JPH0664819A - 印刷物の搬送方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自由な形態で印刷物を搬送していたのを強制的
な形態、例えば、グリッパにより送ることができるよう
に、印刷物の送りを変換するに当り、様々な用途に、よ
り容易に適合させることができ、スペース、複雑性の面
でも優れた方法と装置を提供する。 【構成】方法は基本的に４つの手順、すなわち、繰出し
送りＢが形成される第１の転回または反転１、印刷物間
の間隔を一定にするタイミング手順２、印刷物の前縁が
上向きとなる繰出し送りＤが生じる第２の転回または反
転３、及び、印刷物が個々にまたはグループごとにグリ
ッパにより受渡される受入れ４からなる。また、装置は
基本的に供給ベルトコンベヤ５と搬送手段６とからな
り、その間にタイミングエレメント21と少くとも１つの
中間ベルトコンベヤが配置されている。タイミングエレ
メント21は停止部材21.1と搬送部材21.2とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印刷物の後続処理作業
の分野に属するものである。本発明は、相互位置が一定
でない自由な形態の印刷物を相互位置が一定の強制的な
形態になるように流れを変換するものであって、平板状
製品、特に各種の折り重ね印刷物を搬送するために用い
られ、搬送手段を用いることによって屋根瓦を重ねた状
態の繰出し送りの形態で連続的に供給し、それらを前後
に所定の間隔を保つ１つの印刷物、または１つのグルー
プにするための方法と装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】印刷物は、例えば、回転機により、ある
いは、対応する緩衝部または保持部、例えば、ローラか
ら繰出し送りの形態で引き出される。後続処理作業およ
び搬送段階において、他の何らかの形態で、例えば各印
刷物または一連の印刷物がグリッパにより搬送され、け
ん引部材がこのような複数のグリッパを移動させるよう
な送りまたは搬送によって、このような印刷物を搬送す
ると都合がよい。このようにすると、個々の印刷物は相
互に相対位置が保たれていない自由な形態から、印刷物
の相関位置がグリッパあるいはそれに類する搬送具によ
り厳密に定まる強制的な形態になる。繰出し送りを、グ
リッパを備える送りに変えるために、対応する受渡区域
または受入区域へ供給ベルトコンベヤ上で導かれ、そこ
で、繰出し送りの形態にある印刷物がグリッパによりつ
かまれる。

【０００３】このような受入と搬送を行う装置は、例え
ば本出願人のスイス特許第６３０５８３号および欧州特
許第３３０８６８号から知られている。これらの明細書
には、例えば、回転機により広げられる繰出し送りをけ
ん引部材上で作動するグリッパを備える送りに変え、そ
の上で、各グリッパが１つまたは複数の印刷物を搬送す
る方法と装置とが説明されている。従来、繰出し送りに
あっては、印刷物が後続する印刷物または複数の印刷物
により一部が覆われるように配置されている。すなわ
ち、送出し方向における印刷物の前縁がその前側の印刷
物の上に乗っている。受渡しの間に１つまたは複数の後
続印刷物の下に印刷物を入れる必要のないように、前述
の方法は、繰出し送りが実際の受入れ前に、好ましくは
上方、または、下方に、約 180°転回し、それにより繰
出し送りの各印刷物が後続する１つまたは複数の印刷物
の上に乗り、従って、送出し方向の印刷物の前縁が送出
し側の接触する方（下側）にくるようにすることを述べ
ている。しかしながら、前述の明細書は、上側に前縁が
くるように繰出す場合の搬送に使用される実施例も説明
している。

【０００４】前述の装置の場合に、繰出し送りの印刷物
の間隔が一定でなければ、例えば、グリッパにより印刷
物が損傷を受けることがある。従って、印刷物の横方向
だけでなく、実際の受入れ前の搬送方向における間隔
も、受入れまたは受渡しの間に一定にするか、修正する
方が都合がよい。このようにして、例えば、スイス特許
第６３０５８３号は、不十分な間隔で繰出される印刷物
を受入れ直前に停止させ、その結果として、正しくタイ
ミングを取り、大きすぎる間隔で供給される印刷物は、
後続するグリッパに移すような手段を説明している。こ
のようにすれば、損傷を防ぐことができ、かつ、後続す
る送りのエラーを考慮に入れることができる。

【０００５】複数の印刷物が単一のグリッパにつかまれ
て搬送される場合、前述の明細書は、２つの変更態様を
説明している。すなわち、印刷物が停止位置でその方向
が設定され、それにより印刷物が最後にグリッパにより
拾い上げられた時に、それらの前縁が互いに重なるか
（スイス特許第６３０５８号）、あるいは、印刷物が繰
出し送りから相互間隔を維持し、それにより、任意の時
点で、かつ、補助手段を用いず印刷物を再度繰出し送り
の形に展開することができる（欧州特許第３３０８６８
号）かのいずれかである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述の装置は、複雑で
あり、かつ、あまりにも場所を取ることが判明した。こ
のことは、グリッパ中の印刷物の位置、または、グリッ
パでつかまれた複数の印刷物の相対的位置が、そのグリ
ッパの中で正確でなければならない場合、あるいは、実
際の受渡しの前に、繰出し送り中の印刷物の間隔を均一
にする独立した装置を備えることが必要である場合、特
に当てはまる。最大、かつ、最適の利用性をもたらすた
めには、対応する装置を種々の要件に容易に適合できる
ようにすることも望ましい。

【０００７】本発明の目的は、印刷物の送りを変換する
方法を提供することにある。本発明の方法の結果とし
て、自由な形態で印刷物を搬送していたのを強制的な形
態になるように、例えば、グリッパを用いて変換するこ
とが可能でなければならない。対応する公知の方法と比
較して、本発明の方法は、様々の用途に、より容易に適
合できる。また、本発明の目的は、適合性、スペースに
関する要件、及び、複雑性の程度の点で、公知の装置の
能力を向上させる方法を実施するための装置を提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、特許請求の
範囲に記載した方法とその装置とによって、達成するこ
とができる。すなわち、本発明による印刷物の搬送方法
は、相互位置が一定でない自由な形態の印刷物を相互位
置が一定の強制的な形態になるように流れを変換する方
法であって、少くとも１つの手順における供給送りが受
入れ形式に直され、前記受入れ形式で受入れ区域に送ら
れ、そこで強制的な形態になるような送りに変換される
ことを特徴とするものである。また、本発明による印刷
物の搬送装置は、印刷物を繰出し送りする供給ベルトコ
ンベヤ、印刷物を搬送する搬送手段、及び、前記供給ベ
ルトコンベヤと搬送手段間に受入れ区域を有する印刷物
の搬送装置において、供給ベルトコンベヤと搬送手段間
で繰出し送りのタイミングを取るタイミングエレメント
21と、タイミングエレメント21から搬送手段へ印刷物を
搬送する中間ベルトコンベヤとを備え、受入れ区域が中
間ベルトコンベヤと搬送手段との間にあることを特徴と
するものである。

【０００９】本発明をさらに詳しく説明する。本発明に
よる印刷物の搬送方法は、本質的に、グリッパによりつ
かまれる（強制的な形態）前に供給される（自由な形
態）繰出し送りの印刷物が、受渡しまたは受入れ形式に
されるというアイデアに基づいている。強制的な形態
は、受入れのための印刷物間の間隔が要件に従って正確
に調整され、かつ、要件に従って印刷物の前縁が繰出し
送りの上側または下側にある繰出し送り（自由な形態）
でもある。受入れ形式での印刷物の間隔を、元の繰出し
送りでの間隔と比較して、大きくするか小さくするか、
または単に均一にすることができ、あるいは、受入れ送
りのグループに形成することが可能である。ついで、こ
れらのグループは、それぞれの場合に、１つのグリッパ
でつかまれ、グループ間の距離が増大せしめられる一方
で、該グループ内では印刷物間の間隔を繰出し送りでの
対応する間隔と比較してゼロまで減らすことができる。
このことは、受入れ形式が、前縁の位置により、および
／または、タイミングによって、印刷物の所要間隔から
の相違が小さい形で、繰出し形式から異なり得ることを
意味する。グリッパは、受入れのために設定されたこの
ような繰出し送りをつかむ上で問題はなく、公知の方法
とは異なり、受入れ点では生じないこのような受入れ形
式が公知の方法から容易に形成され、かつ、適合させる
ことができる。

【００１０】本発明による印刷物の搬送方法の別の長所
は、それぞれの場合、一方で方向が定められ、他方で、
搬送のために、グリッパによりつかまれるのが各印刷物
の同一縁である点にある。

【００１１】本発明による印刷物の搬送方法は、４つの
手順、すなわち、タイミングのための第１の位置修正、
タイミング、受入れのための第２の位置修正、及び、有
効な受入れから成っている。２つの位置修正は、繰出し
送りの中の印刷物の位置が、後続の手順（タイミングま
たは受入れ）に対して正しくなく、通常約 180°の上方
または下方の転回により繰出し送りが反転されている場
合にのみ必要である。

【００１２】本発明による印刷物の搬送装置の主な特徴
は、繰出し送りを行う供給ベルトコンベヤと、その近傍
から印刷物を搬送する搬送手段との間に、タイミングエ
レメント、すなわち、クロックエレメントが設けられ、
また、該タイミングエレメントに続く搬送方向に中間ベ
ルトコンベヤが設けられており、タイミングエレメント
上流の搬送方向で別の中間ベルトコンベヤを設けること
ができる点にある。

【００１３】供給ベルトコンベヤの端部と搬送手段のグ
リッパによる受入れとの間で、受入れ形式が設定され
る。すなわち、個々の印刷物の相互の間隔はタイミング
エレメントにより設定され、また、印刷物の間隔の大き
さと繰出し送りと比較した場合の前縁の位置は、単数ま
たは複数の中間ベルトコンベヤにより設定される。

【００１４】タイミングエレメントは好ましくは印刷物
の前縁が、低い方の面にある状態で繰出し送りを処理
し、それにより、繰出し送り内での前縁の位置に応じ
て、該繰出し送りを、第１の中間ベルトコンベヤにより
タイミングエレメントの上流で約180°上方または下方
に転回しなければならない。前縁が上部にある繰出し送
りからの印刷物の受渡しがスペースの節約になることが
明らかになった。従って、別の中間ベルトコンベヤを用
いて、タイミングエレメントと受入れ個所間で、繰出し
送りを 180°だけ、再度、上方、または、下方に転回す
ると都合がよい。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面に基づい
て説明する。図１は、本発明の方法の線図で、供給ベル
トコンベヤによる供給と、搬送手段による搬送との間の
印刷物の種々の形態がＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、及び、Ｅで示さ
れており、一方、このような形態を作り出す個々の手順
が、１、２、３、及び、４で示されている。一般的な搬
送方向は、左から右であるが、２つの手順（下記説明を
参照）では、これらの送りが約 180°だけ、逆になる。

【００１６】印刷物の前縁が、繰出し送りの最上部A.1
にあるか、または、その最下部A.2にあり、しかも、繰
出し間隔が、例えば、30〜120mm であるような繰出し送
りが本発明の手順に供給される。A.1 の場合にのみ必要
である第１の手順（第１の転回）では、繰出し送りは、
印刷物の前縁が、最下部にある繰出し送りＢに変えら
れ、同時に繰出し間隔を大きくしたり、小さくしたりで
きる。繰出し送りＢの印刷物間の間隔は、均一にする
か、あるいは、手順２（タイミング）で、送りＣと差が
設けられる。従って、このような間隔を、単に均一にし
て、繰出し送りC.1を作るか、大きく、かつ、均一にし
て、印刷物間隔が、例えば、50〜120mm である繰出し送
りC.2 を作るか、あるいは、小さく、かつ均一にして、
繰出し送りC.3 を作る。

【００１７】別の方法として、その間隔に差を設けてそ
れにより前縁が重なったグループが形成され（２つから
成るグループ：C.4 、３つから成るグループ：C.5 、な
ど）、それらが繰出し送りとして、または、併置形式で
搬送されるか、あるいは、印刷物の前縁間の間隔が指定
されているグループ（２つから成るグループ：C.6 、３
つから成るグループ：C.7 、など) も、併置形式で、ま
たは、繰出し送りとして搬送され得る。繰出し送りＤの
受入れが、最上部に前縁があることを目的とする場合に
のみ必要である第３の手順３（第２の転回）では、繰出
し送りＣは、再度、転回されて、繰出し送りＤとなり、
ついで、繰出し送りＤでは、印刷物または印刷物グルー
プの前縁が、再び、上方に向けられる（D.1 〜D.7)。最
終の手順４（受入れ）では、印刷物が、搬送手段のグリ
ッパで、個別に、または、グループで、受け取られ、こ
の結果、送りＥが生ずる（E.1 〜E.7 、グリッパは、図
示されていない) 。

【００１８】第１の転回または反転（手順１）は、供給
された送りＡの印刷物の前縁が最上部にある場合にのみ
必要であるが、最下部に前縁を備える場合には、この例
では不必要である。これは、約 180°の上方または下方
の繰出し送りの転回から成り、そのような転回は、通
常、ベルトコンベヤ（第１の中間ベルトコンベヤ）の転
回個所または反転個所で生じ、同時に、印刷物が加圧ベ
ルトによりコンベヤベルトに押し付けられる。ベルトコ
ンベヤと加圧ベルト間で繰出し送りが行われるように加
圧ベルトは位置決めされ、加圧ベルトがコンベヤベルト
と同じ速度で移動しながら、繰出し送りに接触圧を加え
る。第１の中間ベルトコンベヤと供給ベルトコンベヤの
速度が同じであると、供給ベルトコンベヤから中間ベル
トコンベヤまでの転移において、印刷物間の間隔に変化
はないが、それに反して、中間ベルトコンベヤの速度の
方が大きい場合には、その間隔が大きくなり、また、中
間ベルトコンベヤの速度の方が小さい場合には、その間
隔が小さくなる。

【００１９】搬送方向において、供給ベルトコンベヤ
か、または、第１の中間ベルトコンベヤに統合されてい
るクロックエレメントすなわちタイミングエレメントに
よりタイミング（手順２）を取る。この先行技術には、
繰出し送りの間隔を単に均一にするようなタイミングエ
レメントが、すでに開示されている。対応するエレメン
トが、本出願人の欧州特許第２５４８５１号と米国特許
第４９０５９８１号明細書に説明されており、一方のタ
イミングエレメントが、印刷物の前縁と相互に作用し、
他方が、印刷物の後縁と相互に作用する。本発明の課題
を解決するためには、ここでは、均一にするだけでな
く、供給された繰出し送りをセッティングに応じて差を
設けることもできるタイミングエレメントを有すること
が必要である。これら２つの異なる機能のために、タイ
ミングエレメントを取替えることが必要であってはなら
ない。その代わりとして、手によるセッティングの対応
制御指示を通じて、あるいは、中央の主制御システムか
ら、切替えが可能でなければならない。対応するタイミ
ングエレメントを、以下の図面に基づいて説明する。

【００２０】タイミングエレメントの第２の機能は、印
刷物を第２の中間コンベヤへ移すことである。第２の中
間ベルトコンベヤの速度が、印刷物をタイミングエレメ
ントに搬送するベルトコンベヤの速度と同一である場合
には、第２の中間ベルトコンベヤ上の繰出し送りの印刷
物間の平均間隔は、タイミングエレメントの上流のもの
と同一となる。第２の中間ベルトコンベヤの速度の方が
大きい場合には、間隔が大きくなる。それに反して、そ
の速度が小さい場合には、印刷物間の間隔が小さくな
る。

【００２１】第３の手順では、タイミングエレメント、
並びに、ベルトコンベヤの速度比率によって作り出され
た繰出し送りには、受入れ地点に搬送され、そして、そ
の地点では、繰出し送りの最上部に印刷物の前縁がくる
ように受入れる必要がある場合には、該繰出し送りを、
約 180°だけ、上方にまたは下方に転回するか、あるい
は、反転させることができる。そのように転回させるた
めに、第２の中間ベルトコンベヤを、第１のものと同様
に備える。

【００２２】印刷物の側縁がタイミングエレメントを通
過する前に、その側縁の位置について印刷物を方向付け
ることが都合がよい。これは対応する側面くせ取り装置
を、供給ベルトコンベヤの端の近傍に設置するか、また
は、第１の中間ベルトコンベヤの近傍に設置すると、最
高のものとなる。

【００２３】図２は、本発明の装置の好適な実施例を、
図示的に示したものである。これは、第１の転回、タイ
ミング、及び、第２の転回を用いる方法を実施する装置
である。装置各部のグールプ、及び、対応する手順に関
して処置された印刷物の形式には、図１に示されるもの
と同一の参照符号または文字が与えられている。すなわ
ち、供給送りＡ、第１の転回１（実質的には、第１の中
間ベルトコンベヤ）、前縁が下方に向けられている繰出
し送りＢ、タイミング２（実質的には、タイミングエレ
メントを有する最初と第２の中間ベルトコンベヤ間の区
域）、前縁が下方に向けられている均一か、または、差
を設けた繰出し送りＣ、第２の転回３（実質的には、第
２の中間ベルトコンベヤ）、受入れ送りＤ、受入れ４
（実質的には、第２の中間ベルトコンベヤの排出区域
と、搬送手段の受入れ区域）、及び、グリッパを用いる
送りＥである。

【００２４】ベルト51、巻取ロール52、及び排出ロール
53から成る供給ベルトコンベヤ５上に、供給送りを供給
する。供給ベルトコンベヤは、側面くせ取り装置54の横
に配置することができ、しかも、もし、いかなる理由で
も、供給される繰出し送りが、搬送装置に供給できなけ
れば、位置5'で旋回できるように旋回可能に組み立てる
ことができる。

【００２５】第１の転回または反転（手順１）は、第１
の中間ベルトコンベヤによって行われる。このベルトコ
ンベヤは、例えば、４つ（少なくとも３つ）のロール1
5.1〜15.4、及び、反転ロール12の上を走る加圧ベルト1
4だけでなく、少くとも２つのロール、すなわち、反転
ロール12と排出ロール13の上を走る転回または反転ベル
ト11を有する。加圧ベルト14の４つのロール15.1〜15.4
のうちで、１つのロール15.4が供給ベルトコンベヤ５の
排出ロール53の近傍に位置し、かつ、中間ベルトコンベ
ヤ用の巻取ロールとして役立つ。加圧ベルト14は反転ロ
ール12により反転せしめられる結果、ロール15.1〜15.4
で囲まれた多面体の中において凹形曲線として突出した
形状となるように配置され、しかも、供給ベルトコンベ
ヤに面したその部分が、供給ベルトコンベヤの搬送方向
とほぼ同一方向になるように配置される。反転ロール12
または排出ロール13の一つが駆動されると同時に、加圧
ベルト14は反転ベルト11により走行せしめられる。

【００２６】２回目の転回または反転（手順３）用の第
２の中間ベルトコンベヤは、本質的に、第１の中間ベル
トコンベヤと同一の構造である。すなわち、４つのロー
ル35.1〜35.4を備えた加圧ベルト34を有し、さらに、反
転ロール32と排出ロール33とを備えた転回または反転ベ
ルト31を有する。また、前記４つのロールのうちロール
35.4は巻取ロールとして役立ち、かつ、第１の中間ベル
トコンベヤの排出ロール13の近傍に位置している。

【００２７】第１の中間ベルトコンベヤの排出ロール13
と、第２の中間ベルトコンベヤの巻取用のロール35.4と
の間にクロックエレメントまたはタイミングエレメント
21を備える。この区域では、繰出し送りのタイミングが
取られる（手順２）。すなわち、印刷物は、停止部材2
1.1で停止せしめられ、かつ、排出部材21.2によりタイ
ミングを取りながら、停止部材21.1の上に持上げられ
る。タイマの機能と構造は、図３及び図４に示されてい
る。第２の中間ベルトコンベヤにおいて、印刷物のタイ
ミングと後続する引継とが整然と行われるように、加圧
ベルト24により印刷物をさらにこの地点の上に持上げ
る。この加圧ベルト24は、例えば、３つのロール25.1〜
25.3上を走行し、かつ、可動搬送部材21.2により、３つ
のロールが定めた経路から容易に逸される。第２の中間
ベルトコンベヤの速度は、引継がれようとする印刷物の
間隔によって決まる。

【００２８】第２の転回に形成された繰出し送りは、対
応搬送手段６（手順４）のグリッパ41.1〜41.3などによ
って、第２の中間ベルトコンベヤの排出ロール33の近傍
において印刷物をつかむことにより行われる。そのよう
な配置は、引用した先行技術と一致しており、従って、
ここでは説明を省略する。つかまれた各印刷物は、最終
的に、繰出し送りから解放される（図面では、グリッパ
41.4及び41.5）まで、図面に示されるように、受入れ地
点の上においてグリッパを直線的に動かすことが都合が
よい。その場合にのみ、グリッパが反転ロールの円弧回
りに加速される。

【００２９】図２に示される装置は、例えば、共通の駆
動装置61により駆動させることができ、個々のベルトの
駆動装置と対応して連動することが必要である。受入れ
送りにおける平均間隔に対して供給送りにおける印刷物
の間隔の比率を調節できるように、様々な用途に装置を
適合させ得る場合には、伝動手段が対応的に調節できな
ければならない。

【００３０】前縁が上方に向けられて供給される繰出し
送りの変更態様として図２に示されている本発明の方
法、及び、同様に、前縁が上方に向けられている印刷物
の受入れを実施するための装置は、最小限の床面積とす
ることができるという利点を与えるが、その代わり、高
さが伸びる。ただし、通常、スペースの制限は、ずっと
少ない。接近可能なハウジングの中に装置全体を収容で
き、そのハウジングでは、繰出し送りが最下部に供給さ
れ、また、印刷物が最上部に搬送される。

【００３１】その他の要件に関して、本発明の装置の好
適な実施例は、以下の通りである。

【００３２】前縁が下方に向けられている供給送りで
は、供給ベルトコンベヤの排出ロールの直後のタイマ、
第１の中間ベルトコンベヤを必要としない。

【００３３】前縁が下方に向けられている繰出し送りか
らの受入れでは、第２の中間ベルトコンベヤを反転ベル
トコンベヤとせず、単純な直線コンベヤベルトとする。
このベルトの機能は、第１の中間ベルトコンベヤまたは
供給ベルトコンベヤでの印刷物の間隔、及び、受入れで
の間隔の比率を（対応する相対速度により）調節するこ
とと、タイミングエレメントと中間ベルトコンベヤで準
備された受入れ形態で受入れ地点またはステーションに
印刷物を搬送することである。

【００３４】図３は、図２に関連して、すでに一般的に
説明されたタイミングエレメント21の好適な実施例を示
している。図２においては、第１の中間ベルトコンベヤ
の排出ロール13（これは、供給ベルトコンベヤの排出ロ
ール53においてもあり得る）、第２の中間ベルトコンベ
ヤの巻取用のロール35.4、タイミング系の加圧ベルト24
の２つのロール25.1、25.2、と、第１の中間ベルトコン
ベヤにおける反転ベルト11の対応部分、第２の中間ベル
トコンベヤである転回手段の加圧ベルト34、及び、タイ
ミング手段の加圧ベルト24を見ることができる。印刷物
の搬送方向は、矢印Ｆで示されている。

【００３５】タイミングエレメント21は、固定された停
止部材21.1を有し、また、その停止端部21.1' は、第１
の中間ベルトコンベヤのコンベヤベルト11により搬送さ
れる印刷物より上方で停止するように、排出ロール13、
巻取用のロール35.4、加圧ベルト24間に配置されてい
る。停止部材21.1には、印刷物を搬送方向と直角に置き
換えることなく印刷物を停止できるようにする延長部が
搬送方向に備えられている。この横延長部の中央におい
て、停止部材21.1には、少くとも、その停止端部21.1'
の近傍に、搬送部材21.2を移動させ得る空隙が設けられ
ている。

【００３６】停止端部21.1' を二等分する線の回りにお
いて搬送端部21.2' が搬送方向に垂直な楕円経路Ｈを描
くことができるように、搬送部材21.2を可動自在に配置
する。この運動の方向は、搬送端部21.2' が停止部材2
1.1の背後にある時には搬送方向に対して上方に動き
（矢印Ｇ）、搬送端部21.2' が停止部材21.1の上流にあ
る時には下方に動く（矢印Ｇ’）。搬送端部21.2' は、
上記運動を行うことができるように停止部材21.1の中央
における空隙よりも広くしてはならない。

【００３７】搬送部材21.2は例えばロッド状であり、搬
送方向に対して直角方向の広幅の搬送端部21.2' を有し
ており、駆動ホイール71と案内ホイール72とにより作動
せしめられる。２つのホイール軸は、搬送方向に垂直で
あって、ほぼ互いに垂直であり、しかも、停止部材21.1
の停止端部21.1' の下方において垂直である。軸からｒ
の間隔を置いた回転点P.1 （固定点）に回転可能な止具
73を備えた駆動ホイール71に対して、搬送部材21.2が固
定され、そして、軸からＲの間隔を置いた回転点P.2
（案内点）に、回転するように取付けられたガイド74の
案内ホイール72で導かれる。固定点P.1 で描かれる円の
直径2rは、案内点P.2 で描かれる円の直径2Rよりも小さ
い。駆動ホイール71と案内ホイール72とが、同一の回転
速度で駆動される場合には、搬送端部21.2' は、垂直の
長軸が直径2rに一致するような楕円を描く。

【００３８】搬送端部21.2' が停止端部21.1' の上流
か、または、停止端部21.1' の下方にあって搬送方向に
ある時には、タイミング手段の近傍に搬送される印刷物
は、停止部材21.1により停止せしめられる。搬送端部2
1.2' は、そのように止められた印刷物に下方から、す
なわち、搬送方向Ｆで非常に小さい速度で、接近する。
後続運動する間、該搬送端部21.2' は止められた印刷物
を停止端部21.1' の区域から持上げて加圧ベルト24に押
付け、同時に、印刷物を加速する。このような方法で、
印刷物が停止端部21.1' の上に持上げられ、そして、印
刷物の搬送に対して責任のある加圧ベルト34と加圧ベル
ト24との間の区域に通される。明らかに、印刷物の運動
は、搬送端部21.2' の楕円運動の頻度に対するベルト11
上の印刷物の頻度の比率によって決まる。また、これら
２つの運動間の位相変位、及び、以上の両方のパラメー
タは、いかなる機械的動作なしに広い範囲内で容易に設
定することができる。

【００３９】図４は、テイミングエレメントの機能に関
して３つの例を示すものであって、その機能が、停止部
材21.1、搬送部材21.2、並びに、一方では搬送部材21.2
の搬送端部21.2' の楕円運動経路Ｈ、また、他方では、
タイミングエレメントの近傍に搬送された印刷物80.1〜
80.3、81.1〜81.3、及び、82.1〜82.3により、図解的に
表現されている。その機能は、繰出し送りのタイミング
時間Ｔ（その先行エレメントの位置まで印刷物を搬送す
るために必要な時間）に対する搬送部材の回転時間T.1
〜T.3 の比率により、また、２つの運動の位相変位φ.1
〜φ.3により、換言すれば、例えば、搬送部材が最も高
い位置にある時に停止部材から、次の前縁が移される時
間により、決定される。

【００４０】上段は供給される繰出し送りの間隔を均一
にすることを示し、中段は前縁が重ねられた２つのもの
から成るグループの形式を示し、下段は間隔に差を設け
た２つのものから成るグループの形式を示す。縦列は仮
定された特定の位置でのタイミングエレメントを表して
いる。第１列では、搬送部材21.2は最も高い位置にある
が、それに反して、後続する列では、それぞれの場合に
90°移動した後、結果的に１番右の列では、タイミング
エレメントが第１列のものと同一の位置となる。かくし
て、第１列と最終列との間で搬送端部21.2' が１回楕円
運動を行ったことになる。

【００４１】印刷物の間隔を均一にするために、停止部
材21.1及び搬送部材21.2が各印刷物と相互に作用しなけ
ればならない。換言すれば、個々の印刷物は停止部材2
1.1で停止せしめられ、かつ、搬送部材21.2により停止
部材21.1の上に搬送されなければならない(T.1＝Ｔ）。
不揃いの補正処置は、印刷物の遅延でφ.1＝T/4 （示さ
れる通り）の位相変位に限定される。換言すれば、半サ
イクル遅れて搬送された印刷物は図４の上段に従った配
置により補正されるが、それに反して、そのクロック時
間よりも前に搬送された印刷物は先の印刷物に対して、
あまりにも早く１サイクルを通過し、しかも、タイミン
グ系を通じての間隔が小さ過ぎる。この補正処置は位相
変位を変えて修正することができる。例えば、φ.1＝T/
2 の位相変位を用いて、大き過ぎるか、または、小さ過
ぎる間隔をT/4 まで補正することができる。

【００４２】図４の中段は前縁が重なり合った２つのも
のから成るグループの形態を示しており、この目的では
T.2 ＝2T、及び、φ.2＝０である。下段は差を設けた繰
出し送りの形態を示しており、ここではタイミングを取
った後の印刷物の間隔はT/2、3T/2、T/2 、3T/2などで
ある。この動作の条件は、T.3 ＝2T、およびφ.3＝3T／
４である。この繰出し送りにおける不揃いは、２つのも
のから成るグループの形態を保っている間は限られた程
度まで補償される。また、タイミングを取った後の印刷
物の有効な間隔は、タイミングエレメントの前後の間隔
の比率によっても決まる。

【００４３】図４に示されるタイミングエレメントの機
能は、比率Ｔ／T.x と位相変位φ.xを変えることによ
り、ほぼランダムに拡張することができる。楕円Ｈの水
平直径と、タイミングエレメントの上流の印刷物間隔と
の様々の比率により、後続の変更態様も可能である。本
発明タイミングエレメントを２以上連結することによ
り、種々形態の異なった送りを可能ならしめることがで
きる。そのために、それぞれの場合に、２つのタイミン
グエレメント間にコンベヤベルトを追加配置することが
常に必要である。

【００４４】

【発明の効果】本発明による搬送方法は、印刷物の送り
を変換するに当って種々形態の異なった送りを行わせる
のにきわめて容易に適合させることができ、様々な用途
に適合できるという効果がある。

【００４５】本発明による搬送装置は、印刷物の送りの
形態を種々異ならしめる場合の適応性に優れているのみ
ならず、スペースを余り取らず、構造も簡単であるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】種々の変更態様を有する本発明の搬送方法の実
施例を示す概略図である。

【図２】搬送方向に直角の方向から見た本発明の装置の
実施例を示す全体図である。

【図３】図２と同じ方向から見たタイミングエレメント
付近の詳細図である。

【図４】タイミングエレメントの機能図である。

【符号の説明】

Ｂ…繰出し送り、 １…第１の転回または反転、 ２…
タイミング手順、Ｔ，T.1 〜T.3 …タイミング、 φ.1
〜φ.3…位相変位、 21…タイミングエレメント、 2
1.1…停止部材、 21.1' …停止端部、 21.2…搬送部
材、 21.2'…搬送端部、 Ｄ…繰出し送り、 ３…第
２の転回または反転、 31…コンベヤベルト、 32…反
転ロール、 33…排出ロール、 34…加圧ベルト、 3
5.4…ロール、 ４…受入れ、 ５…供給ベルトコンベ
ヤ、 ６…搬送手段、 71…駆動ホイール、 72…案内
ホイール、 P.1 〜P.2 …回転点。

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相互位置が一定でない自由な形態の印刷物
   を相互位置が一定の強制的な形態になるように流れを変
   換する方法であって、少くとも１つの手順における供給
   送りが受入れ形式に直され、前記受入れ形式で受入れ区
   域に送られ、そこで強制的な形態になるような送りに変
   換されることを特徴とする印刷物の搬送方法。
2. 【請求項２】前記供給送り及び受入れ形式が統計的なば
   らつきを伴う繰出し間隔を有する繰出し送りであり、該
   繰出し送りにおける統計的ばらつきの大きさにより、前
   記受入れ形式を印刷物の前縁の位置、および／または周
   期的に変わる印刷物の間隔により異ならしめることがで
   きることを特徴とする請求項１記載の印刷物の搬送方
   法。
3. 【請求項３】前記受入れ形式は均一もしくは差が設けら
   れた繰出し送りであって、印刷物の前縁が上側もしくは
   下側に位置せしめられることを特徴とする請求項２記載
   の印刷物の搬送方法。
4. 【請求項４】タイミングと受入れの少くとも２つの手順
   を備え、タイミングおよび／または受入れ手順に先立ち
   位置修正の形の後続手順を行うことが可能であることを
   特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の印刷物の
   搬送方法。
5. 【請求項５】少くとも１つの手順における印刷物は、そ
   の前縁が底面に位置するごとく繰出されることを特徴と
   する請求項１から４のいずれかに記載の印刷物の搬送方
   法。
6. 【請求項６】必要に応じて、第１の手順１で印刷物の前
   縁がその底面の下にくるように変換され、第２の手順２
   で印刷物間の間隔が受渡しのために調整され、第３の手
   順３で印刷物の前縁がその上面の上に乗るように変換さ
   れ、第４の手順４でグリッパによりつかまれることを特
   徴とする請求項５記載の印刷物の搬送方法。
7. 【請求項７】第２の手順２で印刷物の間隔が均一に保持
   せしめられ、均一に増加せしめられ、さらに均一に減少
   せしめられ、あるいは、印刷物の間隔に差が設けられる
   ことを特徴とする請求項６記載の印刷物の搬送方法。
8. 【請求項８】供給された印刷物間に差が設けられること
   によって、前縁が重なったグループまたは、前縁間に所
   定の間隔を有するグループが形成され、第４の手順でこ
   れらグループの各々がグリッパによりつかまれることを
   特徴とする請求項７記載の印刷物の搬送方法。
9. 【請求項９】手順２におけるタイミングが、繰出し送り
   のタイミングＴに対する搬送部材のタイミングT.1 〜T.
   3 と前記２つのタイミングサイクルの位相変位φ.1〜
   φ.3とを調整することにより調整されることを特徴とす
   る請求項１から８のいずれかに記載の印刷物の搬送方
   法。
10. 【請求項１０】印刷物を繰出し送りする供給ベルトコン
    ベヤ、印刷物を搬送する搬送手段、及び、前記供給ベル
    トコンベヤと搬送手段間に受入れ区域を有する印刷物の
    搬送装置において、供給ベルトコンベヤと搬送手段間で
    繰出し送りのタイミングを取るタイミングエレメント21
    と、タイミングエレメント21から搬送手段へ印刷物を搬
    送する中間ベルトコンベヤとを備え、受入れ区域が中間
    ベルトコンベヤと搬送手段との間にあることを特徴とす
    る印刷物の搬送装置。
11. 【請求項１１】前記中間ベルトコンベヤが反転コンベヤ
    とコンベヤベルト31とで構成され、該コンベヤベルト31
    が少くとも１つの排出ロール33と反転ロール32上を走行
    し、加圧ベルト34が少くとも３つのロールと反転ロール
    32上を走行し、そのうちの１つのロール35.4がタイミン
    グエレメント21の近傍に位置することを特徴とする請求
    項１０記載の印刷物の搬送装置。
12. 【請求項１２】供給ベルトコンベヤとタイミングエレメ
    ント21間に別の中間ベルトコンベヤが設けられ、該中間
    ベルトコンベヤも反転コンベヤとして構成されているこ
    とを特徴とする請求項１０または１１記載の印刷物の搬
    送装置。
13. 【請求項１３】タイミングエレメント21が、固定停止部
    材2121.2可動搬送部材21.1とを備えていることを特徴と
    する請求項１０から１２のいずれかに記載の印刷物の搬
    送装置。
14. 【請求項１４】停止部材21.1が搬送方向に対して直角に
    伸び、その中央領域で空隙を有し、搬送部材21.2がこの
    空隙を通って動くように配置されていることを特徴とす
    る請求項１３記載の印刷物の搬送装置。
15. 【請求項１５】搬送部材21.2は、搬送端部21.2’が搬送
    方向に対して直角方向に広がっている状態でロッド状に
    構成され、駆動ホイール71に回転可能に取付けられ、さ
    らに、案内ホイール72に回転するように取付けられたガ
    イド74上を導かれることを特徴とする請求項１４記載の
    印刷物の搬送装置。
16. 【請求項１６】駆動ホイール71及び案内ホイール72が相
    互に直角に配置されているとともに、停止部材21.1の停
    止端部21.1’の下方に直角に配置されていることを特徴
    とする請求項１５記載の印刷物の搬送装置。
17. 【請求項１７】駆動ホイール71の軸と回転点P.1 間の距
    離ｒが案内ホイール72の軸と回転点P.2 間の距離Ｒより
    も小さいことを特徴とする請求項１６記載の印刷物の搬
    送装置。
18. 【請求項１８】少くともさらに１つのタイミングエレメ
    ントが前記タイミングエレメント21と中間ベルトとの間
    に配置され、別のコンベヤベルトがこれら２つのタイミ
    ングエレメント間に各々設けられていることを特徴とす
    る請求項１０記載の印刷物の搬送装置。