JPH0669032A - 積層磁性薄膜およびそれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

積層磁性薄膜およびそれを用いた磁気ヘッド

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JPH0669032A
JPH0669032A JP21780192A JP21780192A JPH0669032A JP H0669032 A JPH0669032 A JP H0669032A JP 21780192 A JP21780192 A JP 21780192A JP 21780192 A JP21780192 A JP 21780192A JP H0669032 A JPH0669032 A JP H0669032A
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thin film
film
laminated
nitrogen
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JP21780192A
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Shoichi Takanabe
昌一 高鍋
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Mitsubishi Electric Corp
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 500℃前後の熱処理を施しても1Oe程度以
下の軟磁気特性を示し、飽和磁束密度が1T前後の磁気
特性を有する積層磁性薄膜および前記磁性薄膜を有する
磁気ヘッドをうる。 【構成】 Co系非晶質合金層と鉄を含みうる鉄のチッ
素化合物層との多層膜、前記多層膜を熱処理することを
特徴とする積層磁性薄膜の製法、前記製法によりえられ
た磁性薄膜および前記磁性薄膜を用いた磁気ヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば高周波帯域用
VTRなどの磁気ヘッドに用いられる積層磁性薄膜、そ
の製法、それを用いた磁気ヘッドおよび積層磁性薄膜の
製造に用いられる多層膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から磁気ヘッド材料として、Fe−
Al−Siを主成分とするセンダスト合金やCo−Zr
−Nbなどを成分とする非晶質合金、フェライト材料な
どが用いられている。しかし、近年になって情報の高密
度化に伴い記録媒体も従来に比べて高抗磁力を有するも
のに移行しつつあり、より高い飽和磁化Msを有する軟
磁性材料が要求されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フェライトは
飽和磁化Msが0.2〜0.6Tと小さく、センダスト合金
は、磁気ヘッドに適用可能な組成領域が狭いために、量
産に不向きである。一方、非晶質合金は、原理的に結晶
磁気異方性がなく、軟磁気特性は優れているものの、耐
熱性に劣り高温で結晶化し、特性が劣化するという問題
がある。
【0004】たとえば、ヘッドコア部を形成する軟磁性
薄膜は、高飽和磁束密度(1T以上)、高透磁率(2000
以上)が要求されるが、Co系非晶質合金のばあい飽和
磁束密度を大きくすると、それに反比例するように結晶
化温度は低くなる。実際に、前記Co系非晶質合金の飽
和磁束密度を0.7Tから0.8Tまであげたばあい、結晶化
温度は580℃から550℃まで下がる。非晶質合金のばあい
には、結晶化温度が550℃であっても500℃前後で熱処理
を施すと結晶化が進行する。
【0005】磁気コア部にCo系非晶質合金を用いた積
層膜ヘッドを製造する際には、基板とCo系非晶質合金
の接合を行う(磁気ヘッドギャップの溶着)ために500
℃前後でガラスモールドを施すばあいがあるが、このば
あい前記Co系非晶質合金が一部結晶化してしまい、磁
気特性が劣化するという問題がある。
【0006】前記問題に対し、Co系非晶質合金の結晶
化温度もしくは耐熱性を向上させるための試みとして、
イオンビームスパッタ装置により非晶質合金をチッ化す
る方法がある。しかし、イオンビームスパッタ法では、
成膜レートが低く、しかも装置のメンテナンスも大変で
あるため、磁気ヘッドのような大量生産には向かないと
いう問題がある。
【0007】また、耐熱性をあげる別の試みとして特公
昭63-312307号公報に開示されているように、たとえば
チッ素を含むガスを利用したRFスパッタ法により非晶
質合金の膜厚方向にチッ素を周期的に導入した組成変調
構造にすることにより軟磁性を損なうことなく熱安定性
に優れた特性の磁性膜をうるという方法がある。しか
し、この方法によれば、チッ素変調周期が数十Å程度と
小さく、そのために量産には適さないといった問題があ
る。
【0008】本発明は、前記のような問題を解消するた
めになされたもので、500℃以上の熱処理を施しても1
Oe以下の軟磁気特性を示し、飽和磁束密度が1T前後
と高く、高透磁率であり、Co系非晶質合金を有する積
層磁性薄膜および前記積層磁性薄膜を有する磁気ヘッド
をうることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多層膜は、Co
系非晶質合金層と鉄を含みうる鉄のチッ素化合物層とが
積層されてなるものである。
【0010】また、本発明の耐熱性の改善されたCo系
非晶質合金層を有する積層磁性薄膜の製法は、前記多層
膜に熱処理を施して、鉄を含みうる鉄のチッ素化合物か
らCo系非晶質合金層にチッ素を拡散させることを特徴
とするものである。
【0011】また、本発明による積層磁性薄膜は前記製
法により製造されてなる薄膜である。
【0012】さらに、本発明による磁気ヘッドは、磁性
薄膜の積層体で形成され、一端に磁気ギャップを有する
磁気コアと該磁気コアを周回するコイルとからなる磁気
ヘッドであって、前記磁性薄膜の積層体が前記積層磁性
薄膜で形成されてなることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の多層膜を用い、本発明の方法により作
製した積層磁性薄膜は、600℃で熱処理を施しても1O
e程度の軟磁気特性を示し、その結果、500℃前後のガ
ラスモールドの工程を有する磁気ヘッドにも適用が可能
になった。
【0014】
【実施例】本発明の積層磁性薄膜を作製するためには、
Co系非晶質合金層と鉄を含みうる鉄のチッ素化合物層
とを有する多層膜をまず形成する。
【0015】前記多層膜は、図1に示すようにたとえば
Siウエハー、ガラス基板などの基板1の上に鉄を含み
うる鉄のチッ素化合物層2とCo系非晶質合金層3が交
互に積層された多層膜である。
【0016】前記多層膜に用いられるCo系非晶質合金
としては、たとえばCoZrNb、CoTi、CoZr
Ta、CoMoBZr、CoVZr、CoMoSiZ
r、CoMoZr、CoMoVZrなどのCo系非晶質
合金があげられ、その組成としては、たとえば非晶質C
oZrNb合金のばあい、Co65〜93%(原子%、以下
同様)、Zr0〜20%、Nb0〜20%が好ましく、その
他の合金もCoを65〜93%含有するものが好ましい。
【0017】鉄のチッ素化合物としては、Fe4N、F
2N、Fe3Nなどがあげられる。鉄を含みうる鉄のチ
ッ素化合物層は、前記鉄のチッ素化合物の他、鉄原子が
存在してもよい。
【0018】前記化合物層中のチッ素含有量をコントロ
ールするため、前記鉄のチッ素化合物のうちの数種類を
混在させ、前記鉄のチッ素化合物の割合を変化させるこ
とによりその含有量を変化させる。前記化合物中のチッ
素含有量は、30%以上が好ましい。
【0019】前記多層膜中のCo系非晶質合金層の厚さ
は1000〜3000Åが好ましく、鉄を含みうる鉄のチッ素化
合物の層の厚さは50〜100Åが好ましい。最上層と最下
層は鉄を含みうる鉄のチッ素化合物層の方が好ましい。
【0020】前記熱処理前の多層膜の保磁力は2〜100
Oe、飽和磁束密度は0.9〜1.6Tが好ましい。
【0021】前記多層膜の形成は、たとえば以下のよう
な方法により行う。Co系非晶質合金の層は、たとえば
Ar中で前記合金の組成を有するターゲットを用いてR
Fスパッタ法により形成し、鉄を含みうる鉄のチッ素化
合物の層は、たとえばターゲットに純鉄を用いて、チッ
素を含有するアルゴン雰囲気中でRFスパッタ法により
形成する。この際、アルゴン中のチッ素含有量を変化さ
せることにより、形成された鉄を含みうる鉄のチッ素化
合物層のチッ素含有量を変化させることができる。
【0022】多層膜の積層は、鉄を含みうる鉄のチッ素
化合物層、Co系非晶質合金層の順に交互に積層してい
くことにより行う。
【0023】つぎに、前記多層膜を使用して、前記多層
膜に熱処理を施して、鉄を含みうる鉄のチッ素化合物層
からCo系非晶質合金層にチッ素を拡散させ、耐熱性の
改善されたCo系非晶質合金層を有する積層磁性薄膜を
うる。
【0024】熱処理は、チッ素をCo系非晶質合金層に
拡散させてチッ化を充分に行なうため、450℃以上の温
度領域で行うのが好ましく、熱処理時間は1〜2時間程
度が好ましい。
【0025】前記熱処理により、前記多層膜中の鉄を含
みうる鉄のチッ素化合物よりチッ素が放出され、Co系
非晶質合金層に拡散して、前記Co系非晶質合金層がチ
ッ化される。
【0026】チッ素供給層の条件として、熱処理を施し
た際、チッ素を放出しやすいチッ素化合物であることが
あげられる。本発明で用いる鉄原子のチッ化物は、チッ
素と鉄原子の結びつきが弱いために、前記の条件を満足
している。Al、Siなどのチッ化物は、チッ素との結
合が強いため、熱処理を施してもチッ素を放出しにくい
ため好ましくない。
【0027】前記熱処理によりえられた積層磁性薄膜
は、前記したように多層膜中でのチッ素の拡散により、
多層膜中のCo系非晶質合金層がチッ化されているが、
チッ化の程度についてはCo系非晶質合金層の外側(チ
ッ素化合物側)にいくほどチッ化の程度が高く、層の中
心に近くなるほどチッ化の程度が低い。
【0028】一方、チッ素を含有している鉄を含みうる
鉄のチッ素化合物の層は熱処理によってチッ素を放出す
るが、たとえば450℃の熱処理により20〜30%のチッ素
が放出され、また、600℃の熱処理では、90〜100%のチ
ッ素が放出される。
【0029】また、前記鉄のチッ素化合物であった層
は、600℃熱処理後はチッ素をほとんど含まない鉄系合
金(たとえばFeCo合金など)を形成する。
【0030】前記熱処理によりえられた積層磁性薄膜
は、たとえば450℃の熱処理で前記Co系非晶質合金層
中に0〜4%のチッ素が含有されるようになり、また、
600℃の熱処理では、その含有量は8〜9%となる。
【0031】前記積層磁性薄膜は、Co系非晶質磁性薄
膜としてCo77.3Zr5.2Nb17.5の組成(重量%)の
ものを使用したばあい、その保磁力は0〜2Oeとな
る。また、飽和磁束密度は0.8〜0.85T、比透磁率は異
方性磁界が3Oeのとき、約2500となる。
【0032】また、このような熱処理を施すことにより
えられた本発明の積層磁性薄膜は、550〜600℃程度の熱
処理を施してもその磁気特性は変化しない。したがっ
て、500℃前後で磁気ヘッドのギャップを溶着するため
にガラスモールドを施す工程を有する磁気ヘッドにも、
本発明の積層磁性薄膜を用いることができる。
【0033】つぎに、前記積層磁性薄膜を磁気コアとし
て用いた磁気ヘッドについて説明する。
【0034】本発明の磁気ヘッドは、磁性薄膜の積層体
で形成され、一端に磁気ギャップを有する磁気コアと、
該磁気コアを周回するコイルとからなる磁気ヘッドであ
って、前記磁性薄膜が前述した積層磁性薄膜で形成され
てなる。
【0035】前記磁気ヘッドの一例を示すと図2のよう
になる。
【0036】図2において、4はコイル、5はもれ磁束
を発生させて磁気記録を行い、磁気信号を再生する磁気
ギャップ、6は本発明の積層磁性薄膜からなる磁気コ
ア、7は基板である。
【0037】この磁気ヘッドでは、記録はコイル4に流
れる信号電流により発生する磁束が磁気コア6を流れ、
磁気ギャップ5での漏れ磁束で磁気記録媒体に信号を記
録する。また、再生は磁気記録媒体からの漏れ磁束を磁
気ギャップ5で拾い、磁気コア6を流れる磁束の変化を
電磁誘導によりコイル4に発生する電圧に変換する。
【0038】前記磁気ヘッドは、本発明でえられた積層
磁性薄膜を用いているため、情報を高密度で記録、再生
でき、たとえばCoZrNe磁性薄膜に比べて、磁気ヘ
ッド製造工程で適用可能な温度が、500℃から650℃前後
まで高くなる。
【0039】つぎに具体的な実施例について説明する。
【0040】[実施例1〜3]図1に示すようなCo系
非晶質合金層3(Co77.3Zr5.2Nb17.5)および鉄
を含みうる鉄のチッ素化合物(以下、FeNという)
層2の多層膜を作製した。
【0041】FeN膜の形成は、ターゲットに純鉄を
用い、アルゴン中にチッ素を10vol%含有する雰囲気中
でRFスパッタ法により行い、前記膜上に非晶質Co
75.6Zr8.3Nb16.1膜(以下、CoZrNb膜とい
う)を、ターゲットに前記組成を有する合金を用いてR
Fスパッタ法により形成した。FeN膜の膜厚は40
0Åであり、CoZrNb膜の膜厚は1000Åであっ
た。
【0042】以降、同様の方法で交互にFeN膜とC
oZrNb膜を形成して、全部で15層からなる多層膜を
作製した(実施例1)。
【0043】つぎに同様の方法でFeN膜の膜厚は40
0Åとし、CoZrNb膜はその厚さを1500Å(実施例
2)、2000Å(実施例3)と変化させた2種類の多層膜
を作製した。
【0044】[実施例4〜9および比較例1]FeN
膜を形成する際のアルゴン中のチッ素濃度を30vol%
(実施例4〜6)、50vol%(実施例7〜9)と変化さ
せた他は、実施例1〜3の方法と同様にそれぞれ前記の
FeN膜に対しCoZrNb膜の膜厚を1000Å、1500
Å、2000Åと変化させ、多層膜を作製した。
【0045】なお、比較のため純アルゴン雰囲気中でF
e膜(400Å)を形成し、CoZrNb膜の膜厚を実施
例1と同様に形成して多層膜を作製した(比較例1)。
【0046】前記多層膜中のFeN膜について、アル
ゴン中のチッ素濃度を変化させ、形成されたFeN
中のチッ素含有量をEPMAにより分析した。その結果
を、図3に示す。図3において、横軸はアルゴン中のチ
ッ素濃度、縦軸はFeN膜中のチッ素含有量を示す。
【0047】図3よりわかるように、FeN膜のチッ
素含有量はアルゴン中のチッ素濃度が高くなるにつれて
多くなり、チッ素濃度が50vol%のとき、FeN膜の
チッ素含有量は33原子%となる。
【0048】また、前記実施例および比較例で形成した
FeN膜およびFe膜の構造をX線回析分析により調
べた。その結果を図4に示す。図4は、アルゴン中のチ
ッ素濃度を0、10、30、50vol%としたときに形成されたF
eN膜のX線回折図であり、横軸は回折角(2θ)を示
し、縦軸は回折強度を示す。
【0049】図4よりわかるように、各チッ素濃度に対
するFeN膜の構造は、純アルゴン中(チッ素濃度0v
ol%)では、メインピークとしてα−Fe(110)が認め
られるが、チッ素濃度が高くなるにしたがってFe
4N、Fe2N−Fe3N(101)ピークにシフトしていく。
【0050】[実施例10]つぎに、実施例1〜9でえ
られた多層膜を450℃、550℃、600℃でそれぞれ1時間
熱処理した。
【0051】図5および図6は450℃、600℃でそれぞれ
熱処理する前および熱処理したのちにおけるFeN
からCoZrNb層へのチッ素拡散を示すオージェ電子
分光法によるプロファイルである。図5および図6にお
いて、左側の図は熱処理前、右側の図は熱処理後であ
る。また、横軸はスパッタリング時間であり、膜の深さ
に相当する。縦軸は各原子のオージェスペクトル強度を
示している(任意単位)。ただし、Zr原子について
は、膜内の量が少ないために測定を行っていない。最表
層はFeN層であるが、これはスパッタリング時間が
0〜数分のFeおよびN原子のスペクトルと対応してい
る。
【0052】450℃で熱処理したばあい、チッ素はCo
ZrNb層にある程度拡散していることがわかる。一
方、600℃で熱処理したばあい、CoZrNb層にチッ
素が充分に拡散していることがわかる。また、600℃で
熱処理したばあい、チッ素原子の層内の分布は、Nb原
子の分布ときわめて似ていることからチッ素とNbが化
合物を形成していることが推定される。
【0053】つぎに図7、8に550℃および600℃で1時
間熱処理したのち保磁力を測定した結果を示す。図7、
8において、横軸はFeN膜成膜時のアルゴン中のチ
ッ素濃度を示し、縦軸は保磁力を示す。また、図中、は
積層磁性薄膜中のCoZrNb膜の厚さが1000Åのも
の、□はCoZrNb膜の厚さが1500Åのもの、△はC
oZrNb膜の厚さが2000Åのものを示す。FeN
膜時のアルゴン中のチッ素濃度が0、10vol%のばあ
い、保磁力は100Oeをこえている。それに対してアル
ゴン中のチッ素濃度が30、50vol%のばあい、保磁力はと
もに1〜2Oe程度を示している。
【0054】この結果により、FeN膜を形成する
際、アルゴン中30vol%以上のチッ素を含有する雰囲気
中でスパッタを行い、膜中に20%以上のチッ素を含有す
る鉄をベースとしたチッ素化合物の膜を含有する多層膜
を作成し、前記多層膜を550℃〜600℃で熱処理してFe
膜中のチッ素を拡散させ、多層膜中のCoZrNb
層に4〜5原子%以上のチッ素を導入することにより、
えられた積層薄膜磁性層は1〜2Oe程度の難磁気特性
を示すことがわかる。また、熱処理温度が550℃〜600℃
と高いため、再度600℃前後で熱処理を行なってもその
磁気特性は変化しない。
【0055】また、飽和磁束密度は、膜厚が1〜2μm
のCoZrNb単層のばあい0.85Tであったが、実施例
1〜9の多層膜に熱処理を施すと、1.2〜1.3Tと大きく
なっている。
【0056】
【発明の効果】本発明の多層膜は、熱処理により積層磁
性薄膜をうるために好適な多層膜である。また、前記多
層膜を使用して熱処理を行う本発明の積層磁性薄膜の製
法により、軟磁気特性に優れ、高い飽和磁束密度と高透
磁率を有する積層磁性薄膜をうることができる。
【0057】さらに、前記磁性薄膜は、前記のような磁
気特性を有するため、情報を高密度で記録、再生できる
本発明の磁気ヘッドに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層膜を示す断面図である。
【図2】本発明の磁気ヘッドを示す断面図である。
【図3】本発明の多層膜のFeN膜中チッ素の含有量
と前記FeNx膜を作成する際のチッ素濃度の関係を示
すグラフである。
【図4】本発明の多層膜中のFeN膜のX線回析図で
ある。
【図5】本発明の積層磁性薄膜のオージェ分光法による
分析結果を示すグラフである。
【図6】本発明の積層磁性薄膜のオージェ分析法による
分析結果を示すグラフである。
【図7】本発明の積層磁性薄膜の保磁力をFeN膜形
成時のアルゴン中のチッ素濃度に対してプロットしたグ
ラフである。
【図8】本発明の積層磁性薄膜の保磁力をFeN膜形
成時のアルゴン中のチッ素濃度に対してプロットしたグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Co系非晶質合金層と鉄を含みうる鉄の
    チッ素化合物層とが積層されてなる多層膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層膜に熱処理を施し
    て、鉄を含みうる鉄のチッ素化合物からCo系非晶質合
    金層にチッ素を拡散させることを特徴とする耐熱性の改
    善されたCo系非晶質合金層を有する積層磁性薄膜の製
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の製法によりえられた積層
    磁性薄膜。
  4. 【請求項4】 磁性薄膜の積層体で形成され、一端に磁
    気ギャップを有する磁気コアと、該磁気コアを周回する
    コイルとからなる磁気ヘッドであって、前記磁性薄膜が
    請求項3記載の薄膜で形成されてなる磁気ヘッド。
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