JPH066726U - 樹脂フレーム用ナット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂フレームの成形型の所定位置に、各種構
成部品を締付け結合する樹脂フレーム用ナットをセット
し、樹脂フレームを一体成形してなる樹脂フレーム用ナ
ットを提供することを目的とするものである。 【構成】 自動車用シートフレームとして成形される樹
脂フレームに各種部品を締着する樹脂フレーム用ナット
であって、上記ナット２は、一端側が閉塞されると共に
一端側にナット径より大径なフランジ部２ａを一体的に
形成し、このフランジ部２ａを非円形に形成してなり、
上記フランジ部２ａを樹脂フレーム１の成形時にフレー
ム１内に埋設するようにして上記ナット２を樹脂フレー
ム１に固着するようにしたことを特徴とするものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、樹脂フレーム用ナットに関し、さらに詳しくは、自動車用シートフレ ームとして成形された樹脂フレームに各種部品を締着する樹脂フレーム用ナット に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車用シートフレームには、シートバック取付け用ブラケット、ス ライドレール、リクライニング用ブラケット等の各種部品が取付けられており、 これらの部品をボルト・ナットにより締付け結合する場合に、予めシートフレー ムの所定位置にナットが溶接等により固着されている。

【０００３】 ところで、近年は車両の軽量化と原価低減の目的からシートフレームに樹脂成 形されたフレームが採用されている。そして、上記樹脂フレームに各種部品を締 付け結合する場合は、例えば図５、図６、図７に示すような３通りの手段によっ て、樹脂フレームにボルト締付け用ナットが固定されている。

【０００４】 すなわち、図５において、樹脂フレーム１１にスライドレール１２等の部品を 結合する場合は、予め鉄板により成形されたブラケット１３にウエルドナット１ ４を固着しておき、このブラケット１３とスライドレール１２との間に樹脂フレ ーム１１を挟み込み、スライドレール１２側より締付けボルト１５を介して結合 している。また、図６においては、樹脂フレーム１１とナット１６とをインジェ クション成形により一体的に形成している。さらに、図７においては、樹脂フレ ーム１１のナット取付け穴にナット１７を圧入によって固着している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来構造のナット固定手段において、図５の場合に は、ブラケットの外形とフレーム側の逃げ分を合致させて回り止めされが、締付 け初期の公差分の動き代があると共に、別部品を準備したり、ウエルドナットを 固着したりしなければならず、部品点数が多くなりコストが高くなる等の問題が あった。また、図６の場合には、一体成形されるのでナットの形状によりボルト の締付けトルクが所定の範囲では回り止めされるが、スタンパブル成形用として は不可能であると共に、しかも樹脂フレームのインジェクション成形型へナット をセットする際の位置決めが面倒であり、セット工数が増大してコスト高になる 等の問題があった。さらに、図７の場合には、一般にスタンパブル成形により行 われており、ナット外径のフランジ部形状及び圧入代によりボルトの締付けトル クが所定の範囲では回り止めされ、フレーム側の逃げ分が合致しているが、ナッ ト及びフレームの穴加工精度が厳密であるから、加工工数が増大して費用が高く つく等の問題があった。

【０００６】 本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、樹脂フレーム の成形型の所定位置に、各種構成部品を締付け結合する樹脂フレーム用ナットを セットし、樹脂フレームを一体成形してなる樹脂フレーム用ナットを提供するこ とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、自動車用シートフレームとして成形され る樹脂フレームに各種部品を締着する樹脂フレーム用ナットであって、上記ナッ トは、一端側が閉塞されると共に一端側にナット径より大径なフランジ部を一体 的に形成し、このフランジ部を非円形に形成してなり、上記フランジ部を樹脂フ レームの成形時にフレーム内に埋設するようにして上記ナットを樹脂フレームに 固着したことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記構成とすることにより、本考案では、樹脂フレーム成形時ナット内に樹脂 の流入がなく、かつナットフランジ部がボルトの押し込み力及びナット引き抜き 力に抵抗する構造となっている。 また、非円形フランジ部はボルト締付力に対してナットの共回りを防止する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 図１は本考案の実施例を示す樹脂フレーム用ナットの斜視図、図２は樹脂フレ ーム用ナットの断面図、図３は本考案による樹脂フレーム用ナットを樹脂フレー ムに固着した状態を示す断面図、図４は本考案による樹脂フレームの成形型を示 す断面図であり、図において、１は自動車用シートフレーム等の樹脂フレーム、 ２は樹脂フレーム１に各種構成部品を締着する樹脂製ナット、３は樹脂フレーム を成形する上型、４は同じく下型をそれぞれ示している。

【００１１】 上記ナット２は、一端側にナット径より大径なフランジ部２ａが一体的に形成 されており、このフランジ部２ａは、外周の一部が平坦に切断されて回り止め部 ２ｂが形成されている。また、上記ナット２のネジ穴２ｃは袋ナット状に形成さ れ、スタンパブル成形により樹脂フレーム１に一体成形されても、ネジ穴２ｃに 樹脂が流入しないようになっている。そしてこのナット２はフランジ部２ａがフ レーム１内に埋設されてフレーム１に固着されており、フランジ部２ａがボルト の締付力及びナットの引き抜き力に抵抗する構造になっている。

【００１２】 一方、上記樹脂フレーム１を成形する下型４の所定位置には、予めナット２を セットするための固定ピン４ａが上型３の型抜き方向に設けられていると共に、 樹脂フレーム１の成形後の型抜き用のスライドピン４ｂが側面の所定位置に設け られている。また、上記樹脂フレーム１の成形時に、ナット２のフランジ部２ａ が埋設する部位が肉厚１ａ（図３参照）に形成されるようになっている。こに肉 厚１ｃはボルト締付け時のフレーム１の破損を防止する。

【００１３】 したがって、上記のように成形されたナット２を樹脂フレーム１に一体的に成 形する場合は、まず、ナット２を樹脂フレーム１の下型４の所定位置にセットす る。そして、樹脂成形した後に型抜きされると、樹脂フレーム１の所定位置にナ ット２が一体に固着することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば、自動車用シートフレームとして 成形される樹脂フレームに各種部品を締着する樹脂フレーム用ナットであって、 上記ナットは、一端側が閉塞されると共に一端側にナット径より大径なフランジ 部を一体的に形成し、このフランジ部を非円形に形成してなり、上記ナットを樹 脂フレームの下型の所定位置にセットして、樹脂成形した後に型抜きすることに より、樹脂フレームの所定位置にフランジ部を埋設させてナットを一体に固着す ることができるので、加工費及び設備費の大幅な削減が可能であり、信頼性の高 い品質を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す樹脂フレーム用ナットの
斜視図である。

【図２】樹脂フレーム用ナットの断面図である。

【図３】本考案によるナットを樹脂フレームに固着した
状態を示す断面図である。

【図４】本考案による樹脂フレームの成形型を示す断面
図である。

【図５】従来構造の樹脂フレームに構成部品を締着する
場合を示す断面図である。

【図６】従来の樹脂フレームとナットの係止方式を示す
断面図である。

【図７】従来の樹脂フレームにナットを圧入する場合を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ 樹脂フレーム ２ ナット ２ａ フランジ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車用シートフレームとして成形され
   る樹脂フレームに各種部品を締着する樹脂フレーム用ナ
   ットであって、上記ナットは、一端側が閉塞されると共
   に一端側にナット径より大径なフランジ部を一体的に形
   成し、このフランジ部を非円形に形成してなり、上記フ
   ランジ部を樹脂フレームの成形時にフレーム内に埋設す
   るようにして上記ナットを樹脂フレームに固着したこと
   を特徴とする樹脂フレーム用ナット。