JPH0667331A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0667331A
JPH0667331A JP21995592A JP21995592A JPH0667331A JP H0667331 A JPH0667331 A JP H0667331A JP 21995592 A JP21995592 A JP 21995592A JP 21995592 A JP21995592 A JP 21995592A JP H0667331 A JPH0667331 A JP H0667331A
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邦弘 中川
Kenichi Nishi
賢一 西
Seiichi Sumi
誠一 角
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Abstract

(57)【要約】 【目的】十分な最大濃度が得られ、安定な現像液で処理
可能で現像ムラや砂カブリなどが発生せず、明室で長時
間の取り扱いが可能な感光材料を提供する。 【構成】少なくとも90モル%が塩化銀で、5×10-7
〜2×10-4モル/モルAgの水溶性ロジウム塩を含有
し、下記化1の構造のヒドラジン化 合物と、Ham
mettのσp 値が+0.15〜+0.70である置換
基を有するベンゾトリアゾール化合物と5、6位の置換
基の炭素数の和が3以上の4−ヒドロキシあるいはメル
カプト−1,3,3a,7−テトラザインデン化合物を
含有するハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (化1中、Arは、アリール基を表し、Rは、−OR1
で表される基、または−N(R2)(R3)で表される基
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、より詳しくは主として印刷製版業界におい
て用いられる超硬調な明室用感光材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷分野においては、印刷物の複
雑さ、スキャナーの発達などにより、返し作業工程の能
率向上が要望されている。そのために従来から使用され
てきた返し用フィルムに比べて10-4〜10-5程度の低
感度の写真フィルムが開発され、明室(紫外線を除いた
白色蛍光灯下)で取り扱いが可能な返しフィルム、即ち
明室用感光材料として実用されている。このような明室
用感光材料に要求される性能は、明室で長時間の取り扱
いが可能であり、プリンター光源に対しては高い感度を
有しているだけでなく、従来の暗室用感光材料並のある
いは、それ以上の硬調で十分な最大濃度をもつことにあ
る。
【0003】硬調で十分な最大濃度をもたせるために当
業界では、ヒドラジン化合物を用いることが知られてい
る。ヒドラジン化合物をハロゲン化銀写真乳剤や現像液
に添加することは、米国特許第3,730,727号明
細書(アスコルビン酸とヒドラジンとを組合せた現像
液)、同3,227,552号明細書(直接ポジカラー
像を得るための補助現像薬として、ヒドラジンを使
用)、同3,386,831号明細書(ハロゲン化銀感
材の安定剤として脂肪族カルボン酸のβ−モノフェニル
ヒドラジドを含有)、同2,419,975号明細書
や、Mees著「The Theoryof Photographic process」第
3版(1966年)281頁等で知られている。
【0004】これらの中で、特に米国特許第2,41
9,975号では、ヒドラジン化合物の添加により硬調
なネガチブ画像を得ることが開示されている。即ち、塩
臭化銀乳剤にヒドラジン化合物を添加し、12.8とい
う様な高いpHの現像液で現像すると、ガンマ(γ)が
10をこえる極めて硬調な写真特性が得られることが、
記載されている。しかし、pHが13に近い強アルカリ
現像液は、空気酸化され易く、不安定で、長時間の保存
や使用に耐えない。
【0005】これに対して、米国特許第4,168,9
77号、同4,224,401号、同4,243,73
9号、同4,269,929号、同4,272,614
号、同4,323,643号明細書などでは、安定な現
像液を用いて極めて硬調なネガチブ写真特性を与えるハ
ロゲン化銀写真感光材料が開示されているが、それらに
用いられるアシルヒドラジン化合物は、現像処理中に窒
素ガスを発生することが知られており、このガスがフィ
ルム中で集まって気泡となり、写真画像を損なうことが
ある。
【0006】従って、この気泡の発生を減らすと同時に
感材製造のコストを低下させる目的で、添加量が少なく
ても硬調で十分な最大濃度が得られ、現像ムラや砂カブ
リの発生しにくいヒドラジン化合物を含むハロゲン化銀
写真感光材料が、特開昭62−178246、同昭62
−180361、同昭62−275247、同昭63−
253357等に開示されている。
【0007】一方、本発明者らは、ヒドラジン誘導体を
含有した感光材料では、明室用感光材料に安全光として
用いられる紫外光を除いた白色蛍光灯に対する安全性に
問題があり、通常の作業時間でカブリが生じたり、網点
面積率が著しく増加することを見いだした。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は第一
に、硬調で十分な最大濃度を有するハロゲン化銀写真感
光材料を提供することである。
【0009】本発明の目的は、第二に、安定な現像液で
処理可能で、現像ムラや砂カブリの発生が少ないハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することである。
【0010】本発明の目的は、第三に、明室で長時間の
取り扱いが可能な明室用写真感光材料を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の諸目的は、支持
体上に少なくとも90モル%が塩化銀で、かつハロゲン
化銀1モル当たり5×10-7〜2×10-4モルの水溶性
ロジウム塩を含有するハロゲン化銀粒子を有する少なく
とも1層の感光層を有し、かつ該感光層あるいはその他
の親水性コロイド層に下記の化4で表される化合物、下
記の化5で表される化合物、さらに下記の化6で表され
る化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料で達成された。
【0012】
【化4】
【0013】[化4中、Arは、アリール基を表わし、
Rは、−OR1で表される基、または−N(R2
(R3)で表される基を表す。R1は、水素原子、置換も
しくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアル
ケニル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、または置
換もしくは無置換のアリール基を表わす。R2,R3は、
それぞれ独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキ
ル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは
無置換のヘテロ環基、または、置換もしくは無置換のピ
リジニウム基を表わす。また、R2とR3は、互いに連結
して環を形成していてもよい。]
【0014】
【化5】
【0015】[化5中、Xは、Hammettのσp 値
が、+0.15〜+0.70である置換基を表す。]
【0016】
【化6】
【0017】[化6中、R4、R5、R6は、同じでも異
なっていてもよく、それぞれ水素原子、置換もしくは無
置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル
基、アルキルチオ基を表し、R4とR5は一緒に5員もし
くは6員環を形成してもよい。ただし、R4とR5の炭素
原子数の総和は3以上である。また、R7はヒドロキシ
基、またはメルカプト基を表す。]
【0018】化4中、Arで表されるアリール基は、具
体的には、置換基を有していてもよいフェニル基、また
はナフチル基であり、その置換基の例としては、アルキ
ル基、アリール基、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アルケニル
基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ア
ルキリデンアミノ基、ウレイド基、チオ尿素基、チオア
ミド基、ヘテロ環基、またはこれらの組合せ等が挙げら
れる。
【0019】更にまた、Arは、その中にカラー用カプ
ラー等の不動性写真用添加剤において実用されているバ
ラスト基が組み込まれているものでもよい。バラスト基
とは、8個以上の炭素原子を有する写真性に対して比較
的不活性な基であり、例えば、アルキル基、アルコキシ
基、フェニル基、フェノキシ基等の中から選ぶことがで
きる。
【0020】化4中、Rは、−OR1で表される基、ま
たは化7で表される基を表す。
【0021】
【化7】
【0022】R1は、水素原子、置換もしくは無置換の
アルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換
もしくは無置換のヘテロ環基、または置換もしくは無置
換のアリール基を表わす。
【0023】R2 、R3 は、それぞれ独立に水素原子、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、また
は、化8で表されるピリジニウム基を表わす。また、R
2とR3は、互いに連結して環を形成していてもよい。
【0024】
【化8】
【0025】R8は、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアラルキル基、または置換も
しくは無置換のアルケニル基を表わす。R9は水素原
子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアルコ
キシ基を表わす。X-は、アニオンを表わす。
【0026】化4で示される化合物の具体例を以下に示
す。但し本発明は以下の化合物に限定されるものではな
い。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
【化34】
【0053】
【化35】
【0054】
【化36】
【0055】
【化37】
【0056】
【化38】
【0057】
【化39】
【0058】
【化40】
【0059】
【化41】
【0060】
【化42】
【0061】
【化43】
【0062】
【化44】
【0063】
【化45】
【0064】
【化46】
【0065】
【化47】
【0066】
【化48】
【0067】
【化49】
【0068】
【化50】
【0069】
【化51】
【0070】
【化52】
【0071】
【化53】
【0072】
【化54】
【0073】
【化55】
【0074】
【化56】
【0075】
【化57】
【0076】
【化58】
【0077】
【化59】
【0078】
【化60】
【0079】
【化61】
【0080】
【化62】
【0081】
【化63】
【0082】
【化64】
【0083】
【化65】
【0084】
【化66】
【0085】
【化67】
【0086】
【化68】
【0087】
【化69】
【0088】
【化70】
【0089】
【化71】
【0090】
【化72】
【0091】
【化73】
【0092】
【化74】
【0093】
【化75】
【0094】
【化76】
【0095】
【化77】
【0096】
【化78】
【0097】
【化79】
【0098】
【化80】
【0099】
【化81】
【0100】
【化82】
【0101】
【化83】
【0102】
【化84】
【0103】
【化85】
【0104】
【化86】
【0105】
【化87】
【0106】
【化88】
【0107】
【化89】
【0108】
【化90】
【0109】
【化91】
【0110】
【化92】
【0111】
【化93】
【0112】
【化94】
【0113】
【化95】
【0114】
【化96】
【0115】
【化97】
【0116】
【化98】
【0117】
【化99】
【0118】本発明の感光材料に於て化4で示される化
合物は、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ましい
が、その他の親水性コロイド層に含有させてもよい。層
中での本発明の化4の化合物の含有量は、用いられるハ
ロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及び現像条件
によって異なるので、適当な含有量は、広い範囲にわた
って変化しうるが、ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り
約5×10-6〜8×10-2モルの範囲が実際上有用であ
り、より好ましくは、5×10-5〜1×10-2モルの範
囲がよい。
【0119】本発明において、化5で表されるベンゾト
リアゾール化合物は、Hammettのσp 値が、+
0.15〜+0.70である置換基を有するものであ
る。Hammettのσp 値は、置換基の電子供与性あ
るいは、電子吸引性の尺度として用いることのできる一
つのパラメーターで、"Advanced Organic Chemistry.3r
dEdition.Part 2"(1990年、Plenum.New
York)201頁等で知られている。
【0120】本発明の化5のXに該当する置換基として
は、塩素原子(σp =0.24)、臭素原子(σp =
0.26)、フッ素原子(σp =0.15)、アセチル
基(σp =0.47)、カルボキシル基(σp =0.4
4)、メトキシカルボニル基(σp =0.44)、シア
ノ基(σp =0.70)等が挙げられ、水素原子(σp
=0)、メチル基(σp =−0.14)、ニトロ基(σ
p =0.81)等の置換基を有するベンゾトリアゾール
化合物は、該当しない。
【0121】化5で示される化合物の具体例を以下に示
す。但し本発明は以下の化合物に限定されるものではな
い。
【0122】
【化100】
【0123】
【化101】
【0124】
【化102】
【0125】
【化103】
【0126】
【化104】
【0127】
【化105】
【0128】
【化106】
【0129】本発明の感光材料に於て化5で示される化
合物は、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ましい
が、その他の親水性コロイド層に含有させてもよい。層
中での本発明の化5の化合物の含有量は、用いられるハ
ロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及び現像条件
によって異なるので、適当な含有量は、広い範囲にわた
って変化しうるが、ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り
約5×10-6〜5×10-2モルの範囲が実際上有用であ
り、より好ましくは、1×10-4〜3×10-2モルの範
囲がよい。
【0130】本発明において化6で表されるテトラザイ
ンデン化合物は5、及び6位についた置換基の炭素数の
和が3以上の4−ヒドロキシあるいは4−メルカプト−
1,3,3a,7−テトラザインデンである。
【0131】化6で示される化合物の具体例を以下に示
す。但し本発明は以下の化合物に限定されるものではな
い。
【0132】
【化107】
【0133】
【化108】
【0134】
【化109】
【0135】
【化110】
【0136】
【化111】
【0137】
【化112】
【0138】
【化113】
【0139】
【化114】
【0140】
【化115】
【0141】本発明の感光材料に於て化6で示される化
合物は、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのが好ましい
が、その他の親水性コロイド層に含有させてもよい。層
中での本発明の化6の化合物の含有量は、用いられるハ
ロゲン化銀乳剤の特性、化合物の化学構造及び現像条件
によって異なるので、適当な含有量は、広い範囲にわた
って変化しうるが、ハロゲン化銀乳剤中の銀1モル当り
約6×10-6〜6×10-2モルの範囲が実際上有用であ
り、より好ましくは、2×10-4〜4×10-2モルの範
囲がよい。
【0142】ヒドラジン化合物を含有するハロゲン化銀
写真感光材料で、ベンゾトリアゾール化合物を含有する
ことは、特開昭53−66732、同昭61−6157
52で開示されているが、これらはいずれもベンゾトリ
アゾール化合物が有機抗カブリ剤として作用するもの
で、ほとんどのベンゾトリアゾール化合物で同様の効果
が得られている。
【0143】一方、ハロゲン化銀写真感光材料中にテト
ラザインデン化合物を添加することは、「写真の化学」
(写真工業出版社)などに記載されているように当業者
では知られている技術であり、さらにヒドラジン化合物
を含むハロゲン化銀写真乳剤中にヒドロキシテトラザイ
ンデン化合物を添加する技術は、特開昭53−8471
4、同昭64−65541に示されている。しかし、い
ずれも本発明とは異なるヒドラジン誘導体を用いた場合
の結果であり、さらに本発明とは異なる効果を示すもの
である。
【0144】すなわち、本発明の効果は、本発明におけ
る化4で表されるヒドラジン誘導体と化5で示される特
定のベンゾトリアゾール化合物と化6で示される特定の
ベンゾトリアゾール化合物の組合せによってはじめて発
現する(写真業界でごく一般的に用いられるベンゾトリ
アゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロ
ベンゾトリアゾールでは、本発明の効果は得られない。
テトラザインデン化合物でも、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1、3、3a、7−テトラザインデンでは、本発
明の効果は得られない。)ものであって、従来技術から
は予想されない全く新規の効果である。
【0145】本発明の感光材料の感光性ハロゲン化銀乳
剤層に用いるハロゲン化銀は、塩化銀あるいは、少なく
とも90モル%が塩化銀である塩臭化銀、塩臭沃化銀、
塩沃化銀などを用いることができる。好ましくは、塩化
銀あるいは、臭化銀5モル%以下の塩臭化銀あるいは、
沃化銀1モル%以下の塩沃化銀がよい。ハロゲン化銀粒
子の形態、晶癖、サイズ分布等には特に限定はないが、
平均粒子径0.1〜0.4ミクロンで、かつ、全粒子数
の90%以上が平均粒子径の±10%の範囲の粒子径を
有するものが好ましい。ハロゲン化銀乳剤の調製方法は
順混合、逆混合、同時混合など公知の方法いずれであっ
てもよい。
【0146】本発明の感光材料の感光性ハロゲン化銀乳
剤層に用いられる水溶性ロジウム塩は、従来知られてい
るものが用いられるが、代表的には、ロジウムモノクロ
ライド、ロジウムジクロライド、ロジウムトリクロライ
ド、ロジウムアンモニウムクロライド等が用いられる。
水溶性ロジウム塩は、一般にはハロゲン化銀の沈澱もし
くは物理熟成時に用いることが好ましいが、その後の任
意の時期であることもできる。水溶性ロジウム塩は、ハ
ロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜2×10-4モルの
範囲が有効で、好ましくはハロゲン化銀1モル当たり1
×10-6〜1×10-4モルの範囲がよい。
【0147】また、ロジウム塩とともに、イリジウム塩
の如き貴金属の塩、赤血塩などの鉄化合物をハロゲン化
銀粒子の物理熟成時または、核生成時に存在せしめるこ
ともできる。
【0148】物理熟成を終えた乳剤は、脱塩した後に、
必要な添加剤を加えて塗布されることが好ましいが、脱
塩処理は省略することもできる。
【0149】本発明の感光材料には、感光性乳剤層の他
にオーバーコート層や中間層、バックコート層、下塗層
その他の親水性コロイド層を設置することができる。そ
して、それらの層には、マット剤を含有せしめることも
できる。
【0150】本発明の感光材料の乳剤層やオーバーコー
ト層、中間層、バックコート層等に用いることのできる
結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるの
が有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いる事
ができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如きセルロ
ース誘導体;アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘
導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール等の単一あるいは共重合体の如き
多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼ
ラチンとしては、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチ
ンやBull.Soc.Sci.Phot.Japan,No. 16、P30(19
66)に記載された様な酵素処理ゼラチンを用いてもよ
く、又、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いるこ
とができる。
【0151】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。本発明の写真感光材
料には、写真乳剤層その他の親水性コロイド層に無機又
は有機の硬膜剤を含有してもよい。例えばクロム塩(ク
ロムミョウバンなど)、アルデヒド類、(ホルムアルデ
ヒド、グリオキサールなど)、N−メチロール化合物、
ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンな
ど)、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物(2,4
−ジクロル−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、
などを単独又は組み合せて用いることができる。
【0152】本発明に用いられる写真乳剤には、イラジ
エーション、ハレーション等による画質、抜文字性能そ
の他の印刷製版業界において要求される性能を高める目
的で、乳剤層や、オーバーコート層、バッキング層等の
その他の親水性コロイド層に、当業者で知られるフィル
ター染料を含有させることができる。
【0153】さらに、本発明を用いて作られる感光材料
の写真乳剤層又は他の親水性コロイド層には、塗布助
剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び
写真特性改良(例えば、現像促進、硬調化、増感)など
種々の目的で界面活性剤を含んでよい。例えばサポニン
(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(ポリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキル
エーテル類など)、グリシドール誘導体(アルケニルコ
ハク酸ポリグリセリドなど)、多価アルコールの脂肪酸
エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性
界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸エス
テル類、アルキリン酸エステル類などの様な、カルボキ
シル基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸
エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミ
ノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル
硫酸又はリン酸エステル類などの両性界面活性剤;脂肪
族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウ
ム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩
類などのカチオン界面活性剤を用いることができる。
【0154】本発明に用いる写真感光材料には、写真乳
剤層その他の親水性コロイド層に、寸度安定性の改良な
どの目的で、水不溶又は難溶性合成ポリマー分解物を含
むことができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
酢酸ビニル、アクリロニトリル、オレフィン、スチレン
などの単独もしくは組合せ、又はこれらとアクリル酸、
メタクリル酸、α、β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸
等の組合せを単量体成分とするポリマーを用いることが
できる。
【0155】本発明に用いる写真感光材料には、当業者
で知られているいかなる支持体をも、用いることができ
る。支持体としては、ガラス、酢酸セルロースフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、バライ
タ塗布紙、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリ
プロピレンなど)ラミネート紙、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、アルミ等の金属板等が
挙げられる。これらの支持体は、公知の方法でコロナ処
理されてもよく、また必要に応じて公知の方法で下引き
加工されてもよい。
【0156】本発明のハロゲン化銀感光材料を用いて超
硬調の写真特性を得るには、従来のリス現像液や米国特
許第2,419,975号明細書に記載されたpH13
に近い高アルカリ現像液を用いる必要はなく、安定な現
像液を用いることができる。即ち、本発明のハロゲン化
銀写真感光材料は、保恒剤としての亜硫酸イオンを充分
に(特に0.15モル/l以上)含んだ現像液を用いる
ことができ、また、pH9.5以上、特に10.5〜1
2.3の現像液によって充分に超硬調のネガ画像を得る
ことができる。現像主薬には特別な制限はなく、ジヒド
ロキシベンゼン類、3−ピラゾリドン類、アミノフェノ
ール類などを単独あるいは組み合わせて用いる事ができ
る。現像液にはその他、アルカリ金属の亜硫酸塩、炭酸
塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩の如きpH緩衝剤、臭化
物、沃化物、及び有機カブリ防止剤(特に好ましくは、
ニトロインダゾール類又はベンゾトリアゾール類)の如
き、現像抑制剤ないし、カブリ防止剤などを含むことが
できる。又、必要に応じて、硬水軟化剤、溶解助剤、色
調剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、フィ
ルムの銀汚れ防止剤(例えば2−メルカプトベンゾイミ
ダゾール酸類)などを含んでいてもよい。これら添加剤
の具体例は、リサーチディスクロージャー176号の1
7643などに記載されている。
【0157】本発明では、感光材料中に現像主薬を内蔵
させて、アルカリ性のアクチベータ溶液で処理する方式
を採用しても良い。(特開昭57−129436号、同
57−129433号、同57−129434号、同5
7−129435号、米国特許4,323,643号な
どを参照)。 処理温度は通常18℃から50℃の間で
選ばれるが、18℃より低い温度又は50℃をこえる温
度としてもよい。写真処理には自動現像機を用いるのが
好ましい。本発明では感光材料を自動現像機に入れてか
ら出てくるまでのトータルの処理時間を60秒〜120
秒に設定しても充分に超硬調のネガ階調の写真特性が得
られる。
【0158】
【実施例】
実施例1 平均粒径0.13ミクロンの立方体結晶からなる、ロジ
ウムジクロライドを6.4×10-6モル/モルAgを含
有するゼラチン塩化銀乳剤をダブルジェット法により調
製し、フロキュレーション法により脱塩、水洗、再溶解
した乳剤を分割し、表1、表2に示す化4の本発明のヒ
ドラジン化合物を2×10-3モル/モルAg、化5で表
される本発明のベンゾトリアゾール化合物、及びその比
較化合物(化116、化117)を4×10-3モル/モ
ルAg、化6で表される本発明のテトラザインデン化合
物、及びその比較化合物(化118)を6×10-3モル
/モルAg、更に1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾールを4×10-3モル/モルAg、2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウム
塩、化119の界面活性剤を加えた後、裏塗り(ヘキス
ト社のオキソノールイエローを200mg/m2、硬膜
剤、界面活性剤、マット剤を含むゼラチン溶液)済みの
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硝酸銀で5g
/m2、ゼラチンが3g/m2になるように塗布した。こ
の上に保護層として、ゼラチン1g/m2、界面活性
剤、硬膜剤、マット剤を加え塗布し、表1と表2に示す
試料を作成した。
【0159】
【化116】
【0160】
【化117】
【0161】
【化118】
【0162】
【化119】
【0163】これらのフィルムを、センシトメトリー用
ウエッジを通して明室用プリンター(大日本スクリーン
製造株式会社製、P−627FM)で露光した後、下記
の組成の現像液で38゜C20秒現像し、定着、水洗、
乾燥した。この処理には、自動現像機(大日本スクリー
ン製造株式会社製、LD−221QT)を用いた。これ
よりガンマを測定した。ガンマは、光学濃度が1.0〜
2.5の直線部のtanθで測定した。
【0164】また、セーフライト光に対する安全性を試
験するため、次に示す2種類の試験を行った。まず、5
0%の網点原稿が50%になるように露光、現像しこれ
を標準サンプルとした。一方、300Luxの紫外光を
除去した明室光、すなわち東芝FL40SWNUの蛍光
灯下で20分放置した後、標準サンプルと同一の露光量
で露光、現像し、網点%の変化量(セーフライトを照射
した場合x%になったとすると、ΔDot=x−50)
を測定した。また、同じセーフライトに膜面から60分
間さらした後、現像してDminの変化をセーフライト
カブリとして測定した。
【0165】 <現像液> ハイドロキノン 50.0g N−メチル−p−アミノフェノール1/2H2SO4 0.3g 水酸化ナトリウム 18.0g 5−スルホサリチル酸 55.0g 亜硫酸カリウム 110.0g EDTA・2Na 1.0g 臭化カリウム 10.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.4g 2−メルカプトベンゾイミダゾール−5−スルホン酸 0.2g 3−(5−メルカプトテトラゾール)ベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.2g トルエンスルホン酸ナトリウム 8.0g 水を加えて 1 l 水酸化カリウムでpH11.8に合わせる。
【0166】結果を表1、表2に示す。
【0167】
【表1】
【0168】
【表2】
【0169】表1、表2の結果より、本発明に示された
化4、化5、化6の化合物の組合せによって、良好な画
像が得られ、硬調な写真特性を維持しつつ、セーフライ
トに対する良好な安全性を持った明室用写真感光材料が
得られることが分かる。一方、化4、化5の両方を含ま
ない場合はもとより、化4あるいは化5のいずれか一方
を含まない場合でも、セーフライト安全性は悪い。さら
に、化5のベンゾトリアゾールの代わりに、これに含ま
れないベンゾトリアゾール化合物を添加した場合、ある
いは化6のテトラザインデンの代わりに、これに含まれ
ないテトラザインデン化合物を添加した場合、いずれの
場合でもセーフライ安全性が悪い。これらのことから、
本発明の組合せが従来の技術からは予想できない独特の
ものであることがわかる。
【0170】
【発明の効果】本発明により、硬調で十分な最大濃度を
有し、安定な現像液で処理可能で、現像ムラや砂カブリ
などが発生しない、なおかつ長時間明室で取り扱い可能
なネガ型ハロゲン化銀写真感光材料が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも90モル%が塩化
    銀で、かつハロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜2×
    10-4モルの水溶性ロジウム塩を含有するハロゲン化銀
    粒子を有する少なくとも1層の感光層を有し、かつ該感
    光層あるいはその他の親水性コロイド層に下記の化1で
    表される化合物、下記の化2で表される化合物、さらに
    下記の化3で表される化合物を含有することを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 [化1中、Arは、アリール基を表わし、Rは、−OR
    1で表される基、または−N(R2)(R3)で表される
    基を表す。R1は、水素原子、置換もしくは無置換のア
    ルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換も
    しくは無置換のヘテロ環基、または置換もしくは無置換
    のアリール基を表わす。R2、R3は、それぞれ独立に水
    素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしく
    は無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環
    基、または、置換もしくは無置換のピリジニウム基を表
    わす。また、R2とR3は、互いに連結して環を形成して
    いてもよい。] 【化2】 [化2中、Xは、Hammettのσp 値が、+0.1
    5〜+0.70である置換基を表す。] 【化3】 [化3中、R4、R5、R6は、同じでも異なっていても
    よく、それぞれ水素原子、置換もしくは無置換のアルキ
    ル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、アルキルチ
    オ基を表し、R4とR5は一緒に5員もしくは6員環を形
    成してもよい。ただし、R4とR5の炭素原子数の総和は
    3以上である。また、R7はヒドロキシ基、またはメル
    カプト基を表す。]
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