JPH0663078B2 - 溶融亜鉛めっき用合金化炉の操業方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき用合金化炉の操業方法

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JPH0663078B2
JPH0663078B2 JP63132398A JP13239888A JPH0663078B2 JP H0663078 B2 JPH0663078 B2 JP H0663078B2 JP 63132398 A JP63132398 A JP 63132398A JP 13239888 A JP13239888 A JP 13239888A JP H0663078 B2 JPH0663078 B2 JP H0663078B2
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信 新井
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造工程で使用される
溶融亜鉛めっき用合金化炉の操業方法に関する。
〔従来の技術〕
溶融亜鉛めっき鋼板には、溶融亜鉛めっき直後の鋼板に
熱処理を施して、そのめっき層の一部あるいは全体をFe
−Zn合金層としたものがある。この合金化処理は、第6
図に示されるように、溶融亜鉛めっき槽1の直上に配設
した溶融亜鉛めっき用合金化炉(以下、単に合金化炉と
いう)2を用いて行われる。
溶融亜鉛が加熱状態で貯えられている溶融亜鉛めっき槽
1に鋼板3が進入し、シンクロール4で上向きに方向転
換されて引き上げられる。次いで、溶融亜鉛の付着した
その鋼板3を絞り装置5に通して、鋼板面の亜鉛付着量
を調整した後、合金化炉2の炉体の下端側の入り口2Aか
ら炉内に導入する。炉内では複数の直火式バーナ6で加
熱処理して、亜鉛層へ鉄を拡散させる。合金化処理され
た鋼板3は、炉体の上端側の出口2Bから炉外に取り出さ
れる。
本来耐食性の高い溶融亜鉛めっき鋼板に合金化処理を施
すと、優れた塗装性が得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
合金化炉としては、長い煙突形の加熱炉が用いられてき
たが、従来のものは炉体入口側と出口側のシールが不十
分であり、炉内の高温ガスのドラフトにより、炉体入口
側から多量の外気が炉内に侵入する。
そのため、省エネルギーと品質安定の見地から次のよう
な問題点があった。
侵入外気を所定の炉内温度まで加熱するのに必要な熱
量は、合金化処理に要する全出熱量の約20%にも及び、
極めて不経済である。
侵入外気のため炉内の温度上昇が妨げられて、合金化
処理する鋼板の温度(板温)を一定に保つことが難し
く、合金化処理品質が安定しない。
侵入外気の加熱のため、生産性の向上に大きな支障を
きたしている。
このような合金化炉内への侵入外気により発生する問題
点を解決するために、合金化炉の内壁から中心方向に向
かって突出した仕切り壁であって、溶融亜鉛めっき鋼板
の連続送給方向に沿って少なくとも1以上設けた仕切り
壁によって炉内を少なくとも1以上のブロックに区画
し、該仕切り壁によって制限された長手方向空間内を前
記鋼板が連続走行するように構成した合金化炉が提案さ
れている(特開昭60−149759号公報)。
しかしながら、この従来例にあっては、炉内を走行する
鋼板のばたつきにより鋼板に発生する表面傷を考慮する
と、鋼板と仕切り壁の間の距離をあまり小さくすること
はできない。そのため、炉内高温ガスのドラフトを低減
させる効果が小さくて、相変わらず外気の侵入を阻止す
ることが難しい。このため、炉内温度の維持が阻害さ
れ、結局のところ外気侵入に基づく上記従来の合金化炉
の問題点については未解決のままである。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされた
ものであり、合金化炉の上端側に気体噴出ノズルを設
け、この気体噴出ノズルからの噴出気流で炉内高温ガス
のドラフトを低減せしめるようにした溶融亜鉛めっき用
合金化炉の操業方法を提供して、上記問題点を解決する
ことを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
その目的を達成する本発明は、溶融亜鉛めっき槽の直上
に配した溶融亜鉛めっき用合金化炉の上端側に気体噴出
ノズルを備え、溶融亜鉛めっき槽を通過した鋼板を炉体
の下端側から炉内に導入して加熱処理し、その後炉体の
上端側から炉外に排出する際、鋼板の表裏両面側に前記
ノズルから鋼板の板幅方向に平行で且つ下向きに帯状の
気体噴流を噴射し、その気体噴射流量は炉内圧力または
炉内雰囲気ガス中の酸素濃度のいずれかが予め設定した
目標値になるように調節されることを特徴とする溶融亜
鉛めっき用合金化炉の操業方法である。
〔作用〕
炉体の上端側に設けた気体噴射ノズルから噴射される気
体噴流は、鋼板の板幅方向に平行で且つ下向きに帯状で
あるから、炉体上方に抜けようとする炉内の高温ガスの
流れを抑制し、ドラフトを低減させる。これにより、炉
体入口側から炉内への外気の侵入が阻止される。
また、鋼板の炉内通過量(通板量)が一定せずある範囲
で変動する場合は、気体噴出ノズルから噴射される気体
噴流量が一定であると、炉内圧力(炉内)のある程度の
変動が生じ、その変動に応じて外気が侵入することがあ
る。そこで、炉圧が外気圧より僅かに高めに設定した目
標値になるように、気体噴出ノズルから噴射される気体
噴射流量を調節することにより、ドラフトが低減されて
外気の侵入を阻止することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図とともに説明する。
第1図ないし第5図は、本発明の実施例を示すものであ
る。なお、従来と同一又は相当部分には同一符号を付し
てある。
図において、10は気体噴出ノズルであり、合金化炉2の
炉体上端側にある出口2Bのやや上方位置に設けられてい
る。この気体噴出ノズル10は2個1対となり、炉体の出
口2Bから炉外に排出される溶融亜鉛めっき鋼板3の表裏
両面側に設けられている。この実施例の各気体噴出ノズ
ル10は中空円筒形をなし、第2図に示されるような、軸
方向に長いスリット開口部からなるノズル口11を有して
いる。そのノズル口11は、鋼板3の板幅方向に平行で且
つ下向きに設けてあり、炉体の出口2Bと鋼板3との間の
開口をシールするように、帯状の気体(シールエア)噴
流を形成するものである。もっとも、ノズル口11につい
ては、上記のスリットタイプに限定されるものではな
い。例えば第3図に示されるように、多数の小孔を軸方
向に配列してなるマルチホールタイプなど、要は帯状の
気体噴流を形成するものであればよい。
上記気体噴出ノズル10は、第4図に矢符号イで示される
方向にいくらか回動可能に支持され、気体噴流の鋼板3
に対する噴出角度を手動調整することができるようにし
てある。そして各気体噴出ノズル10は、フレキシブル配
管12Aを介して接続された複数のバランス調整弁12を経
てエアヘッダ13に連通されている。複数のバランス調整
弁12は、鋼板3の板幅方向に間隔をおいて配設されてお
り、その開度を手動で調整して、板幅方向及び鋼板表裏
における気体噴出ノズル10からの噴出量を加減できるよ
うにしている。これは、アンバランスなシールエアの噴
出による鋼板3の振動を防止するためである。
エアヘッダ13は、シールエア用の流量調整弁14を介して
送給フアン15に接続されている。
シールエア用の流量調整弁14の受信部は、弁開度調節信
号を出力する炉圧調節計16に接続されている。この炉圧
調節計16には、目標炉圧設定器17及び合金化炉2の入口
2A近辺に設置された炉圧測定器18からの信号が入力さ
れ、その偏差信号が流量調整弁14に出力される。
20は排気ダクトで、排気ダンパ21を備えて合金化炉2の
出口2B近辺の炉壁に設けられており、気体噴出ノズル10
を使用しない操業時に、排気ダンパ21を開き、合金化炉
2内の排気を行う。
なお、合金化炉2の加熱帯H(Hは均熱帯である)
における炉壁に設けられた直火式バーナ6は、燃料ガス
流量調節弁22を介して燃料ガス供給源23に燃料ガス配管
24で接続され、更に、燃焼エア流量調節弁25を介して燃
焼エア送給フアン26に燃焼エア配管27で接続されてい
る。
また、30は燃料調節装置、31は合金化炉2の出口2B近辺
の炉壁に設けられた板温計、32は目標板温設定器であ
る。この燃料調節装置30は、板温計31からの温度信号及
び目標板温設定器32からの板温目標値信号を入力し、両
信号の偏差量に応じた温度制御信号を出力する温度調節
計と、この温度制御信号に基づいて燃料ガス流量調節弁
22に燃料ガス流量調節信号を出力する燃料ガス流量調節
器と、この燃料ガス流量調節信号に基づいて燃料ガスと
燃焼エアとの比率(空燃比)を設定してガス・エア比信
号を出力する燃料ガス・燃焼エア比設定器と、このガス
・エア比信号に基づいて燃焼エア流量調節弁25に燃焼エ
ア流量調節信号を出力する燃焼エア流量調節器とで構成
されている。
次に上記実施例の作用を説明する。
合金化炉2の操業条件は以下のとおりに設定した。
通板量:28t/H、板温設定値:550℃、燃料ガス(Cガ
ス)流量:300Nm/H、燃焼エア流量1000Nm/H、炉
圧:−5mmHO(外気圧基準)、炉内雰囲気ガス中の酸
素濃度(以下、排ガス配素値という)10%。
この条件下で、送給フアン15からシールエアを送給し、
気体噴出ノズル10から吐出量200Nm/Hで噴出させて
エアカーテンを形成して炉出口2Bをエアシールしつつ操
業した。
その結果、排ガス酸素値は当初の10%から5%に減少さ
れた。一方、炉圧は当初の−5mmHOから+1mmHOに
変化して外気圧に対して正圧となり、炉入口2Aからの外
気の炉内侵入を殆ど阻止することができた。
第5図は、エアシールを実施する前とエアシール実施後
の操業における燃料ガス量の消費量の変化を表したもの
で、エアシール実施前に300Nm/Hであったものを、
エアシール実施後には、250Nm/Hに低減することが
できた。
次に、本発明の他の実施例を説明する。
この実施例は、前述した実施例とは操業条件を異にする
場合である。
すなわち、合金化炉2の通板量は、溶融亜鉛めっき工程
以前の工程の影響を受けてある程度変動することがあり
得る。このような通板量の変動がある場合は、気体噴出
ノズル10からのシールエアの噴出量を一定にすると、炉
圧が変動し、その影響で外気の炉内侵入を生じる。
その場合の対応としては、まず目標炉圧設定器17に、目
標炉圧を予め設定する。炉圧目標値は外気に対して僅か
に正圧となる値である。そして、この目標値と炉圧測定
器18で測定される炉圧実測値を炉圧調節計16に入力して
シール気体用の流量調整弁14の開度をフィードバック制
御することにより、気体噴出ズル10から噴射するシール
エアの噴出量を制御し、炉圧を一定に抑えて炉内への外
気侵入を防止する。
例えば、通板量が10〜30t/Hの範囲で変化したとき、
板温設定値:550℃一定とし、燃料ガス(Cガス)流量:2
00〜350Nm/H、燃焼エア流量650〜1050Nm/Hの範
囲で空燃比制御を行った。
そのとき、気体噴出ノズル10からのシールエアの吐出量
を一定値200Nm/Hとした場合は、炉圧が−2mmH
〜+2mmHOの範囲で変動し、そのため炉内侵入外気の
量が変化して、排ガス酸素値が4〜7%の範囲で変動し
た。
そこで、目標炉圧設定器17に炉圧目標値を設定して+2m
mHO一定となるようにフィードバック制御したとこ
ろ、気体噴出ノズル10からのシールエアの噴出量は200
〜400Nm/Hの範囲で制御され、炉圧を+2mmHO一
定に抑えて炉内への外気侵入は殆どなくなった。また排
ガス酸素値は4%一定に保たれた。
なお、前記実施例では、制御目標値として炉圧を用いた
場合を説明したが、これに限らず、炉内雰囲気ガス中の
酸素濃度すなわち排ガス酸素値を一定に設定して制御す
ることもできる。
なおまた、前記実施例では、気体噴出ノズル10から噴出
されるシールエアを常温空気としたが、加熱空気あるい
は第1図に鎖線で示される配管40を設けて炉内雰囲気ガ
スを用いることも可能である。このようにすれば、めっ
きされた鋼板の急冷による品質低下や炉温の低下を防止
する上で更に効果的である。
〔発明の効果〕
このように、本発明によれば、合金化炉の出口側を気体
噴流でエアシールするものとしたため、炉外から炉内へ
の侵入空気を殆ど無くすことができて、炉温の上昇も円
滑となり燃料ガス量を大幅に低減することが可能となっ
た。
しかも、通板量が変化した場合、その変化に応じて燃焼
制御を行うが、エアシール用の気体量を制御することで
炉圧を一定として外気の侵入を無くすことが可能となる
から、板温を一定に保つことができ、めっき鋼板の品質
を安定させることができると共に、生産性を向上させる
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の装置の一実施例を示す模式図、第2図
と第3図はそれぞれ気体噴出ノズルの態様を示す部分縦
断面図、第4図は気体噴出ノズル部の詳細を説明する模
式斜視図、第5図は本発明の効果を従来と比較して示す
グラフ、第6図は従来の溶融亜鉛めっき用合金化炉の模
式縦断面図である。 1は溶融亜鉛めっき槽、2は合金化炉、3は鋼板、10は
気体噴出ノズル、11はノズル口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 振一郎 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 福田 宗弘 千葉県千葉市塩田町385番地の1 川鉄鋼 板株式会社千葉工場内 (56)参考文献 特開 昭61−183961(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融亜鉛めっき槽の直上に配した溶融亜鉛
    めっき用合金化炉の上端側に気体噴出ノズルを備え、溶
    融亜鉛めっき槽を通過した鋼板を炉体の下端側から炉内
    に導入して加熱処理し、その後炉体の上端側から炉外に
    排出する際、鋼板の表裏両面側に前記ノズルから鋼板の
    板幅方向に平行で且つ下向きに帯状の気体噴流を噴射
    し、その気体噴射流量は炉内圧力または炉内雰囲気ガス
    中の酸素濃度のいずれかが予め設定した目標値になるよ
    うに調節されることを特徴とする溶融亜鉛めっき用合金
    化炉の操業方法。
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