JPH0668832B2 - 磁気記憶体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記憶体およびその製造方法Info
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- JPH0668832B2 JPH0668832B2 JP9263886A JP9263886A JPH0668832B2 JP H0668832 B2 JPH0668832 B2 JP H0668832B2 JP 9263886 A JP9263886 A JP 9263886A JP 9263886 A JP9263886 A JP 9263886A JP H0668832 B2 JPH0668832 B2 JP H0668832B2
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- coated
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- amorphous inorganic
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は磁気的記憶装置(磁気ディスク装置および磁
気ドラム装置等)に用いられる磁気記憶体およびその製
造方法に関するものである。
気ドラム装置等)に用いられる磁気記憶体およびその製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 一般に記録再生磁気ヘッド(以下ヘッドと呼ぶ)と磁気
記憶体とを主構成部とする磁気記憶装置の記録再生方法
には、大別して次のような二種類の方法がある。第一の
方法は、操作開始時にヘッドと磁気記憶体面との間に空
気層分の空間を作り、この状態で記録再生をする方法で
ある。この方法では、操作終了時に磁気記憶体の回転が
止まり、この時ヘッドと磁気記憶体面は操作開始時と同
様に接触摩擦状態にある。第二の方法は磁気記憶体に予
め所要の回転を与えておき、急激にヘッドを磁気記憶体
面上に押しつけることにより前記ヘッドと前記磁気記憶
体面との間に空気層分の空間を作り、この状態で記録再
生する方法である。このように第一の方法では操作開始
時および終了時にヘッドと磁気記憶体面は接触摩擦状態
にあり、第二の方法ではヘッドを磁気記憶体面に押しつ
ける際に接触摩擦状態にある。これらの接触摩擦状態に
おけるヘッドと磁気記憶体の間に生じる摩擦力は、ヘッ
ドおよび磁気記憶体を摩耗させついにはヘッドおよび金
属磁性薄膜媒体に傷を作ることがある。
記憶体とを主構成部とする磁気記憶装置の記録再生方法
には、大別して次のような二種類の方法がある。第一の
方法は、操作開始時にヘッドと磁気記憶体面との間に空
気層分の空間を作り、この状態で記録再生をする方法で
ある。この方法では、操作終了時に磁気記憶体の回転が
止まり、この時ヘッドと磁気記憶体面は操作開始時と同
様に接触摩擦状態にある。第二の方法は磁気記憶体に予
め所要の回転を与えておき、急激にヘッドを磁気記憶体
面上に押しつけることにより前記ヘッドと前記磁気記憶
体面との間に空気層分の空間を作り、この状態で記録再
生する方法である。このように第一の方法では操作開始
時および終了時にヘッドと磁気記憶体面は接触摩擦状態
にあり、第二の方法ではヘッドを磁気記憶体面に押しつ
ける際に接触摩擦状態にある。これらの接触摩擦状態に
おけるヘッドと磁気記憶体の間に生じる摩擦力は、ヘッ
ドおよび磁気記憶体を摩耗させついにはヘッドおよび金
属磁性薄膜媒体に傷を作ることがある。
また前記接触摩擦状態においてヘッドのわずかな姿勢の
変化がヘッドにかかる荷重を不均一にさせヘッドおよび
磁気記憶体表面に傷を作ることもある。
変化がヘッドにかかる荷重を不均一にさせヘッドおよび
磁気記憶体表面に傷を作ることもある。
また更に前記接触摩擦状態におけるヘッドと磁気記憶体
間に生じる摩擦力は、特に多くのヘッドを取りつけた場
合に大きなトルクを生じ磁気記憶体を回転させるモータ
ーに好ましからぬ負担をかける。
間に生じる摩擦力は、特に多くのヘッドを取りつけた場
合に大きなトルクを生じ磁気記憶体を回転させるモータ
ーに好ましからぬ負担をかける。
また記録再生中に突発的にヘッドが磁気記憶体に接触
し、ヘッドと磁気記憶体間に大きな摩擦力が働き、ヘッ
ドおよび磁気記憶体が破壊されることがしばしば起こ
る。
し、ヘッドと磁気記憶体間に大きな摩擦力が働き、ヘッ
ドおよび磁気記憶体が破壊されることがしばしば起こ
る。
この様なヘッドと磁気記憶体との接触摩擦力からヘッド
および磁気記憶体を保護するために磁気記憶体の表面に
保護被膜を被覆することが必要であり、又この保護被膜
は前記ヘッドと磁気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さ
く(すなわち摩擦力を小さく)することが要求される。
および磁気記憶体を保護するために磁気記憶体の表面に
保護被膜を被覆することが必要であり、又この保護被膜
は前記ヘッドと磁気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さ
く(すなわち摩擦力を小さく)することが要求される。
磁気記憶体の表面に潤滑層を設けることは上記接触摩擦
力を小さくするための一つの方法である。。上記潤滑層
はその下地体と十分に結合していなければならない。潤
滑層がその下地と十分に結合していないと、ヘッドと磁
気記憶体の接触摩擦により下地体から取り去られるかあ
るいはヘッドのまわりおよびヘッドと磁気記憶体の間に
毛管現象により多量に集まり、記録再生時のヘッドの浮
揚安定性に悪影響をおよぼす。
力を小さくするための一つの方法である。。上記潤滑層
はその下地体と十分に結合していなければならない。潤
滑層がその下地と十分に結合していないと、ヘッドと磁
気記憶体の接触摩擦により下地体から取り去られるかあ
るいはヘッドのまわりおよびヘッドと磁気記憶体の間に
毛管現象により多量に集まり、記録再生時のヘッドの浮
揚安定性に悪影響をおよぼす。
上記潤滑層のヘッドとの接触摩擦力を小さくする効果は
ヘッドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりに
くい非極性の分子層が介在することによりなされる。す
なわち潤滑層は磁気記憶体と結合する部分とヘッド面と
吸着しにくい非極性部分とに配合していることが望まし
い。
ヘッドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりに
くい非極性の分子層が介在することによりなされる。す
なわち潤滑層は磁気記憶体と結合する部分とヘッド面と
吸着しにくい非極性部分とに配合していることが望まし
い。
このような潤滑層としてシリコンオイル、フッ素油、フ
ロロシリコンなどのオイル類やオクテダシルトリクロロ
シラン、ヘキサメチルジシラザンなどのシランまたはシ
ラザン類が提案されている(特公昭55−40932号公
報)。
ロロシリコンなどのオイル類やオクテダシルトリクロロ
シラン、ヘキサメチルジシラザンなどのシランまたはシ
ラザン類が提案されている(特公昭55−40932号公
報)。
(発明が解決しようとする問題点) これらの潤滑層は、各々優れた特性を示すものの、オイ
ル類においては非晶質無機酸化物と化学結合する結合力
が十分でなく、シランまたはシラザン類においてはヘッ
ドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層の分子量が十分でない。このためオイル
類においては長期間の使用における潤滑剤の損失、シラ
ンまたはシラザン類においてはヘッドと磁気記憶体間に
生じる接触摩擦力を小さくする効果が完全でないという
問題があった。
ル類においては非晶質無機酸化物と化学結合する結合力
が十分でなく、シランまたはシラザン類においてはヘッ
ドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層の分子量が十分でない。このためオイル
類においては長期間の使用における潤滑剤の損失、シラ
ンまたはシラザン類においてはヘッドと磁気記憶体間に
生じる接触摩擦力を小さくする効果が完全でないという
問題があった。
本発明の目的はこの問題点を解決した磁気記憶体および
その製造方法を提供することにある。
その製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) この発明の要旨とするところは、アルコキシシリル基ま
たはクロロシリル基とイソシアネート基を有する物質を
単分子層として酸化物層を被覆した磁気記憶体の上に形
成した後、分子内にイソシアネート基と化学結合する官
能基をもつフッ素油分子を形成することである。すなわ
ち、アルコキシシリル基またはクロロシリル基とイソシ
アネート基を有する物質の単分子層を酸化物層とフッ素
油分子を強固に結びつけるバインダーとして使用し、さ
らに分子量の大きなフッ素油分子を使用することで、ヘ
ッドと下地体との界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層を十分に介在させ、潤滑層とヘッドとの
接触摩擦力を小さくすることである。このバインダーと
してアルコキシシリル基またはクロロシリル基とイソシ
アネート基を有する物質を使用することおよびイソシア
ネート基と化学結合する水酸基(−CH)を有するフッ素
油分子を用いることが重要な点である。
たはクロロシリル基とイソシアネート基を有する物質を
単分子層として酸化物層を被覆した磁気記憶体の上に形
成した後、分子内にイソシアネート基と化学結合する官
能基をもつフッ素油分子を形成することである。すなわ
ち、アルコキシシリル基またはクロロシリル基とイソシ
アネート基を有する物質の単分子層を酸化物層とフッ素
油分子を強固に結びつけるバインダーとして使用し、さ
らに分子量の大きなフッ素油分子を使用することで、ヘ
ッドと下地体との界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層を十分に介在させ、潤滑層とヘッドとの
接触摩擦力を小さくすることである。このバインダーと
してアルコキシシリル基またはクロロシリル基とイソシ
アネート基を有する物質を使用することおよびイソシア
ネート基と化学結合する水酸基(−CH)を有するフッ素
油分子を用いることが重要な点である。
(作用) 非晶質無機酸化物はポリ珪酸あるいはSiO2、ガラス、ア
ルミナなどのスパッタ膜等を用いる。アルコキシシリル
基またはクロロシリル基は反応性に富み、この非晶質無
機酸化物の表面に存在するシラノール基(Si−OH)や水
酸基(−OH)と化学結合し、非晶質無機酸化物と強固に
結びついた単分子層はイソシアネート基が基板と反対側
を向いて並んでいるため水酸基を有するフッ素油分子と
化学結合をつくることができ、非晶質無機酸化物とフッ
素分子を強固に結びつけるバインダーの役割りを果たす
ことができる。一方、フッ素油分子は表面エネルギーを
低下させ、優れた潤滑効果を示す。したがって、一般式 または (X,Y,Zのうち少なくとも一つはアルコキシル基、また
は塩素、他はアルキル基) で表わされる物質の単分子層と分子内に少なくとも1つ
の水酸基を含むフッ素油を用いれば下地体と強固に結合
した優れた潤滑剤が得られる。このフッ素油分子として
はフッ素を含む高分子物であればどんな物でも可能であ
るが、潤滑剤としての性能を考慮すると水酸基を含むフ
ッ素化カーボン系重合体が良く、特に、一般式 などで表わされる重合体を用いると優れた潤滑剤が得ら
れる。また、このままでも下地体と重合体は単分子層を
介して強固に結合するが、非晶質無機酸化物を形成した
後、プラズマ中で処理してから、単分子膜を形成し、重
合体を形成すれば、表面のクリーニングが完全になるこ
と、および、イオンの打ち込みによりアルコキシシリル
基またはクロロシリル基と化学結合するラジカルが生成
することなどの理由で下地体と重合体との結合はさらに
強固になる。
ルミナなどのスパッタ膜等を用いる。アルコキシシリル
基またはクロロシリル基は反応性に富み、この非晶質無
機酸化物の表面に存在するシラノール基(Si−OH)や水
酸基(−OH)と化学結合し、非晶質無機酸化物と強固に
結びついた単分子層はイソシアネート基が基板と反対側
を向いて並んでいるため水酸基を有するフッ素油分子と
化学結合をつくることができ、非晶質無機酸化物とフッ
素分子を強固に結びつけるバインダーの役割りを果たす
ことができる。一方、フッ素油分子は表面エネルギーを
低下させ、優れた潤滑効果を示す。したがって、一般式 または (X,Y,Zのうち少なくとも一つはアルコキシル基、また
は塩素、他はアルキル基) で表わされる物質の単分子層と分子内に少なくとも1つ
の水酸基を含むフッ素油を用いれば下地体と強固に結合
した優れた潤滑剤が得られる。このフッ素油分子として
はフッ素を含む高分子物であればどんな物でも可能であ
るが、潤滑剤としての性能を考慮すると水酸基を含むフ
ッ素化カーボン系重合体が良く、特に、一般式 などで表わされる重合体を用いると優れた潤滑剤が得ら
れる。また、このままでも下地体と重合体は単分子層を
介して強固に結合するが、非晶質無機酸化物を形成した
後、プラズマ中で処理してから、単分子膜を形成し、重
合体を形成すれば、表面のクリーニングが完全になるこ
と、および、イオンの打ち込みによりアルコキシシリル
基またはクロロシリル基と化学結合するラジカルが生成
することなどの理由で下地体と重合体との結合はさらに
強固になる。
更に、記録および再生にとってはスペーシング(記録お
よび再生時におけるヘッドと磁気記憶体の間隔)は小さ
い方が有利である。このため潤滑層の膜厚はできる限り
薄い方が望ましいが、この単分子膜と重合体は非常に薄
い潤滑層を形成することが可能である。非晶質無機酸化
物の上に単分子層を形成しその上に重合体を形成した
後、化学反応を起こし、単分子層と重合体とを結合させ
た後、フレオン洗浄することにより単分子層と結合して
いない余分の潤滑剤がとりさられ、非常に薄い潤滑層が
形成される。ここで単分子層と重合体の化学反応は重合
体を塗布等で形成した後、自然に進行するが、焼成すれ
ば短時間ですむ。
よび再生時におけるヘッドと磁気記憶体の間隔)は小さ
い方が有利である。このため潤滑層の膜厚はできる限り
薄い方が望ましいが、この単分子膜と重合体は非常に薄
い潤滑層を形成することが可能である。非晶質無機酸化
物の上に単分子層を形成しその上に重合体を形成した
後、化学反応を起こし、単分子層と重合体とを結合させ
た後、フレオン洗浄することにより単分子層と結合して
いない余分の潤滑剤がとりさられ、非常に薄い潤滑層が
形成される。ここで単分子層と重合体の化学反応は重合
体を塗布等で形成した後、自然に進行するが、焼成すれ
ば短時間ですむ。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1) 第1図は、この発明の磁気記憶体の構成を示す断面図で
ある。図面において本発明の磁気記憶体は、合金円盤1
上に非磁性合金層2が被覆され、この被膜の研磨面上に
金属磁性薄膜媒体3が被覆されており、さらにこの上に
非晶質無機酸化物4が被覆され、さらにこの上に潤滑剤
5が被覆されている。
ある。図面において本発明の磁気記憶体は、合金円盤1
上に非磁性合金層2が被覆され、この被膜の研磨面上に
金属磁性薄膜媒体3が被覆されており、さらにこの上に
非晶質無機酸化物4が被覆され、さらにこの上に潤滑剤
5が被覆されている。
本実施例では合金円盤1として旋盤加工および熱矯正に
よって十分小さなうねり(円周方向および半径方向でと
もに50μm以下)をもった面に仕上げられたディスク状
アルミニウム合金基盤上に非磁性合金層2としてニッケ
ル−燐(Ni−P)合金を約50μmの厚さにメッキし、こ
のNi−Pメッキ膜を機械的研磨により表面粗さ0.04μm
以下、厚さ約30μmまで鏡面仕上げしたのち、その上に
金属磁性薄膜媒体3としてコバルト−ニッケル−燐(Co
−Ni−P)合金を約0.05μmの厚さにメッキした。さら
にこのCo−Ni−P合金膜の上に、下に示した組成の溶液
を十分に混合し、ごみまたは析出したSiO2を濾過膜を通
して取り除いた後、回転塗布法により塗布した。
よって十分小さなうねり(円周方向および半径方向でと
もに50μm以下)をもった面に仕上げられたディスク状
アルミニウム合金基盤上に非磁性合金層2としてニッケ
ル−燐(Ni−P)合金を約50μmの厚さにメッキし、こ
のNi−Pメッキ膜を機械的研磨により表面粗さ0.04μm
以下、厚さ約30μmまで鏡面仕上げしたのち、その上に
金属磁性薄膜媒体3としてコバルト−ニッケル−燐(Co
−Ni−P)合金を約0.05μmの厚さにメッキした。さら
にこのCo−Ni−P合金膜の上に、下に示した組成の溶液
を十分に混合し、ごみまたは析出したSiO2を濾過膜を通
して取り除いた後、回転塗布法により塗布した。
テトラヒドロキシシラン11%エチルアルコール溶液 :20
重量% n−ブチルアルコール :80重量% その後このディスク基盤を300℃の温度で1時間焼成しC
o−Ni−P合金膜の上にポリ珪酸の被膜を形成した。こ
の基板を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン[O=C=N(CH2)3Si(OC2H5)3]の蒸気中に室
温で1時間保持し、単分子膜を形成した。分子量約3000
のHO−CH2−CF2−(C2F4)p−(CF2O)q−CF2−CH2−
OH(p:q=1:1)をフロリナートに溶解し0.1重量%の溶
液を作成し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。
この溶液を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ランの単分子層を形成した前記ディスク基板に2500回/
分の回転速度で回転塗布し、100℃の温度で30分間焼成
を行なった。
重量% n−ブチルアルコール :80重量% その後このディスク基盤を300℃の温度で1時間焼成しC
o−Ni−P合金膜の上にポリ珪酸の被膜を形成した。こ
の基板を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン[O=C=N(CH2)3Si(OC2H5)3]の蒸気中に室
温で1時間保持し、単分子膜を形成した。分子量約3000
のHO−CH2−CF2−(C2F4)p−(CF2O)q−CF2−CH2−
OH(p:q=1:1)をフロリナートに溶解し0.1重量%の溶
液を作成し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。
この溶液を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシ
ランの単分子層を形成した前記ディスク基板に2500回/
分の回転速度で回転塗布し、100℃の温度で30分間焼成
を行なった。
重合体を塗布する前後の基板表面の表面エネルギーを種
々の表面張力をもつ液滴の接触角を測定し計算するとポ
リ珪酸被膜上43erg/cm2から重合体塗布では25erg/cm2
と表面エネルギーが低下しヘッドと下地体との接着を防
止する効果が大きいことがわかった。
々の表面張力をもつ液滴の接触角を測定し計算するとポ
リ珪酸被膜上43erg/cm2から重合体塗布では25erg/cm2
と表面エネルギーが低下しヘッドと下地体との接着を防
止する効果が大きいことがわかった。
次に、このディスク基板とヘッドとの間に働く動摩擦係
数を測定した。動摩擦係数はヘッドに歪ゲージを連結
し、ディスクを一定速度で回転させたときに生じるヘッ
ドとディスク間の動摩擦力を測定し、これをヘッドに加
えた荷重で割ってもとめた。測定は荷重15g重、滑り速
度100mm/minの条件で行なった。その結果、動摩擦係数
の値として0.25が得られ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ
動摩擦係数の値を小さくすることができた。
数を測定した。動摩擦係数はヘッドに歪ゲージを連結
し、ディスクを一定速度で回転させたときに生じるヘッ
ドとディスク間の動摩擦力を測定し、これをヘッドに加
えた荷重で割ってもとめた。測定は荷重15g重、滑り速
度100mm/minの条件で行なった。その結果、動摩擦係数
の値として0.25が得られ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ
動摩擦係数の値を小さくすることができた。
また、この重合体を塗布したディスク基板と荷重70g重
のモノリシックヘッドを用いてディスクとヘッドの接触
摩擦試験を30000回繰り返し行なったが、ヘッドクラッ
シュおよびヘッドによる接触摩擦によるディスク表面状
態の変化は皆無であった。
のモノリシックヘッドを用いてディスクとヘッドの接触
摩擦試験を30000回繰り返し行なったが、ヘッドクラッ
シュおよびヘッドによる接触摩擦によるディスク表面状
態の変化は皆無であった。
(実施例2) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000のHO−CH2−CF2−(C2F4O)p
−(CF2O)q−CF2−CH2−OH(p:q=3:2)をフレオンに
溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2μmのフィルター
を通してろ過した。3−イソシアネートプロピルトリエ
トキシシランの単分子層を形成した前記ディスク基板に
この重合体を2500回/分の回転速度で回転塗布し100℃
の温度で30分間焼成した後フレオンで余分な重合体を洗
い落とした。実施例1と同様の方法で表面エネルギーと
動摩擦係数の値を求めた。その結果、重合体を塗布する
ことにより表面エネルギーの値はポリ珪酸被膜上43erg
/cm2から20erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.61
から0.22に小さくすることができた。
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000のHO−CH2−CF2−(C2F4O)p
−(CF2O)q−CF2−CH2−OH(p:q=3:2)をフレオンに
溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2μmのフィルター
を通してろ過した。3−イソシアネートプロピルトリエ
トキシシランの単分子層を形成した前記ディスク基板に
この重合体を2500回/分の回転速度で回転塗布し100℃
の温度で30分間焼成した後フレオンで余分な重合体を洗
い落とした。実施例1と同様の方法で表面エネルギーと
動摩擦係数の値を求めた。その結果、重合体を塗布する
ことにより表面エネルギーの値はポリ珪酸被膜上43erg
/cm2から20erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.61
から0.22に小さくすることができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、30000回
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
(実施例3) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約2000の をフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2
μmのフィルターを通してろ過した。3−イソシアネー
トプロピルトリエトキシシランの単分子層を形成した前
記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回転速度で
回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した後フレオンで
余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様の方法で
表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、
重合体を塗布することにより表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上43erg/cm2から24erg/cm2に低下し、動摩擦
係数の値は0.61から0.25に小さくすることができた。
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約2000の をフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2
μmのフィルターを通してろ過した。3−イソシアネー
トプロピルトリエトキシシランの単分子層を形成した前
記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回転速度で
回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した後フレオンで
余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様の方法で
表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、
重合体を塗布することにより表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上43erg/cm2から24erg/cm2に低下し、動摩擦
係数の値は0.61から0.25に小さくすることができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、30000回
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
(実施例4) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000の をフロリナートを溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2
μmのフィルターを通してろ過した。3−イソシアネー
トプロピルトリエトキシシランの単分子層を形成した前
記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回転速度で
回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した後フレオンで
余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様の方法で
表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、
重合体を塗布することにより表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上43erg/cm2から22erg/cm2に低下し、動摩擦
係数の値は0.61から0.24に小さくすることができた。
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000の をフロリナートを溶解し0.1重量%の溶液を作成し、0.2
μmのフィルターを通してろ過した。3−イソシアネー
トプロピルトリエトキシシランの単分子層を形成した前
記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回転速度で
回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した後フレオンで
余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様の方法で
表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、
重合体を塗布することにより表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上43erg/cm2から22erg/cm2に低下し、動摩擦
係数の値は0.61から0.24に小さくすることができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、30000回
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
(実施例5) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約2000のF3C−(C3F6O)p−CF2−CH2
−OHをフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を作成
し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。3−イソ
シアネートプロピルトリエトキシシランの単分子層を形
成した前記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回
転速度で回転塗布し100℃の温度で2時間焼成した後フ
レオンで余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様
の方法で表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。そ
の結果、重合体を塗布することにより表面エネルギーの
値はポリ珪酸被膜上43erg/cm2から27erg/cm2に低下
し、動摩擦係数の値は0.61から0.26に小さくすることが
できた。
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約2000のF3C−(C3F6O)p−CF2−CH2
−OHをフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を作成
し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。3−イソ
シアネートプロピルトリエトキシシランの単分子層を形
成した前記ディスク基板にこの重合体を2500回/分の回
転速度で回転塗布し100℃の温度で2時間焼成した後フ
レオンで余分な重合体を洗い落とした。実施例1と同様
の方法で表面エネルギーと動摩擦係数の値を求めた。そ
の結果、重合体を塗布することにより表面エネルギーの
値はポリ珪酸被膜上43erg/cm2から27erg/cm2に低下
し、動摩擦係数の値は0.61から0.26に小さくすることが
できた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、30000回
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
(実施例6) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000HO−CH2−CF2−(C3F6O)p−C
F2−CH2−OHをフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を
作成し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。3−
イソシアネートプロピルトリエトキシシランの単分子層
を形成した前記ディスク基板にこの重合体を2500回/分
の回転速度で回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した
後フレオンで余分な重合体を洗い落とした。実施例1と
同様の方法で表面エネルギーと動摩擦係数の値を求め
た。その結果、重合体を塗布することにより表面エネル
ギーの値はポリ珪酸被膜上43erg/cm2から21erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値は0.61から0.20に小さくするこ
とができた。
たディスク基板を3−イソシアネートプロピルトリエト
キシシランの蒸気中に室温で1時間保持し、単分子層を
形成した。分子量約3000HO−CH2−CF2−(C3F6O)p−C
F2−CH2−OHをフロリナートに溶解し0.1重量%の溶液を
作成し、0.2μmのフィルターを通してろ過した。3−
イソシアネートプロピルトリエトキシシランの単分子層
を形成した前記ディスク基板にこの重合体を2500回/分
の回転速度で回転塗布し100℃の温度で1時間焼成した
後フレオンで余分な重合体を洗い落とした。実施例1と
同様の方法で表面エネルギーと動摩擦係数の値を求め
た。その結果、重合体を塗布することにより表面エネル
ギーの値はポリ珪酸被膜上43erg/cm2から21erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値は0.61から0.20に小さくするこ
とができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、30000回
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
の接触摩擦試験によるディスク表面状態の変化は皆無で
あった。
(実施例7) 実施例1と同様の方法で作成したディスク基板のCo−Ni
−P合金報の上にポリ珪酸被膜のかわりにAl2O3(非晶
質アルミナ)をスパッタ法により被覆した。このディス
ク基板を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ンの蒸気中に室温で1時間焼成し単分子層を形成した。
実施例1で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布
し100℃の温度で40分間焼成した後、実施例1と同様の
方法で表面エネルギー、動摩擦係数の値を求めた。その
結果、表面エネルギーは非晶質アルミナ上の45erg/cm2
から重合体22erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.30
から0.21に小さくすることができた。
−P合金報の上にポリ珪酸被膜のかわりにAl2O3(非晶
質アルミナ)をスパッタ法により被覆した。このディス
ク基板を3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ンの蒸気中に室温で1時間焼成し単分子層を形成した。
実施例1で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布
し100℃の温度で40分間焼成した後、実施例1と同様の
方法で表面エネルギー、動摩擦係数の値を求めた。その
結果、表面エネルギーは非晶質アルミナ上の45erg/cm2
から重合体22erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.30
から0.21に小さくすることができた。
また実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によるデ
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例8) 実施例1〜7で使用した3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランを3−イソシアネートプロピルジメチ
ルクロルシラン[O=C=N(CH2)3SiCl(CH3)2]
にかえ、また単分子層の作成条件を室温で2時間蒸気中
に保持することにかえ、他の条件は全く実施例1と同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体26erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.23が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
リエトキシシランを3−イソシアネートプロピルジメチ
ルクロルシラン[O=C=N(CH2)3SiCl(CH3)2]
にかえ、また単分子層の作成条件を室温で2時間蒸気中
に保持することにかえ、他の条件は全く実施例1と同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体26erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.23が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
また実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によるデ
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例9) 実施例1〜7で使用した3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランを3−イソシアネートプロピルジメチ
ルクロルシラン[O=C=N(CH2)3SiCl(CH3)2]
にかえ、また単分子層の作成条件を室温で2時間蒸気中
に保持することにかえ、他の条件は全く実施例3と同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体25erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.24が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
リエトキシシランを3−イソシアネートプロピルジメチ
ルクロルシラン[O=C=N(CH2)3SiCl(CH3)2]
にかえ、また単分子層の作成条件を室温で2時間蒸気中
に保持することにかえ、他の条件は全く実施例3と同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体25erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.24が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
また実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によるデ
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例10) 実施例1〜7で使用した3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランをp−イソシアネートフェニルトリメ
トキシシラン にかえ、この化合物の蒸気中に基板を室温で保持する時
間のみ3時間とし、他の条件は実施例1と全く同様にし
て実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポ
リ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体上の26erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.27が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
リエトキシシランをp−イソシアネートフェニルトリメ
トキシシラン にかえ、この化合物の蒸気中に基板を室温で保持する時
間のみ3時間とし、他の条件は実施例1と全く同様にし
て実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポ
リ珪酸被膜上の43erg/cm2から重合体上の26erg/cm2に
低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.27が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
また実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によるデ
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例11) 実施例1と同様にして3−イソシアネートプロピルトリ
エトキシシランを3−イソシアネートプロピルメチルジ
エトキシシラン[O=C=N(CH2)3Si(OC2H5)2C
H3]にかえ、この化合物蒸気中に基板を室温で保持する
時間のみ3時間とし、他の条件は全く同様にして実験を
行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ珪酸被
膜上の43erg/cm2から重合体上の27erg/cm2に低下し、
動摩擦係数の値として重合体塗布後0.27が得られ、ポリ
珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることができた。
エトキシシランを3−イソシアネートプロピルメチルジ
エトキシシラン[O=C=N(CH2)3Si(OC2H5)2C
H3]にかえ、この化合物蒸気中に基板を室温で保持する
時間のみ3時間とし、他の条件は全く同様にして実験を
行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ珪酸被
膜上の43erg/cm2から重合体上の27erg/cm2に低下し、
動摩擦係数の値として重合体塗布後0.27が得られ、ポリ
珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることができた。
また実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によるデ
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
ィスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例12) 実施例1と同様の方法で作成し、ポリ珪酸被膜を形成し
たディスク基板を平行平板型のエッチング装置に入れ、
Arを用いて、流量18sccm、電力密度0.35W/cm2、圧力1.
3Pa、バイアス電位1KVの条件で2分間エッチングを行な
った後、実施例1と同様に3−イソシアネートプロピル
トリエトキシシランの蒸気中で1時間保持し、単分子層
を形成した。このディスク基板に実施例1で作成した重
合体溶液を2500回/分で回転塗布し、100℃で40分間焼
成した後フレオンで余分の重合体を洗い落とし、実施例
1と同様の方法で表面エネルギー、動摩擦係数の値を求
めた。その結果、表面エネルギーはポリ珪酸上の50erg
/cm2から重合体上の21erg/cm2に低下し、動摩擦係数
の値は0.61から重合体上の0.21に小さくすることができ
た。
たディスク基板を平行平板型のエッチング装置に入れ、
Arを用いて、流量18sccm、電力密度0.35W/cm2、圧力1.
3Pa、バイアス電位1KVの条件で2分間エッチングを行な
った後、実施例1と同様に3−イソシアネートプロピル
トリエトキシシランの蒸気中で1時間保持し、単分子層
を形成した。このディスク基板に実施例1で作成した重
合体溶液を2500回/分で回転塗布し、100℃で40分間焼
成した後フレオンで余分の重合体を洗い落とし、実施例
1と同様の方法で表面エネルギー、動摩擦係数の値を求
めた。その結果、表面エネルギーはポリ珪酸上の50erg
/cm2から重合体上の21erg/cm2に低下し、動摩擦係数
の値は0.61から重合体上の0.21に小さくすることができ
た。
なお、実施例1で作成したポリ珪酸の被膜は、形成後、
長時間放置すると、実施例1と同様の処理をおこなって
も表面エネルギー、動摩擦係数の値の低下は十分ではな
いが、Arプラズマで処理すると、放置時間にかかわらず
同じ結果が得られ、Arプラズマ処理による表面の改質が
効果的であることがわかった。
長時間放置すると、実施例1と同様の処理をおこなって
も表面エネルギー、動摩擦係数の値の低下は十分ではな
いが、Arプラズマで処理すると、放置時間にかかわらず
同じ結果が得られ、Arプラズマ処理による表面の改質が
効果的であることがわかった。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験による
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例13) 実施例7と同様の方法で作成し非晶質アルミナを被覆し
たディスク基板に、実施例12と同様の条件でArプラズマ
による処理を行なった。その後、この基板を3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシランの蒸気中に室温で
1時間保持し、単分子層を形成した。実施例2で作成し
た重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃の温度で4
0分間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面エネル
ギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面エネル
ギーの値はArプラズマで処理したアルミナ上の52erg/c
m2から重合体上の20erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値
はアルミナ上の0.31から重合体塗布後の0.23に小さくす
ることができた。
たディスク基板に、実施例12と同様の条件でArプラズマ
による処理を行なった。その後、この基板を3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシランの蒸気中に室温で
1時間保持し、単分子層を形成した。実施例2で作成し
た重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃の温度で4
0分間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面エネル
ギーと動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面エネル
ギーの値はArプラズマで処理したアルミナ上の52erg/c
m2から重合体上の20erg/cm2に低下し、動摩擦係数の値
はアルミナ上の0.31から重合体塗布後の0.23に小さくす
ることができた。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験による
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例14) 実施例12と同様に処理し3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランの単分子層を形成した基板に実施例4
で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃
の温度で1時間焼成した後、実施例12と全く同様にして
実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の24erg/cm2に低
下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.21が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
リエトキシシランの単分子層を形成した基板に実施例4
で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃
の温度で1時間焼成した後、実施例12と全く同様にして
実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の24erg/cm2に低
下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.21が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験による
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例15) 実施例12と同様に処理し3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランのみ3−イソシアネートプロピルメチ
ルクロルシランにかえ、他の条件は実施例12と全く同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の26erg/c
m2に低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後の0.25
が得られ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくするこ
とができた。
リエトキシシランのみ3−イソシアネートプロピルメチ
ルクロルシランにかえ、他の条件は実施例12と全く同様
にして実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値
はポリ珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の26erg/c
m2に低下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後の0.25
が得られ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくするこ
とができた。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験による
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
(実施例16) 実施例12と同様に処理し3−イソシアネートプロピルト
リエトキシシランの単分子層を形成した基板に実施例5
で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃
の温度で2時間焼成した後、実施例12と全く同様にして
実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の22erg/cm2に低
下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.20が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
リエトキシシランの単分子層を形成した基板に実施例5
で作成した重合体溶液を2500回/分で回転塗布し100℃
の温度で2時間焼成した後、実施例12と全く同様にして
実験を行なった。その結果、表面エネルギーの値はポリ
珪酸被膜上の50erg/cm2から重合体上の22erg/cm2に低
下し、動摩擦係数の値として重合体塗布後0.20が得ら
れ、ポリ珪酸被膜上の0.61に比べ、小さくすることがで
きた。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験による
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
ディスク表面状態の変化は皆無であった。
(発明の効果) このように本発明における磁気記憶体は長期間の使用に
おける潤滑剤の損失もほとんどなく、しかもヘッドと磁
気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さくする効果が大き
く、磁気ディスク装置および磁気ドラム装置等にその応
用が期待されるものである。
おける潤滑剤の損失もほとんどなく、しかもヘッドと磁
気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さくする効果が大き
く、磁気ディスク装置および磁気ドラム装置等にその応
用が期待されるものである。
第1図は本発明の磁気記憶体7の断面をしめす概略断面
図である。 図において、1は合金円盤、2は鏡面仕上げされた非磁
性合金層、3は金属磁性薄膜媒体、4は非晶質無機酸化
物、5は配向性潤滑剤層、6は保護皮膜であり、非晶質
無機酸化物4と配向性潤滑層5からなっている。また配
向性潤滑層5は単分子層と重合体塗布膜とからなってい
る。
図である。 図において、1は合金円盤、2は鏡面仕上げされた非磁
性合金層、3は金属磁性薄膜媒体、4は非晶質無機酸化
物、5は配向性潤滑剤層、6は保護皮膜であり、非晶質
無機酸化物4と配向性潤滑層5からなっている。また配
向性潤滑層5は単分子層と重合体塗布膜とからなってい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/84 B 7303−5D //(C10M 109/02 105:54 105:76) C10N 30:06 40:18
Claims (3)
- 【請求項1】表面が鏡面の非磁性合金層が被覆された合
金円盤上または表面が鏡面の合金円盤上に金属磁性薄膜
媒体が被覆されており、この上に非晶質無機酸化物層が
被覆され、さらにこの上に前記非晶質無機酸化物と固着
可能な配向性潤滑剤が被覆されている磁気記憶体におい
て、前記配向性潤滑剤が、 一般式 または (X,Y,Zのうち少なくとも一つはアルコキシル基、また
は塩素、他はアルキル基)で表される物質の単分子層
と、一般式 A (AはHO−CH2−CF2−(C2F4O)p−(CF2O)q−CF2−
CH2−OH) または または またはF3C−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH またはHO−CH2−CF2−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH) (p,qは整数) で表される重合体層からなることを特徴とする磁気記憶
体。 - 【請求項2】鏡面研磨された非磁性合金層を被覆した合
金円盤上または鏡面研磨された合金円盤上に金属磁性薄
膜媒体を被覆し、この上に非晶質無機酸化物層を被覆
し、さらに前記非晶質無機酸化物層の上に、一般式 または (X,Y,Zのうち少なくとも一つはアルコキシル基、また
は塩素、他はアルキル基) で表される物質の単分子層を気相成長させた後、一般
式、 A (AはHO−CH2−CF2−(C2F4O)p−(CF2O)q−CF2−
CH2−OH) または または またはF3C−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH またはHO−CH2−CF2−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH) (p,qは整数)) で表される重合体層を塗布し、 または塗布後焼成して前記非晶質無機酸化物層と前記重
合体を前記単分子層を介して結合させることを特徴とす
る磁気記憶体の製造方法。 - 【請求項3】鏡面研磨された非磁性合金層を被覆した合
金円盤上または鏡面研磨された合金円盤上に金属磁性薄
膜媒体を被覆し、この上に非晶質無機酸化物層を被覆
し、プラズマ中で処理し、前記非晶質無機酸化物の上
に、一般式 または (X,Y,Zのうち少なくとも一つはアルコキシル基、また
は塩素、他はアルキル基)で表される物質の単分子層を
気相成長させた後、一般式 A (AはHO−CH2−CF2−(C2F4O)p−(CF2O)q−CF2−
CH2−OH) または または またはF3C−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH またはHO−CH2−CF2−(C3F6O)p−CF2−CH2−OH) (p,qは整数)) で表される重合体層を塗布し、 または塗布後焼成して前記非晶質無機酸化物層と前記重
合体を前記単分子層を介して結合させることを特徴とす
る磁気記憶体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9263886A JPH0668832B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9263886A JPH0668832B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62248124A JPS62248124A (ja) | 1987-10-29 |
JPH0668832B2 true JPH0668832B2 (ja) | 1994-08-31 |
Family
ID=14059988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9263886A Expired - Lifetime JPH0668832B2 (ja) | 1986-04-21 | 1986-04-21 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0668832B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010168512A (ja) * | 2009-01-26 | 2010-08-05 | Hitachi Ltd | 潤滑剤、および、それを用いた磁気ディスク装置 |
-
1986
- 1986-04-21 JP JP9263886A patent/JPH0668832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62248124A (ja) | 1987-10-29 |
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