JPH066312U - 物品の受渡し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上方開放の空間Ｌが形成された物品支承台７
を有する物品搬送車４に対して、物品移載ホーム１側か
ら物品Ｗの積み降ろしをするにあたり、作業者による手
作業で行っていたのを、ハンドパレットトラックを用い
て行えるようにする。 【構成】 物品移載ホーム１から物品搬送車４へ向けて
張出床２０を設け、物品搬送車４の物品支承台７には、
この張出床２０を挿入する空間を形成すると共に、張出
床２０を支承することができるローラ９を設けるように
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、物品の受渡し装置に関する。

【０００２】

【従来の物品受渡し装置】

従来、この種物品の受渡し装置として以下の如きものは知られている。即ち、 物品移載ホームと、この物品移載ホームの車付き縁から、レールに沿って左右方 向に走行自在な物品搬送車とを有する物品の受渡し装置である。レールにおける 物品移載ホーム側の端部領域では、作業員の手作業により、物品搬送車に対する 物品の積み降ろしが行われ、これとは反対側の端部領域では、物品搬送車と、自 動倉庫が備えるスタッカークレーンなどとの間で物品の受渡しが行われるように なっている。

【０００３】

【従来技術の欠点】

従来の物品受渡し装置には以下の如き欠点があった。即ち、スタッカークレー ンなどとの物品受渡しを可能にさせる必要から、物品搬送車の物品支承台には、 前後方向及び上方に開放した空間（スライドフォーク用の作動空間）が形成され ている。しかし、この空間のため、物品移載ホーム側で停止している物品搬送車 に対して、その物品支承台上へハンドパレットトラックなどを乗り移らせること ができないので、パレットごとの物品積み降ろしが不可能であり、作業者による 手作業の解消を図ることはできなかった。しかも作業者には、上記空間に対する 落下の危険が伴うものであった。

【０００４】

【前記欠点を解消するための手段】

この考案は前記欠点を解消するために以下の如き手段を採用した。 即ち、物品搬送車は台車上に左右に開放した空間が形成された物品支承台を有 し、この物品支承台には空間内で前後に突出する支持部材が設けられ、物品移載 ホームの車付き縁には物品搬送車の支持部材に一端側を載せた張出床が設けられ ているものである。

【０００５】

【考案の作用】

この考案は以下の如き作用をなすものである。 物品移載ホームの車付き縁には、物品搬送車へ向けて片持ち状に張り出す張出 床が設けられている。この張出床の張出側の端部は物品搬送車の支持部材に載せ られており、この状態は、物品搬送車が物品移載ホームから離れる方向に走行し た場合にも常に保持されるようになっている。すなわち、物品移載ホームと物品 搬送車との間には、物品搬送車のレール上に、作業者が載っても安全なほどの強 度を有した床が設けられるものとなる。

【０００６】

【実施例】

以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、この明細書に おいて、前とは図１下側を、後とは同図上側を言い、左とは図１左側を、右とは 同図右側を言う。 図１の如く、左側に配置される物品移載ホーム１と、この物品移載ホーム１の 右側（車付き縁２）からその右方へ向けて設けられた２本の平行なレール３，３ に沿って左右方向に走行自在な物品搬送車４とを有している。レール３，３の右 側の端部は、自動倉庫１０のラック装置１１に隣接する領域まで達するようにな っている。そのため、このラック装置１１の前方又は後方でレール１３に沿うよ うに左右走行するスタッカークレーン１２が、ラック装置１１よりも更に左方側 へはみ出した位置で停止している場合には、このスタッカークレーン１２と前後 対向するように物品搬送車４を位置付けて、両者間で物品Ｗの受渡しが行えるよ うになっている。

【０００７】 図３の如く、物品搬送車４は、台車５上に、その四隅から計４本の支柱６が立 設されており、これら支柱６の各上端部によって物品支承台７が構成されるよう になっている。この物品支承台７における左・右の支柱６，６相互間に形成され る前後方向に開放された空間Ｌは、スタッカークレーン１２の物品受載台１４（ 主に昇降台とされる）に設けられたスライドフォーク１５（図１参照）が、物品 Ｗの受渡しのため、前後及び上下に摺動するのを許容するためのものである。一 方、物品支承台７における前・後の支柱６，６相互間に形成される左右方向に開 放された空間Ｄは、後述する張出床２０を差し入れるためのものであって、この 空間Ｄ内へ向けて、各支柱６の対向内面から、回転自在なローラで形成された支 持部材９が設けられるようになっている。

【０００８】 図２の如く、物品移載ホーム１における車付き縁２の右方に、Ｌ字状の張出床 ２０が設けられている。この張出床２０は、その垂直部分の下端部が、前後方向 に向く枢軸を中心に回転自在となる継手部２２を介して、ベース２３に固定され るようになっている。また、水平部分では、その左端の上面部が物品移載ホーム １へ向けて延びており、垂直部分よりも右側の部分が、上記した物品搬送車４の 支持部材９上に載せられて、その水平状態が強固に保持されている。支持部材９ による保持は、物品搬送車４が物品移載ホーム１から離れる方向へ走行し、最も 右端側の領域（ラック装置１１の側近位置）に到達した場合にも、その張出側の 端部２１と、物品移載ホーム１寄りの１個の支持部材９との間で維持されるよう になっている。そのため、張出床２０の水平部分を、常に水平に保持させること ができ、しかも、スタッカークレーン１２のスライドフォーク１５（図１参照） 用の作動空間Ｌを開放させることができる。なお、前記の如く、支持部材９には 回転自在なローラが用いられているから、物品搬送車４の走行時に、張出床２０ の保持が走行抵抗に繋がることはない。

【０００９】

【実施例の作用】

次に実施例装置の作用について説明する。 図１の如く、物品移載ホーム１の車付き縁２に近接して停止した物品搬送車４ に対して物品Ｗを載せる場合、作業者Ｍは、ハンドパレットトラック２５を用い てこの作業を行うことができる。ハンドパレットトラック２５は、図４の如く、 物品Ｗの積載用パレットＰに形成された水平方向の孔へフォーク２７を差し込ん で、パレットＰにおける下向きの目皿孔から小径輪２９を臨ませておき、この状 態でハンドル兼昇降操作レバー２６を揺動することで、フォーク基部３０を保持 するシリンダ２４を上方へ伸出作動させると共に、小径輪２９の保持リンク２８ を起こし、水平状態のまま上昇するフォーク２７により、物品ＷをパレットＰご と移動させるものである。このようなハンドパレットトラック２５の使用が可能 となるのは、物品搬送車４における物品支承台７（図３参照）の左右開放の空間 Ｄに、物品移載ホーム１と繋がる張出床２０が差し込まれるようになっているた めである。従って、作業者Ｍの作業量は、手作業による物品Ｗの積み込みが強い られていた従来に比して、飛躍的に軽減され、また能率的に行われる。

【００１０】 物品Ｗを積載した物品搬送車４が右方向へ走行し、ラック装置１１の側近で停 止した後は、スタッカークレーン１２により、自動倉庫１０としての通常の物品 収納及び物品取出の各作業が行われるようになる。なお、この場合、物品移載ホ ーム１と物品搬送車４との間は、張出床２０が露呈した状態となっているから、 物品Ｗの積み込みを終えた作業者Ｍが、誤ってレール３，３上へ落下するような 危険性もなくなり、安全面も確保されることとなる。スタッカークレーン１２が 物品取出の作業を行い、ラック装置１１の側近で待機する空の物品搬送車４に物 品Ｗが渡されると、この物品搬送車４は物品移載ホーム１の車付き縁２の側近ま で走行して停止し、上記とは逆に、作業者Ｍが、ハンドパレットトラック２５を 用いて物品搬送車４から物品Ｗを降ろすようにする。スタッカークレーン１２に 対して物品Ｗを渡すための物品搬送車４と、スタッカークレーン１２から物品Ｗ を受け取るための物品搬送車４とを、スタッカークレーン１２を挟んだ前後のも ので区別しておくと、作業能率を向上させるうえで有益である。

【００１１】 ところで、自動倉庫１０は、建物の複数階を上下に貫いて設けられるような大 型のものであるものとしてもよく、この場合には、各階のフロアーをそれそれ物 品移載ホーム１とする。そして、これら各物品移載ホーム１の基礎部と自動倉庫 １０のラック装置１１との間に、図２の如くベース２３を架け渡して、この上部 に物品搬送車４のレール３などを設けるようにする。なお、張出床２０をＬ字状 に形成することや、ベース２３との結合部に継手部２２を設けることなどは、何 ら限定されるものではない。更に、物品搬送車４において、物品支承台７の左右 方向に開放した空間Ｄ（図３参照）については、その上方までもが開放している 必要はなく、ハンドパレットトラック２５などが乗り上げられるような板材を渡 しておくことも可能である。なお、スタッカークレーン１２との物品受渡しを行 わない場合には、前後方向に開放した空間Ｌも不要となることは言うまでもない 。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は、前記した如き構成によって以下の如き効果を奏するものである。 物品搬送車に対する物品の積み降ろしに、ハンドパレットトラックを用いるこ とができるため、作業の軽減化及び能率化が共に飛躍的に図れ、またこの作業に 係る安全性をも向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す平面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線拡大断面図である。

【図３】物品搬送車の拡大斜視図である。

【図４】ハンドパレットトラックの使用状況を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ 物品移載ホーム ２ 車付き縁 ３ レール ４ 物品搬送車 ５ 台車 ７ 物品支承台 ２０ 張出床 ２１ 張出側の端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品移載ホームと、この車付き縁からレ
   ールに沿って左右に走行自在な物品搬送車とを有する物
   品の受渡し装置において、物品搬送車は台車上に左右に
   開放した空間が形成された物品支承台を有し、この物品
   支承台には空間内で前後に突出する支持部材が設けら
   れ、物品移載ホームの車付き縁には物品搬送車の支持部
   材に一端側を載せた張出床が設けられている物品の受渡
   し装置。