JPH0667154U - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】運転中の運転者の視線の移動を最小限に抑える
ことができ、湾曲したウインドシールドガラスに歪みの
ない表示像を映し出すことにより運転者に不快感を与え
ない。 【構成】インストルメントパネル１１内に設けられた表
示源１８が発する表示光１７をウインドシールドガラス
１３と相似形の曲面反射鏡２１で反射させる。この反射
鏡２１で反射した表示光１７をガラス１３に投射するこ
とにより、このガラス１３に表示像が映し出される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両のウインドシールドガラスに車速やエンジン回転速度等の表示像 を映し出すヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の装置として、車両の走行に係る情報を第１の表示手段が可視表 示し、この第１の表示手段の表示面をハーフミラーが覆い、このハーフミラーに 第２の表示手段が所定の角度でヘッドアップディスプレイ用表示光を投射するこ とにより表示光をハーフミラーで反射させ、更にハーフミラーで反射した表示光 をウインドシールドガラスに投射するように構成された車両用表示装置が開示さ れている（特開平４−１６８４１３）。 この装置では、第２の表示手段が発した表示光をハーフミラー及びウインドシ ールドガラスで反射させて運転者の目に入るので、運転者の前方視界内に車速等 が表示されるため、運転者の視線の移動が少なくて済み、これらの情報の確認に 要する時間を短縮できる。また第２の表示手段が発した表示光の光路の長距離化 や、第２の表示手段の表示素子の大型化を図ることができるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記車両用表示装置では、ウインドシールドガラスが湾曲しているた め、ウインドシールドガラスに映し出される表示像が歪んでしまい、この表示像 を見る運転者に不快感を与える不具合があった。

【０００４】 本考案の目的は、運転中の運転者の視線の移動を最小限に抑えることができ、 湾曲したウインドシールドガラスに歪みのない表示像を映し出すことにより運転 者に不快感を与えることのない車両用ヘッドアップディスプレイ装置を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の構成を、実施例に対応する図１及び図２を 用いて説明する。 本考案は、インストルメントパネル１１内に設けられ表示光１７を発する表示 源１８と、表示光１７が投射されて表示像が映し出される湾曲したウインドシー ルドガラス１３とを備えた車両用ヘッドアップディスプレイ装置の改良である。 その特徴ある構成は、表示源１８が発した表示光１７をガラス１３と相似形の 曲面反射鏡２１で反射させて又は非球面状の補正レンズ６１を透過させてガラス １３に映し出すように構成されたところにある。

【０００６】

【作用】

表示源１８が発した歪みのない表示光１７は曲面反射鏡２１で反射することに より、又は補正レンズ６１を透過することにより歪んだ表示光１７となる。しか しこの歪んだ表示光１７が湾曲したウインドシールドガラス１３で反射すると、 ガラス１３は表示光１７の歪みを矯正するので、ガラス１３に映し出されて運転 者２６の目２６ａに入る表示像には歪みがない。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。 図１に示すように、自動車の車室前部にはインストルメントパネル１１が設け られ、このパネル１１内にはリインフォースメント１２が車幅方向に延びて設け られる。また車室の前面にはウインドシールドガラス１３が設けられ、このガラ ス１３は車室側の面が凹状になるように湾曲して形成される。

【０００８】 リインフォースメント１２の上面にはブラケット１４を介してベース板１６が 固着される。このベース板１６の前部には後方に向って車速やエンジン回転速度 等の数値又は文字を表示する表示光１７を発する表示源１８が取付けられ、ベー ス板１６の後部には反射鏡保持具１９が取付けられる。反射鏡保持具１９の表示 源１８に対向する位置には曲面反射鏡２１が固着される。この反射鏡２１は湾曲 したガラス１３と相似形に形成され、ガラス１３の車室側の面に対向する凸状面 が反射面となるように形成される。

【０００９】 表示源１８、反射鏡保持具１９及び曲面反射鏡２１はインストルメントパネル １１内に収容され、このパネル１１の上面には反射鏡２１で反射した表示光１７ をガラス１３下部に映し出すための光路を確保する開口部１１ａが形成される。 また表示像が映し出されるガラス１３の車室側の面には図示しないコーティング が施され、凹状の鏡面に形成される。またリインフォースメント１２の下面には ステアリングサポート２２が固着され、このサポート２２によりステアリングシ ャフト２３を回動可能に支持するステアリングコラム２４が保持される。

【００１０】 このように構成された車両用ヘッドアップディスプレイ装置の動作を説明する 。 表示源１８が発した歪みのない表示光１７は曲面反射鏡２１で反射すると、歪 んだ表示光１７となる。この表示光１７はインストルメントパネル１１の開口部 １１ａを通ってウインドシールドガラス１３下部の車室側の面に投射され、この ガラス１３で反射して運転者２６の目２６ａに入る。運転者２６はガラス１３に 映し出された表示像をガラス１３の前方にある虚像２７として見ることになる。 湾曲したガラス１３が反射鏡２１で歪められた表示光１７の歪みを矯正し、歪み のない表示光１７が運転者２６の目２６ａに入るので、運転者２６に不快感を与 えることはない。 また運転中の運転者２６の前方視界内に車速やエンジン回転速度等の表示像が 表示されるため、運転者２６の視線の移動が少なくて済む。

【００１１】 なお、上記実施例では表示源１８が発した表示光１７を曲面反射鏡２１で反射 させてウインドシールドガラス１３に映し出すように構成したが、これは一例で あって図２に示すように表示源１８が発した表示光１７を非球面状の補正レンズ ６１を透過させてウインドシールドガラス１３に映し出すように構成してもよい 。この場合、表示源１８はブラケット５４及びベース板５６を介してウインドシ ールドガラス１３に対向して固定され、ベース板５６には表示源１８とガラス１ ３との間に位置するようにレンズ保持具５９を介して補正レンズ６１が固定され る。この補正レンズ６１の形状は光路長の概念や数値積分を用いる方法により決 定される。この補正レンズ６１を用いたヘッドアップディスプレイ装置では、表 示源１８が発した歪みのない表示光１７がレンズ６１を透過することにより歪ん だ表示光１７となるが、この表示光１７は湾曲したガラス１３で反射することに よりレンズ６１で歪められた表示光を矯正する方向に歪められ、歪みのない表示 光１７となる。また上記実施例と同一符号は同一部品を示す。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、インストルメントパネル内の表示源が発 した表示光をウインドシールドガラスと相似形の曲面反射鏡で反射させて又は非 球面状の補正レンズを透過させてガラスに映し出すように構成したので、湾曲し たウインドシールドガラスに歪みのない表示像を映し出すことができる。この結 果、運転者に不快感を与えることがない。 また従来の車両用表示装置と同様に、運転中の運転者の前方視界内に車速やエ ンジン回転速度等の表示像が表示されるため、運転者の視線の移動が少なくて済 む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の車両用ヘッドアップディスプ
レイ装置を示す車両の要部断面図。

【図２】本考案の別の実施例を示す図１に対応する断面
図。

【符号の説明】

１１ インストルメントパネル １３ ウインドシールドガラス １７ 表示光 １８ 表示源 ２１ 曲面反射鏡 ６１ 補正レンズ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネル(11)内に設けら
   れ表示光(17)を発する表示源(18)と、前記表示光(17)が
   投射されて表示像が映し出される湾曲したウインドシー
   ルドガラス(13)とを備えた車両用ヘッドアップディスプ
   レイ装置において、 前記表示源(18)が発した表示光(17)を前記ガラス(13)と
   相似形の曲面反射鏡(21)で反射させて又は非球面状の補
   正レンズ(61)を透過させて前記ガラス(13)に映し出すよ
   うに構成されたことを特徴とする車両用ヘッドアップデ
   ィスプレイ装置。