JPH0740614U - ラック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 デッドスペースを有効利用し、且つ背面ピッ
キングの作業効率を向上させるピッキング装置をを提供
する。 【構成】 クレーン走行路を挟むように配設されたラッ
ク装置４のラック背面から物品Ｗを取り出すピッキング
装置であって、上記ラック装置４の少なくとも最下位の
物品格納棚１２の上部空間でセット位置移動可能なスラ
イド棚１４を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はラック背面から物品を取り出すことができるラック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ラック装置は、自動倉庫に使用されるものである。自動倉庫は、クレーン走行 面に対して物品を格納するラック装置が設置されており、クレーンが上記クレー ン走行路を平面直線走行すると共にクレーンマストに沿ってクレーンの昇降台が 上下方向に移動して、上記ラック装置の所望の物品格納棚に対して物品の格納及 び取出を行うものである。

【０００３】 通常、上記クレーンは、多数の物品を載置した１つのパレットを上記昇降台に 載せて搬送し、倉庫に対して格納及び取出を行う。しかしながら、少数の物品（ 例えば、１つ）をラック装置から取り出したい場合に、そのためにだけに上記ク レーンを動作させるのは無駄が大きいという問題点があった。そこで、ラック装 置の最下位の物品格納棚背面（クレーン走行側の反対側）を完全に開口して、作 業者が棚内に進入できるようにし、作業者の手によって、直接、物品を取り出せ るものが提案されている。これは背面ピッキング方式のラック装置と呼ばれてい る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の背面ピッキング方式のラック装置においては、背面ピッキング される棚が背面ピッキングし易いように、人に背丈くらい設けられている為、棚 内の上部空間（デッドスペース）が形成されてしまい、収納効率を低減させてい た。そして、上記デッドスペースを減少させたり、何かに利用したりするのは、 背面ピッキング装置ならずも、自動倉庫システム全体の課題であった。

【０００５】 本考案は、従来技術の有するこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目 的はデッドスペースに仮棚を設けることで、デッドスペースを有効利用し、且つ 、背面ピッキングの作業効率を向上させるピッキング装置を提供するものである 。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案におけるラック装置は、クレーン走行面に対して設置される背面ピッキ ング方式のラック装置であって、ラック背面から物品の取り出しが可能な少なく とも最下位の物品格納棚の上部空間内でセット位置移動可能な仮棚を設けたもの である。

【０００７】

【作用】

上記仮棚は、作業者がピッキング中は、奥の位置（クレーン走行側）にセット され、ピッキング作業の邪魔とならない。そして、パレット上の物品が少なくな ると、作業者は、その物品を上記仮棚に一時載置することができるので、次の実 パレットと空になったパレットとの交換サイクルタイムを早くできる。 そして、この交換時間を利用して、作業者は上記仮棚を手元位置にセットし、 少ない物品をピッキングし易くして作業を行う。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１〜図５を参照しつつ説明する。図１は本考案のピ ッキング装置を示した平面図であり、図２は図１におけるＡ方向から見た部分後 面図であり、図３は図１におけるＢ方向から見た部分斜視図であり、図４は本考 案におけるスライド棚の作用図であり、更に、図５は、スライド棚の取付構造を 示した部分断面図である。

【０００９】 まず、本考案のピッキング装置の構成を図１を参照して説明する。 ピッキング装置１は、クレーン走行路３上を平面移動するクレーン２と、上記 クレーン走行路３を挟むように配設されたラック装置４とで構成されている。ラ ック装置４の前方（図１の上方）には、走行通路５ａに沿って走行する無人搬送 車５によって、物品の入庫または出庫がなされる入庫ステーション４ａ及び出庫 ステーション４ｂが設けられている。

【００１０】 クレーン２は、図２に示すように上下方向に立設されたマスト８に沿って昇降 する昇降台６を有している。また、昇降台６には、ラック装置４の物品格納棚１ ２に対して進退自在なスライドフォーク７が設けられている。

【００１１】 ラック装置４は、所定間隔をあけて立設された垂直バー１０、１１を前後方向 （図２の紙面垂直方向）に複数設け、且つ垂直バー１０、１１間にパレットＰを 支持する棚受けとなる水平バー９を設けることで、物品格納棚１２を形成してい る。この物品格納棚１２の高さｈは、約２ｍであり、作業者が棚１２の中で作業 し易く設計されている。

【００１２】 このラック装置４を側面（図１のＢ方向）から見ると、図３に示すように物品 格納棚１２がマトリクス状に形成されている。ここで、ラック装置４の背面とは 、図３に示す矢印Ｂ側、即ち、クレーン走行側の反対側とする。

【００１３】 更に、このラック装置４には、１階部分、前後方向（図２、図３）には、上記 物品格納棚１２の上方（人の肩位の高さ）に、通常の棚とは別に仮棚（スライド 棚１４）がピッキング方向にスライド可能な状態で設けられている。このスライ ド棚１４は、端部にストッパー１３ａを有するＬ形の水平バー１３に沿ってスラ イドできるようになっている。

【００１４】 上記スライド棚１４のは、図４に示すように物品Ｗを載置する箱形の物品載置 部１４ｃと、物品載置部１４ｃの前部に固着された垂直板１４ａと、上記物品載 置部１４ｃと垂直板１４ａとの固着関係を補強する傾斜棒１４ｂとから成る。

【００１５】 更に、上記スライド棚１４には、前後一対の車輪１５が上記Ｌ形の水平バー１ ３の水平部を上下に挟むように設けられている。上記車輪１５は、図５に示すよ うにボルト１６とナット１７とで上記物品載置部１４ｃの側部に回転自在に固定 されている。尚、図３の斜視図には、上記車輪１５等の走行系部材は省略されて いる。

【００１６】 上記構成により、スライド棚１４は、上記Ｌ形の水平バー１３に沿って、ピッ キング方向にスライドできるようになっている。Ｌ形の水平バー１３の端部には ストッパー１３ａが形成されているので、スライド棚１４はＬ形の水平バー１３ から脱落することはない。

【００１７】 次に、本考案のピッキング装置に係るピッキング作業について説明する。 上記スライド棚１４は、作業者が通常のピッキング作業中は、奥の位置（クレ ーン走行側）にセットされる。これは、スライド棚１４の取付位置は、作業者の 肩レベルの高さである為、奥にセットすることで、ピッキング作業をし易くして いる。

【００１８】 パレット上の物品が少なくなる（例えば、１個か２個）と、作業者は、その少 ない物品を上記スライド棚１４に一時載置する。これにより、少しでも早くパレ ット上を空とすることができる。そして、次の実パレットと空パレットが交換さ れる。従って、少しでも早くパレット上を空とできる分、時間が短縮される。 作業者は、クレーンが実パレットを搬送してくるまでの時間を利用して、上記 スライド棚１４を手元位置にセットし、少ない物品をピッキングし易くして作業 を行う。

【００１９】 以上、本考案の実施例について説明したが、本考案は上記実施例に限定される ものではなく、本考案の要旨の範囲内において適宜変形実施可能であることは言 うまでもない。例えば、上記実施例では、スライド棚１４は、ピッキング方向に スライドしてセット位置が移動可能されてているが、他の例として、上下または 左右方向にスライドしたりするものでもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上の事からも明らかなように、本考案のピッキング装置は、デッドスペース を有効利用し、且つ、背面ピッキングの作業効率を向上させることができる。例 えば、ピッキング作業中は、奥の位置（クレーン走行側）にセットされ、作業の 邪魔とならない。そして、パレット上の物品が少なくなると、作業者は、その物 品を上記仮棚に一時載置することができるので、次の実パレットと空になったパ レットとの交換サイクルタイムを早くできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のピッキング装置を示した平面図であ
る。

【図２】図１におけるＡ方向から見た部分後面図であ
る。

【図３】図１におけるＢ方向から見た部分斜視図であ
る。

【図４】本考案におけるスライド棚の作用図である。

【図５】スライド棚の取付構造を示した部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ピッキング装置 ３ クレーン走行路 ４ ラック装置 １２ 物品格納棚 １４ スライド棚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレーン走行面に対して設置される背面
   ピッキング方式のラック装置あって、ラック背面から物
   品の取り出しが可能な少なくとも最下位の物品格納棚の
   上部空間内でセット位置移動可能な仮棚を設けたことを
   特徴とするラック装置。