JPH0663604A - 高光沢度金属板の製造方法 - Google Patents

高光沢度金属板の製造方法

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JPH0663604A
JPH0663604A JP21496092A JP21496092A JPH0663604A JP H0663604 A JPH0663604 A JP H0663604A JP 21496092 A JP21496092 A JP 21496092A JP 21496092 A JP21496092 A JP 21496092A JP H0663604 A JPH0663604 A JP H0663604A
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征浩 松浦
Hideo Yamamoto
秀男 山本
Toru Kaneko
亨 金子
Kanji Hayashi
寛治 林
Tetsuo Kajiwara
哲雄 梶原
Hideaki Furumoto
秀昭 古元
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面光沢の優れたステンレス鋼等の金属板の製
造方法。 【構成】エマルション基油の40℃における粘度が30〜20
0cStで、エマルション平均粒径が 2〜10μm の潤滑油を
使用し、かつ図1に示すように上、下ワークロールを圧
延材に平行な面内でそれぞれθ(0.3 °以上)の角度で
交差させつつ冷間圧延を行う。 【効果】大径のワークロールを用い、高い生産性でステ
ンレス鋼等の高光沢度の金属板が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面光沢の優れた金
属板を製造する方法であって、特に冷間圧延の際にロー
ルクロス圧延法を採用して光沢度の高い金属板を効率よ
く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、例えばステンレス鋼板等において
金属の地肌そのものの美しさを生かして、冷間圧延のま
まで使用することが多くなってきた。この場合、金属板
の表面光沢の良さが商品価値を決定する重要な因子にな
る。
【0003】金属板の表面光沢を向上させるには、冷間
圧延の際に、表面粗度の小さいワークロールを使用し、
かつ金属板とワークロールの間(ロールバイト)に引き
込まれる潤滑油を少なくして圧延を行う必要がある。ロ
ールバイトに入る潤滑油の量が多いと圧延中にロールと
金属板の界面に補足された潤滑油の影響で金属板表面が
自由変形し、オイルピットと呼ばれる微小欠陥が発生
し、光沢を低下させる。
【0004】逆に潤滑不足となるとワークロールと金属
板が直接接触し、焼付きをひき起こす。このため従来は
小径のワークロールで導入潤滑油量を抑え、かつ焼付き
を防ぐためにニート油を潤滑油として圧延する方法が採
られてきた。このときワークロールの粗度が大きいと圧
延製品の表面粗さが大きくなり、また焼付きも発生する
ため、ワークロールの粗度を中心線平均粗さ(Ra)で、0.
1 μm 以下にする等の対策が講じられてきた。
【0005】例えば、特公昭57-13362号公報には小径の
ゼンジミア圧延機を用いてワークロール粗さを工夫する
方法が提案されている。しかし、小径ロールによるこの
ような圧延方法では、圧延速度が小さく生産性が低いと
いう問題がある。加えてワークロールの表面粗さを適正
に維持するために、頻繁なロール研磨やロール替え等の
作業が必要で製造コストが嵩む。
【0006】一方、生産性の向上を目的として大径ロー
ルを使用する圧延機で通常のエマルション潤滑油を用い
て圧延しても、高光沢の金属板を得ることは困難であ
る。前記のように、圧延の際にロールバイトに導入され
る潤滑油が過多であればオイルピットが発生し、過少で
あれば焼付きが起きる。このロールバイトに導入される
潤滑油量は、潤滑油の粘度とエマルション粒径によって
支配されるが、通常の平行ロール方式の圧延では、これ
らの選択幅が極めて狭い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、圧延
速度が大きく生産性の高い大径ロール圧延機を使用し、
しかもワークロールの粗度を極端に小さくすることなし
に高光沢度の金属板を製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は『エマルション
基油の40℃における粘度が30〜200cStで、エマルション
平均粒径が10μm 以下の潤滑油を使用し、かつ圧延材に
平行な面内で圧延方向に直角な線に対して上、下ワーク
ロールをそれぞれ0.3 °以上の角度で交差させつつ圧延
を行うことを特徴とする光沢の優れた金属板の製造方
法』を要旨とする。
【0009】上記のワークロールの交差とは、図1に示
すように圧延面に平行な面内で圧延方向と直角の方向に
対して上、下のワークロールが各々θの角度で傾斜して
いるということである。このような圧延方法をロールク
ロス圧延という。これに対して通常の上、下ワークロー
ルを平行にして圧延する方法をここでは平行ロール圧延
という。なお、バックアップロールを有する圧延機では
そのバックアップロールと共にワークロールロールを傾
斜させることが多い。これをペアクロス圧延という。上
記のθを交差角 (クロス角) といい、本発明方法では、
このθを0.3 °以上にするのである。
【0010】
【作用】図1はロールクロス圧延の原理を説明する図で
ある。図示のように、上、下ワークロールが金属板に平
行な面(圧延面に平行な面)内でそれぞれ一定の交差角
(θ)を持つとワークロールの回転速度Vr に対し金属
板はVs なる速度を持つ。このためワークロールと金属
板の間には相対的なすべりが生じ、結果として板幅方向
のせん断応力Fc(金属板の裏面ではFc') が発生する。
【0011】通常、ワークロール表面にはワークロール
研摩時に円周方向の研摩目が残り山部と谷部が形成され
ている。このようなロール表面と被圧延材の金属板との
接触状態を図2(a) に模式的に示す。山部は金属板と接
触し、谷部には潤滑油が満たされた状態となっている。
平行ロール圧延(クロス角θ=0°)の場合は圧延中に
山部が金属板表面に常に接触した状態であり、逆に谷部
では金属板とワークロールの間は常に潤滑油で隔てられ
ている。この潤滑油の圧力で、オイルピットが発生す
る。従って、表面粗度の小さい高光沢度の製品を得るに
は、ワークロールの山部はできるだけ小さくし、潤滑油
の量も少なくする必要がある。
【0012】図2の(b) に示すのは、ロールクロス圧延
のときのロール表面と金属板表面の接触状態である。こ
の場合は、ロールの山部が板幅方向にすべることにより
板の表面を研削し、谷部での光沢の低下を防ぐ作用をす
る。また谷部に捕捉された潤滑油により焼付きが防止さ
れる。即ち、この方法によれば、従来オイルピットが発
生するような潤滑条件でも高い光沢度の金属板が得ら
れ、ワークロールの表面粗さが或る程度大きくても焼付
きの発生しない圧延が可能となる。
【0013】上記のような作用を有効に発揮させるため
のワークロールのクロス角を実験によって確かめたとこ
ろ、クロス角が0.3 °以上であれば十分であることがわ
かった。クロス角が0.3 °に満たない場合には、すべり
による研削効果が十分に発揮されない。なお、クロス角
があまりに大きくなると圧延された金属板にねじれが生
じるといった問題が発生する。実際の操業では、クロス
角は3°程度が上限である。
【0014】次に潤滑油について述べる。一般に圧延に
使用される潤滑油にはニート油とエマルションがあり、
小径ロールで高光沢度製品を得る場合には主にニート油
を使用する。これに対して、通常の大径ロールによる圧
延ではエマルションが有効とされている。しかし、エマ
ルションを用いた圧延で、高光沢度と高潤滑性を両立さ
せるためにはエマルションの基油となる油の粘度、エマ
ルションの濃度、エマルションの粒径等が制約される。
言い換えれば、潤滑油として使用できるエマルションに
制約が多く、選択の幅が狭い。
【0015】従来、普通鋼用のエマルションとしては、
牛脂または鉱油と合成エステルを混ぜた油を基油とし、
これに乳化剤を加えて水と混合したものが主であった。
ところが、このようなエマルションを用いる通常の平行
ロール圧延では、必ずしも高光沢度の製品は得られな
い。光沢を上げるためにエマルション粒径を小さくした
り、粘度を下げるといった方法が考えられるが、そうす
ると焼付が発生する。そこで合成エステルの配合量を増
したり、添加剤を加えるといった方法で、焼付防止対策
を講ずる必要がある。即ち、エマルションの条件を細か
く管理し、維持して行かなければ焼付の発生なしに高光
沢度の製品を得ることができなかった。
【0016】本発明者は、圧延方法をロールクロス圧延
に変えることによって、使用できる潤滑油が変わってく
るのではないかと考えて、種々の実験を行った。その結
果によれば、上記のロールクロス圧延に使用する潤滑油
としてはニートよりもエマルションが有効である。エマ
ルションはニートに較べ、冷却能力が高いために高速圧
延に適している。
【0017】次に、エマルションの基油粘度およびエマ
ルション粒径を様々に変えた潤滑油を作製し、実験を行
ったところ、基油粘度としては40℃で30cSt 以上が必要
である。これ未満では一部焼付き等が見られた。一方、
基油の40℃での粘度が200cStを超えると潤滑過多とな
り、光沢の低下を引き起こして、一部ではスリップも見
られた。
【0018】エマルションの粒径としては、平均粒径で
10μm 以下が望ましい。10μm を超えると一部スリップ
等の潤滑過多が見られた。エマルション平均粒径の下限
は特に限定を要しない。ただし、現在のエマルション製
造設備では通常2μm 以上となることが多い。
【0019】
【実施例1】本発明の効果を実施例に基づいて説明す
る。
【0020】酸洗、焼鈍したフェライト系ステンレス鋼
(SUS430-2B)の鋼帯を本発明方法および従来方法(θ=
0の平行ロール圧延)により冷間圧延した。表1に圧延
の条件および潤滑油の特性を示す。
【0021】効果の比較は圧延後の表面光沢によって行
った。光沢の評価はJIS-Z8741 に定められる光沢度計を
用い、45°Gloss で700 を超えるものをAA、600 〜700
を Aとし、以下 150きざみで5段階のランク付けを行っ
た。
【0022】表2〜4にロールのクロス角(θ)、潤滑
油のエマルション平均粒径、40℃における粘度および得
られた板の光沢度評価をまとめて示す。
【0023】これらの表から、従来の平行ロール圧延法
では、エマルションの粘度や粒径を制御しても高光沢を
得ることは難しいことがわかる。即ち、低粘度域では焼
付きを生じ易く、高粘度域ではスリップ等の不具合が生
じている。
【0024】これに対してロールのクロス角を 0.3°以
上として、潤滑油の粘度およびエマルション粒径を適正
に選んだ本発明方法では、いずれも高光沢度の製品が得
られている。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【実施例2】低炭素鋼(JIS G 3141)とオーステナイト
ステンレス鋼(JIS SUS 304 )を本発明方法で冷間圧延
した。圧延条件を表5に、使用した潤滑油を表6に示
す。
【0030】得られた圧延製品の表面光沢を実施例1と
同様にして評価した。その結果を表7に示す。
【0031】表7から、本発明方法は種々の金属板の圧
延に適用でき、使用できる潤滑油の種類も多岐にわたる
ことが明らかである。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、大径のワークロー
ルを使用し、高い生産性で光沢の優れた金属板を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロールクロス圧延の原理を説明するワークロー
ル部分の平面図である。
【図2】(a) は、通常の平行ロール圧延の際のワークロ
ールと金属板の接触状態を示す模式図である。 (b)
は、ロールクロス圧延の際のワークロール表面凸部のす
べり状況を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 亨 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 (72)発明者 林 寛治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 梶原 哲雄 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 古元 秀昭 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エマルション基油の40℃における粘度が30
    〜200cStで、エマルション平均粒径が10μm 以下の潤滑
    油を使用し、かつ圧延材に平行な面内で圧延方向に直角
    な線に対して上、下ワークロールをそれぞれ0.3 °以上
    の角度で交差させつつ圧延を行うことを特徴とする光沢
    の優れた金属板の製造方法。
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