JP2016142802A - 空中像表示装置 - Google Patents

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Hirohisa Kitano
博久 北野
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Abstract

【課題】観察者の視界内に、光路を折り曲げる光学部材の少なくとも一部が位置していても、観察者が視界内でその光学部材と重なる背景を視認でき、しかも、前方から視線をほとんどそらすことなく空中像も観察できる空中像表示装置を提供する。
【解決手段】空中像表示装置1は、光学プレート3と、光学部材(例えばハーフミラー4)とを備える。光学プレート3は、物体(例えば表示素子2)からの光を、観察者の前方の視界V内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に集めることにより、物体が表す像の実像Rを空中に結像させる。上記光学部材は、少なくとも一部が視界V内に配置され、光学プレート3から実像Rの結像位置に向かう光の光路を折り曲げるために設けられている。上記光学部材は、入射光の一部を透過させる一方、残りを反射させる光学特性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体が表す像の実像を空中に結像させる空中像表示装置に関するものである。
被観察物の実像を空中に結像させて、その実像を観察者に観察させる表示装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この表示装置では、図15に示すように、被観察物101から発せられた光線は、2面コーナーリフレクタアレイからなる光学プレート102に入射し、そこで2回の反射を伴って該光学プレート102を通過する。光学プレート102を通過した光線は、観察者の視線前方に位置する反射鏡(平面鏡)103によって観察者側に反射される。このとき、反射鏡103は、光学プレート102によって形成される被観察物101の実像104(空中像)のほぼ中央付近に配置されている。これにより、観察者は、被観察物101の実像104と、反射鏡103による虚像104’aとを同時に観察することが可能となり、これによって反射鏡103の鏡面に突き刺さったような、インパクトのある像を観察することが可能となる。
特許第5408532号公報(請求項1、段落〔0026〕、〔0044〕〜〔0047〕、図10等参照)
ところが、特許文献1の反射鏡103は、光学プレート102からの入射光を全て反射させるものであり、光透過性を有していない。このような反射鏡103の少なくとも一部が観察者の視界内に位置すると、観察者は、視界内において反射鏡103と重なる背景(反射鏡103に対して観察者とは反対側の背景)を視認することができない。これでは、例えば車のナビゲーション装置の表示画面を空中像として観察者の視界内またはその近傍に表示させる形態を考えた場合に、観察者は、前方の空中像については視線をほとんどそらすことなく観察できるものの、反射鏡103と重なる背景を視認できないため、安全運転に支障を来たすおそれがある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、観察者の視界内に、光路を折り曲げる光学部材の少なくとも一部が位置していても、観察者が視界内でその光学部材と重なる背景を視認でき、しかも、前方から視線をほとんどそらすことなく空中像も観察できる空中像表示装置を提供することにある。
本発明の一側面に係る空中像表示装置は、物体からの光を、観察者の前方の視界内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に集めることにより、前記物体が表す像の実像を前記空中に結像させる光学プレートと、少なくとも一部が前記視界内に配置され、前記光学プレートから前記実像の結像位置に向かう光の光路を折り曲げるための光学部材とを備え、前記光学部材は、入射光の一部を透過させる一方、残りを反射させる光学特性を有する。
前記光学部材は、フィルム状に構成されて、観察者の前方に位置する透明基材に貼り付けられていてもよい。
前記透明基材は、少なくとも一部に曲率を持つ、輸送機器のフロントガラスであってもよい。
上記の空中像表示装置は、前記物体として、映像を表示する表示素子を備えており、前記光学プレートは、前記表示素子からの映像光を前記空中に集めることにより、前記表示素子に表示された映像の実像を前記空中に結像させてもよい。
前記表示素子は、前記フロントガラスに貼り付けられた前記光学部材の歪みによって生じる前記実像の歪みを、表示映像のデータを補正することによって補正してもよい。
上記の空中像表示装置は、前記フロントガラスに貼り付けられた前記光学部材の歪みによって生じる前記実像の歪みを光学的に補正するための補正用光学系をさらに備えていてもよい。
前記補正用光学系は、前記光学プレートに対して前記物体側の光路中に設けられていてもよい。
前記補正用光学系は、自由曲面ミラー、自由曲面レンズ、フレネルレンズの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記光学部材は、ハーフミラーであってもよい。
観察者の視界内に、光路を折り曲げる光学部材の少なくとも一部が位置していても、その光学部材が入射光の一部を透過させ、残りを反射させる光学特性を有しているため、観察者は、光学部材を介して観察者とは反対側の背景を視認できる。また、光学プレートにより、観察者の前方の視界内および/またはその近傍の空中に、物体が表す像の実像(空中像)が形成されるため、観察者は、前方から視線をほとんどそらすことなく、空中像を観察することもできる。
本発明の実施の一形態に係る空中像表示装置の全体の構成を模式的に示す説明図である。 上記空中像表示装置が備える光学部材としてのハーフミラーの概略の構成を示す断面図である。 ナビゲーション装置をダッシュボードに埋め込んだ車両において、ナビゲーション装置の表示画面を見る運転者の上下方向の視線移動範囲を模式的に示す説明図である。 表示素子から出射される映像光の光路中に光学プレートのみを配置して、空中に実像を結像させる構成を模式的に示す説明図である。 上記空中像表示装置が備える光学プレートの斜視図である。 上記光学プレートを構成する板状部材の斜視図である。 上記光学プレートを構成する他の板状部材の斜視図である。 2次元での実像の結像原理を示す説明図である。 3次元空間での光線の反射を模式的に示す説明図である。 3次元空間において、複数の光線が別々のミラーを介して1点に集光する様子を模式的に示す説明図である。 本発明の他の実施の形態に係る空中像表示装置の概略の構成を模式的に示す説明図である。 上記空中像表示装置の他の構成を模式的に示す説明図である。 補正前の映像データに対応する実像と、補正後の映像データに対応する実像とを模式的に示す説明図である。 上記空中像表示装置のさらに他の構成を模式的に示す説明図である。 従来の空中像表示装置の概略の構成を示す説明図である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をa〜bと表記した場合、その数値範囲に下限aおよび上限bの値は含まれるものとする。また、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
(空中像表示装置の全体構成)
図1は、本実施形態の空中像表示装置1の全体の構成を模式的に示す説明図である。空中像表示装置1は、車両、鉄道、船舶、航空機などの輸送機器に適用可能であるが、ここでは、例として車両に適用した場合について考える。この空中像表示装置1は、表示素子2と、光学プレート3と、ハーフミラー4とを備えている。
表示素子2は、例えば液晶表示装置(LCD)や有機EL表示装置で構成され、各種の映像を表示する。本実施形態では、表示素子2は、車両に搭載されるナビゲーション装置(走行時に現在位置や目的地への経路案内を行う機能を持つ装置)の表示部で構成されている。
光学プレート3は、表示素子2からの映像光を、車両のフロントガラス10よりも観察者側(運転席側)の空中であって、観察者の前方の視界V内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に集めることにより、表示素子2に表示された映像の実像Rを上記空中に結像させる。光学プレート3の詳細については後述するが、その結像原理により、実像Rの結像位置は、ハーフミラー4による光路の折り曲げを考慮しなければ(光路を展開したときに)、光学プレート3に対して表示素子2と対称となる位置である。
なお、観察者の視界Vは、厳密には観察者ごとに異なるが、ここでは、観察者が車両の運転時に前方から視線をほとんどそらすことなく観察できる範囲を指すものとする。例えば、上下方向の視界については、水平方向を基準(0°)としたときに俯角0〜5°の範囲を少なくとも含むものとする。なお、観察者が観察できる上下方向の視界は、俯角0〜10°の範囲を含んでいてもよく、俯角0〜20°の範囲を含んでいてもよい。以下、観察者の前方の視界Vについては、上下方向の視界であって、特に上記いずれかの俯角の範囲を考えるものとする。
また、観察者の前方の視界Vの近傍とは、観察者の前方の視界Vから視線が外れても、運転に支障をきたさない範囲を指し、例えば水平方向(0°)を基準としたときに、観察者の視界Vの外側で俯角10°以下の範囲を含んでいてもよいし、視界Vの外側で俯角15°以下の範囲を含んでいてもよいし、視界Vの外側で俯角25°以下の範囲を含んでいてもよい。
ハーフミラー4は、入射光の一部を透過させる一方、残りを反射させる光学特性を持つ光学部材であり、フロントガラス10と観察者との間で、その少なくとも一部が観察者の視界V内に位置している。なお、入射光とは、表示素子2から光学プレート3を介して入射する光(映像光)も含まれるし、ハーフミラー4に対して観察者とは反対側(背景側)から入射する光も含まれる。
このようなハーフミラー4は、図2に示すように、板状の透明基板4aと、金属膜4bとで構成されている。透明基板4aは、樹脂(例えばアクリル樹脂)またはガラスで構成されている。金属膜4bは、例えばアルミニウムなどの金属の膜で構成されており、透明基板4a上に例えば蒸着によって形成される。金属膜4bの膜厚は、透過率と反射率とがほぼ1:1となるように適切に制御される。なお、金属膜4bは、多層膜であってもよい。
上記の構成において、表示素子2から出射される映像光に含まれる複数の光線は、光学プレート3に入射し、それぞれ後述する2回の反射を伴って光学プレート3を通過する。光学プレート3を通過した光線は、ハーフミラー4に入射し、その一部はハーフミラー4を透過するが、残りはハーフミラー4によって観察者の方向に反射され、集光する。これにより、フロントガラス10よりも観察者側の空中であって、観察者の視界V内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に、表示素子2に表示された映像の実像Rが結像される。一方、ハーフミラー4に対して観察者とは反対側の背景からの光の一部は、ハーフミラー4を透過して観察者の方向に向かう(残りの光はハーフミラー4にて反射され、観察者に向かう光路から外れる)。
このように、表示素子2からの映像光の光路を折り曲げる光学部材の少なくとも一部が、観察者の視界V内に配置されていても、その光学部材が、入射光の一部を透過させ、残りを反射させるハーフミラー4で構成されていることにより、観察者は、ハーフミラー4を介して観察者とは反対側の背景を視認することが可能となる。しかも、実像Rは、観察者の視界V内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に結像されるので、観察者は、前方から視線をほとんどそらすことなく実像Rを観察することもできる。したがって、本実施形態の空中像表示装置1は、車両運転時における観察者(運転者)の前方不注意による事故を防止する一助となり得るものであり、観察者の安全運転に寄与できるものとなる。
以下、上記した効果について補足する。図3は、ナビゲーション装置をダッシュボードに埋め込んだ車両において、ナビゲーション装置の表示画面(表示素子2)を見る運転者の上下方向の視線移動範囲を模式的に示している。運転者は、表示画面を見る際には、運転時の視線方向(前方)より瞬間的に目を下方に大きくそらす必要があり、事故等の安全上の問題が生じる。
この問題を解決するために、図4に示すように、表示素子2から出射される映像光の光路中に光学プレート3のみを配置して、表示素子2に表示された映像の実像Rを空中に結像し、この実像Rを運転者に観察させる構成も考えられる。しかし、実像Rは、光学プレート3と運転者との間の空中に結像されるため、運転者は、実像Rを観察する際に、光学プレート3の方向を見る必要がある。光学プレート3は、視界Vとの干渉を避けるため、視界Vよりも下方に配置される。したがって、実像Rの観察時には、視線を前方から光学プレート3の方向、つまり、視界Vからある程度離れた方向にずらす必要が生じる。
なお、図4で示した表示素子2および光学プレート3を、図4の紙面に垂直な方向(運転手が前方を見たときの左右方向)を軸として一体的に回転させた位置に配置することにより、実像Rを視界Vに近づけることができるようにも思われる。しかし、この場合は、実像Rを含む面が水平に近づくことによって、運転者は実像Rを観察しづらくなるため、妥当ではない。
したがって、本実施形態のように、表示素子2から出射される映像光の光路中に、光学プレート3のみならず、ハーフミラー4を配置し、ハーフミラー4の少なくとも一部を観察者の視界V内に位置させ、光学プレート3およびハーフミラー4を介して表示映像の実像Rを空中に結像させることにより、運転者は前方の背景をハーフミラー4を介して視認しながら、視線を前方から大きくそらすことなく実像Rを観察することが可能となり、運転者は安全運転に集中することが可能となる。
また、虚像を観察させる装置ではなく、実像Rを空中に結像する装置(空中像表示装置1)を用いることにより、以下のインタラクティブなシステムを構築することも可能となる。すなわち、実像Rとして表示されたナビゲーション装置の表示画面内のタッチ位置を検知するセンサを併用することにより、実像Rによる情報の表示と、表示画面(実像R)に対する観察者の指示入力とを前方の視界V内またはその近傍で行うことが可能となり、利便性も向上する。
(光学プレートの詳細)
次に、上述した光学プレート3の詳細について説明する。図5は、光学プレート3の斜視図である。光学プレート3は、2種の基板20・30を積層して構成されている。基板20は、基板20・30の積層方向(例えばZ方向)に垂直な面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向(例えばX方向)に、複数の板状部材21を隣接して並べることによって形成されており、基板30は、上記2方向のうちの他の方向(例えばY方向)に、複数の板状部材31を隣接して並べることによって形成されている。
図6は、1つの板状部材21の斜視図であり、図7は、1つの板状部材31の斜視図である。板状部材21は、透明な樹脂(例えばアクリル樹脂)からなり、Y方向に延びる直方体状の本体21aの側面、すなわち、YZ面に沿った2面のうちの一方の面に、反射膜21bを蒸着することによって形成されている。板状部材31は、透明な樹脂(例えばアクリル樹脂)からなり、X方向に延びる直方体状の本体31aの側面、すなわち、ZX面に沿った2面のうちの一方の面に、反射膜31bを蒸着することによって形成されている。反射膜21b・31bは、例えばアルミニウムのような金属膜で構成されており、入射光が全て反射するように膜厚が適切に制御されている。
Y方向に延びる複数の板状部材21をX方向に隣接して並べることにより、複数の反射膜21bが、板状部材21のX方向の幅に応じた間隔でX方向に並んで位置する。同様に、X方向に延びる複数の板状部材31をY方向に隣接して並べることにより、複数の反射膜31bが、板状部材31のY方向の幅に応じた間隔でY方向に並んで位置する。そして、このような複数の板状部材21・31の配置により、各板状部材21の反射膜21bと各板状部材31の反射膜31bとは、平面的に見て(Z軸方向から見て)直交する位置関係となる。
図8は、2次元(ZX平面内)での実像の結像原理を示している。点光源Pから発せられた複数の光線は、Z軸に平行なミラー(反射膜21b)でそれぞれ反射され、X軸に対して点光源Pとは反対側の位置P’(点光源PとX軸に対して対称な位置)に集光する。これにより、位置P’にて、点光源Pの実像が結像される。
図9は、3次元空間(XYZ座標系)での光線の反射を模式的に示している。3次元空間では、点光源Oから発せられた光線Aを、ZX平面内の光線a1と、YZ平面内の光線a2とに分解し、図8に倣って、それぞれの光線a1・a2のZX平面内またはYZ平面内での反射を考えることで、光線AのZ軸との交点を求めることができる。つまり、ZX平面内の光線a1は、YZ面に平行なミラー(反射膜21b)で反射された後、Z軸に向かい、YZ平面内の光線a2は、ZX面に平行なミラー(反射膜31b)で反射された後、Z軸に向かう。これらの光線a1・a2は、Z軸上の1点、つまり、点O’で交わる。したがって、光線Aは、反射膜21bおよび反射膜31bにて計2回反射した後、Z軸上の点O’に向かうことになる。
図10は、3次元空間において、点光源Oから発せられた複数の光線が、別々のミラーを介して1点に集光する様子を模式的に示している。点光源Oから発せられた複数の光線は、図9と同様にして、YZ面に平行なミラー(反射膜21b)およびZX面に平行なミラー(反射膜31b)で反射され、Z軸上の同じ点O’に集光する。これにより、点O’にて、点光源Oの実像が結像される。
なお、実際には、各ミラーの高さ方向(Z軸方向)における光線の入射位置のずれや、各ミラーの配置精度などにより、集光状態にずれが生じるが、このずれは実像の観察において無視できるほど小さいものとする。また、光線の中には、各ミラーで3回以上反射するような複雑な経路を辿る光線も存在するが、そのような光線も無視できるものとする。
本実施形態では、2種の基板20・30を積層することで、各反射面21b・31bがZ軸方向にずれた光学プレート3を構成しているが、各反射面21b・31bが同一基板上に位置するようなプレートを光学プレート3として用いてもよい。つまり、光学プレート3は、2つの反射面が直交し、かつ、各反射面の法線を含む平面がプレートの厚み方向と直交するように、基板上に各反射面を形成したものであってもよい。その他、反射面を側面に形成した円柱または円筒を2次元的に並べたプレートを、光学プレート3として用いることもできる。
(その他)
本実施形態では、入射光の一部を透過させ、残りを反射させる光学部材として、ハーフミラー4を用い、このハーフミラー4を光学プレート3と実像Rの結像位置との間の光路中に配置した例について説明したが、上記ハーフミラー4の代わりにホログラム光学素子(例えば体積位相型で反射型のホログラム光学素子)を用いてよい。ただし、ハーフミラー4を用いるほうが、空中像表示装置1を容易に構成できるため、望ましい。
また、ハーフミラー4は、入射光の透過率と反射率との比が1:1となるものであるが、この比が1:1からずれたもの(ビームスプリッタ)を上記光学部材として用いることもできる。ただし、背景および実像Rの視認性を同時に確保するためには、上記の比は1:1またはそれに近い比であることが望ましい。
なお、本実施形態では、表示素子2からの映像光を光学プレート3によって集めて、表示素子2に表示された映像の実像Rを空中に結像させる空中像表示装置1について説明したが、空中像表示装置1は表示素子2を用いた構成には限定されない。例えば、空中像表示装置1は、表示素子2の代わりに配置された物体からの光を、光学プレート3によって観察者の前方の視界V内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に集めることにより、物体が表す像の実像Rを上記空中に結像させる構成であってもよい。このとき、上記の物体は3次元の物体であってもよく、物体が表す像は、物体そのものの像であってもよい。また、物体からの光とは、物体そのものが発光する光であってもよいし、物体に光が当たったときに周囲に散乱される光(散乱光)であってもよい。
〔実施の形態2〕
図11は、本実施形態の空中像表示装置1の概略の構成を模式的に示す説明図である。本実施形態では、光学プレート3から実像Rの結像位置に向かう光の光路を折り曲げるための光学部材として、フィルム状のハーフミラー4cが用いられており、このハーフミラー4cが、観察者の前方に位置する透明基材としてのフロントガラス10に貼り付けられている。また、表示素子2と光学プレート3との間の光路中には、表示素子2からの映像光の光路を折り曲げるためのミラー5が配置されており、これによって、空中像表示装置1がコンパクトに構成されている。
フィルム状のハーフミラー4cを用い、これをフロントガラス10に貼り付ける構成とすることにより、フロントガラス10をハーフミラー4cの支持体代わりに使うことができる。これにより、実施の形態1のように、支持体としての透明基板4aが必要なハーフミラー4を用いる構成に比べて、空中像表示装置1を構成する部品点数が減り、全体のコストダウンにつながる。
図12は、空中像表示装置1の他の構成を模式的に示す説明図である。表示素子2に表示された映像の中心(表示画面の中心)と、実像Rの中心(表示画面の中心)とを光学的に結ぶ軸を光軸とすると、図12では、図11に比べて、光学プレート3から遠ざかる方向に表示素子2を光軸に沿って移動させている。上述した結像原理により、実像Rは、光学プレート3に対して物体(表示素子2)と対称となる位置に結像されるため、上記のように表示素子2を光学プレート3から光軸方向に離すことにより、実像Rの結像位置を観察者側に近づけることができる。これにより、観察者は、実像Rを観察しやすくなる。
ところで、車両のフロントガラス10は、少なくとも一部に曲率を持つものが多い。このようなフロントガラス10の表面にフィルム状のハーフミラー4cが貼り付けられると、ハーフミラー−4cはフロントガラス10の表面に沿って曲がる(歪む)ため、ハーフミラー4cを介して結像される実像Rが歪む。
そこで、表示素子2は、フロントガラス10に貼り付けられたハーフミラー4cの歪みによって生じる実像Rの歪みを、表示映像のデータを補正することによって補正してもよい。例えば、表示素子2が補正前のデータに基づいて映像を表示したときの実像Rの歪みを事前に求めておき、その歪みを補正する処理を行うプログラムを表示素子2の記憶部に記憶させておけばよい。表示素子2の制御部またはデータ処理部が上記プログラムを実行し、表示部が補正後の映像データに基づいて映像を表示することにより、実像Rの歪みを補正することができる。例えば、フロントガラス10に貼り付けられたハーフミラー4cの歪みによって、図13に示すような台形歪みが実像Rに生じていれば、上記した映像データの補正により、その台形歪みを解消することができる。これにより、観察者は、実像Rを違和感なく観察することが可能となる。
また、図14は、空中像表示装置1のさらに他の構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、空中像表示装置1は、フロントガラス10に貼り付けられたハーフミラー4cの歪みによって生じる実像Rの歪みを光学的に補正するための補正用光学系6をさらに備えていてもよい。補正用光学系6は、自由曲面ミラー、自由曲面レンズ、フレネルレンズの少なくともいずれかを含んで構成されており、上記実像Rの歪みを光学的に補正できるように、ハーフミラー4cの歪み(フロントガラス10の歪み)に応じて設計されている。
補正用光学系6は、光学プレート3に対してハーフミラー4c側の光路中に配置されてもよいが、配置スペースを容易に確保しやすい点から、光学プレート3に対して表示素子2(物体)側の光路中に設けられている。
このように、補正用光学系6によって実像Rの歪みを補正することによっても、観察者は、実像Rを違和感なく観察することができる。また、補正用光学系6を用いることで、映像データをソフト的に処理することなく、実像Rの歪みを補正できるため、表示素子2側での表示に関する処理も軽くなる。また、表示素子2での映像データの補正と、補正用光学系6による光学的な補正とを併用してもよい。この場合、例えば補正用光学系6によって補正しきれない実像Rの歪みを、映像データの補正によって補正することが可能となり、実像Rの歪みを確実に解消することができる。
なお、フロントガラス10と観察者との間に平行平板からなる透明基材を別途配置し、この透明基材にフィルム状のハーフミラー4cを貼り付ける構成としてもよい。この場合、透明基材が平行平板であるため、それに貼り付けられるハーフミラー4cの歪みに起因する実像Rの歪みは生じないが、上記透明基材およびそれを支持する支持部材が必要となる。しかし、フィルム状のハーフミラー4cを用いることによる簡便性を重視するのであれば、平行平板からなる透明基材を用いる構成も有効である。
本発明は、例えば車両などの輸送機器において、ナビゲーション装置に表示される映像の実像を空中に結像させて、観察者に観察させる空中像表示装置に利用可能である。
1 空中像表示装置
2 表示素子(物体)
3 光学プレート
4 ハーフミラー(光学部材)
4c ハーフミラー(光学部材)
6 補正用光学系
10 フロントガラス
R 実像
V 視界

Claims (9)

  1. 物体からの光を、観察者の前方の視界内およびその近傍の少なくともいずれかの空中に集めることにより、前記物体が表す像の実像を前記空中に結像させる光学プレートと、
    少なくとも一部が前記視界内に配置され、前記光学プレートから前記実像の結像位置に向かう光の光路を折り曲げるための光学部材とを備え、
    前記光学部材は、入射光の一部を透過させる一方、残りを反射させる光学特性を有することを特徴とする空中像表示装置。
  2. 前記光学部材は、フィルム状に構成されて、観察者の前方に位置する透明基材に貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の空中像表示装置。
  3. 前記透明基材は、少なくとも一部に曲率を持つ、輸送機器のフロントガラスであることを特徴とする請求項2に記載の空中像表示装置。
  4. 前記物体として、映像を表示する表示素子を備えており、
    前記光学プレートは、前記表示素子からの映像光を前記空中に集めることにより、前記表示素子に表示された映像の実像を前記空中に結像させることを特徴とする請求項3に記載の空中像表示装置。
  5. 前記表示素子は、前記フロントガラスに貼り付けられた前記光学部材の歪みによって生じる前記実像の歪みを、表示映像のデータを補正することによって補正することを特徴とする請求項4に記載の空中像表示装置。
  6. 前記フロントガラスに貼り付けられた前記光学部材の歪みによって生じる前記実像の歪みを光学的に補正するための補正用光学系をさらに備えていることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の空中像表示装置。
  7. 前記補正用光学系は、前記光学プレートに対して前記物体側の光路中に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の空中像表示装置。
  8. 前記補正用光学系は、自由曲面ミラー、自由曲面レンズ、フレネルレンズの少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項7に記載の空中像表示装置。
  9. 前記光学部材は、ハーフミラーであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の空中像表示装置。
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