JP2641180B2 - 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法Info
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Description
装用等に好適な、超高透明無延伸熱可塑性樹脂シート又
はフィルムを効率よく製造する方法に関する。
熱可塑性樹脂、とりわけポリプロピレンから作られるシ
ート又はフィルムは、その結晶形態により、透明性等の
物性が異なる。従来、ポリプロピレンは耐熱性,防湿
性,軽量性,耐油性,無公害性等に優れた物性を有して
いるにも拘らず、シート,シート成形容器とした際に、
透明性に劣るために用途が限られていた。
シート両表面に光沢を付与し、さらにシート内部を透明
化する必要がある。ここで、シートの両表面に光沢を付
与する方法としては、例えば、ロール鏡面を転写する方
法、金属鏡面エンドレスベルトにより転写する方法、ダ
イから出たメルトウェブの表面光沢を上げる方法等が知
られている。一方、シート内部を透明化する方法として
は、(イ)原料により結晶化を阻害する方法、或いは結
晶を微細化する(可視光波長以下の径にする)方法、
(ロ)急冷により結晶化を阻害する方法、(ハ)延伸,
配向により結晶を破壊する方法などが知られている。
み合わせた方法が種々提案されている。例えば、ロール
鏡面の転写を行なうと共に、原料樹脂に増核剤を添加す
ることにより、シート両表面に光沢を付与すると共に、
シート内部を透明化する方法が提案されているが、薄肉
シートを製膜することが難しく、透明感も完全ではな
い。
圧延を行なう方法も提案されているが、圧延による延伸
配向のため、シートMD方向,TD方向の物性がアンバ
ランスとなったり、熱成形性に劣るという問題がある。
さらに、金属鏡面エンドルスベルトによる転写方法が、
特公昭61−24977号公報,同61−32572号
公報,特開昭62−284719号公報などに示されて
いるが、透明性がやはり不充分である。
ート又はフィルムの透明性を延伸することなく改良する
手段として、以前から急速冷却による結晶化制御技術を
種々提案しており(例えば、特公昭62−41457号
公報,同62−10816号公報,特開昭62−428
22号公報,同60−236719号公報等)、既に実
用化に至っている。
品位の向上や生産性の向上が求められている。例えば、
従来の方法の場合、さらに生産速度を上げると、押出ダ
イスでの剪断応力が高くなり、シート表面に、いわゆる
シャークスキンを生じ、表面光沢が低下する、すなわち
透明性が低下する。また、シートの厚さが0.6mm以
上になると厚み方向への伝熱限界が原因となって、急激
に透明性が低下するという問題があったため、生産性の
向上の見地からは、より高速にてシートを製造しうるも
のであることが求められている。さらに、厚肉であって
も高透明なシートが求められている。
らに改良する方法として、表面粗度が1.5μm以下と
鏡面処理された金属製無端ベルトを用い、特定の原料樹
脂を用いて結晶化を阻害すると同時にシート両表面へ光
沢を付与することにより、透明性を改良する方法を提案
している(特願平4−27485号)。しかしながら、
この方法においては、ロールやベルトの温度が低い場合
には、バンクを生じ易く、シート外観が不良となるこ
と、急激な冷却ができないこと、薄肉シートでは調整に
時間を要するという問題があった。
に表面光沢が高く、しかも表面平滑性に優れていて、透
明性に優れた熱可塑性樹脂シート又はフィルムを、効率
よく製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
塑性樹脂に、造核剤,高融点ポリマーの微粉末,石油樹
脂,テルペン樹脂,有機過酸化物及び結晶性ポリプロピ
レン系コポリマーよりなる群から選ばれた1又は2以上
の添加剤を加えた原料樹脂を、加熱溶融して樹脂膜と
し、得られた加熱溶融樹脂膜のシート又はフィルムを、
表面を鏡面処理された冷却ロールと、表面を鏡面処理さ
れた金属製無端ベルトとの中間に導入し、次いで前記冷
却ロールと前記金属製無端ベルトとの間を前記冷却ロー
ルの外周に接触させながら移動させると共に冷却し、そ
の後、前記金属製無端ベルトの内側から加圧し、さらに
前記冷却ロールとの接触を解き、前記金属製無端ベルト
に密着させつつ移動させた後、剥離する、成形時にバン
ク発生がないことを特徴とする熱可塑性樹脂シート又は
フィルムの製造方法を提供するものである。
原料として用いる熱可塑性樹脂としては特に限定はな
く、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレ
フタレート等の結晶性樹脂ばかりでなく、ポリスチレ
ン,ポリカーボネート,ポリ塩化ビニル,ポリメタクリ
ル酸メチル等の非晶性樹脂であってもよいが、結晶性樹
脂、特にポリプロピレン(プロピレン単独重合体又は1
種或いは2種以上の結晶性プロピレン系コポリマー、及
びこれらの混合物)が好適に用いられる。また、本発明
のシートやフィルムには多層シートやフィルムも含まれ
る。
造核剤,高融点ポリマーの微粉末,石油樹脂,テルペン
樹脂,有機過酸化物及び結晶性ポリプロピレン系コポリ
マーよりなる群から選ばれた1又は2以上の添加剤を加
えた原料樹脂を、T−ダイ等で製膜する。
ボン酸塩及びその金属塩,有機リン酸金属塩,ポリビニ
ルシクロアルカン及び次の一般式(I)
ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれ
かであり、同一化合物中で異なるものであっても良い。
また、m,nはそれぞれ0〜3の整数である。〕で表わ
されるジベンジリデンソルビトール誘導体から選ばれる
1種又は2種以上のものが用いられる。
は、熱可塑性樹脂に対して、0.5〜10000重量p
pm、好ましくは100〜4000重量ppmの割合で
配合する。ここで造核剤の配合割合が0.5重量ppm
未満であると、透明性が不充分となり、一方、造核剤の
配合割合が10000重量ppmを超えると、表面への
ブリードが発生するため、いずれも好ましくない。
ポリカーボネートやナイロン等のように、融点が200
℃以上の高融点ポリマーが挙げられる。本発明の方法に
おいては、これら高融点ポリマーの微粉末(粒径1μm
以下)が用いられる。
リマーの微粉末は、熱可塑性樹脂に対して、0.5〜1
0000重量ppm、好ましくは100〜4000重量
ppmの割合で配合する。ここで高融点ポリマーの微粉
末の配合割合が0.5重量ppm未満であると、透明性
が不充分となり、一方、高融点ポリマーの微粉末の配合
割合が10000重量ppmを超えると、白濁し、透明
性が低下するため、いずれも好ましくない。
量が500〜5000であり、軟化点が50〜170℃
の脂肪族系の石油樹脂が用いられる。また、石油樹脂の
代わりにテルペン樹脂を用いてもよい。
やテルペン樹脂は、熱可塑性樹脂に対して、3〜30重
量%、好ましくは5〜15重量%の割合で配合する。こ
れら石油樹脂やテルペン樹脂の配合割合が3重量%未満
では、透明性の改良効果が少なく、一方、30重量%を
超えるとシートが脆くなるため、いずれも好ましくな
い。
過酸化物を用いることもできる。この場合には具体的に
は、有機過酸化物の存在下で、前記の如き熱可塑性樹脂
を加熱分解し、得られる加熱分解した熱可塑性樹脂を原
料樹脂として用いることになる。
特に制限されないが、工業的に取り扱いが容易で、かつ
有効なものであることが必要である。具体的には例え
ば、有機過酸化物としては、半減期が150℃で0.5
分以上のものが好ましい。このような有機過酸化物の具
体例としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘ
キサノエート、1,3ビス(2−t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン等を挙げることができる。
料,目的組成物のメルトインデックス(MI),有機過
酸化物の分解温度,時間等を考慮して適宜決定すればよ
い。また、上記の如き有機過酸化物を用いての熱可塑性
樹脂の加熱分解は、公知の方法で行なえばよい。具体的
には例えば、熱可塑性樹脂と有機過酸化物とを混合し、
得られる混合物を、バンバリーミキサー,ロール,押出
機等を用いて加熱処理することにより行なえばよい。こ
れらの方法のなかでも経済性を考慮すると、連続式押出
機を用いることが好ましい。
として結晶性ポリブロピレン系コポリマーを用いること
もできる。これら結晶性ポリプロピレン系コポリマーと
しては、ランダムコポリマー,ブロックコポリマー及び
グラフトコポリマーのいずれでもよいが、経済性の点か
らはランダムコポリマー又はブロックコポリマーが好ま
しい。
オレフィン・プロピレンランダムコポリマーが好まし
く、特にMIが10g/10分以下であって、かつエチ
レンを1乃至20重量%の割合で含むエチレン・プロピ
レンランダムコポリマーが好ましい。
マーのエチレン含量が1重量%未満では成形品の透明性
を改良する効果が現れず、一方、エチレン含量が20重
量%を超えると、得られるコポリマーの結晶性が悪くな
り、そのため成形品の透明性を改良する効果が低下する
ため、いずれも好ましくない。
オレフィン・プロピレンブロックコポリマーが好まし
く、特にMIが10g/10分以下であって、かつエチ
レンを1乃至40重量%の割合で含むエチレン・プロピ
レンブロックコポリマーが好ましい。
マーのエチレン含量が1重量%未満では、成形品の透明
性を改良する効果が現れず、一方、エチレン含量が40
重量%を超えると、成形品に白さが目立ってくるため、
いずれも好ましくない。
マーは、そのうちの1種類を用いれば充分であるが、2
種以上を併用することもでき、特にランダムコポリマー
とブロックコポリマーとを併用すると、成形品の表面光
沢と透明性を一層向上させることができる。とりわけM
Iが10g/10分以下であって、かつエチレンを1乃
至20重量%の割合で含むエチレン・プロピレンランダ
ムコポリマーと、MIが10g/10分以下であって、
かつエチレンを1乃至40重量%の割合で含むエチレン
・プロピレンブロックコポリマーとを併用することが好
ましい。
は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.2〜
40重量部、好ましくは1.0〜30重量部の割合で配
合する。ここで結晶性ポリプロピレン系コポリマーの配
合割合が0.2重量部未満であると、製造されたシート
の球晶サイズを小さくする効果が低減し、従って成形品
の透明性を向上させる効果が現われなくなる。一方、結
晶性ポリプロピレン系コポリマーの配合割合が40重量
部を超えると、成形品が次第に白つぽさを増したり、或
いは次第に練りの不均一に由来するムラを生じるように
なるため好ましくない。特に、結晶性ポリプロピレン系
コポリマーの配合割合が1.0〜30重量部の範囲であ
ると、成形品の透明性を向上させる効果が顕著に表われ
るため、好ましい。
剤を熱可塑性樹脂に加えたものを、原料樹脂として用
い、これを加熱溶融して樹脂膜とする。樹脂膜は公知の
方法で製造されるが、通常、T−ダイ法又はカレンダー
ロール法等が用いられる。なかでも操作の容易性からT
−ダイ法を用いることが好ましい。より具体的には、例
えばT−ダイ押出装置を用い、上記原料樹脂を200〜
280℃の温度で加熱溶融混練後、T−ダイより溶融樹
脂を膜状に押出し、シート又はフィルム状に製膜する。
mmを超えるような厚肉のものであっても比較的透明性
の良好なものが得られるが、好ましくは1mm以下とす
る。シート又はフィルムの厚みが1mmを超えると、光
沢は変わらないが、厚みのため内部ヘイズが悪化し、透
明性が低下するので好ましくない。
ムは、原料樹脂の性状に起因して、シート又はフィルム
内部の光の散乱が比較的少なく、すなわち内部ヘイズが
比較的低く、透明性の良好なものであるが、本発明の方
法では、さらに透明性を良好にするために、以下の冷
却、表面高光沢化処理を行なう。
ら説明する。図1は本発明の方法の実施に用いる装置の
第1の態様を示す説明図であり、図2は本発明の方法の
実施に用いる装置の第2の態様を示す説明図である。さ
らに、図3は本発明の方法の実施に用いる装置の第3の
態様を示す説明図である。
樹脂を入れ、T−ダイ2より原料樹脂を溶融押出し、製
膜してシート又はフィルム3(溶融樹脂膜)を得る。次
に、このシート又はフィルム3を、速やかに表面を鏡面
処理された冷却ロール4と、表面を鏡面処理された金属
製無端ベルト5との中間に導入する。
処理された冷却ロール4と、表面を鏡面処理された金属
製無端ベルト5との中間に、シート又はフィルム3を導
入し、導入されたシート又はフィルム3を、前記冷却ロ
ール4と前記金属製無端ベルト5との間を前記冷却ロー
ル4の外周に接触させながら(挟みながら)移動させる
と共に冷却する。より具体的には、シート又はフィルム
3を、金属製無端ベルト5と、該ベルトループ外に設置
されている冷却ロール4との中間に導入し、次いで前記
冷却ロール4と前記金属製無端ベルト5との間を前記冷
却ロール4の外周に沿わせながら移動させる。しかも移
動させながら冷却する。
3が、冷却ロール4と金属製無端ベルト5のいずれかに
先に接すると、シート又はフィルム3にしわが発生し易
いため、冷却ロール4と金属製無端ベルト5の接する所
の中間部(ほぼ中央部)にシート又はフィルム3が導入
されるようにすることが好ましい。
常、ステンレス,炭素鋼,チタン合金製のものを用い、
好ましくはステンレス製のものを用いる。また、金属製
無端ベルト5としては、通常、厚さが0.4〜1.0m
m程度の無端ベルト(エンドレスベルト)が用いられ
る。このような無端式の金属製ベルト5は、通常、18
〜36m/min.という比較的速い速度で運転され
る。さらに、金属製無端ベルト5としては、表面粗度が
1.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ま
しくは0.05μm以下と、鏡面処理されたものを用い
る。この金属製無端ベルト5は、内部冷却ロール6、或
いは内部冷却ロール6と内部加圧・冷却ロール7(必要
に応じて、これらはベルト駆動を兼ねたものとすること
もできる。)とにより冷却される。この金属製無端ベル
ト5の内部には、後述するように、さらに内部補助冷却
ロール8が設けられている。
無端ベルト5と同様の鏡面処理を施したものが用いられ
る。この冷却ロール4は直径が大きいものが好ましい
が、実用上、直径が100〜1000mm程度のものが
好適である。
の温度は、通常、10〜50℃の範囲とされている。金
属製無端ベルト5と冷却ロール4の温度が低いほど、透
明性(内部ヘイズ)は良くなるが、温度が10℃未満に
なると結露が生じたり、急激な冷却によりバンクが発生
し、これはシート又はフィルム3のバンクマークを発生
する原因となる。逆に温度が高くなると、シート又はフ
ィルム3が冷却固化されなくなり、透明性が低下する。
従って、本発明において、金属製無端ベルト5と冷却ロ
ール4の温度は、通常、10〜50℃の範囲、好ましく
は露点以上、40℃以下である。冷却ロール4の温度と
金属製無端ベルト5の温度とは、シートがベルト側へ密
着随伴するように、金属製無端ベルト5の温度の方を高
くすることが好ましく、特に金属製無端ベルト5の温度
を好ましくは5℃以上、さらに好ましくは10℃以上高
い温度とする。
属製無端ベルト5と、該ベルトループ外に設置されてい
る冷却ロール4(外部冷却ロール)との中間に導入し、
次いで前記冷却ロール4と前記金属製無端ベルト5との
間を前記冷却ロール4の外周に沿わせながら移動させ、
この移動時に所定温度に冷却する。
ら、内部加圧・冷却ロール7を用いて加圧し、さらに前
記冷却ロール4との接触を解き、前記金属製無端ベルト
5に密着させつつ移動させた後、必要に応じて内部補助
冷却ロール8などを用いて冷却し、その後剥離する。本
発明は、上記の如きものであって、成形時にバンク発生
がないことを特徴とするものである。 本発明において
は、内部加圧・冷却ロール7による加圧は、シート又は
フィルム3を、金属製無端ベルト5と、該ベルトループ
外に設置されている冷却ロール4との中間に導入し、次
いで前記冷却ロール4と前記金属製無端ベルト5との間
を前記冷却ロール4の外周に沿わせながら移動させた後
に行なうことが必要である。換言すれば、内部加圧・冷
却ロール7を冷却ロール4より下流側に設置することが
必要である。
ロール4より下流側に設置しない場合、例えば内部加圧
・冷却ロール7を冷却ロール4とほぼ同じ位置に、これ
と対向して金属製無端ベルト5内面に設けた場合には、
シート又はフィルム3の導入とほぼ同時に加圧されるこ
ととなるため、しわが確実に発生するため、好ましくな
い。しわの防止はシートの入口でのテンションを上げれ
ば良いが、この場合、配向シートとなる。再度強調する
と、本発明の方法においては、内部加圧・冷却ロール7
が金属製無端ベルト5を押す点を、冷却ロール4と金属
製無端ベルト5との接する点よりも後にすることが肝要
である。内部加圧・冷却ロール7が金属製無端ベルト5
を押す点は、処理速度や温度により異なり、一義的に決
定することはできない。
却ロール4及び金属製無端ベルト5により一定時間(一
定区間)挟圧(圧接)・冷却された後、内部加圧・冷却
ロール7により加圧されることになり、その結果、シー
ト又はフィルム3は、冷却ロール4と、内部加圧ロール
7により押された金属製無端ベルト5により両面を圧縮
されることとなる。また、この挟圧区間(圧接区間)
は、シート又はフィルム3の引取速度,厚み,ベルト・
ロール温度等により異なり、一義的に決定することは困
難であるが、一般的に言えば10〜300mm程度であ
り、この挟圧区間(圧接区間)の終点、すなわち冷却ロ
ール4出口において、シート又はフィルム3の温度が球
晶を形成しなくなる温度まで降下しているようなものと
することが必要である。金属製無端ベルト5は、ベルト
ループ内に設けた内部加圧・冷却ロール7により、冷却
ロール4に押しつけられることとなり、両者間に導入さ
れているシート又はフィルム3は、冷却ロール4と金属
製無端ベルト5で圧縮される。この内部加圧・冷却ロー
ル7の加圧圧力は、線圧で5〜50kg/cm、好まし
くは20〜40kg/cmであり、面圧で5〜30kg
/cm2、好ましくは10〜20kg/cm2である。
加圧圧力が小さすぎると、透明性や表面光沢に優れたシ
ート又はフィルムを得ることはできない。一方、加圧圧
力が大きすぎると、シートが配向したり、装置上大掛か
りとなるため好ましくない。
ら、内部加圧・冷却ロール7を用いて加圧することによ
り、シート又はフィルム3を、冷却ロール4と金属製無
端ベルト5とで圧縮し、このようにして加圧処理された
シート又はフィルム3について、冷却ロール4との接触
を解き、前記金属製無端ベルト5に密着させつつ移動さ
せた後、剥離するが、剥離する前に、通常は、内部補助
冷却ロール8と外部補助冷却ロール9を用いて冷却す
る。冷却した後にシート又はフィルム3を金属製無端ベ
ルト5より剥離しないと、剥離の際にシート又はフィル
ム3表面の荒れが生じる。ここで補助冷却ロールとして
は、通常、内部補助冷却ロール8と外部補助冷却ロール
9が用いられるが、必要に応じて、いずれか一方を省略
してもよい。要するに金属製無端ベルト5の温度が10
〜50℃の範囲となるように、冷却用のロールを用いて
冷却すればよい。なお、加圧処理されたシート又はフィ
ルム3について、冷却ロール4との接触を解いて解放す
るが、解放後のシート方向はベルト側(金属製無端ベル
ト5側)とすることが好ましい。すなわち、フラットな
状態で冷却し、軟化温度以下にしないと、冷却ムラによ
りフラットなシートとならない。冷却ロール4側に処理
シートが付着した場合には、均一に冷却することができ
ない。
り、製品とされるが、この巻取り前の段階で、加熱ロー
ルなどを用いて、熱処理(アニーリング)を行なっても
よい。これによりカールの発生が有効に防止される。こ
の場合の加熱温度は、シート又はフィルムの材質により
異なるが、通常、80〜130℃、好ましくは110〜
130℃である。
いた場合の説明であるが、この代わりに図2に示すよう
に、油圧で作動する内部加圧装置10を用いてもよい
し、或いは図3に示すように、遊星ロール11を用いて
もよい。これらも冷却されていることが望ましい。
ートを製造した。まず、原料樹脂として、プロピレンホ
モポリマー(密度0.91g/cm3,メルトインデッ
クス2.0g/10分,出光ポリプロF−205S)1
00重量部に、造核剤としてDBS(1,3−2,4ジ
ベンジリデンソルビトール)(商品名:ゲルオールM
D,新日本理化学株式会社製)2000ppmを加えた
ものについて、樹脂温度280℃で、T−ダイ押出装置
1(押出機直径90mm,L/D=32,ダイ幅500
mm,ダイリップ間隔1mm)を用いて加熱溶融可塑化
後、T−ダイ2より押出した。押出されたシート又はフ
ィルム3(溶融樹脂膜)を、連続的に、金属製無端ベル
ト5(ステンレス製,ベルト厚み0.4mmであり、表
面粗度0.2μmと鏡面処理されたもの)と、冷却ロー
ル4(硬質クローム表面を有し、かつ、表面粗度0.2
μmと鏡面処理されたもの)との中間に導入し、次いで
前記冷却ロール4と前記金属製無端ベルト5との間を、
前記冷却ロール4の外周に接触させながら移動させると
共に、第1表に示す温度にて冷却ロール4を冷却し(な
お、内部冷却ロール6と内部加圧・冷却ロール7の温度
は、金属製無端ベルト5の温度として第1表に示し
た。)、その後、前記金属製無端ベルト5の内側から第
1表に示す加圧圧力にて加圧した。しかる後、加圧処理
されたシート又はフィルム3について、前記冷却ロール
4との接触を解き(解放後のシート方向はベルト側とし
た。)、前記金属製無端ベルト5に密着させつつ移動さ
せた後、内部補助冷却ロール8と外部補助冷却ロール9
(温度は30℃)を用いて冷却して、厚み0.7mmの
ポリプロピレン樹脂シートを得た。操作条件と結果を第
1表に示す。なお、製膜速度は、15m/minであっ
た。
条件で行なったこと以外は、実施例1〜4と同様にして
実施した。操作条件と結果を第1表に示す。
7485号に記載されたと同様の装置)を用い、かつ、
第1表に示す条件で行なったこと以外は、実施例1〜4
と同様にして実施した。より具体的に述べると、T−ダ
イ押出装置21(押出機直径90mm,L/D=32,
ダイ幅500mm,ダイリップ間隔1mm)を用いて所
定の原料樹脂をT−ダイ22より押出した。押出された
シート又はフィルム23(溶融樹脂膜)を、連続的に、
金属製無端ベルト24(ステンレス製,ベルト厚み0.
4mmであり、表面粗度0.2μmと鏡面処理されたも
の)を張設した相対する冷却ロール25A.25B(表
面が鏡面処理されている)の間に、金属製無端ベルト2
4に担持して導入して、厚みが0.7mmのポリプロピ
レン樹脂シートを得た。操作条件と結果を第1表に示
す。なお、図4において、符号26は補助ロールであ
る。
下,冷却速度の向上により、未配向であって、しかも透
明性及び表面光沢に優れた熱可塑性樹脂シート又はフィ
ルムを効率よく得ることができる。また、得られる熱可
塑性樹脂シート又はフィルムは、厚肉のものであっても
透明性や表面光沢が良好である。次に、本発明の方法に
よれば、製膜速度が速くても、透明性に優れた熱可塑性
樹脂シート又はフィルムを得ることができる。さらに、
本発明の方法は簡単かつ安価な装置で実施することがで
きる。さらに、得られる熱可塑性樹脂シート又はフィル
ムは、表面のゲルやフィッシュアイが目立たず、しかも
熱成形性にも優れたものである。従って、本発明の方法
によって得られる熱可塑性樹脂シートやフィルムは、食
品,医薬品などの包装用などに好適である。また、圧空
成形などの熱成形用の原反として用いることもできる。
の態様を示す説明図である。
の態様を示す説明図である。
の態様を示す説明図である。
す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂に、造核剤,高融点ポリマ
ーの微粉末,石油樹脂,テルペン樹脂,有機過酸化物及
び結晶性ポリプロピレン系コポリマーよりなる群から選
ばれた1又は2以上の添加剤を加えた原料樹脂を、加熱
溶融して樹脂膜とし、得られた加熱溶融樹脂膜のシート
又はフィルムを、表面を鏡面処理された冷却ロールと、
表面を鏡面処理された金属製無端ベルトとの中間に導入
し、次いで前記冷却ロールと前記金属製無端ベルトとの
間を前記冷却ロールの外周に接触させながら移動させる
と共に冷却し、その後、前記金属製無端ベルトの内側か
ら加圧し、さらに前記冷却ロールとの接触を解き、前記
金属製無端ベルトに密着させつつ移動させた後、剥離す
る、成形時にバンク発生がないことを特徴とする熱可塑
性樹脂シート又はフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4231591A JP2641180B2 (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP4231591A JP2641180B2 (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 |
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JP4231591A Expired - Lifetime JP2641180B2 (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 熱可塑性樹脂シート又はフィルムの製造方法 |
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-
1992
- 1992-08-07 JP JP4231591A patent/JP2641180B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2009031407A1 (ja) | 2007-09-04 | 2009-03-12 | Adeka Corporation | ポリオレフィン樹脂用造核剤マスターバッチ |
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