JPH0667667B2 - 多色感熱記録材料 - Google Patents

多色感熱記録材料

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JPH0667667B2 JP62067034A JP6703487A JPH0667667B2 JP H0667667 B2 JPH0667667 B2 JP H0667667B2 JP 62067034 A JP62067034 A JP 62067034A JP 6703487 A JP6703487 A JP 6703487A JP H0667667 B2 JPH0667667 B2 JP H0667667B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、加熱して記録するための多色感熱記録材料に
関する。
更に詳述すれば、本発明は、一温度で色分画することの
できる多色感熱記録材料に関する。
《従来の技術》 近年、情報産業の急激な発展に伴い、計算機、ファクシ
ミリをはじめとする情報機器の端末機から簡便にカラー
ハードコピーを得たいという要求が強まってきている。
こうした要求に対し、従来よりヒンクジェット方式や感
熱転写方式が検討されている。しかしながら、このイン
クジェット方式は、細いノズルから色剤入りのインクを
飛ばす方式であるため、色剤や他の内容物がノズルに詰
まり易く、記録の信頼性に欠けるという大きな欠点を有
す。又、感熱転写方式は、感熱シート上の顔料等の色材
を含む感熱材料を加熱により画像状に紙等の記録媒体に
転写する方式であるため、例えばピクチャーカラー等の
多色カラー画像を得るためには、通常、赤、青、黄、黒
の4枚の感熱シートを必要とし、記録後の感熱シートの
繰り返し使用には画質等に関連して限界があるので、多
量の感熱シートを用いることとなる。又、インクジェッ
ト方式の場合には、使用者は常にインクが不足しないよ
う心掛ける必要があり、感熱転写方式の場合には、感熱
シートが不足しないよう心掛ける必要がある。即ち、両
方式とも使用者に繁雑な管理を強いる方式である。
これに対し感熱記録方式は、上記の繁雑な管理が不要で
記録の信頼性が高いために、この方式で多色記録材料が
実現すれば、従来の各方式の欠点が無く使い易いものと
なる。しかしながら、多色化を行うためには発色色数に
応じた数の発色機構を同一支持体上に組み込み、各発色
機構を制御して作用させる必要があるために、従来多く
の努力がなされてきたにもかかわらず、発色の色相、色
分離の点で十分なものではなかった。
例えば、従来方法の一つとして、特公昭51−19989号、
同52−11231号、特開昭54−88135号、同55−133991号、
同55−133992号に記載の如く、複数の発色単位が印加熱
エネルギーが増すにつれて、単に順次追加され混色して
色相が濁りながら変化していく方式がある。他の方法と
しては、例えば特公昭50−17868号、同51−5791号、同5
7−14318号、同57−14319号、特開昭55−161688号に示
される如く、熱応答温度のより高い発色単位が発色する
とき同時に消色剤が作用して、低温で発色する発色単位
を消色するという消色機構を取り入れたものがある。
しかしながら、これらはいずれも実現できる発色色相の
数が少ないのみならず、にじみや混色による濁りの為
に、カラーハードコピーとしては十分な機能を持つもの
とは言い難い。特にカラーハードコピーとしては、原理
的に発色色相の数が少ないことが致命的な欠点であっ
た。従来この欠点を克服することができなかった大きな
理由の一つとして次の点をあげることができる。即ち、
例えば発色色相の数をより多くしようとする場合、単純
には印加熱エネルギーの分画数を増やし、且つその各々
のエネルギー差を広く設けることによって、それに対応
する感熱発色層を、同一支持体上に複数個有する感熱記
録材料を設計すればよいのであるが、現実には印加熱エ
ネルギーを従来より低い領域にまで広げると、記録材料
自体の生保存性(所謂カブリ)等の点において問題が生
ずる一方、印加熱エネルギーを高い領域にまで広げる
と、画像の焦げ付き、融着による印字走行性不良(例え
ばスティッキング)、サーマルヘッドの寿命の短縮化等
の点において重大な問題が新たに生ずる。従って従来
は、印加熱エネルギーの分画数は、色分離性を満たそう
とすると、現実的には2分画ぐらいが許容できる最大限
度であった。
一方、感熱記録材料の支持体としては、通常、紙或いは
合成紙等の不透明支持体が用いられている。これは単に
発色画像を片面からの反射画像として読み取るといった
用途によるものである。
感熱記録材料を実質的に透明な支持体上に設けた発明
は、特願昭60−68875号及び特願昭60−184483号に提案
されているが、これは熱記録された記録像を透明支持体
側から視ることによって、光沢に優れた高級画質を得よ
うとする目的でなされたものである。又、感熱発色層を
支持体の両面に設けた例としては、特開昭57−208298号
が提案されている。これは、不透明支持体の両面に印字
記録することによって、コスト面及び印字複写物の保管
スペース面等でのロスを制限することを目的としてお
り、いずれの場合も、前述した多色記録材料に関する欠
点に対して、特別の寄与をするものではなかった。
これに対し、本発明者等は、複数の色相を有する画像を
実質的に独立して熱記録することができ、しかも色相、
色分離性及び画像保存性に優れた多色感熱記録材料(特
願昭61−80787号)を提案した。
しかしながら、この多色感熱記録材料の場合にも、3色
以上を実現するためには、印字に際して2以上に分画さ
れた加熱温度を採用しなければならないという点につい
ては、従来と同様であった。
本発明者等は、3色以上の記録を行う感熱記録材料につ
いて、印字の際の温度分画を減少させるべく鋭意検討し
た結果、光定着し得る発色剤をマイクロカプセル化する
一方、光により崩壊し、内包された発色剤を放出せしめ
るという光活性化のプロセスを組み合わせることによ
り、一温度のみによって3色の記録を行うことができる
ことを見出し本発明に到達した。
《発明が解決しようとする問題点》 従って本発明の第1の目的は、印字温度が一温度のみで
あっても3色以上の記録を行うことのできる多色記録材
料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、印字温度が比較的低温の一定温
度であっても、色分離良く3色以上の多色記録を行うこ
とができ、且つ生保存性にも優れた多色感熱記録材料を
提供することにある。
《問題点を解決するための手段》 本発明の上記の諸目的は、透明支持体の両面に、相異な
る色相に発色し得る発色層を夫々一層以上設けた多色感
熱記録材料において、該発色層の中の少なくともいずれ
か一層が2色以上に発色し得る層であり、該発色層に含
有される夫々異なる発色に関与する発色剤及び/又は顕
色剤の各組み合わせについて、少なくとも一方を各々異
なるマイクロカプセルに内包せしめた多色感熱記録材料
であって、該マイクロカプセルの一方が光崩壊性である
ことを特徴とする多色感熱記録材料により達成された。
本発明の多色感熱記録材料及びこれを使用して容易に良
好な多色画像を得るための一例を図に従って説明する。
第1図は、透明支持体の一方の面に、シアン及びマゼン
タの色相に発色し得る感熱層を有し、他方の面に、イエ
ローの色相に発色し得る感熱層を有する場合の例であ
る。各色相に発色するためにはそれぞれの色相に対して
少なくとも発色剤と顕色剤が必要であるが、本発明にお
いては、感熱材料の生保存性及び記録後の非画像部の着
色防止の観点から、各色相に対して、必須発色成分の少
なくとも一方をマイクロカプセルに内包せしめる。この
場合、シアン又はマゼンタに対するマイクロカプセルの
一方(図においては後者)を光崩壊性のマイクロカプセ
ルとする。他の色相に対するマイクロカプセルは光崩壊
性でなければ、熱によって破壊されるものであっても、
破壊はされないが物質透過性となる(例えば、特開昭59
−91438号参照)ものであっても良いが、比較的低温で
発色反応を起こさせることができるという点で、後者の
物質透過型マイクロカプセルを使用することが好まし
い。
この場合、2色発色層の色相をそれぞれ独立に発色せし
めるために、該2色発色層に含有される透過型マイクロ
カプセルに、それらの少なくとも一方が内包される発色
剤と顕色剤の組み合わせとしては、特開昭61−40192号
に開示されているようなジアゾ化合物のカップリング発
色反応と光定着反応の系を採用するのが望ましい。即
ち、まず初めに光崩壊性マイクロカプセルを破壊しない
程度の低熱エネルギーで熱記録を行った後(図において
は(シアン発色))、残存するジアゾ化合物を光分解す
る光源を用いて光定着する一方、光崩壊性カプセルを崩
壊せしめてマゼンタ色相の熱記録ができるように感熱材
料を活性化する。次に再度熱記録すれば、もはやシアン
発色のためのジアゾ化合物は存在していないからマゼン
タ発色のみが可能であり、従って、シアン色相の記録
と、マゼンタ色相の記録を各々独立に発色させることが
できる。
又、裏面の感熱層(イエロー)については、いつ熱記録
を行っても良い。このようにして、透明支持体の片側か
ら視ると、シアン、マゼンタ、イエロー、シアン+マゼ
ンタ(ブルー)、マゼンタ+イエロー(レッド)、シア
ン+イエロー(グリーン)、シアン+マゼンタ+イエロ
ー(ブラック)の計7色の基本発色が色分離良く実現で
きることになる(第2図参照)。又、印加熱エネルギー
を適度に加減して各ユニットの発色をコントロールする
ことにより、混色により実現できる色の数を相乗的に増
すことができることは、当業者であれば容易に理解るこ
とができる。
しかしながら、色再現性を特に問題としない場合には、
上記の光定着の工程を省略しても良いし、光定着するこ
とのできない発色剤と顕色剤の組み合わせを用いても良
いということは当然である。
即ち、本発明においては、発色材料と顕色材料の組み合
わせとしては、ジアゾ化合物とカプラーの組み合わせを
採用することも、塩基性染料前駆体と酸性物質の組み合
わせを採用することも任意である。しかしながら、記録
後の無用の発色を防止するために光定着の可能な前者の
組み合わせを採用することが好ましい。
後者の組み合わせにおける塩基性染料前駆体とは、エレ
クトロンを供与して、或いは酸等のプロトンを受容して
発色する性質を有するものであって、特に限定されるも
のではないが、通常略無色で、ラクトン、ラクタム、サ
ルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格
を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開環若し
くは開裂する化合物が用いられる。具体的には、クリス
タルバイオレットラクトン、ベンゾイルロイコメチレン
ブルー、マラカイトグリーンラクトン、ローダミンBラ
クタム、1,3,3−トリメチル−6′−エチル−8′−ブ
トキシインドリノベンゾスピロピラン等がある。
これらの発色剤に対する顕色剤としては、フェノール化
合物、有機酸若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エス
テル等の酸性物質が用いられる。これらの酸性物質の好
ましい融点は50℃〜250℃であり、特に60℃〜200℃の、
水に難溶性のフェノール、有機酸が望ましい。
これらの具体例は、例えば特願昭60−132990号に記載さ
れている。
又、本発明に係る多色感熱記録材料の発色素材には、前
記の如く、発色剤としてジアゾ化合物を、このジアゾ化
合物の顕色剤としてカップリング成分(カプラー)を使
用することが好ましいが、良く知られているように、ジ
アゾ化合物の化学構造を変更するか、カップリング成分
の化学構造を変更すれば容易に発色色相を変えることが
でき、組み合わせ次第で略任意の発色色相を得ることが
できる。ジアゾニウム塩の光分解波長はその吸収極大波
長であると言われており、又ジアゾニウム塩の吸収極大
波長はその化学構造に応じて、200nm位から700nm位迄変
化することが知られている(「感光性ジアゾニウム塩の
光分解と化学構造」角田隆弘、山岡亜夫著 日本写真学
会誌29(4)197〜205頁(1965)。従って、2色発色層
の発色剤として共にジアゾ化合物を使用する場合には、
両者の分解波長が異なるように、又、光定着後の発色の
ために使用するジアゾ化合物の分解波長と光崩壊性カプ
セルの分解のための有効波長とが一致しないようにジア
ゾ化合物を選択する。
本発明で使用する光分解性のジアゾ化合物は、主として
芳香族ジアゾ化合物を指し、具体的には、芳香族ジアゾ
ニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾアミノ化
合物等の化合物を意味し、これらの公知の化合物の中か
ら適宜選択して使用することができる。
ジアゾスルホネート化合物を用いる時は、印字の前にジ
アゾスルホネートを活性化するための光照射を行うこと
が望ましい。
従って、特に、光定着後の発色剤としてジアゾスルホネ
ート化合物を用いる場合には、先行する光定着及びマイ
クロカプセル破壊のための露光によって活性化し得るの
で、ジアゾスルホネート化合物を使用して、未露光時の
活性を比較的低く抑えることにより感熱材料としての生
保存性を向上せしめることができる一方、使用時の感熱
感度も十分であるのでこの場合は本発明の好ましい実施
態様である。
上記のジアゾスルホネート化合物は多数のものが知られ
ており、ジアゾニウム塩を亜硫酸塩で処理することによ
り得られる。
これらの化合物の中で好ましい化合物としては、2−メ
トキシ、2−フェノキシ、2−メトキシ−4−フェノキ
シ、2,4−ジメトキシ、2−メチル−4−メトキシ、2,4
−ジメチル−2,4,6−トリメチル、4−フェニル、4−
フェノキシ、4−アセトアミド等の置換基を有するベン
ゼンジアゾスルホン酸塩、或いは又、 4−(N−エチル、N−ベンジルアミノ)、4−(N,N
−ジメチルアミノ)、4−(N,N−ジエチルアミノ)、
4−(N,N−ジエチルアミノ)−3−クロル、4−ピロ
リジノ−3−クロル、4−モルホリノ−2−メトキシ、
4−(4′−メトキシベンゾイルアミノ)−2,5−ジブ
トキシ、4−(4′−トリメルカプト)−2,5−ジメト
キシ等の置換基を有するベンゼンジアゾスルホン酸塩で
ある。
本発明に用いられるジアゾ化合物に対する顕色剤は、ジ
アゾ化合物(ジアゾニウム塩)とカップリングして色素
を形成するカップリング成分である。
その具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸アニリドの他、レゾルシンを初めとし特願昭60
−287485号に記載されているものを挙げることができ
る。
更にこれらのカップリング成分を2種以上併用すること
によって任意の色調の画像を得ることができる。これら
のジアゾ化合物とカップリング成分とのカップリング反
応は、塩基性雰囲気下で起こり易い為、層内に塩基性物
質を添加してもよい。
塩基性物質としては、水難溶性ないしは水不溶性の塩基
性物質や、加熱によりアルカリを発生する物質が用いら
れる。それらの例としては無機及び有機アンモニウム
塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素及びその誘導
体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラ
ジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール
類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、
ピペリジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、ピリ
ジン類等の含窒素化合物が挙げられる。これらの具体例
は、例えば、特願昭60−132990号に記載されている。
塩基性物質は2種以上併用してもよい。
本発明で好ましく用いる事のできる前記物質透過型マイ
クロカプセルはそのカプセル壁材、内包するカプセル芯
物質、添加剤等を適宜選ぶことにより、カプセル芯物質
である発色剤等の透過開始温度即ち、発色温度を自由に
コントロールすることができる。この場合の物質透過開
始温度はカプセル壁のガラス転移温度に相当するもので
あり、この物質透過型マイクロカプセルの詳細は、例え
ば特開昭59−91438号、特願昭59−190886号、特願昭59
−99490号等に記載されているが次に、その概略を述べ
る。
カプセル壁固有のガラス転移点を制御するには、カプセ
ル壁形成材の種類を替えることが必要である。カプセル
壁の素材としては、ポリウレア、ポリウレタン、ポリウ
レア/ウレタン混合カプセル、尿素−ホルマリンカプセ
ル、他の合成樹脂を芯物質に内包した形のポリウレア/
他の合成樹脂混合カプセル、イリウレタン/他の合成樹
脂混合カプセル、ポリエステル、ポリアミド等のカプセ
ルが好ましく、特にポリウレア及びポリウレタンが好ま
しい。マイクロカプセル化の手法、用いる素材および化
合物の具体例については米国特許第3,726,804号、同第
3,796,696号の明細書に記載されている。
マイクロカプセルを作る時、マイクロカプセル化すべき
成分を0.2重量%以上含有した乳化液から作ることがで
きる。
本発明で使用する光崩壊型マイクロカプセルとしては、
酸により分解し得るシリルエーテル結合を有する重合被
膜からなる壁を有し且つ光照射により酸を発生する化合
物を含有する光崩壊性マイクロカプセル(特願昭60−19
8744号)、及び酸により分解し得るシリルウレイド結合
を有する重合被膜からなる壁を有し、且つ光照射により
酸を発生する化合物を含有する光崩壊性マイクロカプセ
ル(特願昭60−198745号)を挙げることができる。
次式 で表されるシリルエーテル基を有する化合物は、酸によ
り容易に分解する。その一例を次に示す。
シリルエーテル基を有するマイクロカプセルは、互いに
反応してポリマーを形成する2個以上の官能基を有する
2種以上の化合物を互いに反応せしめて形成される。
一方、シリルウレイド基 を有する化合物は、次式の如く酸により容易に分解す
る。
シリルウレイド基を有するマイクロカプセルは、これに
反応してポリマーを形成する2個以上の官能基を有する
2種以上の化合物をこれに反応せしめて形成される。
代表的な、上記光崩壊性カプセル壁形成素材を第1表に
示す。
第1表に示した化合物の具体例は、特願昭60−198744号
及び60−198745号に記載されている。
表中Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはアリールオ
キシ基を示す。
R′は置換基を有していてもよい2価の脂肪族又は芳香
族炭化水素基を示す。
R″は置換基を有していてもよい2価〜4価の脂肪族又
は芳香族炭化水素基を示す。
Rは置換基を有していてもよいn価の脂肪族又は芳香
族炭化水素基を示す。
R′は置換基を有していてもよいアルキル基、アリー
ル基もしくはアラルキル基を示す。
第1表に示したA、Bの各壁形成成分は、R、R′、
R″、Rを適宜選択することにより有機溶媒可溶性、
或いは水可溶性とすることができる。
光崩壊性マイクロカプセルは、その壁形成成分の溶解性
の点から、界面重合による方法、或いはIn-Situ重合法
いずれかの方法により得ることができる。両者がいずれ
も有機相に溶解する場合は、所謂In-Situ法によりカプ
セルを得ることができる。A及びB成分を有機相に溶解
した後、保護コロイドを有する水相に添加撹拌し、1〜
30μmの微粒子に乳化する。次いで必要に応じ40〜80℃
に加温して撹拌を継続することにより、A及びB成分が
互いに反応して有機相内部にてポリマーを形成し、水相
との界面に析出して有機相の微粒子を内包したマイクロ
カプセルを得ることができる。
A及びBの何れか一方が有機溶媒に可溶、一方が水相に
可溶の場合は、界面重合法によるカプセル化法を採用す
る。
A又はBいずれか一方の反応性成分を含む、有機溶媒に
溶解した溶液を、保護コロイド及び他の水溶性反応成分
を含む水相に添加して1〜30μmに乳化する。更に撹拌
を継続しつつ、必要に応じ加温することによりA、B成
分が互いに界面にて反応して界面に被膜を形成し、乳化
された有機溶媒相の微粒子が被覆されたマイクロカプセ
ルを得る。
光崩壊性マイクロカプセル壁を分解するための光酸発生
剤は、目的に応じカプセルの壁中に存在させることも、
カプセル内の溶媒にあらかじめ分散又は溶解して用いる
こともできる。
本発明で使用することのできる光照射により酸を発生し
得る化合物としては、多くの公知の化合物及び混合物、
例えば、ジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウム、
及びヨードニウムのBF4 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 -、ClO4 -
等の塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノンジアジドス
ルホニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物
の組み合わせ等が挙げられる。又、米国特許第3,779,77
8号及び西ドイツ国特許第2,610,842号の明細書中に記載
された光分解により酸を発生させる化合物も好ましく使
用することができる。更に、適当な染料と組み合わせて
露光の際、露光部と未露光部の間に可視的コントラスト
を与えることを目的とした化合物、例えば特開昭55−77
742号、同57−163234号の明細書に記載された化合物も
使用することができる。
上記、光分解により酸を発生し得る化合物の中で、代表
的なものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換したs−トリアジン誘導
体(I)又はオキサジアゾール誘導体(II) 式中、R1は置換もしくは無置換のアリール基又はアルケ
ニル基、R2はR1、−CX3又は、置換もしくは無置換のア
ルキル基を示す。Xは塩素原子又は臭素原子を示す。
(2)ヨードニウム塩(III)又はスルホニウム塩(I
V) 式中、Ar1、Ar2は同一でも相異していてもよく、置換又
は無置換の芳香族基を示す。R1、R2、R3は同一でも相異
していてもよく、置換又は無置換のアルキル基、芳香族
基を示す。X-はBF6 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、ClO4 -を示
す。
又、R1、R2、R3のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれ単
結合又は置換基を介して結合してもよい。
一般式(III)で示される化合物としては、例えば特開
昭50−158580号、特開昭51−100716号、及び特公昭52−
14277号公報記載の化合物が挙げられる。また一般式(I
V)で示される化合物としては、例えば特開昭51−56885
号、特公昭52−14278号、米国特許第4,442,197号、西独
特許第2,904、626号の各明細書中に記載の化合物が挙げ
られる。
(3)ジスルホン誘導体(V)又はイミドスルホネート
誘導体(VI) 式中、Ar1、Ar2は同一でも相異していてもよく、置換又
は無置換のアリール基を示す。R1は置換又は無置換のア
ルキル基又はアリール基を示す。Aは置換又は無置換の
アルキレン、アルケニレン、アリーレンの何れかの基を
示す。
(4)ジアゾニウム塩(VII) Ar−N2+X- (VII) ここで式中、Arは置換又は無置換の芳香族基を示す。X-
は有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン、
有機硫酸アニオン、又はBF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、Cl
O4 -を示す。
本発明に用いられる光分解により酸を発生し得る化合物
の割合は、マイクロカプセル壁中のシリルエーテル基単
位又はシリルウレイド基単位に対し、好ましくはモル比
で0.0001/1〜10/1、更に好ましくは0.01/1〜2/
1の範囲で使用される。
又必要に応じて、本発明のマイクロカプセル内の有機相
には、上記光分解により酸を発生し得る化合物の酸発生
率を増大させる化合物(所謂増感剤)を含有させること
ができる。このような増感剤として、例えば、一般式
(III)、(IV)で示される酸発生剤に対しては、米国
特許第4,250,053号、同第4,442,197号の明細書中に記載
された化合物を挙げることができる。
これらの増感剤と光分解により酸を発生し得る化合物と
の割合は、モル比で0.01/1〜20/1であり、好ましく
は0.1/1〜5/1の範囲で使用される。
通常これらの酸発生剤及び増感剤はカプセル内の溶媒中
に分散又は溶解して用いる。この場合に使用する溶媒
は、公知の天然鉱物油、動物油、植物油及び合成油等の
中から適宜選択することができる。
又、揮発性の溶剤、例えば酢酸ブチル、ベンゼン等も用
いることができる。
光崩壊性マイクロカプセルの基本的な製造工程は次の通
りである。
(1)ポリビニルアルコール、ゼラチン、カルボキシメ
チルセルロース等の水溶性高分子を含む水溶液を調製す
る。
本発明において、水溶性高分子の使用量は内包されるべ
き疎水性油性液の0.5〜30%であり、好ましくは1〜20
%である。ここで水溶性高分子には、水溶性のアニオン
性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子が包含され
る。
(2)表1に記載の壁形成油溶性成分を疎水性液体オイ
ル中に溶解又は分散する。添加量は壁の厚さにより変更
するが、1〜50重量%の範囲で使用目的に応じて添加す
る。
(3)(1)の水溶性高分子水溶液中に、(2)の疎水
性液体を加え撹拌し、使用目的に応じて乳化液滴が数μ
〜数mμになる様に調節する。この際、乳化剤としてア
ニオン性、カチオン性、或いはノニオン性の界面活性剤
を使用することができる。この乳化液滴がほぼ所望のマ
イクロカプセルのサイズとなる。
(4)(3)で得られた乳化系に、表1に示す水相のも
う一方の壁形成成分を水に溶解して、もしくは直接に水
相に添加する。
この場合、壁形成成分をあらかじめ(1)の水溶液に直
接加えておいてもよい。
(5)撹拌を継続しつつ、必要に応じて40〜80℃に加温
し、油相、水相の界面において重合反応を起こさせて、
マイクロカプセル壁を形成する。
(6)カプセル化後、必要に応じて濾別水洗を繰り返し
てマイクロカプセルを単離する。
壁形成成分が、両者いずれも内蔵すべき溶媒に溶解する
ものである場合は、両者の壁形成成分を油相に溶解又は
分散せしめ、上記の方法に準じ、In-Situ法(油相より
マイクロカプセル壁を形成せしめマイクロカプセルとす
る)によりマイクロカプセルを形成せしめることができ
る。
上記の光崩壊性マイクロカプセルについてのより詳細な
説明は、特願昭60−198744号及び60−198745号に記載さ
れている。
本発明では、発色助剤を用いることも可能である。
本発明で用いることのできる発色助剤とは、加熱印字の
発色濃度を高くする、もしくは最低発色温度を低くする
物質であり、カップリング成分、塩基性物質もしくはジ
アゾ化合物等の融点を下げたり、カプセル壁の軟化点を
低下せしめる作用により、ジアゾ、塩基性物質、カップ
リング成分等が反応し易い状況を作るためのものであ
る。
従って、特に物質透過型のマイクロカプセルが関与する
発色反応に有効である。
発色助剤としては、フェノール化合物、アルコール性化
合物、アミド化合物、スルホンアミド化合物等があり具
体例としては、p−tert−オクチルフェノール、p−ベ
ンジルオキシフェノール、p−オキシ安息香酸フェニ
ル、カルバミン酸ベンジル、カルバミン酸フェネチル、
ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、キシリレ
ンオレンジオール、N−ヒドロキシエチル−メタンスル
ホン酸アミド、N−フェニル−メタンスルホン酸アミド
等の化合物を挙げることができる。これらは、芯物質中
に含有させてもよいし、分散物としてマイクロカプセル
外に添加してもよい。
本発明では、以上の素材の他に酸安定剤としてクエン
酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等
を添加することができる。
本発明に用いるジアゾ化合物、カップリング成分、塩基
性物質等はマイクロカプセル化されないときは、サンド
ミル等により固体分散して用いるのがよい。この場合、
それぞれ別々に水溶性高分子溶液中で分散される。好ま
しい水溶性高分子としては、マイクロカプセルを作る時
に用いられる水溶性高分子が挙げられる。このとき水溶
性高分子の濃度は2〜30重量%あり、この水溶性高分子
溶液に対してジアゾ化合物、カップリング成分、塩基性
物質、ジアゾ以外の発色成分、顕色剤は、それぞれ5〜
40重量%になるように投入される。
分散された粒子サイズは10μ以下が好ましい。
本発明の感熱材料は、適当なバインダーを用いて塗工す
ることができる。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アラビヤゴム、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテッ
クス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等の各種エマルジョンを用いることがで
きる。使用量は固形分に換算して0.5〜5g/m2である。
又、感熱層の塗布量は3g/m2〜20g/m2特に5g/m2〜15g
/m2の間にあることが好ましい。3g/m2以下では十分な
感度が得られず、20g/m2以上塗布しても品質の向上は
見られない。
感熱層の上に保護層を設けない場合には最上部の感熱
層、又、保護層を設ける場合にはその保護層には、熱ヘ
ッドに対するスティッキングの防止や筆記性を改良する
目的で、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の顔料や、ス
チレンビーズ、尿素メラミン樹脂等の微粉末を使用する
ことができる。
又同様に、スティッキング防止のために金属石けん類も
使用することができる。これらの使用量としては0.02g
/m2程度が適当である。
本発明における多色感熱材料は、透明支持体の片面側か
ら透過画像もしくは反射画像として見ることができる
が、特に後者の場合に地肌の部分の裏側が透けて見える
ことになると画像が冴えないので、白く見せるために発
色層に白色顔料を加えることも、白色顔料を含む層を付
加的に塗布してもよい。いずれの場合でも、記録画像を
見る側とは反射側の最外層に対して行うのが有効であ
る。好ましい白色顔料の例として、タルク、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、アルミナ、合成シリカ、酸化チタン、硫酸バ
リウム、カオリン、ケイ酸カルシウム、尿素樹脂等が挙
げられる。
本発明で使用する透明支持体には、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルのフィルム、三酢酸セルロースフィルム等のセルロー
ス誘導体のフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリエチレン等のポリオレフィンのフ
ィルム等があり、これらを単体で或いは貼り合わせて用
いることができる。透明支持体は20〜200μ厚のものが
用いられ、特に50〜100μのものが好ましい。
本発明においては、透明支持体と発色層の接着を高める
ために両層の間に下塗層を設けることができる。下塗層
の素材としては、ゼラチンや合成高分子ラテックス、ニ
トロセルロース等が用いられる。下塗層の塗布量は0.1g
/m2〜2.0g/m2の範囲にあることが好ましく、特に0.2g
/m2〜1.0g/m2の範囲が好ましい。
0.1g/m2より少ないと、支持体と発色層との接着が十分
でなく、又2.0g/m2以上にしても支持体と発色層との接
着力は飽和に達しているのでコスト的に不利となる。
下塗層は、感熱層がその上に塗布された時に感熱層中に
含まれる水により下塗層が膨潤すると感熱層の画質が悪
化することがあるので、硬膜剤を用いて硬化させること
が望ましい。
本発明に用いることができる硬膜剤としては、下記のも
のを挙げることができる。
ジビニルスルホンN,N′−エチレンビス(ビニルスル
ホニルアセタミド)、1,3−ビス(ビニルスルホニル)
−2−プロパノール、メチレンビスマレイミド、5−ア
セチル−1,3−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−ト
リアジン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、1,3,5−トリビニルスルホニル−ヘキ
サヒドロ−s−トリアジン、の如き活性ビニル系化合
物。
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・
ナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−s−ト
リアジン、2,4−ジクロロ−6−(4−スルホアニリ
ノ)−s−トリアジン・ナトリウム塩、2,4−ジクロロ
−6−(2−スルホエチルアミノ)−s−トリアジン、
N−N′−ビス(2−クロロエチルカルバミル)ピペラ
ジンの如き活性ハロゲン系化合物。
ビス(2,3−エポキシプロピル)メチルプロピルアン
モニウム・p−トルエンスルホン酸塩、1,4−ビス
(2′,3′−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5
−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジグリシジ
ル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソ
シアヌレートの如きエポキシ系化合物。
2,4,6−トリエチレン−s−トリアジン、1,6−ヘキサ
メチレン−N,N′−ビスエチレン尿素、ビス−β−エチ
レンイミノエチルチオエーテルの如きエチレンイミノ系
化合物。
1,2−ジ(メタンスルホンオキシ)エタン、1,4−ジ
(メタンスルホンオキシ)ブタン、1,5−ジ(メタンス
ルホンオキシ)ペンタンの如きメタンスルホン酸エステ
ル系化合物。
ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−シクロヘキシ
ル−3−(3−トリメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド−p−トリエンスルホン酸塩、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
の如きカルボジイミド系化合物。
2,5−ジメチルイソオキサゾール・過塩素酸塩、2−
エチル−5−フェニルイソオキサゾール−3′−スルホ
ネート、5,5′−(パラフェニレン)ビスイソオキサゾ
ールの如きイソオキサゾール系化合物。
クロム明ばん、酢酸クロムの如き無機系化合物。
N−カルボエトキシ−2−イソプロポキシ−1,2−ジ
ヒドロキノリン、N−(1−モルホリノカルボキシ)−
4−メチルピリジニウムクロリドの如き脱水縮合型ペプ
チド試薬;N,N′−アジポイルジオキシジサクシンイミ
ド、N,N′−テレフタロイルジオキシジサクシンイミド
の如き活性エステル系化合物。
トルエン−2,4−ジイソシアネート、1,6、ヘキサメチ
レンジイソシアネートの如きイソシアネート類。
これらの硬膜剤の添加量は、下塗素材の重量に対して、
0.20重量%から3.0重量%の範囲で、塗布方法や希望の
硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶことができる。
添加量が0.20重量%より少ないと、いくら経時させても
硬化度が不足し、感熱層の塗布時に下塗層が膨潤する欠
点を有し、又逆に、3.0重量%よりも多いと硬化度が進
みすぎ、下塗層と支持体との接着がかえって悪化し、下
塗層が膜状になって支持体より剥離する欠点を有する。
用いる硬化剤によっては、必要ならば、更に苛性ソーダ
等を加えて、液のpHをアルカリ側にする事も、或いはク
エン酸等により液のpHを酸性側にする事もできる。
又、塗布時に発生する泡を消すために、消泡剤を添加す
る事も、或いは、液のレベリングを良くして塗布筋の発
生を防止するために、活性剤を添加する事も可能であ
る。
又、必要に応じて帯電防止剤を添加することも可能であ
る。
更に、下塗層を塗布する前には、支持体の表面を公知の
方法により活性化処理する事が望ましい。活性化処理の
方法としては、酸によるエッチング処理、ガスバーナー
による火焔処理、或いはコロナ処理、グロー放電処理等
が用いられるが、コストの面或いは簡便さの点から、米
国特許第2,715,075号、同第2,846,727号、同第3,549,40
6号、同第3,590,107号等に記載されたコロナ放電処理が
最も好んで用いられる。
本発明において、感熱層の上に設けことのできる保護層
の大きな目的は、耐水性、耐傷性を付与するためのもの
である。素材としては、ポリビニルアルコール、ケイ素
変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン−無水
マレイン酸の共重合体、澱粉等を単独で或いは混合して
バインダーとし、更に、それらのバインダーを硬化させ
るために、前述の下塗層に用いたものと同じ硬膜剤を用
いたり、或いは、ホウ砂やホウ酸、コロイダルシリカ等
を用いる事が望ましい。
保護層には、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、クレ
ー等の白色顔料を含有させることにより、白地をより白
く見せたり、印字時におけるヘッドとの接着を防止する
事もできる。
又、螢光染料、着色染料を少量添加し、より白く見せる
こともできる。又、背景部の色相が白でなく、所望の色
相になるように好適な染料を添加して一様に染色するこ
ともできる。
保護層の塗布量は、0.3g/m2から5g/m2の範囲にある事
が好ましく、特に、0.5g/m2から4g/m2の範囲にある事
が好ましい。
塗布量が0.3g/m2より少ないと、耐水性や耐傷性を十分
持たせることができず、又、4g/m2より多いと、印字時
に余分なエネルギーが必要であり好ましくない。
本発明に係る塗布液は、一般によく知られた塗布方法、
例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カー
テンコート法、ローラーコート法、ドクターコート法、
ワイヤーバーコート法、スライドコート法、グラビアコ
ート法、或いは米国特許第2,681,294号明細書に記載の
ホッパーを使用するエクストルージョンコート法等によ
り塗布することが出来る。必要に応じて、米国特許第2,
761,791号、同第3,508,947号、同第2,941,898号、及び
同第3,526,528号明細書、原崎勇次著「コーティング工
学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記載された方法
等により2層以上に分けて、同時に塗布することも可能
であり、塗布量、塗布速度等に応じて適切な方法を選ぶ
ことができる。
本発明に用いる塗液に、顔料分散剤、増粘剤、流動変性
剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、着色剤を必要に応じて適
宜配合することは、特性を損なわぬ限り何らさしつかえ
ない。
本発明の多色記録材料は、高速記録の要求されるファク
シミリや電子計算機のプリンター用シートとして用いる
ことができる。この場合、通常のファクシミリやプリン
ターと異なり、両面同時熱記録可能な、いわゆる両側サ
ーマルヘッドを使用することが好ましい。又、従来の単
一サーマルヘッドを使用する場合には、その片面に熱記
録したシートを反転して、再度シートの反対側に熱記録
を行う。
発色剤として、ジアゾ化合物を使用する場合の光定着及
び光崩壊カプセルを崩壊せしめるために使用する光源と
しては、例えば種々の螢光灯、キセノンランプ、キセノ
ンフラッシュランプ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッ
シュ、ストロボ等種々の光源を用いることができる。
又、光定着ゾーンをコンパクトにするため、光源部と露
光部とを光ファイバーを用いて分離してもよい。
《発明の効果》 以上詳述した如く、本発明によれば、透明支持体両面の
感熱記録を低温の同一温度で多色記録をすることができ
るのでエネルギー消費を少なくすることができる。
《実施例》 以下に実施例によって本発明を更に説明するが、本発明
はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量を示す「部」は「重量部」を表わす。
加熱発色型カプセル(シアン)の調製 ジアゾ化合物 3.4部 トリクレジルホスフェート 6部 塩化メチレン 12部 トリメチロールプロパントリメタアクリレート 18部 タケネートD-110N(75重量%酢酸エチル溶液)(武田薬
品工業(株)製(商品名)) 24部 を混合し、 ポリビニルアルコール8重量%水溶液63部と蒸留水100
部からなる水溶液の中に添加した後、20℃で乳化分散
し、平均粒径2μの乳化液を得た。次に、得られた乳化
液を40℃にて3時間撹拌しつづけた。
この液を20℃に冷却した後、アンバーライトIR−120B
(ロームアンドハース社製(商品名))を100cc添加
し、1時間撹拌し、その後濾過して液状の加熱発色型カ
プセル(シアン)を得た。
光崩壊型カプセル(マゼンタ)の調製 水溶性高分子としてポリビニルアルコール(PVA−205
クラレ社製 重合度550 鹸化度88モル%)3.0部を水40
部中に添加、撹拌しつつ80℃に加熱溶解し、保護コロイ
ド水溶性液を得る。更にこの水相溶液中にマイクロカプ
セル壁を形成する一成分として (CH3−SiOCH2CH2OH) 4部を添加し溶解した。
一方マイクロカプセル中に含まれる芯成分としての1−
1 キシリル−フェニルエタン(クレハ化学(株)製)
24部、酢酸エチル4.0部中にマイクロカプセル壁を形成
する他の成分の多価イソシアナート24部(トリメチロー
ルプロパノールのトリレンジイソシアナート付加物 バ
ーノックD−750 大日本インキ)、光酸発生剤として
1.0部及び、 ジアゾ化合物 3.4部 塩化メチレン 8.0部 を混合溶解し、内包液を得た。この溶液を上記保護コロ
イド水溶液中に激しく撹拌しながら加えて乳化し、O/
W型エマルジョンを生成させ、油滴サイズが容量平均で
約2.0μmになったところで撹拌を止めて乳化液を得
た。
次に、暗所にて上記乳化液を撹拌しつつ60℃に加温して
撹拌を8時間継続した。壁形成成分がキシリルフェニル
エタンと水との界面で反応して重合被膜を形成し、光酸
発生剤のキシリルフェニルエタン溶液を包み込んだマイ
クロカプセルが形成された。
カプラー/塩基分散液Aの調製 カプラー 14部 トリフェニルグアニジン(塩基) 14部 ポリビニルアルコール4重量%水溶液 138部 を混合し、ダイノミル(ウイリー・エイ・バコフェン・
エイ・ジー社製(商品名))にて分散して、平均粒径3
μの分散液を得た。
発色助剤分散液Aの調製 発色助剤 28部 及び ポリビニルアルコール4重量%水溶液 138部 を混合し、ダイノミル(ウイリー・エイ・バコフェン・
エイ・ジー社製(商品名))にて分散して、平均粒径3
μの分散液を得た。
塗布液Aの作製 加熱発色型カプセル(シアン) 4.9部 光崩壊型カプセル(マゼンタ) 4.9部 ハイドロキノン5重量%水溶液 0.2部 カプラー/塩基分散液A 7.4部 発色助剤分散液A 7.4部 を混合し、塗布液Aとした。
カプラー/塩基分散液Bの調製 カプラー 14部 トリフェニルグアニジン(塩基) 6部 ポリビニルアルコール4重量%水溶液 138部 を混合し、カプラー/塩基分散液Aと同様の操作を行
い、カプラー/塩基分散液Bを得た。
塗布液Bの作製 カプセル液A 4.9部 ハイドロキノン5重量%水溶液 0.2部 カプラー/塩基分散液B 3.7部 発色助剤分散液A 7.4部 を混合し、塗布液Bを作製した。
次に、透明支持体として75μ厚の2軸延伸されたポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用い、両面にコロナ処
理を施した後、一方の面(塗布面A)に塗布液Aを乾燥
重量で20g/m2、反対側の面(塗布面B)に塗布液Bを
乾燥重量で12g/m2になるように各々塗布し、40℃で30
分間乾燥して記録シートを得た。
得られた記録シートの塗布液A両側を、熱ブロックを用
いて100℃で1秒間ランダムに加熱した所シアンに発色
した。次いで、A面にリコピースーバードライ100型に
て10秒間光照射(400〜430nm)を行った後、再度100℃
で1秒間熱ブロックを用いて加熱した所マゼンタの発色
を得た。同様に、B面側表面をランダムに数ケ所、100
℃の熱ブロックを用いて、1秒間加熱をしたところ、加
熱部にはイエローの発色が見られた。
以上の発色シートを片面側から見ると、シアン、イエロ
ー、マゼンタそしてブルー(シアン+マゼンタ)、グリ
ーン(シアン+イエロー)、レッド(イエロー+マゼン
タ)、ブラック(シアン+イエロー+マゼンタ)の、鮮
明で不必要な混色や色ニジミのない発色像が得られた。
実施例2 実施例1の光崩壊型カプセル(マゼンタ)の調製の項で
使用した。
(CH32SiCOH2CH2OH)及び光酸発生剤の代りに各
々、 及び、 1.0部 を使用し、光増感剤として、3−ケトクマリン化合物0.
15部を追加した他は実施例1と全く同様にして記録シー
トを作製した。
得られた記録シートについて実施例1の場合と同様のテ
ストをした所、実施例1の場合と同等の結果が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の多色感熱記録材料の1例を示す断面
図である。 第2図は、本発明の多色感熱記録材料に発色像を形成せ
しめた場合を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明支持体の両面に、相異なる色相に発色
    し得る発色層を夫々一層以上設けた多色感熱記録材料に
    おいて、該発色層の中の少なくともいずれか一層が2色
    以上に発色し得る層であり、該発色層に含有される夫々
    異なる発色に関与する発色剤及び/又は顕色剤の各組み
    合わせについて、少なくとも一方を各々異なるマイクロ
    カプセルに内包せしめた多色感熱記録材料であって、該
    マイクロカプセルの一方が光崩壊性であることを特徴と
    する多色感熱記録材料。
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