JPH05346678A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH05346678A
JPH05346678A JP4178901A JP17890192A JPH05346678A JP H05346678 A JPH05346678 A JP H05346678A JP 4178901 A JP4178901 A JP 4178901A JP 17890192 A JP17890192 A JP 17890192A JP H05346678 A JPH05346678 A JP H05346678A
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博英 谷川
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宏明 川上
Masaji Fujiwara
雅次 藤原
Masashi Jinbo
正志 神保
Tsutomu Konuma
努 小沼
Masaki Uchiyama
正喜 内山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着性に優れ、かつ低温から高温までの広い
温度範囲で耐オフセット性が優れた静電荷像現像用トナ
ーを提供することにある。 【構成】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワックス
を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該炭化水
素系ワックスが、示差走査熱量計により測定されるDS
C曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱
ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が50〜9
0℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域に少なく
ともひとつの吸熱ピークP があり、該吸熱ピークP
のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピ
ークがあることを満足し、該結着樹脂のぬれ指数が3
7dyn/cm(JISぬれ試験法)以上であることを
満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、磁気記録法に用いられる現像剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し
複写物を得るものであり、そして感光体上に転写せず残
ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工
程が繰り返される。近年このような複写装置は、単なる
一般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用
複写機というだけでなく、コンピューターの出力として
のプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーとい
う分野で使われ始めた。
【0003】そのため、より小型、より軽量、そしてよ
り高速、より高信頼性が厳しく追求されてきており、機
械は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるように
なってきている。その結果、トナーに要求される性能は
より高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ
よりすぐれた機械が成り立たなくなってきている。
【0004】例えばトナー像を紙などのシートに定着す
る工程に関して種々の方法や装置が開発されている。例
えば、熱ローラーによる圧着加熱方式や、フィルムを介
して加熱体に加圧部材により密着させる加熱定着方法が
ある。
【0005】加熱ローラーやフィルムを介した加熱方式
はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱
ローラー或いはフィルムの表面に被定着シートのトナー
像面を接触させながら通過せしめることにより定着を行
なうものである。この方法は熱ローラーやフィルムの表
面と被定着シートのトナー像とが接触するため、トナー
像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好
であり、迅速に定着を行うことができ、電子写真複写機
において非常に有効である。しかしながら上記方法で
は、熱ローラーやフィルム表面とトナー像とが溶融状態
で接触するためにトナー像の一部が定着ローラーやフィ
ルム表面に付着、転移し、次の被定着シートにこれが再
転移して所謂オフセット現象を生じ、被定着シートを汚
すことがある。熱定着ローラーやフィルム表面に対して
トナーが付着しないようにすることが加熱定着方式の必
須条件の1つとされている。
【0006】従来、定着ローラー表面にトナーを付着さ
せない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離
型性の優れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形
成し、さらにその表面にオフセット防止及びローラー表
面の疲労を防止するためにシリコンオイルの如き離型性
の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆することが行わ
れている。しかしながら、この方法はトナーのオフセッ
トを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防
止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置
が複雑になること等の問題点を有している。
【0007】これは小型化、軽量化と逆方向であり、し
かもシリコーンオイルなどが熱により蒸発し、機内を汚
染する場合がある。そこでシリコーンオイルの供給装置
などを用いないで、かわりにトナー中から加熱時にオフ
セット防止液体を供給しようという考えから、トナー中
に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなど
の離型剤を添加する方法が提案されている。充分な効果
を出すために多量のこのような添加剤を加えると、感光
体へのフィルミングやキャリアやスリーブなどのトナー
坦持体の表面を汚染し、画像が劣化し実用上問題とな
る。そこで画像を劣化させない程度に少量の離型剤をト
ナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給もしくはオ
フセットしたトナーを巻きとり式の例えばウェブの如き
部材を用いた装置でクリーニングする装置を併用するこ
とが行われている。
【0008】しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の
要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去するこ
とが必要となっている。複写機本体だけではこれらの要
求を達成することが不可能であり、従って、定着性、耐
オフセット性などの更なるトナーの性能向上が必須であ
り、それには、トナーのバインダー樹脂、離型剤等のさ
らなる改良がなければ実現することが困難である。
【0009】トナー中に離型剤として、ポリアルキレン
類を含有させるのは公知であり、特開昭57−5257
4号公報、特開昭52−3304号公報等ではスチレン
系樹脂に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン等の単重合ワックスを含有させたり、特開昭50−9
3647号公報では、同じくスチレン系樹脂に低分子量
オレフィン共重合体を含有させる技術が開示されてい
る。
【0010】しかし、上記のようなオフセット防止手段
として従来の方法は、トナーの帯電特性の悪化によるカ
ブリ等の画像欠陥をひきおこしたり、画像濃度の低下を
ひきおこす等の欠点があった。また、低分子量オレフィ
ン共重合体を用いると結晶性の低下のため粘着性が高く
なり、相溶性が良化されるが粘着性が高くなるため、ト
ナーの流動性の悪化、トナーのブロッキング性の悪化等
の欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像を提供することにあ
る。即ち本発明の目的は、低い温度で定着し、かつ低温
から高温までの広い温度範囲で耐オフセット性に優れた
静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0012】また、本発明の目的は、感光部材、クリー
ニング部材等への融着、フィルミングが高速システムに
おいても、また長期間の使用でも発生しない静電荷像現
像用トナーを提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、カブリ等の画像汚
れ、帯電部材の汚染による画像濃度の長期低落のない静
電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0014】また、本発明の目的は、耐ブロッキング性
に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂及び炭化水素系ワックスを含有する静電
荷像現像用トナーにおいて、該炭化水素系ワックス
が、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線におい
て、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関
し、吸熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲
にあり、温度90〜120℃の領域に少なくともひとつ
の吸熱ピークP1 があり、該吸熱ピークP1 のピーク温
度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあること
を満足し、該結着樹脂のぬれ指数が37dyn/cm
(JISぬれ試験法)以上であることを満足することを
特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0016】また本発明は、少なくとも結着樹脂及び炭
化水素系ワックスを含有する静電荷像現像用トナーにお
いて、該炭化水素系ワックスが、示差走査熱量計によ
り測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク
及び降温時の発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセッ
ト温度が50〜90℃の範囲にあり、温度90〜120
℃の領域に少なくともひとつの吸熱ピークP1 があり、
該吸熱ピークP1 のピーク温度±9℃の範囲内に降温時
の最大発熱ピークがあることを満足し、該結着樹脂の
酸価が2mgKOH/g(JIS酸価)以上であること
を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関
する。
【0017】トナーが、定着性にすぐれ、かつ低温から
高温までの広い温度範囲で耐オフセット性がすぐれ、ま
た、感光体、クリーニング部材等への融着、フィルミン
グが高速・長期の耐久使用においても発生しない理由
は、必ずしも明確ではないが、本発明者らが鋭意検討し
た結果、以下のように推察される。
【0018】本発明の現像剤においては、結着樹脂のぬ
れ指数が37dyn/cm以上であることが特徴の一つ
であり、好ましくは38dyn/cm以上である。
【0019】ぬれ指数が37dyn/cm以上のとき、
特に良好な定着性、耐オフセット性を有するようにな
る。本発明者らの検討によれば、転写紙のぬれ指数は4
3dyn/cm前後であり、該結着樹脂のぬれ性が転写
紙のぬれ性に近ければ近いほど定着性がよく、該結着樹
脂のぬれ指数が37dyn/cm以上のとき、本発明の
炭化水素系ワックスともにトナーに用いることにより非
常に良好な定着性を示すことを見い出した。
【0020】離型性の良好なフッ素樹脂の定着ローラー
のぬれ指数はおおよそ20dyn/cmであり、該結着
樹脂のぬれ性が定着ローラーのぬれ性から離れれば離れ
るほど良好な離型性を示すことが判明した。特に、該結
着樹脂のぬれ指数が37dyn/cm以上のときに、本
発明の炭化水素系ワックスとともにトナーに用いること
により非常に良好な離型性を示すことを見い出した。
【0021】また、本発明は、次のような結着樹脂と本
発明の炭化水素系ワックスとの使用によっても達成でき
る。該結着樹脂の酸価が、2mgKOH/g以上である
ことが特徴のひとつであり、好ましくは3mgKOH/
g以上であることが良い。酸価が大きければ、大きいほ
ど転写紙への定着性、定着ローラー、フィルムからの離
型性に優れるが、2mgKOH/g以上で効果が現れ始
め、3mgKOH/g以上でより効果的になる。しかし
ながら、50mgKOH/gを超えると現像性に影響が
出始める傾向にあり、100mgKOH/gを超える
と、画像濃度低下や、かぶりの増加などの画像欠陥が出
始める。従って、定着性、耐オフセット性、現像性を満
足させるためには、酸価が2mgKOH/g〜100m
gKOH/gであることが良く、3mgKOH/g〜5
0mgKOH/gであることが特に好ましい。更に酸価
を持った結着樹脂のぬれ指数が37dyn/cm以上、
特に38dyn/cm以上である時に、定着性、離型性
が最も優れる。これは、結着樹脂中の酸価を持たせる官
能基(例えばカルボキシル基)が、転写紙のセルロース
との親和性が高く、定着ローラーのフッ素樹脂に親和性
がないためと考えられる。
【0022】結着樹脂のぬれ性は、JIS K−676
8(ぬれ試験法)により測定した。JISぬれ試験法
は、表面張力の異なる液(エチレングリコールモノエチ
ルエーテル/ホルムアミドの比率を変えた液)を試験片
に綿棒で塗布し、液膜の収縮状態を判定し、完全にぬれ
る液の表面張力(dyn/cm)をもって「ぬれの尺度
(dyn/cm)」と定義するものである。
【0023】酸価は、JIS K−0070に準じて測
定される値である。
【0024】本発明の炭化水素系ワックスにおいて、該
炭化水素系ワックスが、示差走査熱量計により測定され
るDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークで、ピーク
のオンセット温度が50〜90℃の範囲内にあり、90
〜120℃の範囲内に少なくともひとつの吸熱ピークP
1 が存在し、該吸熱ピークP1 のピーク温度±9℃の範
囲内に降温時の最大発熱ピークが存在する、を満足する
ことが特徴の一つである。
【0025】昇温時には、ワックスに熱を与えた時の変
化を見ることができワックスの転移、融解に伴う吸熱ピ
ークが観測される。ピークのオンセット温度が50〜9
0℃の範囲内にあることにより現像性、耐ブロッキング
性、低温定着性を満足することができる。ピークのオン
セット温度が、50℃未満の場合は、ワックスの変化温
度が低過ぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、昇温時の現
像性に劣るトナーになり、90℃を超える場合には、ワ
ックスの変化温度が高過ぎ、十分な定着性が得られなく
なる。90〜120℃の範囲内に、好ましくは95〜1
20℃の範囲内に、特に好ましくは97〜115℃の範
囲内に、吸熱ピークが存在することにより、良好な定着
性、耐オフセット性を満足できる。90℃未満のみにピ
ーク温度が存在する場合には、ワックスの融解温度が低
過ぎ、十分な耐高温オフセット性が得られず、120℃
を超える領域のみにピーク温度が存在する場合は、ワッ
クスの融解温度が高過ぎ十分な耐低温オフセット性、低
温定着性が得られない。すなわちこの領域に、ピーク温
度が存在することで、耐オフセット性と定着性のバラン
スを取りやすくなる。ここで、90℃未満のピークが最
大のピークとなると、この領域のみにピークがある場合
と同様な挙動を示すので、この領域のピークが存在して
も良いが、その場合は、90〜120℃の領域のピーク
より小さい必要がある。
【0026】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶化
に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い温
度に昇温時の融解に伴う吸熱ピーク存在することは、ワ
ックスの構造、分子量分布などワックスがより均質であ
ることを示しており、その差が9℃以内であることが良
く、好ましくは7℃以内であり、特に好ましくは5℃以
内である。すなわちこの差を小さくすることで、ワック
スをシャープメルト、つまり、低温時には硬く、融解時
の溶融が早く、溶融粘度の低下が大きく起こることで、
現像性、耐ブロッキング性、定着性、耐オフセット性を
バランス良くなり立たせることができる。最大発熱ピー
クは温度85〜115℃(好ましくは90〜110℃)
の領域にあることが良い。
【0027】ワックスのDSC測定は、前述のトナーの
場合に準じ、各温度の定義は次のように定める。具体例
として本発明に用いられるワックスAのDSC曲線を図
1、図2に示す。
【0028】吸熱ピーク:(プラス方向を吸熱とする) ピークのオンセット温度:昇温時曲線の微分値が最初に
極大となる点における曲線の接線とベースラインとの交
点の温度(O.P.) ピークの温度:ピークトップの温度(P.P.) 発熱ピーク:(マイナス方向を発熱とする) ピークの温度:最大のピークのピークトップの温度 これら炭化水素系ワックスの含有量は、結着樹脂100
重量部に対し20重量部以内で用いられ、0.5〜10
重量部で用いるのが効果的であり、他のワックス類と併
用しても構わない。
【0029】本発明に用いられる炭化水素系ワックス
は、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下
でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリ
マー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー、一酸化炭素、水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分
から得られる合成炭化水素などから、特定の成分を抽出
分別した炭化水素ワックスが用いられる。プレス発汗
法、溶剤法、真空蒸留、分別結晶方式により炭化水素ワ
ックスの分別が行われる。すなわちこれらの方法で、低
分子量分を除去したもの、低分子量分を抽出したもの
や、更にこれから低分子量分を除去したものなどであ
る。炭化水素に水素添加を行ったり、酸化防止剤を添加
してもよい。
【0030】母体としての炭化水素は、金属酸化物系触
媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素
と水素の反応によって合成されるもの、例えばジントー
ル法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいは
ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒
床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭
化水素(最終的に水素添加し目的物としたものが特に好
ましい)や、エチレンなどアルキレンをチーグラー触媒
により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽
和の長鎖直鎖状炭化水素であるので好ましい。特に、ア
ルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水
素ワックスがその構造や分別しやすい分子量分布である
ことから好ましいものである。また、分子量分布で好ま
しい範囲は、数平均分子量(Mn)が550〜120
0、好ましくは600〜1000であり、重量平均分子
量(Mw)が800〜3600、好ましくは900〜3
000であり、Mw/Mnが3以下、好ましくは2.5
以下、特に好ましくは2.0以下である。また、分子量
700〜2400(好ましくは分子量750〜200
0、特に好ましくは分子量800〜1600)の領域に
ピークが存在することである。このような分子量分布を
持たせることにより、トナーに好ましい熱特性を持たせ
ることができる。すなわち、上記範囲より分子量が小さ
くなると熱的影響を過度に受けやすく、耐ブロッキング
性、現像性に劣るようになり、上記範囲より分子量が大
きくなると、外部からの熱を効果的に利用できず、優れ
た定着性、耐オフセット性を得ることができない。
【0031】その他の物性としては、25℃での密度が
0.95(g/cm3 )以上、針入度が1.5(10-1
mm)以下、好ましくは1.0(10-1mm)以下であ
る。これらの範囲をはずれると、低温時に変化しやすく
保存性、現像性に劣りやすくなってくる。
【0032】また、140℃における溶融粘度が、10
0cP以下、好ましくは50cP以下、特に好ましくは
20cP以下である。溶融粘度が100cPを超えるよ
うになると、可塑性、離型性に劣るようになり、優れた
定着性、耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。ま
た、軟化点が130℃以下であることが好ましく、特に
好ましくは120℃以下である。軟化点が130℃を超
えると、離型性が特に有効に働く温度が高くなり、優れ
た耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。更に酸価
が2.0mgKOH/g未満、好ましくは1.0mgK
OH/g未満である。この範囲を超えると、トナーを構
成する成分の1つである結着樹脂との界面接着力が大き
く、溶融時の相分離が不充分になりやすく、そのため良
好な離型性が得られにくく、高温時の耐オフセット性が
良好でなく、また、トナーの摩擦帯電特性に悪影響を与
え、現像性、耐久性に問題が出ることがある。
【0033】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いられ、
0.5〜10重量部で用いるのが効果的である。
【0034】本発明において炭化水素系ワックスの分子
量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により次の条件で測定される。
【0035】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0036】本発明におけるワックス類の針入度は、J
IS K−2207に準拠し測定される値である。具体
的には、直径約1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針
を一定荷重で貫入させた時の貫入深さを0.1mmの単
位で表した数値である。本発明中での試験条件は試料温
度が25℃、加重100g、貫入時間5秒である。
【0037】また、溶融粘度は、ブルックフィールド型
粘度計を用いて測定される値であり、条件は、測定温度
140℃、ずり速度1.32rpm、試料10mlであ
る。
【0038】酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和
するために必要な水酸化カリウムのmg数である(JI
S K5902に準ずる)。密度は25℃でJIS K
6760、軟化点はJIS K2207に準じて測定さ
れる値である。
【0039】上記のワックスが必要とする諸特性は、分
別抽出された炭化水素からなる炭化水素系ワックスを使
用することによって、はじめて達成でき、このようなワ
ックスと特定のぬれ指数、酸価をもつ結着樹脂と組み合
せたとき、特に優れた定着特性を引き出すことが可能に
なる。
【0040】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0041】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが
使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共
重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0042】特に好ましいスチレン−アクリル系結着樹
脂としては、スチレン系モノマーとして、例えばスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルス
チレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン及びその誘
導体から選ばれるモノマーを使用し、アクリル系モノマ
ーとして、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸フ
ェニルなどのアクリル酸エステル類やアクリル酸及びア
クリル酸アミド類、或いはメタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチルなどのメタクリル酸エステル類やメタクリル酸
及びメタクリル酸アミド類から選ばれるモノマーを使用
したスチレン−アクリル系共重合体が好ましく、これら
のスチレン−アクリル系共重合体のぬれ指数を37dy
n/cm以上にするには、上記アクリル系モノマーの中
からアクリル酸及び含窒素アクリル酸誘導体やメタクリ
ル酸及び含窒素アクリル酸誘導体さらにこれらを4級化
したものを共重合体中に導入する方法があり、更に、以
下の酸基をもつモノマーを使用する方法もあり、この方
法では結着樹脂に酸価をもたせることができる。例えば
マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、及びこれらの無水物;フ
マル酸、イタコン酸、ジメチルフマル酸;などの不飽和
二塩基酸、無水物モノマー。更に上記不飽和二塩基酸の
モノエステル。アクリル酸メタクリル酸無水物。アルケ
ニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジ
ピン酸及びこれらの無水物、モノエステル。
【0043】これらの中でもマレイン酸、フマル酸、コ
ハク酸、コハク酸構造をもつモノマーが好ましい。特に
マレイン酸モノエステル類が好ましい。
【0044】本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応
じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋された重
合体であってもよい。
【0045】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
く、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンな
どのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブタジオールジメタクリレートなどの
ような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビ
ニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3
個以上のビニル基を有する化合物が単独もしくは混合物
として用いられる。
【0046】本発明の現像剤には荷電制御剤を現像剤粒
子に配合(内添)、または現像剤粒子と混合(外添)し
て用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像シ
ステムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能である。正荷電制御剤
としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸、テトラブチルアンモニウム
テトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及
びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩
及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及び
これらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタン
グステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリ
ブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリ
シアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属
塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイ
ド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノ
スズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルス
ズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオ
ルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上
組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロ
シン系、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン顔料
の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0047】また、一般式
【0048】
【化1】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合、これらの荷電制御剤は結着樹
脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0049】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0050】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0051】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0052】現像剤に内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部(更には0.2〜10重量部)用いることが好まし
い。
【0053】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0054】又、本発明に用いられるシリカ微粉末は、
必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的で
シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコ
ーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップ
リング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その
他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、あるいは種々の処
理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0055】他の添加剤としては、例えばテフロン粉
末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリ弗化ビニリデン粉末の
如き滑剤粉末、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。
あるいは酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸
ストロンチウム粉末等の研磨剤、中でもチタン酸ストロ
ンチウムが好ましい。あるいは例えば酸化チタン粉末、
酸化アルミニウム粉末等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例
えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチ
モン粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また逆極性
の白色微粒子及び黒色微粒子を現像剤向上剤として少量
用いることもできる。
【0056】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜10重量%、更に好ましくは3〜10重量%が好まし
い。
【0057】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ
等及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂ある
いはシリコーン系樹脂等で処理したものなどが挙げられ
る。
【0058】さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含
有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性
材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明にお
いて、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグ
ネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コ
バルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のア
ルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、
亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウ
ム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングス
テン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等
が挙げられる。
【0059】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂
成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0060】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が抗磁力比(Hc)20〜300エルステッド、飽和
磁化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σ
r)2〜20emu/gのものが好ましい。
【0061】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダス
レンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維
持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部
に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重
量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が用
いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、
キサンテン系染料、メチン系染料等があり、樹脂100
重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3
〜10重量部の添加量が良い。
【0062】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯
体、着色剤としての顔料、又は染料、磁性体、必要に応
じて荷電制御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキ
サー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加
熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機
を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に
金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せし
め、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るとこ
ろのトナーを得ることが出来る。
【0063】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る
静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0064】
【実施例】以下具体的実施例によって、本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0065】最初に、本発明に用いられる炭化水素系ワ
ックスについて述べる。
【0066】アーゲ法により合成された炭化水素系ワッ
クスからワックスA(本発明)、ワックスB(本発明)
及びワックスC(本発明)を分別結晶化により得た。
【0067】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスE(比較例)を得、
分別結晶化により低分子量成分をある程度除去したワッ
クスD(本発明)を得た。これらの物性を表1、表2に
記す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】 次に本発明のトナーに用いられる結着樹脂の合成例につ
いて述べる。また、本実施例で用いられる結着樹脂のぬ
れ指数、酸価を表4、表5に記す。
【0071】合成例2〜3は表4に示す原料を用い合成
例1と同様の方法で合成した。
【0072】合成例1 スチレン 70.00重量部 n−ブチルアクリレート 15.00重量部 アクリル酸 15.00重量部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.50重量部 上記化合物を、加熱したトルエン200重量部中に4時
間かけて滴下した。更にトルエン還流下で重合を完了
し、減圧下で昇温(120℃)させながらトルエンを除
去した。
【0073】 上記樹脂 30.00重量部 スチレン 44.65重量部 n−ブチルアクリレート 20.00重量部 モノ−n−ブチルマレート 5.00重量部 ジビニルベンゼン 0.35重量部 ベンゾイルパーオキサイド 1.20重量部 ジ−tert−ブチルパーオキシ−2− 0.70重量部 エチルヘキサノート 上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
2重量部を溶解した水170重量部を加え、激しく撹拌
し懸濁分散液とした。水50重量部を加え窒素置換した
反応器に上記懸濁分散液を添加し、反応温度80℃で8
時間懸濁重合反応させた。反応終了後、水洗し、脱水、
乾燥して樹脂Aを得た。
【0074】
【表4】 合成例4 スチレン 78.90重量部 n−ブチルアクリレート 20.00重量部 モノ−n−ブチルマレート 1.00重量部 ジビニルベンゼン 0.10重量部 2,2−アゾビス− 0.20重量部 (2,4−ジメチルバレロニトリル) 上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶液重合法によ
り重合体Aを得た。
【0075】 スチレン 75.00重量部 n−ブチルアクリレート 14.00重量部 モノ−n−ブチルマレート 1.00重量部 ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.00重量部 上記化合物より、重合体Aと重合体Bを40:60の重
量比で溶液混合して結着樹脂4を得た。
【0076】合成例5〜7は表5に示す原料を用い合成
例4と同様の方法で合成した。
【0077】
【表5】 実施例1 結着樹脂A 100重量部 四三酸化鉄 90重量部 モノアゾ染料の金属錯体 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に設
定した2軸混練押出機にて溶融混練した。得られた混練
物を冷却し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット
気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉
砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成し
た。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した
多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)
で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均
径9.0μmのトナーAを得た。
【0078】さらに、 トナーA 100重量部 疎水性シリカ微粒子 0.8重量部 チタン酸ストロンチウム微粒子 3.0重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Aを得
た。
【0079】この現像剤を市販の電子写真複写機NP−
6550(キヤノン社製)を用いて、定着性及び耐オフ
セット性を評価した。定着性は、低温度環境(7.5
℃)にて評価機を一晩放置し、評価機及びその内部の定
着器が十分に低温環境になじんだ状態から連続200枚
の複写画像をとり、その複写画像の200枚目を定着性
の評価に用いた。定着性の評価は、画像をシルボン紙
で、往復10回、約100g荷重でこすり、画像のはが
れを反射濃度の低下率(%)で評価した。オフセット性
は、連続200枚の複写画像をとる間、画像汚染が発生
するかで調べた。
【0080】その結果、定着性も良好でオフセットも発
生しなかった。またクリーニングウェッブを停止させ、
間欠複写テストを行い定着ローラーのクリーニング性を
見た。1万枚時においても画像汚れが出ることもなく、
定着ローラーが傷つくこともなかった。また、500c
cポリカップに100gの現像剤を入れ50℃の環境に
1週間放置し、ブロッキング試験を行った。評価結果に
ついては、表6に記す。
【0081】実施例2 結着樹脂C 100重量部 四三酸化鉄 90重量部 モノアゾ染料の金属錯体 2重量部 ワックスB 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーBを
得た。
【0082】さらに、 トナーB 100重量部 疎水性シリカ微粒子 0.8重量部 チタン酸ストロンチウム 3.0重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Bを得
た。実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0083】比較例1 結着樹脂B 100重量部 四三酸化鉄 90重量部 ジアルキルサリチル酸の金属塩 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーCを
得た。
【0084】さらに、 トナーC 100重量部 疎水性シリカ微粒子 0.8重量部 チタン酸ストロンチウム 3.0重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Cを得
た。実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0085】実施例3 結着樹脂D 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 ニグロシン 3重量部 ワックスC 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーDを
得た。
【0086】さらに、 トナーD 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 ポリフッ化ビニリデン微粒子 0.2重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Dを得
た。
【0087】この現像剤を市販の電子写真複写機NP−
3825(キヤノン社製)を用いて、定着性、耐オフセ
ット性を評価した。定着性は、低温度環境(7.5℃)
にて評価機を一晩放置し、評価機及びその内部の定着器
が十分に低温環境になじんだ状態から複写画像をとり、
その複写画像1枚目を定着性の評価に用いた。定着性の
評価は、画像をシルボン紙で、往復10回、約100g
荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)
で評価した。オフセット性はB5の転写紙を連続200
枚の複写画像をとった後、A3の複写紙をとり、画像汚
染が発生するかで調べた。
【0088】その結果、定着性も良好でオフセットも発
生しなかった。またクリーニングウェッブを停止させ、
間欠複写テストを行い定着ローラーのクリーニング性を
見た。1万枚時においても画像汚れが出ることもなく、
定着ローラーが傷つくこともなかった。また、500c
cポリカップに100gの現像剤を入れ50℃の環境に
1週間放置し、ブロッキング試験を行った。評価結果に
ついては、表6に記す。
【0089】比較例2 結着樹脂D 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 ニグロシン 2重量部 ワックスE 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーEを
得た。
【0090】さらに、 トナーE 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 ポリフッ化ビニリデン微粒子 0.2重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Eを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0091】比較例3 結着樹脂E 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 ニグロシン 2重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーFを
得た。
【0092】さらに、 トナーF 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 ポリフッ化ビニリデン微粒子 0.2重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Fを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0093】実施例4 結着樹脂F 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 トリフェニルメタンレーキ顔料 2重量部 ワックスD 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーGを
得た。
【0094】さらに、 トナーG 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Gを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0095】比較例4 結着樹脂F 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 トリフェニルメタンレーキ顔料 2重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーHを
得た。
【0096】さらに、 トナーH 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Hを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0097】実施例5 結着樹脂G 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 4級アンモニウム塩 1重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーIを
得た。
【0098】さらに、 トナーI 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 0.6重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Iを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0099】実施例6 結着樹脂H 100重量部 四三酸化鉄 80重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を実施例1と同様の方法で製造し、トナーJを
得た。
【0100】さらに、 トナーJ 100重量部 正帯電性疎水性シリカ微粒子 1.0重量部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合し、現像剤Jを得
た。実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表6
に示す。
【0101】
【表6】
【0102】
【発明の効果】上述した特徴の本発明のトナーによれ
ば、定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性に優
れ、融着に強く、長期の耐久画出しにおいても鮮明な画
像を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワックスAの昇温時におけるDS
C曲線を示す図である。
【図2】本発明に係るワックスAの降温時におけるDS
C曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神保 正志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小沼 努 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 内山 正喜 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワッ
    クスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該炭
    化水素系ワックスが、示差走査熱量計により測定される
    DSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の
    発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が50
    〜90℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域に少
    なくともひとつの吸熱ピークP1 があり、該吸熱ピーク
    1 のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピ
    ークがあることを満足し、該結着樹脂のぬれ指数が3
    7dyn/cm(JISぬれ試験法)以上であることを
    満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 少なくとも結着樹脂及び炭化水素系ワッ
    クスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該炭
    化水素系ワックスが、示差走査熱量計により測定される
    DSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の
    発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が50
    〜90℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域に少
    なくともひとつの吸熱ピークP1 があり、該吸熱ピーク
    1 のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピ
    ークがあるを満足し、該結着樹脂の酸価が2mgKO
    H/g(JIS酸価)以上であるを満足することを特徴
    とする静電荷像現像用トナー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0713152A1 (en) * 1994-10-31 1996-05-22 Xerox Corporation Magnetic toner compositions
US7252914B2 (en) 2002-03-19 2007-08-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Toner for electrophotography and developer for electrophotography using the same, process cartridge, apparatus for forming image, and method for forming image
US7416826B2 (en) 2002-03-19 2008-08-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Color toner for electrophotography and color toner set for electrophotography using the same, color developer for electrophotography, method for forming color image, and apparatus for forming color image

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