JPH066687Y2 - 磁極線輪支え金具の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は磁極線輪支え金具の取付構造に関し、さらに具
体的には、突極回転界磁形回転電機の磁極線輪支え金具
の取付構造に関するものである。

従来技術 従来、突極回転界磁形回転電機の磁極線輪支えは、回転
子の高速度回転により発生する強大な遠心力による磁極
線輪の拡がりを支えるため、磁極線輪間に絶縁板を介し
て線輪支え金具を配設し、これを継鉄にボルト締めする
構造であった。今第１図を参照して説明すると、１は継
鉄、２は磁極鉄心、３は磁極線輪である。また、１０は
磁極線輪３，３の間の通風空間に絶縁板１１を介して配
設した線輪支え金具で、該線輪支え金具１０は締付ボル
ト９を径方向から継鉄１に締付けることにより固定して
いる。

しかして、上記従来の磁極線輪支え金具１０の取付構造
によると、継鉄１は径方向から締付ボルト９を締付けて
固定するものであるから、磁極を交換するようなとき、
線輪支え金具１０を一旦取外したうえで交換作業する
が、この場合、締付ボルト９が径方向から締付けられて
いるため、回転子を一旦固定子から引抜いたうえ締付ボ
ルト９を緩め、線輪支え金具１０を取外す作業が必要と
なる。このため回転子を軸受から取外し、さらに所定の
場所に運ぶ等磁極の交換作業に非常に手間がかかり、時
間的にも、人手の面でも経済的ロスが大きかった。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点を改良したもので、回転子を固
定子から引抜くことなく磁極の交換ができるようにした
磁極線輪支え金具の取付け構造を提案することを目的と
する。

考案の概要 上記目的を達成するため、本考案は突極回転界磁形回転
電機の磁極線輪間に配置し、磁極線輪を継鉄に固定する
磁極線輪支え金具の取付構造において、前記線輪支え金
具を二つに分割して、それぞれの金具の両側面には互に
近接端縁の側に近づくにつれて幅が狭くなるテーパ面を
形成するとともに、径方向の基端には係合突起を設け
て、該係合突起を継鉄の軸方向に沿って設けた係合溝に
係合させ、線輪支え金具と磁極線輪の間に上記線輪支え
金具のテーパ面と当接するテーパ面を有する線輪支え補
助具を配設し、上記線輪支え金具には軸方向に締付ボル
トを貫通し、所定の間隔だけ離間している二つの線輪支
え金具が互に近接する方向に締付けるようにしたことを
特徴とする磁極線輪支え金具の取付構造を特長とする。

実施例 以下本考案の実施例を第２図、第３図を参照して説明す
る。

図において、６，６は本考案に係る線輪支え金具で、こ
れは二つに分割してあり、それぞれの線輪支え金具６，
６は、磁極線輪３の高さとほぼ同じ長さの基部と、継鉄
１に係合する基端部から成り、且つ各線輪支え金具６，
６の両側面には、第２図に示すように互の近接端縁の側
に近づくにつれて幅が狭くなるテーパ面１２を形成して
ある。そして、このテーパ面１２と磁極線輪３との間に
は絶縁板４の線輪支え補助具５を介在させており、この
線輪支え補助具５にも上記線輪支え金具６，６のテーパ
面１２と合致する先が尖ったテーパ面１３を付形してい
る。

線輪支え金具６，６の基端部には先拡がりの係合突起８
を設けてあり、これを継鉄１に設けたいわゆるアリ溝状
の係合溝１４に、回転子の軸線方向から嵌合させて径方
向に脱嵌しないように設けている。そして、二分割した
２つの線輪支え金具６，６は、これを挿通する２本の締
付ボルト７で互に近接する方向に締付けられる構成とし
てある。

したがって、上記構成によると２の線輪支え金具６，６
を所定の位置に配設したうえ、ボルト７で互に接近する
ように締付けることにより、両側のテーパ面１２が線輪
支え補助具５のテーパ面１３を外方に押出し、結果的に
線輪支え金具６，６と線輪支え補助具５と磁極線輪３と
は互に強固に押付け合って一体的に固定され、継鉄１に
支持されて該磁極線輪３は十分遠心力に耐えるものとな
る。なお、線輪支え金具６と６の間には互に近接する方
向にボルト締めしたとき若干の隙間１５が形成されるよ
うに設けておく。

考案の効果 以上の通り本考案は、磁極線輪間の通風空間に配設され
る線輪支え金具の基部と、これに当接する線輪支え補助
具とは、磁極線輪の高さ寸法とほぼ同じ長さを有し、そ
の当接面には互に近接端縁の側に近づくにつれて幅が狭
くなるテーパ面を形成しているので、軸方向に配設され
ているボルトを締めることによってテーパ面の全面で磁
極線輪を押圧するので、線輪支え金具，線輪補助具およ
び磁極線輪にはその上下にわたり平均した押圧力が作用
し、互に強固に押付けられて磁極線輪は確実に支持され
る。また、線輪支え金具はその基端部に係合突起を設け
て、継鉄の軸方向に沿って設けた係合溝に係合させ、放
射線方向に植設しているので、機械強度が高く、極数が
多く、極間（磁極線輪間）の間隔が狭い回転電機で、し
かも強大な遠心力を有する回転磁極にも使用できる。更
に、本考案は軸方向に配設されているボルトを緩めるこ
とによって線輪支え金具を磁極線輪から分離させること
ができるもので、つまり該線輪支え金具は軸方向に取外
すことができるので、磁極を交換する場合、回転子を固
定子より引抜くことなく軸受で支持されたまま該磁極の
交換作業が可能となったので、これにより時間的にも、
かつまた人手の面からも経済的ロスが少なくてすむとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁極線支え金具の取付構造を示す説明
図、第２図は第３図の(A)矢視図、第３図は本考案に係
る磁極線輪支え金具の取付構造の説明図である。 １……継鉄、２……磁極鉄心、３……磁極線輪、４……
絶縁物、５……線輪支え補助具、６……線輪支え金具、
７……ボルト、８……係合突起、１２，１３……テー
パ、１４……係合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】突極回転界磁形回転電機の隣合う磁極線輪
   間の通風空間に配置し、該磁極線輪を継鉄に固定する磁
   極線輪支え金具の取付構造において、前記線輪支え金具
   を二つに分割して、それぞれの金具は、基部と基端部と
   から成り、基部は前記磁極線輪の高さ寸法とほぼ同じ長
   さで、且つその両側面には互に近接端縁の側に近づくに
   つれて幅が狭くなるテーパ面を形成するとともに、径方
   向の基端部には係合突起を設けて、該係合突起を継鉄の
   軸方向に沿って設けた係合溝に係合させ、線輪支え金具
   と磁極線輪の間に該磁極線輪の高さ寸法とほぼ同じ長さ
   で、且つ上記線輪支え金具のテーパ面と当接するテーパ
   面を有する線輪支え補助具を配設し、上記線輪支え金具
   には軸方向に締付ボルトを貫通し、所定の間隔だけ離間
   している二つの線輪支え金具が互に近接する方向に締付
   けるようにしたことを特徴とする磁極線輪支え金具の取
   付構造。