JPH066693B2 - 水性光沢組成物 - Google Patents

水性光沢組成物

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JPH066693B2
JPH066693B2 JP25092385A JP25092385A JPH066693B2 JP H066693 B2 JPH066693 B2 JP H066693B2 JP 25092385 A JP25092385 A JP 25092385A JP 25092385 A JP25092385 A JP 25092385A JP H066693 B2 JPH066693 B2 JP H066693B2
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秀夫 高見
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、
耐摩耗性、密着性に優れた水性光沢組成物に関する。更
に詳細には、特定の共重合体エマルジョンと特定構造を
有するエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを構成単位とする三元共重合体と
からなる水性光沢組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来の水性光沢組成物は、(イ)ゴムエマルジョンなど
の水不溶性重合体エマルジョンで代表される共重合体エ
マルジョン、(ロ)ワックスおよび(ハ)アルカリ可溶
性樹脂を主成分とするものであり、このほか(ニ)湿
潤、乳化および分散剤、(ホ)多価金属化合物、(ヘ)
水を有するものである。
このうち、(ロ)ワックスとしては、天然または合成の
ワックスが用いられており、例えば蜜蝋、カンーバ蝋、
カンデリラ蝋、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、パラフィンワックスなどをイオン性または非
イオン性乳化剤で乳化分散して使用されている。
かかるワックスの役割は、塗膜に与えられる衝撃を緩和
し、与えられた傷の自己補修性を与えるものであるが、
これらワックスを用いた水性光沢組成物は、耐ブラック
ヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性が充分でな
く、最近の要求特性に対応できなくなっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点に鑑み鋭意
検討した結果、特定の共重合体エマルジョンおよび特定
の共重合体組成を有するエチレン−(メタ)アクリル酸
−(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成単位とす
る三元共重合体とを含有する水性光沢組成物が、耐ブラ
ックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性に優れて
いることを見出し、本発明に到達したものである。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち本発明は、(イ)共重合体のガラス転移温度が−1
0〜+80℃である共重合体エマルジョン、ならびに
(ロ)比較的高分子量のエチレン−(メタ)アクリル酸
アルキル共重合体を熱減成して得られる(a)エチレン、
(b)(メタ)アクリル酸および(c)(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを構成単位とし、(a)成分が80〜98
モル%、(b)成分が0.2〜5モル%、(c)成分が1.8
〜15モル%、粘度平均分子量が3000〜20000
である低分子量三元共重合体を含有してなることを特徴
とする水性光沢組成物を提供するものである。
まず、本発明に使用される(イ)共重合体エマルジョン
について説明すると、該エマルジョンを構成する共重合
体のガラス転移温度は、−10〜+80℃、好ましくは
+15〜+65℃であることが必要である。かかる共重
合体エマルジョンは、連続被膜を形成し、床面の保護と
美観の保持の作用をするもので、かつ他の配合成分のバ
インダーとしての機能を果たすものである。
かかる(イ)共重合体エマルジョンを構成する共重合体
のガラス転移温度が−10℃未満であると得られる組成
物の塗膜が柔らかく、耐ブラックヒールマーク性、耐ス
カッフ性、耐摩耗性、耐汚染生が悪くなり、一方+80
℃を越えると塗膜が脆くなり、パウダリングを起こし易
くなる。
本発明に使用される(イ)共重合体エマルジョンとして
は、ガラス転移温度が−10〜+80℃の範囲のもので
あり、例えばアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマ
ルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、アク
リロニトリル−ブタジエン系エマルジョン、クロロプレ
ン系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、塩化ビ
ニリデン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、
エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、などが挙げら
れ、好ましくはアクリル系エマルジョン、ウレタン系エ
マルジョンである。
アクリル系エマルジョンとしては、具体的には例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ルなどの(メタ)アクリル酸エステルの単独もしくはこ
れら単量体と共重合可能な単量体、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和
カルボン酸、例えばスチレン、α−メチルスチレンなど
の芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリロニロリル、
(メタ)アクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキリエ
チル、N−メチロールアクリルアミド、ジビニルベンゼ
ンのような単量体との共重合体のエマルジョンである。
好ましくは、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリ
レートなどの単独もしくは、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、スチレン、アクリロニトリルなどとの
共重合体エマルジョンである。
これらの(イ)共重合体エマルジョンは、該エマルジョ
ンを構成する共重合体のガラス転移温度を前記範囲内に
あるから適宜選択される。
また、これらの(イ)共重合体エマルジョンは、通常、
固形分濃度25〜70重量%、好ましくは30〜55重
量%のものが使用される。
次に、本発明に使用される(ロ)低分子量三元共重合体
は、従来使用されているワックス成分に相当するもので
あって、得られる組成物を床面に塗布した場合に外部か
らの機械的衝撃、摩擦力などの床面への伝達を粒子の流
動によってやわらげる効果を持つと同時に、該粒子はバ
フかけによってフィルム面の傷や破損部を充填すること
により平滑な面にする働きがあり、かつ光沢および耐久
性を付与する作用をなすものである。
本発明に使用される前記低分子量三元共重合体におい
て、該三元共重合体の構成単位となる(メタ)アクリル
酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸であ
り、また(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸−i−プロピル、
メタクリル酸−i−プロピル、アクリル酸−n−ブチ
ル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−i−ブチ
ル、メタクリル酸−i−ブチル、アクリル酸−t−ブチ
ル、メタクリル酸−t−ブチルなどから選ばれた少なく
とも1種の炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸のアルキルエステルである。
かかる(ロ)低分子量三元共重合体においては、前記
(a)、(b)、(c)三成分の割合が重要である。
(a)成分であるエチレン単位は、80〜98モル%、好
ましくは85〜96モル%であり、(b)成分である(メ
タ)アクリル酸は0.2〜5モル%、好ましくは0.3
〜4モル%、(c)成分である(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルは、1.8〜15モル%、好ましくは3.7
〜11モル%である。
本発明に使用される低分子量三元共重合体は、乳化剤を
使用せず良質なエマルジョンを生成する特徴を有してい
るが、(a)成分であるエチレン含量が、80モル%未満
では、そのエマルジョンを使用した水性光沢組成物の塗
膜物性が劣り、一方98モル%を越えるとエマルジョン
化し難い。
(b)成分が前記範囲より少ないと得られる共重合体中に
カルボキシル基が減少しすぎてエマルジョン化が困難と
なり、一方前記範囲より多すぎると水溶性が強くなりす
ぎて良好なエマルジョンとはならないので、いずれも好
ましくない。
また、(c)成分の存在により、特に(c)成分が3.7〜1
1モル%の範囲の低分子量三元共重合体は、エチレン−
アクリル酸共重合体に比し、低粘度のエマルジョンが得
られ、より濃度の高いエマルジョンを提供することがで
きるので好ましく、しかも該エマルジョンから得られる
被膜は、膜割れが起き難く、その結果良好な耐ブラック
ヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性を与えること
になり、好ましい。
更に、本発明で使用される低分子量三元共重合体の粘度
平均分子量は、3000〜20000好ましくは600
0〜15000の範囲である。前記粘度平均分子量が3
000未満では得られる水性光沢組成物の耐スカッフ
性、耐摩耗性などの塗膜性能が劣り、一方20000を
越えると安定で均一なエマルジョンが得られ難く、例え
ばエマルジョンの粒径が不均一となる得られる組成物の
塗膜物性を低下させることになる。
特に、粘度平均分子量が6000以上の低分子量三元共
重合体は、塗膜の耐ブラックヒールマーク性が大幅に改
良されるので好ましい。
なお、前記低分子量三元共重合体の粘度平均分子量は、
135℃のデカリン溶媒中の極限粘度〔η〕から、次式
によって求めた値である。
〔η〕=KMα〔K=14.3×10-5(dl/g)、α=0.82〕 かかる低分子量三元共重合体は、(a)成分と(c)成分との
共重合体から熱減成によって製造される。
即ち、比較的高分子量のエチレン−(メタ)アクリル酸
アルキルエステル共重合体を、不活性雰囲気中で水の存
在下で加熱することによって、目的とする低分子量三元
共重合体を得ることができる。ここで原料となる比較的
高分子量のエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル共重合体は、公知の高圧ラジカル共重合体によって
得られる。
これらの共重合体のメルトフローインデックス(M.
I.)は、約300g/10分以下、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルの含有量は、目的とする低分子量三
元共重合体中に含有されるべき(b)成分および(c)成分の
含有量に対応して定められるが、2〜25モル%、好ま
しくは4〜20モル%である。原料としては好ましい共
重合体は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体であ
る。
前記加熱減成反応を不活性雰囲気中で行うことにより酸
化反応を抑制し、生成物の着色を防止できる。不活性雰
囲気を達成する方法には特に制限はないが、窒素、炭酸
ガス、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気によ
る方法、もしくは反応系に存在する水に由来する水蒸気
雰囲気による方法またはこれらの併用が好ましい。
この際、反応系に供給する比較的高分子量の原料である
共重合体を予め減圧域で脱気することや水に溶存してい
る酸素を予め除去することも必要に応じて行い得る。
加熱減成時の水の存在は、加熱減成時に(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの加水分解により(メタ)アクリ
ル酸単位を生成させるために必要である。反応系中に存
在させる水は、液相もしくは気相(水蒸気)またはこれ
らの混相の何れも好ましい。
加熱減成の際の反応温度、圧力、時間は、原料共重合体
の分子量や共重合体組成、水の量、目的とする低分子量
三元共重合体の分子量および(b)、(c)成分の含有割合な
どに対応して適宜定められるが、反応温度は200〜5
00℃、好ましくは250〜400℃、反応圧力は5〜
500kg/cm2、好ましくは10〜470kg/cm2、反応時
間は1〜10時間、好ましくは2〜5時間であり、更に
反応系中の酸素濃度は好ましくは5ppm以下、更に好ま
しくは3ppm以下にすることが好ましい。
このような熱減成方法は、酸化反応やグラフト反応によ
る方法あるいは低分子量三元共重合体をモノマーから直
接重合によって製造する方法と比較して、工業的に極め
て簡便な方法であり、製造コスト面ならびに目的物の分
子量ならびに組成調整面からも優れている。
なお、本発明に使用される前記低分子量三元共重合体を
後記する共重合体エマルジョンとともに水性光沢組成物
とする場合には、通常、該三元共重合体を予めエマルジ
ョン化して使用される。
ここで、低分子量三元共重合体のエマルジョン化は、該
共重合体とアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合
物、無機塩基性化合物あるいは有機塩基性化合物などの
分散剤および水をオートクレーブ中で100〜200
℃、好ましくは120〜170℃の範囲で攪拌すること
により達成することができる。
前記分散剤の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウ
ム、酸化リチウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸カリウム、重
炭酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウ
ム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム、
プロピオン酸ナトリウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウ
ム、水酸化アンモニウム、アンモニアなどの無機塩基性
化合物、あるいはメチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミンのようなモノアルキルアミン、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミンのような第2級、第3級アミン、エタノールアミ
ン、i−プロパノールアミンのようなモノアルカノール
アミン、ジメチルエタノールアミンのようなポリアルカ
ノールアミン、シクロヘキシルアミンのようなモノシク
ロアルキルアミン、およびシクロヘキサノールアミンの
ようなモノシクロアルカノールアミンなどが含まれる、
更に、モルホリン、ピリジンなどもまた分散剤として好
適に使用される。
前記分散剤により、本発明に使用される低分子量三元共
重合体は、容易にエマルジョン化することができるが、
オレイン酸などの有機酸を添加することにより、更に容
易にエマルジョン化することができる。
前記低分子量三元共重合体エマルジョンの固形分濃度
は、5〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の範
囲で調整することができ、これによって得られるエマル
ジョンは安定であるが、更に安定化を図るためにノニオ
ン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの界面活性
剤のほか、防黴剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、凍結防
止剤、消泡剤、架橋剤などの添加剤を本発明の目的を損
なわない範囲で含むものであってもよい。
また、本発明における(ロ)低分子量三元共重合体成分
中には、従来使用されている前記ワックスを該三元共重
合体成分の70重量%以下、好ましくは30重量%以下
程度併用することもできる。前記(イ)共重合体エマル
ジョンと、(ロ)低分子量三元共重合体との割合は、
(イ)共重合体エマルジョン100重量部(固形分換
算)に対して好ましくは(ロ)低分子量三元共重合体5
〜40重量部、更に好ましくは8〜30重量部であり
(ロ)低分子量共重合体が5重量部未満では得られる組
成物を床面に塗布した場合における外部からの衝撃、摩
擦力を緩和できず、耐ブラックヒールマーク性、耐スカ
ッフ性が劣り、一方40重量部を越えると塗膜の耐摩耗
性および光沢が劣り、外観が損なわれる。
また、本発明の(イ)共重合体エマルジョンと(ロ)低
分子量三元共重合体とを水性光沢組成物に使用する場合
には、両者の合計の固形分濃度は、通常、10〜60重
量%、好ましくは20〜50重量%である。
本発明の水性光沢組成物は、前記のように(イ)共重合
体エマルジョンと(ロ)低分子量三元共重合体とを含有
してなるが、更に(ハ)アルカリ可溶性樹脂、(ニ)湿
潤、乳化および分散剤、(ホ)多価金属化合物などを含
有することが好ましい。この場合の具体的な組成は、例
えば次の通りである。
(イ)共重合体エマルジョン;100重量部(固形分換
算として) (ロ)低分子量三元共重合体;5〜40重量部、好まし
くは8〜30重量部 (ハ)アルカリ可溶性樹脂;0〜50重量部好ましくは
5〜15重量部 (ニ)湿潤、乳化および分散剤;(イ)+(ロ)+
(ハ)の0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜1
0重量% (ホ)多価金属化合物;0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜8重量部、 (ヘ)水;全固形分を8〜50重量%、好ましくは10
〜35重量%とする量 ここで、(ハ)アルカリ可溶性樹脂は、ポリッシュのレ
ベリングを向上させるとともに、剥離性を向上させる作
用をなし、かかる樹脂としては、例えばスチレン−マレ
イン酸共重合体樹脂、シェラック、ロジン変性マレイン
酸樹脂などを挙げることができる。
また、(ニ)湿潤、乳化および分散剤は、得られた水性
光沢組成物の分散安定性や該組成物と床面との濡れを良
好化するためのものであり、炭素数12〜18の高級脂
肪酸のアルカリ金属塩およびアミン塩、例えばナトリウ
ム、カリウム、アンモニウムまたはモルホリンオレエー
トまたはリシノレート、ならびに通常の非イオン界面活
性剤を挙げることができる。
更に、(ホ)多価金属化合物としては、例えば亜鉛、ジ
ルコニウム、マグネシウム、銅、鉄、コバルト、ニッケ
ル、アルミニウム、カドミウムなどの酸化物、塩類を炭
酸、酢酸、蟻酸、グルタル酸、安息香酸、蓚酸などの酸
に溶解させるか、あるいはこれらの酸と多価金属の塩の
水溶液をアンモニア、アミンなどによりpHを7〜11に
調整することによって容易に得られるものであり、また
金属イオンの形になったものを含めることができる。好
ましい多価金属化合物は、亜鉛、ジルコニウムの酸化物
または塩である。
前記アミンで錯体形成可能なものは、モルホリン、モノ
エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミノ
エタノールなどである。
かかる多価金属化合物を本発明の組成物中に添加した場
合は、架橋効果により強靱な塗膜が得られ、良好な耐ブ
ラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性が得ら
れるので好ましい。
本発明の水性光沢組成物中には、そのほかトリブトキシ
ホスフェート、多価アルコール類、フッソ系界面活性剤
などのレベリング剤;ジエチレングリコール、イソホロ
ン、ベンジルアルコールおよび3−メトキシブタノール
−1のモノエチルあるいはモノメチルエーテルなどの一
時的可塑剤やベンジルブチルフタレート、ジブチルフタ
レート、ジメチルフタレート、トリフェニルホスフェー
トなどの永久的可塑剤;消泡剤;カルビトール系などの
成膜助剤;顔料などの通常の塗料に用いられる添加剤を
加えることができる。
これらの添加剤の使用量は、(イ)共重合体エマルジョ
ン100重量部(固形分換算)に対して100重量部以
下、好ましくは50重量部以下である。
本発明の水性光沢組成物を調製するに際しては、(イ)
共重合体エマルジョンおよび(ロ)低分子量三元共重合
体などの混合順序は任意であるが、例えばはじめに共重
合体エマルジョンを混合容器に入れ、次いで攪拌しなが
ら水、多価金属化合物、アルカリ可溶性樹脂、湿潤剤、
レベリング剤、可塑剤を順次ゆっくりと添加し、最後に
低分子量三元共重合体を添加するなどの方法によって容
易に調製することができる。
かくして得られる水性光沢組成物は、分散性が良好であ
り、常温において良好な貯蔵安定性を示し、かかる組成
物は通常の方法で布拭き、ブラシがけ、雑巾がけにより
床面に塗布すると迅速に乾燥して透明な、更に顔料が含
まれている場合には着色した強靱な塗膜を形成すること
が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例中における塗膜物性の評価は、下記の通り
である。
(1)耐ブラックヒールマーク性 塩化ビニルタイル上に水性光沢組成物を刷毛で2回塗布
後、24時間乾燥させ、ブラックヒールマークテスター
にかけ(60rpm×10分間)、ブラックヒールマーク
の付き方で評価した。
◎全くブラックヒールが付かないもの ○殆どブラックヒールが付かないもの △ややブラックヒールがタイル上に残るもの ×著しくブラックヒールがタイル上に残るもの (2)耐スカッフ性 塩化ビニルタイル上に水性光沢組成物を刷毛で2回塗布
後、24時間乾燥させ、ブラックヒールマールテスター
にかけ(60rpm×10分間)、スカッフの付き方で評
価した。
◎全くスカッフが付かないもの ○殆どスカッフが付かないもの △ややスカッフがタイル上に残るもの ×著しくスカッフがタイル上に残るもの (3)耐摩耗性 塩化ビニルタイル上に水性光沢組成物を刷毛で2回塗布
後、24時間乾燥させ、ナイロン製パッドで摩擦し、表
面の摩耗状態を判定した。
◎殆ど傷が付かず、光沢の低下がない。
○殆ど傷が付かないが、やや光沢が低下する。
△表面の傷が目立ち、光沢が低下する。
×著しく表面の傷が目だち、著しく光沢が低下する。
(4)ガラス転移温度 キャスティング法により、エマルジョンのフィルムを作
成した後、デュポン社製、示差熱分析計により測定し
た。
参考例 (低分子量三元共重合体エマルジョンの調製) エチレン−アクリル酸エチル共重合体(以下、単にE−
EAと称す)〔アクリル酸エチル(EA)含量;7.5
モル%、粘度平均分子量;36000〕1.5kgを、水
1000mlとともに内容積3.8のオートクレーブ中
に仕込み、窒素雰囲気下、温度360℃、圧力200kg
/cm2で4時間熱減成し、粘度平均分子量5300、アク
リル酸(AA)含量3.2モル%、アクリル酸エチル含
量3.0モル%の低分子量エチレン(ET)−アクリル
酸(AA)−アクリル酸エチル(EA)三元共重合体を
得た。
この共重合体400gを取り出し、内容積5のオート
クレーブ中で水600g、水酸化ナトリウム(NaO
H)9.3gとともに150℃で5時間攪拌し、エマル
ジョン化した。この試料をA−1とする。
A−2〜A−11の低分子量三元共重合体エマルジョン
については、第1表に表示した原料エチレン−アクリル
酸エチル共重合体を用いて、圧力、温度などの熱減成条
件を変えて第1表に示すような所定の低分子量三元共重
合体を調製した。
上記各低分子量三元共重合体の所定量をとり出し分散媒
として、水酸化ナトリウム(NaOH)、25重量%ア
ンモニア水(25%NH水)、ジメチルエタノールア
ミンの各所定量を用いA−1と同様にして、これら低分
子量三元共重合体をエマルジョン化し、その結果を併せ
て第1表に示した。
A−12は、原料としてエチレン−メタクリル酸エチル
共重合体(以下、E−EMAと称す)を用いてA−5と
同様に熱減成およびエマルジョン化し、その結果を第1
表に示した。
A−13は、A−1のオートクレーブを用いて、仕込量
でエチレン1760g、アクリル酸160gを圧力16
60kg/cm2、温度170℃、重合時間2時間、ラジカル
重合し、第1表に示した低分子量のエチレン−アクリル
酸二元共重合体を調製し、A−1と同様にしてエマルジ
ョン化し、第1表に示した。
A−14は、A−1のオートクレーブを用いて、仕込量
でエチレン1710g、アクリル酸エチル120gを圧
力1600kg/cm2、温度170℃、重合時間1時間、ラ
ジカル重合し、第1表に示した低分子量のエチレン−ア
クリル酸エチル共重合体を調製し、A−1と同様にして
エマルジョン化し、第1表に示した。
*1)ジメチルエタノールアミン *2)米国アライドケミカル社製、AC−392 *3)米国アライドケミカル社製、AC−540 実施例〜11および比較例1〜10 ガラス容器に第2表に示した(イ)共重合体エマルジョ
ンを入れ、更に水500重量部および第2表に配合処方
に示す前記(イ)共重合体エマルジョン以外の成分、即
ち前記参考例に示した (ロ)低分子量三元共重合体エマルジョンおよびその他
の添加剤を加え、スターラーで30分間攪拌し、水性光
沢組成物を得た。
次いで、得られた水性光沢組成物を使用して塗膜物性、
即ち耐ブラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗
性を評価した。結果を併せ第2表に示す。
第2表から明らかなように、実施例1〜11は、本発明
の範囲内の水性光沢組成物であり、本発明の目的とする
塗膜物性を有することが分かる。
これに対し、比較例1は低分子量三元共重合体の粘度平
均分子量が3000未満であるため塗膜が柔らかく耐ブ
ラックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性が劣
り、また低分子量三元共重合体の粘度平均分子量が20
000を越える比較例2では塗膜が脆くなり耐摩耗性が
劣る。
比較例3は、低分子量三元共重合体のエチレン含量が8
0モル%未満の場合であり、耐ブラックヒールマーク性
などの塗膜物性が悪い。また、低分子量三元共重合体の
エチレン含量が98モル%を越える比較例4では、エマ
ルジョン化し難く塗膜物性に劣る。
比較例5,6は、それぞれエチレン−アクリル酸、ある
いはエチレン−アクリル酸エチルの二元共重合体を
(ロ)成分とするものであり、得られる組成物は何れも
エマルジョン粘度が高く、塗工適性が劣り、また塗膜は
膜割れが生起し、その結果、耐スカッフ性、耐ブラック
ヒールマーク性が劣る。比較例7,8は、(ロ)成分と
して市販のポリエチレンワックスを使用した場合であ
り、塗膜強度が弱く、かつ耐スカッフ性、耐摩耗性が劣
ることが分かる。比較例9,10は、それぞれ共重合体
エマルジョン(アクリル共重合体)のガラス転移温度が
−20℃、+95℃の場合であり、得られる塗膜物性が
良くないことが分かる。
〔発明の効果〕
本発明の水性光沢組成物は、従来のものに比べて耐ブラ
ックヒールマーク性、耐スカッフ性、耐摩耗性の物性バ
ランスが1段と優れており、近年の厳しい品質要求に対
応できる水性光沢組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蓼沼 博 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 金沢 修治 神奈川県横浜市戸塚区俣野町1403番地 (72)発明者 北市 彬 神奈川県横浜市瀬谷区瀬谷2−33―6

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)共重合体のガラス転移温度が−10
    〜+80℃である共重合体エマルジョン、ならびに
    (ロ)比較的高分子量のエチレン−(メタ)アクリル酸
    アルキル共重合体を熱減成して得られる(a)エチレン、
    (b)(メタ)アクリル酸および(c)(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステルを構成単位とし、(a)成分が80〜98
    モル%、(b)成分が0.2〜5モル%および(c)成分が
    1.8〜15モル%、粘度平均分子量が3000〜20
    000である低分子量三元共重合体を含有してなること
    を特徴とする水性光沢組成物。
  2. 【請求項2】低分子量三元共重合体の(b)成分が0.3
    〜4モル%、(c)成分が3.7〜11モル%である特許
    請求の範囲第1項記載の水性光沢組成物。
  3. 【請求項3】低分子量三元共重合体の粘度平均分子量が
    6000〜15000である特許請求の範囲第1項また
    は第2項記載の水性光沢組成物。
  4. 【請求項4】低分子量三元共重合体がエチレン−アクリ
    ル酸−アクリル酸エチル共重合体である特許請求の範囲
    第1項、第2項または第3項記載の水性光沢組成物。
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