JPH0664818B2 - ディスクカセットのシャッタ開閉機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はディスクカセットのシャッタ開閉機構に係り、
さらに詳しくはカセットのシャッタ部材の開閉機構を改
良したディスクカセットのシャッタ開閉機構に関するも
のである。

［従来の技術］ 円板状の磁気ディスクを上下１組のカセットハーフ内に
回転自在に収容した磁気ディスクカセットが知られてい
る。

この種の磁気ディスクカセット（以下カセットを略称す
る）は記録，再生時に磁気ヘッドが嵌入する窓（ヘッド
ウインド）が形成されており、さらに、この窓を開閉す
るシャッタ部材が取り付けられている。

このシャッタ部材は磁気ディスク装置側に設けられた開
閉機構と連動してカセットが装着された場合に窓を開放
し、装置からカセットが抜き取られた場合に窓を閉じる
ように構成されている。

従来のこの種のカセットのシャッタ開閉機構を第６図〜
第10図に示す。

第６図はカセットを説明するもので、カセット１は上下
のカセットハーフを突き合わせて一体化させ、偏平な筐
体として構成してあり、内部には円板状の磁気ディスク
２が回転自在に収容されている。

磁気ディスク２は中心部にセンターハブ３を有し、この
センターハブ３がカセット１の中央部の上下に形成され
た円形の開口部1aから外方に臨まされている。

センターハブ３の中心より離れた位置にはPGピン４が埋
設されており、記録再生時における位相制御に用いられ
る。

又、カセット１には装着時における位置決め孔5,6が形
成されている。

一方、符号７で示すものはシャッタで、断面が偏平なコ
字状に形成されており、カセット１の１つの側縁の上下
に形成された１段低くなった凹部ｂを上下に挟んで摺動
自在に嵌合されている。このシャッタ１の外側面には開
口部８が形成されている。

又、この開口部８とならんでシャッタが閉じる方向の端
部の外側面にはロックレバー10のフック10aと係合する
爪９がカセット１の外側縁に沿って形成された溝1c中に
嵌入する方向に切り起されている。

ロックレバー10は第９図に示すように複雑な形状をして
おり、プラスチックなどの弾性材から形成され、その基
部はピン12,13によってカセットハーフ側に固定されて
おり、自由端側はシャッタ７の内側方向に向かって延び
ている。

そしてロックレバー10の自由端側の最先端には前記爪９
と係合するフック10aが形成されている。

このロックレバー10は自らの弾力により、その自由端側
が外方に向かって突出しようとする性質を有するが、そ
の途中の内側に突設された突起10bがカセットハーフ側
に設けられたストッパ14に当って止まり、爪９をフック
10aによってラックする以外はシャッタ７の通過の邪魔
はしない。

なお、第９図に符号11で示すものは磁気ヘッドが嵌入す
る窓である。

一方、磁気ディスク装置側に設けられるシャッタ開閉機
構は第８図に示すような構造となっている。

即ち、図において符号15で示すものはシャッタを閉じる
機能を持つ第１の部材で、金属板からプレス成形されて
おり、上下２段の突片15a,15bを有し、両者間は連結片1
5cによって連結されている。

上側に位置する突片15aはシャッタ側に寄った位置に、
スプリングを引掛けるための突起16が上方に向かって突
出して形成されており、他端側には長孔19がカセットの
装着方向に沿って形成されている。又、長孔19と反対側
の側縁には斜面18が形成されている。

又、下側の突片15b側にはシャッタ７の開口部８に嵌合
するフック17が形成されている。

一方、符号22で示すものはシャッタの開き動作を行なう
第２の部材で、同じく金属板からプレス成形されてい
る。この第２の部材22の前記突起16とは反対側の端縁に
はスプリングを引掛ける突起23が突設されており、前記
突起16とこの突起23との間にはスプリング21が張架され
る。

この第２の部材22の突起23とは反対側の側縁には上方に
向かって折曲部26が突設されており、この折曲部26の基
部から下方へ折れ曲った折曲部27aを介してカセット側
へ向う爪27が形成されている。

上述した第１及び第２の部材15,22は第１の部材15の長
孔19中に嵌合されるピン20を第２の部材22の透孔25中に
かしめることにより重ねられて一体化されるが、第１の
部材15はピン20を中心として所定角度範囲内で回動可能
であり、かつ長孔19の長さの範囲内で摺動可能である。

符号28で示すものは板ばねで、その一端は透孔30,30を
介してビス等により磁気ディスク装置側に固定され、他
端は透孔29,29中にピン31を夫々下側から嵌合させ、第
２の部材22の透孔24中にピン31の嵌合させ、かしめて固
定する。

次に以上のように構成された開閉機構の動作について説
明する。

カセット１は装着する以前においてはシャッタ７の爪９
はロックレバー10のフック10aと係合しており、窓11を
閉じた状態にある。

この状態でカセット１を第10図中矢印Ｃ方向へ向かって
装置側へ装着し始めると、まず第１の部材15のフック17
の先端がシャッタ７の先端に接し、やがて第10図の点線
で示すようにシャッタ７の外側縁にのりあげる。

この時第１の部材15はスプリング21の引張力に抗してわ
ずかに反時計方向（矢印Ｄ方向）へ回動される。

そして更にカセットが挿入されるとやがて爪27がロック
レバー10の自由端側を押し始める。そして、フック10a
が爪９から離れシャッタ７のロックが解かれる。

更にカセットが矢印Ｃ方向に進むと、シャッタ７の先端
が爪27に接し、シャッタ７が開かれ始める。

やがて、フック17がシャタ７の開口部８と対向した位置
になると、スプリング21の引張力により、第１の部材15
は矢印Ｅ方向に回動され、フック17は開口部８中に嵌合
される。

このようにしてシャッタ７が開かれ図示していない磁気
ヘッドにより記録，再生が行なわれる。

一方、カセットを取りはずす場合にはカセットが矢印Ｇ
方向に引かれるが、この時フック17が開口部８中にある
ため、シャッタ７の矢印Ｇ方向への移動に伴って長孔19
の範囲内でシャッタ７と共にその位置にとどまり、シャ
ッタが閉じ始める。

すると、第１の部材15の斜面18と折曲部26とが接し、第
１の部材15は強制的に第10図中矢印Ｄ方向へ回動され
る。

この結果、フック17は開口部８ら離脱する。

この時にはフック10aと爪９とはほぼ対向しており、か
つ爪27がロックレバー10から離れ始めるため、しだいに
フック10aと爪９とが係合し始める。

即ち、シャッタ７が窓11を閉じた状態となり、このまま
装置外に取り出される。

［発明が解決しようとする問題点］ 上述したような従来機構においてはフック17と爪27との
間のｌ_１が第６図に符号ｌで示す開口部８の端縁から先
端までの距離とほぼ等しく設定されていた。

このため、爪27がロックレバー10と接し、ロックレバー
を押し始める時点ではフック17は開口部８中にまだ嵌合
してはいない。

一方フック17はスプリング21の力によりシャッタ７を矢
印Ｅ方向に押しているため、その摩擦力により爪27がシ
ャッタ７の先端と接する前にロックが解除されたシャッ
タ７を矢印Ｇ方向に押し、開いてしまう場合がある。

このまま更にカセットを矢印Ｃ方向に挿入すれば問題は
無いが、この時点でカセットを引き抜くとシャッタが開
いたままの状態でカセットが取り出され、ユーザの手が
磁気ディスクに接し、磁気ディスクを損傷したり、記録
内容に変化が生じたりする問題があった。

［問題点を解決するための手段］ 本発明においては、上述した問題点を解決するために、
シャッタが摺動自在に配されたディスクカセットの挿入
排出動作に応じて前記シャッタを開閉するシャッタ開閉
機構であって、前記ディスクカセットの挿入動作に応じ
て、前記シャッタに形成された開口部に嵌合されるフッ
クを有する第１の部材と、前記ディスクカセットの挿入
動作に応じて、前記ディスクカセット側に設けられ前記
シャッタを閉成位置にロックするロックレバーに係合し
てそのロックを解除する爪を有する第２の部材とを備
え、前記フックと前記爪との間の距離を、前記シャッタ
の前記ディスクカセット挿入方向の先端と前記開口部の
前記ディスクカセット挿入方向の先端との間の距離より
も大で、且つ前記ディスクカセットが記録再生可能な所
定の装填位置に装填された状態では、前記フックが前記
開口部より離脱してそのディスクカセット挿入方向の後
端側に退避するように設定した構造を採用した。

［作用］ 上述したような構造を採用すると、フックはシャッタの
ロックがはずれる前に必ず、シャッタの開口部中に嵌入
されるため、カセットの装着途中でカセットが引き出さ
れても、シャッタが開いてしまうというような不都合は
生じなくなる。

また、第１の部材のフックと第２の部材の爪は別体であ
り、互いの動作に干渉しないので、上記のフックのシャ
ッタ開口部への嵌合動作と、爪のロック解除動作を確実
に行ない、シャッタの開閉を確実に行なうことができ
る。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に基づき本発明の詳細を説明す
る。

第１図〜第５図は本発明の一実施例を説明するもので、
各図中第６図〜第10図と同一部分には同一符号を付し、
その説明は省略する。

本実施例にあっては第１図に示すように爪27をカセット
の装着方向側へフック17から離した位置に設けてある。

この結果、第４図に符号ｌ_２で示すようにフック17と爪
27との間の距離はシャッタ７の先端から開口部８の先端
までの距離ｌよりも十分に長く形成されている。

他の部分は従来構造と同様であるため、重複を避けてそ
の説明は省略する。

シャッタ開閉機構の動作は次の如くである。

まず、磁気ディスク装置にカセット１が装着され始めた
状態を第２図に示す。

この状態では第１の部材15のフック17がシャッタ７の先
端部に接している。

この状態からカセット１が更に矢印Ｃ方向に挿入される
と、第１の部材15はロックされているシャッタ７に押さ
れてスプリング21の引張力に抗して第２図中反時計方向
に回動され、第３図に示すようにフック17の先端がシャ
ッタ７の上側にのりあげる。

この状態で更にカセットが挿入されると第４図に示すよ
うにフック17がシャッタ７の開口部８中に嵌合される。

この時、前述したように爪27のカセット挿入方向への突
出量は十分に長くとってあるため、爪27がロックレバー
10に接触し始める寸前にあり、シャッタ７のロックは解
除されていない。

従って、フック17がシャッタ７の外側縁を押圧すること
によって生じる摩擦力により不用意にシャッタ７が開く
ことはない。

更に、カセットが挿入されると第５図に示すように爪27
がシャッタ７の先端に接し、同時にロックレバー10をロ
ック解除の方向に押すため、シャッタ７は開かれる。

この時、フック17は開口部８の長さｍよりも余分に押さ
れるため、開口部８の端縁をのり越えてシャッタ７の外
側縁にのり上げる。

この状態で所定位置までカセットが挿入され、シャッタ
７が充分に開いた状態で記録，再生が行なわれる。

一方、カセットの取り出し時にはカセットが矢印Ｇ方向
に引かれるため、まずフック17が開口部８中に嵌合され
る。

そして、カセットの矢印Ｇ方向への移動に伴ない、フッ
ク17によりシャッタ７はその位置を保持する状態となる
とともに、第１の部材15も矢印Ｇ方向に引かれ、ピン20
が長孔19中を第５図中右端にまで移動する。

この状態でシャッタが閉じ始められ、やがて完全に閉じ
る。

一方、第１の部材15の矢印Ｇ方向への移動により、斜面
18が折曲部26と接触し始め、第１の部材15は第５図中矢
印Ｄ方向へ強制的に回動される。

また、この動作の寸前に、即ち、シャッタが閉じた状態
で爪27がロックレバー10から離れるため、フック10aが
爪９と係合し、シャッタ７はロックされる。

従って、このままカセットを引き出してもシャッタは完
全に閉じた状態で引き出される。

［効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明によるディスク
カセットのシャッタ開閉機構においては、ディスクカセ
ットの挿入動作に応じてシャッタの開口部に嵌合される
フックと、同挿入動作に応じてディスクカセット側のシ
ャッタを閉成位置にロックするロックレバーに係合して
ロックを解除する爪との間の距離を、シャッタのディス
クカセット挿入方向先端と前記開口部の挿入方向先端と
の間の距離よりも大で、且つディスクカセットが記録再
生可能な所定の装填位置に装填された状態では、前記フ
ックが前記開口部より離脱してそのディスクカセット挿
入方向の後端側に退避するように設定したので、ディス
クカセットの挿入動作に伴なって、必ず前記フックがシ
ャッタの開口部に嵌合してから前記爪によりシャッタの
ロックが解除される。これにより、ロック解除前にフッ
クとシャッタ側縁との摩擦によりシャッタが不用意に開
かれることがなく、ディスクカセットを挿入途中で引き
抜いてもシャッタが開いたままの状態で取り出されるこ
とはなく、ディスクを完全に保護することができる。

また、第１の部材に形成されたフックと第２の部材に形
成された爪は別体であり、互いの動作に干渉しないの
で、上記のフックのシャッタ開口部への嵌合動作と、爪
のロック解除動作を確実に行ない、シャッタの開閉を確
実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の一実施例を説明するもので、
第１図はシャッタ開閉機構の分解斜視図、第２図〜第５
図はシャッタの開閉動作を説明する平面図、第６図〜第
10図は従来構造を説明するもので、第６図はカセットの
斜視図、第７図は上側のカセットハーフを取りはずした
状態の平面図、第８図はカセット開閉機構の分解斜視
図、第９図はカセットの要部拡大平面図、第10図はシャ
ッタの開き動作を説明する平面図である。 １……磁気ディスクカセット ７……シャッタ、８……開口部 9,27……爪、10……ロックレバー 17……フック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シャッタが摺動自在に配されたディスクカ
   セットの挿入排出動作に応じて前記シャッタを開閉する
   シャッタ開閉機構であって、 前記ディスクカセットの挿入動作に応じて、前記シャッ
   タに形成された開口部に嵌合されるフックを有する第１
   の部材と、 前記ディスクカセットの挿入動作に応じて、前記ディス
   クカセット側に設けられ前記シャッタを閉成位置にロッ
   クするロックレバーに係合してそのロックを解除する爪
   を有する第２の部材とを備え、 前記フックと前記爪との間の距離を、前記シャッタの前
   記ディスクカセット挿入方向の先端と前記開口部の前記
   ディスクカセット挿入方向の先端との間の距離よりも大
   で、且つ前記ディスクカセットが記録再生可能な所定の
   装填位置に装填された状態では、前記フックが前記開口
   部より離脱してそのディスクカセット挿入方向の後端側
   に退避するように設定した ことを特徴とするディスクカセットのシャッタ開閉機
   構。