JPH0667584B2 - ポリプロピレン系樹脂シート類の製造方法及びこれにより得られた樹脂シート類 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂シート類の製造方法及びこれにより得られた樹脂シート類

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JPH0667584B2
JPH0667584B2 JP63170027A JP17002788A JPH0667584B2 JP H0667584 B2 JPH0667584 B2 JP H0667584B2 JP 63170027 A JP63170027 A JP 63170027A JP 17002788 A JP17002788 A JP 17002788A JP H0667584 B2 JPH0667584 B2 JP H0667584B2
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resin sheet
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品、医薬品、雑貨などの各種包装容器類等の
成形や延伸フイルムの原反に好適に利用できるポリプロ
ピレン系樹脂シート類の製造方法及びこれにより得られ
たポリプロピレン系樹脂シート類に関する。
〔従来の技術〕
ポリプロピレン系樹脂は、強度、耐熱性、防湿性、剛性
などに優れており、フイルム、シート、熱成形容器とし
て、食品、医薬品、雑貨等の包装に用いられている。
しかし、ポリプロピレンは、その結晶性のためにシー
ト、フイルム、成形品の透明性が十分でなく、これを解
決するために、押出シートを急冷する急冷法の採用、造
核剤の添加、石油樹脂の添加、及びこれらの組み合わせ
など、多くの方法が提案されている。なかでも、石油樹
脂の添加、造核剤の添加はかなりの効果があるが、前者
は耐寒衝撃性が低下し、耐溶剤溶出性が不十分であり、
後者は臭気や耐溶剤溶出性が不十分であるという欠点を
有している。
すなわち、ポリプロピレン系樹脂に造核剤としての1,3,
2,4−ジベンジリデン−D−ソルビトールと、アルキレ
ンビスアミドを添加した透明ポリプロピレンフイルムが
知られている(特公昭60−43859号公報)が、造核剤を
主体として透明化を図っているため、造核剤の使用量が
増大するとブリードアウトする造核剤が臭気及び熱水溶
出の原因となり、食品包装用途に用いることが困難であ
るとともに、透明性のレベルも不十分であった。
またポリプロピレン樹脂にビスアマイド化合物を0.5〜5
PHRと多量に配合したシートを一軸延伸し光沢の良好な
フィルムを得る方法が知られている(特開昭58−13471
1)が、シート段階での透明性、光沢は不十分であっ
た。
また、プロピレンランダム共重合体に低密度直鎖状ポリ
エチレン、脂肪酸アミド及びケイ酸を加えた組成物を水
冷インフレーション法により製膜し、透明性、ブロッキ
ング性に優れたフイルムを得る方法が知られているが
(特開昭62−246947号公報)、100μ以下のフイルムで
は効果があるが100μ以上のフイルムシートでは効果が
不十分であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記事情に基づいてなされたもので、プロピ
レン系樹脂の特徴を生かし、透明性、剛性、耐寒衝撃
性、耐溶剤溶出性に優れるとともに、シートの二次加工
において熱成形性に優れたポリプロピレン系樹脂シート
類、即ち成形温度範囲が広く、ドローダウンが少なく、
偏肉のないポリプロピレン系樹脂シート類を造核剤を使
用しなくても製造可能としたもので、臭、ブリードのな
い食品分野をはじめ多くの方面で使用可能なシート類を
得る方法を提供するものである。
また、本発明はベースポリプロピレンのメルトインデッ
クスに制限されず、厚肉で、高速成形性、透明性に優れ
たポリプロピレン系樹脂シート類を製造する方法を提供
するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、ポリプロピレン系樹脂に特定の添加剤を配合
してなる樹脂組成物を特定の成形条件で成形することに
より、造核剤を使用しなくても透明性、成形性に優れた
ポリプロピレン系樹脂シートが得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はポリプロピレン系樹脂にアルキレン
ビスアミド0.02〜2.0重量%を配合してなる樹脂組成物
を200℃以上で溶融し、これをシート状に押出し、次い
でこれを30℃以下に急冷した後、得られたシート類を60
〜160℃で熱処理することを特徴とするポリプロピレン
系樹脂シート類の製造方法に関する。
本発明においてポリプロピレン系樹脂としては、ホモポ
リプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリ
プロピレン、ホモポリプロピレンとランダムポリプロピ
レンとの混合物が用いられる。この混合物はホモポリプ
ロピレンが50重量%以上含まれるものが好適に用いられ
る。このホモポリプロピレンとしては、通常結晶性ポリ
プロピレンを使用する。また、使用するランダムポリプ
ロピレンとしては、プロピレンと20重量%以下、好まし
くは15重量%以下の他のα−オレフィンとの共重合体が
使用できる。この他のα−オレフィンとしては、炭素数
2及び炭素数4〜10程度のα−オレフィンが好適に使用
でき、これらは、直鎖状にあってもよく、分枝状であっ
てもよい。具体的には、たとえば、エチレン、1−ブテ
ン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ネオヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を
挙げることができるが中でも特にエチレン、1−ブテン
等が好ましい。
なお、前記ランダムポリプロピレンは、プロピレンと上
記の如きα−オレフィンの1種との共重合体であっても
よく、また、プロピレンと上記の如きα−オレフィン2
種以上との共重合体であってもよく、あるいはこれらを
併用してもよい。
ポリプロピレン系樹脂はメルトインデックス(MI)値
が、通常0.5〜20g/10分、好ましくは、0.5〜5g/10分
のものが好適に使用できる。
本発明において用いられるアルキレンビスアミドとして
は、特に限定はされないが、具体的にはメチレンビスス
テアロアミド(融点138〜140℃)、エチレンビスステア
ロアミド(融点142〜145℃)などが挙げられる。このア
ルキレンビスアミドを使用すると、押出ダイでのダイ面
との滑りがよくなり、滑らかな表面のシートを安定して
押し出すことができ、これにより透明性、表面光沢が良
くなるものと思われる。
アルキレンビスアミドの添加量は特に限定されないが、
ポリプロピレン系樹脂組成物に対して、通常0.02〜2.0
重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは
0.1〜0.7重量%である。0.02重量%未満であると透明性
改良の効果がなく、2.0重量%を超えると着色及び製膜
時の発煙等の問題が生じ好ましくない。
次に、本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、1〜20重
量%の範囲内で低結晶性ないし非晶性のエチレン−α−
オレフィン共重合体及び/又は石油樹脂を配合すること
ができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体
としては、エチレンにプロピレンや、ブテン−1、ペン
テン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン
−1などのα−オレフィンを共重合して得られた低結晶
性ないし非晶性の樹脂を挙げることができる。これらの
樹脂は密度0.85〜0.90g/cm3のものが好適に用いられ
る。
本発明において、石油樹脂としては特に制限はないが、
好ましくは、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂又は
水素化テルペン系樹脂あるいは、これらの中から選ばれ
る2種以上の混合物が用いられる。石油樹脂を配合する
ことにより透明性が良好となる。
この脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂及び水素化テ
ルペン系樹脂あるいはこれらの混合物としては公知のも
のが使用可能であるが、通常それぞれ分子量が400〜500
0、軟化点が50〜160℃、水素化率が80%以上のものが好
適に使用できる。具体的には、脂肪族系石油樹脂とし
て、たとえば、石油を高温分解して得られるオレフィン
系およびジエン系炭化水素を重合して得られる重合度5
〜20程度の炭化水素樹脂を水素添加したもの、脂環族系
石油樹脂として、たとえば、ビニルトルエン、ビニルキ
シレン、プロペニルベンゼン、スチレン、α−メチルス
チレン、インデン、メチルインデン、エチルインデン等
で示される単量体を重合して得られる芳香族系石油樹脂
を水素添加したもの、水素化テルペン系樹脂としては、
たとえば、アローオシメン、カレン、ピネンもしくはこ
れらの異性体、ジペンチンテルピネン、テルピノレン、
リモネン、テレピン、テルペンのカット分もしくは留分
または種々の他のテルペン類を含む非環式、一環式もし
くは二環式モノテルペン類を重合して得られる重合物ま
たは共重合物またはこれらの水素添加物が挙げられる。
いずれの樹脂についても水素化により製造したものにつ
いては、水素化率を80%以上、好ましくは90%以上とす
ることが好ましく、一部不飽和結合、芳香族環が残って
いるものであっても使用可能である。
なお、これらは1種単独で用いても2種以上を併用して
もよい。
また、必要に応じ本発明の目的を損わない範囲で好まし
くは0.01〜1重量%の造核剤、無機微粉等を少量添加し
てもよい。前記造核剤としては、無機又は有機の公知の
ものが使用可能であり、無機微粉としては、シリカ、ゼ
オライト、ハイドロタルサイト等を挙げることができ
る。
なお、これらは、1種単独で用いても2種以上を併用し
てもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂シート類の製造方法は、
前記ポリプロピレン系樹脂組成物を200℃以上、好まし
くは210〜300℃で溶融し、これをシート状に押出し、次
いでこれを30℃以下、好ましくは20℃以下に急冷してポ
リプロピレン系樹脂シート類を製造することを特徴とす
る。
前記各成分の溶融混練の配合順序としては特に制限はな
く、これらを別々又は同時に添加してもよい。
樹脂組成物の溶融混練は、通常の溶融混練機を用いて予
め別途に行うことも可能であるが、通常は溶融混練部を
有する溶融押出装置を用いて行うのが好適であり、溶融
混練を行った後、溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を溶
融押出装置のダイからシート状に押し出す。
なお、所望により、上記ポリプロピレン系樹脂組成物に
は通常用いられる添加剤、たとえば熱安定剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤などの安定剤、滑剤、各種界面活性剤
などの帯電防止剤、防曇剤などを添加することもでき
る。
この溶融押出装置等を用いて行う溶融混練は、樹脂組成
物の温度を200℃以上、好ましくは210〜300℃の範囲内
として行う。溶融混練の温度が200℃未満であると未溶
融物の発生や、混練が不十分になるとともに、押出動力
が高くなり、あまり高過ぎると樹脂の分解が起こるとと
もに、冷却効率の低下を招く。
溶融押出しは、通常、T−ダイ法により行われ、樹脂組
成物の溶融(混練)温度を上記の温度範囲とし、一方ダ
イ出口温度をダイリップヒーター等を用いて加温して上
記溶融樹脂組成物の温度より若干高めにしておくのが望
ましい。たとえば、ダイ出口温度溶融樹脂組成物の温度
より、通常10〜60℃程度高めにして行うのが好適であ
る。このようにダイ出口温度を溶融樹脂組成物の温度よ
りも若干高めに設定することによって、押出されたシー
ト状物の表面状態を極めて良好に保つことができる。そ
の後このシート状物を30℃以下、好ましくは20℃以下に
急冷することにより透明性を良好にすることができる。
この温度が低いほど透明性が向上する。急冷は20℃以下
の冷却水と接触させることで冷却することが好ましい。
冷却は10℃以下の冷却水を用いて、スリット水冷により
行うことが特に好ましい。
この、冷却水としては、水のみ、あるいは水に有機もし
くは無機の増粘剤を添加した水溶液が用いられるが、増
粘剤を添加した水溶液の方が均一冷却、表面の滑らかさ
の点で好ましい。ここで有機増粘剤としては天然高分子
物質、半合成品、合成品など各種のものを使用できる。
天然高分子物質には、かんしょデンプン、ばれいしょデ
ンプン、小麦デンプンなどのデンプン;こんにゃくなど
のマンナン;寒天、アルギン酸ナトリウムなどの海藻
類;トラガントガム、アラビアゴムなどの植物粘質物;
デキストラン、レバンなどの微生物粘質物;にかわ、ゼ
ラチン、カゼイン、コラーゲンなどのタンパク室等があ
る。半合成品には、ビスコース、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースなどのセルロース系物質;可
溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒ
ドデンプンなどのデンプン系物質等がある。また、合成
品としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリエチレンオキシド等がある。
一方、無機増粘剤としてはシリカゾル、アルミナゾル、
粘土、水ガラス、各種金属塩などがある。
これら増粘剤を水に加えて調製した水溶液の他、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、シリコ
ーンオイルなどの粘性物質を単独で使用することもでき
る。
増粘剤を加えた水溶液の粘度は通常2〜3000センチポイ
ズ(cp)、好ましくは3〜1000cpとするのが好適であ
る。
ここで、用いる冷却装置としては、たとえば、特開昭60
−236719号公報に開示されたもの、特開昭61−130018号
公報中の第1図に示されたものまたは後記の第1図に示
す冷却装置(冷却水流下型水位セット式冷却装置)など
が好適に使用できる。
本発明方法で用いる前記水冷法による急冷方式の例を、
後記の第1図を参照しつつさらに詳しく説明すると次の
通りである。
第1図は、本発明の方法において使用する冷却装置の一
例を概念的に示す断面図であり、図中1および2は、そ
れぞれ冷却水流下導入用水槽を示し、3および4は、そ
れぞれ冷却水流下スリットを示し、5は、冷却水槽を示
す。また、押出T−ダイ6から溶融状態で押出された樹
脂組成物膜状体9は、流下する冷却水7および8の流下
方向に導入され、急例されつつ誘導ロール10〜13によっ
て冷却水槽5中の冷却水14中に誘導され、冷却を完了し
た後、回収される。冷却水槽5中の冷却水は、適宜温度
調節機構15等によって所定の温度となるように温度調節
されており、適宜ポンプ15によって、冷却水流下槽1お
よび2へ循環使用することができる。
なお、冷却水流下スリットとしては、好ましくは第1図
に示す二段式のものが好ましく、また水槽中の流路に
は、多孔性整流体を用いることが好ましい。さらに、冷
却水の流下速度がシート状物の導入速度よりも早く、し
かも冷却水がスリット入口で滞留を生じないようにする
ことが特に好ましい。この滞留を防止するためには、水
槽中の水位をできるだけ低く、7mm以下にすることが好
ましい。
なお、得られるポリプロピレン系樹脂組成物シート類の
形状としては特に制限はなく所望の大きさ(巾)および
(厚み)を有する単層シート状、多層シート状などとし
て成形することができる。もっとも、この樹脂組成物シ
ート類の厚みとしては、その透明性、強度等の点等か
ら、通常50〜3000μm、好ましくは100〜2000μm程度
の範囲とするのが好適であり、本発明の方法は、特に30
0μm以上の厚みのシート類に対しても高い透明性を保
持することができる等の点で効果的で、300μm厚さの
ヘイズが10%以下であるポリプロピレン系樹脂シート類
が得られる。また、本発明の方法によると、得られるシ
ート類は透明性に加えて光沢および他の外観等の表面状
態をも著しく良好なものとすることができる。
以上のようにして製造された樹脂シート類は、透明性の
向上、合成の向上のために60〜160℃で熱処理すること
が必要である。また、必要に応じ延伸を施す。
この熱処理は60〜160℃、好ましくは80〜160℃、さらに
好ましくは80〜10℃の温度範囲において、好ましくは、
1秒〜60秒間、さらに好ましくは2秒〜30秒、たとえば
加熱ロール、加熱空気、不活性液体などを用いて加熱す
ることによって行うことができる。好ましくはロールに
よる連続処理が行われる。
また、上記熱処理中、あるいは、熱処理の前後におい
て、延伸を行うことによりドローダウン防止効果などの
熱成形性が向上する。石油樹脂の配合により延伸性は良
好である。
この延伸は、通常80〜160℃で、好ましくは融点よりも
5〜70℃低い温度、より好ましくは融点より5〜50℃低
い温度に熱し、ロール延伸することにより行うことがで
きる。なお、延伸は一軸延伸で行っても二軸延伸で行っ
てもよい。好ましくは、ロールによる連続熱処理と同時
に、120〜150℃で、巾減少率が5〜20%程度になるよう
に行われる。延伸をこの範囲以上行っても特別の効果は
なく、延伸による熱成形時の型再現性などが低下する。
以上のようにして、所望とするポリプロピレン系樹脂シ
ート類を得ることができる。
本発明方法によって得られるポリプロピレン系樹脂シー
ト類は、臭、ブリードの発生がなく、本来のポリプロピ
レン樹脂が有する強度、耐熱性、耐透湿性等に優れると
ともに、剛性に優れ、耐寒衝撃性、透明性が非常に高い
優れたポリプロピレン系樹脂シート類であり、熱成形し
た場合、型再現性に優れ、成形温度範囲が広く、ドロー
ダウン、偏肉が少ないので各種包装容器類等に広く好適
に利用することができる。またこのシート類は、容器熱
成形用のみでなく、折り曲げ加工によるケース製造用、
さらには優れた延伸性から延伸フィルム用原反としても
利用できる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜8) 第1表に示す配合組成のポリプロピレン系樹脂組成物を
T−ダイ押出装置(押出機90mmφ、L/D24、ダイ巾850
mm、ダイリップ開度2mm)を用いて樹脂温度230℃、ダイ
温度280℃の条件下溶融混練し、透明なシート状物を押
出した。次いで、シート状物を第1図に示す如き二段ス
リット式水冷装置(第1段スリット:高さ50mm、巾2.5m
m、水位4mm、冷却水温5℃、流路に多孔性整流体使用;
第2段スリット:高さ10mm、巾5mm、水位10mm、冷却水
温4℃)に導入して1〜3秒間で4℃まで急冷して、厚
さ0.3mmのシートを得た。このシートを径300mmφのロー
ル(130℃)を用いて熱処理を行った。あるものについ
ては、巾減少率10%の延伸を行った。このシートの物性
等の測定結果を第1表に示す。
表中の記号は次のものを示している。
H−PP1;出光ポリプロ F200S(ホモポリプロピレン、M
I=2.0g/10分、出光石油化学製) H−PP2;出光ポリプロ E100GM(ホモポリプロピレン、
MI=0.5g/10分、出光石油化学製) R−PP;出光ポリプロ F744N(プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体、MI=7.0g/10分、出光石油化学製) PR;アルコン P−140:脂環族石油樹脂、分子量1000、
軟化点140℃、荒川林産化学製 滑剤;エチレンビスステアリルアミド 造核剤;パラ−t−ブチル安息香酸アルミニウム また、物性の測定は次のようにして行った。ヘイズ;JIS
K−7105 グロス;ASTM D−523 引張弾性率;JIS K−7113 比較例6、7のエアナイフ法はダイスから出た融溶膜状
樹脂をチルロールとこれに対向するスリットからのエア
ーにより押えつけるエアーナイフにより冷却固化するシ
ートの製造方法である。
〔発明の効果〕 本発明により得られたシート類は、ポリプロピレン樹脂
が本来有する強度、耐熱性、耐透湿性等に優れるととも
に、臭、ブリードの発生がなく、剛性、光沢に優れ、透
明性が非常に高く、耐寒衝撃性、耐溶剤溶出性に優れ、
しかも真空成形条件等によっても型再現性に優れ、広い
温度範囲で容易に賦形性よく成形することができ、ドロ
ーダウンが少ないという優れた特長を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法において使用する冷却装置の一例
を概念的に示す断面図である。 図中、 1及び2……冷却水流下導入用槽、 3及び4……冷却水流下スリット、 5……冷却水槽、6……T−押出ダイ、 7及び8……流下冷却水、 9……樹脂膜状体、10〜13……誘導ロール、 14……冷却水、15……温度調節機構、 16……ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂にアルキレンビスア
    ミド0.02〜2.0重量%を配合してなる樹脂組成物を200℃
    以上で溶融し、これをシート状に押出し、次いでこれを
    30℃以下に急冷した後、得られたシート類を80〜160℃
    で熱処理することを特徴とするポリプロピレン系樹脂シ
    ート類の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂にアルキレンビスア
    ミド0.02〜2.0重量%及び石油樹脂を配合してなる樹脂
    組成物を200℃以上で溶融し、これをシート状に押出
    し、次いでこれを30℃以下に急冷した後、得られたシー
    ト類を80〜160℃で熱処理することを特徴とするポリプ
    ロピレン系樹脂シート類の製造方法。
  3. 【請求項3】アルキレンビスアミドがエチレンビスステ
    アリルアミドである請求項1又は2記載のポリプロピレ
    ン系樹脂シート類の製造方法。
  4. 【請求項4】急冷を20℃以下の冷却水が落下するスリッ
    ト中にシート類を導入することにより行う請求項1又は
    2記載のポリプロピレン系樹脂シート類の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4いずれか記載の方法により
    得られたシート類を延伸することを特徴とするポリプロ
    ピレン系樹脂シート類の製造方法。
  6. 【請求項6】300μ厚さのヘイズが10%以下であり、ア
    ルキレンビスアミドを0.02〜2.0重量%含有するポリプ
    ロピレン系樹脂シート類。
JP63170027A 1988-07-09 1988-07-09 ポリプロピレン系樹脂シート類の製造方法及びこれにより得られた樹脂シート類 Expired - Lifetime JPH0667584B2 (ja)

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