JPH0667588A - ホログラム材料及びホログラムの製造方法 - Google Patents

ホログラム材料及びホログラムの製造方法

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JPH0667588A
JPH0667588A JP21685892A JP21685892A JPH0667588A JP H0667588 A JPH0667588 A JP H0667588A JP 21685892 A JP21685892 A JP 21685892A JP 21685892 A JP21685892 A JP 21685892A JP H0667588 A JPH0667588 A JP H0667588A
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JP
Japan
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acrylate
methacrylate
hologram
monomer
mixture
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JP21685892A
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Takeshi Ishizuka
剛 石塚
Koji Tsukamoto
浩司 塚本
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光重合を利用した材料のホログラム特性を改
良して屈折率変調強度やホログラム膜の透明性に優れた
ホログラムを作製する材料を開発する。 【構成】 下記一般式(I)で示されるフッ素を含有す
るアクリレートまたはメタクリレートモノマ0〜40重量
部と、下記一般式(II)で示されるアクリレートまたは
メタクリレートモノマ40〜50重量部とからなる第一のモ
ノマを熱重合開始剤と加熱し、 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) これに少なくとも芳香族環を有するモノマを含む第二の
モノマ40〜 150重量部と、光重合開始剤とを添加し、こ
の組成物からホログラム材料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体積位相型ホログラム
を製造するのに適した光重合性組成物および当該組成物
を用いてホログラムを製造する方法に関する。更に詳し
くは、本発明は有機材料の光重合反応を利用したホログ
ラム用組成物およびそれを用いたホログラムの製造方法
に関する。本発明に係るホログラム用光重合性組成物
は、ホログラム光学部品や、ホログラムディスプレイな
どの分野に有用である。
【0002】
【従来の技術】ホログラムとは、レーザー光等の可干渉
性の光の干渉波面をホログラム記録材料に、屈折率分
布、吸光度分布または表面凹凸分布として記録したもの
である。例えば、光をハーフミラー等で分割し、その一
方を記録しようとする物体に照射し、その物体からの光
(物体光)と、分割したもう一方の光(参照光)を記録
材料に照射することで干渉波面が記録される。この記録
パターンを現像処理により屈折率分布、吸光度分布また
は表面凹凸分布として実現することでホログラムが形成
される。本発明が提供するホログラムは、屈折率分布型
に属する体積位相型ホログラムであり、理論上、高い回
折効率を得られることが知られており、解像性の点でも
優れている。
【0003】ホログラムに再び光を照射することで、干
渉波面を形成したもう一方の光を再生することができ
る。このホログラフィ技術は、3次元ディスプレイとし
て広く知られているが、そればかりでなく、その波長分
離機能、光偏向機能、入射角選択機能および偏向選択機
能などを利用した光学素子としても検討されている。光
学素子としては、バーコード読み取り装置やレーザープ
リンタ用のビームスキャナ等に適用されており、ヘッド
アップディスプレイ用ミキシングウインドなどへの適用
も検討されており、本発明が提供する材料は光学素子の
作製を目的とするものである。
【0004】従来より、ホログラム材料として、漂白銀
塩、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマ、フォトレジス
ト、サーモプラスチック、無機ガラス、強誘電体等の多
くの材料が提案されている。しかし、これらの既知ホロ
グラム記録材料にあっては、上記の特性を十分に満足す
るものは少ない。これらの材料の中で、漂白銀塩および
重クロム酸ゼラチンはある程度実用化の域に達したもの
であるが、それでも、漂白銀塩は通常の処理に加えて漂
白処理が必要であり、ホログラムにノイズが多い、ホロ
グラムが耐湿性、耐光性などの耐久性に劣るという問題
がある。また、重クロム酸ゼラチンは高い屈折率変調、
即ち高い回折効率が得られ、解像性が高く、透明性が高
い等の優れたホログラム特性を示すが、ホログラムの耐
湿性が悪く、保存安定性や製造安定性の面で問題が指摘
されている。
【0005】このような状況において、有機材料を用い
た多くの材料が提案されている。有機材料を用いた材料
には、大別して光重合反応を利用した材料と、光架橋反
応を利用した材料とが知られている。光架橋反応を利用
した材料としては、特開昭53-15153号公報等にカルバゾ
ール環を含む重合体とハロゲン含有化合物からなる材料
が提案されており、例えばポリ−N−ビニルカルバゾー
ルと四沃化炭素からなる膜厚4μmの感光膜を、ホログ
ラム露光し、溶剤処理することにより90%の高い回折率
が得られる旨開示されている。
【0006】光重合反応を利用した材料においても多く
の材料が提案されている。例えば特開平2-216180号公報
には、ポリ−N−ビニルカルバゾール、多官能性モノマ
および光重合開始剤からなる材料が提案されており、例
えば多官能性モノマとしてトリス(アクリロイルオキシ
エチル)イソシアヌレート、重合開始剤として3,3′
4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)
ベンゾフェノンおよび3,3′−カルボニルビス(7−
ジエチルアミノクマリン)を用いた膜厚9μmの感光膜
を、ホログラム露光し、溶剤処理することにより80%程
度の回折効率が得られる旨記載されている。また、特表
昭60-502125 号公報には、エチレン性不飽和単量体と増
感剤および分枝鎖状ポリエチレンイミンからなる材料が
提案されており、例えばバインダとしてポリ−N−ビニ
ルピロリドン、不飽和単量体としてリチウムアクリレー
ト、感光剤として分枝状ポリエチレンイミンおよびメチ
レンブルー等からなる膜厚5μmの感光膜を、ホログラ
ム露光し、溶剤処理することによって、約60%の回折効
率が得られる旨開示されている。上記各材料は、すべて
屈折率変調を実現するために、溶剤に浸漬するという湿
式の現像処理をすることを特徴としている。
【0007】これに対し、溶剤への浸漬工程を要しない
材料も提案されており、例えば米国特許第 3,694,218号
には、金属アクリレート等のエチレン性不飽和単量体と
光重合開始剤からなる材料が提案されており、金属アク
リレートとしてバリウムアクリレート等を、重合開始剤
としてトルエンスルホン酸ナトリウム塩等を用いた液状
の材料を10〜20μmのガラス板間に封入し、これにホロ
グラム露光することで、3%程度の回折効率を得てい
る。米国特許第 3,658,526号には、 100℃以上の沸点を
有するエチレン性不飽和単量体とバインダおよびフリー
ラジカル重合開始剤を用いた材料が提案されており、エ
チレン性不飽和単量体としてトリエチレングリコールジ
アクリレート、バンイダとしてセルロースアセテートブ
チレート、重合開始剤としてイミダゾイルダイマ化合物
等を用いた材料を露光することでホログラムを製造する
ことが開示されている。特開平2-3081号公報には、溶媒
可溶性、熱可塑性の重合体結合剤、 100℃以上の沸点を
有する液体エチレン系不飽和単量体および光開始剤から
なる材料が提案されており、重合体結合剤としてセルロ
ースアセテートブチレート、エチレン系不飽和単量体と
して2−フェノキシエチルアクリレートとN−ビニルカ
ルバゾールの混合物を使用し、膜厚10μmの感光膜で回
折効率53%が得られることが開示されている。特開平2-
3082号公報には、ポリビニルアセテート等の、当該セグ
メントを含むインターポリマー及びこれらの混合物から
選ばれるポリマー性バインダーと、カルゾゾールを含む
モノマ又は芳香環、塩素および臭素を含んだ液体モノマ
ーから選ばれるエチレン性不飽和モノマ並びに光開始剤
からなる材料が提案されており、バインダーとしてポリ
ビニルアセテート、モノマとしてトリメチロールプロパ
ントリアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
N−ビニルカルバゾールを用いた系で、反射効率99.9%
の反射型ホログラムを作製できることが開示されてい
る。また、特開平3-50588 号公報には、大きな屈折率変
調強度を得ることのできる材料として、フッ素含有ポリ
マー性バインダ、 100℃以上の沸点を有する液体エチレ
ン性不飽和モノマおよび光開始剤からなる材料が提案さ
れており、バインダとしてビニルアセテート/テトラフ
ルオロエチレン/エチルビニルエーテル=79/15/6(重量
%) の共重合体を用い、11.1μm厚の膜で、反射効率 9
9.99%が得られる旨開示されている。更に特開平 3-365
82号公報には、アリルジグリコールカーボネートと、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−メタクリ
ロイルオキシエトキシ)フェニル)プロパンおよび光重
合開始剤からなる材料をガラス板の間に挟み、加熱し、
露光することによって40%程度の回折効率が得られてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、従来、各
種ホログラム材料が提案されているが、現状では、屈折
率変調強度やホログラム膜の透明性等のホログラム特性
の点で、重クロム酸ゼラチンに匹敵するような特性を示
す材料はなく、従来のホログラム材料は以前として改良
すべき点を残している。従って、本発明は、光重合を利
用した材料のホログラム特性を改良して、優れた特性を
有するホログラム材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、下記一
般式(I)で示されるフッ素を含有するアクリレートま
たはメタクリレートモノマ20〜40重量部と、下記一般式
(II)で示されるアクリレートまたはメタクリレートモ
ノマ20〜60重量部の混合物I、重合物I、 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) 又は上記混合物Iと重合物Iとの混合物IIと、少なくと
も芳香族環を有するビニル、アリル、アクリレート又は
メタクリレート化合物を含む混合物III 40〜100重量部
と、光によって混合物III を重合させる光重合開始剤I
を含んでなるホログラム材料が提供される。
【0010】本発明に従えば、また下記一般式(I)で
示されるフッ素を含有するアクリレートまたはメタクリ
レートモノマ20〜40重量部と、下記一般式(II)で示さ
れるアクリレートまたはメタクリレートモノマ20〜60重
量部の混合物Iと、多官能アクリレートもしくは多官能
メタクリレート化合物0〜20重量部との混合物IVの重合
物IV又は混合物IVと重合物IVとの混合物V、 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) と、少なくとも芳香族環を有するビニル、アリル、アク
リレート又はメタクリレート化合物を含む混合物III 40
〜100 重量部と、光によって混合物III を重合させる光
重合開始剤Iを含んでなるホログラム材料が提供され
る。
【0011】本発明に従えば、更に、(i)下記一般式
(I)で示されるフッ素を含有するアクリレートまたは
メタクリレートモノマ0〜40重量部と、下記一般式(I
I)で示されるアクリレートまたはメタクリレートモノ
マ40〜50重量部とからなる第一のモノマ 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) と熱重合開始剤を溶解した溶液を加熱又は加熱、攪拌す
る工程と、(ii)前記工程(i)の溶液の温度が室温に
戻った後、当該溶液に、少なくとも芳香族環を有するモ
ノマを組成として有する第二のモノマ40〜 150重量部お
よび光重合開始剤を添加する工程と、(iii) 当該組成物
を支持体に塗布し、可干渉性のレーザ光によって生成さ
れる光干渉縞パターンを照射する工程とからなることを
特徴とするホログラムの製造方法が提供される。
【0012】本発明では、2種の異なる屈折率を有する
混合モノマの群を使用する。第一のモノマは、熱重合開
始剤とともに溶媒に溶解し、加熱することで重合を進行
させる。重合の進行したモノマ混合物を含む溶液に、第
一のモノマと異なる屈折率を有する第二のモノマおよび
光重合開始剤を加えて感光性組成物を作製する。この感
光性組成物は、重合が進行し、反応し得るモノマが少な
くなった第一のモノマからなる群と、反応基を多く残し
ている第二のモノマおよび光重合開始剤で構成される。
これに、光を照射すると、第二のモノマは反応基を多く
残しているため、第一のモノマの群に比べ多く重合す
る。このため、光照射部は第二のモノマが多くなり、未
照射部は第一のモノマの群が多くなる。第一のモノマと
第二のモノマは、異なる屈折率のモノマであるため、光
照射部と未照射部の間で屈折率差が生じる。
【0013】以上の理由から、本発明で使用する第一の
モノマと第二のモノマは、その屈折率差の大きいことが
必要である。本発明では、第一のモノマとして、鎖式の
フッ素を含有するアクリルまたはメタクリルモノマと、
鎖式または脂環式のアクリルまたはメタクリルモノマの
混合物を用いる。フッ素含有モノマは屈折率が低く、低
屈折率のモノマ混合物を得ることができ、第二のモノマ
として高屈折率のモノマを用いた構成で材料を作製する
場合に有効である。本発明で使用する第一のモノマは、
前記一般式(I)で示されるフッ素含有モノマと、前記
一般式(II)で示されるモノマの混合物を使用する。こ
れらの式(I)及び(II)で示されるモノマは、室温で
液体のモノマであり、溶液加熱重合させるのに適してい
る。
【0014】本発明で用いる式(I)で示されるモノマ
の中で特に好ましい化合物は、トリフロロエチルアクリ
レート、トリフロロエチルメタクリレート、テトラフロ
ロプロピルアクリレート、テトラフロロプロピルメタク
リレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、
ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、ヘキサフ
ロロブチルメタクリレート等である。また、これらのモ
ノマに加えて、ヘプタフルオロブチルアクリレート、ヘ
プタフルオロブチルメタクリレート、ヘキサフルオロブ
チルアクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチル
メタクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルア
クリレート、3(4(1−トリフロロメチル−2,2−
ビス(ビス(トリフロロメチル)フロロメチル)エチニ
ルオキシ)ベンゾオキシ)2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート等を併用することもできる。
【0015】式(II)で示されるモノマの中で特に好ま
しい化合物は、メチルメタクリレート、メチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プ
ロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチル
メタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート等である。また、
これらのモノマに加えて、メトキシエチルメタクリレー
ト、メトキシエチルアクリレート、プロパノンメタクリ
レート、ブタノンメタクリレート、アミルアクリレート
等を併用することもできる。式(I)と式(II)のモノ
マの組成比は、式(II)のモノマが40〜50重量部に対
し、式(I)のモノマ0〜40重量部である。式(I)の
モノマが過剰の場合には、膜が不透明化し易くなる。
【0016】また本発明では、上記2群のモノマに加え
て、多官能アクリレートまたは多官能メタクリレートを
使用することができる。多官能モノマを使用することに
よって、最終的に作製されるホログラムの透明性を更に
向上させることができる。これは、溶液内で作製される
重合物の周期構造が乱れ、さらには網目状の重合構造と
なることで、後に添加する高屈折率モノマとの相溶性が
向上するためと考える。多官能アクリレートまたは多官
能メタクリレートとしては、例えばエチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,
4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート等の鎖式の多官能性モノマが使
用できる。多官能性モノマの前記2群のモノマに対する
使用量には特に制限はないが、好ましくは0〜20重量部
であり、多官能性モノマが過剰になると、熱重合時にゲ
ル化しやすくなり、また、塗布、露光しても屈折率変調
が得られなくなる。
【0017】次に本発明で使用する第二のモノマは、少
なくともその組成に芳香族環を有するモノマを含む混合
モノマであり、第一のモノマ40〜110 重量部に対し40〜
150重量部、好ましくは40〜110 重量部添加する。第一
のモノマと第二のモノマの割合によって、得られる屈折
率変調が変化するので所望のホログラムに要求される変
調速度に応じて第一のモノマと第二のモノマとの割合を
決定する。第一のモノマに対する第二のモノマの使用量
が過剰又は過少の場合には、十分な変調強度が得られな
くなる。
【0018】本発明の第二のモノマとして使用される芳
香族環を有するモノマとしては、ベンジルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ジブロモフェニル
アクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、ペン
タブロモフェニルアクリレート、ブロモスチレン、ヨー
ドスチレン、ビニルナフタレン、ナフチルアクリレー
ト、N−ビニルカルバゾール、アリルカルバゾール、メ
タクリロイルオキシエチルカルバゾール、アクリロイル
オキシエチルカルバゾール、ジフェン酸モノ(2−メタ
クリロイルオキシエチル)エステル、ジビニルベンゼン
およびこれらの任意の混合物が使用できる。本発明に従
えば、上記モノマ 100重量部に対して、多官能性アクリ
レートまたは多官能性メタクリレート10〜 100重量部を
加える。多官能性アクリレートまたは多官能性メタクリ
レートとしては、トリス(アクリロイルオキシエチル)
イソシアネート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートおよびこれらの混合物等が使用できる。
【0019】本発明において使用される光重合開始剤
は、ホログラムを製造するレーザー光の波長に応じて、
選択され、さらには増感剤を添加して使用することがで
きる。本発明における光重合開始剤は、一般に知られて
いるアクリル、メタクリル系モノマ用の光重合開始剤が
使用でき、NIKKEI NEW MATERIALS; 1990年4月16日
号、43〜49頁、材料技術;Vol.2,10,(1984)、1〜17頁、
0plus E;No133, 105〜116 頁(1990)、フォトポリマハ
ンドブック フォトポリマー懇話会編;工業調査会発
行、初版、(1989) 、442 〜 457頁等に記載のある多くの
開始剤が使用できる。例えば使用可能な光重合開始剤と
しては、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、過酸化ベンゾイ
ル、ジ(t−ブチルパーオキシ)フタレート、ジ(t−
ブチルパーオキシ)テレフタレート、ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)イソフタレート等の有機過酸化物、および増
感剤として、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−
6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、
3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、2,5−ビス−(4−ジエチルアミノベンジリデ
ン)シクロペンタノン、2,6−ビス−(4−ジメチル
アミノベンジリデン)シクロヘキサノン等を使用するこ
とができる。また、ベンゾイミダゾール、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾール、2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ビス−(m−メトキ
シフェニル)イミダゾリル2量体、2−(o−メトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体等
のイミダゾール類、および、2−メルカプトベンゾチア
ゾール、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、p−アミノベ
ンゾフェノン、p−ジエチルアミノベンゾフェノン、p,
p ′−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p ′−
ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1H−1,
2,4−トリアゾール−3−チオール、4−メチル−4
H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール等の化合
物から選ばれた組合せの混合物と、さらには増感色素と
して、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ
クマリン)、2,6−ビス−(4−ジメチルアミノベン
ジリデン)シクロヘキサノン、2,5−ビス−(4−ジ
エチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン等を使用
することができる。
【0020】次に、本発明におけるホログラム製造方法
について説明する。まず、前述の第一のモノマの群を、
熱重合開始剤とともに溶媒に溶解する。溶媒としては、
沸点が約90℃以上の溶媒を使用するのが好ましく、その
例としては、トルエン、ジオキサン、アニソール、ジア
セトンアルコール、エチルベンゼン、キシレン、ジメチ
ルホルムアミド等があげられる。熱重合開始剤として
は、通常のビニル、アクリルモノマ用の任意の熱重合開
始剤が使用でき、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、
トルオイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイ
ド、ブチリルパーオキサイド、ブチルパーオキシイソブ
チレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジメチル
−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等の過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルブチロニ
トリル、アゾビスジメチルメトキシバレロニトリル、ア
ゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ系化合物
などがある。
【0021】熱重合開始剤は、第一のモノマ 100重量部
に対し、 0.1〜 100重量部を、好ましくは 0.5〜2重量
部使用する。開始剤の使用量が多い場合には、重合の進
行が遅く、少ない場合には、速くなるため、上記重量部
範囲で使用することが望ましい。溶媒は、第一のモノマ
100重量部に対し、50〜1000重量部、好ましくは 100〜
600重量部を使用する。溶媒の使用量が多い場合には、
重合の進行が遅く、逆に少ない場合には速くなるため、
上記重量部で使用することが望ましい。
【0022】次に、上で得られた溶液を加熱、攪拌す
る。加熱温度は使用する熱重合開始剤によって異なる
が、一般には40〜80℃が望ましい。加熱時間は、開始剤
や溶媒の重量によって異なるが、2〜12時間が望まし
い。多官能性アクリレートを使用する場合や溶媒重量が
少ない場合には、加熱時間は短くなる。多官能性アクリ
レートは、溶液を加熱、攪拌した後の工程で、添加して
もよい。
【0023】次いで、溶液を室温まで放冷し、第2のモ
ノマの群、および光反応開始剤を溶液に添加し溶解す
る。この際、溶媒濃度を調製する目的で、さらに溶媒を
添加しても良い。可能な溶媒としては、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、クロロホル
ム、トルエン、ジオキサン、アニソール、ジアセトンア
ルコール、エチルベンゼン、キシレン、ジメチルホルム
アミド、モノクロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル
等がある。溶媒濃度は、次の塗布工程で、所望の膜厚が
得られるように設定する。
【0024】感光膜は、ガラスまたはプラスチック等の
透明基板上に上記の溶液を塗布することで形成される。
塗布方法は、通常のスピンコート、ドクターブレード塗
布、スクリーン印刷、ロールコート、ディップコート等
の任意の方法によることができる。塗布膜は、窒素フロ
ー下、または80℃以下のオーブン内でベークする。この
感光膜に、ホログラム露光すると、屈折率変調が生じホ
ログラムが形成される。露光後の膜は、次いで加熱処理
しても良く、加熱すると屈折率変調強度が増強する。ま
た、紫外線照射しても良く、紫外線を照射すると、未反
応で残留したモノマの重合反応が促進される。また、特
定の増感色素を用いた場合には、紫外線を照射すること
で、増感色素の可視域の吸収を低減することもできる。
【0025】次に、本発明の実施例について述べる。な
お、実施例で作製したホログラムのうち、透過型ホログ
ラムは、アルゴンイオンレーザ(Lexel 製、モデル95)
の 488nm光を用い、空間周波数1800本/mm 、縞の倒れ角
0度の条件で作製したものである。露光強度は1mW/cm2
とし、光強度はパワーメータ(COHERENT社製、MODEL21
2)で測定した。透過型ホログラムの回折効率は、直線偏
光He-Ne レーザの632.8nm 光を用い、これを入射光と回
折光が作る平面に垂直な偏光方向(s偏光)でホログラ
ムに入射し、回折効率が最大となる入射角度での回折光
強度と入射光強度との比(ηs)、およびs偏光と垂直
な偏光方向(p偏光)で入射し、回折効率が最大となる
入射角度での回折光強度と入射光強度との比(ηp)を
示している。また、ホログラムの膜厚は、触針式膜厚計
(テンコール社製、アルファステップ)を用いて測定し
たものである。反射型ホログラムは、同じくアルゴンイ
オンレーザ(Lexel 製、モデル95)の 488nm光を用いて
作製した。塗布膜の基板側にマッチング液(ジクロロベ
ンゼン)を介してミラーを設置し、膜側から1光束のレ
ーザー光を45度の入射角で照射して作製した。縞の倒れ
角は90度である。反射型ホログラムは、ホログラムに垂
直に白色光(MC-964、大塚電子) を照射し、瞬間分光測
光器(MCPD-100、大塚電子)で透過スペクトルを測定し
た。上記条件で作製したホログラムの場合、反射光と回
折光が同じ方向に生じこれを分離することはできないた
め、回折効率は求めず、透過率を求めた。回折波長幅
は、回折によって生じた透過スペクトルの谷の部分につ
いて、その透過率の低下値が半分になる波長幅として求
めた。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の技術的範囲をこれらの実施例によって限定
するものでないことは言うまでもない。
【0027】実施例1 サンプル瓶に、ジオキサン 4.0gを入れ、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレー
ト(セントラル硝子製) 0.3g、メチルメタクリレート
0.4g、イソブチルメタクリレート 0.3g、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.02gを溶解した。これを70℃で6時
間攪拌した。次いで油浴から取り出し、テトラヒドロフ
ラン2gを添加し、室温まで放冷した後、アリルカルバ
ゾール0.33g、アクリロイルオキシエチルカルバゾール
0.33g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.33
g、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′
−5,5′−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール
(東京化成製 B1225) 0.05g、2−メルカプトベンゾチ
アゾール(アルドリッチ製)0.05g、2,6−ビス−
(4−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン
(みどり化学製)0.001 gを溶解した。この溶液を 300
μmギャップのドクタブレードを用いて50×50×1mmの
ガラス基板上に塗布し、窒素フローボックス中で乾燥し
て感光膜を作製し、実施例1と同様にホログラム露光し
た。露光後回折効率を測定したところ、ηs=71%、η
p=88%であった。
【0028】実施例2 実施例1で作製したホログラムに、UVランプ(SB-125、
SPECTROLINE 製) を10分間照射した。UVランプの光照射
強度は、UVパワーメータ(UVP Inc.製) で測定し、 4.4
mW/cm2であった。再び回折効率を測定したところ、ηs
=69%、ηp=89%であった。膜厚は42μmであった。
【0029】実施例3 サンプル瓶に、ジオキサン 4.0gを入れ、トリフロロエ
チルメタクリレート(セントラル硝子製) 0.4gエチル
メタクリレート 0.6g、アゾビスイソブチロニトリル0.
02gを溶解した。この溶液をホットプレートスターラで
70℃に設定した油浴中に設置し、6時間加熱した。次い
で油浴から取り出し、テトラヒドロフラン2gを添加
し、室温まで放冷した。室温に戻った溶液に、2−ビニ
ルナフタレン(V290-9、アルドリッチ製)0.33g、トリ
ブロモフェニルアクリレート(マナック製)0.33g、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社油脂
製)0.33g、 3,3′, 4,4′−テトラ−(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(日本油脂製)0.
10g、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(コダ
ック製) 0.001gを溶解し、感光液を作製した。これを
200μmギャップのドクタブレードを用いて50×50×1
mmのガラス基板上に塗布し、窒素フローボックス中で乾
燥して感光膜を作製した。次いで、透過型ホログラム露
光系で、 400mJ/cm2露光した。露光後に、ホログラムの
回折効率を測定したところ、ηs=27%、ηp=16%で
あった。
【0030】実施例4 実施例3で作製したホログラムを、オーブンで80℃、1
時間加熱した後に、再び回折効率を測定したところ、η
s=51%、ηp=34%であった。膜厚は27μmであっ
た。
【0031】実施例5 サンプル瓶に、ジオキサン 4.0gを入れ、トリフロロエ
チルメタクリレート 0.4g、メチルメタクリレート 0.4
g、グリシジルメタクリレート 0.1g、アゾビスイソブ
チロニトリル0.02gを溶解した。これを実施例1と同様
にして、70℃、1時間攪拌した。次いで油浴から取り出
し室温に戻した後、トリメチロールプロパントリアクリ
レート50μl、ネオペンチルグリコールジアクリレート
(共栄社油脂製)50μlを添加し、再び油浴に設置して
70℃、4時間攪拌した。次いで油浴から取り出し、テト
ラヒドロフラン2gを添加し、室温まで放冷した後、ア
リルカルバゾール0.25g、アクリロイルオキシエチルカ
ルバゾール0.25g、N−ビニルカルバゾール0.25g、ト
リメチロールプロパントリアクリレート0.25g、2,
2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′−5,
5′−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(東京
化成製 B1225) 0.05g、4−メチル−4H−1,2,4
−トリアゾール−3−チオール(アルドリッチ製、25,8
93-8) 0.05g、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベン
ジリデン)シクロペンタノン(日本感光色素製 NKX146
0) 0.001 gを溶解した。この溶液を 300μmギャップ
のドクターブレードを用いて50×50×1mmのガラス基板
上に塗布し、窒素フローボックス中で乾燥して感光膜を
作製し、実施例1と同様にホログラム露光した。露光後
回折効率を測定したところ、ηs=65%、ηp=91%で
あった。膜厚は、41μmであった。
【0032】比較例1 サンプル瓶にジオキサン 4.0g、テトラヒドロフラン
2.0gを入れ、ポリメチルメタクリレート(重量平均分
子量100,000) 1.0gを溶解した。次いで、アリルカルバ
ゾール0.25g、アクリロイルオキシエチルカルバゾール
0.25g、N−ビニルカルバゾール0.25g、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート0.25g、2,2′−ビス
(o−クロロフェニル)−4,4′−5,5′−テトラ
フェニル−1,2−ビイミダゾール(東京化成製 B122
5) 0.05g、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾ
ール−3−チオール(アルドリッチ製、25,893-8) 0.05
g、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)
シクロペンタノン(日本感光色素製 NKX1460)0.001gを
溶解した。この溶液を 300μmギャップのドクターブレ
ードを用いて50×50×1mmのガラス基板上に塗布し、窒
素フローボックス中で乾燥し感光膜を作製した。実施例
1と同様にホログラム露光した。露光後回折効率を測定
したところ、ηs=11%、ηp=5%であった。膜厚
は、44μmであった。
【0033】比較例2 サンプル瓶に酢酸ブチル 4.0g、テトラヒドロフラン
2.0gを入れ、ポリトリフロロエチルメタクリレート
(ポリサイエンス社製) 1.0gを溶解した。次いで、ア
リルカルバゾール0.25g、アクリロイルオキシエチルカ
ルバゾール0.25g、N−ビニルカルバゾール0.25g、ト
リメチロールプロパントリアクリレート0.25g、2,
2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′−5,
5′−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(東京
化成製 B1225) 0.05g、4−メチル−4H−1,2,4
−トリアゾール−3−チオール(アルドリッチ製、25,8
93-8) 0.05g、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベン
ジリデン)シクロペンタノン(日本感光色素製 NKX146
0) 0.001 gを溶解した。この溶液を 300μmギャップ
のドクターブレードを用いて50×50×1mmのガラス基板
上に塗布し、窒素フローボックス中で乾燥し感光膜を作
製した。感光膜は、光散乱性の膜であり、実施例1と同
様にホログラム露光してもホログラムを形成することは
できなかった。
【0034】実施例6〜8 実施例5のヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート
(セントラル硝子製)0.3g、エチルメタクリレート 0.
4g、グリシジルメタクリレート 0.1gに変えて表1の
モノマを使用し、以下は同様にしてホログラムを作製し
た。露光後の効率を同じく表1に示す。
【0035】 表 1 ──────────────────────────────── 使用モノマー 回折効率 ──────────────────────────────── 6 トリフロロエチルアクリレート 0.4g ηs=77%、ηp=82% エチルアクリレート 0.4g ク゛リシシ゛ルアクリレート 0.1g ──────────────────────────────── 7 ヘキサフロロイソフ゜ロヒ゜ルアクリレート 0.3g ηs=80%、ηp=80% イソフ゛チルアクリレート 0.3g メチルメタクリレート 0.2g ク゛リシシ゛ルアクリレート 0.1g ──────────────────────────────── 8 ヘキサフロロフ゛チルメタクリレート 0.3g ηs=58%、ηp=43% メチルメタクリレート 0.5g ク゛リシシ゛ルアクリレート 0.1g ────────────────────────────────
【0036】実施例9 サンプル瓶に、ジオキサン 4.0gを入れ、トリフロロエ
チルメタクリレート 0.4g、メチルメタクリレート 0.4
g、グリシジルメタクリレート 0.1g、トリメチロール
プロパントリアクリレート50μl、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート50μl、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.02gを溶解した。これを実施例1と同様にして、70
℃、4時間攪拌した。次いで油浴から取り出し、テトラ
ヒドロフラン2gを添加し、室温まで放冷した後、以下
の工程は、実施例5と同様にして感光液を作製した。こ
の溶液を 300μmギャップのドクターブレードを用いて
70×70×2mmのガラス基板上に塗布し、窒素フローボッ
クス中で乾燥して感光膜を作製した。この感光膜に、反
射型ホログラム露光系で 200mJ/cm2露光した。露光後、
透過スペクトルを測定したところ、透過率の減少する回
折波長が 540nmであり、 540nmにおいて透過率は15%に
まで減少していた。回折波長幅は、9nmであった。図1
に透過スペクトルを示す。
【0037】実施例10 実施例9で作製した反射型ホログラムを80℃のオーブン
で1時間加熱した後に、再び透過スペクトルを測定し
た。スペクトルから、回折波長は 560nm、透過率は4
%、回折波長幅は35nmであった。
【0038】実施例11 サンプル瓶に、ジオキサン 4.0gを入れ、トリフロロエ
チルメタクリレート 0.4g、メチルメタクリレート 0.6
g、アゾビスイソブチロニトリル0.02gを溶解した。こ
れを、70℃で6時間攪拌した。次いで油浴から取り出
し、テトラヒドロフラン2gを添加し、室温まで放冷し
た後、以下の工程は、実施例9と同様にして反射型ホロ
グラムを作製した。露光後の透過率は20%、回折波長は
540nm、回折波長幅は9nmであった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有機物を用いた、光重合反応を利用したホログラム材料
において、特定のフッ素含有(メタ)アクリレートモノ
マ及び(メタ)アクリレートモノマを用いることによっ
て回折効率の高いホログラムを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例9で得られたホログラム膜の透過
スペクトル図である。図1において、横軸は波長を示
し、縦軸は透過率を示す。ここで透過率は入射光強度に
対する透過光強度の比である。 540nmの付近の急しゅん
なピークが、ホログラムの回折に起因する透過光の減
少、 500nmより短波長域のブロードなピークは、ホログ
ラム膜に残留する色素等による吸収および膜の散乱に起
因する透過光の減少である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるフッ素を含
    有するアクリレートまたはメタクリレートモノマ20〜40
    重量部と、下記一般式(II)で示されるアクリレートま
    たはメタクリレートモノマ20〜60重量部の混合物Iの重
    合物I、 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
    有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
    4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) または上記混合物Iと重合物Iとの混合物II、少なくと
    も芳香族環を有するビニル、アリル、アクリレート又は
    メタクリレート化合物を含む混合物III 40〜100重量部
    及び光によって混合物III を重合させる光重合開始剤I
    を含んでなることを特徴とするホログラム材料。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で示されるフッ素を含
    有するアクリレートまたはメタクリレートモノマ20〜40
    重量部と、下記一般式(II)で示されるアクリレートま
    たはメタクリレートモノマ20〜60重量部の混合物Iと、
    多官能アクリレートもしくは多官能メタクリレート化合
    物0〜20重量部との混合物IVの重合物IV又は混合物IVと
    重合物IVとの混合物V、 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
    有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
    4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) 少なくとも芳香族環を有するビニル、アリル、アクリレ
    ート又はメタクリレート化合物を含む混合物III 40〜10
    0 重量部及び光によって混合物III を重合させる光重合
    開始剤Iを含んでなることを特徴とするホログラム材
    料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される化合物が、トリ
    フロロエチルアクリレート、トリフロロエチルメタクリ
    レート、テトラフロロプロピルアクリレート、テトラフ
    ロロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロ
    ピルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタク
    リレート及びヘキサフロロブチルメタクリレートの群か
    ら選ばれた少なくとも一種である請求項1又は2に記載
    のホログラム用光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(II)で示される化合物が、メチ
    ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
    クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
    ト、プロピルアクリレート及びブチルアクリレートの群
    から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のホログラム用光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 混合物III が、芳香族環を有するビニ
    ル、アリル、アクリレートまたはメタクリレート化合物
    30〜80重量%及び多官能アクリレートまたは多官能メタ
    クリレート化合物20〜70重量%から構成される混合物で
    ある請求項1〜4項のいずれか1項に記載のホログラム
    材料。
  6. 【請求項6】 (i)下記一般式(I)で示されるフッ
    素を含有するアクリレートまたはメタクリレートモノマ
    0〜40重量部と、下記一般式(II)で示されるアクリレ
    ートまたはメタクリレートモノマ40〜50重量部とからな
    る第一のモノマ 式(I):R1CH=CHCOOR2 (式中、R1は、CH3 またはH であり、R2は、フッ素を含
    有する、炭素数2〜4の鎖式化合物基である) 式(II):R3CH=CHCOOR4 (式中、R3は、CH3 またはH であり、R4は、炭素数1〜
    4の鎖式化合物または脂環式化合物基である) と熱重合開始剤を溶解した溶液を加熱または加熱、攪拌
    する工程と、 (ii)前記工程(i)の溶液の温度が室温に戻った後、
    当該溶液に、少なくとも芳香族環を有するモノマを組成
    として有する第二のモノマ40〜 150重量部および光重合
    開始剤を添加する工程と、 (iii) 当該組成物を支持体に塗布し、可干渉性のレーザ
    光によって生成される光干渉縞パターンを照射する工程
    とからなることを特徴とするホログラムの製造方法。
  7. 【請求項7】 レーザ光の照射後さらに40〜 140℃の温
    度に加熱することを特徴とする請求項6に記載のホログ
    ラムの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のホログラムの製造方法
    において、さらに紫外線を照射することを特徴とするホ
    ログラムの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載のホログラムの製
    造方法において、さらに溶媒に浸漬することを特徴とす
    るホログラム製造方法。
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