/m
l)10ml; ○レニン不含ヒト血漿中20ng/mlのヒト−レニンを含有
する標準溶液2ml; ○換算曲線(第2図); ○放出されたp−ニトロフェノールの量を肉眼的に決定
するための色度スケール。 例10. レニンを精製するためのイムノアフィニティー
クロマトグラフィー 10.1 イムノアフィニティーゲルの調製 アフィ−ゲル(商標)10(ビオラド)を製造者の指示に
従って冷蒸留水及びカップリング緩衝液pH8.0(0.1M N
aHCO3溶液)で洗浄する。カップリング緩衝液(1ml)中
ゲルの50%濃度の懸濁液をプラスチックチューブに導入
し、そして10mgの蛋白質を含有する精製モノクローナル
抗体溶液の同容量と混合し、そして混合物を室温にて4
時間回転せしめる。次にゲルをカップリング溶液で洗浄
する。なお遊離している活性部位をブロックするため
に、ゲルを1mlのゲル当り0.1mlの1Mエタノールアミン−
HCl(pH8.0)により室温にて2時間処理し、次にPBS(1
0mmolのナトリウムアジドを含有する)で洗浄し、そし
てその中に4℃にて保持する。カップリングの程度を、
280nmにおける光学濃度を測定することによって決定す
る。1mlのゲル当り約8mgのモノクローナル抗体である。 10.2 マルモセット又はヒト−レニンの精製 モノクローナル抗体R2−1を用いて例10.1に従って調製
したアミノアフィニティーゲル100μを、5mlのファル
コンチューブ中で、マルモセット(カリスリクス・ジャ
カス)からの腎臓抽出物1mlと共に、定期的な振とうを
伴って室温にて30分間インキュベートする。上清を除去
し、そしてゲルをPBSで洗浄し、そして1mlのグリシン塩
酸緩衝液pH3.0により抽出する。抽出物をtris緩衝液pH
8.5により中和する。こうして、粗抽出物中に存在する
レニンの70%(5〜6ng)を純粋な形で得る。 同様にして、ヒト−レニンを精製することができる。 ヒト又はマルモセット−レニンを精製するために、同様
にしてモノクローナル抗体R3−21、R1−19、又はR1−20
を含有するイムノアフィニティーゲルを使用することが
できる。 例11. 非経腸投与のための医薬 例3に従って調製した7.0mgのモノクローナル抗体R3−3
6−16を20mlの生理的塩溶液に溶解する。この溶液を細
菌フィルターに通し、そして液を分けて無菌条件下で
10本のアンプルに導入する。これらのアンプルは、非経
腸投与に適当なモノクローナル抗体0.7mgを含有してい
る。このアンプルは、好ましくは低温、例えば−20℃に
おいて貯蔵する。 文 献 〔1〕 G.Khler及びC.Milsteinネイチュアー(Natur
e)256,495(1975)。 〔2〕 D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,F.Soubrier,B.Pa
u,J.Mnard及びP.Corvol,ジャーナル・オブ・クリニカ
ル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Cl
in.Endocr.Met.)53,453(1981)。 〔3〕 V.J.Dzau,D.Devine,M.Mudgett−Hunter,R.I.Ko
pelman,A.C.Barger及びE.Haber,クリニカル・アンド・
エクスペリメンタル・ハイパーテション(Clinical an
d Experimental Hypertension)A5,1207(1983)。 〔4〕 F.Soubrier,T.T.Guyenne,M.F.Gonzales,P.Corv
ol及びJ.Mnard,in“ヘテロゲナイティー・オブ・レニ
ン・アンド・レニンスブストレート(Heterogeneity o
f Renin and Renin−Substrate)”(M.P.Sambhi
編),エルセビールノースホランド社1981,237頁。 〔5〕 D.R.Bangkan,I.Robertson,J.I.S.Robertson,C.
J.Robinson及びM.Iree,クリニカル・サイエンス・アン
ド・モノキュラー・メディシン(Clin.Sci.Mol.Med.)4
8,135(1975)。 〔6〕 B.Pau,D.Simon,F.X.Galen,C.Devaux,FSoubrie
r,J.Mnard及びP.Corvol,クリニカル・サイエンス(Cl
in.Sci.)61,239(1981)。 〔7〕 M.Shulman,C.D.Wilde及びG.Khler,ネイチャ
アー(Nature)276,269(1978)。 〔8〕 E.Engvall及びP.Perlmann,ジャーナル・オブ・
イムノロジー(J.Immunol.)109,129(1972)。 〔8〕 J.−Y.Chang.H.Herbst,R.Aebersold及びD.G.Br
aun,ビオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)211,173
(1983)。 〔10〕 F.C.Greenwood,W.M.Hunter及びJ.S.Glover,ビ
オケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)89,114(196
3)。 〔11〕 F.X.Galen,T.T.Guyenne,C.Devaux,C.Auzan,P.C
orvol及びJ.Mnard,ジャーナル・オブ・クリニカル・
エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Clin.E
ndocr.Met.)48,1041(1979)。 〔12〕 A.Voller,D.E.Bidwell及びA.Bartlett,ブレン
チ・オブ・ザ・ワールド・レルス・オーガナイゼーショ
ン(Bull.World Health Organ.)53,55(1976)。
第1図はサンドイッチ−RIAによるヒト−レニンの測定
のための標準曲線を示し; 第2図はサンドイッチ−ELISAによるヒト−レニンの測
定のための標準曲線を示す。
のための標準曲線を示し; 第2図はサンドイッチ−ELISAによるヒト−レニンの測
定のための標準曲線を示す。
フロントページの続き (72)発明者 セフィク アルカン スイス国,4125 リーエン ビンセナッカ ーシュトラーセ 3 (72)発明者 ジャネット ウッド スイス国,4105 バイエル‐ベンケン,ミ ューレベーク 35
Claims (7)
- 【請求項1】5×10-11M(mol/l)の濃度においてヒ
ト−レニンの酵素活性を50%以上阻害するモノクローナ
ル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマセル
ライン。 - 【請求項2】パリのパスツール研究所の“Collection N
ationale de Cultures de Microorganismes"にNo.I−25
3として寄託されており、R3−36−16と称される特許請
求の範囲第1項記載のハイブリドーマセルライン。 - 【請求項3】5×10-11Mの濃度においてヒト−レニンの
酵素活性を50%以上阻害するモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマセルラインの製造方法であって、ヒ
ト以外の適当な哺乳動物を精製されたヒト−レニンで免
疫し、該哺乳動物から採取した抗体産生細胞を骨髄腫細
胞と融合せしめ、得られたハイブリドーマ細胞をクロー
ン化し、そして目的とするモノクローナル抗体を産生す
る細胞クローンを選択することを特徴とする方法。 - 【請求項4】それぞれ1μg〜20μgの精製されたヒト
−レニンを含有する3〜6回の非経腸注射を1〜6週間
の間隔で行うことによりBalb/cマウスを免疫し、そし
て最後の追加免疫から2〜6日後に該動物から脾臓細胞
を採取し、そして融合促進剤の存在下で適当なセルライ
ンの骨髄腫細胞と融合せしめることを特徴とする特許請
求の範囲第3項記載の方法。 - 【請求項5】Balb/cマウスのモノクローナル抗体産生
細胞をセルラインX63−Ag8.653、又はSp2/0−Ag14の
骨髄腫細胞と融合せしめることを特徴とする特許請求の
範囲第3項記載の方法。 - 【請求項6】骨髄腫細胞を、1000〜4000の分子量を有す
る30〜50%のポリエチレングリコールを含有する溶液中
で、免疫された動物由来の脾臓細胞の3〜20倍過剰量と
融合せしめることを特徴とする特許請求の範囲第3項記
載の方法。 - 【請求項7】モノクローナル抗体の表面結合ヒト−レニ
ンへの結合、溶解したヒト−レニンへの結合、及びヒト
−レニンの酵素活性の阻害について同時的に細胞上清を
試験することにより細胞クローンを選択することを特徴
とする特許請求の範囲第3項記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
CH1781/84-4 | 1984-04-09 | ||
CH178184 | 1984-04-09 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6485070A JPS6485070A (en) | 1989-03-30 |
JPH0669371B2 true JPH0669371B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=4218460
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60072857A Expired - Lifetime JPH0669390B2 (ja) | 1984-04-09 | 1985-04-08 | ヒト−レニンに対するモノクロ−ナル抗体及びその使用 |
JP63153660A Expired - Lifetime JPH0669371B2 (ja) | 1984-04-09 | 1988-06-23 | ヒトーレニンに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマセルライン及びその製造方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60072857A Expired - Lifetime JPH0669390B2 (ja) | 1984-04-09 | 1985-04-08 | ヒト−レニンに対するモノクロ−ナル抗体及びその使用 |
Country Status (13)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4780401A (ja) |
EP (1) | EP0158599B1 (ja) |
JP (2) | JPH0669390B2 (ja) |
AT (1) | ATE57392T1 (ja) |
AU (1) | AU591870B2 (ja) |
CA (1) | CA1277261C (ja) |
DE (1) | DE3580056D1 (ja) |
DK (1) | DK165326C (ja) |
ES (2) | ES8707295A1 (ja) |
FI (1) | FI87933C (ja) |
IE (1) | IE57956B1 (ja) |
NO (1) | NO165556C (ja) |
ZA (1) | ZA852557B (ja) |
Families Citing this family (43)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5972990A (en) * | 1992-04-10 | 1999-10-26 | Brigham And Women's Hospital, Inc. | Methods for reducing risk of repeat myocardial infarction and increasing survival in heart attack victims |
AU4250893A (en) * | 1992-05-14 | 1993-12-13 | L.R.S. Diagnostics, Inc. | Methods and novel proteins associated with low renin syndrome |
DE606516T1 (de) * | 1993-01-13 | 1995-03-16 | Idemitsu Kosan Co | Gegen menschlichen Ceruloplasmin monoklonaler Antikörper. |
WO1994020857A1 (en) * | 1993-03-11 | 1994-09-15 | The Regents Of The University Of California | Assay for humoral immunity to macromolecules |
US6911528B1 (en) * | 1994-12-02 | 2005-06-28 | The Johns Hopkins University School Of Medicine | Hedgehog-derived polypeptides |
US20030167483A1 (en) * | 1998-06-24 | 2003-09-04 | Farese Robert V. | Diacylglycerol O-acyltransferase |
CA2427271A1 (en) | 2000-12-14 | 2002-06-20 | Brigham And Women's Hospital, Inc. | Inflammatory markers for detection and prevention of diabetes mellitus |
PT3072978T (pt) | 2002-05-09 | 2018-10-15 | Brigham & Womens Hospital Inc | 1l1rl-1 como um marcador de doença cardiovascular |
AU2003229016A1 (en) * | 2002-05-10 | 2003-11-11 | The Trustees Of Columbia University In The City Of New York | Genetically engineered cell lines and systems for propagatingvaricella zoster virus and methods of use thereof |
CA2536173A1 (en) * | 2003-08-20 | 2005-03-03 | Nitromed, Inc. | Nitrosated and nitrosylated cardiovascular compounds, compositions and methods of use |
US7282519B2 (en) * | 2003-08-28 | 2007-10-16 | Nitromed, Inc. | Nitrosated and nitrosylated diuretic compounds, compositions and methods of use |
WO2005077344A2 (en) | 2003-08-29 | 2005-08-25 | The Brigham And Women's Hospital, Inc. | Hydantoin derivatives as inhibitors of cellular necrosis |
WO2005055810A2 (en) | 2003-12-05 | 2005-06-23 | The Cleveland Clinic Foundation | Risk markers for cardiovascular disease |
CA2554716A1 (en) * | 2004-01-22 | 2005-08-04 | Nitromed, Inc. | Nitrosated and/or nitrosylated compounds, compositions and methods of use |
US7803838B2 (en) * | 2004-06-04 | 2010-09-28 | Forest Laboratories Holdings Limited | Compositions comprising nebivolol |
US8067464B2 (en) | 2004-10-04 | 2011-11-29 | Nitromed, Inc. | Compositions and methods using apocynin compounds and nitric oxide donors |
ES2439229T3 (es) | 2004-10-06 | 2014-01-22 | The Brigham And Women's Hospital, Inc. | Relevancia de niveles logrados de marcadores de inflamación sistémica tras el tratamiento |
JP2008520578A (ja) * | 2004-11-15 | 2008-06-19 | ニトロメッド インコーポレーティッド | 複素環式の酸化窒素供与体基を含む利尿化合物、組成物および使用方法 |
AU2006206249A1 (en) * | 2005-01-21 | 2006-07-27 | Nicox S.A. | Cardiovascular compounds comprising heterocyclic nitric oxide donor group compositions and methods of use |
EP1848424B1 (en) * | 2005-01-31 | 2017-04-05 | Mylan Laboratories, Inc | Pharmaceutical composition comprising hydroxylated nebivolol |
CA2597422A1 (en) * | 2005-02-16 | 2007-08-02 | Nitromed, Inc. | Organic nitric oxide donor salts of antimicrobial compounds, compositions and methods of use |
WO2006093864A1 (en) * | 2005-02-28 | 2006-09-08 | Nitromed, Inc. | Cardiovascular compounds comprising nitric oxide enhancing groups, compositions and methods of use |
EP1861093A2 (en) * | 2005-03-09 | 2007-12-05 | Nitromed, Inc. | Organic nitric oxide enhancing salts of angiotensin ii antagonists, compositions and methods of use |
EP1890691A2 (en) | 2005-05-31 | 2008-02-27 | Mylan Laboratories, Inc | Compositions comrising nebivolol |
WO2007016677A2 (en) | 2005-08-02 | 2007-02-08 | Nitromed, Inc. | Nitric oxide enhancing antimicrobial compounds, compositions and methods of use |
EP1942909A4 (en) * | 2005-10-04 | 2010-01-06 | Nitromed Inc | METHODS OF TREATING RESPIRATORY DISORDERS |
US8119358B2 (en) | 2005-10-11 | 2012-02-21 | Tethys Bioscience, Inc. | Diabetes-related biomarkers and methods of use thereof |
US7838023B2 (en) * | 2005-11-16 | 2010-11-23 | Nitromed, Inc. | Furoxan compounds, compositions and methods of use |
EP1968584A2 (en) * | 2005-12-20 | 2008-09-17 | Nitromed, Inc. | Nitric oxide enhancing glutamic acid compounds, compositions and methods of use |
EP1971340A2 (en) * | 2005-12-22 | 2008-09-24 | Nitromed, Inc. | Nitric oxide enhancing pyruvate compounds, compositions and methods of use |
EP2030025A2 (en) | 2006-06-07 | 2009-03-04 | Tethys Bioscience, Inc. | Markers associated with arteriovascular events and methods of use thereof |
US7897360B2 (en) * | 2006-12-15 | 2011-03-01 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Enzyme detection techniques |
WO2008131224A2 (en) | 2007-04-18 | 2008-10-30 | Tethys Bioscience, Inc. | Diabetes-related biomarkers and methods of use thereof |
US7828840B2 (en) * | 2007-11-15 | 2010-11-09 | Med Institute, Inc. | Medical devices and methods for local delivery of angiotensin II type 2 receptor antagonists |
GB2460915B (en) | 2008-06-16 | 2011-05-25 | Biovascular Inc | Controlled release compositions of agents that reduce circulating levels of platelets and methods therefor |
US20110190807A1 (en) | 2010-02-01 | 2011-08-04 | The Hospital For Sick Children | Remote ischemic conditioning for treatment and prevention of restenosis |
CA2795053A1 (en) | 2010-03-31 | 2011-10-06 | The Hospital For Sick Children | Use of remote ischemic conditioning to improve outcome after myocardial infarction |
TWI643845B (zh) | 2012-05-11 | 2018-12-11 | 重植治療公司 | 隱花色素調節劑之含咔唑磺醯胺類 |
CA2881563C (en) | 2012-08-01 | 2021-07-20 | Zahra TAVAKOLI | Free flowing, frozen compositions comprising a therapeutic agent |
US9725452B2 (en) | 2013-03-15 | 2017-08-08 | Presidents And Fellows Of Harvard College | Substituted indoles and pyrroles as RIP kinase inhibitors |
TWI690521B (zh) | 2014-04-07 | 2020-04-11 | 美商同步製藥公司 | 作為隱花色素調節劑之含有咔唑之醯胺類、胺基甲酸酯類及脲類 |
EP3537152B1 (en) * | 2016-10-21 | 2023-06-14 | Fujirebio Inc. | Immunoassay method for determining renin concentration |
CN107007849A (zh) * | 2017-06-19 | 2017-08-04 | 河北省人民医院 | 一种建立甲减性心功能不全大鼠动物模型的方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4376110A (en) * | 1980-08-04 | 1983-03-08 | Hybritech, Incorporated | Immunometric assays using monoclonal antibodies |
-
1985
- 1985-03-28 US US06/717,738 patent/US4780401A/en not_active Expired - Fee Related
- 1985-04-03 DK DK153385A patent/DK165326C/da not_active IP Right Cessation
- 1985-04-03 NO NO851384A patent/NO165556C/no unknown
- 1985-04-03 FI FI851334A patent/FI87933C/fi not_active IP Right Cessation
- 1985-04-03 EP EP85810152A patent/EP0158599B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1985-04-03 DE DE8585810152T patent/DE3580056D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1985-04-03 AT AT85810152T patent/ATE57392T1/de not_active IP Right Cessation
- 1985-04-04 CA CA000478371A patent/CA1277261C/en not_active Expired - Lifetime
- 1985-04-04 IE IE876/85A patent/IE57956B1/en not_active IP Right Cessation
- 1985-04-04 AU AU40886/85A patent/AU591870B2/en not_active Ceased
- 1985-04-04 ZA ZA852557A patent/ZA852557B/xx unknown
- 1985-04-08 ES ES542017A patent/ES8707295A1/es not_active Expired
- 1985-04-08 JP JP60072857A patent/JPH0669390B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1986
- 1986-08-14 ES ES557016A patent/ES8802254A1/es not_active Expired
-
1988
- 1988-06-23 JP JP63153660A patent/JPH0669371B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
CLIN AND EXPER.HYPER.THEORY AND PRACTICE=1983 * |
J.CLIN.ENDOCR.MET=1981 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US4780401A (en) | 1988-10-25 |
AU591870B2 (en) | 1989-12-21 |
ES8707295A1 (es) | 1987-07-16 |
CA1277261C (en) | 1990-12-04 |
FI87933C (fi) | 1993-03-10 |
NO851384L (no) | 1985-10-10 |
ATE57392T1 (de) | 1990-10-15 |
EP0158599A3 (en) | 1987-12-16 |
JPH0669390B2 (ja) | 1994-09-07 |
ZA852557B (en) | 1985-11-27 |
DK153385A (da) | 1985-10-10 |
FI87933B (fi) | 1992-11-30 |
NO165556C (no) | 1991-02-27 |
DK165326B (da) | 1992-11-09 |
JPS60231624A (ja) | 1985-11-18 |
ES542017A0 (es) | 1987-07-16 |
AU4088685A (en) | 1985-10-17 |
EP0158599B1 (de) | 1990-10-10 |
IE57956B1 (en) | 1993-05-19 |
DK165326C (da) | 1993-03-29 |
NO165556B (no) | 1990-11-19 |
DE3580056D1 (de) | 1990-11-15 |
IE850876L (en) | 1985-10-09 |
ES8802254A1 (es) | 1988-04-16 |
FI851334A0 (fi) | 1985-04-03 |
ES557016A0 (es) | 1988-04-16 |
EP0158599A2 (de) | 1985-10-16 |
FI851334L (fi) | 1985-10-10 |
JPS6485070A (en) | 1989-03-30 |
DK153385D0 (da) | 1985-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0669371B2 (ja) | ヒトーレニンに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマセルライン及びその製造方法 | |
JP2852918B2 (ja) | 免疫グロブリンeのためのリセプターに対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマセルライン | |
EP0323805B1 (en) | Novel antibodies | |
DE68924773T2 (de) | Monoklonale antikörper gegen den bereich der leichten kette von menschlichem faktor xii sowie methoden zu deren herstellung und verwendung. | |
JPH09294584A (ja) | ヒト腫瘍壊死因子に対するモノクロナール抗体 | |
JPH05184384A (ja) | hBNPのC端を認識するモノクロ−ナル抗体 | |
JPH0672158B2 (ja) | 精製されたヒトマクロファージ遊走阻止因子 | |
JPH058679B2 (ja) | ||
JPH0216997A (ja) | γ−ANPを認識するモノクローナル抗体 | |
WO1992011384A1 (en) | ANTIBODY AGAINST HUMAN PLASMIN-α2-PLASMIN INHIBITOR COMPLEX, HYBRIDOMA AND IMMUNOASSAY | |
JPH0977799A (ja) | ヒト−マクロファージ遊走阻止因子(ヒト−mif)に対するモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマ | |
JPH0753757B2 (ja) | モノクローナル抗体及びその使用方法 | |
JP3334904B2 (ja) | プラスミン−抗プラスミン複合体に対するモノクローナル抗体、その製造方法およびその使用 | |
JP2779193B2 (ja) | 抗ヒト組織因子モノクローナル抗体 | |
US5874228A (en) | Methods and kits for determining the levels of IGE-BF | |
JP3268147B2 (ja) | モノクローナル抗体 | |
JP2004091454A (ja) | 抗体及びその製造方法並びに抗体を用いた抗原の定量方法 | |
JPH04267888A (ja) | エンドセリンの定量法 | |
CA2056118A1 (en) | Monoclonal antibodies which bind mannose binding protein | |
JPH0794476B2 (ja) | 高度に精製され、高い比活性をもつエリスロポエチン |