JPH0669340B2 - 育児用調製粉乳の製造法 - Google Patents
育児用調製粉乳の製造法Info
- Publication number
- JPH0669340B2 JPH0669340B2 JP61018113A JP1811386A JPH0669340B2 JP H0669340 B2 JPH0669340 B2 JP H0669340B2 JP 61018113 A JP61018113 A JP 61018113A JP 1811386 A JP1811386 A JP 1811386A JP H0669340 B2 JPH0669340 B2 JP H0669340B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- green
- infant formula
- milk
- powder
- added
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Dairy Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は育児用調製粉乳の製造方法に関し、特に人工栄
養児に緑便を発生させる欠点のない育児用調製粉乳の製
造方法に関する。
養児に緑便を発生させる欠点のない育児用調製粉乳の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕 調製粉乳に代表される育児用調製乳は、母乳に代わる乳
児用人工栄養品として広く利用されている。この育児用
調製乳は、牛乳を母体としてこれに不足しがちな栄養素
を補給したり、過剰な成分を除去したりして母乳栄養に
できるだけ近づけることを目標として製造されている。
児用人工栄養品として広く利用されている。この育児用
調製乳は、牛乳を母体としてこれに不足しがちな栄養素
を補給したり、過剰な成分を除去したりして母乳栄養に
できるだけ近づけることを目標として製造されている。
すなわち育児用調製乳は (1)タンパク質量を全体として減量すると共に、タン
パク質中のカゼイン量を減量し、ホエータンパク質量を
増量して、カゼインとホエータンパク質の比率を人乳に
近似させる。
パク質中のカゼイン量を減量し、ホエータンパク質量を
増量して、カゼインとホエータンパク質の比率を人乳に
近似させる。
(2)リノール酸やリノレイン酸などの不飽和高級脂肪
酸量を増量し、低級脂肪酸量を減量する。
酸量を増量し、低級脂肪酸量を減量する。
(3)β−乳糖を主体とする糖質を添加する。
(4)灰分を減量しNa/K,Ca/P等の比率を調整する。
また乳児栄養上必須とされる鉄等の微量ミネラルを強化
する。
また乳児栄養上必須とされる鉄等の微量ミネラルを強化
する。
(5)各種ビタミン類を強化する。
等の方策が講じられる。
上記のように育児用調製乳は牛乳を主原料とし、乳児に
必要とされる栄養素、ビタミン、ミネラル等を添加し、
過剰な成分を除去して、母乳を目標として改善されてき
たものであるが、人工栄養児と母乳栄養児にみられる特
徴的な差としては便性のちがいがあげられる。
必要とされる栄養素、ビタミン、ミネラル等を添加し、
過剰な成分を除去して、母乳を目標として改善されてき
たものであるが、人工栄養児と母乳栄養児にみられる特
徴的な差としては便性のちがいがあげられる。
すなわち、健全な発育を示しているが、人工栄養児では
母乳栄養児に比べて緑便の発生率がかなり高いことが認
められる。
母乳栄養児に比べて緑便の発生率がかなり高いことが認
められる。
本願発明者らは、人工栄養児に頻度高く発生する緑便に
ついて鋭意研究を進めた結果、本願発明に到達したもの
である。
ついて鋭意研究を進めた結果、本願発明に到達したもの
である。
乳児の糞便色調は胆汁色素であるビリルビンにより黄色
を呈するのが普通であるが、乳児の糞便は時により緑色
を呈することがある。これはビリルビンの酸化によって
生ずる緑色色素ビリベルジンによるものと考えられてい
た。
を呈するのが普通であるが、乳児の糞便は時により緑色
を呈することがある。これはビリルビンの酸化によって
生ずる緑色色素ビリベルジンによるものと考えられてい
た。
しかし、第1表に示すように、発明者らは人工栄養児の
糞便について緑色物質の検討を行った結果、人工栄養児
の緑便からは緑色色素であるビリベルジンは検出されな
いことを確認した。
糞便について緑色物質の検討を行った結果、人工栄養児
の緑便からは緑色色素であるビリベルジンは検出されな
いことを確認した。
また、第2表に示すように人工栄養児の糞便はかなり還
元型となっているのが認められた。
元型となっているのが認められた。
すなわち人工栄養児の緑便は胆汁色素ビリルビンの酸化
物質であるビリベルジンの呈する緑色ではなく、他の物
質によるものと認められた。
物質であるビリベルジンの呈する緑色ではなく、他の物
質によるものと認められた。
一方、第3表に示したように人工栄養児の糞便中の鉄含
量は母乳栄養児に比べて圧倒的に多い。
量は母乳栄養児に比べて圧倒的に多い。
また人工栄養児の緑便をオルトフェナントロリン水溶液
で洗浄遠沈すると上澄液は橙赤色を呈し、残渣の緑色は
消失する。これから人工栄養児の緑便には鉄塩が大きく
関与していることが示唆された。
で洗浄遠沈すると上澄液は橙赤色を呈し、残渣の緑色は
消失する。これから人工栄養児の緑便には鉄塩が大きく
関与していることが示唆された。
そこで、当初、乳児に鉄塩として硫酸第一鉄6mg/100g
を強化した調製粉乳を飲用させたところ、緑便となった
が、次に前記鉄塩のみを強化せず、その他の成分は全く
同一の調製粉乳を乳児に飲用させたところ、緑便は解消
し、黄色便となった。さらに、それに引き続いてこの乳
児に前記鉄塩を強化した調製粉乳を再び飲用せしめたと
ころ、糞便の色調はまた緑色となるのが観察された(第
4表参照)。
を強化した調製粉乳を飲用させたところ、緑便となった
が、次に前記鉄塩のみを強化せず、その他の成分は全く
同一の調製粉乳を乳児に飲用させたところ、緑便は解消
し、黄色便となった。さらに、それに引き続いてこの乳
児に前記鉄塩を強化した調製粉乳を再び飲用せしめたと
ころ、糞便の色調はまた緑色となるのが観察された(第
4表参照)。
このように人工栄養児の緑色便には、強化している鉄塩
が関与していることを明らかとすることができた。
が関与していることを明らかとすることができた。
しかしながら人工栄養児の緑便発生頻度は母乳化を目標
として栄養素の強化、あるいは過剰成分の除去を行うに
つれて上昇してきたものであって、育児用調製粉乳に添
加される鉄含量は従来から変化していない。
として栄養素の強化、あるいは過剰成分の除去を行うに
つれて上昇してきたものであって、育児用調製粉乳に添
加される鉄含量は従来から変化していない。
このことは、人工栄養児の緑便発生に鉄塩は重要な関連
を有するが鉄塩のみで改善できるものでないことを示唆
する。
を有するが鉄塩のみで改善できるものでないことを示唆
する。
それで、全タンパク質中にあるホエーの割合、ホエーの
熱処理等が人工栄養児の緑便発生に及ぼす影響をしらべ
た。結果を第5表に示す。ホエー含量が増加し、ホエー
溶液に加える熱処理が苛酷となる程糞便の色調は緑色を
呈することがわかる。
熱処理等が人工栄養児の緑便発生に及ぼす影響をしらべ
た。結果を第5表に示す。ホエー含量が増加し、ホエー
溶液に加える熱処理が苛酷となる程糞便の色調は緑色を
呈することがわかる。
牛乳成分はその中のホエータンパク質含量が増大する
程、しかも熱処理が苛酷になる程、SH基に代表される硫
黄を含んだ還元物質が生産されるが、この還元物質は乳
成分中の可溶性鉄と反応して硫化鉄を生成するものと考
えられる。この現象は人工栄養児の緑便は塩酸酸性下で
発生させたガスが水で漏らした酢酸鉛紙を黒変すること
からも確認される。
程、しかも熱処理が苛酷になる程、SH基に代表される硫
黄を含んだ還元物質が生産されるが、この還元物質は乳
成分中の可溶性鉄と反応して硫化鉄を生成するものと考
えられる。この現象は人工栄養児の緑便は塩酸酸性下で
発生させたガスが水で漏らした酢酸鉛紙を黒変すること
からも確認される。
すなわち、人工栄養児の緑便は育児用調製乳中の可溶性
鉄塩と、強化したホエー成分とその加熱によって生じた
SH基に代表される硫黄を含んだ還元物質との反応で生じ
た硫化鉄が糞便中に混在するためであることが、本願発
明者らの長年の研究の結果、明らかになった。
鉄塩と、強化したホエー成分とその加熱によって生じた
SH基に代表される硫黄を含んだ還元物質との反応で生じ
た硫化鉄が糞便中に混在するためであることが、本願発
明者らの長年の研究の結果、明らかになった。
本願発明者らは、上記研究結果をもととして、育児用調
製乳の飲用による人工栄養児の緑便発生を抑制するため
に、強化する鉄塩の形態を変更すること、ホエー成分の
SH基に代表される硫黄を含んだ還元物質を生成し難くす
ること、とにつき検討し、次の画期的方法を案出し、本
願発明に到達したものである。
製乳の飲用による人工栄養児の緑便発生を抑制するため
に、強化する鉄塩の形態を変更すること、ホエー成分の
SH基に代表される硫黄を含んだ還元物質を生成し難くす
ること、とにつき検討し、次の画期的方法を案出し、本
願発明に到達したものである。
すなわち、育児用調製粉乳の製造にさいし、強化用鉄塩
としては、食品用のピロリン酸第一鉄又はピロリン酸第
二鉄を使用すること、ホエー成分の増強にさいしてはホ
エー成分の加熱に由来する含硫黄還元物質の生成を抑制
する方法としてホエー成分を含む粉乳原液にオルトリン
酸塩を添加して加熱処理を行うことである。この両方の
方法はそれぞれ単独に行っても人工栄養児の緑便抑制と
して効果をもたらすが、併用することによって著しい効
果をもたらす。
としては、食品用のピロリン酸第一鉄又はピロリン酸第
二鉄を使用すること、ホエー成分の増強にさいしてはホ
エー成分の加熱に由来する含硫黄還元物質の生成を抑制
する方法としてホエー成分を含む粉乳原液にオルトリン
酸塩を添加して加熱処理を行うことである。この両方の
方法はそれぞれ単独に行っても人工栄養児の緑便抑制と
して効果をもたらすが、併用することによって著しい効
果をもたらす。
オルトリン酸塩としては、水溶性のものであればいずれ
でもよく、従って、リン酸水素一ナトリウム、リン酸水
素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素一カ
リウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムを使
用し得る。
でもよく、従って、リン酸水素一ナトリウム、リン酸水
素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素一カ
リウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムを使
用し得る。
また、ホエー成分を含む粉乳原液に添加するオルトリン
酸塩のpHは実用的には、略中性に保つのが好ましい。
酸塩のpHは実用的には、略中性に保つのが好ましい。
第6表は食品用として利用される各種鉄塩をFeとして6m
g/100g強化した育児用調製粉乳を投与したときの乳児
の糞便色調をしらべたものである。このときの調製粉乳
の組成は第7表の通りであって、カゼインとホエータン
パク質の比率を母乳に近似させるために脱塩ホエー粉
(脱塩率90%)を用いてホエータンパク質の増量を行っ
たものである。
g/100g強化した育児用調製粉乳を投与したときの乳児
の糞便色調をしらべたものである。このときの調製粉乳
の組成は第7表の通りであって、カゼインとホエータン
パク質の比率を母乳に近似させるために脱塩ホエー粉
(脱塩率90%)を用いてホエータンパク質の増量を行っ
たものである。
強化する鉄塩がピロリン酸第一鉄又はピロリン酸第二鉄
のときには乳児の糞便の色調は黄緑色となり、緑便がや
や緩和される。
のときには乳児の糞便の色調は黄緑色となり、緑便がや
や緩和される。
次に脱塩ホエー粉の強化を行った調製粉乳の製造にさい
して、脱塩ホエー粉溶解液に添加したオルトリン酸塩量
と乳児糞便色調との関係を示したのが第8表ならびに第
9表である。
して、脱塩ホエー粉溶解液に添加したオルトリン酸塩量
と乳児糞便色調との関係を示したのが第8表ならびに第
9表である。
第8表は使用する鉄塩をピロリン酸第一鉄、またはピロ
リン酸第二鉄とし、製品中6mg/100gFeとなるように添
加したものである。
リン酸第二鉄とし、製品中6mg/100gFeとなるように添
加したものである。
第9表は使用する鉄塩を硫酸第一鉄又はクエン酸鉄と
し、製品中6mg/100gFeとなるように添加したものであ
る。いずれの場合も添加したオルトリン酸塩量は製品中
のPmg/100gで表示した。
し、製品中6mg/100gFeとなるように添加したものであ
る。いずれの場合も添加したオルトリン酸塩量は製品中
のPmg/100gで表示した。
脱塩ホエー又はホエータンパク濃縮物を強化した調製粉
乳の製造にさいして、ホエー成分を含む粉乳原液にオル
トリン酸塩を加え加熱殺菌して得た調製粉乳は、ホエー
成分を含む粉乳原液の加熱時にオルトリン酸塩を添加す
ることにより緑便発生が抑えられることが知られる。こ
の効果は鉄塩としてピロリン酸第一鉄又はピロリン酸第
二鉄を強化したもので効果が大きくその他の食品用鉄塩
では効果が小さかった。
乳の製造にさいして、ホエー成分を含む粉乳原液にオル
トリン酸塩を加え加熱殺菌して得た調製粉乳は、ホエー
成分を含む粉乳原液の加熱時にオルトリン酸塩を添加す
ることにより緑便発生が抑えられることが知られる。こ
の効果は鉄塩としてピロリン酸第一鉄又はピロリン酸第
二鉄を強化したもので効果が大きくその他の食品用鉄塩
では効果が小さかった。
以下実施例をのべれば次の通りである。
実施例1. 脱塩ホエー粉(脱塩率90%)28.4kgとホエータンパク濃
縮物粉末3.4kgとに温水180kgを加え撹拌溶解したのち、
全乳92.5kgと脱脂乳93.0kgを加え混合する。別に酸カゼ
イン1.08kgを温水10kgに懸濁し、炭酸カリウム36gを含
む水溶液を加えて80℃15分撹拌保持してカゼイン溶液を
作り、上記混合乳に合する。水酸化カルシウム226g、塩
化カルシウム182g、塩化マグネシウム110gを水に溶解し
て添加しクエン酸にてpHを6.7近傍に調整する。リン酸
水素一カリウム266gとリン酸水素二ナトリウム・12水塩
342gとを水約6lに溶解して添加混合し、清浄化する。乳
糖15.7kgを温水30kgに溶解して加え、130℃20秒殺菌す
る。脂溶性ビタミン類を添加した殺菌済の精製植物油2
1.8kgを加え混合均質化処理したのち固形分50.0%まで
濃縮する。濃縮乳にピロリン酸第一鉄溶液(Fe量0.80
%)を0.75kg加え、混合したのち噴霧乾燥する。得られ
た乾燥燥粉末9に対し、β−乳糖結晶を1の割合で粉末
混合し、さらに水溶性ビタミンを配合して育児用調製粉
乳を得る。この粉乳は乳児用として用いたとき、乳児の
糞便色調は黄色であって、緑色を呈することはなかっ
た。
縮物粉末3.4kgとに温水180kgを加え撹拌溶解したのち、
全乳92.5kgと脱脂乳93.0kgを加え混合する。別に酸カゼ
イン1.08kgを温水10kgに懸濁し、炭酸カリウム36gを含
む水溶液を加えて80℃15分撹拌保持してカゼイン溶液を
作り、上記混合乳に合する。水酸化カルシウム226g、塩
化カルシウム182g、塩化マグネシウム110gを水に溶解し
て添加しクエン酸にてpHを6.7近傍に調整する。リン酸
水素一カリウム266gとリン酸水素二ナトリウム・12水塩
342gとを水約6lに溶解して添加混合し、清浄化する。乳
糖15.7kgを温水30kgに溶解して加え、130℃20秒殺菌す
る。脂溶性ビタミン類を添加した殺菌済の精製植物油2
1.8kgを加え混合均質化処理したのち固形分50.0%まで
濃縮する。濃縮乳にピロリン酸第一鉄溶液(Fe量0.80
%)を0.75kg加え、混合したのち噴霧乾燥する。得られ
た乾燥燥粉末9に対し、β−乳糖結晶を1の割合で粉末
混合し、さらに水溶性ビタミンを配合して育児用調製粉
乳を得る。この粉乳は乳児用として用いたとき、乳児の
糞便色調は黄色であって、緑色を呈することはなかっ
た。
実施例2. 酸カゼイン4.6kgを温水46kgに懸濁分散させ、炭酸カリ
ウム198gを含む水溶液を加えて80℃10分撹拌保持してカ
ゼイン溶液を作る。これにホエータンパク濃縮物粉末8.
6kgを85kgの温水に分散溶解させた液、ならびに全乳92.
0kgを添加混合する。水酸化ナトリウム10%液110ml、水
酸化カルシウム340g、塩化ウルシウム365g、塩化マグネ
シウム85g、塩化ナトリウム28gを水に溶解して添加し、
クエン酸10%液でpHを6.7近傍に調整する。リン酸水素
二カリウム590gとリン酸水素一ナトリウム165gとを水7l
に溶解したものを加え、清浄化する。乳糖42kgを温水10
0kgに溶解して加え、130℃10秒殺菌する。脂溶性ビタミ
ン類を添加した殺菌済みの精製植物油脂22.0kgを加えて
混合し、均質化処理したのち、固形分52.0%まで濃縮す
る。濃縮乳にピロリン酸第二鉄溶液(Fe量0.90%)を0.
67kg加え混合し、噴霧乾繰する。得られた乾燥粉末9に
対し、β−乳糖結晶を0.5、可溶性澱粉分解物粉末を0.5
の割合に配合し、さらに水溶性ビタミン類を配合して育
児用調製粉乳を得る。この粉乳は乳児用として用いたと
き、乳児の糞便色調は黄色であって緑色を呈することは
なかった。
ウム198gを含む水溶液を加えて80℃10分撹拌保持してカ
ゼイン溶液を作る。これにホエータンパク濃縮物粉末8.
6kgを85kgの温水に分散溶解させた液、ならびに全乳92.
0kgを添加混合する。水酸化ナトリウム10%液110ml、水
酸化カルシウム340g、塩化ウルシウム365g、塩化マグネ
シウム85g、塩化ナトリウム28gを水に溶解して添加し、
クエン酸10%液でpHを6.7近傍に調整する。リン酸水素
二カリウム590gとリン酸水素一ナトリウム165gとを水7l
に溶解したものを加え、清浄化する。乳糖42kgを温水10
0kgに溶解して加え、130℃10秒殺菌する。脂溶性ビタミ
ン類を添加した殺菌済みの精製植物油脂22.0kgを加えて
混合し、均質化処理したのち、固形分52.0%まで濃縮す
る。濃縮乳にピロリン酸第二鉄溶液(Fe量0.90%)を0.
67kg加え混合し、噴霧乾繰する。得られた乾燥粉末9に
対し、β−乳糖結晶を0.5、可溶性澱粉分解物粉末を0.5
の割合に配合し、さらに水溶性ビタミン類を配合して育
児用調製粉乳を得る。この粉乳は乳児用として用いたと
き、乳児の糞便色調は黄色であって緑色を呈することは
なかった。
実施例3. 脱塩ホエー粉(脱塩率90%)28.0kgとホエータンパク濃
縮物粉末3.5kgとに温水200kgを加え撹拌溶解したのち、
全乳92.0kgと脱脂乳92.0kgを加え混合する。別に酸カゼ
イン1.1kgを温水10kgに懸濁し、炭酸カリウム37gを含む
水溶液を加えて80℃15分撹拌保持してカゼイン溶液を作
り、上記混合乳に合する。水酸化カルシウム226g、塩化
カルシウム182g、塩化マグネシウム110gを水に溶解して
添加し、クエン酸にてpHを6.7近傍に調整する。リン酸
水素一カリウム・一水塩200gとリン酸水素二カリウム25
5gとを水約6lに溶解して添加混合し、清浄化する。乳糖
15.8kgを温水30kgに溶解して加え、130℃20秒殺菌す
る。脂溶性ビタミン類を添加した殺菌済の精製植物油2
2.0kgを加え混合均質化処理し固形分50.0%まで濃縮し
たのち噴霧乾燥する。得られた乾燥粉末90kgにたいして
β−乳糖結晶10kg、ならびに結晶硫酸第一鉄の微粉砕粉
末29.9gを粉末混合し、さらに水溶性ビタミンを配合し
て育児用調製粉乳を得る。この粉乳は乳児用として用い
たとき、乳児の糞便色調は緑色を帯びた黄色であって、
緑色ということはなかった。
縮物粉末3.5kgとに温水200kgを加え撹拌溶解したのち、
全乳92.0kgと脱脂乳92.0kgを加え混合する。別に酸カゼ
イン1.1kgを温水10kgに懸濁し、炭酸カリウム37gを含む
水溶液を加えて80℃15分撹拌保持してカゼイン溶液を作
り、上記混合乳に合する。水酸化カルシウム226g、塩化
カルシウム182g、塩化マグネシウム110gを水に溶解して
添加し、クエン酸にてpHを6.7近傍に調整する。リン酸
水素一カリウム・一水塩200gとリン酸水素二カリウム25
5gとを水約6lに溶解して添加混合し、清浄化する。乳糖
15.8kgを温水30kgに溶解して加え、130℃20秒殺菌す
る。脂溶性ビタミン類を添加した殺菌済の精製植物油2
2.0kgを加え混合均質化処理し固形分50.0%まで濃縮し
たのち噴霧乾燥する。得られた乾燥粉末90kgにたいして
β−乳糖結晶10kg、ならびに結晶硫酸第一鉄の微粉砕粉
末29.9gを粉末混合し、さらに水溶性ビタミンを配合し
て育児用調製粉乳を得る。この粉乳は乳児用として用い
たとき、乳児の糞便色調は緑色を帯びた黄色であって、
緑色ということはなかった。
本発明によれば、育児用調製粉乳の製造に際して、オル
トリン酸塩をホエー成分を含む粉乳原液に添加した後加
熱殺菌することにより、育児用調製粉乳の人工栄養児に
緑便を発生させる欠点をかなり減少させることができ、
さらに、前記オルトリン酸塩の添加処理に併せて、ピロ
リン酸第一鉄又はピロリン酸第二鉄を強化鉄塩として添
加することにより、前記育児用調製粉乳の欠点をほぼ完
全に解消させることが可能となるものである。
トリン酸塩をホエー成分を含む粉乳原液に添加した後加
熱殺菌することにより、育児用調製粉乳の人工栄養児に
緑便を発生させる欠点をかなり減少させることができ、
さらに、前記オルトリン酸塩の添加処理に併せて、ピロ
リン酸第一鉄又はピロリン酸第二鉄を強化鉄塩として添
加することにより、前記育児用調製粉乳の欠点をほぼ完
全に解消させることが可能となるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】育児用調製粉乳の製造において、オルトリ
ン酸塩をホエー成分を含む粉乳原液に添加した後加熱殺
菌すること、ならびにピロリン酸第一鉄及び又はピロリ
ン酸第二鉄を強化鉄塩として添加すること、を特徴とす
る育児用調製粉乳の製造法 - 【請求項2】ホエー成分の溶解液に添加するオルトリン
酸塩のpHを略中性に保つことを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の育児用調製粉乳の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61018113A JPH0669340B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 育児用調製粉乳の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61018113A JPH0669340B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 育児用調製粉乳の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62179341A JPS62179341A (ja) | 1987-08-06 |
JPH0669340B2 true JPH0669340B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=11962558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61018113A Expired - Lifetime JPH0669340B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 育児用調製粉乳の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0669340B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH672230A5 (ja) * | 1987-10-15 | 1989-11-15 | Nestle Sa | |
JP3159931B2 (ja) * | 1997-02-14 | 2001-04-23 | 株式会社ヤクルト本社 | 鉄分を強化した発酵乳およびその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58216647A (ja) * | 1981-11-16 | 1983-12-16 | ウニオン・インドゥストリアル・イ・アグロ―ガナデラ・エス・ア(ウニアサ) | ヌクレオチド添加人工ミルクとその製造方法 |
-
1986
- 1986-01-31 JP JP61018113A patent/JPH0669340B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58216647A (ja) * | 1981-11-16 | 1983-12-16 | ウニオン・インドゥストリアル・イ・アグロ―ガナデラ・エス・ア(ウニアサ) | ヌクレオチド添加人工ミルクとその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62179341A (ja) | 1987-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0034034B1 (en) | Nutrient composition | |
RU2218800C2 (ru) | Обогащенный кальцием пищевой продукт и способ его получения | |
JP2006166927A (ja) | カルシウム複合体及びそれらで強化した食品 | |
EP0705539B1 (en) | A food for pregnant and lactating women | |
JP5449783B2 (ja) | ミネラル成分および/またはビタミン成分を含む希釈液および固体食品 | |
CA2645269C (en) | Calcium enrichment compositions method of production thereof and use | |
US4216237A (en) | Potassium-supplement composition | |
TW201735801A (zh) | 包含β-羥基-β-丁酸甲酯之營養產品 | |
CN110558388A (zh) | 一种老年人用的牦牛奶粉配方及其制备方法 | |
AU2013202190A1 (en) | Micronutrient Fortification Process and its Uses | |
US6051261A (en) | Staged juice fortification products | |
JPH0669340B2 (ja) | 育児用調製粉乳の製造法 | |
GB2080664A (en) | Potassium supplement composition comprising foodstuffs | |
JPH0335896B2 (ja) | ||
KR101863165B1 (ko) | 영양성분의 침전이 억제된 조제우유의 제조방법 | |
JP2001309757A (ja) | 即席麺用栄養補助食品及びそれを添付した即席麺 | |
JPH11504201A (ja) | 粉砕卵殻で強化した乳製品 | |
KR102388384B1 (ko) | 바나듐과 셀레늄이 포함된 사료를 이용한 장어 양식 방법 | |
JPWO2013115257A1 (ja) | 不溶性ミネラル強化乳入り飲料 | |
JPH0338253B2 (ja) | ||
JPS58216122A (ja) | ヒスチジン血症乳幼児用栄養調製物 | |
JP2921109B2 (ja) | 鉄強化液状栄養組成物及びその製造法 | |
JP2516794B2 (ja) | ビタミンd代謝産物を配合した育児用調製乳 | |
CN117137001A (zh) | 羊奶粉及其制备方法 | |
JPH10323171A (ja) | 植物胚芽エキスを含有する食品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |