JPH0667454A - トナー用組成物の製造方法 - Google Patents

トナー用組成物の製造方法

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JPH0667454A
JPH0667454A JP4219236A JP21923692A JPH0667454A JP H0667454 A JPH0667454 A JP H0667454A JP 4219236 A JP4219236 A JP 4219236A JP 21923692 A JP21923692 A JP 21923692A JP H0667454 A JPH0667454 A JP H0667454A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、トナー粒子を構成する成分
の偏在及び遊離のないトナーを生成するためのトナー用
組成物を提供することにある。 【構成】 本発明は、重量平均分子量(Mw)が400
0〜50000、重量平均分子量と数平均分子量の比
(Mw/Mn)が3.5未満である樹脂(A)50〜9
0重量部と、重量平均分子量(Mw)が400000以
上の樹脂(B)50〜10重量部と、更に一種以上のワ
ックスとを溶液混合し、脱溶剤することにより生成した
結着樹脂と他材料を溶融混練することを特徴とするトナ
ー用組成物の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、磁気記録法等における静電荷像、磁気潜像を現像す
るためのトナー用組成物の製造方法に関する。特に熱ロ
ーラー定着等の加熱定着方式に供されるトナー組成物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2297
691号明細書、特公昭42−23910号公報および
特公昭43−24748号公報等に記載されているよう
に多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質
を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形
成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応
じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧
力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着し複写物を
得るものであり、さらに感光体上に転写されず残ったト
ナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰
り返される。
【0003】近年このような複写装置は、より小型化、
より軽量化そしてより高速化、より高信頼性が厳しく追
求されてきており、その結果トナーに要求される性能も
より高度になってきている。例えばトナー像を紙等のシ
ート上に定着する工程に関して種々の方法や装置が開発
されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによ
る加熱圧着方式である。熱ローラーによる加熱圧着方式
はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱
ローラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で
接触しながら通過せしめることにより定着を行うもので
ある。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのト
ナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シ
ート上に定着する際の熱効率が極めて良好であり迅速に
定着を行うことが出来、高速電子写真複写機において非
常に有効である。しかしながら熱ローラー表面とトナー
像とが加圧下の溶融状態で接触するためトナー像の一部
が熱ローラー表面に付着、転移し、次の被定着シートに
これが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被定着シ
ートを汚すことがある。このため熱ローラーの表面にト
ナーが付着しないようにすることが熱ローラー定着方式
の必須条件の一つとされている。
【0004】従来、熱ローラー表面にトナーを付着させ
ない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離型
性の優れた材料であるシリコンゴムやフッ素系樹脂等で
形成し、さらにその表面にオフセット防止およびローラ
ー表面の疲労を防止するためにシリコンオイルの如き離
型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが
行われている。しかしこの方法はオフセット現象を防止
する点では有効であるが、オフセット防止用液体を供給
するための装置が必要なため定着装置が複雑になる等の
問題がある。これは複写機の小型化、軽量化とは逆方向
であり、しかもシリコンオイル等が熱により蒸発し、複
写機内を汚染する場合がある。そこでオフセツト防止用
液体の供給装置等を用いないで、かわりにトナー自身に
耐オフセット性を持たせようという考えから、トナー
中に低分子量ポリオレフィン等の離型剤を添加する方
法、又、良好な定着性と耐オフセット性を両立させるた
めトナーのバインダー樹脂として分子量分布に2つの
ピークを有するものを用いる方法、予めバインダー樹
脂中にワックス類を添加しておく方法等が提案されてい
る。
【0005】の方法としては例えば、特開昭52−3
304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭5
7−52574号公報、特開昭58−215659号公
報、特開昭60−217366号公報、特開昭60−2
52361号公報、特開昭60−252362号公報等
が開示されており、の方法としては例えば、特開昭5
6−16144号公報、特開平2−235069号公
報、特開昭63−127254号公報、特開平3−26
831号公報等が開示されている。
【0006】しかし、ただ単にある種の離型剤をトナー
中に含有せしめたり、分子量分布に2つのピークを有す
るバインダー樹脂を用いるのみでは、ある程度の定着性
および耐オフセット性の改善は見られるが、トナー製造
における溶融混練時に樹脂とワックスとを溶融混合して
いるために、ワックスの分散性不良によるワックス成分
の偏在、遊離等が生じやすく、これによってカブリ等の
画像汚れ、感光部材等への融着、フイルミング等の原因
ともなる。また、低分子量成分と高分子量成分がうまく
相溶せず、トナーのバインダー樹脂組成が不均一になっ
たり他材料を均一に分散できなくなり、定着性、耐オフ
セット性、現像性に悪影響がでる。そこで例えば、トナ
ー構成成分の相溶性、分散性を良くするために、溶融混
練時の練り条件を強化した場合には、混練によるトナー
中のバインダー樹脂の分子鎖の切断等によりトナーの分
子量が低下し、耐オフセット性、特に高温側での耐オフ
セット性を悪化させる等の問題が生じる。また、耐オフ
セット性に対して充分な効果を出すために多量にワック
スを添加した場合には、耐ブロッキング性の悪化及びワ
ックスの分散がより悪化し、キャリアやスリーブなどの
トナー担持体の表面を汚染し、画像が劣化し実用上問題
となる。
【0007】また、の方法としては例えば、特開昭6
2−195683号公報、特開平3−185458号公
報、特開昭56−87051号公報、特開平2−257
8号公報、特開平2−12160号公報等が開示されて
いる。
【0008】この方法は、、の方法に比べると、ワ
ックスの分散性も良く、耐オフセット性に対しても向上
するが、バインダー樹脂製造時に高分子鎖が切れたり、
ワックスの分散性がまだ不十分だったりし、耐オフセッ
ト性にまだ劣る等の問題がある。更に、重合時にワック
スを添加する場合には、重合阻害等を引き起こし分子量
が低下したり残留モノマー等が多くなる等の弊害があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決したトナー用組成物の製造方法を
提供することにある。
【0010】即ち本発明の目的は、トナー粒子の構成成
分の偏在・遊離がなく、カブリ、画像劣化のない優れた
トナー用組成物の製造方法を提供することにある。
【0011】また本発明の目的は、トナー中にワックス
が均一分散され、樹脂成分の相溶性も良く、耐オフセッ
ト性に優れたトナー用組成物の製造方法を提供すること
にある。
【0012】また本発明の目的は、トナー製造時におけ
る溶融混練条件を過度に強化する必要がないためトナー
結着樹脂の分子鎖切断を抑制でき、耐高温オフセット性
に優れたトナー用組成物の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】さらに本発明の他の目的は、ワックスがト
ナー中に均一分散されるため、溶融混練工程の後工程
(粉砕、分級)で生じる微粗紛を再利用しても品質上問
題がなく効率よく連続生産できるトナー用組成物の製造
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、重量
平均分子量(Mw)が4000〜50000、重量平均
分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.5未満
である樹脂(A)50〜90重量部と、重量平均分子量
(Mw)が400000以上の樹脂(B)50〜10重
量部と、更に一種以上のワックスとを溶液混合し、脱溶
剤することにより生成した結着樹脂と他材料を溶融混練
することを特徴とするトナー用組成物の製造方法に関す
る。但し樹脂(A)と樹脂(B)の総量を、100重量
部とする。
【0015】溶融混練に際し、ワックスの融点より20
℃低い温度以上、ワックスの融点より60℃高い温度以
下で溶融混練することが好ましく、ベンチレーションを
施しながら溶融混練することも好ましい。
【0016】本発明に係る結着樹脂の溶液混合方法は、
予め樹脂(B)のみを溶剤に溶解するならびに予め樹脂
(A)と樹脂(B)のみを溶剤に溶解するといった方法
を用いなければ、他のあらゆる方法によって樹脂
(A)、樹脂(B)及びワックスを溶液混合することが
可能である。高分子量である樹脂(B)を溶解させる際
に、ワックスが混合系内に存在しないと、混合溶液の粘
度が高くなるため結着樹脂の分子鎖が切れ分子量が低下
したり、樹脂(A)と樹脂(B)との相溶性が悪化した
り、ワックスの分散性が低下したりして、好ましくな
い。
【0017】溶液混合の具体的な方法としては、次の
〜の方法がある。 ワックスのみを溶剤に溶解させた溶液に、樹脂(A)
と樹脂(B)[順不同あるいは同時]を添加し溶解させ
る方法。 樹脂(A)のみを溶剤に溶解した溶液[あるいは樹脂
(A)の溶液重合溶液]にワックスを溶解させ、その後
樹脂(B)を溶解させる方法。[ワックスと樹脂(B)
を同時に溶解しても良い] 上記で予めワックスと樹脂(B)とを溶剤に溶解し
た溶液を樹脂溶液(A)に添加する方法。 溶剤に、樹脂(A)と樹脂(B)とワックスを同時に
溶解させる方法。
【0018】これらの方法によると、混合系内にワック
スが存在するため樹脂の溶解による溶液の粘度上昇が抑
えられ、攪拌時の剪断力が結着樹脂の分子鎖を切断する
作用には働かず樹脂(A)と樹脂(B)をより均一に相
溶させる作用として働く。更に、脱溶剤時に溶剤等が抜
けやすく残留モノマー、残留溶剤の少ない結着樹脂が得
られる。
【0019】このように低分子量の樹脂(A)と高分子
量の樹脂(B)とを溶液中で混合するにあたり、系内に
ワックスを存在させることによりワックスの結着樹脂中
への均一な分散が達成されるのみならず、低分子量の樹
脂(A)と高分子量の樹脂(B)とが均一に相溶混合さ
れた結着樹脂を製造することができる。従って、該結着
樹脂を用いることにより溶融混練時に結着樹脂中に他材
料を均一に分散させることができる。つまり結着樹脂中
で低分子樹脂成分と高分子樹脂成分がうまく相溶してい
ないと後工程の溶融混練工程で局部的な溶融粘度の差を
生じ、他材料の分散不良や偏析を引き起こす。
【0020】本発明における樹脂(A)は、重量平均分
子量Mwが4000〜50000、重量平均分子量と数
平均分子量の比Mw/Mnが3.5未満であり、該分子
量範囲より小さいと感光部材やトナー担持部材への融
着、固着が発生し、大きいと定着性が悪化する。また該
分子量範囲であってもMw/Mnが3.5以上になると
分子量下限付近では融着、固着が発生しやすくなり、分
子量上限付近では定着性が悪化する。好ましくは、重量
平均分子量Mwが5000〜40000、重量平均分子
量と数平均分子量の比Mw/Mnが3.0未満が良い。
【0021】本発明における樹脂(B)は、重量平均分
子量Mwが400000以上であり、該分子量より小さ
いとトナーの高温での耐オフセット性が悪化する。ま
た、Mwの上限としてが1500000以下であること
が樹脂(A)との均一な混合性、相溶性を達成するため
に好ましく、より好ましくは重量平均分子量Mwが上記
範囲にありかつ重量平均分子量と数平均分子量との比M
w/Mnが10未満、さらに好ましくはMw/Mnが5
未満が良い。
【0022】樹脂(A)と樹脂(B)の混合重量比は
(A:B)が50:50〜90:10であり、樹脂
(B)がこの範囲より多いとトナーの定着性が悪化す
る。また溶液混合時に粘度が上昇し樹脂同志の相溶性、
ワックスの分散性が悪くなったり、結着樹脂の分子鎖が
切断されたりする。さらにこのような結着樹脂と他材料
とを溶融混練しても他材料の分散不良、偏析を引き起こ
す。一方樹脂(B)が上記範囲より少ないとトナーの高
温の耐オフセット性が悪化する。好ましくは、混合重量
比(A:B)は55:45〜85:15が良い。
【0023】またワックスの添加量は、全樹脂100重
量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。なお、2
種以上のワックス類を併用しても良い。
【0024】本発明に係るトナー組成物を得るには、本
発明によって得られた結着樹脂と他材料として荷電制御
剤、磁性材料、顔料、染料及び他の添加剤等を必要に応
じて適宜ボールミルその他の混合機により充分前混合し
てから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混
練機を用いて溶融混練する方法を用いる。次いで冷却固
化後ハンマーミル等により粗粉砕し、微粉砕機、分級機
により所望の粒度に調整すればトナーが得られる。
【0025】生産性から、混練機は連続生産可能なエク
ストルーダータイプの混練機が好ましいが、特に限定さ
れるものではない。
【0026】ワックスの融点より20℃低い温度以上で
溶融混練することが好ましい。これは予め結着樹脂中に
細かく分散されているワックス成分が先に熱溶融し、溶
融混練時の結着樹脂の溶融粘度を効率的に下げトナー構
成成分の分散に必要な力以上の剪断力が結着樹脂にかか
ることが抑制されるため、結着樹脂の分子鎖、特に高分
子鎖の切断を防止できるからである。ワックスの融点よ
り20℃低い温度未満で混練した場合にはワックスが熱
溶融する前に結着樹脂に剪断力が強く働き高分子鎖の切
断が生じてしまうことがある。
【0027】また、ワックスの融点より60℃高い温度
以下で溶融混練することが好ましい。ワックスの融点よ
り60℃高い温度以上で溶融混練した場合、ワックス成
分の溶融粘度が極端に下り、同時に結着樹脂の溶融粘度
も必要以上に低下し、ワックス成分の再凝集、他材料
(荷電制御剤、着色剤、磁性材料等)の分散不良を生じ
てしまうことがある。
【0028】すなわちワックスの融点より20℃低い温
度以上、好ましくはワックスの融点以上でかつワックス
の融点より60℃高い温度以下、好ましくはワックスの
融点より50℃高い温度以下で溶融混練することが、分
散及び分子鎖切断防止のために良い。
【0029】また、溶融混練時にエクストルーダー等の
ベントロをエアー吸引することで残留モノマー、残留溶
剤の少ないトナーを得ることができる。尚、予め結着樹
脂中にワックスが分散されているので溶液混合樹脂の脱
溶剤は容易である。脱溶剤後の結着樹脂の揮発分を、
1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、特に
好ましくは0.3重量%以下にしておくことが好まし
く、さらに上記の溶融混練方法をとることにより得られ
たトナーの残留モノマー、残留溶剤の量は、それぞれ1
00ppm以下、1000ppm以下が達成可能かつ好
ましい。これらの残存量が多いとトナー定着時に臭気を
生じたりトナーの保存性、耐ブロッキング性が悪化した
りすることがある。
【0030】本発明に用いられる樹脂(A)および樹脂
(B)としては、形成する単量体として、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロルス
チレン、ビニルトルトエンの如きスチレンおよびその置
換体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチルの如きアクリル酸
エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、の如きメタクリル酸エステル;アクリロニトリ
ル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルの如
きビニルエーテル類;マレイン酸、マレイン酸エステル
の如き不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル;
エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン
類、ジオレフィン類が例示される。これら単量体の単重
合体、および2種類以上の単量体よりなる共重合体、お
よびポリエステル、非線状ポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリアマイド、テルペ
ン樹脂、フェノール樹脂、が単独あるいは混合して使用
できる。
【0031】前述の単量体を重合するにあたっては開始
剤の存在下、及び架橋剤の存在下あるいは不存在下で重
合し得る。
【0032】これらの中でも、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共
重合体、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0033】なお、本発明における樹脂(A)および樹
脂(B)はそれぞれ上記分子量範囲内であれば特に限定
されるものではない。
【0034】開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート,クミンパーピバレートt−
ブチルパーオキシラウレート,ベンゾイルパーオキサイ
ド,ラウロイルパーオキサイド,オクタノイルパーオキ
サイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,t−ブチルク
ミルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイド,2,
2′−アゾビスイソブチロントリル,2,2′−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル),2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル),2,2′アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル),1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−
ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブ
チルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,
4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシ
カーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチル
アジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジ
ン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、等
が挙げられ、これらが単独あるいは併用して使用でき
る。
【0035】架橋剤としては、主として2個以上の重合
可能な二重結合を有する化合物が用いてもよい、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのよう
な芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタジオールジメタクリレートなどのような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホンなどのジビニル化合物;および3個以上のビ
ニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用
いられる。
【0036】本発明におけるワックスは、数平均分子量
(Mn)が8.0×103 以下、重量平均分子量(M
w)が2.5×104 以下であることが好ましい。ま
た、融点が70〜165℃であることが好ましく、特に
75〜150℃であることが好ましい。
【0037】本発明に用いられるワックスとしては、パ
ラフィンワックス、マイクロワックスやエチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘ
プテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1の
ような直鎖のα−オレフィンおよび分枝部分が末端にあ
るような分枝α−オレフィンおよびこれらの不飽和基の
位置の異なるオレフィン等の単独重合もしくはこれらの
共重合体等が例示される。
【0038】なお、特に限定されるものではない。
【0039】本発明に用いられる有機溶剤としては、例
えばトルエン、キシレン、クメン、ベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキセン、クロロホルム、
メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン
(THF)、酢酸セロソルブ、アルコール類、エーテル
類等があり、単独あるいは併用しても良い。
【0040】本発明において、樹脂およびワックスの分
子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ)によってそれぞれ次の条件で測定される。
【0041】〈樹脂のGPC測定条件〉 装置:GPC−150(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温度:40℃ 溶媒:THF(テトラヒドロフラン) 流速:1.0ml/min. 試料:濃度0.05〜0.6wt%の試料を0.1ml
注入 (但し、樹脂(B)の測定は濃度0.15%以下とす
る)
【0042】〈ワックスのGPC測定条件〉 装置:GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT(東ソー社製)の2連 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min. 試料:濃度0.15%の試料を0.4ml注入
【0043】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量校正曲線を使用する。更に、ワックスの分子量
は、Mark−Houwink粘度式から導き出される
換算式で換算することによって算出される。
【0044】ワックスの融点は、高精度の内熱式入力補
償型の示差走査熱量計(パーキンエルマー社製のDSC
−7)を用いて昇温速度10℃/min.でASTM
D3418の温度測定パターンに準じて測定され、その
最高融解温度のピークトップの値とする。
【0045】本発明において荷電制御剤としては、従来
公知の正あるいは負の荷電制御剤が用いられる。今日、
当該技術部分野で知られている荷電制御剤としては以下
のものがあげられる。
【0046】(1)トナーを正荷電性に制御するものと
して下記の物質がある。ニグロシン 及び脂肪酸金属塩等による変成物、トリブチルベンジル
アンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン
酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレー
トなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であ
るホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔
料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、
(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリ
ブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロ
シアン化物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオ
キサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシ
ルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジ
ブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシク
ロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート
類;これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いるこ
とができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アン
モニウム塩、トリフェニルメタンレーキ顔料の如き荷電
制御剤が特に好ましく用いられる。
【0047】また、一般式
【0048】
【外1】 [R1 :H,CH32 ,R3 :置換または未置換のアルキル基(好ましく
はC1 〜C4 )]で表わされるモノマーの単重合体:前
述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制
御剤として用いることができる。この場合これらの荷電
制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用
をも有する。
【0049】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0050】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0051】本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を
混合した場合にもよい結果が得られる。添加剤として
は、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニ
リデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好まし
い。あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸スト
ロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウム
が好ましい。あるいは例えばコロイダルシリカ、酸化ア
ルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性コロイ
ダルシリカが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例
えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸
化スズ等の導電性付与剤なども使用可能である。また逆
極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として
少量用いることもできる。
【0052】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合にはキャリヤー粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリヤー粉との混合比は
トナー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは0.
5〜15重量%、さらに好ましくは3〜5重量%が望ま
しい。
【0053】本発明においてキャリヤーとしては公知の
ものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニ
ッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及び
これらの表面をフッ素系樹脂またはアクリル系樹脂また
はシリコン系樹脂等で表面処理したものなどがあげられ
る。
【0054】さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含
有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性
材料は着色剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー
中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタ
イト、フェライト等の酸化鉄又は二価金属と酸化鉄との
化合物;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこ
れらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネ
シウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、パナジウムのような金属の合金およ
びその混合物等が挙げられる。
【0055】これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2
μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ま
しい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100
重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹
脂成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0056】さらに本発明のトナーには必要に応じて着
色剤を添加しても良い。
【0057】本発明において着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される。トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリ
ンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロ
ー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレ
ーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に
対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量
部の添加量が良い。また同様の目的で、さらに染料が用
いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、
キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹脂100重
量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
0重量部の添加量が良い。
【0058】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘキシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る
静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0059】本発明のトナーは、接触加熱定着手段によ
り、普通紙またはオーバヘッドプロジェクター(OH
P)用透明シートのごとき転写材へ加熱定着される。
【0060】接触加熱定着手段としては、加熱加圧ロー
ル定着装置、または、固定支持された加熱体と、該加熱
体に対向圧接し、かつフィルムを介して該転写材を該加
熱体に密着させる加圧部材とにより、トナーを加熱定着
するサーフ定着手段が挙げられる。
【0061】該定着手段の一例を図1に示す。
【0062】
【実施例】以下に、本発明を合成例、製造例、実施例等
により具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限
定するものではない。なお、文章中にある部は重量部
を、比は重量比を、%は重量%を示す。
【0063】[樹脂の合成例] 低分子量樹脂成分の合成例[合成例1、比較合成例1]合成例1 キシレンを溶媒とし、これにスチレンモノマー83部、
アクリル酸ブチル17部、及びジ−t−ブチルバーオキ
サイド5部の混合溶液を滴下し、キシレン還流温度下で
溶液重合を行い、樹脂A−1の重合溶液を得た。この樹
脂の重合平均分子量(Mw)は14,700、Mw/M
nは約2.4であった。
【0064】比較合成例1 ジ−t−ブチルバーオキサイド1.5部とする以外は合
成例1と同様にして溶液重合を行い樹脂A−2の重合溶
液を得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は68,
300、Mw/Mnは約2.7であった。
【0065】高分子量樹脂成分の合成例[合成例2、合
成例3、比較合成例2]合成例2 ポバールの0.1%水溶液を分散媒とし、これにスチレ
ンモノマー80部、アクリル酸ブチル20部、及び2,
2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパン0.2部及びジビニルベンゼン0.0
5部を添加し懸濁分散液とし、80℃で懸濁重合を行
い、樹脂B−1を得た。この樹脂の重量平均分子量(M
w)は960,000、Mw/Mnは約4.5であっ
た。
【0066】合成例3 ジビニルベンゼンを無添加とする以外は合成例2と同様
にし懸濁重合を行い、樹脂B−2を得た。この樹脂の重
量平均分子量(Mw)は760,000、Mw/Mnは
約3.8であった。
【0067】比較合成例2 2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシク
ロヘキシル)プロパン1.0部としジビニルベンゼンを
無添加とする以外は合成例2と同様にし懸濁重合を行
い、樹脂B−3を得た。この樹脂の(Mw)は340,
000、Mw/Mnは約3.3であった。
【0068】[結着樹脂の製造例]結着樹脂−1 樹脂A−1(低分子量樹脂成分として)の溶液重合液
に、樹脂B−2(高分子樹脂成分として)と、ポリエチ
レンワックス(Mn=1,100、Mw=5,880、
融点131℃)とを同時に添加し(この際の固形分比
は、A−1:B−1:ワックス=70:30:4となる
ようにする。)、約3時間攪拌した後キシレンを除去し
て結着樹脂−1を得た。この樹脂の揮発分は0.20%
であった。
【0069】比較結着樹脂−1 結着樹脂−1の製造で樹脂B−2の替わりに予め樹脂B
−2をキシレンに溶解させた樹脂溶液を用いる以外は同
様にして比較結着樹脂−1を得た。予め溶解させた樹脂
B−2の重量平均分子量(Mw)は380,000、M
w/Mnは約5.1と変化していた。
【0070】比較結着樹脂−2,−3 結着樹脂−1の製造で低分子量樹脂成分として樹脂A−
1の替わりに、樹脂A−2を用いる以外は同様にして結
着樹脂を製造し、比較結着樹脂−2を得た。また、結着
樹脂−1の製造で高分子量樹脂成分として樹脂B−2の
替わりに樹脂B−3を用いる以外は同様にして結着樹脂
を製造し、比較結着樹脂−3を得た。
【0071】比較結着樹脂−4 結着樹脂−1の製造で、ポリエチレンワックスを無添加
とする以外は同様にして比較結着樹脂−4を得た。
【0072】結着樹脂−2 樹脂A−1(低分子量樹脂成分として)の溶液重合液
に、樹脂B−1(高分子量樹脂成分として)と、ポリプ
ロピレンワックス(Mn=1,200、Mw=6,60
0、融点145℃)とを同時に添加し(この際の固形分
比は、A−1:B−2:ワックス=80:20:4とな
るようにする。)、約3時間攪拌した後キシレンを除去
して結着樹脂−2を得た。この樹脂の揮発分は0.18
%であった。
【0073】比較結着樹脂−5,6 結着樹脂−2の製造で、A−1:B−2:ワックス=4
0:60:4とする以外は同様にして、また、A−1:
B−2:ワックス=92:8:4とする以外は同様にし
て、それぞれ比較結着樹脂−5、比較結着樹脂−6を得
た。なお、比較結着樹脂−5の揮発分は0.55%であ
った。
【0074】実施例1 ・結着樹脂−1…100部 ・磁性分…80部 ・ニグロシン…2部
【0075】上記の割合で前混合し、2軸混練押出機で
ベントロを吸引しながら設定温度150℃、主軸回転数
150回転で溶融混練し、混練物を冷却固化後、粉砕、
分級を行い重量平均粒径約9μmのトナーを得た。この
トナー100部に、疎水性コロイダルシリカ0.6部を
外添混合しトナー−1を得た。
【0076】また、粉砕・分級工程で振り分けられた微
粗粉のみを再混練して混練以降同様にして再利用トナー
−1を得た。
【0077】これらのトナーを顕微鏡観察したところ、
トナー中にワックスの偏在、遊離等はなく他材料の分散
状態も良好であった。
【0078】実施例2 実施例1で結着樹脂−1の替わりに結着樹脂−2を使用
する以外は同様にしてトナー−2及び再利用トナー−2
を得た。
【0079】これらのトナーを顕微鏡観察したところ、
トナー中にワックスの偏在、遊離等はなく他材料の分散
状態も良好であった。
【0080】実施例3 実施例1で混練条件を設定温度100℃とする以外は同
様にしてトナー3及び再利用トナー3を得た。実施例1
に比べ、耐高温オフセット性に若干劣る以外は問題はな
かった。
【0081】実施例4 実施例1で混練条件を設定温度200℃とする以外は同
様にしてトナー4及び再利用トナー4を得た。再利用ト
ナー4の現像特性として初期に若干のカブリが見られた
以外は問題はなかった。なお、トナーを顕微鏡観察した
ところ少量の遊離ワックスの混入が見られた。
【0082】実施例5 実施例1でベントロから吸引せずに混練を行う以外は同
様にしてトナー5を得た。実施例1に比べ、トナー中の
残留モノマー、残留溶剤が若干増加する以外に問題はな
かった。
【0083】比較例1 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−1を
使用する以外は同様にして比較トナー1を得た。実施例
1に比べ、耐高温オフセット性が相当劣り問題となるレ
ベルであった。
【0084】比較例2 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−2を
使用する以外は同様にして比較トナー2を得た。実施例
1に比べ、定着可能温度が上昇し問題となるレベルであ
った。また、製造時のトナーの粉砕性が悪化し生産効率
が低下した。
【0085】比較例3 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−3を
使用する以外は同様にして比較トナー3を得た。実施例
1に比べ、耐高温オフセット性が相当劣り問題となるレ
ベルであった。
【0086】比較例4 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−4を
使用し、結着樹脂−1に添加されているのと同じポリエ
チレンワックス4部を追加して前混合し、実施例1の混
練条件を、設定温度200℃とする以外は同様にして比
較トナー4及び再利用比較トナー4を得た。再利用比較
トナー4の現像特性としてカブリが問題となるレベルで
あり、感光ドラム上にフィルミングが発生した。このト
ナーの顕微鏡観察をしたところ相当量の遊離ワックスの
混入が見られた。
【0087】比較例4a 比較例4で混練条件を、設定温度100℃とする以外は
同様にして比較トナー4a 及び再利用比較トナー4a
得た。再利用比較トナー4a の現像特性として初期に若
干のカブリがあったが問題となるレベルではなくフィル
ミングも未発生であった。しかし、耐高温オフセット性
が相当劣り問題となるレベルであった。
【0088】比較例5 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−5を
使用する以外は同様にして比較トナー5を得た。実施例
1に比べ、定着可能温度が上昇し問題となるレベルであ
り、現像特性としてもカブリのみならず画像濃度も低く
問題となるレベルであった。さらに製造時のトナーの粉
砕性が著しく悪化し生産効率が急減した。トナー中の残
留モノマー残留溶剤が相当増加し加熱定着時に異臭がし
た。
【0089】比較例6 実施例1で結着樹脂−1の替わりに比較結着樹脂−6を
使用する以外は同様にして比較トナー6を得た。実施例
1に比べて、耐高温オフセット性が相当劣り問題となる
レベルであった。
【0090】次に、以上のトナーの評価方法を説明す
る。
【0091】〈定着/オフセット試験〉市販の複写機N
P−1010(キヤノン社製)の定着器部分を取り出し
プロセススピード可変、温度可変とした熱ローラー外部
定着器を用いた。未定着画像の通紙スピードは50mm
/s一定で定着させ、定着画像を50g/cm2 の荷重
をかけてシルボン紙(Lenz cleanining
paper“dasper(R)”Ozu Pape
r Co.Ltd)で擦り、擦り前後の画像濃度低下率
が10%未満になる温度定着可能温度とした。オフセッ
ト発生温度は、温度を上げていった時に目視でオフセッ
トが現れる温度とする。
【0092】〈現像性/フィルミング試験〉市販の複写
機NP−1010(キヤノン社製)により、連続1万枚
の複写を行い現像性(画像濃度、カブリ)及び感光ドラ
ム上、現像スリーブ上のフィルミング、融着等を目視確
認した。
【0093】〈残留モノマー/溶剤の定量〉G.C.
(ガスクロマトグラフィー)にて次の条件にてピーク面
積を求めて測定される。
【0094】[G.C.測定条件] 装置:GC−15A/キャピラリー付き(島津製作所
製) キャリア:N2 (2Kg/cm2 、50ml/min)
split(10ml/13s) カラム:ULBON HR−1 50m×0.25mm
(信和化工社製)
【0095】
【外2】 試料:トナー0.2gをTHF(テトラヒドロフラン)
4mlに溶解して得られる溶液から2μl注入 標準物質:トルエン 表−1に実施例1〜5及び比較例をまとめて示す。
【0096】実施例6〜10 実施例1〜5のトナー(トナー1〜5、再利用トナー1
〜4)サーフ定着手段を有する市販の複写機FC−2
(キヤノン社製)により環境温度7.5℃における電源
投入直後のファーストコピーでも定着性は良好(濃度低
下率10%以下)であった。また、常温下ハガキを連続
50枚コピーした直後、A4紙でコピーしても定着器の
非通紙部昇温によるオフセットも見られなかった。さら
に、複写試験においても現像性も良好で、フィルミング
も未発生で問題とならなかった。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】本発明の溶液混合方法により得られた特
定の結着樹脂を用いること及び混練機の溶融混練条件を
特定の範囲に規定することにより、トナー構成成分(ワ
ックス、結着樹脂成分、その他の材料)の均一分散、良
相溶が達成され、カブリ等の画像劣化のないトナー組成
物が提供できる。またこのことにより、溶融混練工程の
後工程(粉砕・分級)で生じる微粗粉を再利用しても品
質上まったく問題がない。また本発明における混練時の
混練条件は分散のため過度な剪断力を必要としないため
トナー用結着樹脂の分子鎖切断が抑制でき、耐オフセッ
ト性、特に耐高温オフセット性に優れたトナー用組成物
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーフ定着手段の一具体例の概略的説明図であ
る。
【符号の説明】
1 加熱体 2 定着フィルム 3 駆動ローラー 4 従動ローラー 5 加圧ローラー 6 転写材 7 トナー 8 入口ガイド 9 抵抗材料 10 アルミナ基板 11 検出素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 藤原 雅次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 土井 信治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量(Mw)が4000〜5
    0000、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/
    Mn)が3.5未満である樹脂(A)50〜90重量部
    と、重量平均分子量(Mw)が400000以上の樹脂
    (B)50〜10重量部と、更に一種以上のワックスと
    を溶液混合し、脱溶剤することにより生成した結着樹脂
    と他材料を溶融混練することを特徴とするトナー用組成
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 混練機の温度設定をワックス融点より2
    0℃低い温度以上、ワックスの融点より60℃高い温度
    以下で溶融混練する請求項1のトナー用組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ベンチレーションを施しながら溶融混練
    する請求項1または請求項2のトナー用組成物の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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