JP2924052B2 - 磁気記憶体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記憶体およびその製造方法Info
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- JP2924052B2 JP2924052B2 JP7220590A JP7220590A JP2924052B2 JP 2924052 B2 JP2924052 B2 JP 2924052B2 JP 7220590 A JP7220590 A JP 7220590A JP 7220590 A JP7220590 A JP 7220590A JP 2924052 B2 JP2924052 B2 JP 2924052B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記憶装置(磁気ディスク装置および磁気
ドラム装置等)に用いられる磁気記憶体およびその製造
方法に関するものである。
ドラム装置等)に用いられる磁気記憶体およびその製造
方法に関するものである。
[従来の技術] 一般に記録再生磁気ヘッド(以下、ヘッドと称す
る。)と磁気記憶体とを主構成部とする磁気記憶装置の
記録再生方法には、大別して次のような二種類の方法が
ある。第1の方法は、操作開始時にヘッドと磁気記憶体
面との間に空気層分の空間を作り、この状態で記録再生
をする方法である。この方法では、操作終了時に磁気記
憶体の回転が止まり、この時、ヘッドと磁気記憶体面は
操作開始時と同様に接触摩擦状態にある。
る。)と磁気記憶体とを主構成部とする磁気記憶装置の
記録再生方法には、大別して次のような二種類の方法が
ある。第1の方法は、操作開始時にヘッドと磁気記憶体
面との間に空気層分の空間を作り、この状態で記録再生
をする方法である。この方法では、操作終了時に磁気記
憶体の回転が止まり、この時、ヘッドと磁気記憶体面は
操作開始時と同様に接触摩擦状態にある。
第2の方法は、磁気記憶体に予め所要の回転を与えて
おき、急激にヘッドを磁気記憶体面上に押しつけること
により、前記ヘッドと前記磁気記憶体との間に空気層分
の空間を作り、この状態で記録再生する方法である。
おき、急激にヘッドを磁気記憶体面上に押しつけること
により、前記ヘッドと前記磁気記憶体との間に空気層分
の空間を作り、この状態で記録再生する方法である。
このように、第1の方法では操作開始時および終了時
にヘッドと磁気記憶体面は接触摩擦状態にあり、第2の
方法ではヘッドを磁気記憶体面に押しつける際に接触摩
擦状態にある。これらの接触摩擦状態におけるヘッドと
磁気記憶体の間に生じる摩擦力は、ヘッドおよび磁気記
憶体を摩耗させ、ついにはヘッドおよび金属磁性薄膜媒
体に傷を作ることがある。
にヘッドと磁気記憶体面は接触摩擦状態にあり、第2の
方法ではヘッドを磁気記憶体面に押しつける際に接触摩
擦状態にある。これらの接触摩擦状態におけるヘッドと
磁気記憶体の間に生じる摩擦力は、ヘッドおよび磁気記
憶体を摩耗させ、ついにはヘッドおよび金属磁性薄膜媒
体に傷を作ることがある。
また、前記接触状態において、ヘッドのわずかな姿勢
の変化がヘッドにかかる加重を不均一にさせ、ヘッドお
よび磁気記憶体表面に傷をつくることもある。
の変化がヘッドにかかる加重を不均一にさせ、ヘッドお
よび磁気記憶体表面に傷をつくることもある。
また、更に前記接触摩擦状態におけるヘッドと磁気記
憶体間に生じる摩擦力は、特に多くのヘッドを取り付け
た場合に大きなトルクを生じ、磁気記憶体を回転させる
モータに好ましからぬ負担をかける。
憶体間に生じる摩擦力は、特に多くのヘッドを取り付け
た場合に大きなトルクを生じ、磁気記憶体を回転させる
モータに好ましからぬ負担をかける。
また、記録再生中に突発的にヘッドが磁気記憶体に接
触し、ヘッドと磁気記憶体間に大きな摩擦力が働き、ヘ
ッドおよび磁気記憶体が破壊されることがしばしば起こ
る。
触し、ヘッドと磁気記憶体間に大きな摩擦力が働き、ヘ
ッドおよび磁気記憶体が破壊されることがしばしば起こ
る。
このようなヘッドと磁気記憶体との接触摩擦力からヘ
ッドおよび磁気記憶体を保護するためには、磁気記憶体
の表面に保護被膜を被覆することが必要であり、またこ
の保護被膜は前記ヘッドと磁気記憶体間に生じる接触摩
擦力を小さく(すなわち摩擦力を小さく)することが要
求される。
ッドおよび磁気記憶体を保護するためには、磁気記憶体
の表面に保護被膜を被覆することが必要であり、またこ
の保護被膜は前記ヘッドと磁気記憶体間に生じる接触摩
擦力を小さく(すなわち摩擦力を小さく)することが要
求される。
磁気記憶体の表面に潤滑層を設けることは、上記接触
摩擦力を小さくするための一つの方法である。上記潤滑
層は、その下地体と十分に結合していなければならな
い。潤滑層がその下地体と十分に結合していないと、ヘ
ッドと磁気記憶体の接触摩擦により下地体から取り去ら
れるか、あるいはヘッドのまわりおよびヘッドと磁気記
憶体の間に毛管現象により潤滑剤が多量に集まり、記録
再生時のヘッドの浮揚安定性に悪影響をおよぼす。
摩擦力を小さくするための一つの方法である。上記潤滑
層は、その下地体と十分に結合していなければならな
い。潤滑層がその下地体と十分に結合していないと、ヘ
ッドと磁気記憶体の接触摩擦により下地体から取り去ら
れるか、あるいはヘッドのまわりおよびヘッドと磁気記
憶体の間に毛管現象により潤滑剤が多量に集まり、記録
再生時のヘッドの浮揚安定性に悪影響をおよぼす。
上記潤滑層のヘッドとの接触摩擦力の低減化は、ヘッ
ドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層が介在することによりなされる。すなわ
ち潤滑層は磁気記憶体と結合する部分と、ヘッドと吸着
しにくい非極性部分とに配向していることが望ましい。
ドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにくい
非極性の分子層が介在することによりなされる。すなわ
ち潤滑層は磁気記憶体と結合する部分と、ヘッドと吸着
しにくい非極性部分とに配向していることが望ましい。
このような潤滑層としてシリコーンオイル,フッ素
油,フロロシリコーン等のオイル類や、オクタデシルト
リクロロシラン,ヘキサメチルジシラザン等のシランま
たはシラザン類が提案されている(特公昭55−40932号
公報参照)。これらの潤滑層は、各々優れた特性を示す
ものの、オイル類においては非晶質無機酸化物との結合
力が十分でなく、シランまたはシラザン類においてはヘ
ッドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにく
い非極性の分子層の分子量が十分でない。このため、オ
イル類においては長期間の使用における潤滑剤の損失、
シランまたはシラザン類においてはヘッドと磁気記憶体
間に生じる接触摩擦力を小さくする効果が完全でないと
いう問題があった。
油,フロロシリコーン等のオイル類や、オクタデシルト
リクロロシラン,ヘキサメチルジシラザン等のシランま
たはシラザン類が提案されている(特公昭55−40932号
公報参照)。これらの潤滑層は、各々優れた特性を示す
ものの、オイル類においては非晶質無機酸化物との結合
力が十分でなく、シランまたはシラザン類においてはヘ
ッドと磁気記憶体の界面に吸着ないし凝着が起こりにく
い非極性の分子層の分子量が十分でない。このため、オ
イル類においては長期間の使用における潤滑剤の損失、
シランまたはシラザン類においてはヘッドと磁気記憶体
間に生じる接触摩擦力を小さくする効果が完全でないと
いう問題があった。
本発明の目的は、以上述べたような従来の問題点を解
決した磁気記憶体およびその製造方法を提供することに
ある。
決した磁気記憶体およびその製造方法を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、鏡面研磨された非磁性合金層が被覆された
合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に、金属磁
性薄膜媒体、非晶質無機酸化物層および該非晶質無機酸
化物層と固着可能な配向性潤滑剤層が順次被覆されてい
る磁気記憶体において、配向性潤滑剤が、一般式; mは自然数,nは5〜30の自然数を示す。)で表される
重合体からなることを特徴とする磁気記憶体である。
合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に、金属磁
性薄膜媒体、非晶質無機酸化物層および該非晶質無機酸
化物層と固着可能な配向性潤滑剤層が順次被覆されてい
る磁気記憶体において、配向性潤滑剤が、一般式; mは自然数,nは5〜30の自然数を示す。)で表される
重合体からなることを特徴とする磁気記憶体である。
またその製造方法は、鏡面研磨された非磁性合金層を
被覆した合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に
金属磁性薄膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機
酸化物層を被覆し、さらに該非晶質無機酸化物層の上
に、一般式[I]で表される重合体よりなる配向性潤滑
剤層をLangmuir−Blodgett法によって形成することを特
徴とするか、あるいは、鏡面研磨された非磁性合金層を
被覆した合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に
金属磁性薄膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機
酸化物層を被覆した後、プラズマ中に処理し、さらに該
非晶質無機酸化物層の上に、上記一般式[I]で表され
る重合体よりなる配向性潤滑剤層をLangmuir−Blodgett
法によって形成することを特徴とする。
被覆した合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に
金属磁性薄膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機
酸化物層を被覆し、さらに該非晶質無機酸化物層の上
に、一般式[I]で表される重合体よりなる配向性潤滑
剤層をLangmuir−Blodgett法によって形成することを特
徴とするか、あるいは、鏡面研磨された非磁性合金層を
被覆した合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に
金属磁性薄膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機
酸化物層を被覆した後、プラズマ中に処理し、さらに該
非晶質無機酸化物層の上に、上記一般式[I]で表され
る重合体よりなる配向性潤滑剤層をLangmuir−Blodgett
法によって形成することを特徴とする。
本発明において、配向性潤滑剤として用いられる上記
一般式[I]で表される重合体は、非晶質無機酸化物と
の接着性に富むポリアミック酸重合体の側鎖にパーフロ
ロポリエーテルを導入することによって得ることができ
る。主鎖の重合度を表すmの数はいくつでもよいが、通
常の合成を行うと、分子量数千から数万の重合体が得ら
れ、この重合体をそのまま用いればよい。また、nの数
はいくつでも効果を得ることができるが、溶剤への溶解
性、ポリアミック酸との反応性、成膜性などの観点か
ら、5から30の間がよく、最も好ましいのは12から15の
間である。
一般式[I]で表される重合体は、非晶質無機酸化物と
の接着性に富むポリアミック酸重合体の側鎖にパーフロ
ロポリエーテルを導入することによって得ることができ
る。主鎖の重合度を表すmの数はいくつでもよいが、通
常の合成を行うと、分子量数千から数万の重合体が得ら
れ、この重合体をそのまま用いればよい。また、nの数
はいくつでも効果を得ることができるが、溶剤への溶解
性、ポリアミック酸との反応性、成膜性などの観点か
ら、5から30の間がよく、最も好ましいのは12から15の
間である。
さらに、成膜する際、スピン塗布法を用いても効果の
ある潤滑層を得ることができるが、Langmuir−Blodgett
法を用いて、ポリアミック酸の主鎖を基板側に、パーフ
ロロポリエーテルの側鎖を基板と反対側に高密度に累積
すると、さらによい効果が得られる。
ある潤滑層を得ることができるが、Langmuir−Blodgett
法を用いて、ポリアミック酸の主鎖を基板側に、パーフ
ロロポリエーテルの側鎖を基板と反対側に高密度に累積
すると、さらによい効果が得られる。
[作用] 非晶質無機酸化物はポリ珪酸あるいはSiO2,ガラス,
アルミナ等のスパッタ膜である。ポリアミック酸の主鎖
構造は接着性に富み、この非晶質無機酸化物と強固に結
びつくことができる。
アルミナ等のスパッタ膜である。ポリアミック酸の主鎖
構造は接着性に富み、この非晶質無機酸化物と強固に結
びつくことができる。
一方、パーフロロポリエーテルの側鎖は、ヘッドと下
地体との界面に吸着が起こりにくい非極性基であり、こ
の基が基板と反対側を向いて並んでいるため表面エネル
ギーを低下させ、優れた潤滑効果を示す。従って、上記
一般式[I]の重合体を用いると、下地体との密着性に
優れ、なおかつ優れた潤滑効果を有する潤滑剤層が得ら
れる。
地体との界面に吸着が起こりにくい非極性基であり、こ
の基が基板と反対側を向いて並んでいるため表面エネル
ギーを低下させ、優れた潤滑効果を示す。従って、上記
一般式[I]の重合体を用いると、下地体との密着性に
優れ、なおかつ優れた潤滑効果を有する潤滑剤層が得ら
れる。
さらにLangmuir−Blodgett法で累積すると、フッ素原
子を含む基が基板面と反対側に高密度に配向するように
成膜できる。このため、いっそう表面エネルギーを低下
させ、優れた潤滑効果を示す。
子を含む基が基板面と反対側に高密度に配向するように
成膜できる。このため、いっそう表面エネルギーを低下
させ、優れた潤滑効果を示す。
更に、記録および再生にとってはスペーシング(記録
および再生時におけるヘッドと磁気記憶体の間隔)は小
さい方が有利である。このため潤滑層の膜厚はできる限
り薄いほうが望ましいが、この化合物は単分子膜を形成
することができ、非常に薄い潤滑層を形成することが可
能である。
および再生時におけるヘッドと磁気記憶体の間隔)は小
さい方が有利である。このため潤滑層の膜厚はできる限
り薄いほうが望ましいが、この化合物は単分子膜を形成
することができ、非常に薄い潤滑層を形成することが可
能である。
また、非晶質無機酸化膜をプラズマ中で処理した後、
潤滑層を形成すると、潤滑層と非晶質無機酸化物層との
接着性がいっそう向上する。
潤滑層を形成すると、潤滑層と非晶質無機酸化物層との
接着性がいっそう向上する。
[実施例] 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
実施例1 第1図は、本発明の磁気記憶体の一実施例の部分断面
図である。図面において本発明の磁気記憶体は、合金円
板1上に非磁性合金層2が被覆され、この被膜の研磨面
上に金属磁性薄膜媒体3が被覆されており、さらにこの
上に非晶質無機酸化物4が被覆され、さらにこの上に配
向性潤滑剤層5が被覆されている。
図である。図面において本発明の磁気記憶体は、合金円
板1上に非磁性合金層2が被覆され、この被膜の研磨面
上に金属磁性薄膜媒体3が被覆されており、さらにこの
上に非晶質無機酸化物4が被覆され、さらにこの上に配
向性潤滑剤層5が被覆されている。
合金円板1として、旋盤加工および熱矯正によって十
分小さなうねり(円周方向および半径方向でともに50μ
m以下)をもった面に仕上げられたディスク状アルミニ
ウム合金基板上に、非磁性合金層2としてニッケル−燐
(Ni−P)合金を約50μmの厚さにメッキし、このNi−
Pメッキ膜を機械的研磨により表面粗さ0.04μm以下、
厚さ約30μmまで鏡面仕上げした後、その上に金属磁性
薄膜媒体3としてコバルト−ニッケル−燐(Co−Ni−
P)合金を約0.05μmの厚さにメッキした。さらにこの
Co−Ni−P合金膜の上に、下に示した組成の溶液を十分
に混合し、ごみまたは析出したSiO2を0.5μmの濾過膜
を通して取り除いた後、回転塗布法により塗布した。
分小さなうねり(円周方向および半径方向でともに50μ
m以下)をもった面に仕上げられたディスク状アルミニ
ウム合金基板上に、非磁性合金層2としてニッケル−燐
(Ni−P)合金を約50μmの厚さにメッキし、このNi−
Pメッキ膜を機械的研磨により表面粗さ0.04μm以下、
厚さ約30μmまで鏡面仕上げした後、その上に金属磁性
薄膜媒体3としてコバルト−ニッケル−燐(Co−Ni−
P)合金を約0.05μmの厚さにメッキした。さらにこの
Co−Ni−P合金膜の上に、下に示した組成の溶液を十分
に混合し、ごみまたは析出したSiO2を0.5μmの濾過膜
を通して取り除いた後、回転塗布法により塗布した。
テトラヒドロキシシラン11%エチルアルコール溶液…
20重量% n−ブチルアルコール …80重量% その後、このディスク基板を200℃の温度で3時間焼
成してCo−Ni−P合金膜の上にポリ珪酸の被膜を形成し
た。
20重量% n−ブチルアルコール …80重量% その後、このディスク基板を200℃の温度で3時間焼
成してCo−Ni−P合金膜の上にポリ珪酸の被膜を形成し
た。
次いで、一般式; で表され、ポリアミック酸の主鎖の数平均分子量が7,00
0、n=12〜15(平均約14)である化合物をクロロホル
ムに溶解し、5mMの溶液を作成した。フィードバック機
構を備えた水槽中に前記基板を保持し、作成した化合物
の溶液を水面上に滴下し、溶媒を蒸発させた後、フィー
ドバック機構により表面圧を25mN/mに保ちながら、前記
ディスク基板を0.2mm/secの速さで引き上げた。100℃の
温度で40分間焼成を行った。
0、n=12〜15(平均約14)である化合物をクロロホル
ムに溶解し、5mMの溶液を作成した。フィードバック機
構を備えた水槽中に前記基板を保持し、作成した化合物
の溶液を水面上に滴下し、溶媒を蒸発させた後、フィー
ドバック機構により表面圧を25mN/mに保ちながら、前記
ディスク基板を0.2mm/secの速さで引き上げた。100℃の
温度で40分間焼成を行った。
基板をこの化合物の単分子膜で処理する前後の基板表
面の表面エネルギーを種々の表面張力をもつ液滴の接触
角を測定し、計算すると、ポリ珪酸被膜上の43erg/cm2
から、処理後では17erg/cm2と表面エネルギーが著しく
低下し、ヘッドと下地体との接着を防止する効果が大き
いことがわかった。
面の表面エネルギーを種々の表面張力をもつ液滴の接触
角を測定し、計算すると、ポリ珪酸被膜上の43erg/cm2
から、処理後では17erg/cm2と表面エネルギーが著しく
低下し、ヘッドと下地体との接着を防止する効果が大き
いことがわかった。
次に、このディスク基板とヘッドとの間に働く動摩擦
係数を測定した。動摩擦係数は、ヘッドに歪ゲージを連
結し、ディスクを一定速度で回転させた時に生じるヘッ
ドとディスク間の動摩擦力を測定し、これをヘッドに加
えた荷重で割って求めた。測定は、荷重15g、滑り速度1
00mm/minの条件で行った。その結果、動摩擦係数の値と
して0.188が得られ、潤滑層を形成しない場合の0.546に
比べ、動摩擦係数の値を小さくすることができた。
係数を測定した。動摩擦係数は、ヘッドに歪ゲージを連
結し、ディスクを一定速度で回転させた時に生じるヘッ
ドとディスク間の動摩擦力を測定し、これをヘッドに加
えた荷重で割って求めた。測定は、荷重15g、滑り速度1
00mm/minの条件で行った。その結果、動摩擦係数の値と
して0.188が得られ、潤滑層を形成しない場合の0.546に
比べ、動摩擦係数の値を小さくすることができた。
また、この潤滑層を形成したディスク基板と荷重70g
のモノリシックヘッドを用いてディスクとヘッドの接触
摩擦試験を30000回繰り返し行ったが、ヘッドクラッシ
ュおよびヘッドによる接触摩擦によるディスクの表面状
態の変化は皆無であった。
のモノリシックヘッドを用いてディスクとヘッドの接触
摩擦試験を30000回繰り返し行ったが、ヘッドクラッシ
ュおよびヘッドによる接触摩擦によるディスクの表面状
態の変化は皆無であった。
実施例2 実施例1と同様の方法で作成したディスク基板のCo−
Ni−P合金膜の上に、ポリ珪酸被膜の代わりにAl2O
3(非晶質アルミナ)をスパッタ法により被覆した。こ
のディスク基板に実施例1と同様の方法で実施例1と同
様の化合物の単分子層を形成した。100℃の温度で40分
間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面エネルギ
ー、動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面エネルギ
ーは非晶質アルミナ上の45erg/cm2から化合物上の19erg
/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.270から0.180に小さ
くすることができた。
Ni−P合金膜の上に、ポリ珪酸被膜の代わりにAl2O
3(非晶質アルミナ)をスパッタ法により被覆した。こ
のディスク基板に実施例1と同様の方法で実施例1と同
様の化合物の単分子層を形成した。100℃の温度で40分
間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面エネルギ
ー、動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面エネルギ
ーは非晶質アルミナ上の45erg/cm2から化合物上の19erg
/cm2に低下し、動摩擦係数の値は0.270から0.180に小さ
くすることができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、3000回
の接触摩擦試験によるディスクの表面状態の変化は皆無
であった。
の接触摩擦試験によるディスクの表面状態の変化は皆無
であった。
実施例3 実施例1におけるLangmuir−Blodgett法の代わりに、
2000r.p.m.の回転速度で実施例1と同様の化合物をスピ
ン塗布し、他の条件は実施例1と全く同様にして実験を
行った。その結果、表面エネルギーの値はポリ珪酸上の
43erg/cm2から重合体塗布後の20erg/cm2に低下し、動摩
擦係数の値として重合体塗布後0.197が得られ、ポリ珪
酸被膜上の0.546に比べ、小さくすることができた。
2000r.p.m.の回転速度で実施例1と同様の化合物をスピ
ン塗布し、他の条件は実施例1と全く同様にして実験を
行った。その結果、表面エネルギーの値はポリ珪酸上の
43erg/cm2から重合体塗布後の20erg/cm2に低下し、動摩
擦係数の値として重合体塗布後0.197が得られ、ポリ珪
酸被膜上の0.546に比べ、小さくすることができた。
また実施例1と同様に耐摩耗性を評価したが、3000回
の接触摩擦試験によるディスクの表面状態の変化は皆無
であった。
の接触摩擦試験によるディスクの表面状態の変化は皆無
であった。
実施例4 実施例1と同様の方法で作成したポリ珪酸被膜を形成
したディスク基板を平行平板型のエッチング装置に入
れ、Arを用いて、流量18sccm、電力密度0.35W/cm2、圧
力1.3Pa、バイアス電位1kVの条件で2分間エッチングを
行った後、実施例1と同様に実施例1と同様の化合物を
Langmuir−Blodgett法を用いて、基板上に堆積した。10
0℃で40分間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面
エネルギー、動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面
エネルギーの値はArプラズマで処理した後のポリ珪酸被
膜上の50erg/cm2から重合体上15erg/cm2と、Arプラズマ
処理をしない場合よりもさらに低下し、動摩擦係数の値
もポリ珪酸上の0.614から潤滑層形成後の0.131に小さく
することができた。
したディスク基板を平行平板型のエッチング装置に入
れ、Arを用いて、流量18sccm、電力密度0.35W/cm2、圧
力1.3Pa、バイアス電位1kVの条件で2分間エッチングを
行った後、実施例1と同様に実施例1と同様の化合物を
Langmuir−Blodgett法を用いて、基板上に堆積した。10
0℃で40分間焼成した後、実施例1と同様の方法で表面
エネルギー、動摩擦係数の値を求めた。その結果、表面
エネルギーの値はArプラズマで処理した後のポリ珪酸被
膜上の50erg/cm2から重合体上15erg/cm2と、Arプラズマ
処理をしない場合よりもさらに低下し、動摩擦係数の値
もポリ珪酸上の0.614から潤滑層形成後の0.131に小さく
することができた。
なお、実施例1で作成したポリ珪酸の被膜は、形成後
長時間放置すると実施例1と同様の処理を行っても表面
エネルギー、動摩擦係数の低下は十分でないが、Arプラ
ズマで処理すると放置時間にかかわらず同じ結果が得ら
れ、Arプラズマ処理による表面の改質が効果的であるこ
とがわかった。
長時間放置すると実施例1と同様の処理を行っても表面
エネルギー、動摩擦係数の低下は十分でないが、Arプラ
ズマで処理すると放置時間にかかわらず同じ結果が得ら
れ、Arプラズマ処理による表面の改質が効果的であるこ
とがわかった。
また、実施例1と同様に30000回の接触摩擦試験によ
るディスク表面状態の変化は皆無であった。
るディスク表面状態の変化は皆無であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明による磁気記憶体は、ヘ
ッドと磁気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さくする効
果が大きく、磁気ディスク装置および磁気ドラム装置等
にその応用が期待されるものである。
ッドと磁気記憶体間に生じる接触摩擦力を小さくする効
果が大きく、磁気ディスク装置および磁気ドラム装置等
にその応用が期待されるものである。
第1図は本発明による磁気記憶体の一実施例の部分断面
図である。 1……合金円板、2……非磁性合金層 3……金属磁性薄膜媒体、4……非晶質無機酸化物 5……配向性潤滑剤層、6……保護被膜
図である。 1……合金円板、2……非磁性合金層 3……金属磁性薄膜媒体、4……非晶質無機酸化物 5……配向性潤滑剤層、6……保護被膜
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/72 G11B 5/84 C10M 107/40 - 107/44 C10N 40:18
Claims (3)
- 【請求項1】鏡面研磨された非磁性合金層が被覆された
合金円板上または鏡面研磨された合金円板上に、金属磁
性薄膜媒体、非晶質無機酸化物層および該非晶質無機酸
化物層と固着可能な配向性潤滑剤層が順次被覆されてい
る磁気記憶体において、配向性潤滑剤が、一般式; mは自然数,nは5〜30の自然数を示す。) で表される重合体からなることを特徴とする磁気記憶
体。 - 【請求項2】鏡面研磨された非磁性合金層を被覆した合
金円板上または鏡面研磨された合金円板上に金属磁性薄
膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機酸化物層を
被覆し、さらに該非晶質無機酸化物層の上に、一般式; mは自然数,nは5〜30の自然数を示す。) で表される重合体よりなる配向性潤滑剤層をLangmuir−
Blodgett法によって形成することを特徴とする磁気記憶
体の製造方法。 - 【請求項3】鏡面研磨された非磁性合金層を被覆した合
金円板上または鏡面研磨された合金円板上に金属磁性薄
膜媒体を被覆し、次いでこの上に非晶質無機酸化物層を
被覆した後、プラズマ中に処理し、さらに該非晶質無機
酸化物層の上に、一般式; mは自然数,nは5〜30の自然数を示す。) で表される重合体よりなる配向性潤滑剤層をLangmuir−
Blodgett法によって形成することを特徴とする磁気記憶
体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7220590A JP2924052B2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7220590A JP2924052B2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03273522A JPH03273522A (ja) | 1991-12-04 |
JP2924052B2 true JP2924052B2 (ja) | 1999-07-26 |
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ID=13482505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7220590A Expired - Fee Related JP2924052B2 (ja) | 1990-03-23 | 1990-03-23 | 磁気記憶体およびその製造方法 |
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US8969487B2 (en) * | 2012-07-25 | 2015-03-03 | Xerox Corporation | Thermally stable oleophobic low adhesion coating for inkjet printhead face |
-
1990
- 1990-03-23 JP JP7220590A patent/JP2924052B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH03273522A (ja) | 1991-12-04 |
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