JPH0664392U - 面状ヒーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 糸で縫い付け固定した抵抗発熱線を片面に有
する耐熱シートの両面をラミネートフィルムで被覆して
なる床暖房パネル用の面状ヒーター１であって、床暖房
パネルのコネクタ位置に対応する耐熱シート２の切欠部
７に配線した抵抗発熱線４は糸５で縫い付け固定されて
いない。 【効果】 床暖房パネルを所望の範囲内の厚みとした場
合にも表面を均一に発熱させることが可能となる。ま
た、面状ヒーターの製造が簡単かつ迅速になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、面状ヒーターに関するものである。さらに詳しくは、この考案は 、床暖房パネルに用いる電熱式の薄型面状ヒーターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、たとえば住宅等の暖房システム構成部材として床暖房パネルが広く 用いられている。 この床暖房パネルは、たとえば図３にその断面図を例示したように、基材合板 （ア）の内部に、均熱板（イ）、面状ヒーター（ウ）および断熱クッション材（ エ）を積層一体化して組み込み、表面には他の床材と同様の化粧等を施した表層 材（オ）を貼り合わせた構造を有している。

【０００３】 そして、このような床暖房パネルは、複数枚のパネルを張り合わせて任意の広 さの暖房面を構成することができ、そのため、図４に例示したように基材合板（ ア）の切欠部（カ）にパネル間の配線接続用コネクタ（キ）を備えている。 一方、このような床暖房パネルの熱源である面状ヒーター（ウ）は、たとえば 図５に例示したように、ニクロム線等の抵抗発熱線（ク）をクラフト紙や布等の 耐熱シート（ケ）の片面に糸（コ）で縫い付け固定してパタン配線し、さらに上 下両面をポリエチレン等のラミネートフィルム（サ）で被覆固定した構造を有し ている。そして、このような構造の面状ヒーター（ウ）は、全体としてフラット で薄形の形状を有するが、抵抗発熱線（ク）の配線部は、その直径（約０．２８ ｍｍ）に周囲の糸（コ）の太さ（約０．１ｍｍ）が加わるため図６に示したよう に隆起状となり、ラミネートフィルム（サ）と耐熱シート（ケ）の厚み（約０． ３５ｍｍ：０．１ｍｍ×２＋０．１５ｍｍ）を加えると、抵抗発熱線（ケ）の配 線部の厚みは約０．８３ｍｍ以上となる。

【０００４】 ところが、このような面状ヒーター（ウ）を組み込む床暖房パネル全体の厚み は、他の床用建材との関係等から約１５．０ｍｍ程度とするのが好ましいが、図 ７に示したようにコネクタ（キ）の厚みが９．５ｍｍであるため、コネクタ（キ ）の位置に対応する面状ヒーター（ウ）配設スペースの間隔（Ｄ）は約０．５ｍ ｍである。

【０００５】 従って、従来の面状ヒーター（ウ）の場合には、床暖房パネルのコネクタ（キ ）位置に対応する領域に抵抗発熱線（ク）を配線することをせず、たとえば図８ に例示したように、コネクタ（キ）位置に対応する領域（シ）を回避して抵抗発 熱線（ク）を配線するようにしていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図８に示したような抵抗発熱線（ク）の配線パタンを有する面 状ヒーター（ウ）の場合には、領域（シ）に抵抗発熱線（ク）が存在しないため に、これを組み込んだ床暖房パネルの表面温度が均一にならないという問題が生 じた。

【０００７】 また、領域（シ）周辺の配線パタンが複雑であるため、製造トラブルが発生し やすく、完成までに多くの時間を要するといった不都合も存在した。 この考案は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の床暖房パ ネル用面状ヒーターの欠点を解消し、製造が容易で、しかも面全体が均一に発熱 する改良された面状ヒーターを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の課題を解決するものとして、糸で縫い付け固定した抵抗発 熱線を片面に有する耐熱シートの両面をラミネートフィルムで被覆してなる床暖 房パネル用の面状ヒーターであって、床暖房パネルのコネクタ位置に対応する耐 熱シートの切欠部に配線した抵抗発熱線は糸で縫い付け固定されていないことを 特徴とする面状ヒーターを提供する。

【０００９】

【作用】

この考案の面状ヒーターにおいては、床暖房パネルのコネクタ位置に対応する 耐熱シートの領域を切欠き、この切欠部に他の面と同一のパタンで抵抗発熱線を 配線する。このため、コネクタ位置に対応する面状ヒーターの領域には耐熱シー トが存在せず、抵抗発熱線と上下ラミネートフィルムのみの厚みであるため、床 暖房パネルのコネクタ上の狭いスペースにも組み込むことができる。

【００１０】

【実施例】

以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この考案についてさらに詳しく説 明する。 図１は、この考案の面状ヒーターの一実施例を示した平面図と、その一部拡大 図である。

【００１１】 たとえばこの面状ヒーター（１）は、耐熱シート（２）の両側縁に配設した帯 状電極（３）に端部を連結したニクロム線等の抵抗発熱線（４）を、糸（５）で 縫いつけてパタン配線し、上下両面をラミネートフィルム（６）で被覆固定して いる。そして、この面状ヒーター（１）の場合には、これを組み込む床暖房パネ ルのコネクタ位置に対応する耐熱シート（２）を切欠き、この切欠部（７）にも 他と同様のパタンで抵抗発熱線（４）を配線している。この切欠部（７）に配線 した抵抗発熱線（４）は、図１の拡大図に示したように糸（５）で縫いつけてい ないが、本来糸（５）による縫い付けはラミネートフィルム（６）による被覆固 定まで抵抗発熱線（４）を耐熱シート（２）に仮固定するためのものであり、切 欠部（７）の両側が縫い付けられていれば配線のパタンは乱れることはない。

【００１２】 図２は、図１の拡大図のＸ−Ｘ断面図である。 この図２に示したように、この考案の面状ヒーター（１）の切欠部（７）には 、他のヒーター面のように耐熱シート（２）および糸（６）の厚み（各々、約０ ．１５ｍｍおよび０．１ｍｍ）が加わらず、その厚みは最大でも約０．４８ｍｍ （ラミネートフィルム：約０．１ｍｍ×２枚＋抵抗発熱線：約０．２８ｍｍ）と なる。このため、図７に例示したような、コネクタ位置に対応する設置空間（Ｄ ）が狭い（約０．５ｍｍ）床暖房パネルにも、この面状ヒーター（１）は組み込 むことができる。

【００１３】 もちろんこの考案は、以上の例によって限定されるものではなく、細部の構成 等については様々な態様が可能であることは言うまでもない。

【００１４】

【考案の効果】

以上詳しく説明した通り、この考案の面状ヒーターによって、床暖房パネルを 所望の範囲内の厚みとした場合にも表面を均一に発熱させることが可能となる。 また、面状ヒーターの製造が簡単かつ迅速になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の面状ヒーターの一実施例を示した平
面図およびその一部拡大図である。

【図２】図１の拡大図のＸ−Ｘ断面図である。

【図３】一般的な床暖房パネルの構造を例示した側断面
図である。

【図４】一般的な床暖房パネルの裏面図である。

【図５】一般的な面状ヒーターの構成を例示した分解斜
視図である。

【図６】図５に示した面状ヒーターの要部側断面図であ
る。

【図７】一般的な床暖房パネルの各構成部材の寸法を例
示した要部側断面図である。

【図８】従来の面状ヒーターを例示した平面図である。

【符号の説明】

１ 面状ヒーター ２ 耐熱シート ３ 帯状電極 ４ 抵抗発熱線 ５ 糸 ６ ラミネートフィルム ７ 切欠部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 糸で縫い付け固定した抵抗発熱線を片面
   に有する耐熱シートの両面をラミネートフィルムで被覆
   してなる床暖房パネル用の面状ヒーターであって、床暖
   房パネルのコネクタ位置に対応する耐熱シートの切欠部
   に配線した抵抗発熱線は糸で縫い付け固定されていない
   ことを特徴とする面状ヒーター。