JPH0665402U - 蒸散剤パックおよび蒸散材包装体 - Google Patents
蒸散剤パックおよび蒸散材包装体Info
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- JPH0665402U JPH0665402U JP4426293U JP4426293U JPH0665402U JP H0665402 U JPH0665402 U JP H0665402U JP 4426293 U JP4426293 U JP 4426293U JP 4426293 U JP4426293 U JP 4426293U JP H0665402 U JPH0665402 U JP H0665402U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薬液の効力を使用開始初期から十分に発揮さ
せると同時に、長期間にわたって効力を持続させること
ができ、また、取り扱い性の優れた蒸散剤パックおよび
蒸散材包装体を提供すること。 【構成】 粒形状の蒸散剤5を通気性の袋体6に収納し
た複数個の蒸散剤パック1。この蒸散剤パックと、これ
らの蒸散剤パック1を密封する外側包装袋3とを備えた
構成とする。そして、前記外側包装袋3は、指定範囲を
切除することにより収容している蒸散剤パック1の蒸散
成分を袋外に散逸させる蒸散調整口となる切除指定目印
8a,8bが設けられた構成。
せると同時に、長期間にわたって効力を持続させること
ができ、また、取り扱い性の優れた蒸散剤パックおよび
蒸散材包装体を提供すること。 【構成】 粒形状の蒸散剤5を通気性の袋体6に収納し
た複数個の蒸散剤パック1。この蒸散剤パックと、これ
らの蒸散剤パック1を密封する外側包装袋3とを備えた
構成とする。そして、前記外側包装袋3は、指定範囲を
切除することにより収容している蒸散剤パック1の蒸散
成分を袋外に散逸させる蒸散調整口となる切除指定目印
8a,8bが設けられた構成。
Description
【0001】
本考案は、蒸散する薬液によって防虫剤または芳香剤等としての機能を果たす 蒸散剤に所定の包装を施した構成をなす蒸散剤パックおよび蒸散材包装体に関す るもので、詳しくは、多様な用途に柔軟に対応し得て、使い勝手や取り扱い性に も優れるように改善した蒸散剤パックおよび蒸散材包装体に係るものである。
【0002】
従来より、例えば、タンス等に収納した衣類を害虫から保護するため防虫剤が 使用されていたが、このような防虫剤の形態は、固形状のものと液状のものとに 大別することができる。固形状のものは、所謂昇華性防虫剤と呼ばれているもの で、例えば、パラジクロルベンゼン、ナフタレン、樟脳等が該当する。一方、液 状のものは、いわゆる蒸散剤と呼ばれている蒸散性(揮発性)の薬液を用いるも ので、例えば、ピレスロイド系、有機リン系化合物液などが該当する。
【0003】 前述の固形状の防虫剤の場合は、通常、プラスチック容器に収納したり、更に は、例えば、和紙又は不織布などで包装した形態で使用されている。このように 適当な包装手段により包装することは、防虫剤の昇華作用を制限して防虫効果の 持続性を高めると同時に、衣服との直接の接触を防ぐこともでき、薬剤自身によ る汚染を少なくできる等の効果を生む。即ち、このような包装は、固形状の防虫 剤そのものの欠点、即ち、昇華性による消失が極めて短期間の内に進行するとい った欠点や防虫剤との直接接触によって衣料等に汚れが付くといった欠点を補う 役割を果たす。
【0004】 このような固形タイプのものに対して前記液状の防虫剤は、固形状防虫剤に比 べてその防虫力は高いのが普通である。したがって、液状のタイプは、僅かな量 で高い防虫効果を示すことができる。 しかし、液状の防虫剤はその蒸気圧が固形状の防虫剤に比べて低く、また蒸散 量が少ないため、使用開始初期の段階では一般的に防虫効果が低いという欠点が ある。そのため、使用開始初期の段階における蒸散を活発化させる工夫が種々行 われている。例えば、液状の防虫剤は、該当の薬液を適当な吸液性の素材(保持 体)に含浸させることにより固体と同様に取り扱えるようにして、取り扱い性の 向上を図るのが周知となっているが、その場合に、前記保持体の形状を複雑化す るなどにより露呈する蒸散面積を拡大したり、あるいは保持体を薄板状にするな どの工夫を行って単位時間当たりの蒸散量の増大を図る。
【0005】 このような工夫によれば、使用開始初期から蒸散が活発に行われ、高い防虫効 果を期待することができる。 ところで、使用開始後一定期間が経過して使用場所雰囲気中における薬剤濃度 が有効濃度に達した後は、薬剤の消失分を補給する程度に蒸散量が制限されるこ とが好ましい。しかし、前述した蒸散面積の拡大等により初期の蒸散量を増やす 構造を採用した場合では、一定期間経過して使用場所雰囲気中におけるに薬剤濃 度が有効濃度に達した後も、初期と同様に活発な蒸散を継続するため、薬剤の過 剰供給という欠点を抱えてしまうことになる。
【0006】 このようなことから、使用開始初期および一定期間経過後の双方において共に 必要充分な効果を得ようとするために、例えば紙、プラスチック、多孔質物質等 による保持体の大きさや形状を、薬剤の特性に合わせた形態として工夫し、薬液 を含浸させた保持体をそのまま露呈させた状態で使用に供するタイプのものや、 適当な容器に収納した状態で使用に供するタイプのものなどが種々開発されてき た。
【0007】 また、吸液性の保持体に蒸散性の薬液を含浸させてなる防虫剤等は、その使用 期間(一般に、保持体の体積に比例する)や使用開始初期及び一定期間経時後の 蒸散量を計算し易くする目的から、シート状あるいはマット状のタイプとされる ことが多い。そして、従来では、保持体をシートタイプとして、該保持体に蒸散 性の薬液を含浸させたもの(以下、シートタイプの蒸散剤と呼ぶ)を通気性のあ る袋体にて包装した形態のものが、その取り扱い性や蒸散量のコントロール性の 点で優れると提案されてきた。
【0008】
ところが、薬液を含浸させた蒸散剤を袋体で包むようにしたものでは、蒸散剤 を包んだ袋体と蒸散剤との接触部において蒸散剤に含浸されている薬液が袋体に 吸い出される作用が生じ、この作用が薬液の蒸散を助ける場合がある。そして、 前述したシートタイプの蒸散剤の場合は、袋体との接触が面接触になるため、袋 体の接触による蒸散の助けが過大になり、その結果、蒸散剤に含浸されている薬 液の総量に比較して単位時間当たりの蒸散量が大きくなり過ぎて、薬効を長期間 にわたって継続させることが難しくなるという問題があった。 さらに、シートタイプの蒸散剤では、そのシート面の大きさにより前記袋体と の接触面積が決定されてしまい、その接触面積により蒸散量がほぼ決まってしま うため、蒸散量のコントロールが極めて困難になるという問題もあった。
【0009】 さらに又、シートタイプの蒸散剤の場合は、蒸散効果の持続性を向上させるた めに薬液の含浸量を増大させようとすれば、その厚みを大きくしなければならず 、この厚みを大きくすると、シートタイプの利点でもあったフレキシビリティが 損なわれて、例えば流通過程上の搬送作業等で破損し易くなるなど、取り扱い性 等の点で不便が生じる等の問題があった。 また、例えば樟脳のような固体の薬剤は、昇華によって実体が消滅してゆくこ とで薬効の終点を容易に確認することができるが、蒸散性の薬液を適当な保持体 に含浸させてなる蒸散剤の場合には、保持体の実体自体は消滅しないため、薬効 の終点の確認が難しく、薬効が既に切れているのに交換を忘れるとか、あるいは 薬効が残っているのに交換してしまうといった不都合が生じる虞もあった。
【0010】 そこで、本考案の目的は上記課題を解消することにあり、蒸散性の薬液の効果 を使用開始初期から充分に発揮させることができると同時に、蒸散量を適正に制 御して長期にわたって薬液の効力を持続させることができて、防虫剤等としての 利用を始めとして多様な用途に便利に使用することができる蒸散剤パックおよび 蒸散材包装体を提供することにある。
【0011】
本考案の上記目的は、蒸散剤が吸油材によって粒形状に成形された保持体に含 浸されており、さらに通気性を有しかつフレキシブルな袋体に前記保持体が複数 個収納されてなることを特徴とする蒸散剤パックによりにより達成される。 また、前記蒸散剤を収納するフレキシブルな袋体が吸液性を有していることを 特徴とする蒸散剤パックによっても上記目的を達成することができる。
【0012】 また、通気性を有しかつフレキシブルな袋体に粒形状の複数個の蒸散剤が収納 されており、前記蒸散剤は吸液素材に無機粉を添加混合したものを粒形状に成形 された保持体に蒸散液を含浸させてなることを特徴とする蒸散剤パックによって も上記目的を達成することができる。 また、通気性を有しかつフレキシブルな袋体に粒形状の複数個の蒸散剤が収納 されており、前記蒸散剤は吸液素材を粒形状に成形した保持体に薬効を持つ蒸散 液とこの蒸散液の薬効の終点を明示するインジケータを含浸させてなることを特 徴とする蒸散剤パック、或いは前記袋体にインジケータ機能を持たせたことを特 徴とする蒸散剤パックによっても上記目的を達成することができる。
【0013】 また、気密性を有した外側包装袋の中に上記のいずれかの蒸散剤パックを複数 個収容してなることを特徴とする蒸散材包装体によっても上記目的を達成するこ とができる。 また、上記の蒸散材包装体の構成に加えて、前記外側包装袋はその外側包装袋 の表面には、指定範囲を切除することにより収容されている蒸散剤パックの蒸散 成分を袋外に散逸させる蒸散調整口となる切除指定目印が設けられていることを 特徴とする蒸散材包装体によっても上記目的を達成することができる。 また、前記外側包装袋に装備される切除指定目印として、蒸散剤の使用条件に 応じて前記蒸散調整口の開口面積を選択し得るように、使用条件別に複数の切除 指定目印が設けられていることを特徴とする蒸散材包装体によっても上記目的を 達成することができる。 また、前記外側包装袋の切除指定目印は、当該外側包装袋上の複数箇所に分散 して設けられていることを特徴とした蒸散材包装体によっても上記目的を達成す ることができる。 更に、前記外側包装袋は少なくとも一部が該外側包装袋内部を目視可能な光透 過性の素材により構成されたことを特徴とする上記にいずれかの蒸散材包装体に よっても上記目的は達成される。
【0014】
本考案の上記構成によれば、蒸散剤は吸油材によって粒形状に成形された保持 体に所定の薬効を有した蒸散液を含浸させた構成であり、蒸散剤パックとして一 つの袋体に収納された複数個の蒸散剤全体の表面積のコントロールは、粒形状を なした各保持体の粒径の大きさや個数により柔軟に制御することができ、この表 面積コントロールに際しても全体体積が大きく変化することを回避することがで きる。そして、全体の体積をそれほど変えずに表面積等を調整し得るということ は、袋体として薬効の継続期間等の仕様別に種々の大きさのものを用意しておい て使い分けるといったことがなくなり、製品種類を低減させることが可能になる と同時に、製造に必要な袋体等の部材の管理が容易になり、生産コストの低下を 図ると同時に生産性を向上させることが可能になる。
【0015】 さらに蒸散剤を収納する袋体は通気性を有しかつフレキシブルな構成ものであ るので、収納した粒形状の蒸散剤の持つ流動性と合せて、蒸散剤パックはその形 状を使用箇所の形状等に合せて自由に変形させることができ、例えば、流通過程 等における搬送処理時や消費者の使用時における破損防止および使い勝手の向上 を果たし、多様な用途に便利に使用することが可能になる。 また前記蒸散剤が吸液性のあるフレキシブルな袋体中にある場合、蒸散剤が粒 形状であることから袋体と蒸散剤との面接触による蒸散の補助の行き過ぎを抑え つつ、その反面で蒸散を適度に進める作用を持たせることができ、さらに、袋体 を傾けることによって内部の蒸散剤の重なり状態並びに蒸散剤と袋体との接触状 態を変えることができ、これらによって、蒸散量のコントロールをより適正に行 うことが可能になり、蒸散性の薬液の効果を使用開始初期から充分に発揮させる ことが可能になると同時に、蒸散量を適正に制御して長期にわたって薬液の効力 を持続させることが可能になる。
【0016】 また、蒸散剤となる粒形状の保持体には予め無機粉を添加する構成としており 、前記無機粉として例えば硅石粉等を使用すれば、保持体の重量を増やし、重量 感のある蒸散剤を得ることが可能になり、軽過ぎるために商品価値が見劣りする ことを防止すると同時に、質感の向上によって取り扱い性を向上させることも期 待できる。 また、蒸散剤は吸液素材を粒形状に成形してなる保持体に所定の薬効を持つ蒸 散液とこの蒸散液の薬効の継続期間の終点を明示するインジケータとを含浸させ た構成で、該蒸散剤の薬効の有無は前記インジケータによる明示によっていつで も容易に確認することが可能になるため、薬効が残っているのにそれを確認でき ないために交換してしまったり、あるいは薬効が切れているの交換を忘れるとい った不都合の発生を防止することができる。 前記袋体にインジケータ機能を持たせることによって蒸散剤が見えない場合で も薬効が残っているか否かを確認できる。
【0017】 また、複数個の蒸散剤パックを気密性を有した外側包装袋に収容した形態で提 供する場合、前記外側包装袋を開封して、蒸散剤パック単位で利用する場合には 、狭いところ例えば和ダンス内の着物間に入れる場合や洋服ダンス内の衣類のポ ケット等に蒸散剤パックを入れて用いるのに適し、使用する蒸散剤パックの個数 を適宜選択することで、タンス等の使用箇所の容積等に合せて蒸散量をより細か く制御することができる。 また、外側包装袋を破損させずに、該外側包装袋に装備されている切除指定目 印に従って外側包装袋の一部を切除した場合には、該外側包装袋自体を、大量の 蒸散剤を収容した蒸散剤容器として利用することができ、そして、このような利 用をする場合には、使用条件に応じて外側包装袋に装備されている切除指定目印 を選択して切除することによって、使用条件に合致した蒸散量を得ることが可能 になる。よって、必要となる蒸散量が異なる多様な用途にも、柔軟に対応するこ とが可能になる。 更にまた、外側包装袋の少なくとも一部が該外側包装袋内部を目視可能な光透 過性の素材により構成されていることにより、インジケータによる表示を外側包 装袋の外部から確認することができる。
【0018】 また、一つの外側包装袋内に複数個の蒸散剤パックを収容したことによって、 搬送時や陳列時等には同梱されている蒸散剤パック相互が互いに他の蒸散剤パッ クに対して緩衝効果を生むため、さらに外側包装袋自体の破損が防止され、また 内部の蒸散剤パック同志が互いに保護し合い、外側包装袋自体の破損搬送作業や 陳列作業時に衝撃等で蒸散剤が破損するといった不都合の発生を防止する効果が 一段と向上し、取り扱いが容易になるといった効果も得られる。
【0019】
図1は、本考案に係る蒸散材包装体の一実施例を示したものである。この一実 施例の蒸散材包装体は、防虫剤や芳香剤等として使用される蒸散剤に所定の包装 を施した構成をなしたもので、複数個の蒸散剤パック1と、前記複数個の蒸散剤 パック1を密封する外側包装袋3とを備えた構成とされている。 以下、これらの各構成要素について順に詳述する。
【0020】 前記蒸散剤パック1は、蒸散剤5を通気性および吸液性を有したフレキシブル な袋体6に収納した構成をなしている。ここに、前記蒸散剤5は、吸油性および 吸液性を有した素材に無機粉を添加混合した後に小さな粒形状に成形した保持体 に、所定の薬効を有する蒸散液と該蒸散液の薬効の終点を明示するインジケータ とを含浸させたものである。
【0021】 この一実施例の場合は、吸油性および吸液性を有した素材としては、紙素材を 多孔性の粒状に成形したものを使用している。なお、吸油性および吸液性を有し た素材としては、上記のものの他に、例えば、紙(水筆用紙も含む)、不織布、 布、木材、ベニア、木粉、パルプ、無機高分子物質、無機多孔性物質(ケイ酸塩 、シリカ、ゼオライト等)、有機高分子物質(セルロース、ポリエチレン、ポリ 塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−塩化ビニル 共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等)、ゲル化物質(寒天、カラ ギーナン、澱粉、ゼラチン、アルギン酸等)、昇華性物質(アダマンタン、シク ロドデカン、ノルボルナン、トリメチルノルボルナン、エンド−トリメチルノル ボルナン、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等)を利用することも可能 である。また、これらの素材の内の一種又は2種以上を組み合わせて使用するこ ともできる。
【0022】 前記蒸散剤5は、この一実施例では、粒径が4〜6mm(4mmのふるいを通 過せず、6mmのふるいを通過したもの)の粒状としており、蒸散剤パック1の 1包当たりには、約2gの蒸散剤5(約63粒〜79粒)を充填することとして いる。しかし、この蒸散剤5の粒形状は、特に限定するものではなく、例えば、 図2の(a)に示す略球形状、図2の(b)に示す円柱錠剤形状、図2の(c) に示す矩形錠剤形状などの他、粉状など任意の剤型で使用することができる。そ して、2種以上の剤型を混在させてもかまわない。また、蒸散剤5の粒の形状や 大きさは、前述のように多少不均一であってもかまわない。
【0023】 この一実施例の場合、保持体に添加混合した無機粉は、硅石粉である。これは 、蒸散剤5に適当な重量を付与するために添加されている。この無機粉は、例え ば防虫剤等としての機能を得るために保持体に含浸させる蒸散液と化学反応しな い材質のものであれば、一実施例として示した物以外であってもよい。
【0024】 また、前記蒸散液としては、常温状態において蒸散性を有する液状の各種薬剤 を使用することができるが、この一実施例では、防虫剤(ベーパスリン)を有効 量例えば35mgと、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル=減感 剤(2−EHDG)を5〜60mgと、ロイコ体(ブルー63)を0.1〜10 mgと、イソパラフィン、流動パラフィン=発色助剤(3435プロセスオイル )を0〜35mgと、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(防黴剤)を適 量mgと、オイルピンク#312(着色剤)を適量とをエタノール適量に溶解さ せた成分組成のものを蒸散液として使用している。
【0025】 この成分組成において、2−EHDG、ブルー63、3435プロセスオイル 等は、蒸散液による効力の終点を色の変化で示すインジケータを構成するもので 、蒸散剤5の使用時に蒸散剤5の発色を変化させることによって使用者に防虫剤 等としての効力の有無を知らせる。
【0026】 なお、効力の終点を色の変化で通知するインジケータとしては、上記の構成に 限定するものではなく、公知の種々の方法を利用することが可能である。公知の インジケータとしては、代表的なものを次の[1]〜[8]に示す。 [1]特開昭61−56108号公報および特開昭61−56109号公報に 記載のもので、可塑剤又はベーパスリンを発色紙に含浸させる。ここに、前記発 色紙は、着色層ならびに、低屈折率顔料を含む耐油性,油透過性を示す地色層か らなり、屈折率の変化で発色し、消色で効力の終点を示すもの。 [2]特開昭62−4206号公報に記載のもので、ベーパスリンまたはベー パスリンに共力剤(PB又はサイネピリン500)を混合した液を一部に印刷の ある発色紙に含浸させ、該発色紙上の消色と印刷の残色で効力の終点を示すもの 。使用する発色紙自体は、前記[1]に記載のものと同様である。 [3]特開昭62−163965号公報および特開昭62−179640号公 報に記載のもので、揮散性減感性薬剤と電子供与性呈色性有機化合物と顕色剤か らなる薬効指示性組成物を用い、前記揮散性減感性薬剤の揮散による呈色反応の 色調の変化で効力の終点を示すもの。 [4]特開昭62−235562号公報に記載のもので、揮散薬剤等に付けて 使用して該薬剤の終点を示す指示体と、所定の薬剤を含浸・塗布・保持させた保 持体とを組合わせてなり、前記保持体に含浸・塗布・保持させる薬剤は、電子供 与性呈色性有機化合物、減感剤、顕色剤などから構成したもの。 [5]特開昭62−281802号公報に記載のもので、揮散性顕色薬剤又は 該薬剤と同等の揮散性の化合物と、電子供与性呈色性有機化合物と、減感剤とか らなる薬効指示性組成物を用いたもの。 [6]特開昭63−60901号公報に記載のもので、常温揮散性の減感性防 虫薬剤と電子供与性呈色性有機化合物と顕色剤とを含浸させた含浸体を、前記減 感性防虫薬剤に対して透過性を有した透明又は半透明の包装材にて包み、該包装 材の発色により効力の終点を示すもの。また、前記減感性防虫薬剤としてエンペ ンスリンを使用したり、前記包装材に模様を付けたもの。 [7]特開昭63−101301号公報に記載のもので、常温揮散性薬剤を含 んだ有色または経時変色する組成物を含浸体に含浸させ、該含浸体を目付け35 −70g/m2 の合成遷移の不織布で包装したもの。 [8]特開昭64−79284号公報に記載のもので、重合度200〜154 0のPEG溶液を、液体を含浸する事で呈色する水筆用紙に含浸させたもの。
【0027】 また、蒸散液として使用する薬剤としては、常温状態において蒸散性を有する ものであればよく、一実施例として示した前述のものの他に、例えば、(R,S )−1−エチニル−2−メチルペント−2−エニル(IR)−シス、トランスク リサンテマート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメチ ル−3−(2’,2’−ジクロルビニル)−シクロプロパン−1−カルボキシレ ート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメチル−3−( 2’−メチル−1’−プロペニル)−シクロプロパン−1−カルボキシレート、 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル2,2,3,3−テトラメチルシク ロプロパンカルボキシレート、ベンフルスリン、フェンフルスリン等のピレスロ イド系の殺虫殺ダニ化合物、DDVP、スミチオン等の有機リン系の殺虫殺ダニ 化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フマル酸ジ エチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド等の防虫・忌避剤、安息香酸エチル 、サフロール、インサフロール、オイゲノール、シトロネロール、アネトール、 1−カルボン酸等の防虫性香料、シトラール、シトロネラール、ネロール、ゲラ ニオール、酢酸リナシル、アセトフェノン、テルピネオール、メントン、安息香 酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸イソアミル、ユーカリプトール等の香料 、ケイ皮アルデヒド、ベンズアルデヒド等の防虫・防黴剤、サリチル酸フェニー ル、メントール等の防虫殺ダニ化合物などを挙げることができる。 上述の各種薬剤は、周知のごとく単独であるいは2種以上組み合わせて使用す ることができるものであり、防虫剤、殺虫剤、殺虫殺ダニ剤、防殺虫剤、防虫芳 香剤、防虫・防黴剤として使用することができるものである。
【0028】 前記袋体6は、例えば、天然繊維(和紙)、ポリエステル、ポリエチレン、ポ リアミド、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、セルロースなどの合成繊 維を、単独であるいは組み合わせて不織布や織布、あるいは微多孔性フィルムや ラミネートフィルムとした蒸散成分が透過するものを袋状に成形したもので、こ の一実施例の場合は、15〜70g/m2 の不織布を袋状に成形したものを利用 している。そして、一実施例における袋体6は、図3に示すように、粒形状の蒸 散剤5を内部に収納した後に、その開口をヒートシールなどにより接着して塞ぐ ことによって形成される。なお、この一実施例では、生産性を高めることから、 袋体6は予め長尺の筒状に成形し、その筒状体内に蒸散剤5を適量装填した後に 該長尺の筒状体上を一定ピッチでヒートシールすることにより、図4に示すよう に、複数個の蒸散剤パック1を連続した形態で得る生産法を採用することができ る。 しかし、前記袋体6は、図5に示すように、例えば長方形状の不織布の中央を 折り曲げるように形成して、該長方形状の不織布の外周縁部分を接着部7として 、その内部に適量の蒸散剤5を収納するようにしてもよい。さらに、この袋体6 の形状においても図示の形態に限定するものではない。
【0029】 前記外側包装袋3は、気密性の高いシート状部材を袋状に加工してなるもので 、当該外側包装袋3の表面には、図1にも示しているように、指定範囲を切除す ることにより収容している蒸散剤パック1の蒸散成分を袋外に散逸させる蒸散調 整口となる切除指定目印8a,8bが装備されている。外側包装袋3は、気密性 を高めることから、合成樹脂等による気密性シートや、裏面にアルミニウム層を 形成したラミネート構造の気密性シートをヒートシールして袋状に成形すること によって得る。また、この一実施例の場合は、外側包装袋3の一端側には、ヒー トシールした端部より少し内側に、開閉チャック9が装備されている。この開閉 チャック9は、ヒートシールされている端部を切除して外側包装袋3の一端を開 口させ、必要量の蒸散剤パック1を取り出したら再び外側包装袋3の開口を密封 したい場合に用いるものである。 なお、上述の開閉チャック9は特になくてもよい。
【0030】 前記切除指定目印8a,8bは、図6にも示しているように、袋の4隅に分散 して装備されている。これらの切除指定目印8a,8bは、袋の隅を三角形状に 切除するための輪郭を描いたものであるが、互いに切除する大きさが異なってい る。このような切除する大きさの相違は、蒸散剤の使用条件(例えば、使用空間 の容積や要求される蒸散成分の薬効の強度など)に応じて蒸散調整口の開口面積 を選択し得るように、使用条件別に装備したもので、図1および図6には図示し ていないが、それぞれの切除指定目印8a,8bは色分けや説明文の印刷等によ って使用条件が識別可能にされている。
【0031】 なお、図6は、片隅における切除指定目印8aに沿って、外側包装袋3の一部 を切除した状態を示している。符号の8cは、切除指定目印8aに沿った切除に よって開口した蒸散調整口を示している。 この切除指定目印は単なる目印でハサミ等によって切除する構成であってもよ いが、その他に密閉性を保つことができる構成であればミシン目の構成や適宜切 り目を入れた構成として手指にて開口できるようにしてもよい。
【0032】 以上の一実施例の蒸散剤パック1では、蒸散剤5は吸油材によって粒形状に成 形された保持体に所定の薬効を有した蒸散液を含浸させた構成であり、蒸散剤パ ック1として一つの袋体6に収納された複数個の蒸散剤5全体の表面積のコント ロールは、粒形状をなした各保持体の粒径の大きさや個数により柔軟に制御する ことができ、この表面積コントロールに際しても全体体積が大きく変化すること を回避することができる。そして、全体の体積をそれほど変えずに表面積等を調 整し得るということは、袋体6として薬効の継続期間等の仕様別に種々の大きさ のものを用意しておいて使い分けるといったことがなくなり、製品種類を低減さ せることが可能になると同時に、製造に必要な袋体6等の部材の管理が容易にな り、生産コストの低下を図ると同時に生産性を向上させることが可能になる。 本考案者の試験結果によれば、収容している複数個の蒸散剤5の表面積の総和は 袋体6の表面積よりも大きくすることができ、これにより蒸散量を格段に多くで きる。一方、効能期間を長くすべく例えば蒸散剤5の粒径を大きくした時などは 、袋体6の表面積全体に対して2%程度の場合の使用形態でもその効果を十分に 発揮できることが明らかになった。
【0033】 さらに蒸散剤5を収納する袋体6は通気性を有しかつフレキシブルな構成もの であるので、収納した粒形状の蒸散剤5の持つ流動性と合せて、蒸散剤パック1 はその形状を使用箇所の形状等に合せて自由に変形させることができ、例えば、 流通過程等における搬送処理時や消費者の使用時における破損防止および使い勝 手の向上を果たし、多様な用途に便利に使用することが可能になる。 また前記蒸散剤5が吸液性のあるフレキシブルな袋体6中にある場合、蒸散剤 5が粒形状であることから袋体6と蒸散剤5との面接触による蒸散の補助の行き 過ぎを抑えつつ、その反面で蒸散を適度に進める作用を持たせることができ、さ らに、袋体6を傾けることによって内部の蒸散剤5の重なり状態並びに蒸散剤5 と袋体6との接触状態を変えることができ、これらによって、蒸散量のコントロ ールをより適正に行うことが可能になり、蒸散性の薬液の効果を使用開始初期か ら充分に発揮させることが可能になると同時に、蒸散量を適正に制御して長期に わたって薬液の効力を持続させることが可能になる。
【0034】 また、蒸散剤5となる粒形状の保持体には予め無機粉を添加する構成としてお り、前記無機粉として例えば硅石粉等を使用すれば、保持体の重量を増やし、重 量感のある蒸散剤を得ることが可能になり、軽過ぎるために商品価値が見劣りす ることを防止すると同時に、質感の向上によって取り扱い性を向上させることも 期待できる。また、中性あるいは酸性に無機粉を混ぜることで、インジケータに おける顕色作用を持たせることができる。 また、蒸散剤6は吸液素材を粒形状に成形してなる保持体に所定の薬効を持つ 蒸散液とこの蒸散液の薬効の継続期間の終点を明示するインジケータとを含浸さ せた構成で、該蒸散剤5の薬効の有無は前記インジケータによる明示によってい つでも容易に確認することが可能になるため、薬効が残っているのにそれを確認 できないために交換してしまったり、あるいは薬効が切れているの交換を忘れる といった不都合の発生を防止することができる。
【0035】 また、複数個の蒸散剤パック1を気密性を有した外側包装袋3に収容した形態 で提供するため、前記外側包装袋3を開封して、蒸散剤パック1単位で利用する 場合には、狭いところ例えば和ダンス内の着物間に入れる場合に適し、使用する 蒸散剤パック1の個数を適宜選択することで、タンス等の使用箇所の容積等に合 せて蒸散量をより細かく制御することができる。そして、外側包装袋3を大きく 開封せずに、該外側包装袋3に装備されている切除指定目印8a,8bに従って 外側包装袋3の一部を切除した場合には、該外側包装袋自体を、大量の蒸散剤5 を収容した蒸散剤容器として利用することができ、そして、このような利用をす る場合には、使用条件に応じて外側包装袋3に装備されている切除指定目印8a ,8bを選択して切除することによって、使用条件に合致した蒸散量を得ること が可能になる。よって、必要となる蒸散量が異なる多様な用途にも、柔軟に対応 することが可能になる。
【0036】 また、一つの外側包装袋3内に複数個の蒸散剤パック1を収容したことによっ て、搬送時や陳列時等には同梱されている蒸散剤パック1相互が互いに他の蒸散 剤パック1に対して緩衝効果を生むため、さらに外側包装袋3自体が内部の蒸散 剤パック1を保護するため、搬送作業や陳列作業時に衝撃等で蒸散剤が破損する といった不都合の発生を防止する効果が一段と向上し、取り扱いが容易になると いった効果も得られる。 したがって、一実施例の蒸散材包装体によれば、防虫剤等の蒸散剤5を、和ダ ンスにも洋ダンスにも共通して使用することができるとともに、使用条件に応じ て柔軟に蒸散量を調節することができて、消費者側における使い勝手を著しく向 上させることができる。そして、さらには、販売者側では、例えば、洋ダンス用 と和ダンス用、あるいは小スペース用と大スペース用といった用途別に多種の製 品を生産管理する必要がなくなり、販売者側での管理等を単純化することも可能 になる。
【0037】 なお、前記袋体6の材質としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポ リアミド、ポリウレタン、アクリル、ポリプロピレン、セルロースなどの単独あ るいは組合せの合成繊維で構成された不織布や微多孔性フィルムを使用すること ができる。そして、その不織布は、例えば15〜75g/m2 程度の目付のもの を使用することができ、このような構造の不織布で包装することによって、蒸散 剤5の薬剤が不織布を介して他物質へ移行するのを防止できるだけでなく、不織 布は充分な気体透過性を有していることによって、薬剤の蒸散をそれ程犠牲にす ることなく接触汚染を防止することが可能である。 上記のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレ タン、アクリルなどの合成繊維製不織布は微少空隙を有しているにも拘わらず、 保持体から薬液を吸収しにくい性質を有している。 尚、前記袋体6に使用される不織布の目付は、蒸散剤5に含浸させた薬剤や保 持体の材質および粒径等により適宜選定できるものであり、例えば15g/m2 より小さい場合、不織布は薄くかつ粗い目になることから、蒸散剤5の確実な収 納にも影響がでる可能性があるだけでなく、薬液汚染の防止効果が低下してしま う。また、75g/m2 より大きくなった場合、袋体2は厚くなり且つ目も細か くなるために通気性がなくなり、薬剤蒸散量が極端に低下してしまうために望ま しくないものである。また、袋体6の厚み等によりインジケータに色が見えなく なるような場合には、この袋体自身にインジケータ機能を持たせることにより、 インジケータ機能を正確することができる。
【0038】 また、一実施例では、使用条件別に2種類の切除指定目印を外側包装袋3の4 隅に設けることとしたが、切除指定目印を設ける位置や、設ける数、および使用 条件の種類等は、一実施例に限定するものではない。設置箇所を1ヵ所に集約さ せたり、あるいは任意の複数箇所とすることもできるし、蒸散調整口の開口面積 を調整する切除指定目印の種類も3つ以上に設定して細かく調整可能にすること も考えられる。 また、蒸散調整口の開口面積の調整には、外側包装袋3に複数の孔を開けてこ の孔を粘着性のシートにより塞いでおき、このシートを剥がす量により調整する ことができる。さらに、前述の開閉チャック9の開放度合いを調節することによ っても蒸散量を調節することができる。 また、前記蒸散剤5の材料である保持体の製造方法は特に限定するものではな く、例えば粒形状のパルプを製造し、この粒状パルプを乾燥させた状態から、こ れに所望の後述する薬剤を吸収させることで製造することもできる。このように 製造した保持体は、その自重の5倍〜30倍程度の吸油性を有している。なお、 この乾燥した粒状パルプの製造方法については、例えば特公昭62−60491 号公報等に示されている。
【0039】
本考案の蒸散材包装体によれば、蒸散剤は吸油材によって粒形状に成形された 保持体に所定の薬効を有した蒸散液を含浸させた構成であり、蒸散剤パックとし て一つの袋体に収納された複数個の蒸散剤全体の表面積のコントロールは、粒形 状をなした各保持体の粒径の大きさや個数により柔軟に制御することができ、こ の表面積コントロールに際しても全体体積が大きく変化することを回避すること ができる。そして、全体の体積をそれほど変えずに表面積等を調整し得るという ことは、袋体として薬効の継続期間等の仕様別に種々の大きさのものを用意して おいて使い分けるといったことがなくなり、製品種類を低減させることが可能に なると同時に、製造に必要な袋体等の部材の管理が容易になり、生産コストの低 下を図ると同時に生産性を向上させることが可能になる。 さらに蒸散剤を収納する袋体は通気性を有しかつフレキシブルな構成ものであ るので、収納した粒形状の蒸散剤の持つ流動性と合せて、蒸散剤パックはその形 状を使用箇所の形状等に合せて自由に変形させることができ、例えば、流通過程 等における搬送処理時や消費者の使用時における破損防止および使い勝手の向上 を果たし、多様な用途に便利に使用することが可能になる。 また前記蒸散剤が吸液性のあるフレキシブルな袋体中にある場合、蒸散剤が粒 形状であることから袋体と蒸散剤との面接触による蒸散の補助の行き過ぎを抑え つつ、その反面で蒸散を適度に進める作用を持たせることができ、さらに、袋体 を傾けることによって内部の蒸散剤の重なり状態並びに蒸散剤と袋体との接触状 態を変えることができ、これらによって、蒸散量のコントロールをより適正に行 うことが可能になり、蒸散性の薬液の効果を使用開始初期から充分に発揮させる ことが可能になると同時に、蒸散量を適正に制御して長期にわたって薬液の効力 を持続させることが可能になる。 また、蒸散剤となる粒形状の保持体には予め無機粉を添加する構成としており 、前記無機粉として例えば硅石粉等を使用すれば、保持体の重量を増やし、重量 感のある蒸散剤を得ることが可能になり、軽過ぎるために商品価値が見劣りする ことを防止すると同時に、質感の向上によって取り扱い性を向上させることも期 待できる。 また、蒸散剤は吸液素材を粒形状に成形してなる保持体に所定の薬効を持つ蒸 散液とこの蒸散液の薬効の継続期間の終点を明示するインジケータとを含浸させ た構成で、該蒸散剤の薬効の有無は前記インジケータによる明示によっていつで も容易に確認することが可能になるため、薬効が残っているのにそれを確認でき ないために交換してしまったり、あるいは薬効が切れているの交換を忘れるとい った不都合の発生を防止することができる。さらに、袋体にインジケータ機能を 持たせるようにすることにより、袋体内の蒸散剤が見えない場合にもインジケー タ機能を発揮することができる。 また、複数個の蒸散剤パックを気密性を有した外側包装袋に収容した形態で提 供する場合、前記外側包装袋を開封して、蒸散剤パック単位で利用する場合には 、狭いところ例えば和ダンス内の着物間に入れる場合に適し、使用する蒸散剤パ ックの個数を適宜選択することで、タンス等の使用箇所の容積等に合せて蒸散量 をより細かく制御することができる。 また、外側包装袋を大きく開封せずに、該外側包装袋に装備されている切除指 定目印に従って外側包装袋の一部を切除した場合には、該外側包装袋自体を、大 量の蒸散剤を収容した蒸散剤容器として利用することができ、そして、このよう な利用をする場合には、使用条件に応じて外側包装袋に装備されている切除指定 目印を選択して切除することによって、使用条件に合致した蒸散量を得ることが 可能になる。よって、必要となる蒸散量が異なる多様な用途にも、柔軟に対応す ることが可能になる。 また、一つの外側包装袋内に複数個の蒸散剤パックを収容したことによって、 搬送時や陳列時等には同梱されている蒸散剤パック相互が互いに他の蒸散剤パッ クに対して緩衝効果を生むため、さらに外側包装袋自体が内部の蒸散剤パックを 保護するため、搬送作業や陳列作業時に衝撃等で蒸散剤が破損するといった不都 合の発生を防止する効果が一段と向上し、取り扱いが容易になるといった効果も 得られる。
【図1】本考案の一実施例の概略構成を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】図1に示す蒸散剤の粒形状を説明する斜視図で
ある。
ある。
【図3】図1に示す蒸散剤パックの斜視図である。
【図4】図1の蒸散剤パックの製造形態の説明図であ
る。
る。
【図5】本考案に係る蒸散剤パックの他の実施例の説明
図である。
図である。
【図6】図1の外側包装袋の説明図である。
1 蒸散剤パック 3 外側包装袋 5 蒸散剤 6 袋体 7 接着部 8a,8b 切除指定目印 8c 蒸散調整口 9 開閉チャック
Claims (10)
- 【請求項1】 蒸散剤が吸油材によって粒形状に成形さ
れた保持体に含浸されており、さらに通気性を有しかつ
フレキシブルな袋体に前記保持体が複数個収納されてな
ることを特徴とする蒸散剤パック。 - 【請求項2】 前記蒸散剤を収納するフレキシブルな袋
体が吸液性を有していることを特徴とする請求項1に記
載の蒸散剤パック。 - 【請求項3】 通気性を有しかつフレキシブルな袋体に
粒形状の複数個の蒸散剤が収納されており、前記蒸散剤
は吸液素材に無機粉を添加混合したものを粒形状に成形
された保持体に蒸散液を含浸させてなることを特徴とす
る蒸散剤パック。 - 【請求項4】 通気性を有しかつフレキシブルな袋体に
粒形状の複数個の蒸散剤が収納されており、前記蒸散剤
は吸液素材を粒形状に成形した保持体に薬効を持つ蒸散
液とこの蒸散液の薬効の終点を明示するインジケータを
含浸させてなることを特徴とする蒸散剤パック。 - 【請求項5】 前記袋体にインジケータ機能を持たせた
ことを特徴とする蒸散剤パック。 - 【請求項6】 気密性を有した外側包装袋の中に前記請
求項1乃至5のいずれかに記載の蒸散剤パックを複数個
収容してなることを特徴とする蒸散材包装体。 - 【請求項7】 前記外側包装袋はその外側包装袋の表面
には、指定範囲を切除することにより収容されている蒸
散剤パックの蒸散成分を袋外に散逸させる蒸散調整口と
なる切除指定目印が設けられていることを特徴とする請
求項6に記載の蒸散材包装体。 - 【請求項8】 前記外側包装袋には、蒸散剤の使用条件
に応じて前記蒸散調整口の開口面積を選択し得るよう
に、使用条件別に複数の切除指定目印が設けられている
ことを特徴とする請求項7に記載の蒸散材包装体。 - 【請求項9】 前記外側包装袋の切除指定目印は、当該
外側包装袋上の複数箇所に分散して設けられていること
を特徴とした請求項7または8に記載の蒸散材包装体。 - 【請求項10】 前記外側包装袋は少なくとも一部が該
外側包装袋内部を目視可能な光透過性の素材により構成
されたことを特徴とする請求項6乃至9に記載の蒸散材
包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993044262U JP2597878Y2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-08-12 | 蒸散剤パックおよび蒸散材包装体 |
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JP42993 | 1993-01-11 | ||
JP1993044262U JP2597878Y2 (ja) | 1993-01-11 | 1993-08-12 | 蒸散剤パックおよび蒸散材包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0665402U true JPH0665402U (ja) | 1994-09-16 |
JP2597878Y2 JP2597878Y2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=26333409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2597878Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5172002B1 (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-27 | 和気 清弘 | 袋入り抗菌剤 |
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-
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- 1993-08-12 JP JP1993044262U patent/JP2597878Y2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2597878Y2 (ja) | 1999-07-19 |
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