JP2678200B2 - ポリプロピレン系樹脂容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂容器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品、医薬品、雑貨などの各種包装容器類等
の成形に好適に利用できる防曇性のポリプロピレン系樹
脂組成物より得られるシート類を熱成形して得られる容
器に関する。
〔従来の技術〕
ポリプロピレン系樹脂などの高透明性のオレフィン樹
脂を熱成形して得られる透明食品容器には、内容物を入
れて電子レンジで調理した際、あるいは陳列の際の水蒸
気による曇りの防止、すなわち高温防曇性及び低温防曇
性が求められている。
従来、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル等の厚さ0.2mm以下のフイルムに対して界面活性剤を
配合した防曇(防滴)フイルム、あるいは二軸延伸ポリ
スチレン(OPS)シート表面に界面活性剤を塗布した防
曇シート及びこれを熱成形して得られる防曇容器が知ら
れている。
しかしながら、透明なポリプロピレン製の熱成形容器
に防曇性を付与する場合、これら従来の方法には下記の
如き難点があった。すなわち、従来の界面活性剤を練り
込んで防曇性を付与する練り込みタイプの方法は薄肉フ
イルムには容易に適用できるが、厚肉シートの場合には
ブリードが生じ適用が困難である。また、界面活性剤を
シート表面に塗布する塗布タイプの方法は、ポリプロピ
レンシートの表面の極性が低いため、塗膜強度が得られ
ず、耐久性が低いという欠点を有している。また、ポリ
プロピレンシートの段階で防曇性が付与されても、シー
トを熱成形して容器とする際の熱のため、容器としての
防曇性を保つのが困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前述事情に事づいてなされたもので、その
目的とするところは、低コストで、防曇効果に優れた高
透明性のポリプロピレン系樹脂熱成形容器を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、ポリオレフィン樹脂にアルキルアミンエス
テル系化合物及び脂肪酸モノグリセライドを添加してな
るポリオレフィン樹脂組成物が防曇効果に優れているこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
すなわち、本発明はポリプロピレン系樹脂にアルキル
アミンエステル系化合物:脂肪酸モノグリセライドが重
量比で2:8〜8:2である混合物を0.05〜3重量%添加した
ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシート類を熱成形
してなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂容器を
提供するものである。
ポリプロピレン系樹脂にアルキルアミンエステル系化
合物と脂肪酸モノグリセライドを配合する場合、アルキ
ルアミンエステル系化合物:脂肪酸モノグリセライドが
重量比で2:8〜8:2、好ましくは3:7〜7:3、更に好ましく
は4:6〜6:4である混合物をポリプロピレン系樹脂に0.05
〜3重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%添加する。アル
キルアミンエステル系化合物の割合がこれより少ないと
防曇効果自体劣り、脂肪酸モノグリセライドの割合がこ
れより少ないと早効性に劣るからである。
また、上記アルキルアミンエステル系化合物と脂肪酸
モノグリセライドとの混合物の添加量が0.05重量%より
少ないと、良好な防曇性が得られず、一方これが3重量
%より多くても、急激な防曇効率向上もなく、表面特性
(ベトツキ、ブルーミング)が低下し、かつ経済的にも
不利となる。
本発明において用いられるポリプロピレン系樹脂シー
ト類は300μm厚み換算ヘイズが10%以下と透明性に優
れたものである。
本発明においてポリプロピレン系樹脂としては、ホモ
ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプ
ロピレンとランダムポリプロピレンとの混合物が用いら
れる。この混合物はホモポリプロピレンが50重量%以上
含まれるものが好適に用いられる。このホモポリプロピ
レンとしては、通常結晶性ポリプロピレンを使用する。
また、使用するランダムポリプロピレンとしては、プロ
ピレンと20重量%以下、好ましくは15重量%以下の他の
α−オレフィンとの共重合体が使用できる。この他のα
−オレフィンとしては、炭素数2及び炭素数4〜10程度
のα−オレフィンが好適に使用でき、これらは、直鎖状
であってもよく、分枝状であッてもよい。具体的には、
たとえば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、ネオヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン等を挙げることができるが中
でも特にエチレン、1−ブテン等が好ましい。
なお、前記ランダムポリプロピレンは、プロピレンと
上記の如きα−オレフィンの1種との共重合体であって
もよく、また、プロピレンと上記の如きα−オレフィン
2種以上との共重合体であってもよく、あるいはこれら
を併用してもよい。
ポリプロピレン系樹脂はメルトインデックス(MI)値
が、通常0.5〜20g/分、好ましくは1〜5g/分のものが好
適に使用できる。
本発明において用いられるアルキルアミンエステル系
化合物は、例えば次の一般式〔I〕で示される化合物が
用いられる。
ポリオキシエチレンアルキルアミンエステル 〔ここでR1はC14〜C20、R2はC14〜C20のアルキルで、n
=1〜5の整数である。〕 また、脂肪酸モノグリセライドといては例えば次の一
般式〔II〕、〔III〕で示されるような化合物が用いら
れる 〔ここで〔II〕、〔III〕は、例えばラウリン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノグリセ
ライドである。〕 本発明において、ポリプロピレン系樹脂に加えて、必
要に応じ、エチレン−α−オレフィン共重合体、石油樹
脂、造核剤等を配合することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレ
ンにプロピレンや、ブテン−1、ペンテン−1、3−メ
チルブテン−1、4−メチルペンテン−1などのα−オ
レフィンを共重合して得られた低結晶性ないし非晶性の
樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は密度0.85〜
0.91g/cm3、好ましくは0.86/0.90g/cm3のものが好適に
用いられる。
石油樹脂としては特に制限はないが、好ましくは、脂
肪族系石油樹脂又は、脂環族系石油樹脂又は水素化テル
ペン系樹脂あるいは、これらの中から選ばれる2種以上
の混合物が用いられる。
この脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂及び水素化
テルペン系樹脂あるいはこれらの混合物としては公知の
ものが使用可能であるが、通常それぞれ分子量が400〜5
000、軟化点が50〜160℃、水素化率が80%以上のものが
好適に使用できる。具体的には、脂肪族系石油樹脂とし
て、たとえば、石油を高温分解して得られるオレフィン
系およびジエン系炭化水素を重合して得られる重合度5
〜20程度の炭化水素樹脂を水素添加したもの、脂環族系
石油樹脂として、たとえば、ビニルトルエン、ビニルキ
シレン、プロペニルベンゼン、スチレン、α−メチルス
チレン、インデン、メチルインデン、エチルインデン等
で示される単量体を重合して得られる芳香族系石油樹脂
を水素添加したもの、水素化テルペン系樹脂としては、
たとえば、アローオシメン、カレン、ピネンもしくはこ
れらの異性体、ジペンチンテルピネン、テルピノレン、
リモネン、テレピン、テルペンのカット分もしくは留分
または種々の他のテルペン類を含む非環式、一環式もし
くは二環式モノテルペン類を重合して得られる重合物ま
たは共重合物またはこれらの水素添加物が挙げられる。
いずれの樹脂についても水素化により製造したものにつ
いては、水素化率を80%以上、好ましくは90%以上とす
ることが好ましく、一部不飽和結合、芳香族環が残って
いるものであっても使用可能である。なお、これらは1
種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
造核剤としては、通常ポリプロピレンの透明性改善の
目的で使用される造核剤がいずれも使用でき、例えば
(1)カルボン酸の金属塩、(2)ジベンジリデンソル
ビトール又はその誘導体、(3)ゼオライト、シリカ、
タルク、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。
好ましくは(1)のカルボン酸の金属塩と(2)のジベ
ンジリデンソルビトール又はその誘導体が用いられる。
カルボン酸の金属塩としては、脂肪族カルボン酸、脂肪
族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸若しくは芳香族ジカ
ルボン酸の金属塩又はそれらのアルキル核置換誘導体の
金属塩であり、具体的にはステアリン酸、アジピン酸若
しくはセバチン酸のナトリウム塩、カルシウム塩、又は
アルミニウム塩、安息香酸のナトリウム塩又はパラ−第
三ブチル−安息香酸のアルミニウム塩などが挙げられ
る。(2)のジベンジリデンソルビトールの誘導体とし
ては、1,3,2,4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビトー
ル、1,3−クロルベンジリデン−2,4−メチルベンジリデ
ンソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトー
ルなどが挙げられる。これらの造核剤は単独あるいは混
合物として使用される。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂シート類
は、好ましくは前記ポリプロピレン系樹脂組成物を20℃
以上、好ましくは210〜300℃で溶融し、これを膜状に押
出し、次いでこれを30℃以下、好ましくは20℃以下に急
冷することにより製造される。
ポリプロピレン系樹脂成分、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体成分、造核剤成分、石油樹脂成分の配合割合
としては、ポリプロピレン系樹脂成分の使用量が99〜70
重量%好ましくは98〜85重量%、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体成分の使用量が1〜20重量%、造核剤成分
の使用量が0.005〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5重量
%の範囲内となるようにする。
前記各成分の溶融混練の配合順序としては特に制限は
なく、これらを別々又は同時に添加混練してもよい。
この溶融混練は、通常の溶融混練機を用いて予め別途
に行うことも可能であるが、通常は溶融混練部を有する
溶融押出装置を用いて行うのが好適であり、溶融混練を
行った後、溶融ポリプロピレン系樹脂組成物を溶融押出
装置のダイから膜状に押し出す。
なお、所望により、上記ポリプロピレン系樹脂組成物
には、通常用いられる添加剤、たとえば熱安定剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤などの安定剤、滑剤、各種界面活
性剤などの帯電防止剤、防曇剤などを添加することもで
きる。
この溶融押出装置等を用いて行う溶融混練は、樹脂組
成物の温度を200℃以上、好ましくは220〜300℃の範囲
内として行う。溶融混練の温度が200℃未満であると未
溶融物の発生や、混練が不十分になるとともに、押出動
力が高くなり、あまり高過ぎると樹脂の分解が起こると
ともに、冷却効率の低下を招く。
溶融押出しは、通常、T−ダイ法により行われ、樹脂
組成物の溶融(混練)温度を上記の温度範囲とし、一方
ダイ出口温度をダイリップヒーター等を用いて加温して
上記溶融樹脂組成物の温度より若干高めにしておくのが
望ましい。たとえば、ダイ出口温度溶融樹脂組成物の温
度より、通常10〜60℃程度高めにして行うのが好適であ
る。このようにダイ出口温度を溶融樹脂組成物の温度よ
りも若干高めに設定することによって、押出されとシー
ト状物の表面状態を極めて良好に保つことができる。そ
の後このシート状物を60℃以下に急冷することにより透
明性を良好にすることができる。この温度が低いほど透
明性が向上する。急冷は20℃以下の冷却水と接触させる
ことで冷却することが好ましい。冷却は10℃以下の冷却
水を用いて、スリット水冷により行うことが特に好まし
い。
この、冷却水としては、水のみ、あるいは水に有機も
しくは無機の増粘剤を添加した水溶液が用いられるが、
増粘剤を添加した水溶液の方が均一冷却、表面の滑らか
さの点で好ましい。ここで有機増粘剤としては天然高分
子物質、半合成品、合成品など各種のものを使用でき
る。天然高分子物質には、かんしょデンプン、ばれいし
ょデンプン、小麦デンプンなどのデンプン;こんにゃく
などのマンナン;寒天、アルギン酸ナトリウムなどの海
藻類;トラガントガム、アラビアゴムなどの植物粘質
物;デキストラン、レバンなどの微生物粘質物;にか
わ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲンなどのタンパク質
等がある。半合成品には、ビスコース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系物
質;可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジア
ルデヒドデンプンなどのデンプン系物質等がある。ま
た、合成品としては、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド等がある。
一方、無機増粘剤としてはシリカゾル、アルミナゾ
ル、粘土、水ガラス、各種金属塩などがある。
これら増粘剤を水に加えて調製した水溶液の他、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シリ
コーンオイルなどの粘性物質を単独で使用することもで
きる。
増粘剤を加えた水溶液の粘度は通常2〜3000センチポ
イズ(cp)、好ましくは3〜1000cpとするのが好適であ
る。
ここで、用いる冷却装置としては、たとえば、特開昭
60−236719号公報に開示されたもの、特開昭61−130018
号公報中の第1図に示されたものまたは後記の第1図に
示す冷却装置(冷却水流下型水位セット式冷却装置)な
どが好適に使用できる。
本発明方法で用いるシート類の成形に利用される。前
記水冷法による急冷方式の例を、後記の第1図を参照し
つつさらに詳しく説明すると次の通りである。
第1図は、本発明で用いるシート類の成形において使
用する冷却装置の一例を概念的に示す断面図であり、図
中1および2は、それぞれ冷却水流下導入用水槽を示
し、3および4は、それぞれ冷却水流下スリットを示
し、5は、冷却水槽を示す。また、押出T−ダイ6から
溶融状態で押出された樹脂組成物膜状体9は、流下する
冷却水7および8の流下方向に導入され、急冷されつつ
誘導ロール10〜13によって冷却水槽5中の冷却水14中に
誘導され、冷却を完了した後、回収される。冷却水槽5
中の冷却水は、適宜温度調節機構15等によって所定の温
度となるように温度調節されており、適宜ポンプ15によ
って、冷却水流下槽1および2へ循環使用することがで
きる。
なお、冷却水流下スリットとしては、好ましくは第1
図に示す二段式のものが好ましく、また水槽中の流路に
は、多孔性整流体を用いることが好ましい。さらに、冷
却水の流下速度がシート状物の導入速度よりも早く、し
かも冷却水がスリット入口で滞留を生じないようにする
ことが特に好ましい。この滞留を防止するためには、水
槽中の水位をできるだけ低く、7mm以下にすることが好
ましい。
なお、得られるポリプロピレン系樹脂組成物シート類
の形状としては特に制限はなく所望の大きさ(巾及び厚
み)を有する単層シート状、多層シート状などとして成
形することができる。もっとも、この樹脂組成物シート
類の厚みとしては、その透明性、強度等の点等から、通
常50〜3000μm、好ましくは150〜1500μm程度の範囲
とするのが好適であり、このような冷却を行なうことに
より、シート類の厚みを200μm以上にしても高い透明
性を保持することができる。また、得られるシート類は
透明性に加えて光沢および他の外観等の表面状態をも著
しく良好なものとすることができる。この光沢、外観を
好適に保つためには、上記したように溶融押出しの際に
ダイ出口温度を樹脂組成物の溶融(混練)温度より若干
高めに設定するという他に、さらにキズ等を有しない適
切なダイを用いることが望ましい。
以上のようにして水冷法により製膜して製造されたシ
ート類をさらにコロナ表面処理することにより透明性に
優れたシート類が得られる。
コロナ表面処理は、処理ダイン数36ダイン以上で電圧
は通常120〜160ボルト、電流は8〜14アンペアで行う。
以上のようにして製造された樹脂シート類は、透明性
の向上、剛性の向上のために熱処理を施してもよい。こ
の所望により用いられる熱処理は、好ましくは、60〜16
0℃、さらに好ましくは80〜150℃の温度範囲において、
好ましくは、1秒〜60秒間、さらに好ましくは2秒〜30
秒、たとえば加熱ロール、加熱空気、不活性液体などを
用いて加熱することによって行うことができる。好まし
くはロールによる連続処理が行われる。
また、上記熱処理中、あるいは、熱処理の前後におい
て、延伸を行うことによりドローダウン防止効果などの
熱成形性が向上する。
この延伸は、通常80〜160℃で、好ましくは融点より
も5〜70℃低い温度、より好ましくは融点より5〜50℃
低い温度に熱し、ロール延伸することにより行うことが
できる。なお、延伸は一軸延伸で行っても二軸延伸で行
ってもよい。好ましくは、ロールによる連続熱処理と同
時に、120〜150℃で、巾減少率が5〜20%程度になるよ
うに行われる。延伸をこの範囲以上行っても特別の効果
はなく、延伸による熱成形時の型再現性などが低下す
る。
以上のようにして得られたシート類を粘弾性領域(固
相−融解相)に加熱して成形することにより、本発明の
ポリプロピレン系樹脂容器が得られる。本発明のポリプ
ロピレン系樹脂容器は強度、耐熱性、耐透湿性に優れる
上に、高温防曇性、低温防曇性にも優れた透明性の容器
である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜4) 第1表に示す配合組成のポリプロピレン系樹脂組成物
をT−ダイ押出装置(押出機、90mmφ、L/D=32、ダイ
巾850mm、ダイリップ開度2mm)を用いて樹脂温度240
℃、ダイ温度280℃の条件下溶融混練し、透明なシート
状物を押出した。次いで、シート状物を第1図に示す如
き二段スリット式水冷装置(第1段スリット:高さ50m
m、巾2.5mm、水位4mm、水温5℃、流路に多孔性整流体
使用;第2段スリット:高さ10mm、巾5mm、水位10mm、
水温4℃)に導入し、1〜3秒間で4℃まで急冷して、
厚さ0.3mmのシートを得た。このシートを径300mmφのロ
ール(130℃)を用いて熱処理を行った。その後冷却
し、160ボルト13アンペアで42ダインのコロナ表面処理
を行った。このシートを用いて、開口部径100mmφ、底
部径85mmφ、高さ40mmの容器を熱板圧空成形、真空圧空
成形で成形し防曇特性を調べた結果を第1表に示す。ポ
リプロピレン系樹脂としては出光ポリプロF200S(ホモ
ポリプロピレン、MI=2.0g/10分、出光石油化学製)を
用いた。
また、熱成形は次のような条件で行った。
(1) 熱板圧空成形 熱板表面温度 145℃ 加熱圧空圧 1.5kg/cm2 加熱真空度 740mmHg 加熱時間 3秒 成形圧空圧 5kg/cm2 成形真空度 740mmHg 金型 電子レンジ容器用蓋(角) (2) 真空圧空成形 ヒーター温度 350℃ 加熱時間 5秒×3 加圧圧空圧 3kg/cm2 成形真空度 680mmHg 金型 電子レンジ容器用蓋(角) 〔発明の効果〕 本発明により得られる容器は、ポリプロピレン樹脂が
本来有する強度、耐熱性、耐透湿性等に優れるととも
に、剛性に優れ、透明性が非常に高く、その上、低コス
トで、高温防曇性、低温防曇性いずれにも優れ、かつ防
曇剤を練り込むタイプの防曇法であるので、防曇効果を
長期にわたって発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の容器を製造する方法において使用す
る冷却装置の一例を概念的に示す断面図である。 図中、 1及び2……冷却水流下導入用槽、 3及び4……冷却水流下スリット、 5……冷却水槽、6……T−押出ダイ、 7及び8……流下冷却水、 9……樹脂膜状体、10〜13……誘導ロール、 14……冷却水、15……温度調節機構、 16……ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−48866(JP,A) 特開 昭50−5438(JP,A) 特公 昭46−29379(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂にアルキルアミンエ
    ステル系化合物:脂肪酸モノグリセライドが重量比で2:
    8〜8:2である混合物を0.05〜3重量%添加したポリプロ
    ピレン系樹脂組成物からなるシート類を熱成形してなる
    ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂容器。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂にアルキルアミンエ
    ステル系化合物:脂肪酸モノグリセライドが重量比で2:
    8〜8:2である混合物を0.05〜3重量%添加したポリプロ
    ピレン系樹脂組成物からなり、300μm厚み換算ヘイズ
    が10%以下であるシート類を熱成形してなることを特徴
    とするポリプロピレン系樹脂容器。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂にアルキルアミンエ
    ステル系化合物:脂肪酸モノグリセライドが重量比で2:
    8〜8:2である混合物を0.05〜3重量%添加したポリプロ
    ピレン系樹脂組成物を溶融押出して水冷法により製膜し
    た後、コロナ表面処理したシート類を熱成形してなるこ
    とを特徴とするポリプロピレン系樹脂容器。
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JPS6057461B2 (ja) * 1977-09-26 1985-12-14 三井化学株式会社 帯電防止性の改良されたポリプロピレン二軸延伸フイルムの製造方法

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