JPH0668561U - 物品販売ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要な物品が車椅子からでも楽に取り出すこ
とができる物品販売ケースを提供する。 【構成】 モータと、上部と下部とに配設された少なく
とも一対の駆動軸及び従動軸と、該駆動軸と従動軸の間
に上下方向に循環するように配設された無端状動力伝達
部材と、該動力伝達部材に所定間隔ごとに軸支した複数
の棚と、上記動力伝達部材を回動及び停止させるスイッ
チ機構とを有し、スイッチ機構により動力伝達部材の回
動量を制御して、所望の物品が収納された棚をケース内
の所望の位置まで移動させるようにした物品販売ケー
ス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、野菜，果物，ジュース等の飲食物、その他任意の物品を店内におい て収納，陳列し、販売するためのケースの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種物品販売ケースとしては、適当な高さを有する箱状のケース内部を棚板 により上下多段に仕切り、ケース前面にガラス戸を前後に回動可能に設けたもの が知られている。そして、各段の棚板上に物品を品種別に収納，陳列し、客がケ ース前面から必要な物品を視認しながら、ガラス戸を開閉して自由に物品の取り 出しができるようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のケースにあっては、車椅子利用者や上背のない子供には、高位置の棚板 に陳列された物品の取り出しは困難であった。この場合、かかる位置に手が届く 健常者の援助を必要とするため極めて不便であった。また、健常者であっても、 高位置の棚板の奥済みにまでは手が届きにくい場合もあり、この位置に物品を収 納する作業も行ないにくい場合もあった。

【０００４】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、必要な物品が車椅子からでも楽に取り出すことがで きるようにした物品販売ケースを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の物品販売ケースは、モータと、上部と下 部とに配設された少なくとも一対の駆動軸及び従動軸と、駆動軸と従動軸の間に 上下方向に循環するように配設された無端状動力伝達部材と、該動力伝達部材に 所定間隔ごとに軸支した複数の棚と、上記動力伝達部材を回動及び停止させるス イッチ機構とを少なくとも具備してなることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

棚は動力伝達部材に軸支されているので、水平状態を保ったまま動力伝達部材 と一体的に、駆動軸と従動軸との間を上下方向に循環して移動する。そして、ス イッチング機構により動力伝達部材の回動量が制御され、所望の物品が収納され た棚を、ケース内の所望の位置まで移動させることができる。従って、物品取り 出し口をケース前面の低位置に設け、この位置まで棚を移動させることにより、 車椅子に座ったままでも必要な物品を容易に取り出すことができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本発明の好適な一実施例について図面を参照して説明する。図１は本実 施例の物品販売ケースの外観図、図２，図３及び図４はケース内部の部品配置を 説明するための夫々正面図，右側面図及び平面図である。図において、１は適当 な高さを有するケース本体、２は本体１の前面パネルの上部に設けられた透明な ガラス板、３は本体１の前面パネルの下部に設けられた透明なガラス板、４は透 明なガラス板が嵌め込まれていて本体１の前面パネルの内側で上下方向にスライ ド可能に設置された内扉、６は本体１の前面パネルの外側に取り付けられたハン ドルである。

【０００８】 内扉４は、その上面に締結されたワイヤー５ａ，本体１の内部に取り付けられ たプーリー５ｂを介して図示されない巻上げ装置により巻き上げられ、上方に移 動せしめられたときにケース内外を連通してケース内部に収納された物品の取り 出しを可能とし、下方移動せしめられたときにはガラス板２，３の間に配置され てケース内部を密閉状態とする。内扉４とハンドル６は床面から１３５０ｍｍ以 下の空間に位置するように設けられている。また、内扉４の設置面より下方に位 置する、ハンドル６の下部には、後述する図９に示す如き、操作パネルが取り付 けられている。

【０００９】 ７は本体１の底面であって回転軸が本体１の前後方向と直交する向きに配置さ れたモータ、８はスプロケットである。モータ７の回転軸とスプロケット８との 間には、無端環状にローラチェーン７ａが配設されている。９，９はスプロケッ ト８の支軸８ａの両端部に一対に取り付けられたスプロケット８ａ，８ａと該ス プロケット８ａ，８ａの上方であって本体１内の後方に左右一対に設けられたス プロケット１０，１０との間に無端環状に配設されたローラチェーン、１１ｂ， １１ｂはスプロケット１０，１０の支軸と同軸に設けられたスプロケット１０よ り小径のスプロケット、１１ａ，１１ａは本体１内の前方で軸支されている左右 一対のスプロケット、１３ａ，１３ａは本体１内の上部の前方で軸支されている 左右一対のスプロケット、１３ｂ，１３ｂは本体１内の上部の後方で軸支されて いる左右一対のスプロケットである。これらスプロケット１１ａ，１１ｂ，１３ ａ及び１３ｂ間には、各スプロケット間を循環するように無端状のローラチェー ン１２が配設されている。

【００１０】 １４はローラチェーン１２に所定間隔を保って軸支された棚である。棚１４は 図５及び図６に示す如く、棚板１４ａとこれを支持する棚枠１４ｂからなってい て、棚枠１４ｂの両側部には、前後方向に回転自在に軸支してなるリング１４ｃ と外側に突出させた支軸１４ｄが夫々設けられている。そして、図７に示す如く 、ローラチェーン１２のピンリングプレート中に組み込まれた支持プレート１４ ｅの孔に、両側部の支軸１４ｄを挿通して軸支されている。

【００１１】 １５は本体１の内部側面であって本体１の中央位置に配設されたガイド、１６ は本体１の内部側面の前後左右に夫々配設されたガイドである。棚１４のリング １４ｃは、ローラチェーン１２に軸支された状態でガイド１５，１６と接触して 棚１４を水平状態に保ち、この状態を保ったままローラチェーン１２の移動に伴 ってガイド１５，１６との接触面を摺動するようになっている。

【００１２】 また、図示されていないが、本体１の内部にはリレー接点等からなる、棚１４ の位置を検出するための位置検出センサが、モータ７の駆動量及び駆動方向を制 御する制御回路と共に取り付けられている。また、図９は、本体１の前面パネル に取り付けられた操作パネルの外観を示している。スイッチＳ１〜Ｓ６は夫々プ ッシュ式のスイッチであり、スイッチＳ１が棚１４の１ピッチの移動を指示する ためのもの、スイッチＳ２〜Ｓ６がこれらスイッチに対応した棚１４を取り出し 口まで移動させるためのものである。スイッチＳ２〜Ｓ６の下方にはスイッチの 種類が点字で示されている。

【００１３】 本実施例は上述の如く構成されているので、操作パネルのスイッチＳ１〜Ｓ６ からの指示信号は、図示されない制御回路に送られ、制御回路においてモータ７ の駆動量を算出して駆動信号を出力し、モータ７を駆動する。すると、モータ７ の駆動軸，スプロケット８及びローラチェーン９を介してモータ７の駆動力がス プロケット１０に伝達され、更に、スプロケット１０と同軸のスプロケット１１ ｂ及びローラチェーン１２を介して、各スプロケット１１ａ，１３ａ及び１３ｂ に伝達され、ローラチェーン１２に軸支された棚１４を移動せしめる。

【００１４】 棚１４は、ローラチェーン１２に軸支されているので、ガイド１５，１６に案 内されて水平状態を保ちつつローラチェーン１２と一体的に、スプロケット１１ ａと１３ａ及びスプロケット１１ｂと１３ｂの間は上下方向に、また、スプロケ ット１１ａと１１ｂ及びスプロケット１３ａと１３ｂの間は前後方向に夫々移動 せしめられ、各スプロケット間を循環する。

【００１５】 そして、図示されない位置検出センサにより棚１４が所望の位置まで移動した ことが検出されたところでモータ７の駆動を停止させ、図示されない巻き上げ装 置により内扉４を上方にスライド移動させてケース内外を連通し、ここから棚１ ４に収納された物品を取り出すことができる。

【００１６】 本実施例によれば、内扉４が１３５０ｍｍ以下の空間に位置するように設けら れているので、内扉４が上方に開いた状態で、車椅子に座ったままで物品を容易 に取り出すことができる。また、物品の収納作業を低位置で行うことができるの で、作業効率を向上させることができる。

【００１７】 尚、図８は本実施例の内扉４の外観を示しているが、かかる内扉４は左右にス ライドさせる態様としてもよく、勿論他の構造のものでもよい。また、取り出し 口を複数設け、各取り出し口に棚を順次停止せしめ、どこからも物品の取り出し が可能としてもよい。また、棚の移動方向は、ケースに対して上下前後であるこ とに限定されず、設置スペースに応じて、例えばケースの前面に対して上下左右 に移動させるようにしてもよい。更に、操作スイッチとしては、プッシュ式の他 に、音声の認識によるスイッチとしてもよく、この場合、盲人の利用に際して効 果的である。

【００１８】

【考案の効果】

上述の如く、本考案の物品販売ケースによれば、所望の物品が収納された棚を ケースの所望の位置に設けた取り出し口まで移動させることができる。従って、 取り出し口をケース前面の低位置に設け、この位置まで棚を移動させることによ り、車椅子に座ったままでも必要な物品を容易に取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の物品販売ケースの外観図で
ある。

【図２】ケース内部の部品配置を説明するための正面図
である。

【図３】ケース内部の部品配置を説明するための右側面
図である。

【図４】ケース内部の部品配置を説明するための平面図
である。

【図５】本発明の一実施例にかかる棚の構造を説明する
ための図である。

【図６】棚板が棚枠に支持された状態における縦断面図
である。

【図７】棚，ローラチェーン及びスプロケットの装着状
態を示す図であり、夫々（Ａ）は棚の正面からみた図，
（Ｂ）は棚の側面からみた図である。

【図８】本発明の一実施例にかかる内扉の外観を示す図
である。

【図９】本発明の一実施例にかかる操作パネルの外観を
示す図である。

【符号の説明】

１ 本体 ４ 内扉 ７ モータ １０，１１ａ，１１ｂ，１３ａ，１３ｂ スプロケッ
ト １２ ローラチェーン １４ 棚

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータと、上部と下部とに配設された少
   なくとも一対の駆動軸及び従動軸と、該駆動軸と従動軸
   の間に上下方向に循環するように配設された無端状動力
   伝達部材と、該動力伝達部材に所定間隔ごとに軸支した
   複数の棚と、上記動力伝達部材を回動及び停止させるス
   イッチ機構とを少なくとも具備してなる物品販売ケー
   ス。
2. 【請求項２】 ケース設置面から下位のケース前面に、
   物品取り出し口とスイッチ操作部とを配設してなる請求
   項１に記載の物品販売ケース。
3. 【請求項３】 ケース設置面から下位のケース前面に、
   物品取り出し口とスイッチ操作部とを配設すると共に、
   その上方にも一以上の取り出し口を並設し、各取り出し
   口位置に棚が順次停止するようにスイッチ機構を設置し
   てなる請求項１又は２のいずれかに記載の物品販売ケー
   ス。