JPH0663604A - 高光沢度金属板の製造方法 - Google Patents
高光沢度金属板の製造方法Info
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- JPH0663604A JPH0663604A JP21496092A JP21496092A JPH0663604A JP H0663604 A JPH0663604 A JP H0663604A JP 21496092 A JP21496092 A JP 21496092A JP 21496092 A JP21496092 A JP 21496092A JP H0663604 A JPH0663604 A JP H0663604A
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Abstract
造方法。 【構成】エマルション基油の40℃における粘度が30〜20
0cStで、エマルション平均粒径が 2〜10μm の潤滑油を
使用し、かつ図1に示すように上、下ワークロールを圧
延材に平行な面内でそれぞれθ(0.3 °以上)の角度で
交差させつつ冷間圧延を行う。 【効果】大径のワークロールを用い、高い生産性でステ
ンレス鋼等の高光沢度の金属板が製造できる。
Description
属板を製造する方法であって、特に冷間圧延の際にロー
ルクロス圧延法を採用して光沢度の高い金属板を効率よ
く製造する方法に関する。
金属の地肌そのものの美しさを生かして、冷間圧延のま
まで使用することが多くなってきた。この場合、金属板
の表面光沢の良さが商品価値を決定する重要な因子にな
る。
圧延の際に、表面粗度の小さいワークロールを使用し、
かつ金属板とワークロールの間(ロールバイト)に引き
込まれる潤滑油を少なくして圧延を行う必要がある。ロ
ールバイトに入る潤滑油の量が多いと圧延中にロールと
金属板の界面に補足された潤滑油の影響で金属板表面が
自由変形し、オイルピットと呼ばれる微小欠陥が発生
し、光沢を低下させる。
板が直接接触し、焼付きをひき起こす。このため従来は
小径のワークロールで導入潤滑油量を抑え、かつ焼付き
を防ぐためにニート油を潤滑油として圧延する方法が採
られてきた。このときワークロールの粗度が大きいと圧
延製品の表面粗さが大きくなり、また焼付きも発生する
ため、ワークロールの粗度を中心線平均粗さ(Ra)で、0.
1 μm 以下にする等の対策が講じられてきた。
ゼンジミア圧延機を用いてワークロール粗さを工夫する
方法が提案されている。しかし、小径ロールによるこの
ような圧延方法では、圧延速度が小さく生産性が低いと
いう問題がある。加えてワークロールの表面粗さを適正
に維持するために、頻繁なロール研磨やロール替え等の
作業が必要で製造コストが嵩む。
ルを使用する圧延機で通常のエマルション潤滑油を用い
て圧延しても、高光沢の金属板を得ることは困難であ
る。前記のように、圧延の際にロールバイトに導入され
る潤滑油が過多であればオイルピットが発生し、過少で
あれば焼付きが起きる。このロールバイトに導入される
潤滑油量は、潤滑油の粘度とエマルション粒径によって
支配されるが、通常の平行ロール方式の圧延では、これ
らの選択幅が極めて狭い。
速度が大きく生産性の高い大径ロール圧延機を使用し、
しかもワークロールの粗度を極端に小さくすることなし
に高光沢度の金属板を製造する方法を提供することにあ
る。
基油の40℃における粘度が30〜200cStで、エマルション
平均粒径が10μm 以下の潤滑油を使用し、かつ圧延材に
平行な面内で圧延方向に直角な線に対して上、下ワーク
ロールをそれぞれ0.3 °以上の角度で交差させつつ圧延
を行うことを特徴とする光沢の優れた金属板の製造方
法』を要旨とする。
すように圧延面に平行な面内で圧延方向と直角の方向に
対して上、下のワークロールが各々θの角度で傾斜して
いるということである。このような圧延方法をロールク
ロス圧延という。これに対して通常の上、下ワークロー
ルを平行にして圧延する方法をここでは平行ロール圧延
という。なお、バックアップロールを有する圧延機では
そのバックアップロールと共にワークロールロールを傾
斜させることが多い。これをペアクロス圧延という。上
記のθを交差角 (クロス角) といい、本発明方法では、
このθを0.3 °以上にするのである。
ある。図示のように、上、下ワークロールが金属板に平
行な面(圧延面に平行な面)内でそれぞれ一定の交差角
(θ)を持つとワークロールの回転速度Vr に対し金属
板はVs なる速度を持つ。このためワークロールと金属
板の間には相対的なすべりが生じ、結果として板幅方向
のせん断応力Fc(金属板の裏面ではFc') が発生する。
研摩時に円周方向の研摩目が残り山部と谷部が形成され
ている。このようなロール表面と被圧延材の金属板との
接触状態を図2(a) に模式的に示す。山部は金属板と接
触し、谷部には潤滑油が満たされた状態となっている。
平行ロール圧延(クロス角θ=0°)の場合は圧延中に
山部が金属板表面に常に接触した状態であり、逆に谷部
では金属板とワークロールの間は常に潤滑油で隔てられ
ている。この潤滑油の圧力で、オイルピットが発生す
る。従って、表面粗度の小さい高光沢度の製品を得るに
は、ワークロールの山部はできるだけ小さくし、潤滑油
の量も少なくする必要がある。
のときのロール表面と金属板表面の接触状態である。こ
の場合は、ロールの山部が板幅方向にすべることにより
板の表面を研削し、谷部での光沢の低下を防ぐ作用をす
る。また谷部に捕捉された潤滑油により焼付きが防止さ
れる。即ち、この方法によれば、従来オイルピットが発
生するような潤滑条件でも高い光沢度の金属板が得ら
れ、ワークロールの表面粗さが或る程度大きくても焼付
きの発生しない圧延が可能となる。
のワークロールのクロス角を実験によって確かめたとこ
ろ、クロス角が0.3 °以上であれば十分であることがわ
かった。クロス角が0.3 °に満たない場合には、すべり
による研削効果が十分に発揮されない。なお、クロス角
があまりに大きくなると圧延された金属板にねじれが生
じるといった問題が発生する。実際の操業では、クロス
角は3°程度が上限である。
使用される潤滑油にはニート油とエマルションがあり、
小径ロールで高光沢度製品を得る場合には主にニート油
を使用する。これに対して、通常の大径ロールによる圧
延ではエマルションが有効とされている。しかし、エマ
ルションを用いた圧延で、高光沢度と高潤滑性を両立さ
せるためにはエマルションの基油となる油の粘度、エマ
ルションの濃度、エマルションの粒径等が制約される。
言い換えれば、潤滑油として使用できるエマルションに
制約が多く、選択の幅が狭い。
牛脂または鉱油と合成エステルを混ぜた油を基油とし、
これに乳化剤を加えて水と混合したものが主であった。
ところが、このようなエマルションを用いる通常の平行
ロール圧延では、必ずしも高光沢度の製品は得られな
い。光沢を上げるためにエマルション粒径を小さくした
り、粘度を下げるといった方法が考えられるが、そうす
ると焼付が発生する。そこで合成エステルの配合量を増
したり、添加剤を加えるといった方法で、焼付防止対策
を講ずる必要がある。即ち、エマルションの条件を細か
く管理し、維持して行かなければ焼付の発生なしに高光
沢度の製品を得ることができなかった。
に変えることによって、使用できる潤滑油が変わってく
るのではないかと考えて、種々の実験を行った。その結
果によれば、上記のロールクロス圧延に使用する潤滑油
としてはニートよりもエマルションが有効である。エマ
ルションはニートに較べ、冷却能力が高いために高速圧
延に適している。
ルション粒径を様々に変えた潤滑油を作製し、実験を行
ったところ、基油粘度としては40℃で30cSt 以上が必要
である。これ未満では一部焼付き等が見られた。一方、
基油の40℃での粘度が200cStを超えると潤滑過多とな
り、光沢の低下を引き起こして、一部ではスリップも見
られた。
10μm 以下が望ましい。10μm を超えると一部スリップ
等の潤滑過多が見られた。エマルション平均粒径の下限
は特に限定を要しない。ただし、現在のエマルション製
造設備では通常2μm 以上となることが多い。
る。
(SUS430-2B)の鋼帯を本発明方法および従来方法(θ=
0の平行ロール圧延)により冷間圧延した。表1に圧延
の条件および潤滑油の特性を示す。
った。光沢の評価はJIS-Z8741 に定められる光沢度計を
用い、45°Gloss で700 を超えるものをAA、600 〜700
を Aとし、以下 150きざみで5段階のランク付けを行っ
た。
油のエマルション平均粒径、40℃における粘度および得
られた板の光沢度評価をまとめて示す。
では、エマルションの粘度や粒径を制御しても高光沢を
得ることは難しいことがわかる。即ち、低粘度域では焼
付きを生じ易く、高粘度域ではスリップ等の不具合が生
じている。
上として、潤滑油の粘度およびエマルション粒径を適正
に選んだ本発明方法では、いずれも高光沢度の製品が得
られている。
ステンレス鋼(JIS SUS 304 )を本発明方法で冷間圧延
した。圧延条件を表5に、使用した潤滑油を表6に示
す。
同様にして評価した。その結果を表7に示す。
延に適用でき、使用できる潤滑油の種類も多岐にわたる
ことが明らかである。
ルを使用し、高い生産性で光沢の優れた金属板を製造す
ることができる。
ル部分の平面図である。
ールと金属板の接触状態を示す模式図である。 (b)
は、ロールクロス圧延の際のワークロール表面凸部のす
べり状況を示す模式図である。
Claims (1)
- 【請求項1】エマルション基油の40℃における粘度が30
〜200cStで、エマルション平均粒径が10μm 以下の潤滑
油を使用し、かつ圧延材に平行な面内で圧延方向に直角
な線に対して上、下ワークロールをそれぞれ0.3 °以上
の角度で交差させつつ圧延を行うことを特徴とする光沢
の優れた金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21496092A JP2898824B2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | 高光沢度金属板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21496092A JP2898824B2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | 高光沢度金属板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0663604A true JPH0663604A (ja) | 1994-03-08 |
JP2898824B2 JP2898824B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=16664421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21496092A Expired - Fee Related JP2898824B2 (ja) | 1992-08-12 | 1992-08-12 | 高光沢度金属板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2898824B2 (ja) |
-
1992
- 1992-08-12 JP JP21496092A patent/JP2898824B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2898824B2 (ja) | 1999-06-02 |
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